特許第6113831号(P6113831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113831
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】電圧モードドライバ
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/09 20060101AFI20170403BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   G11B5/09 311B
   H03K19/00 101Q
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-509184(P2015-509184)
(86)(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公表番号】特表2015-520906(P2015-520906A)
(43)【公表日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】US2013038439
(87)【国際公開番号】WO2013163559
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2016年4月19日
(31)【優先権主張番号】13/457,175
(32)【優先日】2012年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ラジャルシ ムコパディヤイ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディー ロウリー
【審査官】 斎藤 眞
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−164312(JP,A)
【文献】 特開平05−210811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/00−5/024
G11B 5/09
H03K 19/00−19/096
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
入力バッファ、
前記入力バッファに結合されるデジタル論理であって、少なくとも1つのデュレーションジェネレータと少なくとも1つのレベルシフタとを有する、前記デジタル論理、
誘導負荷を駆動するように構成される整合回路、
第1のハーフHブリッジであって、
前記デジタル論理によって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、第1の電圧を受け取るように構成される第1のCMOSスイッチと、
前記デジタル論理によって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、第2の電圧を受け取るように構成される第2のCMOSスイッチと、
前記デジタル論理によって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、第3の電圧を受け取るように構成される第3のCMOSスイッチと、
前記デジタル論理によって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、第4の電圧を受け取るように構成される第4のCMOSスイッチと、
を有する、前記第1のハーフHブリッジ、及び
第2のハーフHブリッジであって、
前記デジタル論理によって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、前記第1の電圧を受け取るように構成される第5のCMOSスイッチと、
前記デジタル論理によって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、前記第2の電圧を受け取るように構成される第6のCMOSスイッチと、
前記デジタル論理によって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、前記第3の電圧を受け取るように構成される第7のCMOSスイッチと、
前記デジタル論理によって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、前記第4の電圧を受け取るように構成される第8のCMOSスイッチと、
を有する、前記第2のハーフHブリッジ、
を含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記デジタル論理がさらに、
前記デュレーションジェネレータに結合され、前記第1、第2、第3、及び第4のCMOSスイッチを制御するように結合される第1のレベルシフタ、及び
前記デュレーションジェネレータに結合され、前記第5、第6、第7、及び第8のCMOSスイッチを制御するように結合される第2のレベルシフタ、
を含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記第1の電圧が前記第2の電圧より大きく、前記第2の電圧が共通モード電圧より大きく、前記共通モード電圧が前記第3の電圧より大きく、前記第3の電圧が前記第4の電圧より大きい、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記整合回路がさらに、
