【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに、本実施形態の、波長変換カバー2を用いたLED照明装置10について、
図1〜
図3を参照しながら詳しく説明する。
【0015】
図1はLED照明装置10を説明するための模式斜視図であり、
図2は
図1のLED照明装置10のA−A'断面における模式断面図である。なお、
図2(a)と
図2(b)とは、発光ダイオード1に対する波長変換カバー2の配置位置が互いに異なっている。
【0016】
図中、1は発光ダイオード(LED)、2は波長変換カバー、3は回路基板、3aは回路基板3の表面に形成された電気回路、4はハウジング部材、5は回路基板3に電力を供給するためのプラグ、6は波長変換カバー2を支持するスライド溝である。また、
図2及び
図3に示すように、波長変換カバー2は各LED1に対向する複数の波長変換領域C1を有し、各波長変換領域C1はサブ領域A1及びサブ領域B1を有する。
図1ではLED照明装置10の内部構造を説明するために、波長変換カバー2の一部分を透かして表現している。
【0017】
LED照明装置10においては、回路基板3の表面に形成された電気回路3aに、複数のLED1,1,・・・が直線上に実装されて光源ユニットを構成している。なお、LED1の数や配置はこのような形態に限られず、用途や目的に応じて自由に調整される。そして、プラグ5を図略のコンセントに挿入して回路基板3に電力を供給することにより、各LED1が点灯する。なお、電源としては電池を用いてもよい。また、回路基板3上には、必要に応じて、LED1の点灯を制御するための制御回路や、光センサ等を設けてもよい。そして、光源ユニットはハウジング部材4に収容されている。ハウジング部材4は、LED1の発光側に、開口を有するか、光透過面を有する。
【0018】
波長変換カバー2は、LED1と所定の距離を隔ててハウジング部材4に設けられたスライド溝6により支持されている。そして、波長変換カバー2は複数のLED1を覆っている。なお、
図1に示した波長変換カバー2とLED1とは所定の距離を隔てているが、必ずしも、所定の距離を隔てている必要はなく、波長変換カバー2の波長変換領域C1とLED1とは密着させていてもよい。このような波長変換カバー2とLED1との距離は波長変換カバー2の支持手段により適宜調整可能である。
【0019】
LED照明装置10においては、回路基板3にプラグ5から電力を供給することによりLED1が発光する。LED1の発光色は、LED1の発光源であるLEDチップの発光波長による。そして、LED1からの発光は波長変換カバー2に入射する。そして、波長変換カバー2に入射した光の一部又は全部は、波長変換カバー2の入射領域に含有される蛍光体により、その領域における蛍光体組成に応じて定まる波長に波長変換され、LED1の発光波長とは異なる波長の光を発する。そして波長変換されなかったLED1の発光と混合される。
【0020】
波長変換カバー2においては、
図2(a)に示すように複数のLED1にそれぞれ対向する複数の波長変換領域C1において、互いに異なる量または組成の蛍光体を含有する2つのサブ領域A1及びサブ領域B1が交互に所定の間隔を維持して並んでいる。なお、LED1が発する光は高い指向性を有するために、その発光は、波長変換カバー2の対向する領域に入射する。それにより、LED1からの発光が、例えば、サブ領域A1に入射した場合には、そのサブ領域A1に含有される蛍光体の組成や量に応じた発光色(例えば白色)を示し、
図2(b)に示すように、サブ領域B1に入射した場合には、サブ領域B1に含有される蛍光体の組成や量に応じた発光色(例えば電球色)を示す。従って、各LED1を波長変換カバー2のサブ領域A1に入射させた場合には、例えば白色の照明光が得られ、波長変換カバー2をスライド溝6でスライドさせてLED1を波長変換カバー2のサブ領域B1に入射させた場合には、例えば電球色の照明光が得られる。このようなLED照明装置10においては、LED1自身を置き換えることなく、照明光の色を容易に変更することができる。
【0021】
また別の形態として、
図3に示すように、それぞれ独立した複数の波長変換カバー2をそれぞれ空間を隔ててまたは摺動可能に配置し、それぞれの波長変換カバーを独立して移動させることにより、さらに多様な発光色に変更することも可能である。すなわち、
図3(a)においては、サブ領域A1とサブ領域B1のそれぞれに含有される蛍光体から発せられる色が混色された発光色が得られ、
図3(b)においては、2枚のサブ領域A1が重なったときに発せられる発光色が得られる。このように、複数の波長変換カバーを独立して移動させることにより、変化させうる色が増える。
図3においては、二種類のサブ領域を持つ二枚の波長変換カバーを用いているが、三種類以上のサブ領域を持つ3枚以上の波長変換カバーを組み合わせてもかまわない。
【0022】
