(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
矩形の底面板と、前記底面板の正面側の縁から立ち上げられた透明な正面板と、前記底面板の背面側の縁から立ち上げられた背面板と、前記底面板の左右両側の縁からそれぞれ立ち上げられた透明な左側面板及び透明な右側面板と、を有し、且つ上面部を開放して容器を構成し、
前記容器の前記上面部と前記背面板と前記底面板とを板状のカバーで連続して覆い、前記カバーの正面側と左右両側とを開放し、
前記容器は、
前記正面板の右側端部及び左側端部から前記右側面板側及び前記左側面板側に向かってそれぞれ張り出して設けた正面側嵌合部と、
前記右側面板及び前記左側面板の各正面板側端部にそれぞれ設けた、前記正面側嵌合部と凹凸嵌合自在な正面側被嵌合部と、
前記背面板の右側端部及び左側端部から前記右側面板側及び前記左側面板側に向かってそれぞれ張り出して設けた背面側嵌合部と、
前記右側面板及び前記左側面板の各背面板側端部にそれぞれ設けた、前記背面側嵌合部と凹凸嵌合自在な背面側被嵌合部と、をさらに備え、
前記正面側嵌合部と前記正面側被嵌合部とを凹凸嵌合し、且つ前記背面側嵌合部と前記背面側被嵌合部とを凹凸嵌合することで、前記正面板と前記右側面板と前記左側面板と前記背面板とを前記底面板に対してそれぞれ立ち上げて前記容器の形状を固定したことを特徴とする包装容器。
一枚のシートを、前記底面板に対して前記正面板と前記背面板と前記左側面板と前記右側面板とをそれぞれ折り曲げ自在な折り曲げ線で区切り、この折り曲げ線で前記シートを折り曲げることによって前記容器を組み立てたことを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態に係る包装容器について
図1〜
図8を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る包装容器1の斜視図であって、蓋を開いた状態を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る包装容器1の正面図(a)及び背面図(b)である。
図3は、本実施形態に係る包装容器1の左側面図(a)及び平面図(b)である。
図1〜
図3に示すように、本実施形態に係る包装容器1は、商品を陳列状態で収納するための容器2と、その容器2のカバー3とを有している。このカバー3の表側の面(外側の面)には、例えば需要者の購買欲を掻き立てるための表示が施されている。包装容器1全体の形状は、蓋を閉じた状態では概ね直方体形状をしている。
【0012】
以下、本実施形態に係る包装容器1に含まれる容器2とカバー3とについて、
図4〜
図7を参照しつつ順次説明する。
(容器2)
図4は、本実施形態に係る容器2(a)及びカバー3(b)の斜視図である。
図5は、本実施形態に係る容器2の正面図(a)及び左側面図(b)である。
図6は、本実施形態に係る容器2を展開した平面図(展開図)である。なお、
図4では、
図1に示した包装容器1を容器2とカバー3とにそれぞれ分離した状態を示している。
【0013】
以下、容器2の構造の詳細については、
図6を参照して容器2の組み立て工程を述べつつ説明する。
容器2は、樹脂製の透明な一枚のシート4を組み立てることで形成可能な容器であって、底面板5と左側面板6Lと右側面板6Rと正面板7と背面板8の各面板から構成されている。また、容器2の上面部13は開放されている。
【0014】
シート4において、前述の各面板は、それぞれ折り曲げ自在な折り曲げ線41によって区切られている。また、各面板には後述する凹凸が形成されているが、この凹凸は各面板を曲げて形成しているため、凸の裏側は板の厚み分だけ寸法が小さくなった凹となっている。前記折り曲げ線41は、
図6において破線で示されている。以下、前述の各面板の構造について詳細に説明する。なお、
図6に示されたA線はシート4の左右方向の中心線を示しており、B線はシート4の前後方向の中心線を示している。また、シート4は、
図6に示すように、A線を中心にして左右対称な構造をしている。そこで、左右対称となっている箇所については、その記載を省略するものとする。