前記共通モード電圧を受け取るように構成され、前記第1及び第4のCMOSスイッチに結合される第1のレジスタ、
前記共通モード電圧を受け取るように構成され、前記第2及び第3のCMOSスイッチに結合される第2のレジスタ、
前記第1及び第4のCMOSスイッチに結合される第3のレジスタ、
前記第2及び第3のCMOSスイッチに結合される第4のレジスタ、及び
前記第3及び第4のレジスタに結合される第5のレジスタ、
を含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記第1及び第2のレジスタの抵抗が実質的に同じであり、前記第1及び第2のレジスタの抵抗が前記第3、第4、及び第5のレジスタの抵抗より大きい、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、及び第8のCMOSスイッチの各々がさらに、
カスケード配置でともに結合される複数のバイアスされたMOSトランジスタと、
前記複数のバイアスされたMOSトランジスタの少なくとも1つに結合され、且つ、そのゲートでそのレベルシフタに結合され、且つ、そのドレインで前記整合回路に結合される、スイッチングMOSトランジスタと、
を含む、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記整合回路がさらに、前記第5のレジスタに結合されるインダクタを含む、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、前記デュレーションジェネレータがさらに、
前記入力バッファに結合されるインバータ、
前記インバータに結合されるスルー回路、
前記インバータ及び前記スルー回路に結合される第1の段、及び
第2の段、
を含み、
前記第2の段が、
前記第1の段に結合される第1の論理回路と、
前記第1の段に結合される第2の論理回路と、
を含む、
装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記第1の論理回路がNANDゲートであり、前記第2の論理回路がNORゲートである、装置。
【請求項10】
方法であって、
書き込みイベントを示す入力信号を受け取るステップ、
前記書き込みイベントに対応するブーストパルス及び書き込みパルスを生成するステップ、及び
前記ブーストパルス及び前記書き込みパルスを用いてハーフHブリッジにより書き込み信号の一部を生成するステップ、
を含み、
前記書き込み信号の一部を生成するステップが、
前記書き込み信号の前記一部を第1の直流(DC)電圧から第1のピーク電圧に遷移させるため、第1のCMOSスイッチをイナクティブにし、第2のCMOSスイッチをアクティブにすること、
第1のインタバルの後、前記書き込み信号の前記一部を前記第1のピーク電圧から第2のDC電圧に遷移させるため、前記第2のCMOSスイッチをイナクティブにし、第3のCMOSスイッチをアクティブにすること、
第2のインタバルの後、前記書き込み信号の前記一部を前記第2のDC電圧から第2のピーク電圧に遷移させるため、前記第3のCMOSスイッチをイナクティブにし、第4のCMOSスイッチをアクティブにすること、
第3のインタバルの後、前記書き込み信号の前記一部を前記第2のピーク電圧から前記第1のDC電圧に遷移させるため、前記第4のCMOSスイッチをイナクティブにし、前記第1のCMOSスイッチをアクティブにすること、
によって成される、
方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、ブーストパルス及び書き込みパルスを生成する前記ステップがさらに、
前記入力信号を反転させるステップ、
スルーされた信号を生成するため、前記反転された入力信号をスルー回路に印加するステップ、
前記ブーストパルスを生成するため、前記スルーされた信号を遅延された入力信号と論理結合するステップ、及び
前記書き込みパルスを生成するため、前記スルーされた信号を前記入力信号の遅延された反転と論理結合するステップ、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記スルーされた信号を前記遅延された入力信号と論理結合する前記ステップがさらに、前記スルーされた信号を前記遅延された入力信号とNAND演算することを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記スルーされた信号を前記入力信号の前記遅延された反転と論理結合する前記ステップがさらに、前記スルーされた信号を前記入力信号の前記遅延された反転とNOR演算することを含む、方法。
【請求項14】
装置であって、
磁気ヘッドと、
プリアンプと、
を含み、
前記プリアンプが、
入力バッファ、
前記入力バッファに結合されるデュレーションジェネレータ、
前記デュレーションジェネレータに結合される第1のレベルシフタ、
前記デュレーションジェネレータに結合される第2のレベルシフタ、
前記磁気ヘッドに結合される整合回路、
第1のハーフHブリッジであって、
前記第1のレベルシフタによって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、第1の電圧を受け取るように構成される第1のCMOSスイッチと、
前記第1のレベルシフタによって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、第2の電圧を受け取るように構成される第2のCMOSスイッチと、