LED1としては、従来から知られた紫外光、近紫外光、青色から赤色の領域の波長を示す可視光、近赤外光、赤外光等の波長領域の光を発するLED装置が特に限定なく用いられる。LED装置はLEDチップを回路上に実装して封止して得られたLEDパッケージの形態であっても、LEDチップの形態であってもよいが、耐環境性の観点からLEDパッケージの形態であることが好ましい。これらの中でも紫外光、近紫外光、青色から緑色の領域の波長、具体的には360〜600nmの範囲にピークを有するような青色LEDや緑色LEDが幅広い色表現が可能になる点から好ましい。また、青色LEDチップからの発光を黄色系蛍光体で波長変換した白色LEDを用いてもよい。青色LEDとしては、GaN系,SiC系;ZnS系,ZnSe系等が挙げられる。また、緑色LEDとしては、GaP系;N系;GaP系等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
また、回路基板3としては、窒化アルミニウム基板のようなアルミニウム系基板等の無機基板;エポキシ樹脂基板,ポリアミド樹脂基板,芳香族系樹脂基板等の樹脂基板等が特に限定なく用いられる。
【0024】
回路基板3に実装されるLED1の数及び出力は、求める照度等に応じて自由に選択することができる。
【0025】
LED照明装置10においては、波長変換カバー2はハウジング部材4に設けられたスライド溝6により移動自在に支持されている。そして波長変換カバー2をスライドさせることによりLED1に対向するサブ領域を変更することができる。具体的には、
図2(a)に示すように、LED1がサブ領域A1に対向するように配置されている波長変換カバー2をスライド溝6に沿ってスライドさせることにより、
図2(b)に示すように、各LED1をサブ領域B1に対向させることができる。このように波長変換カバー2のLED1に対する対向領域を変更することにより、発光色(例えば、白色と電球色)を変化させることができる。このような波長変換カバー2を用いることにより、LED照明装置10のLED1自身を置き換えることなく、発光色を変化させることができる。従って、LED照明装置10を設置した場合において、照明の雰囲気を変えたくなった場合には、波長変換カバー2をスライドさせるだけで発光色を変化することができる。
【0026】
なお、LED照明装置10においては、波長変換カバー2はハウジング部材4に設けられたスライド溝6により移動自在に支持されているが、移動自在な支持方法はこのような形態に限定されない。具体的には、例えば、
図4に示すように、ハウジング部材104内に配設された軸110,111に環状の波長変換カバー102を支持し、軸110,111を回動軸として波長変換カバー102を移動させるような形態等を用いてもよい。
【0027】
次に、波長変換カバーの変形例について詳しく説明する。
【0028】
図5は、波長変換カバー12を備えたLED照明装置20の模式断面図である。なお、LED照明装置20は波長変換カバー2を波長変換カバー12に代えたこと以外はLED照明装置10と同様の構成である。
【0029】
上述のように、波長変換カバー2は、互いに異なる蛍光体組成のサブ領域A1及びサブ領域B1を有する複数の波長変換領域C1が形成されていることにより、LED1を対向させるサブ領域A1またはサブ領域B1に応じた波長変換が行われる。一方、波長変換カバー12は、
図5に示すように、傾斜を有する鋸刃状の断面形状の複数の波長変換領域C2が各LED1に対向するように、一定の間隔を持って連続して連なって形成されている。そして、波長変換領域C2は、垂直断面の厚みが徐々に変化するように形成されている。また、波長変換カバー12には、均一組成の蛍光体が分散されている。
【0030】
波長変換カバー12においては、波長変換領域C2の垂直断面の厚みが徐々に変化するように形成されているので、波長変換領域C2の垂直断面における蛍光体量が水平方向に沿って変化する。このようにして各波長変換領域C2において、垂直断面における蛍光体量が互いに異なる部分が連続的に形成される。それにより、例えば、
図5に示すような、薄い厚みのサブ領域A2に、LED1からの発光が入射した場合には、その発光を励起する蛍光体の量が少なくなる。一方、
図6に示すような厚みの厚いサブ領域B2に入射した場合には、その発光を励起する蛍光体の量が多くなる。従って、例えば、LED1を厚みの薄いサブ領域A2に対向させた場合にはLED1からの発光色に対して色変化の小さい発光色が得られる。一方、波長変換カバー12をスライド溝6でスライド移動させることにより、LED1を厚みの厚いサブ領域B2に対向させた場合は、LED1からの発光色に対して色変化の大きい発光色が得られる。このようにLED照明装置20においても、LED1自身を置き換えることなく、照明光の色を容易に変化させることができる。また、各波長変換領域が連続的な傾斜を有するために、サブ領域A2とサブ領域B2の中間部分に移動させた場合には、サブ領域A2による発光色とサブ領域B2による発光色との中間色も得られる。