【0015】
(底面板5)
底面板5は、矩形の板であって、
図6ではシート4の中央に配置されている。そして、この底面板5は、A線を中心にして左右対称な構造となっている。
底面板5には、上方に向けて(つまり、紙面奥側から紙面手前側に向けて)突出した支持傾斜部52が形成されている。この傾斜部52は、前側の面に包装容器1内に商品を収納した場合に商品を背面から支持するための傾斜面51を備えている。この傾斜面51は、正面板5側から背面板8側に向かって正の勾配で(正の傾斜角で)傾斜した面である。
【0016】
支持傾斜部52は底面板5の背面板8側に形成されており、支持傾斜部52の長軸は後述する左側面板6L側から後述する右側面板6R側に向かって延びている。より詳しくは、支持傾斜部52は、その長軸が正面板7及び背面板8に対して平行に延びるようにして形成されている。
支持傾斜部52の中央には、背面板8側から正面板7側に向かう方向(A線上)に沿って傾斜仕切り部53が形成されている。この仕切り部53は、包装容器1内に商品を収納した場合に商品を左右方向において仕切るための凸部である。
【0017】
底面板5の中央(B線上)には、上方に向けて突出した中央底面凸部54が形成されている。この凸部54の長軸は、その左側面板6L側から右側面板6R側に向かって延びている。換言すると、凸部54は、その長軸が支持傾斜部52、正面板7及び背面板8に対して平行に延びるようにして形成されている。この中央底面凸部54は、包装容器1内に商品を収納した場合に商品の下縁前側を支持する(すべり止め)ための凸部である。
【0018】
中央底面凸部54と正面板7との間の底面板5には、上方に向けて突出した正面側底面凸部55が形成されている。この凸部55は、左側面板6L側から右側面板6R側に向かって延びる2つの凸部55a、55bと、この2つの凸部55a、55bの間を繋ぐ凸部55cとで形成されている。この凸部55も、中央底面凸部54と同様に、包装容器1内に商品を収納した場合に商品の下縁前側を支持する(すべり止め)ための凸部である。
【0019】
正面側底面凸部55の凸部55aと正面板7との間の底面板5には、上方に向けて突出した仕切り凸部56が形成されている。この凸部56は、左側面板6L側から右側面板6R側に向かって延びる凸部56aと、その凸部56aの中央から正面板7側に向かって延びる凸部56bとから形成されている。この凸部56は、包装容器1内に商品を収納した場合に商品を仕切るための凸部である。
【0020】
底面板5の左右両側の端部には上方に向けて突出した端部凸部57L、57Rが、A線を中心にして左右対称に形成されている。端部凸部57L、57Rは平面視で矩形をしている。
図6には、左右両側の端部に3つの端部凸部57La〜57Lc、57Ra〜57Rcがそれぞれ示されている。端部凸部57L、57Rの長軸は正面板7側から背面板8側に向かって延びており、その短軸は左側面板6L側から右側面板6R側に向かって延びている。また、端部凸部57L、57Rの横幅(短軸方向の長さ)は、それぞれ略同じ長さである。
【0021】
なお、前述のように、支持傾斜部52、中央底面凸部54、正面側底面凸部55、仕切り凸部56、端部凸部57は、一枚のシートを上方に向けて突出して形成されている。よって、各凸部は、
図6の状態ではシート4の裏面側から見た場合には凹形状をしている。
【0022】
(左側面板6L及び右側面板6R)
左側面板6L及び右側面板6Rは、それぞれ矩形の板であって、
図6では底面板5の左右両側にそれぞれ配置されている。左側面板6L及び右側面板6Rの前後方向の長さはそれぞれ底面板5の前後方向の長さと略同じ長さとなっている。この左側面板6L及び右側面板6Rは、
図6に示すように、A線を中心にして左右対称な構造となっている。そこで、左側面板6Lの構造についてのみ説明し、右側面板6Rの構造についての説明は省略する。なお、左側面板6L及び右側面板6Rにおいて、同一の部分については同一の番号を付している。
【0023】
左側面板6Lには、
