【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、油溶性有機紫外線遮断剤が水不溶性スポンジに吸着しないように、紫外線遮断剤の組成及び/または化粧料組成物の相(phase)を選択することで、与えられた紫外線遮断機能が完全に発揮できるだけでなく、優れた紫外線遮断機能(SPF30以上、PA++以上)を発揮し、さらに白濁現象が生じない化粧料組成物、該化粧料組成物が含浸された水不溶性スポンジを含む化粧品、及び前記化粧料組成物及び/または化粧品の製造方法を提供することにある。
【0011】
より具体的に、本発明が解決しようとする課題は、第一に、紫外線遮断剤を含む化粧料組成物において、前記化粧料組成物は水不溶性スポンジに含浸されて提供され、前記化粧料組成物の最外相に油溶性有機紫外線遮断剤が実質的に存在しないか、または、最外相に存在するものの水不溶性スポンジに吸着しない油溶性有機紫外線遮断剤を含むことを特徴とする化粧料組成物を提供することにある。
【0012】
また、前記化粧料組成物は、SPF30以上及びPA++以上であることを特徴とする化粧料組成物を提供する。
【0013】
また、前記紫外線遮断剤は、無機紫外線遮断剤であることを特徴とする化粧料組成物を提供する。
【0014】
また、前記紫外線遮断剤は、以下のいずれか1つ以上であることを特徴とする化粧料組成物を提供する。
I.水溶性または水分散性有機紫外線遮断剤;
II.水不溶性から水溶性または水分散性に転換された有機紫外線遮断剤;若しくは
III.カプセル化された有機紫外線遮断剤。
【0015】
また、前記化粧料組成物の剤形は、水相単独、水中油型エマルション、または最外相が水相である多重エマルションであることを特徴とする化粧料組成物を提供する。
【0016】
また、前記化粧料組成物の剤形は、水中油型または多重エマルションであり、前記化粧料組成物の最外相以外には油溶性有機紫外線遮断剤を含むことを特徴とする化粧料組成物を提供する。
【0017】
また、前記水不溶性スポンジは、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR;natural rubber)またはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が含まれる疎水性単量体高分子で形成されたことを特徴とする化粧料組成物を提供する。
【0018】
また、前記化粧料組成物は、ファンデーションであることを特徴とする化粧料組成物を提供する。
【0019】
また、本発明が解決しようとする課題は、第二に、水不溶性スポンジと、前記水不溶性スポンジに含浸させる化粧料組成物とを含む化粧品において、前記化粧料組成物は紫外線遮断剤を含み、最外相に油溶性有機紫外線遮断剤が実質的に存在しないか、または、最外相に存在するものの水不溶性スポンジに吸着されない油溶性有機紫外線遮断剤を含むことを特徴とする化粧品を提供することにある。
【0020】
また、水不溶性スポンジと、前記水不溶性スポンジに含浸させる化粧料組成物とを含む化粧品において、前記化粧料組成物は、以下のいずれか1つ以上の有機紫外線遮断剤を含み、
I.水溶性または水分散性有機紫外線遮断剤;
II.水不溶性から水溶性または水分散性に転換された有機紫外線遮断剤;若しくは
III.カプセル化された有機紫外線遮断剤、
油溶性有機紫外線遮断剤を化粧料組成物に含まれる有機紫外線遮断剤総重量の10%未満で含むことを特徴とする化粧品を提供する。
【0021】
また、前記化粧料組成物は、無機紫外線遮断剤をさらに含むことを特徴とする化粧品を提供する。
【0022】
また、前記化粧料組成物の剤形は、水相単独、水中油型エマルション、または最外相が水相である多重エマルションであることを特徴とする化粧品を提供する。
【0023】
また、前記水不溶性スポンジは、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)またはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が含まれる疎水性単量体高分子で形成されたことを特徴とする化粧品を提供する。
【0024】
また、前記化粧料組成物は、ファンデーションであることを特徴とする化粧品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の課題を解決するため、本発明は油溶性有機紫外線遮断剤が水不溶性スポンジに吸着しない組成及び/または相の化粧料組成物を提供する。
【0026】