【0031】
ところで、従来から広く用いられている白色LEDは、青色LEDチップが発する青色光とその発光の一部により黄色系蛍光体を励起させて得られる黄色光との混合により得られる一般に擬似白色と呼ばれている白色光を発する。
図7に示すXYZ表色系のxy色度図を参照して説明すれば、青色光の色度座標(P1)と黄色光の色度座標(P2)の混色では、それらを結ぶ線上の範囲内において色度を変化させることができるが、その直線上のP3からP4の範囲が青色と黄色の混色により得られる擬似白色の領域の範囲である。本実施形態の波長変換カバー12においては、所定量の黄色系蛍光体を均一に分散させた波長変換カバー12を用い、各LED1に対向する部分を波長変換カバー12の移動により変化させることにより、厚みの薄い部分(サブ領域A2)に対向させた場合には、黄色系蛍光体の量が少なくなるために青みがかった白色光が得られ、厚みの厚い部分(サブ領域B2)に対向させた場合には、黄色系蛍光体の量が多くなるために、黄みがかった白色光を得ることができる。このようにして、
図7中のP3とP4の間で照明光の色度を変化させることができる。
【0032】
なお、例えば、店舗や家庭で用いられるような一般照明においては、
図7中のRで示したような黒体放射軌跡と呼ばれる線上またはその近傍に沿った色調が照明の色規格に合ったものとして求められている。しかしながら、上述したような擬似白色においては、黒体放射軌跡近傍の発色領域はP3とP4の間の狭い範囲のみであり、黄みを強めすぎたり青みを強めすぎたりした場合、黒体放射軌跡から離れて黄色または青色に近づく。このような、黒体放射軌跡近傍から離れすぎた色は、一般照明の用途には通常使われない。従って、青色光が通り抜ける黄色系蛍光体の量を変更する方法のみでは、照明の色規格の範囲に充分に対応できないことがある。
【0033】
このような場合には、波長変換カバー12中に蛍光体として黄色系蛍光体に加えてさらに、赤色系、橙色系の蛍光体等を配合することにより黒体放射軌跡近傍のより広い領域に沿った色合いを出すことができる。
【0034】
具体的には、例えば、青色LEDからの青色発光と、青色発光が黄色系蛍光体を励起して発せられる黄色発光と、青色発光が赤色系蛍光体を励起して発せられる赤色発光とを混色した場合、
図7に示すように、青色光の色度座標(P1)と黄色光の色度座標(P2)と赤色光の色度座標(P5)の各色度座標間を直線で結んだ領域内に包含される色を作成することができる。従って、例えば、LED1として青色LEDを用い、黄色系蛍光体と赤色系蛍光体とを所定の配合比率で均一に分散させた波長変換カバー12を用いることにより広範囲の色変更が可能になる。具体的には、LED1を厚みの薄い部分(サブ領域A2)に対向させた場合には、蛍光体の量が少なくなるために青みの強い光が得られ、厚みの厚い部分(サブ領域B2)に対向させた場合には、黄色系蛍光体と赤色系蛍光体との比率に応じた黄〜橙〜赤色の強い色が得られる。このように、黄色系蛍光体に加えて赤色系蛍光体等の蛍光体を用いた場合には、
図7中のP1、P2、及びP5で囲まれた2次元的な領域を有する色表現が可能になる。このような領域は、昼光色、昼白色、白色、温白色、または電球色を含む黒体放射軌跡を包含する。従って、複数種の蛍光体の含有量や厚みが調整された波長変換カバー12を用いることにより、1枚のシートを動かすことにより、黒体放射軌跡に沿うような形の照明色も得ることができる。
【0035】
図8は、波長変換カバー22を備えたLED照明装置30の模式断面図である。なお、LED照明装置30は波長変換カバー2を波長変換カバー22に代えたこと以外はLED照明装置10と同様の構成である。
【0036】
上述したように、青色LEDに黄色系蛍光体と赤色系蛍光体とを含む波長変換カバー12を用いて色を変化させる場合、黒体放射軌跡に沿ったP6〜P7の範囲を表現するためには黄色系蛍光体の黄色系発光色と赤色系蛍光体の赤色系発光色の2種の発光色が必要になる。一方、P7〜P5の範囲を表現するためには、赤色系発光色がP7の地点より高い割合で必要になる一方、黄色系発光色はP7の地点より低い割合でよい。従って、
図7のP3→P4→P6→P7→P5のように黒体放射軌跡に沿うように色を変化させたい場合、P3→P4→P6→P7までは黄と赤の蛍光体をともに増加させていく必要がある一方、P7→P5の変化においては赤色系蛍光体の増加が黄色系蛍光体の増加より高い割合で必要になる。高い演色性を求める場合には、黄色系蛍光体に代えて緑色系蛍光体を使用したり、黄色系に緑色系を加えたり、赤色系蛍光体に代えて橙色系蛍光体を使用したり、赤色系に橙色系を加えたりすることで、幅広いスペクトルを有する演色性に優れた照明光にすることが出来る。
【0037】
一方、P6色を有する白色LEDの場合においては、
