(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113911
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】持ち運び可能な揮発性物質ディスペンサ、およびその中で炎を模倣する方法
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20170403BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20170403BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20170403BHJP
B05B 17/06 20060101ALI20170403BHJP
G09F 19/02 20060101ALI20170403BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
B65D83/00 F
A61L9/14
A61L9/01 Q
B05B17/06
G09F19/02 F
G09F19/00 Z
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-508939(P2016-508939)
(86)(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公表番号】特表2016-523773(P2016-523773A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】US2014020137
(87)【国際公開番号】WO2014172023
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2015年12月10日
(31)【優先権主張番号】13/864,690
(32)【優先日】2013年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クビチェク、クリス、エー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター、スコット、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】パーク、アレクサンダー、エス.
(72)【発明者】
【氏名】パテル、サジッド
(72)【発明者】
【氏名】ビスビキス、スティーブン、ブイ.
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−224504(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3155273(JP,U)
【文献】
特表2010−512179(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3155997(JP,U)
【文献】
特開平05−146499(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3153859(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
A61L 9/01− 9/14
B05B 17/06
G09F 19/00−19/02
F21S 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運び可能な揮発性物質ディスペンサであって、
上壁および少なくとも1つの側壁を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記上壁内に形成された開口部と、
前記ハウジング内に配置された揮発性物質アクチュエータと、
前記揮発性物質アクチュエータおよび前記開口部と流体連通し、それらの間に延びたマニホールドであって、ミスト状の揮発性物質を、前記揮発性物質アクチュエータから前記マニホールドを通して前記開口部から外に移動させる、マニホールドと、
流体を保持する容器であって、前記容器が、前記ハウジング内に配置され、前記揮発性物質アクチュエータと流体連通し、
前記ハウジング内に配置され、前記ディスペンサから前記ミストを移動させるために前記開口部を通って前記ディスペンサから出る空気流を生じるように配置された空気流発生器と
を備え、
前記空気流発生器から空気が、前記マニホールドの周りに方向づけられ、前記開口部の周縁の辺りの前記開口部を出て、前記揮発性物質ミストの移動方向と前記空気流の方向とが平行である、
持ち運び可能な揮発性物質ディスペンサ。
【請求項2】
前記揮発性物質アクチュエータが、振動メッシュ圧電アクチュエータ、ベンチュリ、振動針圧電アクチュエータ、エアゾール、および定常波圧電アクチュエータからなる群から選択される、請求項1に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記マニホールドの周りの垂直な空気流路を通して空気流を方向づけるように適応された複数のバッフルを含む、請求項1に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項4】
前記マニホールドが、第1の長さおよび第1の幅を有し、空気流入口を形成する第1の端部と、第2の長さおよび第2の幅を有し、空気流出口を形成する第2の端部とを含み、前記第2の幅が前記第1の幅よりも小さく、前記第2の長さが前記第1の長さよりも大きい、請求項1に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項5】