より具体的に、本発明は、紫外線遮断剤を含む化粧料組成物において、前記化粧料組成物は水不溶性スポンジに含浸されて提供され、前記化粧料組成物の最外相に油溶性有機紫外線遮断剤が実質的に存在しないか、または、最外相に存在するものの水不溶性スポンジに吸着しない油溶性有機紫外線遮断剤を含み、優れた紫外線遮断効果、望ましくはSPF30以上及びPA++以上を発揮することを特徴とする化粧料組成物を提供する。また、前記化粧料組成物の製造方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、水不溶性スポンジと、前記水不溶性スポンジに含浸させる化粧料組成物とを含む化粧品において、前記化粧料組成物の最外相に油溶性有機紫外線遮断剤が実質的に存在しないか、または、最外相に存在するものの水不溶性スポンジに吸着されない油溶性有機紫外線遮断剤を含むことで、優れた紫外線遮断効果、望ましくはSPF30以上及びPA++以上を発揮することを特徴とする化粧品を提供する。また、前記化粧品の製造方法を提供する。
【0028】
[化粧料組成物]
本発明による化粧料組成物は紫外線遮断剤を含む。
【0029】
本明細書において、「紫外線遮断剤」との用語には、肌に到達した紫外線を散乱、反射または吸収するなどの機序により遮断できる成分であれば何れも含まれ、例えば、無機紫外線遮断剤、有機紫外線遮断剤及びこれらの混合物が含まれ得る。
【0030】
したがって、本発明による化粧料組成物には、有機紫外線遮断剤、無機紫外線遮断剤、またはこれらの混合物が含まれ得る。
【0031】
前記有機紫外線遮断剤は、紫外線吸収効果があって白濁現象がないという長所を有し、油溶性、水溶性、油分散性または水分散性有機紫外線遮断剤に分けられる。例えば、油溶性または油分散性としては、4‐メチルベンジリデンカンファー、ジナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、メチレンビス‐ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、エチルヘキシルジメチルPABA、グリセリルPABA、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、ジガロイルトリオレート、3‐(4‐メチルベンジリデン)‐カンファー、メチルアントラニレート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ベンゾフェノン‐3、ベンゾフェノン‐4、ベンゾフェノン‐8、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、シノキセート、エチルヘキシルトリアゾン、オクチルメトキシシンナメート、オクトクリレン、オクチルジメチルPABA、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、シノキセート、オクチルトリアゾン、エチルヘキシルメトキシシンナメート、エチルヘキシルサリチレート、パラアミノ安息香酸、ホモサレート、イソアミル‐p‐メトキシシンナメート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びポリシリコーン‐15などが挙げられ、水溶性または水分散性としては2‐フェニルベンズイミダゾール‐5‐スルホン酸、テレフタリリデンジカンファースルホン酸及びその塩類などが挙げられるが、これらに制限されることはない。
【0032】
また、前記無機紫外線遮断剤は、紫外線散乱、反射効果があるものの、白濁現象が生じ得る。例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウム、酸化(カルシウム/セリウム)(Calcium Cerium Oxide)などが挙げられるが、これらに制限されることはない。
【0033】
本発明者らは、本発明による化粧料組成物で与えられた紫外線遮断機能が完全に発揮できないという問題は、油溶性有機紫外線遮断剤が水不溶性スポンジに吸着されることにその原因があるとし、化粧料組成物の最外相における油溶性有機紫外線遮断剤の含量または形態などの調節を通じて上記の問題を解決しようとした。
【0034】
したがって、本発明の化粧料組成物に含まれる油溶性有機紫外線遮断剤の外の紫外線遮断剤は、種類/分散性(例えば、水溶性または水分散性有機紫外線遮断剤、水不溶性から水溶性または水分散性に転換された有機紫外線遮断剤、若しくは無機紫外線遮断剤などを含む)、含量または化粧料組成物内の位置を選択する際、水不溶性スポンジへの吸着と関係なく、当業界に属する通常の技術者が適切に選択できるであろう。
