特許第6113906号(P6113906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6113906多結晶シリコンの堆積のための反応器における電極シールを保護するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113906
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】多結晶シリコンの堆積のための反応器における電極シールを保護するための装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/24 20060101AFI20170403BHJP
   C01B 33/035 20060101ALI20170403BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   C23C16/24
   C01B33/035
   C23C16/44 B
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-503591(P2016-503591)
(86)(22)【出願日】2014年2月26日
(65)【公表番号】特表2016-520712(P2016-520712A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】EP2014053736
(87)【国際公開番号】WO2014146877
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年9月18日
(31)【優先権主張番号】102013204926.9
(32)【優先日】2013年3月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100187207
【弁理士】
【氏名又は名称】末盛 崇明
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ、クラウス
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス、ヘーゲン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、クッツァ
【審査官】 國方 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−018701(JP,A)
【文献】 特開2007−107030(JP,A)
【文献】 特開2013−018675(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/116990(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
C01B 33/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多結晶シリコン堆積のための反応器中の電極シールを保護するための装置であって、
シール体(2)が、電極の電極ホルダー(1)と前記反応器のベースプレート(3)との間の中間スペースに配置されており、
前記電極ホルダー(1)および前記シール体(2)の周囲に半径方向に伸び、前記ベースプレート(3)に接触している保護リング(4)および
前記電極ホルダー(1)上に位置しているが、前記ベースプレート(3)とは接触していないカバーギャップ(7)を備え、
前記カバーギャップ(7)が、前記保護リング(4)の上に配置されるが、前記保護リング(4)と接触はしておらず、
前記カバーギャップ(7)が、前記電極ホルダー(1)と接触していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記カバーギャップ(7)が、前記カバーャップ(7)および前記保護リング(4)の垂直方向の重なり合わせるよう、前記ベースプレート(3)の方向に引き下ろされたエッジ部を含んでなる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カバーャップ(7)および前記保護リング(4)間の距離が、3〜40mmである、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記カバーャップ(7)および前記保護リング(4)間の距離が、5mm以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
多結晶シリコン堆積のための反応器中の電極シールを保護するための装置であって、
シール体(2)が、電極の電極ホルダー(1)と前記反応器のベースプレート(3)との間の中間スペースに配置されており、
前記電極ホルダー(1)および前記シール体(2)の周囲に半径方向に伸び、前記ベースプレート(3)に接触している保護リング(4)および
前記電極ホルダー(1)と、側面および上面の両方から接触しているカバー(6)を備え、
前記カバー(6)と前記ベースプレート(3)との間に接触はなく、
前記保護リング(4)が、前記カバー(6)の側面に対して横方向にずれており(laterally offset)、
前記保護リング(4)が、前記カバー(6)と前記ベースプレート(3)との間の横方向のギャップを閉じることを特徴とする、装置。
【請求項6】
前記カバー(6)が、垂直方向に可動であり、
前記保護リング(4)および前記カバー(6)は、室温での電気抵抗率が10Ωcm超である電気絶縁性材料から成る、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
多結晶シリコン堆積のための反応器中の電極シールを保護するための装置であって、
シール体(2)が、電極の電極ホルダー(1)と前記反応器のベースプレート(3)との間の中間スペースに配置されており、
前記電極ホルダー(1)および前記シール体(2)の周囲に半径方向に伸び、前記ベースプレート(3)に接触している保護リング(4)および