前記マニホールドの前記空気流出口が直線状である、請求項4に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項6】
前記空気流発生器からの前記空気流が動的である、請求項1に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項7】
前記ハウジング内に配置された1つまたは複数の光源をさらに含み、前記光源が、前記ハウジングの前記上壁の前記開口部よりも下に配置され、前記開口部から光を縦方向に照射するために前記開口部の輪郭に対して長手方向に整列している、請求項1に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項8】
前記容器中の前記流体が、水と約0.50%未満の香料成分とを少なくとも含む揮発性物質である、請求項1に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項9】
前記ディスペンサの周りの周囲光を判定するための光センサをさらに含む、請求項7に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項10】
持ち運び可能な揮発性物質ディスペンサであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの壁内に形成された開口部と、
前記開口部を通してミストを分注するための、前記開口部から離間している揮発性物質アクチュエータと、
流体を保持する容器であって、前記容器が、前記ハウジング内に配置され、前記揮発性物質アクチュエータに前記流体を移送するために前記揮発性物質アクチュエータと連通し、
前記ハウジング内に配置され、前記ディスペンサからミスト状の前記揮発性物質を移動させるために前記開口部を通って前記ディスペンサから出る空気流を生じるように配置された空気流発生器と、
前記揮発性物質アクチュエータからの前記ミストを方向づけるために前記揮発性物質アクチュエータおよび前記空気流発生器と流体連通するマニホールドと、
炎を模倣するために前記ディスペンサから射出された前記ミストを照明するように、前記開口部の輪郭よりも下にそれと長手方向に整列している少なくとも1つの発光ダイオードと
を備え、
前記空気流発生器から空気が、前記マニホールドの周りに方向づけられ、前記開口部の周縁の辺りの前記開口部を出て、前記揮発性物質ミストの移動方向と前記空気流の方向とが平行である、
持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項11】
前記マニホールドが、直線状、円形、正方形および波形からなる群から選択される形状を有する、請求項10に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項12】
前記揮発性物質アクチュエータが、振動メッシュ圧電アクチュエータ、ベンチュリ、振動針圧電アクチュエータ、エアゾール、および定常波圧電アクチュエータからなる群から選択され、前記模倣された炎の効果を変更するために、前記揮発性物質アクチュエータが中断される、請求項10に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項13】
前記ディスペンサを取り囲む区域の湿度を検出するための湿度センサをさらに含む、請求項10に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項14】
前記ディスペンサとパーソナルコンピュータとの間にユニバーサルシリアルバスプラグを接続するためのユニバーサルシリアルバスポートをさらに含む、請求項10に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項15】
前記ディスペンサを取り囲む周囲光を検出するための光センサをさらに含む、請求項10に記載の持ち運び可能なディスペンサ。
【請求項16】
持ち運び可能な揮発性物質ディスペンサ中で炎または滝を模倣する方法であって、前記方法の各ステップが、
前記持ち運び可能なディスペンサ内の揮発性物質アクチュエータからミストを分注し、前記ミストが、前記持ち運び可能なディスペンサの開口部を通して分注することと、
前記ディスペンサから外に前記ミストを移動させるために前記開口部を通して空気流を提供することと、
炎または滝の幻影を生じるために前記ミストの一部分を照明することと、
第1の幅および第1の長さを有するマニホールドの第1の端部を通して、第2の幅および第2の長さを有する前記マニホールドの第2の端部から外に前記ミストを方向づけ、前記第2の長さが前記第1の長さよりも小さく、前記第2の幅が前記第1の幅よりも大きいことと、
前記マニホールドを取り囲んでいる複数の空気流路を通して前記空気流を方向づけ、前記空気流路と前記ミストとが平行であり、前記空気流がその中に前記ミストを流入させること、
を含む方法。
【請求項17】
前記ミストの前記一部分を照明するための複数の光源を提供し、
前記開口部よりも下に、前記開口部から長手方向に光を射出するために前記開口部の輪郭と長手方向に整列させて前記光源を配置する
ステップをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ミストを分注する前記ステップが、前記揮発性物質アクチュエータから前記ミストを実質的に連続して分注することを含み、前記方法が、前記揮発性物質アクチュエータを中断するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、揮発性物質ディスペンサに関し、より詳細には、揮発性物質のミストをそこから放出する揮発性物質ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な揮発性物質ディスペンサが先行技術において知られており、一般には、リフィルがその中に挿入されたハウジングを含む。リフィルは、一般に、揮発性物質をその中に保持するための容器を含む。いくつかのディスペンサでは、揮発性物質は、そこから受動的に放出される。他のディスペンサでは、揮発性物質の放出を容易にするために拡散要素を利用する。拡散要素の例として、ヒーター、圧電素子、ベンチュリ、ファン、エアゾールアクチュエータなどが挙げられる。揮発性物質が放出される様式にかかわらず、揮発性物質がリフィルから使い果たされると、リフィルがユーザによって取り外され、新しいリフィルと交換される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの消費者は、揮発性物質ディスペンサを購入し、使用するときに多感覚体験を希望する。たとえば、消費者は、揮発性物質ディスペンサからの嗅覚体験と組み合わせて、光を見たい、および/または音楽を聴きたいと望む。したがって、ディスペンサは、ユーザ感覚体験を向上させるために、嗅覚、光、および/または音を組み合わせるように設計されてきた。たとえば、そのようなディスペンサは、揮発性物質のリフィルを受け入れることが可能なハウジングを含み、揮発性物質が圧電アクチュエータを通してリフィルから放出される。ディスペンサは、ろうそくの光を模倣するために点滅する発光ダイオード(LED)をさらに含む。LEDと組み合わせた揮発性物質の香りは、消費者に実際に香りがするろうそくを体験させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの例示的実施形態によれば、持ち運び可能な揮発性物質ディスペンサは、上壁および少なくとも1つの側壁を有するハウジングと、ハウジングの上壁内に形成された開口部とを含む。揮発性物質アクチュエータはハウジング内に配置され、マニホールドは、揮発性物質アクチュエータおよび開口部と流体連通し、それらの間に延びており、ミスト状の揮発性物質を、揮発性物質アクチュエータからマニホールドを通して開口部から外に移動させる。流体を保持する容器は、ハウジング内に配置され、揮発性物質アクチュエータと流体連通している。空気流発生器は、ハウジング内に配置され、ディスペンサからミストを移動させるために開口部を通ってディスペンサから出る空気流を生じるように配置される。
【0005】
別の例示的実施形態によれば、持ち運び可能な揮発性物質ディスペンサは、ハウジングと、ハウジングの壁内に形成された開口部と、開口部を通ってミストを分注するための、開口部から離間している揮発性物質アクチュエータとを備える。流体を保持する容器は、ハウジング内に配置され、揮発性物質アクチュエータに流体を移送するために揮発性物質アクチュエータと流体連通している。空気流発生器は、ハウジング内に、ディスペンサからミスト状の揮発性物質を移動させるために開口部を通ってディスペンサから出る空気流を生じるように配置される。複数の発光ダイオードは、炎を模倣するためにディスペンサから放射されたミストを照明するように、開口部の輪郭に長手方向の下に整列している。
【0006】
さらなる例示的実施形態によれば、持ち運び可能な揮発性物質ディスペンサ中で炎を模倣する方法は、持ち運び可能なディスペンサ内の揮発性物質アクチュエータからミストを分注するステップであって、ミストが、持ち運び可能なディスペンサの開口部を通して分注される、分注するステップを含む。本方法は、ディスペンサから外にミストを移動させるために開口部を通して空気流を提供するステップと、炎の幻影を生じるためにミストの一部分を照明するステップとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】揮発性物質ディスペンサの上部、前方および第1側の斜視図である。
【
図2】
図1の揮発性物質ディスペンサの上面図であり、ディスペンサの上壁にある開口部が示されている。
【
図3】ディスペンサの内部コンポーネントを示すために、側壁および上壁をディスペンサから除去した状態の
図1と同様の図である。
【
図4】揮発性物質がそこを通して放出され、空気流がその周囲で放出されるマニホールドを示すために、さらなる構成要素が
図1のディスペンサから除去されている状態の
図3と同様の図である。
【
図5】
図1の線5−5に全体的に沿った回転断面図であり、リフィルから延びた芯を示す、芯は、芯からマニホールドへと揮発性物質を分注する圧電アクチュエータと流体連通し、マニホールドの周りを流れる空気は、ディスペンサから離れるように揮発性物質を動かし、光源と組み合わせて使用するときに動いている炎を模倣する。
【
図6】
図5のリフィル、圧電アクチュエータおよびマニホールドを示し、マニホールドの周りに空気流を提供する空気流発生器をさらに示す、
図1の線6−6にほぼ沿った回転断面図である。
【
図7】
図5の圧電アクチュエータと連通するリフィルの芯と、マニホールドと流体連通する圧電アクチュエータとを示す、
図6の標示7−7により示される拡大断面図である。
【
図8】
図6の標示8−8により示される拡大回転断面図であり、空気流発生器を示す。
【
図9】様々な空気流路を通して空気を方向づけるための、マニホールドの周りに形成されたバッフルを図示するために、マニホールドおよびハウジングがそこから除去された状態の線6−6にほぼ沿った回転断面図であり、反対側のディスペンサも類似するバッフルを含んでいる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