【0035】
また、本発明による化粧料組成物において、最外相以外には如何なる紫外線遮断剤が含まれても良く、例えば、紫外線遮断剤の種類/分散性/水・油溶性(例えば、油溶性または油分散性有機紫外線遮断剤、水溶性または水分散性有機紫外線遮断剤、水不溶性から水溶性または水分散性に転換された有機紫外線遮断剤、若しくは無機紫外線遮断剤などを含む、すなわち油溶性または油分散性有機紫外線遮断剤も含まれる)、含量などを問わず、当業界で通常使用される紫外線遮断剤であれば何れも使用することができる。例えば、油中水中油型(O
1/W/O
2)または水中油中水型(W/O
1/W)において、「油相(O
1)」には油溶性有機紫外線遮断剤を含めて如何なる紫外線遮断剤も使用することができる。
【0036】
本明細書において、「含浸」とは、染み込ませる操作を意味し、当業界で通常用いられる浸透、密着、吸収などの用語と転用でき、より具体的に水不溶性スポンジが化粧料組成物を含有している形態であり得る。ただし、通常化粧料組成物を肌に塗布するために加える物理的圧力(例えば、3bar以下)により、含浸された物質(化粧料組成物)が(水不溶性スポンジから)排出、脱着、分離または吐出される程度で制限する。ここで、通常化粧料組成物を肌に塗布するために加える物理的圧力は、指または道具(例えば、パフ)を用いて加えられ得る。
【0037】
本明細書において、「吸着」とは、物質が粘着、結合、結着、または濃縮されることを意味し、より具体的に、油溶性有機紫外線遮断剤が水不溶性スポンジに粘着、結合、結着、または濃縮されることを称し、それにより通常化粧料組成物を肌に塗布するために加える物理的圧力(例えば、3bar以下)によっては(油溶性有機紫外線遮断剤の水不溶性スポンジへの)吸着状態が維持されて、前記物理的圧力によって吸着された物質(油溶性有機紫外線遮断剤)が(水不溶性スポンジから)排出、脱着、分離または吐出されないことを意味する。ここで、通常化粧料組成物を肌に塗布するために加える物理的圧力は、指または道具(例えば、パフ)を用いて加えられ得る。
【0038】
一態様として、本発明による化粧料組成物の最外相には、油溶性有機紫外線遮断剤が実質的に存在しない。
【0039】
本明細書において、「最外相」とは、化粧料組成物が水不溶性スポンジに含浸されるとき、水不溶性スポンジとの直接接触面を最も多く有する部分を意味する。例えば、単一相からなる場合(すなわち、単独水相または単独油相)は該単一相が最外相になり、油中水型エマルションの場合は油相が最外相になり、水中油型エマルションの場合は水相が最外相になる。多重エマルションを「(X)/(X)n/Y」のように記載する場合(ここで、X、Yは水相または油相であり、水相であれば「W」に略称し、油相であれば「O」に略称できる。前記「n」は1以上である)、「Y」が最外相に該当し、一例として油中水中油型(O
1/W/O
2)において最外相は「油相(O
2)」である。
【0040】
本明細書において、「実質的に存在しない」とは、化粧料組成物の最外相に存在する含量が化粧料組成物に含まれる総重量の10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.05重量%未満、0.0005重量%未満であることを意味し、最も望ましくは0.00001重量%未満であることを意味し得る。一例として、本発明による化粧料組成物の最外相に含まれた油溶性有機紫外線遮断剤の含量が化粧料組成物に含まれた有機紫外線遮断剤の総含量に比べて10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.05重量%未満、0.0005重量%未満、または最も望ましく0.00001重量%未満であることを意味し得る。他の例として、本発明による化粧料組成物において、最外相に紫外線遮断剤として無機紫外線遮断剤のみが含まれ、有機紫外線遮断剤は全く含まれない場合も「実質的に存在しない」に該当し得る。さらに他の例として、本発明による化粧料組成物において、最外相に紫外線遮断剤として水溶性、水分散性有機紫外線遮断剤のみが含まれ、油溶性有機紫外線遮断剤は全く含まない場合も「実質的に存在しない」に該当し得る。
【0041】
他の様態として、本発明による化粧料組成物の最外相には、水不溶性スポンジに吸着しない油溶性有機紫外線遮断剤を含むことができる。
【0042】