図6の状態では上方に向けて突出した側面凸部(包装容器1の内側に向かって突出する凸部)61Lが形成されている。この側面凸部61Lは、背面板8側の端部に設けられ平面視で略直角三角形をした背面側側面凸部61Laと、正面板7側の端部に設けられ平面視で略直角三角形をした正面側側面凸部61Lbとを備えている。ここで、背面側側面凸部61Laは、「背面側被嵌合部」に対応するものである。また、正面側側面凸部61Lbは、「正面側被嵌合部」に対応するものである。
【0024】
背面側側面凸部61Laと正面側側面凸部61Lbとの間は、平面視で平行四辺形をした中央側面凸部61Lcが形成されている。
図6には、2つの中央側面凸部61Lcが示されている。
なお、側面凸部61Lの厚み(高さ)は、端部凸部57Lの横幅(左右方向の長さ)と略同じである。
【0025】
背面側側面凸部61Laと中央側面凸部61Lcとの間、中央側面凸部61Lc同士の間、中央側面凸部61Lcと正面側側面凸部61Lbとの間には、溝部62Lがそれぞれ形成されている。
図6には、左側面板6Lに合計3つの溝部62Lが示されている。そして、各溝部62Lの傾斜角は、左側面板6Lを底面板5に対して垂直に立ち上げて配置した場合に、支持傾斜部52の傾斜面51の傾斜角と同じ角度または大体において同じ角度となっている。この溝部62Lは、包装容器1に商品を収納した場合にその商品の側縁を前後方向から支持するための溝部である。
なお、前述のように、側面凸部61L、61Rは、一枚のシートを上方に向けて突出して形成されている。よって、各凸部は、
図6の状態ではシート4の裏面側から見た場合には凹形状をしている。
【0026】
(正面板7)
正面板7は、矩形の板であって、
図6では底面板5の前方に配置されている。そして、正面板7は、
図6に示すように、A線を中心にして左右対称な構造となっている。正面板7の左右方向の長さは、底面板5の左右方向の長さと略同じ長さとなっている。また、正面板7の前後方向の長さは、左側面板6L及び右側面板6Rの左右方向の長さと略同じ長さとなっている。
正面板7には、B線に沿って延びる底面側補強凸部71と上面側補強凸部72とが形成されている。この凸部71、72は、上方に向けて突出した凸部である。
【0027】
正面板7は、正面板7の左側端部及び左側端部から左側面板6L側及び右側面板6R側に向かってそれぞれ張り出した正面側嵌合部73L、73Rを備えている。この正面側嵌合部73L、73Rは、
図6の状態では上方に向けて突出した凸部である。また、正面側嵌合部73L、73Rの形状は、平面視で略直角三角形の形状をしており、左側面板6L及び右側面板6Rに設けられた正面側側面凸部61Lb、61Rbの形状と略同じである。また、これら凸部61Lb、61Rbの裏面になる凹部は、前記正面側嵌合部73L、73Rの凸部よりも大きくなっている。また、正面側嵌合部73L、73Rの高さ(厚み)は、正面側側面凸部61Lb、61Rbの高さ(厚み)と略同じとなっている。
【0028】
このため、正面板7の正面側嵌合部73L、73Rと、左右の側面板6L、6Rの正面側側面凸部61Lb、61Rbとは凹凸嵌合可能であり、これらを嵌合することで正面板7と左右の側面板6L、6Rとを底面板5に対してそれぞれ立ち上げて固定することができる。
なお、前述のように、底面側補強凸部71、上面側補強凸部72、正面側嵌合部73L、正面側嵌合部73Rは、一枚のシートを上方に向けて突出して形成されている。よって、各凸部は、
図6の状態ではシート4の裏面側から見た場合には凹形状をしている。
【0029】
(背面板8)
背面板8は、矩形の板であって、
図6では底面板5の後方に配置されている。そして、背面板8は、
図6に示すように、A線を中心にして左右対称な構造となっている。背面板8の左右方向の長さは、底面板5の左右方向の長さと略同じ長さとなっている。また、背面板5の前後方向の長さは、左側面板6L及び右側面板6Rの左右方向の長さと略同じ長さとなっている。
背面板8には、B線に沿って延びる底面側補強凸部81と上面側補強凸部82とが形成されている。この凸部81、82は、
図6の状態では上方に向けて突出した凸部である。
【0030】
