(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
当業者は、図面における要素は簡単かつ明確にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解するであろう。たとえば、本発明の実施形態の理解を向上させることを助けるために、図面における要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素と比較して拡大されている場合がある。さらに、説明および図面は、必ずしも図示された順序を必要としない。特定の動作および/またはステップが、特定の発生順序で説明あるいは図示される場合があるが、当業者は、連続性に関するそのような特異性は実際には必要ではないことを理解することがさらに理解される。
【0007】
適切な場合に、図面において従来の記号によって装置および方法の構成要素が示されており、本明細書の記述の利益を有する当業者には容易に明白となるであろう詳細で本開示を曖昧にしないために、本発明の実施形態の理解に関連する特定の詳細だけを示している。
【0008】
一般的に言えば、本開示は、様々な実施形態に従って、複数の知り合いの間の相対的なソーシャルポジションを決定することによってソーシャルヒエラルキーを開発するため方法および装置を提供する。本明細書の教示によれば、複数の知り合いからユーザのソーシャルヒエラルキーを開発するための方法は、複数の知り合いの中の知り合いごとに、第1の期間にわたってユーザと知り合いとの間で発生する通信を追跡するステップと、追跡された通信から、第1の期間に関連付けられるユーザと知り合いとの間の通信の変化率を決定するステップとを実行するデバイスを備える。本方法は、変化率に基づいて、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを識別するステップをさらに備える。
【0009】
また、複数の知り合いからユーザのソーシャルヒエラルキーを開発するための方法は、本明細書の教示によるものであり、本方法は、第1の期間にわたって、ユーザと、複数の知り合いの中の知り合いとの間で発生する通信を追跡するステップであって、各通信を追跡するステップが、通信の方法および通信が発生した時間を識別するステップを備えるステップと、追跡された通信から、第2の期間内にユーザと知り合いとの間で繰り返される通信試行が行われたと判断するステップとを備える。本方法は、繰り返される通信試行に基づいて、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを識別するステップをさらに備える。
【0010】
一実施形態では、本方法は、追跡された通信から、第1の期間に関連付けられるユーザと知り合いとの間の通信の変化率を決定するステップであって、変化率が、第1の期間にわたるユーザと知り合いとの間の通信の頻度における変化に基づいて決定され、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを識別するステップが変化率にさらに基づくステップをさらに備える。
【0011】
別の実施形態では、本方法は、変化率、および知り合いへの繰り返される通信試行に基づいて、知り合いの数値スコアを生成するステップをさらに備える。
【0012】
さらなる実施形態では、知り合いの数値スコアは、第1の期間にわたるユーザと知り合いとの間の追跡された通信の重み付け平均(weighted average)に基づき、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションは、知り合いの数値スコアと、複数の知り合いの中の他の知り合いについて生成された数値スコアとを比較するステップ、または知り合いの数値スコアと、複数の知り合いの中の2人以上の知り合いについて生成された数値スコアの平均とを比較するステップによって識別される。
【0013】
さらなる実施形態では、繰り返される通信試行は、ユーザと接続するために知り合いによって行われる、複数の通信方法を使用する一連の通信試行、および知り合いと接続するためにユーザによって行われる、複数の通信方法を使用する一連の通信試行のうちの少なくとも1つを備える。
【0014】
別の実施形態では、本方法は、ユーザと知り合いとの間の繰り返される通信試行に基づいて、知り合いの数値スコアを生成するステップをさらに備え、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションが、知り合いの数値スコアと、複数の知り合いの中の他の知り合いについて生成された数値スコアとを比較するステップに基づいて識別される。
【0015】
さらに、複数の知り合いからユーザのソーシャルヒエラルキーを識別するための装置は、本明細書の教示によるものであり、本装置は、通信を送受信するように構成された通信インターフェースを備える。また、本装置は、第1の期間にわたってユーザと複数の知り合いからの知り合いとの間で発生している通信を追跡し、通信を追跡することが、通信ごとに、通信のために使用される方法、および通信が発生した時間を識別することを備え、追跡された通信から、ユーザと知り合いとの間の通信の頻度における変化率を決定し、かつ、第2の期間内に、ユーザと知り合いとの間で複数の通信試行が行われたと判断するように構成された処理要素を備える。処理要素は、変化率および複数の通信試行に基づいて、知り合いのスコアを生成し、スコアに基づいて、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを識別するようにさらに構成される。
【0016】
次に、図面を参照すると、具体的には
図1において、100で、本教示による実施形態を実装しているネットワークインフラストラクチャを備えるシステムがおおむね示されている。100に示されているのは、携帯電話102〜108、プッシュツートーク(PTT)無線機110、コンピュータ112、携帯電話の基地局114および116、ハイパーテキストトランスファープロトコル(HTTP)対応ネットワーク118、ネットワークベースのサービスをサポートするサーバ120〜130、ならびにリンクまたは接続132〜146である。説明を容易にするために、100には限られた数のシステム要素102〜130だけが示されているが、さらなるそのような要素がシステムに含まれてよい。さらに、含まれる実施形態の説明を明確にするために、システム100の商用の実施形態に必要な他の要素が図面から省略されている。
【0017】
次に、システム100内の要素を簡単に説明する。通常、デバイス102〜112は、デバイス102〜112のユーザ間の通信を可能にする。本明細書で使用される「通信(communication)」は、あるデバイスのユーザによって、デバイス間で情報を表すデータを渡すことによって、情報を別のデバイスのユーザに伝達すること、または伝達を試みることである。たとえば、携帯電話102のユーザは、テキストメッセージを送信することによって携帯電話106のユーザと通信することができる。データが、デバイス102からデバイス106に、デバイス102のユーザによって送信され、デバイス106のユーザによって受信される情報を書かれたメッセージとして表す無線信号の形式で渡される。通信の発信者によって意図されたようには通信の受信者に情報を正常に伝達しない通信は、本明細書では、より具体的に「通信試行(communication attempt)」と呼ばれる。通信試行は、たとえば、デバイス102のユーザがデバイス104のユーザに電話をかけて、事前に録音された挨拶を受信するか、応答がないときに発生する。
【0018】
異なる状況下では、同じ通信が正常な通信または通信試行のいずれかに分類され得る。正常な通信を表す場合、第1のユーザは、第2のユーザのデバイスに電子メールを送信するために、タブレットコンピュータやウェアラブルコンピュータなどの第1のユーザのデバイスを使用する。意図された情報が第2のユーザのデバイスに伝達され、第2のユーザにとって利用可能なので、通信は正常である。第1のユーザは、応答を受信する前に、第2のユーザとのさらなる通信を開始しない。通信試行を表す場合、第1のユーザは、時間的制約のある情報を包含する電子メールを第2のユーザのデバイスに送信する。情報は第2のユーザにとって利用可能であるが、電子メールはすぐには開かれて閲覧されない。電子メールに応答して確認をタイムリーに受信しなかった場合、第1のユーザが、情報をさらに伝達しようとして、第2のユーザに電話をかける。システム100内の要素は、以下で
