(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114039
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】混合型冷蔵櫃
(51)【国際特許分類】
F25D 16/00 20060101AFI20170403BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20170403BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20170403BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20170403BHJP
F25D 23/06 20060101ALI20170403BHJP
F25D 17/08 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
F25D16/00
F25D11/00 101A
F25D11/00 101C
F25D29/00 A
F25D19/00 520Z
F25D23/06 V
F25D17/08 306
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-7344(P2013-7344)
(22)【出願日】2013年1月18日
(65)【公開番号】特開2013-148344(P2013-148344A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2015年11月24日
(31)【優先権主張番号】101102420
(32)【優先日】2012年1月20日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508297078
【氏名又は名称】アイ・ティ・イー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】パンカジ ガルグ
【審査官】
横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−007760(JP,A)
【文献】
特開平04−254181(JP,A)
【文献】
実開平01−140474(JP,U)
【文献】
特開昭61−089462(JP,A)
【文献】
特開平07−198243(JP,A)
【文献】
特開2000−292044(JP,A)
【文献】
特開2005−201533(JP,A)
【文献】
特開2002−333252(JP,A)
【文献】
特開2004−233039(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/124004(WO,A1)
【文献】
国際公開第2006/008276(WO,A1)
【文献】
米国特許第03584467(US,A)
【文献】
特開平01−239359(JP,A)
【文献】
特開昭63−213753(JP,A)
【文献】
米国特許第02907186(US,A)
【文献】
特表2008−528923(JP,A)
【文献】
中国実用新案第201945121(CN,U)
【文献】
中国特許出願公開第101726150(CN,A)
【文献】
中国実用新案第201932067(CN,U)
【文献】
特開2001−299521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 16/00
F25D 11/00
F25D 17/08
F25D 19/00
F25D 23/06
F25D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄冷室と、少なくとも一つの冷蔵室を含む冷蔵櫃と、該蓄冷室と該冷蔵櫃との間に設けられる少なくとも一つの第1の風路と、を備える櫃体であって、前記蓄冷室は少なくとも一つの蓄冷器を含み、該蓄冷器は、蓄冷液が充填されたハウジングを含む、櫃体と、
前記蓄冷室及び前記冷蔵櫃にそれぞれ冷エネルギーを提供する冷凍循環ユニットと、
前記櫃体と前記冷凍循環ユニットとの間に設けられ、蓄冷室管路及び冷蔵櫃管路を含む管路構成であって、該蓄冷室管路は前記冷凍循環ユニットと前記蓄冷室とを連通させ、該冷蔵櫃管路は前記冷凍循環ユニットと前記冷蔵櫃とを連通させる、管路構成と、
前記蓄冷室内及び前記冷蔵櫃内それぞれに配置される複数の温度検知器と、