前記第1のレベルシフタによって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、第3の電圧を受け取るように構成される第3のCMOSスイッチと、
前記第1のレベルシフタによって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、第4の電圧を受け取るように構成される第4のCMOSスイッチと、
を有し、前記第1の電圧が前記第2の電圧より大きく、前記第2の電圧が共通モード電圧より大きく、前記共通モード電圧が前記第3の電圧より大きく、前記第3の電圧が前記第4の電圧より大きい、前記第1のハーフHブリッジ、及び
第2のハーフHブリッジであって、
前記第2のレベルシフタによって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、前記第1の電圧を受け取るように構成される第5のCMOSスイッチと、
前記第2のレベルシフタによって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、前記第2の電圧を受け取るように構成される第6のCMOSスイッチと、
前記第2のレベルシフタによって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、前記第3の電圧を受け取るように構成される第7のCMOSスイッチと、
前記第2のレベルシフタによって制御されるように結合され、前記整合回路に結合され、前記第4の電圧を受け取るように構成される第8のCMOSスイッチと、
を有する、前記第2のハーフHブリッジ、
を含む、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記整合回路がさらに、
前記共通モード電圧を受け取るように構成され、前記第1及び第4のCMOSスイッチに結合される第1のレジスタ、
前記共通モード電圧を受け取るように構成され、前記第2及び第3のCMOSスイッチに結合される第2のレジスタ、
前記第1及び第4のCMOSスイッチに結合される第3のレジスタ、
前記第2及び第3のCMOSスイッチに結合される第4のレジスタ、
前記第3及び第4のレジスタに結合される第5のレジスタ、
前記共通モード電圧を受け取るように構成され、前記第5及び第8のCMOSスイッチに結合される第6のレジスタ、
前記共通モード電圧を受け取るように構成され、前記第6及び第7のCMOSスイッチに結合される第7のレジスタ、
前記第5及び第8のCMOSスイッチに結合される第8のレジスタ、
前記第6及び第7のCMOSスイッチに結合される第9のレジスタ、及び
前記第8及び第9のレジスタに結合される第10のレジスタ、
を含む、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記第1、第2、第6、及び第7のレジスタの抵抗が実質的に同じである、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、及び第8のCMOSスイッチの各々がさらに、
カスケード配置でともに結合される複数のバイアスされたMOSトランジスタと、
前記複数のバイアスされたMOSトランジスタの少なくとも1つに結合され、且つ、そのゲートでそのレベルシフタに結合され、且つ、そのドレインで前記整合回路に結合される、スイッチングMOSトランジスタと、
を含む、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、前記整合回路がさらに、
前記第5のレジスタに結合される第1のインダクタと、
前記第10のレジスタに結合される第2のインダクタと、
を含む、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記デュレーションジェネレータがさらに、
前記入力バッファに結合されるインバータ、
前記インバータに結合されるスルー回路、
前記インバータ及び前記スルー回路に結合される第1の段、及び
第2の段、
を含み、
前記第2の段が、
前記第1の段に結合される第1の論理回路と、
前記第1の段に結合される第2の論理回路と、
を含む、
装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、前記第1の論理回路がNANDゲートであり、前記第2の論理回路がNORゲートである、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して電圧モードドライバに関し、より詳細には電圧モードドライバを有するプリアンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(HDD)内では、プリアンプは概して、磁気ヘッドとの読み出し及び書き込み動作を行うために使用される。典型的に、書き込み動作の場合、プリアンプは、DC電流を用いてディスク内の磁気要素を分極させ、成分をオーバーシュートさせてヘッド内の損失を補償する電流波形を生成する。図1に移ると、従来のプリアンプ100の例が見られる。プリアンプ100は、磁気ヘッド(これは典型的には誘導負荷である)に書き込み信号を提供するためのハードディスクドライブ(HDD)アプリケーションに一般に用いられる。このプリアンプ100は、概して、入力バッファ102−1及び102−2、並びにデジタル論理104(これは、デュレーションジェネレータ106−1及び106−2、論理回路108−1及び108−2、並びにHブリッジを含む)で構成される。このプリアンプ100は磁気ヘッドを効果的に駆動するが、いくつかの問題がある。すなわち、この種類のプリアンプ100は、通常、シリコン−ゲルマニウム(SiGe)プロセスで製作されるのでコスト高になり得る。このプリアンプ100は、大電力を消費し得、大供給電圧(すなわち、8V又は10V)を必要とし得る。したがって、改善されたプリアンプが必要とされている。