同様の構造が同様のまたは類似の参照数字を有する以下の詳細な説明を考察すると、本発明の他の態様および利点が明らかになるであろう。
【0009】
本発明は、揮発性物質ディスペンサ、および揮発性物質をそこから放出する方法を対象とする。本発明は、多くの異なる形態で実施され得るが本発明は単に発明の原理の例示として見なすべきであり、例示された実施形態に本発明を限定することを意図するものではないという理解の下で、本明細書にいくつかの特定の実施形態を記載する。
【0010】
図面を参照すると、
図1は、揮発性物質ディスペンサ50を示している。ディスペンサ50は、リフィル52を収容し、リフィル52から揮発性物質を分注するように構成してもよい。リフィル52は、一般に、揮発性物質をその中に保持するための容器54を含み、容器54は、ディスペンサ50内に保持するように構成される。容器54は、揮発性物質を保持するための本体58と、本体58から外向きに延び、容器54の開口部を提供するするネック60とを含む。ネック60内には、芯64を保持するための保持機構62が配置され、芯64の第1の端部は揮発性物質と接触しており、芯64の第2の端部はネック60を通って容器54から外に延びている。本体58は、概して平坦な基部部分65と、基部部分65から上向きに延びた4つの側壁66と、側壁66をネック60に接合する上壁68とを含む。
【0011】
リフィル52について詳細に図示し、説明しているが、本明細書に記載するデバイスの変形形態とともに任意のタイプのリフィルを使用し得ることが意図される。たとえば、可撓性容器を備えるリフィルを利用してもよい。またさらに、送達システム(すなわち、芯)が異なってもよく、および/または容器のサイズおよび/または形状が異なってもよい。
【0012】
容器54中に配置される揮発性物質は、1つまたは複数の活性成分を含んでもよい。例示的な活性成分として、限定はしないが、クリーナー、殺虫剤、防虫剤、昆虫誘引剤、消毒剤、カビや白カビ抑制剤、香料、消毒剤、空気清浄剤、アロマテラピー用芳香剤、防腐剤、臭気除去剤、能動的に香りを発する揮発性物質、エアフレッシュナー、脱臭剤など、およびそれらの組合せが含まれる。さらに、揮発性物質には、たとえば、香料および/または防腐剤のような添加剤が含まれ得る。
【0013】
容器54内の揮発性物質中の活性成分は、好ましくは、約1.0重量%未満であり、残りの揮発性物質は、水と、活性成分を水に懸濁させたまま保つ他の構成成分とから構成される。揮発性物質の活性成分は、より好ましくは、約0.50%未満である。例示的実施形態では、活性成分は、1つまたは複数の香料成分を含む。
【0014】
図1を参照すると、ディスペンサ50は、概して楕円形の(すなわち、縁部が直線状であり、端部が円形の)連続した側壁82と、それを通る開口部86を有する上壁84とを含むハウジング80含み、開口部86は、概して楕円形である。ハウジング80の側壁82および開口部86は、概して楕円形であるが、側壁82および/または開口部86は、任意の他の適切な形状を有してもよく、同一の形状を有する必要はない。たとえば、側壁82と開口部86の一方または両方が、正方形、長方形、楕円形、円形、卵形、五角形、六角形、または任意の他の適切な幾何学的形状であってもよい。
【0015】
ディスペンサ50は、また、
図6を見ると最もよく分かるように、リフィル52を挿入するためにそれを貫通する開口部92が配置された部分的な底壁90を含む。任意選択で、開き扉、カバーまたは他の選択的に開閉可能なカバーを底壁90に接続してもよい。任意選択で、ハウジング80およびリフィル52は、表面にリフィル52を配置する、および/または側壁82を通してリフィル52を挿入するように構成してもよい。
図1および
図3〜
図5を見ると分かるように、表面(図示せず)上にディスペンサ50を支持するために、および/または表面からディスペンサ50の底壁90を離間するために、底壁90から複数の足94が延在してもよい。任意の数の足94が可能である。
図4および
図6を参照すると、たとえば、以下に詳述するように、ディスペンサ50を通る空気流を補助するために、1つまたは複数の空気流開口部100を底壁90内に配置することができる。
【0016】
図5および
図6を見ると最もよく分かるように、ディスペンサ50の下方セクションにキャビティ110が形成され、キャビティ110は、リフィル52を保持するために、底壁90において開口部92と連通している。
図5および
図6を見ると分かるように、キャビティ110は、ディスペンサ50の長さLおよび幅Wに沿って全体的に延びる第1のセクション113を含むリフィルハウジング112によって形成される。第1のセクション113は、リフィルハウジング112を形成する垂直側壁114および上壁116によって形成される。キャビティ110は、第1のセクション113の中心から上向きに延び、かつ、上壁116から上向きに延びた円筒壁122と円筒壁122から内向きに延びた環状壁124とにより形成された第2のセクション118をさらに含む。リフィル52のネック60および芯64が、キャビティ110の第2のセクション118内に配置され、リフィル52の容器54が、キャビティ110の第1のセクション113内に配置されるように、開口部92を通してリフィル52をキャビティ110に挿入する。リフィル52をキャビティ110に挿入した後、開き扉または他のカバーが存在する場合には、キャビティ110内のリフィル52を保持するために開き扉または他のカバーを閉じる。
【0017】
図3、
図4および