前記複数の温度検知器に電気的に接続され、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて前記冷凍循環ユニットの起動状態と停止状態との遷移を制御するコントローラと、
電池と、
を備え、
前記冷凍循環ユニットが停止している期間の少なくとも一部において、前記コントローラと、前記温度検知器とは、前記電池より供給される電力により駆動することを特徴とする、混合型冷蔵櫃。
【請求項2】
前記コントローラは、前記冷凍循環ユニットが起動している期間の少なくとも一部において、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて前記第1の風路を開閉する第1の閉鎖素子を閉状態に切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の混合型冷蔵櫃。
【請求項3】
前記冷蔵室は複数設けられ、
隣接する2つの前記冷蔵室の間に配置される少なくとも一つの第2の風路を更に備え、
前記コントローラは、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて、前記第1の風路を開閉する第1の閉鎖素子の開閉状態及び前記第2の風路を開閉する第2の閉鎖素子の開閉状態を切り替える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の混合型冷蔵櫃。
【請求項4】
前記コントローラは、前記複数の冷蔵室の温度が、冷蔵室毎にそれぞれ異なる所定の温度帯に収まるように前記第2の閉鎖素子の開閉状態を切り替える、ことを特徴とする請求項3に記載の混合型冷蔵櫃。
【請求項5】
前記蓄冷室は、前記冷蔵櫃の上方に配置され、
前記冷蔵室毎にそれぞれ異なる所定の温度帯は、前記第2の風路を介して隣接する2つの冷蔵室における上方に位置する冷蔵室の温度帯よりも下方に位置する冷蔵室の温度帯の方が高い温度帯となるように設定されることを特徴とする、請求項4に記載の混合型冷蔵櫃。
【請求項6】
前記冷凍循環ユニットが停止している期間の少なくとも一部において、前記コントローラと、前記温度検知器とに加え、前記第1の閉鎖素子及び前記第2の閉鎖素子を開閉させるための駆動部も前記電池より供給される電力により駆動することを特徴とする、請求項3から5に記載の混合型冷蔵櫃。
【請求項7】
前記管路構成の前記蓄冷室管路及び前記冷蔵櫃管路それぞれの管路に配置される複数の弁体を更に備え、
前記コントローラは、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて前記複数の弁体の開閉状態を切り替える、ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の混合型冷蔵櫃。
【請求項8】
前記冷蔵室は複数設けられると共に、前記冷蔵櫃管路は分岐して前記複数の冷蔵室それぞれと前記冷凍循環ユニットとを連通させ、
前記コントローラは、前記複数の冷蔵室の温度が、冷蔵室毎に異なる所定の温度帯に収まるように前記分岐した冷蔵櫃管路のそれぞれに配置された複数の弁体の開閉状態を切り替える、ことを特徴とする請求項7に記載の混合型冷蔵櫃。
【請求項9】
前記冷凍循環ユニットが停止している期間の少なくとも一部において、前記コントローラは、前記複数の弁体を閉状態に切り替える、請求項7又は8に記載の混合型冷蔵櫃。
【請求項10】
ハウジングと、該ハウジングの内部であって後側寄りに配置される第3の隔板と、を備える展示エリアであって、該第3の隔板は複数の第3通孔を有し、該第3の隔板とハウジングとで気体通路を形成し、該複数の第3の通孔は、前記気体通路と該第3の隔板の前方の空間とを連通させる、展示エリアと、
コンプレッサと、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを備える冷凍循環ユニットであって、該蒸発器は密閉室に配置され、前記蒸発器が生成する冷エネルギーは、ファンを用いて前記展示エリアへ送られ、前記密閉室は、前記気体通路に配置される閉鎖ドアを介して前記気体通路と連通する、冷凍循環ユニットと、
前記展示エリアと前記冷凍循環ユニットとの間であって、前記展示エリアの上方で且つ前記冷凍循環ユニットの下方に配置される、蓄冷室と、
前記蒸発器が配置される前記密閉室、前記蓄冷室、及び前記展示エリアそれぞれの内部に、別々に配置される複数の温度検知器と、
前記複数の温度検知器に電気的に接続され、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて前記冷凍循環ユニットの起動状態と停止状態との遷移を制御するコントローラと、