前記電極ホルダー(1)および前記シール体(2)の周囲に半径方向に伸び、前記電極ホルダー(1)および前記ベースプレート(3)に接触しているカバー(6)を備え、
前記カバー(6)が、前記電極ホルダー(1)と、側面および上面の両方から接触しており、
前記カバー(6)は、室温での電気抵抗率が10Ωcm超であり、10W/mK超の室温での熱伝導率も有する電気絶縁性材料から成ることを特徴とする、装置。
【請求項8】
多結晶シリコン堆積のための反応器中の電極シールを保護するための装置であって、
シール体(2)が、電極の電極ホルダー(1)と前記反応器のベースプレート(3)との間の中間スペースに配置されており、
前記電極ホルダー(1)および前記シール体(2)の周囲に半径方向に伸び、前記ベースプレートと接触している保護リング(4)、ならびに前記保護リング(4)および前記電極ホルダー(1)の周囲に半径方向に伸びるリングセグメント(8)を備え、
前記保護リング(4)は、前記リングセグメント(8)よりも前記電極ホルダー(1)から遠くに分離され、
前記リングセグメント(8)が、前記ベースプレート(3)および前記電極ホルダー(1)と接触しており、
前記保護リング(4)および前記リングセグメント(8)の両方は、室温での電気抵抗率が10Ωcm超であり、1W/mK超の室温での熱伝導率も有する電気絶縁性材料から成ることを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置上に位置し、電極によって電流が供給され、それによって、フィラメント芯棒上に多結晶シリコンが堆積される温度まで直接流される電流によって加熱される少なくとも1つのフィラメント芯棒を有するCVD反応器中へ、ケイ素含有成分および水素を含有する反応ガスを導入することを含むことを特徴とする、多結晶シリコンを作製するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶シリコンの堆積のための反応器における電極シールを保護するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高純度シリコンは、通常、シーメンス法によって作製される。この場合、水素、および1つ以上のケイ素含有成分を含む反応ガスが、支持体を含む反応器中に導入され、支持体は、直接電流を流すことによって加熱され、その上にSiが固体の形態で堆積される。ケイ素含有化合物としては、好ましくは、シラン(SiH)、モノクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、テトラクロロシラン(SiCl)、またはこれらの混合物が用いられる。
【0003】
各支持体は、通常、2つの薄フィラメント芯棒、およびおおよそ隣接する芯棒をその固定されていない端部で接続するブリッジから成る。フィラメント芯棒は、最も多くの場合、単結晶または多結晶シリコンから作られ、それほど一般的ではないが、金属、または合金、またはカーボンも用いられる。フィラメント芯棒は、反応器底部に位置する電極中に垂直に挿入され、それによって、電極ホルダーおよび電源との接続が確立される。高純度ポリシリコンは、加熱されたフィラメント芯棒および水平方向のブリッジに上に堆積され、それによって、その直径が時間と共に増加する。所望される直径に達したところで、プロセスは終了される。
【0004】
シリコン芯棒は、一般的にはグラファイトから成る特別の電極によってCVD反応器中に保持される。いずれの場合も、電極ホルダー上の電圧分極の異なる2つのフィラメント芯棒は、薄芯棒の他端にてブリッジによって接続され、閉回路が形成される。薄芯棒を加熱するための電気エネルギーは、電極およびその電極ホルダーを介して供給される。それによって、薄芯棒の直径が増加する。同時に、電極は、その先端から開始してシリコン芯棒の芯棒ベース部へと成長する。シリコン芯棒の所望される設定された直径が得られた時点で、堆積プロセスは終了され、シリコン芯棒は冷却され、取り出される。
【0005】
この場合、ベースプレートを通して供給される電極ホルダーの保護が特に重要視される。このために、電極シール保護体(electrode sealing protection bodies)の使用が提案されており、電極シール保護体の配置および形状、ならびに用いられる材料が特に重要である。
【0006】
堆積系中に伸びる電極ホルダーヘッドとベースプレートとの間には、環状体が存在する。これは、電極ホルダーの貫通部のシールおよびベースプレートからの電極ホルダーの電気絶縁という2つの機能を有する。
【0007】
CVD反応器中のガス空間温度が高いことに起因して、シール体の熱保護が必要である。熱保護効果が不充分であると、シール体の燃焼によるシール体の早期の劣化、熱に誘発されるシール体の流動、反応器の漏えい、電極ホルダーとベースプレートとの間の最小距離の低下、および炭化したシール体による接地不良が引き起こされる。接地不良または漏電は、堆積系の故障に、従って堆積プロセスの中断に繋がる。これは、収率低下およびコスト上昇の原因となる。
【0008】
従って、シールを保護する目的の保護体が提案されてきた。
【0009】
US20110305604 A1から、石英から作られる保護リングによって電極のシールを熱応力から遮蔽することが知られている。反応器底部は、特別の構成となっている。反応器底部は、第一の領域および第二の領域を含む。第一の領域は、反応器内部に面するプレート、およびノズルを持つ中間プレートから形成される。反応器底部の第二の領域は、この中間プレート、およびフィラメントのための給電接続部を持つベースプレートから形成される。反応器底部を冷却するために、冷却水が、このようにして形成された第一の領域に供給される。フィラメント自体は、グラファイトアダプター中に固定されている。このグラファイトアダプターは、それ自体が石英リングによってプレートと連動しているグラファイトクランプリング中に嵌め込まれている。フィラメントのための冷却水接続は、クイックフィット連結装置(quick-fit couplings)の形態で構成され得る。
【0010】