図7および
図8を参照してより詳細に説明するように、どの通信が正常な通信として分類され、どれが通信試行として分類されるか決定する。
【0019】
114および116に示される携帯電話の基地局、および追加的に118に示されるHTTP対応ネットワークは、通信システムとして機能するシステム100内のインフラストラクチャ要素である。この通信システムは、相互に、かつシステム100に直接または間接的に接続された他のデバイスと通信するために、システム100の個々のデバイス102〜112によって利用される。リンク144および146は、インフラストラクチャ要素114〜118を相互接続して、それらがともに動作できるようにする。特定の実施形態では、リンク144はX2接続であり、携帯電話の基地局114および116はロングタームエボリューション(LTE)無線アクセスネットワーク(RAN)の進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(e-UTRAN)に属する進化型ノードB(eNB)である。この実施形態では、リンク146はパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN-GW)、S5インターフェース、サービングゲートウェイ(SGW)、S11インターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME)、およびeNB114および116を備えるe-UTRANにインターネット118を接続するS1インターフェースを表す。
【0020】
他の実施形態では、携帯電話の基地局114および116は、いくつか例を挙げると、ワールドワイドインターオペラビリティーフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX)通信ネットワーク、Project 25(P25)通信ネットワーク、地上基盤無線ネットワーク(TETRA)、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM(登録商標))ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、またはWi-Fiネットワークなどの、異なる通信ネットワーク表す場合がある。これらの実施形態では、118のHTTP対応ネットワークは、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、またはローカルエリアネットワーク(LAN)などの、様々なタイプのコンピュータネットワークも表す場合がある。いくつかの実施形態では、118に示されるHTTP対応ネットワークは、本明細書に提示される教示をサポートする別々の通信システムに直接接続されていない。システム100が、複数のデバイス間の通信を可能にする手段を具体化すれば十分である。接続146がない実施形態では、デバイス102は、別々のWi-Fiブロードバンド接続を使用して、デバイス108と通信することができる。
【0021】
通信デバイスとも呼ばれる、システム100のデバイス102〜112は、リンクまたは接続132〜142によって、インフラストラクチャ要素114〜118のうちの1つまたは複数と通信可能に結合されている。これらのリンクは、システム100の通信システムを介して他のデバイスと交換され、デバイス間で生じている通信を表す、データを送受信するためにデバイス102〜112によって使用される。デバイス間でシグナリングされるデータは、本明細書では、メッセージング(たとえば、メッセージ、パケット、データグラム、フレーム、スーパーフレーム)とも呼ばれ、デジタルまたはアナログフォーマットの音声または非音声メディアのいずれかを包含することができる。リンク132〜142は、たとえば132〜140に示されるようにワイヤレスでもよく、142に示されるようにワイヤードでもよい。任意のデバイスのリンクの性質は、デバイスによって所有される通信インターフェースのタイプ、およびデバイスを接続している通信システムのインフラストラクチャ要素の設計に依存する。ワイヤードインターフェースの例には、イーサネット(登録商標)、T1、USBインターフェースなどがある。ワイヤレスインターフェースの例には、これに限定されないが、LTE、CDMA、GSM(登録商標)、HSPA+、Wi-Fi、電気電子技術者協会(IEEE)802.11、Bluetooth(登録商標)、5Gなどを含む技術をサポートする、ワイヤレスプロトコルおよび関連付けられるハードウェアがある。
【0022】
個々のデバイス102〜112は、以下で
図3〜
図10(
図10A,
図10B)を参照して詳細に説明するように、本開示の実施形態による機能に適合される。本明細書で使用される「適合される(adapted)」、「動作可能である(operative)」、または「構成される(configured)」は、示された要素が、たとえば
図2に示されるように動作可能に結合された、1つまたは複数のメモリデバイス、インターフェース、および/または処理要素を使用して実装されることを意味する。メモリデバイス、インターフェース、および/または処理要素は、プログラムされると、これらのシステム要素がこれらの所望の機能を実施するための手段を形成する。
【0023】
図2は、本教示のいくつかの実施形態による、デバイス202のブロック図を示している。具体的には、
図2は、本明細書に記載の方法を実行するように構成された通信デバイス202を示している。本デバイスは、電力管理要素206、処理要素208、読出し専用メモリ(ROM)210、ディスプレイまたは出力インターフェース212、入力インターフェース214、アプリケーション216、ランダムアクセスメモリ(RAM)218、および通信インターフェース220を接続するバス204を備える。
【0024】
特定の実施形態では、通信デバイス202は、タッチスクリーンによって表される、組み合わされた入力214およびディスプレイ212インターフェースを有する、携帯電話、タブレットコンピュータ、またはウェアラブルコンピュータである。220の通信インターフェースはアンテナを表しており、一般的に増幅器(図示せず)に結合され、通信デバイス202が、通信システム100内の特定のインフラストラクチャ要素とシグナリングを交換することを可能にする。デバイス202がワイヤレス通信をサポートする場合、通信インターフェース220は、任意の1つまたは複数の標準のまたは独自のワイヤレス技術に従って動作可能な処理、変調、およびトランシーバの構成要素を含む構成要素を備える。
【0025】
通信デバイス202、および場合によってはシステム100内の他のデバイスによって利用される処理要素208は、ハードウェアに部分的に実装され、それによって、上述のようにその機能を実行するために、ソフトウェア、ファームウェアロジック、またはコードでプログラムされてもよく、かつ/または、処理要素208は、たとえばステートマシンまたはASIC(特定用途向け集積回路)としてハードウェアに完全に実装されてもよい。特定の例では、処理要素208によって実行される1つまたは複数のプログラムされたアプリケーション216は、210および/または218に示されるメモリデバイスとともに、通信デバイス202が、本明細書に添付される特許請求の範囲に従ってその機能を実行することを可能にする。
【0026】
次に、本明細書の教示に従って、および残りの図面を参照して、システム100の要素の機能を詳細に説明する。
図3は、システム100の個々の要素が、通信デバイス(たとえば、デバイス102)のユーザのソーシャルヒエラルキーを開発するための方法300を実行するためにともに動作する1つの方法を示す論理的流れ図である。具体的には、