電池と、
を備える混合型冷蔵櫃であって、
前記蓄冷室は、第1の隔板と第2の隔板との間に配置されると共に、一つ又は複数の蓄冷器を含み、
前記第1の隔板は、第1の閉鎖素子によって開閉される一つ又は複数の第1通孔を有し、前記蓄冷室を、前記蒸発器が配置される前記密閉室と連通させ、
前記第2の隔板は、第2の閉鎖素子によって開閉される一つ又は複数の第2通孔を有し、前記蓄冷室を前記展示エリアと連通させ、
前記冷凍循環ユニットが停止している期間の少なくとも一部において、前記コントローラと、前記前記温度検知器とは、前記電池より供給される電力により駆動する、
ことを特徴とする、混合型冷蔵櫃。
【請求項11】
櫃ドアにより開閉可能である上展示エリアと、
前記上展示エリアと接して配置され、第5の隔板を備える下展示エリアであって、該第5の隔板は、複数の第5通孔を有し、該上展示エリア及び該下展示エリアの内部であって後側寄りに配置されて、該第5の隔板と該上展示エリア及び該下展示エリアとで気体通路を形成し、該複数の第5通孔は、前記気体通路と該第5の隔板の前方の空間とを連通される、下展示エリアと、
コンプレッサと、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、を備える冷凍循環ユニットであって、該蒸発器は密閉室に配置され、該蒸発器が生成する冷エネルギーは、ファンを用いて前記上展示エリア及び前記下展示エリアへ送られ、前記密閉室は、前記気体通路に配置される閉鎖ドアを介して前記気体通路と連通する、冷凍循環ユニットと、
前記上展示エリアと前記冷凍循環ユニットとの間であって、前記上展示エリアの上方で且つ前記冷凍循環ユニットの下方に配置される、蓄冷室と、
前記蒸発器が配置される前記密閉室、前記蓄冷室、前記上展示エリア及び前記下展示エリアそれぞれの内部に、別々に配置される複数の温度検知器と、
前記複数の温度検知器に電気的に接続され、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて前記冷凍循環ユニットの起動状態と停止状態との遷移を制御するコントローラと、
電池と、
を備える混合型冷蔵櫃であって、
前記蓄冷室は、第3の隔板と第4の隔板との間に配置されると共に、一つ又は複数の蓄冷器を含み、
前記第3の隔板は、一つ又は複数の第3通孔を有し、前記蓄冷室を、前記蒸発器が配置される前記密閉室と連通させ、
前記第4の隔板は、一つ又は複数の第4通孔を有し、前記蓄冷室を前記上展示エリアと連通させ、
前記冷凍循環ユニットが停止している期間の少なくとも一部において、前記コントローラと、前記前記温度検知器とは、前記電池より供給される電力により駆動する、
ことを特徴とする、混合型冷蔵櫃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵櫃、特に混合型冷蔵櫃に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷蔵櫃(showcase)又は冷凍櫃は、いずれも冷凍冷却装置を利用して、冷蔵櫃又は冷凍櫃内に貯蔵又は展示される食品、野菜、果物などを保冷又は冷凍するために、必要な冷エネルギーを提供する。そして、冷蔵櫃又は冷凍櫃の冷凍循環装置は、コンプレッサ、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を備え、冷凍循環装置内を順に冷媒を循環させる。凝縮器は熱量を排出する。蒸発器は冷エネルギーを提供する。冷エネルギーは、冷蔵櫃又は冷凍櫃に提供され、その内部を必要な温度に保つことができる。従来の冷蔵櫃又は冷凍櫃では、蒸発器のみから、冷エネルギーは提供される。冷蔵櫃又は冷凍櫃の内部に設けられる風路を介して、冷エネルギーは、冷蔵櫃又は冷凍室の内部へ送られる。
【0003】
従来の冷蔵櫃又は冷凍櫃は、冷蔵庫又は展示櫃であってもよい。展示櫃は、開放式展示櫃又は閉鎖式展示櫃、例えばガラスドアを開閉する閉鎖式展示櫃を含む。展示櫃は、スーパーマーケット又は売り場で、商品を貯蔵したり販売のために展示したりするために広く用いられている。展示櫃は、展示する商品を鮮度及び湿度が維持されて貯蔵する以外に、消費者の購買欲を引き付けるために販売する商品を効果的に展示することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、冷凍循環装置に加えて蓄冷器を用いる混合型冷蔵櫃を提供することである。
【0005】