WO2011116990 A1には、石英カバーリングを有する電極ホルダーが記載されている。プロセスチャンバーユニットは、接触およびクランプユニット、ベース要素、石英カバーディスク、ならびに石英カバーリングから成る。接触およびクランプユニットは、複数の接触要素から成り、これらは、互いに対して移動が可能であり、薄シリコン芯棒のための受けスペースを形成することができる。接触およびクランプユニットは、ベース要素の対応する受けスペース中に導入することができ、ベース要素への導入の過程で、薄シリコン芯棒のための受けスペースは狭くなり、それによって、この芯棒は、信頼性高く固定され、電気的に接触される。ベース要素も、貫通ユニットの接触先端部を受けるための下側コンパートメントを有する。石英カバーディスクは、貫通ユニットの接触先端部を貫通させるための中央開口部を有する。石英カバーリングは、CVD反応器のプロセスチャンバー内部に置かれた貫通ユニット領域を少なくとも部分的に半径方向に囲うことができるような寸法とされる。
【0011】
しかし、石英は熱伝導率が低いために、堆積条件下においてこれらのコンポーネントは非常に熱くなり、薄シリコン層が、それらの表面上に高温で成長する。このような条件下では、シリコン層は電気伝導性となり、このことは接地不良に繋がる。
【0012】
WO2011092276 A1には、電極ホルダーとベースプレートとの間のシール要素が、その周囲に伸びるセラミックリングによって熱の影響から保護される電極ホルダーが記載されている。複数の電極が、反応器の底部に固定される。電極は、フィラメント芯棒を持ち、これらは、電極本体に設置され、これらを介して、電極への、またはフィラメント芯棒への電流供給が行われる。電極本体自体は、複数の弾性要素によって、反応器底部の上側の方向へ機械的応力が予め掛けられている。反応器底部の上側と、底部の上側に対して平行である電極本体のリングとの間に、半径方向に伸びて取り囲むシールリングが取り付けられる。シール要素自体は、反応器底部の上側とそれに対して平行である電極本体リングとの間の領域にあるセラミックリングによって遮蔽される。
【0013】
US20130011581 A1には、CVD反応器中の電極ホルダーを保護するための装置が開示されており、それは、ベースプレートの凹み部に適用される電気伝導性材料から作られる電極ホルダー上に、フィラメント芯棒を受けるのに適する電極を含み、電極ホルダーとベースプレートとの間の中間スペースは、シール材でシールされており、シール材は、1つ以上のピースから構築され、電極の周囲に環状に配置される保護体によって保護されており、保護体は、少なくとも電極ホルダーの方向のセクションにおいてその高さが増加している。電極ホルダーの周囲に同心円状の配置で幾何学形状体(geometrical bodies)が提供され、それらの高さは、電極ホルダーからの距離が増加するに従って減少する。この幾何学形状体は、ワンピース型であってもよい。それは、電極ホルダーのシールおよび絶縁体の熱保護のため、ならびに循環(overturning)の発生に対して良好な影響を及ぼすことを目的として、堆積されたポリシリコン芯棒の芯棒ベース部における流れの改変のために用いられる。
【0014】
WO2011092276 A1およびUS20130011581 A1に従う装置では、電極ホルダーとベースプレートとの間のシールの熱保護にも拘らず、接地不良が起こる場合がある。短絡は、芯棒加熱のための電流供給の不良による突然のプロセス停止に繋がる。芯棒を意図する最終直径とすることができない。芯棒が細い場合、システムの能力が低下し、それは著しいコストを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的、すなわち、効果的な接地不良に対する保護およびシール体の熱遮蔽を可能とすることは、このような問題から生まれたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、多結晶シリコン堆積のための反応器中の電極シールを保護するための装置によって達成され、ここで、シール体(2)が、電極の電極ホルダー(1)と反応器のベースプレート(3)との間の中間スペースに配置されており、ならびにここで、電極ホルダー(1)およびシール体(2)の周囲に半径方向に伸び、ベースプレートに接触している保護リング(4)を備えるか、または、電極ホルダー(1)およびシール体(2)の周囲に半径方向に伸び、電極ホルダー(1)に接触しているカバー(6)を備えており、電極ホルダー(1)およびシール体(2)の周囲に半径方向に伸び、または電極ホルダーに接触しているさらなる保護体を保護リング(4)以外に備えていない場合、ワンピース型またはマルチピース型の保護リング(4)は、電極ホルダー(1)の側面に接触し、ならびに室温での電気抵抗率が10Ωcm超、好ましくは1011Ωcm超であり、室温での熱伝導率が10W/mK超、好ましくは20W/mK超である電気絶縁性材料から成ることが条件である。
【0017】
本発明および以下で説明する実施形態に従う装置では、備えられる保護リング/カバーは、電極ホルダーまたはシール体と保護体/カバーとの間のベースプレートの少なくとも一部が上から保護されるように構成される。このことにより、シリコンの破片が、保護リングと電極ホルダーとの間に落ちること、およびベースプレートからの電極ホルダーの電気絶縁の接続(bridge)を可能としてしまうことが防止される。これは、先行技術で見られる接地不良の原因であった。
【0018】
好ましくは、この装置は、保護リング(4)をカバーディスク(5)と共に備え、カバーディスクは、電極ホルダー(1)の上に位置し、保護リング(4)とカバーディスク(5)との間に接触はなく、カバーディスク(5)は、保護リング(4)を上から保護し、保護リング(4)とカバーディスク(5)との間には、少なくとも5mmの距離がある。
【0019】