図8に示すように、P6→P7の範囲で色変化させるための黄色系変換層12yと赤色系変換層12rの厚みがともに徐々に増加するサブ領域A3と、P7→P8の範囲で黄色系変換層12yが減って赤色系変換層12rが増えるサブ領域B3と、P8→P5の範囲で赤色変換層12rのみが存在するサブ領域C3と、を有するような波長変換カバー22を用いることが好ましい。このような波長変換カバー22によれば、
図8に示すようにLED1をサブ領域A3に対向させた場合においてはP3→P4→P6→P7の範囲で色変化させることができ、
図9に示すようにサブ領域C3にLED1を対向させた場合にはP8→P5の範囲で色変化させることができる。また、サブ領域B3にLED1を対向させた場合にはP7→P8の範囲で色変化させることができる。
【0038】
図8に示す波長変換カバー22は、赤色系蛍光体を含有する赤色系変換層12rと黄色系蛍光体を含有する黄色系変換層12yとが積層された構成を有する。そして、サブ領域A3においては赤色系変換層12r及び黄色系変換層12yの厚みが徐々に増加している。一方、サブ領域B3では赤色系変換層12rが増える一方で黄色系変換層12yの厚みが減少し、サブ領域C3は赤色系変換層12rのみの厚みが徐々に増加する厚い層から形成されている。このように、異なる組成の蛍光体からなる層を積層して得られる積層構造を有する波長変換カバーによれば、積層構造の厚さ方向に含有される蛍光体の組成等をそれぞれの層により独立して制御することができる。そして、各層の厚みを調整することにより、黒体放射軌跡に沿った若しくは黒体放射軌跡の近傍の広い領域の範囲で照明光の色を変化させることができる。
【0039】
白色LEDには、先に述べた青色LEDチップを用いた擬似白色の他に紫外〜近紫外LEDチップを用いたものがある。紫外〜近紫外LEDチップを用いたものは、主として紫外〜近紫外光を発するLEDチップとその光により励起する3種類以上の複数の蛍光体の発光色の混合により白色等の光を得る。これに使用される蛍光体としては一般的には赤色(R)・緑色(G)・青色(B)のRGBの蛍光体が良く使用されるが、照明用としては演色性を高めるため青緑色や黄緑色・黄色・橙色等の黄色系蛍光体を追加することがある。
【0040】
このような紫外光チップを用いた白色LEDの場合においては、波長変換カバーに使用する蛍光体として、紫外LEDチップから発せられていながら蛍光体の変換に利用しきれなかった漏れ紫外光や紫外光により励起する青色蛍光体の発光によって青色光を得、この青色光により二次的に励起する青色励起の蛍光体を使用することで白色LEDの光の色を変えることが出来る。
【0041】
具体的には405nmの主波長の光を発する近紫外LEDチップをベースとした白色LEDに対し、漏れ紫外光を使用して発光するSrGa
2S
4、CaGa
2S
4、YAG:Cs、BAM:Eu、BAM:Mnやアルファサイアロン系の蛍光体を使用したり、この白色LED中に含まれる青色光を利用して発光する青色励起の蛍光体が利用できる。
【0042】
次に、上述した波長変換カバーの製造方法の例及びその他の代表的な構成例について説明する。
【0043】
波長変換カバーは、蛍光体組成、蛍光体量、厚みの少なくとも何れか1つが互いに異なる複数の波長変換領域を有し、LED1からの発光が入射する波長変換領域に応じて、出射される光の波長が異なるように構成されていれば特にその具体的な形態は限定されない。また、波長変換カバー2や波長変換カバー12のように単層のシートであっても、また、波長変換カバー22のように互いに蛍光体の配合組成の異なる層が積層された積層体であっても、さらに、蛍光体を含有する層と蛍光体を含有しない層とが積層されてなる積層体であってもよい。さらに、波長変換カバーに配合される蛍光体は、シートの全面において均一に蛍光体が分散されていても、また、蛍光体を部分的に偏在させたり、部分的に偏在させ、且つ偏在部分の密度を変化させたり、あるいは平面方向に濃度勾配を持たせたり、蛍光体が存在しない領域があってもよい。
【0044】
波長変換カバーにおいて蛍光体を分散させるための透光性樹脂材料の具体例としては、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系エラストマー等のシリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。これらの中では、シリコーン系エラストマーが、耐光性及び光透過性に優れているために長時間使用による変色等の劣化が少なく、また、蛍光体を均一に分散させやすい点から好ましい。また、蛍光体の均一な分散性を維持しながらシート加工が容易である点から、いわゆる、ミラブル型シリコーンが特に好ましい。
【0045】
ミラブル型シリコーンの具体例としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク社製の商品名TSE−2257U,TSE‐2287U等や、信越化学工業(株)製の商品名KE‐9610-U,KE-9710-U等、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製の商品名SE-8711-CVU等が挙げられる。