図6を参照すると、キャビティ110を形成する垂直側壁114とハウジング80との間に区画130が形成される。回路板132は、たとえば、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、または任意の他のコントローラで、区画130内に格納される。回路板132はバッテリー134に電気的に接続され、その位置については、以下により詳細に論じる。回路板132からスイッチ136が延び、スイッチ136のアクティブ化により、ディスペンサ50をオンおよびオフする。詳細には、ハウジング80内の孔140を通ってボタン138が延在し、それにより、ディスペンサ50のユーザがボタン138にアクセス可能になる。ボタン138の後側からアクチュエータアーム142が延び、アクチュエータアーム142はスイッチ136の上方に配置される。ユーザがボタン138の前側を押すと、アクチュエータアーム142がスイッチ136を押下して、デバイスがオンまたはオフされる。任意選択で、スイッチ136は、ディスペンサ50の任意の機能、たとえば、ファンの速度、揮発性物質放出レート、光強度を、または別の他の適切な機能を変更するために動作してもよい。またさらに、ディスペンサ50は、ディスペンサ50の任意の数の異なる機能を動作させる任意の数のスイッチを含んでもよい。例示的実施形態において、ディスペンサ50は、特定の期間後、たとえば、3時間後に、ディスペンサ50を非アクティブ化する自動シャットダウン機能を含む。
【0018】
図3〜
図5を見ると分かるように、リフィルハウジング112の上壁116から上向きに複数の壁160が延びており、壁160は概して正方形のキャビティ162を形成する。マニホールド166の基部164は、基部164を安定させ、位置合わせするために、正方形のキャビティ162内に配置される。また、基部164は、複数の留め具を使用して上壁116に固定してもよい。
図5を見ると分かるように、マニホールド166は、基部164に隣接したマニホールド166の第1の端部170から内側に湾曲する対向するマニホールド壁168aおよび168bを含み、マニホールド166は、マニホールド166の中央部分172まで幅W1および長さL1を有し、マニホールドは、幅W2および長さL1を有する。マニホールド166の中央部分172において、マニホールド166の長さは、長L1よりもはるかに長いL2まで増大する。長さL2は、マニホールド166の中央部分172と第2の端部174との間でほぼ一定である。
図1〜
図4を見ると最もよく分かるように、マニホールド166は、形状が全体的に直線的な排出チャネル176において終端する。直線的な排出チャネル176が図示されているが、排出チャネル176は、直線的でなくてもよく、たとえば、排出チャネル176は、湾曲していても、波形でも、円形でも、正方形でもよく、あるいは、任意の他の形状、パターンまたは形態を有してもよい。
図6を参照すると、マニホールド166は、マニホールド166内に誘導チャネル180を形成する複数のリブ178をさらに含む。詳細には、誘導チャネル180は、リブ178の間に形成されて、以下により詳細に論じるように、マニホールド166を通してミストを誘導し、マニホールド166の長さL2全体にミストを均等に分散させる。
【0019】
例示的実施形態では、マニホールド166の形状を変えることができる。たとえば、マニホールド166は、可撓性材料で構成してもよく、ユーザが異なる形状へと成形してもよく、あるいは、たとえば、ユーザの選択に基づいておよび/または事前プログラムされたパターンに基づいて、機械的システムによりマニホールド166の形状を変えてもよい。
【0020】
図7を見ると最もよく分かるように、キャビティ110とマニホールド166との間に配置された環状壁124に隣接して、圧電アセンブリ200が配置される。圧電アセンブリ200は、圧電アクチュエータ202と、アクチュエータブラケット204と、ワイヤフォーム206と、ばね208とを含む。より詳細には、アクチュエータ202は、ブラケット204の環状の下側リップ210に対して保持され、ばね208は、アクチュエータ202の外側縁部に対して配置され、ワイヤフォーム206は、ばね208を圧縮してアクチュエータ202を所定の位置に保持するためにブラケット209の頂部を通して配置される。ワイヤフォーム206の端部は、圧電アセンブリ200を所定の位置に保持するために、環状壁124から延びたポスト212の周りに配置される。
【0021】
圧電アクチュエータ202は、中央孔205と、アクチュエータ202の下面で孔205を横切って延びたオリフィス板207とを含む。例示的実施形態では、オリフィス板207は、直径約5ミクロン〜約7ミクロンの複数のオリフィスを含む。圧電アクチュエータ202は、圧電特性を有する任意の材料で作製することができ、圧電特性は、印加された電界の方向に直交する方向に材料の寸法を変動させる。適切な材料の図示の例として、限定はしないが、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)またはメタニオブ酸鉛(PN)が挙げられる。
【0022】
特定の圧電アクチュエータ202について記載したが、任意のアクチュエータ202、たとえば、圧電振動メッシュアクチュエータ、圧電定常波アクチュエータ、圧電振動針、または任意の他の適切な圧電アクチュエータを利用してもよい。さらに、圧電アクチュエータが図示されているが、ミスト状の揮発性物質を放出することが可能な任意のタイプのアクチュエータ、たとえば、ヒーター、ベンチュリまたは任意の他の適切なアクチュエータを利用してもよい。
【0023】