好ましくは、この装置において、保護リング(4)を、カバーディスク(5)と合わせて備え、カバーディスク(5)は、保護リング(4)の上に位置し、カバーディスク(5)は、電極ホルダー(1)と接触しておらず、カバーディスク(5)または保護リング(4)のいずれかは、室温での電気抵抗率が10Ωcm超、好ましくは1011Ωcm超である電気絶縁性材料から成り、これはまた、10W/mK超、好ましくは20W/mK超である室温での熱伝導率も有する。
【0020】
好ましくは、この装置は、保護リング(4)を持たず、カバー(6)のみを持ち、カバー(6)は、ベースプレート(3)および電極ホルダー(1)の両方と接触しており、カバー(6)は、電極ホルダーと、側面および上面の両方から接触しており、カバー(6)は、室温での電気抵抗率が10Ωcm超、好ましくは1011Ωcm超であり、10W/mK超、好ましくは20W/mK超である室温での熱伝導率も有する電気絶縁性材料から成る。好ましくは、カバーは、半径断面がL字形状である。
【0021】
好ましくは、この装置は、保護リング(4)およびカバー(6)の両方を備え、カバー(6)は、電極ホルダー(1)と、側面および上面から接触しており、カバー(6)とベースプレート(3)との間に接触はなく、カバー(6)に対して横方向にずれた(laterally offset)保護リング(4)を備え、それは、ベースプレートと接触し、カバー(6)とベースプレート(3)との間の横方向のギャップを閉じる。好ましくは、カバーは、半径断面がL字形状である。
【0022】
同様に、カバー(6)は、垂直方向に可動であり、保護リング(4)およびカバー(6)は、室温での電気抵抗率が10Ωcm超、好ましくは1011Ωcm超である電気絶縁性材料から成ることが好ましい。カバー(6)は、10W/mK超、好ましくは20W/mK超である室温での熱伝導率を有する。
【0023】
好ましくは、この装置は、保護リング(4)およびカバーキャップ(7)を含み、カバーキャップ(7)は、横からおよび/または上から電極ホルダー(1)と接触しているが(上からの方は図示していない)、ベースプレート(3)とは接触しておらず、カバーキャップ(7)は、保護リング(4)の上に配置されるが、それと接触はしていない。
【0024】
好ましくは、この装置は、保護リング(4)および電極ホルダー(1)の周囲に半径方向に伸びるリングセグメント(8)を含み、保護リング(4)は、電極ホルダー(1)から、従ってリングセグメント(8)から離れて分離されており、保護リング(4)およびリングセグメント(8)の両方は、室温での電気抵抗率が10Ωcm超、好ましくは1011Ωcm超である電気絶縁性材料から成り、これはまた、1W/mK超である室温での熱伝導率も有する。
【0025】
本発明はまた、多結晶シリコンを作製するための方法にも関し、それは、上述の装置のうちの1つの上に位置し、電極によって電流が供給され、それによって、フィラメント芯棒上にシリコンが堆積される温度まで直接電流を流すことによって加熱される少なくとも1つのフィラメント芯棒を有するCVD反応器中へ、ケイ素含有成分および水素を含有する反応ガスを導入することを含む。
【0026】
以下で詳細に記載する本発明およびその実施形態に従う装置は、異なる形態の電極カバーを提供し、それらは、シール体が熱流および熱放射から遮蔽されるように製造される。処理量が多く、芯棒直径が大きくなると、シール体は、特に熱応力を受けるようになる。このような条件下では、電極カバーの熱保護が特に重要視される。
【0027】
従って、電極カバーは、以下の2つの機能を有する:
シール体の領域の電極ホルダーを反応器スペースのベースプレートから封入し、それによって、シリコン破片による電極ホルダーからベースプレートへのシール体の電気接続を起こり得ないようにすること;
熱保護を改善することにより、シール体への熱応力を低減すること。
【0028】
電極カバーのいくつかの実施形態が可能であり、すなわち、保護リング、カバーディスク、半径断面がL字形状であるカバー、カバーキャップ、およびリングセグメントである。それらは、ワンピース型またはマルチピース型であってよい。
【0029】
それらの材料特性に対しては、高い要求が課せられる。高いガス空間温度にて、それらは、ハイドロジェンシラン/HCl/H雰囲気下で熱的にも化学的にも安定でなければならない。
【0030】
好ましい実施形態の詳細な記述で示されるように、実施形態に応じて、低および高熱伝導率を有する電気伝導体および非電気伝導体の間の区別も必要である。
【0031】
保護体から冷却された電極ホルダーへの熱の消散を増加させる目的で、電極ホルダー上に位置するカバーキャップまたは保護リングは、電極ホルダーに、例えばスクリュー接続により、取り外し可能に強固に接続されてよい。この場合、電極ホルダーは、雄ねじ山を有し、カバーキャップまたは保護リングは、雌ねじ山を有する。
【0032】
好ましい実施形態を以下で説明する。
【0033】
図1〜7も参照する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】保護リングが、電極ホルダーの周囲にそれと接触せずに伸びる先行技術に従う装置を示す。
図2】保護リングおよびカバーディスクを用いた実施形態を示す。
図3a】半径断面がL字形状であるカバーを用い、保護リングは用いない実施形態を示す。
図3b】半径断面がL字形状であるカバー、および保護リングを用いる実施形態を示す。
図4】電極ホルダーと側面で接触する保護リングを用いる実施形態を示す。
図5】保護リングおよびカバーキャップを用いる実施形態を示す。
図6】保護リングおよびリングセグメントを用いる実施形態を示す。
図7】保護リング、およびその上に位置するカバーディスクを用いる実施形態を示す。
図8】垂直方向に可動であるカバー、および保護リングを用いる実施形態を示す。
【符号の説明】
【0035】
1 電極ホルダー
2 シール体
3 ベースプレート
4 保護リング
5 カバーディスク
6 カバー
7 カバーキャップ
8 リングセグメント
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、先行技術に従う実施形態を示す。電極ホルダー1は、反応器のベースプレート3上に適用される。シール体2は、ベースプレート3と電極ホルダー1のヘッドとの間に配置される。周囲に伸びる保護リング4は、シール体2を保護する目的で提供される。