【0003】
従来のシステムのいくつかの他の例には、米国特許第6,285,221号、米国特許第7,408,313号、米国特許第7,656,111号、米国特許第7,880,989号がある。
【特許文献1】米国特許第6,285,221号
【特許文献2】米国特許第7,408,313号
【特許文献3】米国特許第7,656,111号
【特許文献4】米国特許第7,880,989号
【発明の概要】
【0004】
本明細書において説明する実施形態において或る装置が提供される。この装置は、入力バッファ、入力バッファに結合されるデジタル論理、誘導負荷を駆動するように構成される整合回路、第1のハーフHブリッジ、及び第2のハーフHブリッジを含む。デジタル論理は、少なくとも1つのデュレーションジェネレータ及び少なくとも1つのレベルシフタを有する。第1のハーフHブリッジは、デジタル論理によって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第1の電圧を受け取るように構成される第1のCMOSスイッチと、デジタル論理によって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第2の電圧を受け取るように構成される第2のCMOSスイッチと、デジタル論理によって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第3の電圧を受け取るように構成される第3のCMOSスイッチと、デジタル論理によって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第4の電圧を受け取るように構成される第4のCMOSスイッチとを有する。第2のハーフHブリッジは、デジタル論理によって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第1の電圧を受け取るように構成される第5のCMOSスイッチと、デジタル論理によって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第2の電圧を受け取るように構成される第6のCMOSスイッチと、デジタル論理によって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第3の電圧を受け取るように構成される第7のCMOSスイッチと、デジタル論理によって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第4の電圧を受け取るように構成される第8のCMOSスイッチとを有する。
【0005】
いくつかの実装において、デジタル論理はさらに、デュレーションジェネレータに結合され、第1、第2、第3、及び第4のCMOSスイッチを制御するように結合される第1のレベルシフタと、デュレーションジェネレータに結合され、第5、第6、第7、及び第8のCMOSスイッチを制御するように結合される第2のレベルシフタとを含む。
【0006】
いくつかの実装において、第1の電圧が第2の電圧より大きく、第2の電圧が共通モード電圧より大きく、共通モード電圧が第3の電圧より大きく、第3の電圧が第4の電圧より大きい。
【0007】
いくつかの実装において、整合回路はさらに、共通モード電圧を受け取るように構成され、且つ、第1及び第4のCMOSスイッチに結合される第1のレジスタと、共通モード電圧を受け取るように構成され、且つ、第2及び第3のCMOSスイッチに結合される第2のレジスタと、第1及び第4のCMOSスイッチに結合される第3のレジスタと、第2及び第3のCMOSスイッチに結合される第4のレジスタと、第3及び第4のレジスタに結合される第5のレジスタとを含む。
【0008】
いくつかの実装において、第1及び第2のレジスタの抵抗は実質的に同じであり、第1及び第2のレジスタの抵抗は第3、第4、及び第5のレジスタの抵抗より大きい。
【0009】
いくつかの実装において、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、及び第8のCMOSスイッチの各々がさらに、カスケード配置でともに結合される複数のバイアスされたMOSトランジスタと、バイアスされたMOSトランジスタの少なくとも1つに結合され、且つ、そのゲートでそのレベルシフタに結合され、且つ、そのドレインで整合回路に結合されるスイッチングMOSトランジスタとを含む。
【0010】
いくつかの実装において、整合ネットワークはさらに、第5のレジスタに結合されるインダクタを含む。
【0011】
いくつかの実装において、デュレーションジェネレータはさらに、入力バッファに結合されるインバータと、インバータに結合されるスルー(slewing)回路と、インバータ及びスルー回路に結合される第1の段と、第2の段であって、第1の段に結合される第1の論理回路及び第1の段に結合される第2の論理回路を含む第2の段とを含む。
【0012】
いくつかの実装において、第1の論理回路はNANDゲートであり、第2の論理回路はNORゲートである。
【0013】