背面板8は、背面板8の左側端部及び左側端部から左側面板6L側及び右側面板6R側に向かってそれぞれ張り出した背面側嵌合部83L、83Rを備えている。この背面側嵌合部83L、83Rは、
図6の状態では上方に向けて突出した凸部である。また、背面側嵌合部83L、83Rの形状は、平面視で略直角三角形の形状をしており、左側面板6L及び右側面板6Rに設けられた背面側側面凸部61La、61Raの形状と略同じである。また、これら凸部61La、61Raの裏面になる凹部は、前記背面側嵌合部83L、83Rの凸部よりも大きくなっている。また、背面側嵌合部83L、83Rの高さ(厚み)は、背面側側面凸部61La、61Raの高さ(厚み)と略同じとなっている。
【0031】
このため、背面板8の背面側嵌合部83L、83Rと、左右の側面板6L、6Rの背面側側面凸部61La、61Raとは凹凸嵌合可能であり、これらを嵌合することで背面板8と左右の側面板6L、6Rとを底面板5に対してそれぞれ立ち上げて固定することができる。
なお、前述のように、底面側補強凸部81、上面側補強凸部82、背面側嵌合部83L、背面側嵌合部83Rは、一枚のシートを上方に向けて突出して形成されている。よって、各凸部は、
図6の状態でシート4の裏面側から見た場合には凹形状をしている。
【0032】
(容器2の組立方法)
以下、容器2を組み立てる方法について、
図6を参照しつつ説明する。なお、容器2は、シート4に設けられた折り曲げ線41に沿って各面板を折り曲げることで組み立てられる。
まず、底面板5に対して直角になるように、左側面板6L及び右側面板6Rを上方に向けて立ち上げる。この際、左側面板6L及び右側面板6Rの側面凸部61L、61Rと、底面板5の端部凸部57L、57Rとが当接することで、左側面板6L及び右側面板6Rが底面板5側に向かって過度に倒れ込むのを防止している。
【0033】
次に、底面板5に対して直角になるように、背面板8及び正面板7を上方に向けて立ち上げる。
次に、正面側嵌合部73L、73Rを左右の側面板6L、6R側に向けて折り曲げ、正面側側面凸部61Lb、61Rbの裏面と凹凸嵌合させる。この際、正面側嵌合部73L、73Rを左右の側面板6L、6Rの外側から内側に向けて押し込むことで正面側側面凸部61Lb、61Rbの裏面の凹部と凹凸嵌合させる。
【0034】
最後に、背面側嵌合部83L、83Rを左右の側面板6L、6R側に向けて折り曲げ、背面側側面凸部61La、61Raの裏面と凹凸嵌合させる。この際、背面側嵌合部83L、83Rを左右の側面板6L、6Rの外側から内側に向けて押し込むことで背面側側面凸部61La、61Raの裏面と凹凸嵌合させる。
なお、前述のように、
図6において正面板7及び背面板8の前後方向の長さは、側面板6L、6Rの左右方向の長さと略同じである。このため、このシート4を組み立てると、正面板7、背面板8及び側面板6L、6Rの底面板5からの高さが揃った容器2を形成できる。
【0035】
こうして、
図4(a)及び
図5(a)、(b)に示すように、矩形の底面板5と、底面板5の正面側の縁から立ち上げられた透明な正面板7と、底面板5の背面側の縁から立ち上げられた背面板8と、底面板5の左右両側の縁からそれぞれ立ち上げられた透明な左側面板61L及び透明な右側面板6Rと、を有し、且つ上面部13を開放した容器2が形成される。
【0036】
(カバー3)
図7は、本実施形態に係るカバー3の展開した平面図(展開図)である。カバー3の構造の詳細については、
図7を参照してカバー3の組み立て工程を述べつつ説明する。
カバー3は、ボール紙製の一枚のシート9を組み立てることで形成可能なカバーであって、カバー上面板10とカバー背面板11とカバー底面板12との各面板を備えている。さらに、カバー3は、カバー上面板10に上面側縁取り部105と、カバー底面板12に底面側縁取り部125とを備えている。
【0037】
シート9において、前述の各面板及び後述する折り込み部は、それぞれ折り曲げ自在な折り曲げ線(ミシン目)91によって区切られている。この折り曲げ線91は、
図7において破線で示されている。以下、前述の各面板について説明する。なお、