【0046】
次に、波長変換カバーが含有する蛍光体について説明する。
【0047】
波長変換カバーが含有する蛍光体は特に限定されない。その具体例としては、例えば、Y
3-XGd
XAl
5O
12:Ce(0≦x≦3)で表されるアルミン酸イットリウム系蛍光物質(YAG),Ca−α−SiAlON:Eu等の黄色系蛍光体;CaS:Eu,CaAlSiN
3:Eu等の赤色系蛍光体;一般式AEu
(1-x)Ln
xB
2O
8(AはLi,K,Na,及びAgよりなる群から選ばれる1種、LnはY,La,及びGdよりなる群から選ばれる1種、BはW又はMoである。)で表される赤色系蛍光体、一般式がa(Sr
1-xEu
x(1-y)Yb
xy)O・SiO
2(ただし、2.9≦a≦3.1、0.005≦x≦0.10、0.001≦y≦0.1)で表されるアルカリ土類金属ケイ酸塩系蛍光体等の橙色系蛍光体、β−SiAlON:Euで表される緑色系蛍光体等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
配合組成は、用いられるLED1からの発光の色度や波長と、目的とする発光色(例えば、昼光色、昼白色、白色、温白色、または電球色等)に応じて適宜調整される。
【0049】
蛍光体を分散させるための樹脂材料中に含有される蛍光体の含有割合は、特に限定されないが、5〜60質量%、さらには20〜50質量%の範囲であることが好ましい。
【0050】
また、LED1から発せられる光を散乱させたり、さらに着色したりする目的で蛍光体とともに無機粒子を配合してもよい。このような無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、タルク、ガラスパウダーや、コバルトブルー、群青、酸化鉄等の顔料が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0051】
波長変換カバー2のような単層の蛍光体含有シートは、互いに異なる組成の蛍光体を含有する複数の蛍光体含有部材を準備し、それらを互いに交互に並べてその端部で圧着したり、接着したりする方法により得られる。また、波長変換カバー12のような厚みの異なる複数の波長変換領域を有する単層の蛍光体含有シートを製造する場合には、蛍光体と樹脂成分とをロール、バンバリーミキサー、押出機等を用いて混練した後、Tダイで押し出したり、プレス加工やカレンダー加工によりシートを得、得られたシートをその断面形状が鋸刃状になるように成形することにより、面内の厚みを変化させる方法が挙げられる。また、波長変換カバー22のような厚みの異なる層からなる積層体を製造する場合には、波長変換カバー12のような断面形状が鋸刃状で単層の蛍光体含有シートを第1層とし、その表面に蛍光体を含有する液状樹脂を塗布する方法、または、所定厚みに調整された蛍光体含有部材を貼り合わせ、または圧着させることにより得ることができる。
【0052】
波長変換カバーの厚みとしては、10〜3000μm、さらには100〜500μm程度であることが好ましい。波長変換カバーの厚みが上記範囲である場合には、高い厚み精度で成形することができる。
【0053】
また、波長変換カバーは、配置を変更するときのハンドリング性を向上させる観点から、支持基材に支持された波長変換カバーが好ましい。一例として、
図10にサブ領域A1,B1からなる波長変換領域を含む波長変換層32を支持基材24に積層して支持してなる波長変換カバー25の斜視模式図を示す。
【0054】
支持基材24は、波長変換層32に剛性を付与することにより色変換時の移動性を向上させるために、波長変換層32を積層、一部の接着もしくは把持等をすることにより、波長変換カバーを支持するシート状若しく板状物または枠状物である。支持基材24としては、LED1から発せられる光や蛍光体を含有するシートにより変換されて発せられる光を透過させる材料からなる基材が好ましく用いられる。このような支持基材24を構成する材料としては、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の光透過性樹脂材料や、ガラスやシリコーン基板等の光透過性無機材料が用いられる。また、波長変換領域に存在しないで波長変換層の端部を把持する枠体のようなものを用いる場合には、その部分のみ穴の開いた金属、金網、不織布等の非透光性の材料であってもよい。
【0055】