図3は、通信デバイス102、または通信デバイス102に結合された別のデバイスが、通信の変化率に基づいて、ユーザの知り合いのソーシャルヒエラルキーにおける相対的なポジションを決定する方法を示している。
【0027】
302で、デバイス102は、デバイス102のユーザの複数の知り合いを識別する。ユーザの知り合いは、デバイス102のユーザが少なくとも1度は通信したことがあり、何人かの知り合いとは繰り返し通信している、他のデバイスのユーザでもある。一実施形態では、ユーザは、ユーザの知り合いをデバイス102にプログラムする。別の実施形態では、デバイス102は、デバイス102のユーザと一定回数より多く通信したことがある別のデバイスのユーザを自動的に知り合いとして指定する。さらなる実施形態では、デバイス102は、そのユーザに、通信の発信者または受信者が知り合いとして指定されるべきかどうかに関して問い合わせる。たとえば、ユーザが、ユーザの知り合いリストにはない特定の知り合いに電子メールを送信すると、デバイス102は、ダイアログボックスをユーザに表示して、その特定の知り合いをユーザの知り合いリストに追加するオプションをユーザに与える。
【0028】
304で、デバイス102が、複数の知り合いからの知り合いごとに、第1の期間にわたってユーザと知り合いとの間で発生する通信を追跡する。ある実施形態では、知り合いの通信を追跡するステップは、今後の参考のために、通信が発生した時間のログを取るステップを備える。他の実施形態では、通信を追跡するステップは、通信についてのさらなる情報のログを取るステップをさらに備える。そのような情報は、たとえば、通信の方法、通信がデバイス102によって発信されたか、または受信されたか、および/あるいは通信が正常であったか(通信試行であることと対照的に)どうかを含み得る。本明細書で使用される通信の方法は、通信が行われるための手段である。通信の方法は、これに限定されないが、電話、電子メール、テキストメッセージ、インスタントメッセージ、ビデオチャット、ファクシミリ、およびソーシャルネットワーキングウェブサイトとの対話を含む。
【0029】
第1の期間の長さは、デバイス102が本明細書に記載の機能を実行するために必要な任意の推論を引き出すことを可能にする、追跡された通信の統計的可変サンプルをデバイス102に提供するのに十分である。一実施形態では、第1の期間の長さは固定されている。この固定された期間は、ユーザまたは管理者によってデバイス102に入力されるか、あるいは予測される呼の頻度に基づいて開発者によってデバイス102にプログラムされる。たとえば、その時間中に200〜400回の通信を経験すると予測するユーザのために、第1の期間は2週間に設定され得る。他の実施形態では、第1の期間は、あらかじめ定められた数の通信がデバイス102によって送信および/または受信されたときに終了する、可変の期間である。デバイス102は、たとえば、累積で300回の通信が発生するまで、通信の追跡を継続することができる。別の実施形態では、第1の期間は、任意の知り合いについてしきい値の数の通信が追跡されたときに終了する。さらなる実施形態では、知り合いごとに追跡される通信が、その知り合いの第1の期間を決定する。さらなる実施形態では、任意の知り合いの第1の期間は、カットオフ時間が発生する前に、その知り合いのしきい値の数の通信が追跡されたときに終了する。残りの知り合いについては、第1の期間はカットオフ時間に設定される。
【0030】
306で、デバイス102は、追跡された通信から、デバイス102のユーザと、ユーザの知り合いとの間の通信の変化率を決定し、変化率は、知り合いの第1の期間に関連付けられる。通信を追跡している間に通信が発生した時間を識別することによって、デバイス102は、第1の期間にわたるユーザと知り合いとの間の通信の頻度の変化、およびユーザと知り合いとの間の通信の頻度の変化が第1の期間にわたってどのように変動するか、のうちの少なくとも1つに基づいて、ユーザと知り合いとの間の通信の変化率を決定することができる。本明細書で使用される「通信の頻度(frequency of communications)」は、単位時間あたりに発生する通信の数として定義される。時間とともにどのように通信の頻度が変化するかにより、変化率を定義する。特定の実施形態では、知り合いについての変化率は、通信頻度と時間との間の線形関係によって近似される。これらの実施形態は、
図4〜
図6に示されるプロットを参照してより詳細に説明される。
【0031】
図4では、400で、知り合いについての正の変化率を示す概略図が図示および表示されている。具体的には、
図4は、406で、デバイス102と特定の知り合い(たとえば、携帯電話108のユーザ)との間で追跡される20回の通信を示している。404で時間を表している横軸上に通信406がプロットされている。本明細書に提示される例には日の単位が使用されているが、分、時間、または週などの代替の単位が使用されてよい。通信406が、それらが行われた順序でプロットされ、それは、通信を追跡するステップが、通信が発生した時間を決定して、そのログを取るステップを備えるので可能である。
【0032】
400でプロットの縦軸402上に示されているのは、1日あたりの通信の単位を用いた通信割合(以下では「通信/日」と表される)である。416に現れる縦の点線は、通信406を、表された時間以前に行われた通信の第1のグループと、表された時間以降に行われた通信の第2のグループとの2つのグループに分ける時間を表す。400に示される特定の例では、横軸上に示される14日間が第1の期間に対応し、線416によって各7日間ずつの2つの均等な間隔に分割される。
【0033】
第1のグループ内の通信は、408で示されるデータを生成するために、第1の7日間の間隔にわたって平均化される。この場合、5つの通信を7日間で平均化することによって、0.71通信/日という通信割合が得られる(すなわち、5つの通信を7日間で割る)。データ408は、3.5日の時間(すなわち、横の位置または横座標)でプロットされ、第1の7日間の間隔の中間点を表す。同様に、線416の右側になる、追跡された通信406の残りの15回が、データ410の縦座標を決定するために第2の7日間の時間間隔で平均化され、それは2.14通信/日である(すなわち、15回の通信を7日間で割る)。データ410の横座標は10.5日であり、第2の7日間の間隔の中間点を表す。
【0034】
2つのデータポイント408、410が、412で示される線を決定し、414で示されるその傾きmは、通信406が追跡されるユーザと知り合いとの間の通信についての変化率rを表す。
図4では、変化率は、通信の頻度における増加(すなわち、2.14-0.71通信/日)を、頻度の増加が発生した時間間隔(すなわち、10.5-3.5日)で割ったものであり、日数の二乗あたり0.2回の通信(以下では、「通信/日
2」と表す)が得られる。
【0035】
代替実施形態では、追跡された通信406がグループ化される第1および第2の間隔は、異なる長さを有してよい。これは、各間隔に、統計的に意味のある通信の数を置くために行われ得る。たとえば、
図4における、14日間の同じ第1の期間が、6回の通信を包含する8日間の第1の時間間隔と、14回の通信を包含する6日間の第2の時間間隔とに、非対称に分割され得る。この実施形態では、同じ追跡された通信406の変化率は以下のように決定される。
【0037】
さらなる実施形態では、ユーザと知り合いとの間の通信の変化率を決定する目的で、第1の期間は、3つ以上の対称および/または非対称な時間間隔にさらに分割され得る。時間間隔ごとに、通信の頻度を表すデータは上述のように計算される。3つ以上のデータポイントが発生すると、最小二乗適合などの線形回帰技法を使用して、線412が決定される。決定された線の傾きmは、時間に対する通信の頻度の一次導関数を表し、変化率のための数値と受け取られる。
【0038】
他の実施形態では、変化率を表す一次導関数は、様々な差分近似(たとえば、前進、中央、および後進の差分近似)を使用して計算され得る。たとえば、第1の期間が、それぞれが均等な長さdである、少なくとも3つの連続する時間間隔にさらに分割される場合、変化率rは、一次導関数の三点前進差分近似から計算され得る。