図7に示されたA線はシート9の左右方向の中心線を示しており、B線はシート9の前後方向の中心線を示している。また、シート9は、
図7に示すように、A線及びB線を中心にして対称な構造をしている。そこで、対称となっている箇所については、その記載を省略するものとする。
【0038】
(カバー上面板10)
カバー上面板10は、矩形の板であって、
図7ではシート9の前方に配置されている。そして、このカバー上面板10は、A線を中心にして左右対称な構造となっている。
カバー上面板10の左右方向の長さは、容器2の上面部13の左右方向の長さと略同じである。また、カバー上面板10の前後方向の長さは、容器2の上面部13の前後方向の長さと略同じである。
【0039】
カバー上面板10の左右両側の端部には、縁取り形成部101L、101Rがそれぞれ配置されている。そして、この縁取り形成部101L、101Rは、折り込み部101La、101Lb、折り込み部101Ra、101Rbからそれぞれ構成されている。折り込み部101La、101Lb、101Ra、101Rbは、それぞれ略矩形をしている。また、折り込み部101La、101Lb、101Ra、101Rbの各長軸はA線に沿った方向に延びており、それらの各短軸はB線に沿った方向に延びている。さらに、折り込み部101La、101Lb、101Ra、101Rbの前後方向の長さは、カバー上面板10の前後方向の長さと略同じである。
【0040】
カバー上面板10の前側端部には、縁取り形成部102が配置されている。そして、この縁取り形成部102は、折り込み部102a〜102cから構成されている。折り込み部102a〜102cは、それぞれ略矩形をしている。そして、折り込み部102a〜102cの各長軸はB線に沿った方向に延びており、それらの各短軸はA線に沿った方向に延びている。折り込み部102a〜102cの左右方向の長さは、カバー上面板10の左右方向の長さと略同じである。また、折り込み部102a〜102cの前後方向の長さは、折り込み部101La、101Lb、101Ra、101Rbの左右方向の長さと略同じである。
折り込み部101La、101Raの前側端部と、折り込み部102aの左側端部及び右側端部との間には、接着部103L、103Rがそれぞれ設けられている。この接着部103L、103Rは、平面視で略四角形をしている。
【0041】
(カバー背面板11)
カバー背面板11は、矩形の板であって、
図7ではカバー上面板10の後方に配置されている。そして、このカバー背面板10は、A線及びB線を中心にして対称な構造となっている。
カバー背面板11の左右方向の長さは、カバー上面板10の左右方向の長さと略同じである。また、カバー背面板11の前後方向の長さは、容器2の高さ(
図6における正面板7及び背面板8の前後方向の長さ、側面板6L、6Rの左右方向の長さに相当する長さ)と略同じである。
カバー背面板11の左右両側の端部には、背面折り込み部111L、111Rがそれぞれ形成されている。そして、背面折り込み部111L、111Rは、折り込み部111La、111Lb、折り込み部111Ra、111Rbからそれぞれ構成されている。
【0042】
(カバー底面板12)
カバー底面板12は、矩形の板であって、
図7ではカバー背面板11の後方に配置されている。そして、このカバー底面板12は、A線を中心にして左右対称な構造となっている。
カバー底面板12の左右方向の長さは、容器2の底面板5の左右方向の長さと略同じである。また、カバー底面板12の前後方向の長さは、容器2の底面板5の前後方向の長さと略同じである。
【0043】
カバー底面板12の左右両側の端部には、縁取り形成部121L、121Rがそれぞれ配置されている。そして、縁取り形成部121L、121Rは、折り込み部121La、121Lb、折り込み部121Ra、121Rbからそれぞれ構成されている。折り込み部121La、121Lb、121Ra、121Rbは、それぞれ略矩形をしている。また、折り込み部121La、121Lb、121Ra、121Rbの各長軸はA線に沿った方向に延びており、それらの各短軸はB線に沿った方向に延びている。さらに、折り込み部121La、121Lb、121Ra、121Rbの前後方向の長さは、カバー底面板12の前後方向の長さと略同じである。