波長変換カバー25は波長変換層32を支持基材24の表面に積層してなる。積層は、例えば、蛍光体を含有するシートをTダイから押し出して、溶融又は軟化状態で支持基材24に貼り合わせたり、支持基材24上に波長変換層32を形成するための液状樹脂を塗布した後、硬化または固化させたり、予め成形した波長変換層32と支持基材24とを光透過性に優れた接着剤で接着する方法により得られる。支持基材はLED1と対向する側でもその反対側に配置してもよい。また、支持基材24は波長変換層32の両面に用いてもよく、少なくとも一方の支持基材は、波長変換層32と剥離可能に積層しているとそのその後の作業において多様な設置が可能となる。
【0056】
支持基材24の厚みとしては、設置場所により適宜選択して用いることができる。光透過性樹脂材料や、シリコーン基板等の光透過性無機材料の場合、10〜3000μm、さらには30〜300μm程度であることが好ましい。支持基材24が厚すぎる場合には、光透過性が低下して照度が低下する傾向があり、薄すぎる場合には、波長変換カバーの剛性が不充分になり、移動させる際のハンドリング性が低下する傾向がある。
【0057】
なお、LED1が紫外光を発する場合には、波長変換層32または支持基材24の外表面側に紫外線吸収層23を設けることにより外部への紫外光の漏洩を抑制することができる。
図11は、波長変換層32をLED1に対向させる場合の支持基材24の外表面側に、紫外線吸収層23を積層した波長変換カバー26の斜視模式図を示す。支持基材をLED1と対向する側と反対側に設ける場合は、支持基材中に紫外線吸収剤を含有せしめてもよい。支持基材をLED1に対向させ波長変換層を外表面側にする場合は、波長変換層32の外表面側に、紫外線吸収層を設けるとよい。紫外光を発するLED1を用いた場合、紫外線を全て蛍光体に吸収させることは困難である。従って、支持基材24の外表面側に、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層23を設けることが好ましい。
【0058】
紫外線吸収剤としては、2−(2−ハイドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を用いることができる。このように紫外線吸収層23を設けることにより、LED照明装置から紫外線が漏洩することを抑制することができる。紫外線吸収層23は、上述した樹脂成分に蛍光体の代わりに紫外線吸収剤を配合する以外は同様の方法により形成することができる。
【0059】
さらに、波長変換カバーの別の例として、
図12に示す波長変換カバー27について説明する。また、波長変換カバー27を備えたLED照明装置40において、照明光の色を変更する方法について、
図13を参照して説明する。
【0060】
波長変換カバー27は、支持基材24の表面に2種の蛍光体含有部材43a,43bが点在するように貼り合わされている。点在するそれぞれの蛍光体含有部材43a,43bは、互いに異なる組成や量の蛍光体を含有するか、互いに異なる厚みを有し、それぞれ異なる種類の波長変換特性を有する。そして、
図13に示すようにLED1が、蛍光体含有部材43a(
図13(a))または、蛍光体含有部材43b(
図13(b))に対向するように、波長変換カバー27を適宜移動させることにより、色変更ができる。なお、波長変換カバー27によれば、支持基材24の表面に複数の蛍光体含有部材43を点在させているために、高価な蛍光体の使用量を大幅に削減することができる。
【0061】
さらに、枠体状の支持基材34に蛍光体含有部材44a,44bを支持した波長変換カバー29について、
図14を参照して説明する。
【0062】
波長変換カバー29は、枠体である支持基材34の開放窓28に2種の蛍光体含有部材44a,44bを配置した構成を有する。それぞれの蛍光体含有部材44a,44bは、互いに異なる組成や量の蛍光体を含有するか、互いに異なる厚みを有し、それぞれ異なる種類の波長変換特性を有する。このような形態によれば、蛍光体含有部材44a,44bは、上述した波長変換カバー25、26、27のように支持基材24に積層された構造にならない。そのために、支持基材24による光吸収が生じないために、より高い照度を確保することができる。開放窓28を有する支持基材34に蛍光体含有部材44a,44bを固定する方法は特に限定されず、例えば、支持基材34に蛍光体含有部材44a,44bを接着等により固定する方法や、開放窓28に蛍光体含有部材44a,44bを嵌合させる方法等が用いられうる。なお、枠体である支持基材34のLED1と対向する表面には、拡散光を照明装置内に反射させるために反射膜を形成してもよい。
【0063】
また、LEDが発する光は高い指向性を有するために、その発光は対向する波長変換領域のみに入射する。しかしながら、LEDと波長変換カバーとの距離や、複数のLED間の距離や、内部構造等の影響により、一部の光が拡散光となって照明光として有効に利用されないことがある。照明効率をより向上させるためには、このような光を利用することが重要になる。
図15にこのような拡散光を波長変換カバー2に導き、有効に利用する方法として、光拡散防止筒45を設けた形態について説明する。
図15は、