【0040】
上式で、f
1は、i番目の時間間隔(たとえば、408および410などのデータポイントの縦座標)の通信割合を表す。
【0041】
ユーザと知り合いとの間の通信の変化率が、ユーザと知り合いとの間の通信の頻度の変化が第1の期間にわたってどのように変動するかに基づいている場合、変化率の数値は、時間依存通信割合関数の高次(たとえば、二次)導関数の数値近似に等しくてよい。やはり均等な長さdの3つの連続する時間間隔を使用する例では、変化率は、二次導関数の三点前進差分近似によって与えられる数値を取る。
【0043】
異なる実施形態では、さらなる差分近似は、時間間隔から計算されたデータポイントによって表される、通信割合関数のテイラー級数展開から得ることができる。
【0044】
図5は、506に示される、変化率なし(すなわち、数値がゼロの変化率)をもたらす、追跡された通信の説明に役立つ例を提供する。より具体的には、
図5は、500でプロット400に類似したプロットを示しており、20回の通信506が、第1の7日間の時間間隔と第2の7日間の時間間隔との間で均等に分割されている(線516によって)。これは、508にプロットされたデータポイント(3.5,1.43)、および510にプロットされたデータポイント(10.5,1.43)によって示されるように、時間間隔ごとの通信の平均頻度が同じである、すなわち1.43通信/日であることをもたらす。これらの2つのデータポイント508、510を通過する線512は、m=0の傾き514とともに水平なので、第1の期間の間は、通信506によって表されるユーザと知り合いとの間の通信の頻度における変化率がない。変化率の非ゼロの数値は、通信割合508および510を計算するために異なる時間間隔を使用することに起因する場合があるが、そのような値は、通信506が時間的に完全に均等に分散された場合は恐らく小さいであろう。
【0045】
図6は、知り合いへの通信割合の減少を示す負の変化率をもたらす、知り合いへの追跡された通信606の分散を表すプロット600を示している。データ608(3.5, 2.29)は、線616の左側の第1の7日間の時間間隔における2.29通信/日の平均通信割合を反映している。0.57通信/日のより低い通信割合は、610にプロットされるデータ(10.5, 0.57)によって表される。これらの2つのデータポイント608、610は、m=-0.25通信/日
2の負の傾き614を有する線612を定義し、知り合いについての変化率(すなわち、ユーザと知り合いとの間の通信の頻度における変化)が、時間がたつにつれて下がっていることを示している。
【0046】
図3を参照すると、308で、デバイス102は、変化率に基づいて、ユーザのソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを識別する。いくつかの実施形態では、第1の期間にわたるユーザと知り合いとの間の通信の変化率に基づいて、複数の知り合いの中の知り合いごとにスコアが生成され、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを識別するステップはスコアに基づく。本明細書で使用されるスコアは、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを、同様のスコアを割り当てられた他の知り合いのポジションと比較して格付けまたはランク付けすることを可能にする、知り合いに割り当てられた値またはラベル、数値またはその他である。たとえば、数値ベースのスコアリングシステムでは、知り合いについての「25」のスコアは、その知り合いを、「10」のスコアを有する知り合いよりも有利なソーシャルポジションに置く。例示的なアルファベットベースのスコアリングシステム(順序づけられたラベルを表す)では、各知り合いは、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションに対応するアルファベットから文字を割り当てられる。
【0047】
ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションは、知り合いの、ユーザへのアクセスのレベルに関連する。3層のアクセスレベルを有するある実施形態では、第1のレベルは「特別な友達(super-friends)」のために確保され、それらの知り合いは最も高いスコアを有する。特別な友達の範囲よりも下の範囲内に入るスコアを有する知り合いは、ユーザの「友達(friends)」になる資格がある。本明細書では「普通の知り合い(regular contacts)」として指定される、最も低いスコアを有する知り合いは、ユーザへの通常のアクセスだけが与えられる。
【0048】
友達および特別な友達は、普通の知り合いよりも特別な権限を与えられ得る。ある実施形態では、ユーザが、ユーザの通信デバイスを、プライバシーまたは「おやすみ(do-not-disturb)」モードに設定すると、特別な友達だけが、「電話をかける(ring through)」ことができる知り合いとして指定され得る。普通の知り合いが電話をかけると、普通の知り合いはすぐにボイスメールに転送される。普通の知り合いが電子メールまたはテキストをユーザに送信しても、ユーザのデバイスによって可聴アラートトーンが鳴らされない。特別な友達が電話をかけると、ユーザの通信デバイス102内の処理要素208が発呼者を識別し、発呼者が特別な友達のリストにあると判断して、デバイス102が鳴ることを許可する。指定された友達については、デバイス102は鳴らない場合があるが、電子メールまたはテキストが受信された場合は依然として可聴アラートを鳴らす場合がある。異なる実施形態は、友達および特別な友達に異なる権限を提供する。特定の実施形態では、たとえば、ユーザは、GPS座標を特別な友達または友達にとってアクセス可能にして、普通の知り合いにとってはアクセス可能にしないように、ユーザのデバイス102を設定することができる。
【0049】
知り合いを、ソーシャルヒエラルキーにおけるユーザのポジションによって分類することによって、デバイス102をユーザにとって便利にプログラムすることができるようになる。一実施形態では、より効率的にするために、特別な友達は全員、ユーザの知り合いリストの最上位に置かれる。別の実施形態では、友達および特別な友達を、普通の知り合いが入っていない別々の「ショートリスト(short list)」に代入することができる。第3の実施形態では、ユーザは、友達または特別な友達が近くにいることをGPS座標が示す場合、アラートを受信することが可能になる。
【0050】
特定の実施形態では、通信の頻度の増加が、通信の頻度の減少に比べてより高いスコアをもたらし、より高いスコアは、より低いスコアを有する別の知り合いに比べて、知り合いのソーシャルヒエラルキーにおけるより高いポジションを識別することになる。この場合、知り合いのスコアは、変化率に割り当てられた数値の関数ではないが、代わりに、数値が
図4に示されるように正であるか、または
図6に示されるように負であるかに依存する。依存性はそのようになっているので、他のすべての要因が等しい場合、変化率が増加している(すなわち、正、またはゼロよりも大きい)知り合いはより高いスコアを有し、したがって、変化率が減少している(すなわち、負、またはゼロよりも小さい)知り合いよりも、ソーシャルヒエラルキーにおいてより高いポジションにある。
図4および
図6は、たとえば、両方とも14日間の第1の期間の間における知り合いとユーザとの間の20回の通信を示す。
図4は、第1の期間の後半の部分に向けて十分に集中した通信を示しており、正の変化率をもたらしている。一方、
図6における20回の通信は、第1の期間の前半の部分に集中しており、負の変化率をもたらしている。これらの図面によって表される2人の知り合いでは、
図4に関連付けられる知り合いがより高いスコアを有し、ユーザのソーシャルヒエラルキーにおいてより有利なポジションにつく資格がある。
【0051】
知り合いの「最後のスコア(final score)」であるsは、第1の期間の間にユーザと知り合いとの間で発生する通信の数および方法などの、他のパラメータから計算される中間事前スコア値であるxと線形関係を有する場合がある。いくつかの実施形態では、この関係は以下の形式を取る:
【0053】
上式で、「+」および「-」の記号は、それぞれ変化率の増加または減少を示し、「c
1」および「c
2」は定数である。一実施形態では、
【0057】
である。さらなる実施形態では、c
1=1、またはc
2=0である。他の実施形態は、知り合いのスコアとその事前スコア値との間に非線形関係を含む。
【0058】
代替実施形態では、複数の知り合いの中の知り合いごとに変化率の数値が計算され、知り合いのスコアは数値とともに増加する。これらの実施形態では、知り合いのスコアであるsは、知り合いの変化率について計算された数値であるrの関数である:
s=f(r)
関数f(r)は、変化率について計算された数値の代数(たとえば、多項式)、または超越(たとえば、指数、対数、または三角)の関数のいずれかでよい。さらに、変化率は、機能が依存する唯一の独立変数である必要はない。知り合いのスコアは、たとえば、以下のパラメータの非網羅的なリストの関数でよく、パラメータは、その変化率、知り合いがユーザと開始した、かつ/またはユーザから受信した通信の数、使用される通信の方法、通信の内容、ならびに/あるいは通信が発生した回数である。
【0059】
いくつかの実施形態では、ユーザのソーシャルヒエラルキーを開発する方法は、ソーシャルヒエラルキーにおける第1の知り合いのポジションの変化をユーザに通知するステップをさらに備え、通知は、ユーザがデバイスとの対話を終了した後のしきい値時間内に実行される。一例では、308で、デバイス102は、第1の知り合いが、そのスコアに基づいてユーザのソーシャルヒエラルキーにおいて特別な友達ステータスに昇格する資格があると判断する。別の実施形態では、デバイス102は、第1の知り合いがソーシャルヒエラルキーにおいて昇格されるべきか、またはユーザに確認せずに第1の知り合いを自動的に昇格させるべきか、ユーザに確認を求めることができる。
【0060】
ユーザの確認が求められる実施形態では、ソーシャルヒエラルキーにおける第1の知り合いのポジションの変化をユーザに通知するステップは、デバイス102が、第1の知り合いが特別な友達ステータスになる資格があることをユーザに知らせるために、ディスプレイ212、または他の出力インターフェースを使用するステップを備える。ユーザは、ポジションの変化の承諾または拒否を示すよう促される。ユーザが承諾を示す場合、デバイス102は、第1の知り合いを特別な友達ステータスに昇格させる。ユーザが拒否を示す場合、第1の知り合いのステータスは変化しないままである。
【0061】
第1の知り合いが自動的に(すなわち、ユーザに確認せずに)昇格する実施形態では、ソーシャルヒエラルキーにおける第1の知り合いのポジションの変化をユーザに通知するステップは、デバイス102が、第1の知り合いが特別な友達ステータスに昇格したことをユーザに知らせるために、ディスプレイ212、または他の出力インターフェースを使用するステップを備える。ユーザは、ユーザの通信デバイス102を、ユーザの管理上の負担を減らすために、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションの変化を自動的に実施するよう設定することを選択することができる。
【0062】
ユーザがデバイス102との対話を終了した後のしきい値時間内に通知を実行することは、都合の悪いときのユーザへの割込みを最小限に抑えるために役立つ。しきい値時間は短い時間であり、典型的には、ユーザが、ユーザのデバイス102上で他のタスクの実行を完了し、ユーザがデバイスを片付ける、あるいはデバイス102との対話を中止または中断する前の「絶好の機会(window of opportunity)」をターゲットとする1分未満である。ある実施形態では、しきい値時間は、ユーザが、完了した操作を構成する動作、または一連の動作を完了した時間から測定される。たとえば、電話をかけることは、ユーザが、知り合いメニューを表示する、知り合いを選択する、通話を開始する(すなわち、手動または音声ダイヤリングでダイヤルする)、および通話を切断する(すなわち、電話を切る)という一連の動作を行うことを含み得る操作である。しきい値時間クロックは、さらなる動作が予想されるため、ユーザが自分の知り合いリストを表示したときには開始されない。しかしながら、通話の切断は、操作の完了を表す動作であり、しきい値時間クロックを開始する。通知は、後続の操作を中断する可能性を減少させるために、操作が完了するとすぐに発生するわけではないが、ユーザがユーザのデバイス102を片付ける、あるいはデバイス102との対話以外の別の活動に従事する可能性を減少させるために、しきい値時間が終わる前に発生する(後続の動作が実行されない場合)。
【0063】
特定の実施形態では、デバイスが複数の知り合いからの知り合いがいる状態の場合、通知は遅延する。目的は、ユーザのソーシャルヒエラルキーにおける、ユーザの知り合いの配置に関するプライバシーを維持することである。これは、潜在的に困った状況を防ぐために役立つ。デバイス102は、いくつかの例示的な方法で知り合いの有無を確認する。一実施形態では、ユーザのデバイス102は、知り合いのデバイスから受信したGPS座標が、2つのデバイスは相互のしきい値距離内にあることを示す場合、知り合いがいる状態であると判断する。しきい値距離は、デバイス102に事前にプログラムされてもよく、ユーザによってユーザが選んだ距離に設定されてもよい。たとえば、ユーザは、任意の知り合いが200メートル以内にいると判断されている間は、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションの変化の通知を受信しないよう選択することができる。別の実施形態では、ユーザのデバイス102は、デバイス102に組み込まれたカメラが任意の顔を検出する場合、知り合いがいる状態であると見なされる。顔認識機能がない場合、検出された任意の顔は、知り合いの顔であると推定される(典型的には、デバイスの主なレンズはユーザから離れる方向を指す)。
【0064】
図7は、通信デバイス(たとえば、デバイス102)のユーザのソーシャルヒエラルキーを開発するための方法700を実行するために、システム100の個々の要素がともに動作する別の方法を示す論理的流れ図である。具体的には、
図7は、通信デバイス102、または通信デバイス102に結合された別のデバイスが、繰り返される通信試行に基づいて、ソーシャルヒエラルキーにおけるユーザの知り合いの相対的なポジションを決定する方法を示している。
【0065】
702および704で、デバイス102(または他のデバイス)が、ユーザの複数の知り合いを識別して、
図3の302で上述したように、第1の期間にわたってユーザと各知り合いとの間で発生する通信をそれぞれ追跡する。通信を追跡するステップが、通信が発生した時間を識別するステップを備えるある実施形態では、方法700は、追跡された通信および識別された時間から、第2の期間内に、ユーザと、複数の知り合いの中の第1の知り合いとの間で繰り返される通信試行が行われたと判断するステップ(706)をさらに備え、ソーシャルヒエラルキーにおける第1の知り合いのポジションを識別するステップは、繰り返される通信試行にさらに基づく。本明細書で使用されるように、「第2の期間(second time period)」は、間隔が、隣接する試みられた通信から基準時間t
ref未満だけ離されている間に、ユーザと知り合いとの間でそれぞれの試みられる通信が行われた時間の間隔であると定義される。繰り返される通信試行が行われたと判断するための方法は、
図8を参照して詳細に説明する。
【0066】
図8は、800で、時間間隔Δt820の間に、ユーザと第1の知り合いとの間で行われた、5回の通信試行802〜810の概略図を示している。通信試行804、806、808、および810は、それぞれ前の通信試行から、それぞれ相互通信時間間隔Δt
1812、Δt
2814、Δt
3816、Δt
4818だけ離れている。第1の例では、4つの相互通信時間間隔812〜818のすべてが基準時間未満である(Δt
1<Δt
2<Δt