別の実施形態において或る方法が提供される。この方法は、書き込みイベントを示す入力信号を受け取るステップ、書き込みイベントに対応するブーストパルス及び書き込みパルスを生成するステップ、及びブーストパルス及び書き込みパルスを用いてハーフHブリッジにより書き込み信号の一部を生成するステップを含む。書き込み信号の一部を生成するステップは、第1のCMOSスイッチをイナクティブにし、第2のCMOSスイッチをアクティブにして、書き込み信号のこの部分を第1の直流(DC)電圧から第1のピーク電圧に遷移させること、第1のインタバルの後、第2のCMOSスイッチをイナクティブにし、第3のCMOSスイッチをアクティブにして、書き込み信号のこの部分を第1のピーク電圧から第2のDC電圧に遷移させること、第2のインタバルの後、第3のCMOSスイッチをイナクティブにし、第4のCMOSスイッチをアクティブにして、書き込み信号のこの部分を第2のDC電圧から第2のピーク電圧に遷移させること、及び、第3のインタバルの後、第4のCMOSスイッチをイナクティブにし、第1のCMOSスイッチをアクティブにして、書き込み信号のこの部分を第2のピーク電圧から第1のDC電圧に遷移させることによって成される。
【0014】
いくつかの実装において、ブーストパルス及び書き込みパルスを生成するステップはさらに、入力信号を反転させるステップ、スルーされた信号を生成するため、反転された入力信号をスルー回路に印加するステップ、ブーストパルスを生成するため、スルーされた信号を遅延された入力信号と論理結合するステップ、及び、書き込みパルスを生成するため、スルーされた信号を入力信号の遅延された反転と論理結合するステップを含む。
【0015】
いくつかの実装において、スルーされた信号を遅延された入力信号と論理結合するステップはさらに、スルーされた信号を遅延された入力信号とNAND演算することを含む。
【0016】
いくつかの実装において、スルーされた信号を入力信号の遅延された反転と論理結合するステップはさらに、スルーされた信号を入力信号の遅延された反転とNOR演算することを含む。
【0017】
いくつかの実装において或る装置が提供される。この装置は、磁気ヘッド及びプリアンプを含む。プリアンプは、入力バッファ、入力バッファに結合されるデュレーションジェネレータ、デュレーションジェネレータに結合される第1のレベルシフタ、デュレーションジェネレータに結合される第2のレベルシフタ、磁気ヘッドに結合される整合回路、及び第1のハーフHブリッジ、及び第2のハーフHブリッジを含む。第1のハーフHブリッジは、第1のレベルシフタによって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第1の電圧を受け取るように構成される第1のCMOSスイッチと、第1のレベルシフタによって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第2の電圧を受け取るように構成される第2のCMOSスイッチと、第1のレベルシフタによって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第3の電圧を受け取るように構成される第3のCMOSスイッチと、第1のレベルシフタによって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第4の電圧を受け取るように構成される第4のCMOSスイッチとを有する。第1の電圧は第2の電圧より大きく、第2の電圧は共通モード電圧より大きく、共通モード電圧は第3の電圧より大きく、第3の電圧は第4の電圧より大きい。第2のハーフHブリッジは、第2のレベルシフタによって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第1の電圧を受け取るように構成される第5のCMOSスイッチと、第2のレベルシフタによって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第2の電圧を受け取るように構成される第6のCMOSスイッチと、第2のレベルシフタによって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第3の電圧を受け取るように構成される第7のCMOSスイッチと、第2のレベルシフタによって制御されるように結合され、整合回路に結合され、第4の電圧を受け取るように構成される第8のCMOSスイッチとを有する。
【0018】
いくつかの実装において、整合回路はさらに、共通モード電圧を受け取るように構成され、第1及び第4のCMOSスイッチに結合される第1のレジスタと、共通モード電圧を受け取るように構成され、第2及び第3のCMOSスイッチに結合される第2のレジスタと、第1及び第4のCMOSスイッチに結合される第3のレジスタと、第2及び第3のCMOSスイッチに結合される第4のレジスタと、第3及び第4のレジスタに結合される第5のレジスタと、共通モード電圧を受け取るように構成され、第5及び第8のCMOSスイッチに結合される第6のレジスタと、共通モード電圧を受け取るように構成され、第6及び第7のCMOSスイッチに結合される第7のレジスタと、第5及び第8のCMOSスイッチに結合される第8のレジスタと、第6及び第7のCMOSスイッチに結合される第9のレジスタと、第8及び第9のレジスタに結合される第10のレジスタとを含む。
【0019】
いくつかの実装において、第1、第2、第6、及び第7のレジスタの抵抗は実質的に同じである。
【0020】