図6を参照すると、リフィル52がキャビティ110に挿入されているとき、芯64はオリフィス板207に接触している。圧電アクチュエータ202に電界を印加すると、圧電アクチュエータ202は径方向に拡張および収縮し、それによりオリフィス板207を軸方向に振動させ、オリフィス板207の孔内に保持された揮発性物質を、圧電アクチュエータ202から離してマニホールド166中へと送り込む。ディスペンサ50は、圧電アクチュエータ202を連続的に作動させるように構成され得る。このようにして、ディスペンサ50から揮発性物質の連続ミストが放出される。代替的には、圧電アクチュエータ202を短期間にわたって非アクティブ化してもよく、ならびに/あるいは様々なミストパターン(および/または、以下で詳細に論じるように、様々な照明パターン)を作り出すために、圧電アクチュエータ202からの流量を変えてもよい。
【0024】
図4、
図6および
図8を参照すると、空気流発生器220、たとえば、ブロワー、ファン、および/または空気流を生成するための任意の他の適切な(1つまたは複数の)デバイスが区画130の上方に配置される。空気流発生器220から、約0.2立方フィート毎分(CFM)〜約1.0CFMのレートで空気が送り込まれる。例示的実施形態では、空気流発生器から約0.4CFMのレートで空気が送り込まれる。空気流発生器220からの空気流は、マニホールドの長さL2の関数となり得る。より詳細には、長さL2が増大するにつれて、空気流量が増大することになる。空気流量係数は、長さ(インチ)当たりの空気流量(CFM)として規定される。例示的実施形態では、空気流量係数は、約0.04CFM/インチ〜約0.16CFM/インチである。さらなる例示的実施形態では、空気流量係数は、約0.06CFM/インチ〜約0.10CFM/インチである。さらに別の例示的実施形態では、空気流量係数は、約0.08CFM/インチである。空気流は、空気流量が変わらないという点で静的でもよく、あるいは、空気流は動的でもよい。図示の例では、たとえば、1秒間、2秒間、5秒間の間隔、または効果を生じる任意の他の時間間隔にわたって空気流を変化させてもよい。さらに別の例示的実施形態において、異なる効果を生じさせるために、空気流発生器220から空気流量を連続的に変化させてもよい。任意の数の動的空気流パターンを作り出すことができる。またさらに、静的パターンならびに/あるいは1つまたは複数の動的パターンを含むいくつかの異なる空気流パターンからをユーザが選択することを可能にしてもよい。
【0025】
さらなる実施形態では、空気流量が0CFMとなるように、空気流発生器220をオフにしてもよい。そのような実施形態では、圧電アクチュエータ202から放出されたミストは、マニホールド166から押し出され、空気流内には巻き込まれない。
【0026】
空気流発生器220は、上側ブラケット224と下側ブラケット226とを有するファンブラケット222によって、所定の位置に保持される。
図4に示すように、下側ブラケット226は、任意の適切な手段、たとえば、留め具によって、リフィルハウジング112の上壁116に固定される。下側ブラケット226はさらに、それを貫通する開口部228を含む。上側ブラケット224は、任意の適切な手段によって下側ブラケット226に接続され、キャビティ230を含み、その中に空気流発生器220のモータ232がプレスフィットされる。モータ232は、そこから下向きに延びたシャフト233を含み、シャフト233の端部にインペラ234をプレスフィットして、モータ232のアクティブ化によってインペラ234を回転させる。インペラ234は、ハウジング80の底壁90の開口部100を通して空気を引き込むように開口部228に整列しており、空気流発生器220は、
図4および
図5を見ると分かるように、空気流経路240(そのうちのいくつかのみが標示されている)に沿って、ハウジング80を通して空気を上方向に押し上げる正圧を生じる。空気流経路240およびディスペンサ50を通る空気流について、以下により詳細に論じる。
【0027】
図3、
図5および
図6を見ると最もよく分かるように、留め具または他の適切な手段によって、支持構造260がキャビティ110を形成する上壁116に、ハウジング80の内側表面262に、および/またはファンブラケット222の上側ブラケット224に接続される。支持構造260は、概して楕円形でもよく、互いに離間し、それらの間に区画268が形成される内側壁264と外側壁266とを含む。
図3に示すように、バッテリー134は、区画268中に配置してもよく、回路板132に電気的に接続してディスペンサ50に電力供給してもよい。任意選択で、ディスペンサ50は、たとえば回路板132に隣接して、従来の電気のコンセントにプラグ接続するための、ハウジング80から延びたコードを含むことができる。さらに任意選択で、ディスペンサ50は、(
図1を見ると分かるように)USBプラグ273を接続するためのユニバーサルシリアルバス(USB)ポート271を含んでもよく、USBポート271は、ディスペンサ50に電力供給することができ、および/または揮発性物質排出プログラム、照明プログラムおよび/または空気流プログラムのような情報をディスペンサ50に転送してもよい。たとえば、USB電源ケーブルは、ディスペンサ50のUSBプラグ273と、たとえば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などのようなパーソナルコンピュータとの間に接続されてもよい。USB電源ケーブルは、パーソナルコンピュータのユーザが、ディスペンサ50、たとえば、空気流発生器220の空気流量、圧電アクチュエータ202の出力レート、および/またはLED300の強度を制御することができるように、ディスペンサ50とパーソナルコンピュータとの間のシリアル通信を可能にしてもよい。またさらに、USB電源ケーブルにより、パーソナルコンピュータのユーザが、上記で論じたように、プログラムを選択すること、および/または自身のプログラムを作成することが可能になり得る。ディスペンサ50は、開示する電源のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0028】