また、本発明の他の目的は、ある時間帯に所定の温度まで達するまで冷エネルギーを提供する冷凍循環装置と、所定の温度に達した後、冷凍循環装置の代わりに冷エネルギーを提供する一つ又は複数の蓄冷器と、を提供することにある。冷凍循環装置と蓄冷器とを交互に用いて冷エネルギーを冷蔵櫃に提供することにより、冷蔵櫃の内部を必要な湿度に維持しつつ、より長い保冷時間を維持することができる。
【0006】
本発明の更なる目的は、コンプレッサをスタート/ストップする回数を少なくして、環境に放出する二酸化炭素の生成を間接的に少なくする混合型冷蔵櫃を提供することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、蓄冷器を凍結させるための冷凍ユニットや充電制御ユニットを更に必要とせず、且つ蓄冷器自身が必要な湿度に維持する機能を備えることにより、冷蔵櫃内に貯蔵される食品の湿度又は鮮度をより長時間維持できる混合型冷蔵櫃を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するための混合型冷蔵櫃は、蓄冷室と
、少なくとも一つの冷蔵室を含む冷蔵櫃
と、該蓄冷室と該冷蔵櫃との間に
設けられる少なくとも一つの第1の風路
と、を備える櫃体であって、前記蓄冷
室は少なくとも一つの蓄冷器を
含み、該蓄冷器は、蓄冷液が充填されたハウジングを含む
、櫃体と、前記蓄冷室及び前記冷蔵櫃にそれぞれ冷エネルギーを提供する冷凍循環ユニットと、前記櫃体と前記冷凍循環ユニットとの間に設けられ、蓄冷室管路及び冷蔵櫃管路を含む管路構成であって、該蓄冷室管路は前記冷凍循環ユニットと前記蓄冷室とを連通させ、該冷蔵櫃管路は前記冷凍循環ユニットと前記冷蔵櫃とを連通させる、管路構成と、
前記蓄冷室内及び前記冷蔵櫃内それぞれに配置される複数の温度検知器と、前記複数の温度検知器に電気的に接続され、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて前記冷凍循環ユニットの起動状態と停止状態との遷移を制御するコントローラと、電池と、を備え
、前記冷凍循環ユニットが停止している期間の少なくとも一部において、前記コントローラと、前記温度検知器とは、前記電池より供給される電力により駆動する。
【0009】
本発明の混合型冷蔵櫃の他の実施形態は、ハウジングと、該ハウジングの内部であって後側寄りに配置される第3の隔板と、を備える展示エリアであって、該第3の隔板は複数の第3通孔を有し、該第3の隔板とハウジングとで気体通路を形成し、該複数の第3の通孔は、前記気体通路と該第3の隔板の前方の空間とを連通させる、展示エリアと、コンプレッサと、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを備える冷凍循環ユニットであって、該蒸発器は密閉室に配置され、前記蒸発器が生成する冷エネルギーは、ファンを用いて前記展示エリアへ送られ、前記密閉室は、前記気体通路に配置される閉鎖ドアを介して前記気体通路と連通する、冷凍循環ユニットと、前記展示エリアと前記冷凍循環ユニットとの間であって、前記展示エリアの上方で且つ前記冷凍循環ユニットの下方に配置される、蓄冷室と、前記蒸発器が配置される前記密閉室、前記蓄冷室、及び前記展示エリアそれぞれの内部に、別々に配置される複数の温度検知器と、前記複数の温度検知器に電気的に接続され、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて前記冷凍循環ユニットの起動状態と停止状態との遷移を制御するコントローラと、電池と、を備える混合型冷蔵櫃であって、前記蓄冷室は、第1の隔板と第2の隔板との間に配置されると共に、一つ又は複数の蓄冷器を含み、前記第1の隔板は、第1の閉鎖素子によって開閉される一つ又は複数の第1通孔を有し、前記蓄冷室を、前記蒸発器が配置される前記密閉室と連通させ、前記第2の隔板は、第2の閉鎖素子によって開閉される一つ又は複数の第2通孔を有し、前記蓄冷室を前記展示エリアと連通させ、前記冷凍循環ユニットが停止している期間の少なくとも一部において、前記コントローラと、前記前記温度検知器とは、前記電池より供給される電力により駆動する。
【0010】