いくつかの実装において、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、及び第8のCMOSスイッチの各々がさらに、カスケード配置でともに結合される複数のバイアスされたMOSトランジスタと、バイアスされたMOSトランジスタの少なくとも1つに結合され、且つ、そのゲートでそのレベルシフタに結合され、且つ、そのドレインで整合回路に結合されるスイッチングMOSトランジスタとを含む。
【0021】
いくつかの実装において、整合ネットワークはさらに、第5のレジスタに結合される第1のインダクタ、及び第10のレジスタに結合される第2のインダクタを含む。
【0022】
いくつかの実装において、デュレーションジェネレータはさらに、入力バッファに結合されるインバータと、インバータに結合されるスルー回路と、インバータ及びスルー回路に結合される第1の段と、第2の段であって、第1の段に結合される第1の論理回路及び第1の段に結合される第2の論理回路を含む、第2の段とを含む。
【0023】
いくつかの実装において、第1の論理回路はNANDゲートであり、第2の論理回路はNORゲートである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来のプリアンプの例の図である。
【0025】
図2】本発明に従ったプリアンプの例の図である。
【0026】
図3図2のハーフHブリッジ及び整合回路の例を示す図である。
【0027】
図4図2のデュレーションジェネレータの一部の例を示す図である。
【0028】
図5図3に示すデュレーションジェネレータの一部の例示動作を示すタイミング図である。
【0029】
図6図2のプリアンプのための書き込み信号の生成を示すタイミング図である。
【0030】
図7図3の整合回路の機能の例を示す図である。
図8図3の整合回路の機能の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図2図4は、例示のプリアンプ200を示す。プリアンプ100と同様に、プリアンプ200は、(例えば)約50Ωのインピーダンスを有する相互接続を介して(例えば)約100mAのピーク電流で駆動される磁気ヘッド216に対する書き込みイベントを反映する電流波形を生成し得る。この電流波形は、DC電流を用いて、ディスク内の磁気要素を分極させ、成分をオーバーシュートさせて損失を補償する。ただし、プリアンプ200の1つの違いは、それが従来のCMOSプロセス技術を利用して形成され、レール又は供給電圧が低い(すなわち、約4.5V及び約0V)ことである。
【0032】
プリアンプ100によって生成されるのと同様に電流波形を生成することができるように、プリアンプ200は電圧モードドライバを用いる。この電圧モードドライバは、概して、ハーフHブリッジ210−1及び210−2(これらは、ヘッド216に印加される差動書き込み信号の正及び負の部分を生成し得る)、並びに整合回路214で構成される。図3に示すように、ハーフHブリッジ210−1及び210−2は、電圧源212−1〜212−4に結合されるスイッチS1〜S8を用いる。電圧源212−1〜212−4は、レール又は供給電圧(すなわち、約4.5V及び約0V)を超える範囲内にあり得る電圧VTPEAK、VTDC、VBPEAK、及びVBDC(それぞれ)を生成する。例えば、電圧VTPEAK、VTDC、VBPEAK、及びVBDCは、それぞれ、約5V、約3.2V、約−1.2V、及び約−3Vとし得る。従来のレール超/レール未満(above-the-rail/below-the-rail)技術(チャージポンプを用いるものなど)が、これらの電圧VTPEAK、VTDC、VBPEAK、及びVBDCを生成するために用いられ得る。レベルシフタ208−1及び208−2によりスイッチS1〜S8の切り替えを制御することによって、ヘッド216用の電流波形が生成するために適切な電圧レベルが選択され得る。
【0033】
スイッチS1〜S8の切り替えを行うために、デジタル論理204から小さな電圧スイング(小電流を伴う)によりスイッチS1〜S8の状態を変化させ得ることが望ましい。これを実現するために、各スイッチS1〜S8は、バイアス電圧(すなわち、電圧VB1〜VB8)でバイアスされ、かつ、スイッチングトランジスタ(すなわち、トランジスタQ3、Q6、Q9、Q12、Q15、Q18、Q21、及びQ24)でカスケードされるバイアストランジスタ(すなわち、トランジスタQ1、Q2、Q4、Q5、Q7、Q8、Q10、Q11、Q13、Q14、Q16、Q17、Q19、Q20、Q22、及びQ23)として配置される。図に示すように、これらのトランジスタQ1〜Q24はMOSトランジスタ(すなわち、PMOS又はNMOSトランジスタ)である。例えばスイッチS2に着目すると、PMOSトランジスタQ4は、電圧源212−1に結合されて、そのソースにおいて電圧VTPEAKを受け取る。また、このトランジスタQ4は、電圧VB2(これは例えば約2.4Vとし得る)によってバイアスされ、PMOSトランジスタQ5でカスケードされる。トランジスタQ5も、電圧VB3(これは例えば約1.2Vとし得る)によってバイアスされ、スイッチングトランジスタQ6(これは例えば約0V〜約1.2Vの電圧スイングによってアクティブ又はイナクティブにされ得る)でカスケードされる。スイッチに用いられるバイアストランジスタ(すなわち、トランジスタQ4及びQ5)の数はこれより少なくても多くてもよく、これらのバイアストランジスタ(すなわち、トランジスタQ4及びQ5)は、スイッチングトランジスタ(すなわち、トランジスタQ6)よりも例えば約2〜3倍大きくし得る。
【0034】