【0037】
第一の好ましい実施形態
図2は、第一の好ましい実施形態を概略的に示す。
【0038】
少なくとも1つの保護リング4を、電極ホルダー1上のカバーディスク5と組み合わせて、ベースプレート3上に備える。
【0039】
保護リング4は、半径方向に周囲に伸びることによって、シール体2を囲んでいる。
【0040】
カバーディスク5および保護リング4は、周囲に伸びるギャップによって分離されている。ギャップ距離は、印加される最大電圧下にて、カバーディスクから保護リングへスパークが発生しないように少なくとも充分に大きい寸法とするべきである。5mmよりも大きいギャップ距離が好ましい。この方法により、ベースプレート3への電気的接触も電気スパークも起こり得ない。
【0041】
保護リング4は、電極ホルダー1から離れている。このギャップ距離は、印加される最大電圧下にて、保護リングから電極ホルダーへスパークが発生しないように少なくとも充分に大きい寸法とするべきである。5mmよりも大きいギャップ距離が好ましい。
【0042】
保護リング4は、通電された電極ホルダー1とも、カバーディスク5とも接触していないことから、これら2つのパーツは、電気伝導性材料から成っていても、または非電気伝導性材料から成っていてもよい。
【0043】
同様に、これら2つの物体の材料の熱伝導率にも制限はない。薄いケイ化層(silicizing layer)の成長は許容される。
【0044】
適切な材料は、従って、石英、好ましくは半透明石英、グラファイト、好ましくは超純粋グラファイト、SiC、シリコンまたはSiCコーティングを有するグラファイト、Si、AlN、Al、その他の安定なセラミック材料、安定な金属、例えばAgまたはAuである。
【0045】
半径方向に周囲に伸びる保護リング4は、シール体2を熱ガス流から遮蔽する。電極ホルダー1上のカバーディスク5は、シリコン破片が電極ホルダー1上へ直接経路で落下して接地不良を引き起こすことを防止する。半径方向に周囲に伸びるギャップにより、保護リング4とカバーディスク5との間の電気的接触が防止される。
【0046】
カバーディスク5は、電気伝導性材料から成っていても、または非電気伝導性材料から成っていてもよい。適切な材料は、従って、例えば、石英、好ましくは半透明石英、グラファイト、好ましくは超純粋グラファイト、SiC、シリコンまたはSiCコーティングを有するグラファイト、Si、AlN、Al、その他の安定なセラミック材料、安定な金属、例えばAgまたはAuである。
【0047】
ケイ素化(堆積プロセスの過程での薄いシリコン層の成長)が考えられるが、負の影響を与えるものではない。電気伝導性および熱伝導性に関する制限はないことから、経済的な材料が好ましくは用いられてよい(例えば:グラファイト、金属)。唯一の基準は、化学的および熱的安定性である。
【0048】
さらに、環状のギャップにより、フラッシングプロセスにおける良好なガス交換が可能となる。保護体は、シール体と接触しておらず、従って、熱伝導による熱の伝達は起こり得ない。
【0049】
第二の好ましい実施形態
図3aは、第二の好ましい実施形態を示す。
【0050】
ここでは、少なくとも1つのカバー6が提供され、それは、電極ホルダー1およびベースプレート3と接触している。
【0051】
カバー6は、半径方向に周囲に伸びることによって、シール体2を囲んでいる。
【0052】
カバー6は、非常に良好な熱伝導性を有する電気絶縁性材料から作られなければならない。従って、カバー6のケイ素化は起こり得ない。
【0053】
このために、窒化ケイ素、および窒化アルミニウム、または室温での熱伝導率が高く、10W/mK超、好ましくは室温で50W/mK超、特に好ましくは室温で150W/mK超であり、室温での電気抵抗率が10Ωcm超、好ましくは室温で1011Ωcm超であるその他のセラミック材料が想定されてよい。
【0054】
カバー6からの熱の消散を増加させる目的で、カバー6は、好ましくは、冷却された電極ホルダー1と、例えばねじ山によって(図には示さず)、電極ホルダー1の円周面に強固に接続されていてよい。
【0055】
記載した特性を有する電気絶縁体から作られる半径方向に周囲に伸びるカバー6は、シール体2に対する破片からの保護および熱保護の機能を組み合わせて有する。
【0056】
カバー6は、冷却されたベースプレート3および冷却された電極ホルダー1と接触している必要がある。
【0057】
熱伝導率が高いことにより、カバー6の表面温度は、冷却された電極ホルダー1および冷却されたベースプレート3への熱の消散によって非常に低いため、電気伝導性のシリコン層の成長は起こり得ない。
【0058】
電気抵抗率が高いことにより、カバー6を介しての接地不良は発生しない。
【0059】
完全に封入されることにより、電極ホルダー1およびベースプレート3との接触が起こり得ないことから、落下するシリコン破片が接地不良を起こすこともあり得ない。
【0060】
カバー6はさらに、シール体2を熱ガス流から遮蔽する。
【0061】
カバー6は、シール体2と接触しておらず、それによって、熱伝導による熱の伝達は起こり得ない。
【0062】
この変化形の場合、10W/mK超、好ましくは50W/mK超、特に好ましくは150W/mK超である高い熱伝導率、10Ωcm超である高い電気抵抗率(絶縁体)、ならびに化学および熱安定性、ならびに高純度などの材料特性が必要である。適切な材料は、Si(窒化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)、または前記基準を満足するその他のセラミック材料である。
【0063】
図3bは、図3aで表される実施形態の改変を示す。
【0064】
好ましい改良点は、カバー6を保護リング4と組み合わせたことから成る。
【0065】
カバー6は、その側面の電極ホルダー1と共に、ベースプレート3に対して垂直に移動可能である。
【0066】
この組み合わせは、ベースプレート上に位置する下側保護リング4、および電極ホルダー上に位置して、例えばねじ接続の形態でそれに強固に接続されることが好ましいカバー6から成る。