櫃ドアにより開閉可能である上展示エリアと、前記上展示エリアと接して配置され、第5の隔板を備える下展示エリアであって、該第5の隔板は、複数の第5通孔を有し、該上展示エリア及び該下展示エリアの内部であって後側寄りに配置されて、該第5の隔板と該上展示エリア及び該下展示エリアとで気体通路を形成し、該複数の第5通孔は、前記気体通路と該第5の隔板の前方の空間とを連通される、下展示エリアと、コンプレッサと、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、を備える冷凍循環ユニットであって、該蒸発器は密閉室に配置され、該蒸発器が生成する冷エネルギーは、ファンを用いて前記上展示エリア及び前記下展示エリアへ送られ、前記密閉室は、前記気体通路に配置される閉鎖ドアを介して前記気体通路と連通する、冷凍循環ユニットと、前記上展示エリアと前記冷凍循環ユニットとの間であって、前記上展示エリアの上方で且つ前記冷凍循環ユニットの下方に配置される、蓄冷室と、前記蒸発器が配置される前記密閉室、前記蓄冷室、前記上展示エリア及び前記下展示エリアそれぞれの内部に、別々に配置される複数の温度検知器と、前記複数の温度検知器に電気的に接続され、前記温度検知器が検知する温度に応じて前記温度検知器が生成する信号に基づいて前記冷凍循環ユニットの起動状態と停止状態との遷移を制御するコントローラと、電池と、を備える混合型冷蔵櫃であって、前記蓄冷室は、第3の隔板と第4の隔板との間に配置されると共に、一つ又は複数の蓄冷器を含み、前記第3の隔板は、一つ又は複数の第3通孔を有し、前記蓄冷室を、前記蒸発器が配置される前記密閉室と連通させ、前記第4の隔板は、一つ又は複数の第4通孔を有し、前記蓄冷室を前記上展示エリアと連通させ、前記冷凍循環ユニットが停止している期間の少なくとも一部において、前記コントローラと、前記前記温度検知器とは、前記電池より供給される電力により駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る混合型冷蔵櫃の見取図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る混合型冷蔵櫃のフローチャートの見取図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る混合型冷蔵櫃立体見取図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る混合型冷蔵櫃の断面側面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態に係る混合型冷蔵櫃の立体見取図である。
【
図6】本発明の第3実施形態に係る混合型冷蔵櫃の断面側面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る混合型冷蔵櫃の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1実施形態〕
図1に示す本発明の第1実施形態に係る混合型冷蔵櫃の見取図を参照する。本発明の第1実施形態に係る混合型冷蔵櫃10は、櫃体11と、冷凍循環ユニット12と、少なくとも一つの蓄冷器13と、管路構成14とを備える。該櫃体11は、少なくとも一つの蓄冷室111及び冷蔵櫃112を含む。該蓄冷室111と該冷蔵櫃112との間に、少なくとも一つの第1の風路113が設けられる。該蓄冷室111の冷エネルギーを該冷蔵櫃112へ送ることができる。該冷蔵櫃112は、一つ又は複数の冷蔵室114を含んでいる。複数の冷蔵室114が含まれる場合、隣接する冷蔵室の間に、少なくとも一つの第2の風路115が設けられる。冷蔵室114は、食品の鮮度などを維持する機能を有している。該蓄冷室111内には、少なくとも一つの蓄冷器13が設けられる。前記蓄冷器13のハウジング内に、蓄冷液が充填される。蓄冷器の代わりに蓄熱器であってもよい。その場合、蓄熱器のハウジング内には、蓄熱液が充填される。いずれも従来の蓄冷器又は蓄熱器の技術であるため、詳細な説明は省略する。蓄冷器及び蓄熱器は、以下に説明される実施形態において何れも同じ効果を有するので、いずれにおいても繰り返し説明しない。以下の実施形態では何れも蓄冷器を用いて説明する。該蓄冷室111は、前記冷蔵櫃112の上方に配置される。本発明において、櫃体11、蓄冷室111、及び冷蔵櫃112の櫃壁は何れも断熱材で形成される。該断熱材料は、PU発泡材、真空断熱材、真空断熱パネル、又はその組み合わせのいずれかでよい。これら断熱技術は公知であり、詳細な説明は省略する。
【0023】