図1で示したLED照明装置10の回路基板3の表面に光拡散防止筒45を設けた以外は同様の構成であるLED照明装置50のB−B'断面における断面図である。LED照明装置50においては、回路基板3の表面と波長変換カバー2との間において、LED1を収容するような光拡散防止筒45が設けられている。この場合、
図15において、LED照明装置50中の矢印Qで示しているように、LED1からの発光を光拡散防止筒45の壁面に反射させることにより効率的に波長変換カバー2に導くことができる。このような光拡散防止筒45には、その内面に反射率の高い薄膜が形成されている樹脂筒等により形成される。このような光拡散防止筒45は回路基板3上に支持されていても、波長変換カバー2の表面に支持されていてもよい。
【0064】
また、上述した光拡散防止筒の代わりに、LED1からの発光を波長変換カバー2に導く導光部を設けてもよい。導光部の具体例としては、LED1の表面に密着または近接し、且つ、波長変換カバー2の波長変換領域にも密着または近接するような透光性のゴムまたはゲルかからなる透光性ゴム部品、または、透光性ゲル部品が挙げられる。透光性ゴム部品または、透光性ゲル部品の例としては、シリコーン成形シート等が挙げられる。このような導光部を設けることにより、LED1からの発光を波長変換カバー2の波長変換領域に効果的に導くことができる。
【0065】
さらに、波長変換カバーの波長変換領域にはレンズ構造を設けてもよい。このようなレンズ構造を設けることにより、外部に放射される照明光を拡散させることができる。LEDからの発光は指向性が高いために、必然的にLED照明装置が発する光も指向性が高くなる。このような場合において、レンズ構造を設けることにより、指向性が緩和されて拡散性が高くなるために、広い範囲に光を照射することができる。具体的には、例えば、
図16の模式断面図に示すように、波長変換カバー27における支持基材24の表面にレンズ54を形成する。このようなレンズ構造を設けた場合には、
図16の矢印Nに示すように、LED1からの指向性の高い発光を、拡散性の高い照明光にすることができる。また、このようなレンズ構造は、蛍光体含有部材の表面に直接設けてもよい。
また、LED照明装置にレンズ構造を設けることにより、光出射領域の面積を小さくすることができる。それにより、蛍光体含有部材44の面積も小さくすることができる。
【0066】
また、波長変換カバーの別の例としては、
図17に示す波長変換カバー77が配設されたLED照明装置70を説明する。
図17(A)はLED照明装置70の斜視図であり、
図17(B)は
図17(A)のC−C'断面における模式断面図である。図中、1はLED、71は蛍光体含有部材、72は蛍光体含有部材71を支持する支持基材であるハウジング部材、73は回路基板、74はベース部材、5は回路基板73に電力を供給するためのプラグ、76は支持基材77を支持する回転軸、78はLED1からの発光を集光するレンズ、79は反射膜である。そして、各LED1に対向するように複数の蛍光体含有部材71がハウジング部材72に支持されることにより、波長変換カバー77が形成されている。また、各蛍光体含有部材71は、互いに蛍光体の含有量や蛍光体組成の異なるサブ領域を有する。なお、
図17(A)ではLED照明装置70の内部構造を説明するために波長変換カバー77の一部分を透かして表現している。
【0067】
LED照明装置70においては、回路基板73の表面に形成された図略の電気回路に、複数のLED1,1,・・・が同心円状に実装されて光源ユニットを構成している。そして、プラグ5を図略のコンセントに挿入して回路基板73に電力を供給することにより、各LED1が点灯する。波長変換カバー77は、回転軸76を中心として回動可能に支持されている。そして、各蛍光体含有部材71はそれぞれLED1と対向配置されている。
【0068】
LED照明装置70においては、回路基板73にプラグ5から電力を供給することによりLED1が発光する。各LED1からの発光はレンズ78により集光されて、それぞれ対向する蛍光体含有部材71に入射する。そして、蛍光体含有部材71に入射した光の一部又は全部は、蛍光体含有部材71の入射領域に含有される蛍光体により、その領域における蛍光体組成に応じて定まる波長に波長変換され、LED1の発光波長とは異なる波長の光を発する。そして波長変換されなかったLED1の発光と混合される。なお、支持基材72の内部の表面及び回路基板73の表面には、光取り出し効率を高めるための金属薄膜等から形成された反射膜79が形成されている。波長変換カバー77においては、回転軸76を中心として回動させることにより、蛍光体含有部材71の所望の位置にLED1を対向配置させることができる。従って、蛍光体含有部材71の面内において、LED1からの発光が透過する位置を変化させることにより、発光色を変更することができる。
【0069】
また、波長変換カバーの別の例としては、
図18に示す波長変換カバー87が配設されたLED照明装置80を説明する。