本明細書において、「吸着しない」とは、「水不溶性スポンジに吸着された(油溶性有機)紫外線遮断剤の重量」/「化粧料組成物の最外相に含まれる(油溶性有機)紫外線遮断剤の重量」×100(%)に換算した値が10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.05重量%未満、0.0005重量%未満、または最も望ましく0.00001重量%未満であることを意味し、前記(油溶性有機)紫外線遮断剤は化粧料組成物に含まれた1以上の(油溶性有機)紫外線遮断剤を意味する。
【0043】
本発明による「最外相に存在するものの水不溶性スポンジに吸着しない油溶性有機紫外線遮断剤」は、化粧料組成物の相調節及び/または油溶性有機紫外線遮断剤の組成を選択することで具現することができる。
【0044】
より具体的に、化粧料組成物の相選択において、化粧料組成物の最外相を水相で構成することで、本発明の効果を達成することができる。前記最外相が水相である化粧料組成物の剤形には、上述したように、例えば、単独水相(水相単独)、水中油型、または多重エマルション(「(X)/(X)n/Y」)でYが水相の場合(すなわち、最外相が水相である多重エマルション)が含まれ得る。化粧料組成物の最外相が水相である場合、水相の最外相に存在する油溶性有機紫外線遮断剤は水溶性または水分散性、あるいは水溶性または水分散性に転換されたものが望ましく、油溶性または油分散性であればカプセル化(encapsulation)などの方法で水相に分散可能に改質されたものが望ましい。
【0045】
また、化粧料組成物に含まれる油溶性有機紫外線遮断剤の組成の選択において、水不溶性スポンジに吸着しないように改質された油溶性有機紫外線遮断剤を使用することができる。
【0046】
ここで、「改質」とは、有機紫外線遮断剤の化学的または物理的変形を全て包括する意味であるが、例えば最外相に存在する油溶性有機紫外線遮断剤と水不溶性スポンジとの間の直接接触を防止する方法(例えば、油溶性有機紫外線遮断剤のカプセル化)、または油溶性有機紫外線遮断剤と水不溶性スポンジとが接触しても吸着反応が起きないようにする方法(例えば、化合物構造の変形、水溶性・水分散性への変形など)などが挙げられる。
【0047】
本発明の一実施例による化粧料組成物は、以下のいずれか1つ以上の有機紫外線遮断剤を含み、
I.水溶性または水分散性有機紫外線遮断剤;
II.水不溶性から水溶性または水分散性に転換された有機紫外線遮断剤;若しくは
III.カプセル化された有機紫外線遮断剤、
油溶性有機紫外線遮断剤を化粧料組成物に含まれる有機紫外線遮断剤総重量の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.05重量%未満、0.0005重量%未満、または最も望ましくは0.00001重量%未満で含むことができる。
【0048】
また、選択的に、無機紫外線遮断剤をさらに含むことができる。
【0049】
本発明による化粧料組成物は、優れた紫外線遮断効果を有し、望ましくは紫外線遮断指数(SPF)30以上及び/または紫外線A遮断指数(PFA;Protection Factor of UVA)4以上、紫外線A遮断等級(PA)++以上であり得る。また、白濁現象がほとんど生じない。
【0050】
前記「紫外線遮断指数(SPF)」は、UVBを遮断する製品の遮断効果を示す指数であり、紫外線遮断製品を塗布したときに生じた最少紅斑量を、紫外線遮断製品を塗布しなかったときに生じた最少紅斑量で除した値である。前記「最少紅斑量(MED;Minumum Erythema Dose)」は、UVBをヒトの肌に照射した後、16〜24時間内に照射領域の全体に紅斑が現れる最小限の紫外線照射量を言う。紫外線遮断指数の測定方法として、被験者の選定、試験部位、製品無塗布部位の最少紅斑量の測定、製品塗布部位の最少紅斑量の測定、光源選定、標準試料、製品塗布量、製品塗布面積及び照射部位の区画、光量増加、紫外線遮断指数の計算、及び紫外線遮断指数の表示方法は韓国食品医薬品安全処告示第2013−28号、2013年4月5日施行、「機能性化粧品審査に関する規定」の別表3の第2章紫外線遮断指数(SPF)の測定方法の告示に従う。
【0051】