該冷凍循環ユニット12は、前記蓄冷室111及び該冷蔵櫃112へ別々に提供する冷エネルギーを生成する。該冷凍循環ユニット12は、コンプレッサ121と、凝縮器122と、膨張弁123と、蒸発器124とを備える。前記コンプレッサ121は、低温低圧の気体状態冷媒を、圧縮して高温高圧の気体状態冷媒とする。該高温高圧の気体状態冷媒は、再び前記凝縮器122を通過する時に熱エネルギーを放出し、低温高圧の液体状態冷媒に変化する。該膨張弁123は、低温高圧の液体状態冷媒の圧力を低下させると共に、液体状態冷媒の流量を適宜に制御する。そして、低温低圧の液体状態冷媒は、前記蒸発器124を通過する時に熱を吸収し気化することにより、外部の温度を低下させる。この時、低温低圧の液体状態冷媒は、低温低圧の気体状態冷媒に変化する。次に、低温低圧の気体状態冷媒が該コンプレッサ121へ送られる。該コンプレッサ121は、低温低圧の気体状態冷媒を、再び圧縮して、高温高圧の気体状態冷媒とする。上述の駆動により、新たなサイクルがスタートし、これを繰り返して循環させる。冷凍循環ユニットの駆動は公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0024】
前記管路構成14は、前記櫃体11と前記冷凍循環ユニット12との間に設けられる。該冷凍循環ユニット12は、該管路構成14を介して、櫃体11の蓄冷室111と冷蔵櫃112とのそれぞれに、冷エネルギーを提供することができる。
【0025】
前記管路構成14は、蓄冷室管路141と冷蔵櫃管路142とを備える。前記蓄冷室管路141は、前記冷凍循環ユニット12の蒸発器124を前記蓄冷室111と連通させる。該冷蔵櫃管路142は、前記冷凍循環ユニット12の蒸発器124を前記冷蔵櫃112と連通させる。これらにより、冷凍循環ユニット12の蒸発器124は、前記管路構成14を介して、冷エネルギーを前記蓄冷室111及び前記冷蔵櫃112に別々に提供することができる。該管路構成14は、第1端及び第2端を備える。本実施形態では、前記管路構成14の第1端は、前記冷凍循環ユニット12の蒸発器124に連通する。該管路構成14の第2端は、前記蓄冷室111及び前記冷蔵櫃112に連通する。前記冷凍循環ユニット12の蒸発器124、及び前記管路構成14の第1端は、密閉空間125の中に配置されている。
【0026】
前記蓄冷室111は一つ又は複数の蓄冷室であってもよい。前記蓄冷室管路141は、一つ又は複数の管路を含む。各管路は、前記冷凍循環ユニット12の蒸発器124を1つの蓄冷室111と連通させる。前記の冷蔵櫃112は一つ又は複数の冷蔵室114であってもよい。前記冷蔵櫃管路142は、一つ又は複数の管路を含む。各管路は、前記冷凍循環ユニット12の蒸発器124を冷蔵櫃112の一つの冷蔵室114と連通させる。
【0027】
前記蓄冷室111と前記冷蔵櫃112とを連通させる第1の風路113には、第1の風路113を開閉する第1の閉鎖素子116が設けられる。隣接する2つの該冷蔵室114を連通させる第2の風路115には、前記第2の風路115を開閉する第2の閉鎖素子117が設けられる。また、前記第1の閉鎖素子116及び第2の閉鎖素子117は、それぞれ、モータ118によりその移動が制御され、前記第1の風路113及び前記第2の風路115をそれぞれ開閉する。該第1の風路113は、一つ又は複数の通孔が形成される隔板である。また、該第2の風路115も、一つ又は複数の通孔が形成される隔板である。
【0028】
本発明の混合型冷蔵櫃は、少なくとも一つの蓄冷室111と冷蔵櫃112とを混合して用いる。該冷凍循環ユニット12は、冷エネルギーを蓄冷室111内へ提供し、蓄冷室111内の蓄冷器13を蓄冷させることができる。予定の温度まで下がると、該冷凍循環ユニット12は運転を停止し、代わりに、該蓄冷器13は冷蔵櫃112に冷エネルギーを提供する。このようにして、貯蔵される食品の鮮度及び湿度を長時間維持するために、冷エネルギーを用いることができ、環境に放出する二酸化炭素を間接的に減少させることができる。そして、従来の蓄冷器とは異なり、本発明の混合型冷蔵櫃は、蓄冷器を凍結させるための冷凍ユニットや充電制御ユニットを更に必要としない。本発明で用いられる蓄冷器は、蓄冷器自身が冷蔵櫃112の内部を所望の湿度に維持する機能を備えることにより、冷蔵櫃内に貯蔵される食品の湿度又は鮮度を、より長時間維持できる。
【0029】
本発明の第1実施形態に係る混合型冷蔵櫃は、更に複数の温度検知器15を備える。各温度検知器15は、前記蓄冷室111及び前記冷蔵櫃112の冷蔵室114の内部のいずれかにそれぞれ設けられる。該温度検知器15は、コントローラ16を電気的に接続すると共に、該蓄冷室111及び該冷蔵室114の内部の温度を常に監視することにより、冷凍循環ユニット12をスタートさせるか又はストップさせるかを、温度検知器15から受ける信号に従って決定する。該温度検知器15は、一つ又は複数の蓄冷室111それぞれの温度を検知する一つ又は複数の第1の温度検知器151と、一つ又は複数の冷蔵室114それぞれの温度を検知する一つ又は複数の第2の温度検知器152と、冷凍循環ユニット12の蒸発器124の一方側に位置する第3の温度検知器153と、を含む。