支持構造260の内側壁264は、
図9に示すように、ハウジング80の上壁84まで延び、空気流発生器220からマニホールド166の周りに空気流を誘導するように機能する。詳細には、内側壁264は、その周面283から内向きに延在する第1のセットのバッフル280を含む。バッフル280は、交互配列の空気遮断部材284と概して長方形または正方形であるギャップ286とを有するものとして示されているが、バッフル280は、任意の他の適切な形態をとってもよい。
【0029】
垂直板290の形態の第2のセットのバッフルは、バッフル280の第1のセットの上方で、支持構造260の内側壁264の周面283から内向きに延在する。バッフル280の空気遮断部材284および垂直板290は、それにより生じる空気流経路240を通して空気を送り出すために、支持構造260からマニホールド166まで延在してもよい。詳細には、空気は、第1のセットのバッフル280によって形成されるギャップ286を通り、隣接する垂直板290の間を移動するように送り出される。このようにして、マニホールド166の周りの空気流経路240の各々を通して空気流を均等に分散させ、それによって、空気流は、マニホールド166全体の周りで均等に開口部86を出る。
【0030】
空気流発生器220からの空気流はマニホールド166の周りの空気流経路を取るものとして本明細書には開示されているが、代替的に、またはそれに加えて、空気流経路は、マニホールド166を通って移動し、マニホールド166から揮発性物質を搬送することができる。例示的実施形態では、空気流は、マニホールドの周りと、マニホールドの中を通って移動する。
【0031】
ハウジング80の上壁84は、支持構造260またはハウジング80の側壁82に選択的に取り付けてもよい。詳細には、交換が容易になるようにユーザがバッテリー134にアクセス可能であることが好ましい。したがって、上壁84は、スナップ係合、摩擦係合、あるいは上壁84を簡単に取り外すことができる任意の他の適切な方法によって、支持構造260および/またはハウジング80の側壁82に取り付けてもよい。
【0032】
ハウジング80内に1つまたは複数の光源300を配置することができる。光源300は、任意の適切な光源、たとえば、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)、ハロゲンランプおよび/または白熱電球を備えることがで、光源300は、任意の色の光を放射してもよい。たとえば、例示的実施形態では、LED300のうちの1つまたは複数は、炎の幻影を生じるように黄色または琥珀色としてもよい。別の例示的実施形態では、LED300のうちの1つまたは複数は、滝の幻影を生じるように青色としてもよい。任意選択で、任意の数の異なるLED300を用いて、任意の他の自然現象を模倣してもよい。任意選択で、LED300のうちの1つまたは複数は、青色、白色、赤色、緑色、または任意の他の適切な色であり得る。さらに、LED300は同じ色である必要はなく、および/またはLED300のうちの1つまたは複数はマルチカラーLEDとすることができ、その色を変化させてもよい。13個のLED300が図示されているが、任意の適切な数のLED300を利用してもよい。
【0033】
例示的実施形態では、
図9を見ると最もよく分かるように、13個のLED300が、第1のセットバッフル280によって形成されたギャップ286内に配置される。詳細には、
図9に示すように、単一のLED300は、空気遮断部材284に取り付けられ、ギャップ286を横切って延びるボード302上に示されている。LED300は、ボード302に接続されており、ボード302を回路板132に接続するための適切な配線を含む。図示の実施形態では、ボード302は、ギャップ286を通る空気の動きを阻害することがあり、その場合、バッフル280にアパーチャ304を形成して、空気がそれを通って移動することを可能にしてもよい。各LED300は、別個のボード上に配置してもよく、あるいは、複数のLED300を保持するために、単一のボード302がディスペンサ50の一方の側のバッフル280に沿って延びてもよい。任意選択で、LED300は、開口部84から、ディスペンサ50から放出された揮発性物質のミスト上に光を投射することを可能にする任意の位置に配置すればよい。
【0034】
例示的実施形態では、LED300は、ハウジング80の上壁84よりも下に配置することができ、開口部86の輪郭内で長手方向に整列させてもよい。より詳細には、LED300は、長手方向軸306に沿って開口部86の区域内で離間させてもよい。このようにすると、(
図2を見ると分かるように)ディスペンサ50中を直接見下ろしたとき、開口部86の輪郭内にLED300が見える。代替的には、LED300は、開口部86のすぐ下に、開口部86の輪郭内、および/または開口部86に隣接して配置することができる。
【0035】