4<Δt
3<t
ref)。この例では、5回の繰り返される通信試行802〜810が、時間間隔Δt820で表される第2の期間内に行われている。
【0067】
第2の例では、相互通信時間間隔Δt
1812、Δt
2814、およびΔt
4818だけが基準時間未満である(Δt
1<Δt
2<Δt
4<t
ref<Δt
3)。この例では、繰り返される通信試行の2つのグループがある。それらは、繰り返される通信試行802、804、および806が第2の期間Δt
1+Δt
2内に発生する第1のグループ、および繰り返される通信試行808および810が第2の期間Δt
4内に発生する第2のグループである。
【0068】
いくつかの実施形態では、相対的なソーシャルポジションを決定するための方法700は、第1の知り合いのスコアを生成するステップをさらに備え、ソーシャルヒエラルキーにおける第1の知り合いのポジションを識別するステップは、第1の知り合いのスコアを他の知り合いのスコアと比較するステップに基づき、第1の知り合いのスコアは、ユーザによる第1の知り合いへの繰り返される通信試行の数、第1の知り合いによるユーザへの繰り返される通信試行の数、およびユーザと第1の知り合いとの間の繰り返される通信試行のために使用される通信方法の数のうちの少なくとも1つに基づく。特定の実施形態では、第1の知り合いのスコアであるsは、繰り返される通信試行の数であるvの関数である:
s=f(v)
【0069】
関数f(v)は、数値vの代数(たとえば、多項式)、または超越(たとえば、指数、対数、または三角)の関数のいずれかでよい。
図3を参照して上述したように、スコアは、第1の知り合いの変化率などの、追加の要素を表す複数の独立変数の連立関数(simultaneous function)でもよい。
【0070】
第1の実施形態では、独立変数vは、第1の知り合いと接続しようとしてユーザによって行われた繰り返される通信試行の数を表す。たとえば、802で、ユーザは第1の知り合いに電話をかけるが、応答がない。次いで、804で、ユーザはテキストメッセージを送信するが、返事がない。806、808、および810で、ユーザは第1の知り合いと接続する試みを継続する。第1の知り合いと接続するためのこれらの繰り返される努力は、第1の知り合いがユーザにとって重要な人を表すことを示唆していると解釈され得る。
【0071】
第2の実施形態では、独立変数vは、ユーザと接続しようとして第1の知り合いによって行われた繰り返される通信試行の数を表す。ユーザと接続しようとして第1の知り合いによって行われた繰り返される通信試行(たとえば、802〜810)も、密接な関係を示唆する。
【0072】
第3の実施形態では、vは、どちらの当事者が任意の特定の通信試行を開始したかに拘わらず、ユーザと第1の知り合いとの間で行われた繰り返される通信試行の数を表す。このシナリオは、非公式に「電話タグ(phone tag)」と呼ばれ、やはりユーザと第1の知り合いとの強力な関係、または、たとえば重要なテーマについてユーザと通信する強い欲求を示唆し得る。
【0073】
さらなる実施形態では、第1の知り合いのスコアは第1の期間の重み付け平均スコアを備え、重み付け平均スコアを決定するために使用される少なくとも1つの重みは、ユーザと第1の知り合いとの間の繰り返される通信試行に基づく。本明細書で使用される重みは、知り合いのスコアを計算する際に使用される用語の寄与のバランスを取るために使用される乗法量(multiplicative quantity)である。
【0074】
いくつかの実施形態では、重みは定数である。たとえば、知り合いのスコアであるsが、第1の期間内に発生する通信の数の第1の関数と、第2の期間内に発生する繰り返される通信試行の数の第2の関数に依存する実施形態では、式
s=c
1f
1(n)+c
2f
2(v)
における定数c
1およびc
2は重みを表す。
【0075】
他の実施形態では、重みは独立変数の関数(本明細書では、重み関数とも呼ばれる)である。式、
s=w(v)f(n)
は、たとえば、知り合いのスコアを、重み関数w(v)を乗じた第1の期間内に発生する通信の数の関数と等しくし、重み関数w(v)は、第2の期間内に発生する繰り返される通信試行の数に依存する。
【0076】
さらなる実施形態では、一定の重みと関数の重みの両方を使用する知り合いのスコアの数式を備える、混合の重みが使用される。
s=w(v)f
1(n)+cf
2(r)
の関係では、たとえば、知り合いのスコアを得るために、繰り返される通信試行の関数w(v)によって重み付けされた、通信の数の第1の関数が、定数cによって重み付けされた変化率の第2の関数に追加される。
【0077】
特定の実施形態では、通信を追跡するステップは、ユーザと第1の知り合いとの間で繰り返される通信試行を行うために使用される通信方法を識別するステップを備え、ユーザと第1の知り合いとの間で繰り返される通信試行を行うために使用される通信方法は、電話、電子メール、テキストメッセージ、インスタントメッセージ、ビデオチャット、およびソーシャルネットワーキングサイトとの対話のうちの少なくとも2つを含む。通信の手段として使用することができるソーシャルネットワーキングサイトの非網羅的なリストは、
図1で識別されたもの、すなわち、Google Talk(商標)120、Skype(商標)122、Facebook(商標)124、Internet Relay Chat(IRC)126、LinkedIn(商標)128、およびTwitter(商標)130を含む。通信を追跡している間に通信の方法を識別することによって、デバイス102は、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを識別する際に使用される通信の方法についての情報を考慮に入れることができるようになる。
【0078】
ある実施形態では、通信の異なる方法は異なる重要性を有するものと仮定され、知り合いのスコアを計算する際に、それに応じて重み付けされ得る。たとえば、Facebook(商標)上で知り合いにメッセージを残すことは、電話をかけることよりも「気軽な(casual)」通信であると見なされてもよく、見なされなくてもよい。したがって、Facebook(商標)上で知り合いにメッセージを残すことは、知り合いの全体的なスコアに多かれ少なかれ影響を及ぼす場合がある。
【0079】
別の実施形態では、知り合いに到達しようとして短い間に連続して複数の通信方法を繰り返すユーザは、ユーザと知り合いとの間の強い社会的関係、またはメッセージの重要性を示唆する場合がある。ビジネスの知り合いとの通信は、一般的に限られた方法(たとえば、電話および電子メール)を使用して行われる。多くの通信方法の使用は、特にそれらがソーシャルネットワーキングサイトを含む場合は、ユーザが急いで友達と接続しようとしていることを示す。上記の実施形態とは逆に、たとえばFacebookにメッセージを残すことは、それが以前の通信試行の基準時間内に行われた場合は、電話よりも重要な役割を果たす場合がある。代替の例では、所与の数の通信試行のためにより多くの通信方法を使用すると、より良好な社会的ステータスを示す、より高いスコアをもたらす。
【0080】
図7に戻ると、708で、デバイス102は、繰り返される通信試行に基づいて、ユーザのソーシャルヒエラルキーにおける第1の知り合いのポジションを識別する。ある実施形態では、これは、繰り返される通信試行に依存するスコアを直接比較することによって実現される。一旦、知り合いの新しいポジションが識別されると、デバイス102は、たとえば
図3について上述したように、ユーザに通知する。
【0081】
図3および
図7は、ユーザのソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションを識別するステップが、知り合いの変化率、または知り合いとユーザとの間で発生する複数の通信試行のいずれかに基づくことを示している。別の実施形態では、ソーシャルヒエラルキーにおけるポジションは、変化率と複数の通信試行の両方に基づいて識別される。
【0082】