【0030】
本発明の第1実施形態に係る混合型冷蔵櫃は、前記管路構成14の蓄冷室管路141及び冷蔵櫃管路142の管路上にそれぞれ設置される複数の弁体17を更に含む。該コントローラ16は、該温度検知器15の検知温度信号のフィードバックに従って、これらの複数の弁体17の開閉動作を制御し、前記蓄冷室111及び前記冷蔵室114の内部温度を制御することができる。前記弁体17は、蓄冷室管路141に配置される第1弁171と、冷蔵櫃管路142に配置される第2弁172と、前記冷蔵櫃112の冷蔵室114に配置される一つ又は複数の第3弁173と、を含む。
【0031】
図2に示す本発明の第1実施形態に係る混合型冷蔵櫃のフローチャートの見取図を参照する。混合型冷蔵櫃10では、電源がスタートすると、前記冷凍循環ユニット12は、スタートし、冷エネルギーを生成して、前記蓄冷室管路141を介して前記蓄冷室111へ冷エネルギーを提供し、また、前記冷蔵櫃管路142を介して前記冷蔵櫃112へ冷エネルギーを提供する。この時、該蓄冷室管路141に配置される第1弁171を開けると共に、前記冷蔵櫃管路142に配置される第2弁172を開ける。該蓄冷室111内の蓄冷器13が凍結し、その温度が第1の予定温度まで下がると、該第1の温度検知器151は、前記コントローラ16へ至る第1の信号を生成する。ここで、該コントローラ16は、例えばプログラマブルロジックコントローラである。該コントローラ16は、第2の信号を出力して前記第1弁171を閉める。該冷蔵櫃112が複数の冷蔵室114を含み、且つ隣接する該冷蔵室114の間に配置される該第2の風路115を開くために、第2の閉鎖素子117は移動する。これにより、前記冷蔵櫃112の冷蔵室114は互いに連通する。前記冷凍循環ユニット12が提供する冷エネルギーは、該冷蔵櫃管路142を介して前記冷蔵櫃112の各冷蔵室114に送られる。複数の冷蔵室114の温度がすべて第2の予定温度まで達した時に、各冷蔵室114内の第2の温度検知器152は、コントローラ16へ至る第3の信号を生成させる。該コントローラ16は、第4の信号を出力して第2弁172を閉めさせる。一方、該冷蔵櫃112内の温度が第3の予定温度まで上昇すると、該第2の温度検知器152は、該コントローラ16へ至る第5の信号を生成し、該冷蔵櫃112内の温度を所望の低温に維持するために、該コントローラ162は、第6の信号を出力して前記第1の閉鎖素子116を移動させる。これにより、該蓄冷室111と冷蔵櫃112との間の第1の風路113を開き、該蓄冷室111内の冷エネルギーは、第1の風路113及び第2の風路115を介して、前記冷蔵櫃112の各冷蔵室114へ下降する。該冷蔵室114内の温度は、ある時間内維持される。本実施形態では、各冷蔵室114は、対応する該第3弁173によって制御され、各冷蔵室114の温度を、異なる温度に維持することが出来る。本実施形態では、該蓄冷室111から提供される冷エネルギーは、上方の冷蔵室114から下方の冷蔵室114の順に下降する。そのため、距離に従って、下方に位置する冷蔵室114の温度は、上方に位置し且つ該蓄冷室111に近い冷蔵室114の温度よりも高い。この時、該冷凍循環ユニット12と該冷蔵室114との間の第3弁173は閉鎖されている。冷蔵室114は、該蓄冷器13によって冷却されている。そのため、冷蔵室114によって、保存温度が異なる食品を、異なる温度で別々に保存することができる。
【0032】
該冷凍循環ユニット12の蒸発器124の一方には、第3の温度検知器153が設けられる。第3の温度検知器153は、前記コントローラ16に電気的に接続している。該第3の温度検知器153は、前記蒸発器124から出る気体の温度を検知する。そのため、コントローラ16は、蓄冷室111及び冷蔵櫃112の温度をより正確に制御することができる。
【0033】