【0044】
カバー底面板12の後側端部には、縁取り形成部122が配置されている。そして、この縁取り形成部122は、折り込み部122a〜122cから構成されている。この折り込み部122a〜122cは、それぞれ略矩形をしている。そして、折り込み部122a〜122cの各長軸はB線に沿った方向に延びており、それらの各短軸はA線に沿った方向に延びている。折り込み部122a〜122cの左右方向の長さは、カバー底面板12の左右方向の長さと略同じである。また、折り込み部122a〜122cの前後方向の長さは、折り込み部121La、121Lb、121Ra、121Rbの左右方向の長さと略同じである。
折り込み部121La、121Raの後側端部と、折り込み部122aの左側端部及び右側端部との間には、接着部123L、123Rがそれぞれ設けられている。この接着部123L、123Rは、平面視で略四角形をしている。
【0045】
(カバー3の組立方法)
以下、カバー3を組み立てる方法について、
図7を参照しつつ説明する。なお、カバー3は、シート9に設けられた折り曲げ線91に沿って各面板及び各折り込み部を折り曲げることで組み立てられる。
まず、カバー上面板10に対して直角になるように、縁取り形成部101L、101R、102を上方に向けてそれぞれ立ち上げる。この際、カバー上面板10側に向けて折り込むように接着部103L、103Rを折り曲げる。
【0046】
次に、折り込み部101Lb、101Rbをカバー上面板10側に折り曲げて、折り込み部101La、101Raと折り込み部101Lb、101Rbとをそれぞれ接着させる。この際、折り込み部101La、101Raと折り込み部101Lb、101Rbと間に接着部103L、103Rをそれぞれ挟み込む。縁取り形成部102の折り込みについては、折り込み部102bをカバー上面板10側に折り曲げて、折り込み部102aと折り込み部102bとを接着する。この際、折り込み部102cをカバー上面板10側に向けて折り曲げる。また、三角突起部104L、104Rを折り込み部101La、101Raにそれぞれ接着する。
【0047】
こうして、カバー上面板10に上面側縁取り部105を形成する。なお、前述のように、
図7において折り込み部101La、101Lb、101Ra、101Rbの左右方向の長さは、折り込み部102a、102bの前後方向の長さと略同じである。このため、このシート9を組み立てると、カバー上面板10の正面側の縁及び左右両側の縁のそれぞれからカバー底面板12側に向けて高さを揃えて突出させた上面側縁取り部105を形成できる。
【0048】
次に、前述の上面側縁取り部105の形成手順と同様の手順で、カバー底面板12に底面側縁取り部125を形成する。具体的には、まず、カバー底面板12に対して直角になるように、縁取り形成部121L、121R、122を上方に向けてそれぞれ立ち上げる。この際、カバー底面板12側に向けて折り込むように接着部123L、123Rを折り曲げる。
【0049】
次に、折り込み部121Lb、121Rbをカバー底面板12側に折り曲げて、折り込み部121Lb、121Rbと折り込み部121La、121Raとをそれぞれ接着させる。この際、折り込み部121Lb、121Rbと折り込み部121La、121Raと間に接着部123L、123Rをそれぞれ挟み込む。縁取り形成部122の折り込みについては、折り込み部122bをカバー底面板12側に折り曲げて、折り込み部122bと折り込み部122aとを接着する。この際、折り込み部122cをカバー底面板12側に向けて折り曲げる。また、三角突起部124L、124Rを折り込み部121La、121Raにそれぞれ接着する。
【0050】
こうして、カバー底面板12に底面側縁取り部125を形成する。なお、前述のように、
図7において折り込み部121La、121Lb、121Ra、121Rbの左右方向の長さは、折り込み部122a、122bの前後方向の長さと略同じである。このため、このシート9を組み立てると、カバー底面板12の正面側の縁及び左右両側の縁のそれぞれからカバー上面板10側に向けて高さを揃えて突出させた底面側縁取り部125を形成できる。