知り合いのスコアが、第1の期間にわたってユーザと知り合いとの間で発生する追跡された通信に基づく重み付け平均スコアを備える実施形態では、1つまたは複数の重みは、ユーザと知り合いとの間の通信の頻度における変化率、およびユーザと知り合いとの間で行われた複数の通信試行のうちの少なくとも1つに基づく。知り合いのスコアが、変化率と複数の通信試行の両方に基づく実施形態では、スコアを計算する際に使用される1つまたは複数の重みは、知り合いについて識別された変化率および複数の通信試行にも依存し得る。
【0083】
さらなる実施形態では、ソーシャルヒエラルキーにおける知り合いのポジションは、たとえば
図3および
図7を参照して上述したように、知り合いのスコアと、複数の知り合いからの他の知り合いのために生成された他のスコアとを比較する、または、たとえば
図9および
図10を参照して後述するように、知り合いのスコアと、複数の知り合いからの知り合いのグループのために生成された平均スコアとを比較するように構成されている処理要素208によって識別される。たとえば、知り合いは、知り合いのスコアが現在の特別な友達を上回る場合、潜在的な特別な友達として識別されてよく、また、知り合いは、知り合いのスコアが、ユーザの知り合いリストの、最も通信がアクティブな知り合いの上位10%の平均スコアを上回る場合、そのように識別されてよい。
【0084】
図9および
図10は、900および1000で、本教示の特定の実施形態に従って、複数の知り合いの中の相対的なソーシャルポジションを決定するために連続的に実行されるアルゴリズムを表す論理的流れ図をそれぞれ示している。具体的には、流れ
図900は、902で、特別な友達を含むユーザの知り合いリストを取得しているデバイス(たとえば、デバイス102)内の処理要素208で開始する初期化アルゴリズムを表している。これは、アルゴリズム900および1000のアプリケーションのために、または、ユーザが1つまたは複数の知り合いのステータスに個々の変化をもたらした結果、知り合いが、すでに継時的に進化し続けるソーシャルヒエラルキーとして構成されたと推定する。
【0085】
デバイス102は、904で、知り合いリスト上の知り合いごとに通信を追跡する。アルゴリズム900のために通信を追跡するステップは、たとえば、ユーザとi番目の知り合いとの間で発生する通信の数、時間、および方法を決定するステップを備える。
【0086】
906で、デバイス102は、デバイス102が通信の追跡を開始して以来、ユーザと知り合いとの間に、500回の非電子メール通信、または14日間の通信対話が発生したかどうかを判断する。別の実施形態では、906でテストされた条件は、すべての知り合いに累積的に適用することができ、または類似の条件(たとえば、50回の非電子メール通信または14日間)は、知り合いベースで個別に適用することができる。どちらの条件も満たされない場合、デバイス102は、条件が満たされるまで通信の追跡を継続する(904)。どちらかの条件が満たされると、まず第1の期間を決定する。14日間未満の間隔に500回の非電子メール通信が発生すると、その間隔がすべての知り合いの第1の期間になる。あるいは、第1および第2の知り合いが、11日および13日以内にそれぞれ50回の非電子メール通信を達成する場合、11日は第1の知り合いの第1の期間を表し、13日は第2の知り合いの第1の期間を表す。906で、特定のしきい値およびカットオフ時間が識別されるが、他の実施形態は異なるしきい値および/またはカットオフ時間を有する。
【0087】
500回の累積的な非電子メール通信、または14日間の通信対話が発生した後、908で、デバイス102は、各知り合いの通信の重み付け係数を決定する。いくつかの通信は、ユーザのソーシャルヒエラルキーにおける相対的なポジションを決定するために使用されるモデルにおいて、それらの通信が、それぞれ、知り合いとの密接な社会的関係を示す可能性が多かれ少なかれあることを示唆する場合、他と比べて増加または減少した重みを与えられる。通信の頻度における「上昇(up-tick)」、および繰り返される通信試行のために複数の通信方法を使用することの両方は、より好ましい重み付け通信をもたらす。
【0088】
910で、デバイス102は、知り合いごとに変数s
iを重み付け平均通信(average weighted communications)の値に初期化する。異なる知り合いのために個々の第1の期間を有する実施形態では、知り合いの間の比較の基準を提供するために、知り合いの重み付け通信を平均化するステップが、知り合いの第1の期間にわたって行われる。たとえば、第1および第2の知り合いが、11日および13日以内にそれぞれ50回の非電子メール通信を達成する場合、第1の知り合いの重み付け平均通信は4.55通信/日(50通信/11日)であり、第2の知り合いの重み付け平均通信は3.85通信/日(50通信/13日)である。以前の例では、通信ごとの重みは、簡単にするために1(unity)(すなわち、重みなし)に設定されている。実際の実施形態では、通信のうちのいくつかまたはすべてが重み付けされ得る。
【0089】
912で、最もアクティブな知り合いの上位10%の重み付け平均通信であるs
iは、数値を得るために平均化される。914で、現在特別な友達ステータスを保持する知り合いについて同じことが行われる。916で、これらの2つの数値が比較されて、2つのうちのより高い方が、918または920のいずれかで、しきい値を表す新たに初期化された変数zに等しく設定される。
【0090】
ユーザのソーシャルヒエラルキーにおいて、まだ特別な友達が識別されていない代替実施形態では、動作914〜918がアルゴリズム900にない。これによって、初期化アルゴリズムが、最もアクティブな知り合いの上位10%の重み付け平均スコアよりも大きい知り合いのスコアの基準に基づいて、特別な友達の第1のセットを決定することが可能になる。
【0091】
922で、知り合いごとの重み付け平均通信の値がしきい値zと比較される。非特別な友達の値がしきい値を超えると、その知り合いは潜在的な特別な友達として識別される。いくつかの実施形態では、しきい値を超えない値を有する特別な友達も、潜在的な非特別な友達として識別される。比較がステータスの変化を示唆するそれらの知り合いは、たとえば
図3を参照して上述したように、ユーザに送信される通知において名前を挙げられる。
【0092】
最後に、924で、初期化アルゴリズム900が変数h
iを初期化して、それを知り合いごとに重み付け平均通信s
iと等しく設定する。変数h
iは、アルゴリズム1000を実行している間に変化率が計算され得るようにするための、知り合いの履歴を表す。
【0093】
図10は、初期化アルゴリズム900が正確に一度だけ実行された後に繰り返し実行されるアルゴリズム1000を示している。アルゴリズム1000は、ユーザとユーザの知り合いとの間の通信活動における変化を継続的に監視して、それらの変化に基づいてユーザのソーシャルヒエラルキーへの潜在的な修正を識別する。ソーシャルヒエラルキーへの修正は、
図3を参照して上記で示したように、自動的に実施されるか、許可を求めてユーザに通知される。
【0094】
まず、アルゴリズム1000は、902で行われた知り合いリストの第1の取得を除いて、初期化アルゴリズム900が行ったように進む。1002〜1018で行われた動作は、それぞれ904〜920で行われた動作に対応し、わずかな違いが1008、1016、および1018で発生するのみである。変数s
iは、910で知り合いごとに初期化されるので、1008で、s
iは単に、924ですでに変数h
iに組み込まれた古い値を置換する、新しい重み付け平均通信値に設定される。同様に、1016または1018で、918または920で初期化されたしきい値変数zが、その新しい値に単に設定される。
【0095】
1020で、デバイス102は、知り合いごとの変化率を決定する。i番目の知り合いの変化率であるr
iは、現在の重み付け平均通信であるs
iと、過去の重み付け平均通信であるh
iとの間の差と等しく設定される(r
i=s
i-h
i)。これは、i番目の知り合いとユーザとの間の通信の頻度が増加しているか、または減少しているかの指標を与える。
【0096】
1022で、デバイス102は、変化率が増加している(r
i>0)、しきい値(s