LED300は、LED300の数に応じて、約50ルーメン未満の総光度出力を有してもよい。例示的実施形態では、LED300の総光度出力は、約16ルーメンである。別の例示的実施形態では、LED300の総光度出力は、約1ルーメンである。LED300によって放射された光は、LED300の光度が一定なままであるという点で静的であり得、あるいは、LED300によって放射された光は動的であってもよい。例示的実施形態では、LED300を連続的に明滅させる、LED300の光度を周期的に変化させる、および/または任意の他の動的照明パターンを実装してもよい。またさらに、複数の照明パターンがユーザにより利用可能であり、選択可能であり得る。さらに任意選択で、ディスペンサ50は、ユーザがLED300をオンおよびオフすることを可能にするためのスイッチまたは他のメカニズムを含み、および/または、たとえば特定に日時に、LED300を自動的にオンおよびオフするプログラムを含んでもよい。さらに、ディスペンサは、ディスペンサを取り囲んでいる周囲光を測定し、それに応じてLEDの輝度を調整するための光センサを収容してもよい。
【0036】
ディスペンサ50の使用中、任意の数の構成要素(すなわち、空気流発生器220、圧電アクチュエータ202およびLED300)をアクティブ化してもよい。圧電アクチュエータ202がアクティブ化された場合、揮発性物質が、ミストとしてマニホールド166中に連続的に分注され、マニホールド166の排出チャネル176を通して放出される。圧電アクチュエータ202による放出後、揮発性物質の液滴サイズは、特定の揮発性物質の処方により駆動されるが、約10ミクロン以下になることがある。空気流発生器220がアクティブ化された場合、流路240に沿って開口部84を通して空気が送り出され、揮発性物質ミストは、空気流に流入することになり、ディスペンサ50から離れるように搬送される。
図1を見ると分かるように、揮発性物質ミストの移動方向340および空気流の方向342は平行、および/または一致している。
図1には揮発性物質ミストおよび空気流のための数個の流路が図示されているが、揮発性物質ミストは、排出チャネル176の全長を通って放出され、空気は開口部84全体の周りで放出され、それにより、排出チャネル176および揮発性物質ミストが空気流に取り囲まれることを理解されたい。LED300がアクティブ化された場合、琥珀色(または他の色)のLED300が、動いているミスト中に投射され、それにより、リアルに見える疑似炎が作り出される。
【0037】
ディスペンサ50から放出されるミストの高さは、空気流発生器220からの空気流および周囲区域における湿度の状態に依存する。たとえば、周囲区域における湿度が高い場合には、ミストはより長く残って上昇する傾向があり、周囲区域における湿度が低い場合には、ミストはより素早く散逸してほとんど上昇しない。ディスペンサ50は、周囲区域における湿度を検出することができる湿度センサを備えることができる。湿度センサの読取値に基づいて、ディスペンサ50は、空気流発生器220の空気流量および/または圧電アクチュエータ202の出力レートを自動的に調整して、ユーザエクスペリエンスを最適化することができる。
【0038】
例示的実施形態では、ディスペンサ50は、熱または実際の火なしに、心地よい香りおよび疑似炎を提供することが可能である。このようにして、ディスペンサ50は、(単に明滅している光ではなく)リアルな炎であるように見えるものを作り出すために、周囲温度において機能する。
【0039】
各図には示されていないが、ディスペンサ50は、ハウジング80の側壁82の一部として、または、別個の部片として形成され、上壁84に隣接してハウジング80に取り付けられたシュラウドを含んでもよい。使用される場合、シュラウドは、開口部86を全体的に取り囲んで、ミストおよび疑似炎を閉じ込めることができる。このようにすると、疑似炎はより現実的に見える。シュラウドは、任意の高さ、サイズおよび/または材料のものとすることができるが、疑似炎がユーザに見えるように透明または半透明であることが好ましい。
【0040】
本明細書で開示するディスペンサは、揮発性物質をハウジングから周囲の環境に分注することを可能にするために、ハウジング中の1つまたは複数の開口部をさらに含むことができる。ハウジングは、たとえば、スナップ、リッジ、アンダーカット、リップ、ノッチおよび/または他の取付け方法のような、本明細書では開示した様々なリフィルを固定するのを補助するための様々な内部器具を含むことができる。ディスペンサは、1つまたは複数のリフィルを任意選択で含むことができ、当技術分野で知られているような様々なタイミングシーケンスを使用して動作することができる。
【0041】
他の実施形態に関して開示した構造または方法のうちのいずれかを含むように、本明細書に記載した実施形態のうちのいずれかを修正することができる。
【0042】
さらに、本願明細書全体にわたって、前、後、上、下、垂直、水平などのような方向を示す用語が使用され得るが、そのような用語は、限定的なものではなく、本明細書では、互いに対して異なる素子の配向を表すためにのみ利用されることを理解されたい。
【0043】
発明の詳細な説明において引用されるすべての文献は、関連部分において、参照により本明細書に組み込まれ、任意の文献の引用は、それが本発明に関して先行技術であるということを認めるものと解釈すべきではない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、揮発性物質ディスペンサ、およびミスト状の揮発性物質を分注する方法を提供する。空気流発生器および/または光源と組み合わせると、真に迫った疑似炎または滝を作り出して、リラックス環境を提供することができる。
【0045】
上記の説明に鑑みると、当業者には、本発明に対する数多くの修正が明らかであろう。したがって、本明細書は、単に例示的なものと解釈すべきであり、当業者が本発明を製造および使用することを可能にすることを目的として、また、本発明を実施する最良の形態を教示するために提示される。添付の特許請求の範囲内で入るすべての修正形態に対する独占的権利が留保される。