最後に、上面側縁取り部105が形成されたカバー上面板10と、底面側縁取り部125が形成されたカバー底面板12とを上方に向けてそれぞれ立ち上げる。この際、折り込み部111La、111Raをカバー背面板11側に折り曲がるように背面折り込み部111L、111Rを折り曲げる。
【0051】
こうして、
図4(b)に示すように、容器2の上面部13を覆うカバー上面板10と、背面板8を覆うカバー背面板11と、底面板5を覆うカバー底面板12と、を有し、さらにカバー上面板10の正面側の縁及び左右両側の縁のそれぞれからカバー底面板12側に向けて突出した上面側縁取り部105と、カバー底面板12の正面側の縁及び左右両側の縁のそれぞれからカバー上面板10側に向けて突出した底面側縁取り部125とを備えたカバー3が形成される。
最後に、前述した容器2の底面板5とカバー底面板12とを、背面板8とカバー背面板11とを、上面部13とカバー上面板12とをそれぞれ合わせるようにして、容器2とカバー3とを組み合わせる。こうすることで、
図1〜
図3に示した本実施形態に係る包装容器1が形成される。
【0052】
(効果)
(1)本実施形態に係る包装容器1の容器2は、透明な正面板7と、透明な左側面板6Lと、透明な右側面板6Rと、を有している。また、本実施形態に係る包装容器1のカバー3は、カバー3の正面側と左右両側とを開放している。
このため、容器2の正面板7及び左右両側の側面板6L、6Rを包装容器1の窓としてそのまま利用することができる。よって、本発明に係る包装容器1であれば、商品を収納した包装容器1が積み上げられている場合であっても、下方にある包装容器1を取り出してその包装容器1の蓋(カバー上面板10)を開けることなく包装容器1内の商品を視認することができる。
【0053】
(2)本実施形態に係る包装容器1の容器2は、一枚のシート4を、底面板5に対して正面板7と背面板8と左側面板6Lと右側面板6Rとをそれぞれ折り曲げ自在な折り曲げ線41で区切り、この折り曲げ線41でシート4を折り曲げることによって組み立てられている。
このため、容器2を展開してシート状にすることができるので、省スペースで容器2を輸送・保管することができる。また、省スペースで保管ができるので、商品の販売店内で梱包して即商品の販売をすることもできる。
【0054】
(3)本実施形態に係る包装容器1の容器2は、正面側嵌合部73L、73Rと、正面側側面凸部61Lb、61Rbと、背面側嵌合部83L、83Rと、背面側側面凸部61La、61Raと、を備えている。
このため、正面側嵌合部73L、73Rと正面側側面凸部61Lb、61Rbとをそれぞれ凹凸嵌合し、且つ背面側嵌合部83L、83Rと背面側側面凸部61La、61Raとをそれぞれ凹凸嵌合することで、容器2を容易に組み立てることができる。また、凹凸嵌合により容器2を組み立てているので、接着剤等を必要としない。よって、製造コストが高騰するのを抑制できる。
【0055】
(4)本実施形態に係る包装容器1の容器2は、容器2内に商品を収納した場合に、商品を背面から支持する支持斜面部52と、商品の下縁前側を支持する中央底面凸部54及び正面側底面凸部55と、商品の側縁を前後から支持する溝部62L、62Rとを備えている。
このため、容器2内に収納された商品は、支持斜面部52、中央底面凸部54、正面側底面凸部55及び溝部62L、62Rで支持されているため、輸送中であっても容器2内でずれにくい。
【0056】
(5)本実施形態に係る包装容器1のカバー3は、カバー上面板10に形成された上面側縁取り部105と、カバー底面板12に形成された底面側縁取り部125とを備えている。
このため、容器2は上面側縁取り部105及び底面側縁取り部125で固定され、容器2とカバー3とが簡単に分離してしまうのを防止することができる。
【0057】
(6)本実施形態に係る包装容器1は、容器2とカバー3とを組み合わせて包装容器1を形成している。