i>z)よりも大きい重み付け平均通信を有する知り合いを識別する。これらの知り合いが現在特別な友達ではない場合、デバイスは、通知においてそれらの知り合いを潜在的な特別な友達としてユーザに示唆する。逆に、1024で、デバイス102は、変化率が減少している(0>r
i)、しきい値(z>s
i)よりも小さい重み付け平均通信を有する知り合いを識別する。これらの知り合いが現在特別な友達である場合、デバイスは、通知においてそれらの知り合いを潜在的な非特別な友達としてユーザに示唆する。
【0097】
1026で、アルゴリズム1000が後続の反復における変化率を決定することを可能にするために、知り合いごとの重み付け平均通信の過去の値が更新される。図示される実施形態では、この更新はh
i=c
1h
i+c
2s
iの形式を取り、上式で、条件c
1+c
2=1は正規化のために課される。知り合いc
1がゼロに設定されると、重み付け平均通信の過去の値が現在の値によって置換される。しかしながら、c
1およびc
2が非ゼロの場合、新しい過去の値は、重み付け平均通信の以前の過去の値からの寄与を含む。c
2を
c1よりも大きくすることによって、現在の重み付け平均通信の値が以前の過去の値よりも強調される。重み付け平均通信の過去の値が更新された後、1002で、アルゴリズム1000の次の反復のために、デバイスは再び、知り合いごとに通信の追跡に進む。
【0098】
前述の明細書では、具体的な実施形態が説明された。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲で説明されるように、本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な修正および変更が行われてよいことを理解する。したがって、本明細書および図面は、限定的意味ではなく例示的意味におけるものと見なされるべきであり、すべてのそのような修正は、本教示の範囲に含まれることが意図される。
【0099】
利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を発生させ得る、あるいはより顕著にし得る任意の要素は、任意またはすべての特許請求の範囲の重要、必要、または本質的な特徴あるいは要素と解釈されるべきではない。本発明は、本出願の係属中に行われる任意の補正、および発行されたそれらの請求項のすべての等価物を含む、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0100】
さらに、本明細書では、第1および第2、上部と下部などの関係を示す用語は、あるエンティティまたは動作を、別のエンティティまたは動作と区別するためにのみ使用され得るが、必ずしも、そのようなエンティティまたは動作の間の、任意の実際のそのような関係または順序を必要としあるいは含意するわけではない。「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「包含する(contains)」、「包含している(containing)」という用語、またはそれらの他の何らかの変形は、一連の要素を備える、有する、含む、包含する、処理、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むわけではなく、明示的に列挙されない、あるいはそのような処理、方法、物品、または装置に内在しない他の要素も含み得るように、非排他的な含有を網羅することが意図される。「…を備える(comprises ... a)」、「…を有する(has ... a)」、「…を含む(includes ... a)」、または「…を包含する(contains ... a)」に先行される要素は、より多くの制約を受けることなしに、要素を備える、有する、含む、包含する、処理、方法、物品、または装置内における、さらなる同等要素の存在を排除するものではない。「1つ(a)」および「1つ(an)」という用語は、本明細書に明示的にそうではないことが記載されない限り、1つまたは複数として定義される。「実質的に(substantially)」、「本質的に(essentially)」、「およそ(approximately)」、「約(about)」という用語、またはそれらの他の任意の変形は、当業者によって理解されるものに可能な限り近似するように定義され、本用語は、一非限定的実施形態では10%以内、別の実施形態では5%以内、別の実施形態では1%以内、別の実施形態では0.5%以内であると定義される。本明細書で使用される「結合される(coupled)」という用語は、接続されるものとして定義されるが、必ずしも直接ではなく、必ずしも機械的にではない。ある方法で「構成される(configured)」デバイスまたは構造は、少なくともその方法において構成されるが、列挙されない方法でも構成され得る。
【0101】
いくつかの実施形態は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、カスタムプロセッサ、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つまたは複数の汎用プロセッサまたは特殊プロセッサ(または、「処理デバイス(processing devices)」)と、本明細書に記載の方法および/または装置の機能の一部、ほとんど、または全部を実装するために、ある非プロセッサ回路とともに、1つまたは複数のプロセッサを制御する一意の格納されたプログラム命令(ソフトウェアおよびファームウェアの両方を含む)とから成り得ることを理解されるであろう。代替として、一部または全部の機能は、格納されたプログラム命令を有していない状態機械によって実装されてもよく、各機能またはある機能のいくつかの組合せが、カスタム論理として実装される、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)において実装されてもよい。当然ながら、2つの手法の組合せも使用され得る。
【0102】
さらに、ある実施形態は、本明細書に記載および請求される方法を実行するためにコンピュータ(たとえば、プロセッサを備える)をプログラムするための、格納されたコンピュータ可読コードを有するコンピュータ可読記憶媒体として実装され得る。そのようなコンピュータ可読記憶媒体の例には、これに限定されないが、ハードディスク、CD-ROM、光学式記憶デバイス、磁気記憶デバイス、ROM(読出し専用メモリ)、PROM(プログラム可能読出し専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラム可能読出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラム可能読出し専用メモリ)、およびフラッシュメモリがある。さらに、当業者は、可能性として、たとえば、利用可能な時間、現在の技術、および経済学的考察によって、著しい努力および多くの設計選択肢が誘起されるが、本明細書に開示される概念および原理に導かれることによって、最小限の実験によって、そのようなソフトウェア命令およびプログラムならびにICを容易に生成可能になることが予測される。
【0103】
本開示の要約は、読者に、技術開示の本質を迅速に解明させるために提供される。本開示の要約は、請求項の範囲または意味を解釈あるいは限定するために使用されるものではないという理解を持って提出される。さらに、前述の発明を実施するための形態では、本開示を合理化する目的のために、様々な実施形態において、様々な特徴がともにグループ化されたことが分かる。本開示の方法は、請求される実施形態が、各請求項に明示的に列挙されるものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、単一の開示される実施形態のすべての特徴よりも少ない。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書において発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、そのままで、別々に請求される主題として成り立つ。