図5は、書き込みイベント(又は書き込み信号の一部)に対応する電流波形の生成の例を示す。この例では、制御信号TPC、TDC、BDC、及びBTCが、ハーフHブリッジ210−1のスイッチS1〜S4に対して示されており、ハーフHブリッジ用の相補信号は図を見やすくするために省略されている。まず、書き込みイベントに対応する波形が開始される時間T1で、スイッチS2がアクティブにされ、スイッチS3がイナクティブにされる。これにより、書き込み信号が電圧VBDCから電圧VTPEAKに遷移して時間T1とT2の間のインタバルにおいてオーバーシュートが得られる。時間T2で、信号TPCがスイッチS2をイナクティブにし、信号TDCがスイッチS1をアクティブにし、それによって書き込み信号が電圧VTPEAKからVTDCに遷移させる。書き込み信号は、時間T2とT3の間のインタバルでは電圧VTDCのままである。時間T3で、信号BPCによってスイッチS4がアクティブにされ、スイッチS1がイナクティブにされる。これにより、時間T3とT4の間のインタバルで電圧VBPEAKのオーバーシュートが得られる。次いで、時間T4で、それぞれ、信号BPC及びBDCが、スイッチS4をイナクティブにし、スイッチS3をアクティブにして、書き込み信号を電圧VBDCに戻す。
【0035】
この構成によれば、出力ノード(すなわち、プリアンプ200が相互接続又はヘッド216に結合されるところ)における任意の静電容量が、プリアンプ200内に十分に出力インピーダンスを改変する。CMOSトランジスタ(すなわちトランジスタQ3)が用いられているので、整合に関して欠点がある。これは、CMOSトランジスタのドレイン静電容量が、通常、バイポーラトランジスタのコレクタ静電容量よりもはるかに大きいからであり、静電放電(ESD)構造(これは容量性となりやすい)が、通常、プリアンプ200の出力ノードに結合されるので、整合がさらに複雑になり得るからである。これらの不整合は反射を引き起こし得、それによって書き込み信号が劣化し得る。そのため、これらの不整合問題に対処するために、整合回路214が(図2及び図3に示すように)用いられ得る。図に示すように、レジスタR1、R2、R7及びR8が、共通モード電圧VCMを受け取り、スイッチS1〜S8に結合される。また、レジスタR3〜R6、R9、及びR10が設けられる。典型的には、レジスタR3〜R6、R9、及びR10は約30Ω〜約50Ωの桁とし得、レジスタR1、R2、R7、及びR8は、通常、10倍大きく(又は高く)し、例えば、約2kΩを有する。整合インダクタL1及びL2も含まれ得る。インダクタL1及びL2(これらは、典型的には、磁気的に結合されない)は、整合レジスタR1〜R10と直列なので、インダクタL1及びL2は低Qを許容し得、インダクタL1及びL2のインダクタンスにおける及び/又はコンデンサC1及びC2の整合静電容量における大きな変動が許容され得る。この構成を用いる結果、整合回路214は(図6及び図7に示すように)実質的に縮小され得る。
【0036】
プリアンプ200がプリアンプ100よりも優れている他の1つの利点は、冗長論理の低減である。図1に示すように、プリアンプ100はデュレーションジェネレータ106−1及び106−2を含むが、プリアンプ200はデュレーションジェネレータ206(これは、図3及び図4により詳細に示されている)を用いている。デュレーションジェネレータ206からの出力は、レベルシフタ208−1及び208−2によって用いられる。動作において、入力信号INがインバータ302−1に提供され、反転された入力信号XINが、スルー回路(これは概してNMOSトランジスタQ25、電流源306、及びコンデンサC3で構成される)、(段312の)インバータ302−3、並びに(段312の)伝達ゲート304−1に提供される。反転された入力信号XINがスルー回路に提供されると、信号Aがスルーし始める。信号Aがスルーし始めると、NANDゲート308がブーストパルスを(ブースト信号BSTの一部として)伝達ゲート304−2及びインバータ302−5を介して出力し始め、ブーストパルスの反転が(反転ブースト信号XBSTの一部として)インバータ302−4及び302−6を介して出力される。信号Aが十分に大きくなると、信号Aはインバータ302−2(及びしたがって反転信号AX)に状態を変化させ、ブーストパルスの終了がトリガされる。また、信号AXが状態を変化させると、NORゲート310が、書き込みパルスを(書き込み信号WDの一部として)インバータ302−7及び302−9を介して、および、反転された書き込みパルスを(反転された書き込み信号XWDの一部として)伝達ゲート304−3及びインバータ302−8を介して出力し得る。また、これらの信号の適切なアライメントを実現するために、各段312、314、316、及び318内の構成要素は実質的に整合された遅延を有する。例えば、付加的なNORゲート(これは、その入力の1つとして「0」を受け取る)及びNANDゲート(これは、その入力の1つとして「1」を受け取る)を含めることができ、それによって遅延整合がもたらされる。また、その代わりに、複数のデュレーションジェネレータをデジタル論理204においてレベルシフタとともに用いてもよい。
【0037】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した実施形態を改変することができ、また、多くの他の実施形態が可能であることが本開示に関係する当業者には理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8