【0067】
このことにより、電極ホルダー1の製造公差およびシール体2の設置挙動に対する埋め合わせを、カバー6が確実に行うことができる。
【0068】
カバー6および保護リング4は、保護リング4およびカバー6が互いに嵌め込まれ、一定の重なりが確保されるような寸法とされる。この方法により、電極ホルダー1の製造公差の場合であっても、およびシール体2の設置に際しても、カバー6が電極ホルダー1上に位置し、カバー6の側面において保護リング4との重なりが常に存在することがこれによって常に確保される。
【0069】
カバー6の側面が保護リング4と重なり合うことにより、電極ホルダー1が、シール体2の領域において反応器スペースから完全に確実に分離される。
【0070】
堆積反応器を不活性化する目的でのフラッシング工程の過程において、電極ホルダー1の周囲の囲われたスペースの通気を改善するために、カバー6および/または保護リング4は、円周面および/または上側面に小孔(図面には示さず)を含有していてよい。
【0071】
この変化形の場合、カバー6および保護リング4は、室温で10W/mK超、好ましくは室温で50W/mK超、特に好ましくは室温で150W/mK超である高い熱伝導率、10Ωcm超、好ましくは室温で1011Ωcm超である室温での高い電気抵抗率(絶縁体)、ならびに化学および熱安定性、ならびに高純度などの材料特性が必要である。適切な材料は、Si(窒化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)、または前記基準を満足するその他のセラミック材料である。
【0072】
第三の好ましい実施形態
図4は、第三の好ましい実施形態を示す。
【0073】
この実施形態は、非電気伝導性材料から作られる保護リング4を表す。
【0074】
保護リング4は、非常に良好な熱伝導性を有する電気絶縁性材料から作られる必要がある。このために、窒化ケイ素、および窒化アルミニウム、または(室温での)熱伝導率が高く、10W/mK超、好ましくは50W/mK超、特に好ましくは150W/mK超であり、(室温での)電気抵抗率が10Ωcm超、好ましくは1011Ωcm超であるその他のセラミック材料が想定されてよい。
【0075】
保護リング4は、半径方向に周囲に伸びることによって、シール体2および電極ホルダー1を囲んでおり、熱消散の目的のために、冷却された電極ホルダー1と冷却されたベースプレートとの接触を確立する。
【0076】
保護リング4は、1つのピースから成っていてよく、または所望されるいかなる数の構成ピースから成ってリングが形成されていてもよい。
【0077】
ワンピース型の保護リング4の場合、保護リング4は、例えばスクリュー接続により(図中には示さず)、取り外し可能に電極ホルダー1と強固に接続されてよい。
【0078】
この方法により、保護リング4から冷却された電極ホルダー1への熱移動が増加され、それによって、保護リング4の表面温度が低下される。このことは、長寿命(熱および化学腐食の減少)、ならびに保護リング4の表面温度の低下に関連する利点を有する。
【0079】
保護リング4の周囲には、石英、セラミック、または安定な金属(例えば、銀、ステンレス鋼、金)の外側保護リング(図示せず)が、ある距離を空けて配置されてよい。この所望に応じて存在してよい保護リングは、内側の保護リング4を、シリコン芯棒および熱ガス流の熱放射から追加的に遮蔽する。この方法により、内側の保護リング4に対する熱ストレスが低減される。
【0080】
半径方向に周囲に伸び、記載した特性を有する電気絶縁体から成る保護リング4は、シール体2に対する破片からの保護および熱保護の機能を組み合わせて有する。
【0081】
保護リング4は、冷却されたベースプレート3および冷却された電極ホルダー1と接触している必要がある。
【0082】
熱伝導率が高いことにより、保護リング4の表面温度は、冷却された電極ホルダー1および冷却されたベースプレート3への熱の消散によって非常に低いため、電気伝導性のシリコン層の成長は起こり得ない。
【0083】
電気抵抗率が高いことにより、保護リング4を介しての接地不良は発生しない。
【0084】
完全に封入されることにより、破片と電極ホルダー1およびベースプレート3との接触が起こり得ないことから、落下するシリコン破片が接地不良を起こすこともあり得ない。
【0085】
保護リング4はさらに、シール体2を熱ガス流から遮蔽する。
【0086】
保護リング4は、シール体2と接触しておらず、それによって、熱伝導による熱の伝達は起こり得ない。
【0087】
所望に応じて存在してよい外側保護リングにより、熱遮蔽の効果がさらに向上される。
【0088】
第四の好ましい実施形態
図5は、第四の好ましい実施形態を示す。
【0089】
この実施形態は、ベースプレート3上の少なくとも1つの保護リング4を、電極ホルダー1上のカバーキャップ7と組み合わせて提供する。
【0090】
保護リング4は、半径方向に周囲に伸びることにより、シール体2を囲んでいる。
【0091】
カバーキャップ7および保護リング4は、カバーキャップ7と保護リング4とが接触しないように重なり合っている。
【0092】
さらに、カバーキャップ7および保護リング4は、シール体2への直線での経路が存在し得ないような形で、垂直方向に重なり合っている。
【0093】
この方法により、シリコン破片は、シール体2へ到達し得ない。
【0094】
保護リング4は、通電された電極ホルダー1とも、カバーキャップ7とも接触していないことから、これら2つのパーツは、電気伝導性材料から成っていても、または非電気伝導性材料から成っていてもよい。
【0095】
同様に、これら2つの物体の材料の熱伝導率にも制限はない。薄いケイ化層の成長は許容される。
【0096】
適切な材料は、従って、石英、好ましくは半透明石英、グラファイト、好ましくは超純粋グラファイト、SiC、シリコンまたはSiCコーティングを有するグラファイト、Si、AlN、Al、その他の安定なセラミック材料、安定な金属、例えばAgまたはAuである。
【0097】