前記「紫外線A遮断指数(PFA)」は、UVAを遮断する製品の遮断効果を示す指数であり、紫外線遮断製品を塗布したときに起きた最少持続型即時黒化量を、紫外線遮断製品を塗布しなかったときに起きた最少持続型即時黒化量で除した値である。前記「最少持続型即時黒化量(MPPD;Minimal Persistent Pigment darkening Dose)」は、UVAをヒトの肌に照射した後、2〜4時間内に照射領域の全体に薄い黒化が認識される最少紫外線照射量のことを言う。また、「紫外線A遮断等級(PF)」はUVA遮断効果の程度を意味する。PFA2以上はPA、PFA2以上4未満はPA+、PFA4以上8未満はPA++、PFA8以上はPA+++で表記することができる(ただし、PFA値の小数点以下を切り捨て、整数で表記したものを前提にする)。紫外線A遮断指数の測定方法として、被験者選定、試験部位、試験前最少持続型即時黒化量の測定、製品無塗布及び塗布部位の最少持続型即時黒化量の測定、光源選定、標準試料、製品の塗布量、製品塗布面積及び照射部位の区画、光量増加、及び紫外線A遮断指数の計算は、韓国食品医薬品安全処告示第2013−28号、2013年4月5日施行、「機能性化粧品審査に関する規定」の別表3の第4章紫外線A遮断指数の測定方法の告示に従う。
【0052】
本発明による化粧料組成物は優れた紫外線遮断効果を発揮しながら、白濁現象は殆ど生じない。一例として、本発明による化粧料組成物に含まれる無機紫外線遮断剤は、化粧料組成物総重量の15重量%以下、14重量%以下、13重量%以下、12重量%以下、11重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下であり得る。化粧料組成物総重量の15重量%を超える無機紫外線遮断剤を使用すれば、白濁現象が問題になり得る。
【0053】
本発明による化粧料組成物は、水不溶性スポンジへの吸着抑制効果を妨害しない範囲で必要に応じて色素、抗酸化剤、活性剤、保湿剤、薬剤、金属イオン封鎖剤、多価アルコール、防腐剤及び香料などを当業者が容易に配合することができる。
【0054】
本発明による化粧料組成物は、成分の種類、含量及び剤形などを考慮して、当業界で公知の通常の方法によって製造することができる。
【0055】
また、本発明による化粧料組成物は、化粧料組成物に含まれる成分の種類、含量、化粧料組成物の剤形、または水不溶性スポンジ種類などを考慮して、当業界で公知の通常の方法によって水不溶性スポンジに含浸させることができる。
【0056】
本発明による化粧料組成物(または化粧品)は、例えば、メイクアッププライマー、メイクアップベース、ファンデーション、スキンカバー、リップスティック、リップグロス、フェイスパウダー、リップライナーペンシル、アイブローペンシル、アイシャドウ、チークカラー、コンパクトパウダー、ツインケーキ、ファクト、パウダーファクト、アイブロー、アイシャドー、コンシーラー、頬紅、パウダーファンデーションまたはエアリースなどが含まれるが、これらに制限されることはない。
【0057】
[水不溶性スポンジ]
本発明による水不溶性スポンジは、化粧料組成物含浸用として当業界で通常用いられるものであれば制限なく使用でき、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル‐ブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリウレタン(PU)などの高分子を発泡加工したものであり得る。
【0058】
本発明による水不溶性スポンジのうち化粧料組成物の吸着防止効果が著しく発揮されるものは、疎水性単量体高分子を発泡加工した水不溶性スポンジであり得、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR
)などが挙げられる。
【0059】
本発明による化粧料組成物を水不溶性スポンジに含浸させる工程は、当業界で公知の通常の方法によって行われ得る。
【0060】
[化粧品]
本発明は、水不溶性スポンジと、前記水不溶性スポンジに含浸させる化粧料組成物とを含む化粧品を提供する。
【0061】
水不溶性スポンジとそれに含浸させる化粧料組成物については、上述したため、重複する説明は省略する。
【0062】
特に、一実施態様によれば、水不溶性スポンジに含浸させる化粧料組成物は、以下のいずれか1つ以上の有機紫外線遮断剤を含み、
I.水溶性または水分散性有機紫外線遮断剤;
II.水不溶性から水溶性または水分散性に転換された有機紫外線遮断剤;若しくは
III.カプセル化された有機紫外線遮断剤、
油溶性有機紫外線遮断剤を化粧料組成物に含まれる有機紫外線遮断剤総重量の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.05重量%未満、0.0005重量%未満、または最も望ましく0.00001重量%未満で含むことができる。
【0063】
また、選択的に、無機紫外線遮断剤をさらに含むことができる。
【0064】
本発明による化粧品には、水不溶性スポンジ及びそれに含浸された化粧料組成物の以外に、当業界の通常の技術者が適切に構成を追加(例えば、パフ)することができる。