図18(A)はLED照明装置80を構成する波長変換カバー87を光源ユニットに取り付ける途中の斜視図である。
図18(B)はLED照明装置80の斜視図である。図中、1は発光ダイオード(LED)、81は蛍光体含有部材、82はベース部材、83は筒体状の回路基板、84は電気回路、85は蛍光体含有部材81を支持する支持基材であるハウジング部材、5は回路基板83に電力を供給するためのプラグである。波長変換カバー87は各LED1に対向する複数の蛍光体含有部材81(波長変換領域)及びハウジング部材85からなる。また、各蛍光体含有部材81は、窓が開けられたハウジング部材85に嵌合しており、蛍光体の含有量や蛍光体組成の異なるサブ領域を有する。なお、
図18(B)ではLED照明装置70の内部構造を説明するために波長変換カバー87の一部分を透かして表現している。
【0070】
LED照明装置80においては、回路基板83の表面に形成された電気回路84に、複数のLED1,1,・・・が螺旋状に実装されて光源ユニットを構成している。そして、プラグ5を図略のコンセントに挿入して回路基板83に電力を供給することにより、各LED1が点灯する。波長変換カバー87は、支持部材82に設けられた摺動溝86により回動可能に支持されている。そして、各蛍光体含有部材81はそれぞれLED1と対向配置されている。
【0071】
LED照明装置80においては、回路基板83にプラグ5から電力を供給することによりLED1が発光する。そして、蛍光体含有部材81に入射した光の一部又は全部は、蛍光体含有部材81の入射領域に含有される蛍光体により、その領域における蛍光体組成に応じて定まる波長に波長変換され、LED1の発光波長とは異なる波長の光を発する。そして波長変換されなかったLED1の発光と混合される。波長変換カバー87においては、摺動溝86により回動させることにより、蛍光体含有部材81の所望の位置にLED1を対向配置させることができる。従って、蛍光体含有部材81の面内において、LED1からの発光が透過する位置を変化させることにより、発光色を変更することができる。なお、ハウジング部材85の内部の表面及び回路基板83の表面には、光取り出し効率を高めるための酸化チタンを含む塗料の白色薄膜からなる反射膜が形成されている。
【0072】
また、波長変換カバーの別の例としては、
図19に示す波長変換カバー97が配設されたLED照明装置90を説明する。
図19(A)はLED照明装置90の斜視図である。
図19(B)はLED照明装置90のD−D'断面における模式断面図である。図中、1は発光ダイオード(LED)、91は蛍光体含有部材、92はベース部材、93は筒体状の回路基板、94は電気回路、95は蛍光体含有部材91を支持する支持基材であるハウジング部材、5は回路基板93に電力を供給するためのプラグ、96は摺動溝、98は光拡散防止筒である。そして、蛍光体含有部材91とハウジング部材95とから波長変換カバー97が形成されている。また、各蛍光体含有部材91は、蛍光体の含有量や蛍光体組成の異なるサブ領域を有する。なお、
図19(A)ではLED照明装置90の内部構造を説明するために波長変換カバー構成体97の一部分を透かして表現している。
【0073】
LED照明装置90においては、回路基板93の表面に形成された電気回路94に、複数のLED1,1,・・・が実装されて光源ユニットを構成している。そして、プラグ5を図略のコンセントに挿入して回路基板93に電力を供給することにより、各LED1が点灯する。波長変換カバー97は、ベース部材92に設けられた摺動溝96により回動可能に支持されている。各LED1,1,・・・はそれぞれ光拡散防止筒98により覆われている。光拡散防止筒98の開口端は波長変換カバー97の表面と摺動可能に接しているか、わずかな隙間を保持している。そして、各蛍光体含有部材91はそれぞれLED1と対向している。このような光拡散防止筒98を設けることにより、光出射領域の面積を小さくすることができる。それにより、蛍光体含有部材91の面積も小さくすることができる。
【0074】
LED照明装置90においては、回路基板93にプラグ5から電力を供給することによりLED1が発光する。そして、蛍光体含有部材91に入射した光の一部又は全部は、蛍光体含有部材91の入射領域に含有される蛍光体により、その領域における蛍光体組成に応じて定まる波長に波長変換され、LED1の発光波長とは異なる波長の光を発する。そして波長変換されなかったLED1の発光と混合される。波長変換カバー97においては、摺動溝96により回動させることにより、蛍光体含有部材91の所望の位置にLED1を対向配置させることができる。従って、蛍光体含有部材91の面内において、LED1からの発光が透過する位置を変化させることにより、発光色を変更することができる。
【0075】
以上説明したLED照明装置は、室内照明のような照明装置のほか、各種ディスプレイ用の光源としても好ましく用いられうる。