カバーキャップ7から冷却された電極ホルダー1へのより良好な熱消散のために、カバーキャップ7は、例えばねじ接続によって、電極ホルダー1に強固に接続されてよい。
【0098】
半径方向に周囲に伸びる保護リング4は、シール体2を熱ガス流から遮蔽する。
【0099】
電極ホルダー1上のカバーキャップ7は、ベースプレート3の方向にエッジ部が引き下ろされることで、カバーキャップ7および保護リング4の垂直方向の重なり合いにより、シリコン破片が直接または間接経路で電極ホルダー1およびシール体2の上に落下し、それによって接地不良が引き起こされることを防止する。
【0100】
カバーキャップ7および保護リング4の垂直方向の重なり合い、ならびに3〜40mm、好ましくは5〜10mmであるカバーキャップ7と保護リング4との間の距離が充分に長いことにより、ケイ素化パーツの電気的接触を防止することができる。
【0101】
カバーキャップ7とベースプレート3との間の距離は、最大印加電圧下においてカバーキャップからベースプレートへスパークが発生しないように充分に大きい寸法とする必要がある。5mmよりも大きいギャップ距離が好ましい。
【0102】
さらに、垂直方向の重なり合いにより、フラッシングプロセスの過程において、電極ホルダー1の領域内のカバーキャップ7内部での良好なガス交換が可能である。
【0103】
カバーキャップ7および保護リング4は、シール体2と接触しておらず、従って、それらが熱伝導によって熱を伝達することは起こり得ない。
【0104】
第五の好ましい実施形態
図6は、第五の好ましい実施形態を示す。
【0105】
この実施形態は、ベースプレート3上の少なくとも1つの保護リング4を、電極ホルダー1とベースプレート3との間に挿入され、少なくとも電極ホルダー1と保護リング4との間のベースプレート3を覆うリングセグメント8と組み合わせて備える。
【0106】
リングセグメント8は、組み立てられて完全なリングを形成してよい。
【0107】
リングセグメント8は、電極ホルダー1とベースプレート3との間に、シール体2の方向に挿入され、リングセグメント8の寸法は、電極ホルダー1とベースプレート3との間に挿入後のリングセグメント8からシール体2までの距離が0〜20mm、好ましくは2〜5mmとなるようにされる。
【0108】
リングセグメント8の代わりに、完全なリングを用いることも可能であり、それは、電極ホルダー1をベースプレート3に搭載する過程で、ベースプレート3と電極ホルダー1との間に取り付けられる。
【0109】
保護リング4およびリングセグメント8は、室温で10Ωcm超、好ましくは室温で1011Ωcm超である抵抗率、および室温で1W/mK超、好ましくは室温で20W/mK超、特に好ましくは室温で150W/mK超である熱伝導率を有する電気絶縁性材料から作られる。適切な材料は、例えば、石英、好ましくは半透明石英、Si、AlN、Al、またはその他の対応するセラミック材料である。
【0110】
リングセグメント8の好ましい厚さが小さく、3から20mm、特に好ましくは3〜10mm、より特に好ましくは3〜7mmであること、熱伝導率が高いこと、および冷却されたベースプレート3の受け面が大きいことにより、芯棒ベース部からリングセグメント8が受ける放射は、冷却されたベースプレート3を介して充分に消散可能である。
【0111】
従って、リングセグメント8の表面温度は非常に低いため、堆積条件下にてその表面上のケイ素化は起こらない。従って、電気伝導性も発生しない。
【0112】
保護リング4は、好ましくは、電極ホルダー1から、5〜50mm、特に好ましくは5〜20mm、より特に好ましくは5〜10mmの距離にある。従って、それは、保護リング4を、ベースプレート3の方向へ0から5mmの領域がケイ素化されない状態で維持するのに充分である。
【0113】
このことは、記載した保護リング4の熱伝導率によるベースプレート3への良好な熱消散によって満たされる。
【0114】
ベースプレート3を覆うことにより、この組み合わせは、効果的な破片からの保護を示しており、それは、リングセグメント8によって、シリコン破片が電極ホルダー1およびベースプレート3と電気的接触を起こすことがあり得ないからである。同時に、シール体2は、リングセグメント8および保護リング4と合わせて、熱反応器ガスから良好に保護される。
【0115】
リングセグメント8は、保護リング4と電極ホルダー1との間のベースプレートを完全に覆っている。室温で1W/mK超、好ましくは室温で20W/mK超、特に好ましくは室温で150W/mK超というリングセグメント8および保護リング4の必要な高い熱伝導率、および室温で10Ωcm超、好ましくは室温で1011Ωcm超である高い電気抵抗率(絶縁体)により、ベースプレート3は、電極ホルダー1に対して電気的に完全に遮蔽されている。このことは、効果的な破片からの保護を成す。
【0116】
先行技術と比較して、リングセグメント8は、シール体2のさらなる熱保護、およびシリコン破片に起因する電極ホルダー1と保護リング4との間の接地不良に対するさらなる保護をもたらす。
【0117】
さらに、保護リング4およびリングセグメント8の熱伝導性が高いことにより、吸収された熱は(反応ガスおよび放射)、冷却されたベースプレート3に放出され、それによって、保護リング4およびリングセグメント8の表面温度は、リングセグメント8がケイ素化され得るほどには、または保護リング4およびリングセグメント8のベースプレート3に面した領域がケイ素化され得るほどには高くならない。
【0118】
別の利点は、保護リング4およびリングセグメント8の表面温度が低いことにより、放射によるシール体2への熱ストレスが低くなることである。
【0119】
加えて、シール体2は、熱反応ガスから完全に遮蔽されている。リングセグメント8は、それらがシール体2と接触しないような寸法とされ、それによって、熱伝導によるシール体2への熱の伝達は起こり得ない。
【0120】
図7および図8は、その他の考え得る実施形態を示す。
【0121】