このため、包装容器1を形成する際に接着剤等を使用する必要はない。よって、容易に包装容器1を組み立てることができる。また、容器2とカバー3とを簡単に分別することができる。
【0058】
(その他の形態)
本実施形態に係る包装容器1では、側面板6L、6Rに中央側面凸部61Lc、61Rcをそれぞれ2つ設けた場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、中央側面凸部61Lc、61Rcの数を1つにしてもよいし、3つ以上にしてもよい。
中央側面凸部61Lc、61Rcの数を1つにすることで、包装容器1の大きさを小型化することができる。また、中央側面凸部61Lc、61Rcの数を3つ以上にすることで、包装容器1に収納可能な商品の数を増やすことができる。
【0059】
また、本実施形態に係る包装容器1では、正面側嵌合部73L、73Rを側面板6L、6Rの外側から内側に向けて押し込むことで正面側側面凸部61Lb、61Rbの裏面と凹凸嵌合させる場合について説明したが、これに限定されるものではない。これとは逆に正面側側面凸部61Lb、61Rbを正面側嵌合部73L、73Rの裏側と凹凸嵌合させてもよい。同様に、背面側側面凸部61La、61Raを背面側側面凸部83L、83Rの裏側と凹凸嵌合させてもよい。
【0060】
(パッケージ商品20)
図8は、本実施形態に係る包装容器に商品を収納した状態を示す正面図である。本実施形態に係るパッケージ商品20は、前述の包装容器1と、その包装容器1の容器2内に収納された商品21とを含んだものである。なお、
図8において、収納された商品21は破線で示されており、また、包装容器1の記載は省略されている。
【0061】
本実施形態に係るパッケージ商品20において、商品21は、正面板7側から背面板8側に向かって左側例及び右側列の2列で収納されている。そして、左側の商品列21Lと右側の商品列21Rとは、
図6に示したA線を中心にして左右対称に配置されている。そこで、左側列における商品列21Lの配置形態についてのみ説明し、右側列における商品列21Rの配置形態についての説明は省略する。
【0062】
商品列21Lの商品21Laは、支持傾斜部52の傾斜面51に商品21Laの背面が接した状態で収納されている。そして、傾斜面51に背面が接した状態の商品21Laの下縁前縁は、中央底面凸部54で支持されている。また、その状態の商品21Laの側縁は、溝部62Lで支持されている。
商品列21Lの商品21Lbは、商品21Laの正面板7側に収納されており、商品21Lbの下縁前縁が正面側底面凸部55の凸部55aで支持された状態で収納されている。また、その状態の商品21Lbの側縁は、溝部62Lで支持されている。
【0063】
商品列21Lの商品21Lcは、商品21Lbの正面板7側に収納されており、商品21Lcの下縁前縁が正面板7で支持された状態で収納されている。また、その状態の商品21Lcの側縁は、溝部62Lで支持されている。
このようにして、容器2には、左側の商品列21L及び右側の商品列21Rに3個の商品21La〜21Lc、21Ra〜21Rcがそれぞれ収納されている。
【0064】
また、商品21Laと商品21Lbとの間であってA線上には、商品21Caが1個収納されている。この商品21Caの下縁前縁は、正面側底面凸部55の凸部55bで支持されている。また、この商品21Caは、商品21La及び商品21Lbの側縁でそれぞれ支持されている。
また、商品21Lbと商品21Lcとの間であってA線上には、商品21Cbが1個収納されている。この商品21Cbの下縁前縁は、仕切り凸部56の凸部55aで支持されている。また、この商品21Cbは、商品21Lb及び商品21Lcの側縁でそれぞれ支持されている。
【0065】
以上のように、本実施形態に係るパッケージ商品20では、包装容器1の容器2内に合計8個の商品21が収納されている。そして、このパッケージ商品20を積み重ねて使用する。
本実施形態に係るパッケージ商品20は、前述の包装容器1内に商品21が収納されている。
このため、カバー3の上面板10を開けることなく、正面板7側及び左右両側の側面板6L、6R側から容器2内に収納された商品21を視認することができる。