図7は、その上にディスク5を持つ保護リング4を示す。この実施形態では、保護リング4およびディスク5は、いかなる熱伝導率の電気伝導性または非電気伝導性材料から作られていてもよい。ディスク5と電極ホルダー1との間の距離は、少なくとも5mmでなければならず、同様に、保護リング4と電極ホルダー1との間の距離も、少なくとも5mmでなければならない。
【0122】
図8は、垂直方向に可動である保護体を用いる実施形態を示す。非電気伝導体から作られて周囲に伸びるカバー6、および非電気伝導体から作られて周囲に伸びる保護リング4を備える。
【実施例】
【0123】
実施例および比較例
シーメンス反応器中にて、直径160から230mmの多結晶シリコン芯棒の堆積を行った。保護体の複数の実施形態を試験した。それぞれの堆積プロセスのパラメーターは、すべての試験で同一とした。試験は、保護体の実施形態のみが異なるものとした。バッチ操作の堆積温度は、1000℃から1100℃とした。堆積プロセスの過程にて、式SiHCl4−n(n=0から4)の1つ以上の塩素含有シラン化合物および水素から成るフィードを、キャリアガスとして供給した。
【0124】
比較例
シール体のための単純な保護体を有するCVD反応器を図1に示す。
【0125】
先行技術に従うこの実施形態では、シール体を保護するための半透明石英の単純なリングのみを、電極ホルダーの周囲10mmの距離に配置した。堆積中の接地不良により、100バッチのうち20バッチが不良であった。不良の原因は、Si破片であり、それは、高いフィード処理量による熱ストレスに起因して、シリコン芯棒から落下したものである。これらは、電極ホルダーと石英リングとの間に落下し、そこで、電極ホルダーとベースプレートとの間の電気伝導性接続を確立した。石英リングの保護効果が不充分であることに起因するシール体への高い熱ストレスのために、シール体の寿命は2か月に限定された。熱反応ガスに起因する熱ストレスのために、ベースプレートのシールおよび電気絶縁はいずれも、シール体の熱による割れおよびへたり(settling)に起因して維持されなかった。この後、すべてのシール体の複雑な交換が従って必要であった。バッチ不良および修理作業は、能力の大きな低下に繋がった。
【0126】
実施例1(第一の好ましい実施形態に従う)
超純粋グラファイトのカバーディスクを電極ホルダー上に配置した。シール体を保護するために、半透明石英のリングを、電極ホルダーの周囲10mmの距離に配置した。カバーディスクは、それが電極ホルダー、およびベースプレートの少なくとも一部領域を石英リングで上から遮蔽するような寸法とする。ガス空間温度が高いことにより、石英リングおよびカバーディスクは、堆積の過程で薄いシリコン層によってケイ素化される。カバープレートと石英リングとの間の周囲に伸びるギャップは、印加された電圧によってカバーディスクから石英リングへの電気スパークが起こり得ないような寸法とする。
接地不良により、100バッチのうち5バッチが不良であった。個々のシリコン破片は、周囲に伸びるギャップを通って電極ホルダーに到達し、電極ホルダーとベースプレートとの間の接地不良に繋がった。
カバーディスクによる追加の遮蔽により、シール体の寿命は4か月まで延長された。
【0127】
実施例2(第二の好ましい実施形態に従う)
電極ホルダーおよびシール体を、窒化アルミニウムから作られたキャップを適用することによって保護した。この実施形態では、キャップは、電極ホルダーの上部および円柱形部分の両方で電極ホルダーと接触しており、ベースプレートまで到達している。180W/mK(室温で)という高い熱伝導率、ならびに反応ガスおよび冷却された接触表面を介しての熱伝導による吸収された熱の消散により、表面温度は非常に低く、キャップ表面のケイ素化は発生しない。さらに、キャップ材料は、電気絶縁性である。シール体が完全に封入されていることにより、シリコン破片に起因する接地不良は起こり得ない。従って、100バッチの接地不良率は0%であった。キャップ温度が下げられることにより、シール体の寿命は9か月まで延長された。
【0128】
実施例3(第三の好ましい実施形態に従う)
電極ホルダーおよびシール体を、窒化アルミニウムから作られた保護リングを適用することによって保護した。保護リングは、冷却された電極ホルダーおよび冷却されたベースプレートと接触している。室温で180W/mKという高い熱伝導率、ならびに反応ガスおよび冷却された接触表面を介しての熱消散による吸収された熱の消散により、表面温度は非常に低く、リング表面のケイ素化は発生しない。さらに、リング材料は、電気絶縁性である。シール体が完全に封入されていることにより、シリコン破片に起因する接地不良は起こり得ない。従って、100バッチの接地不良率は0%であった。リング温度が下げられることにより、シール体の寿命は9か月まで延長された。
【0129】
実施例4(第四の好ましい実施形態に従う)
電極ホルダーおよびシール体を、保護リングとカバーキャップとの組み合わせによって保護した。保護リングは、半透明石英から成り、カバーキャップは、超純粋グラファイトから成る。保護体は、これら2つの間の電気的接触が起こり得ないように配置した。キャップエッジ部および保護リングが垂直方向に重なり合うようにし、それによって、シリコン破片はシール体に到達することができなかった。従って、接地不良率は0%であった。キャップエッジ部および保護リングの垂直方向の重なり合いにより、シール体の熱保護が特に良好に行われた。シール体の寿命は、7か月まで延長された。
【0130】
実施例5(第五の好ましい実施形態に従う)
電極ホルダーおよびシール体を、リングセグメントと保護リングとの組み合わせによって保護した。リングセグメントおよび保護リングは、室温での熱伝導率が180W/mKである窒化アルミニウムリングから作製した。冷却されたベースプレートとの接触により、吸収された熱を良好に消散させることができた。さらに、保護体材料は、電気絶縁性である。シール体が完全に封入されることにより、シリコン破片に起因する接地不良は起こり得ない。従って、接地不良率は0%であった。リングセグメントの温度が下げられることにより、シール体の寿命は、9か月まで延長された。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8