該蓄冷室111又は冷蔵室114の内部の温度が第4の予定温度に上昇することが検知されると、該蓄冷室111内の第1の温度検知器151は、該コントローラ16へ至る第7の信号を発生し、また、該冷蔵室114内の第2の温度検知器152は、該コントローラ16へ至る第8の信号を生成する。該コントローラ16は、該冷凍循環ユニット12を再びスタートさせる。該蓄冷室111又は/且つ冷蔵室114に、冷エネルギーは提供される。このようにして、貯蔵される食品の鮮度や湿度をより長時間維持するのに、冷エネルギーを用いることができる。また、コンプレッサのスタート及びストップの回数を減少することができ、環境に放出する二酸化炭素を減少させることができる。更に、従来の蓄冷器とは異なり、本発明の混合型冷蔵櫃は、蓄冷器を凍結させるための冷凍ユニットや充電制御ユニットを更に必要としない。本発明で用いられる蓄冷器は、蓄冷器自身が冷蔵櫃112の内部を所望の湿度に維持する機能を備えることにより、冷蔵櫃112内に貯蔵される食品の湿度又は鮮度を、より長時間維持できる。
【0034】
本発明の第1実施形態の構造設計に従って、例えば、該第1の予定温度を−18℃、該第2の予定温度を−12℃、該第3の予定温度を−5℃、該第4の予定温度を+5℃とする。本発明では、蓄冷器13を12時間凍結した状態で維持するように設定できる。
【0035】
〔第2実施形態〕
図3、
図4に示す本発明の第2実施形態に係る混合型冷蔵櫃の立体見取図及び断面側面図を参照する。本発明の第2実施形態に係る混合型冷蔵櫃は、図に示すように展示櫃20であってもよい。該展示櫃20は、展示エリア21と、冷凍循環ユニット22と、該展示エリア21と該冷凍循環ユニット22との間に配置される蓄冷室23と、を備える。該蓄冷室23は、前記展示エリア21の上方に位置すると共に、前記冷凍循環ユニット22の下方に位置する。該展示櫃20では、電源がスタートすると、該冷凍循環ユニット22は、スタートし、冷エネルギーを生成させる。該冷凍循環ユニット22は、コンプレッサ221と、凝縮器222と、膨張弁223と、蒸発器224とを備える。前記蒸発器224は、熱を吸収して冷エネルギーを生成する。前記凝縮器222は、放熱して熱エネルギーを発生させる。従って、展示櫃20は、冷エネルギーを受け取り、熱エネルギーを排出する。そのため、該蒸発器224は、密閉室225内に密閉され、外の環境から孤立している。更に、蒸発器224が生成する冷エネルギーは、ファン226によって、展示エリア21及び該展示櫃20の蓄冷室23に送られる。本実施形態を簡便に説明するため、冷凍循環ユニット22の公知技術の部分の説明は省略する。本発明の実施形態において、該蒸発器224を密閉する密閉室225は、一つ又は複数の第1通孔241を備えた第1の隔板24を介して、蓄冷室23と連通することができる。そして、該蓄冷室23は、一つ又は複数の第2通孔251を備えた第2の隔板25を介して、該展示エリア21と連通することができる。前記第1の隔板24と第2の隔板25との間には、前記蓄冷室23が形成される。
【0036】
前記展示櫃20は、展示エリアハウジング26を備える。また、該展示エリアハウジング26の内部であって後側寄りに、第3の隔板27が配置される。展示エリアハウジング26の内部であって第3の隔板27の背後に、気体通路271が形成される。該第3の隔板27は、前記展示エリア21と前記気体通路271とを連通するための複数の第3通孔272を有する。該気体通路271は、前記蒸発器224を密閉する密閉室225と連通することができるので、該冷凍循環ユニット22の蒸発器224が生成する冷エネルギーを、該気体通路271を介して展示エリア21へ、前記蓄冷室23とは独立に提供することができる。該蓄冷室23の内部には、一つ又は複数の蓄冷器231が配置される。該一つ又は複数の蓄冷器231を、該冷凍循環ユニット22が生成する冷エネルギーによって凍結することができる。それと同時に、該冷凍循環ユニット22が生成する冷エネルギーは、前記気体通路271及び第3通孔272を介して展示エリア21へも提供される。この時、展示エリア21内に配置され且つ展示される食品を、低温に保存することができる。
【0037】
本実施形態において、櫃体、展示エリアハウジング26、第1の隔板24、及び第2の隔板25のいずれもが、断熱パネルなど断熱材料で形成される。
【0038】
本実施形態では、展示櫃20は、コントローラ28と複数の温度検知器29とを更に含む。前記複数の温度検知器29は、それぞれ蒸発器224を密閉する密閉室225、該蓄冷室23、及び前記展示エリア21の内部に設置される。
【0039】
食品を保冷するために展示エリア21を用いる場合、該展示エリア21の温度と前記蓄冷室23内の温度とは異なる。従って、まず、前記気体通路271の閉鎖ドア273を閉じる。前記冷凍循環ユニット22は、前記蓄冷室23のみに冷エネルギーを提供する。前記蓄冷器231が凍結する。このとき、冷エネルギーは、前記第1の隔板24の第1通孔241を介して、前記蓄冷室23へ提供される。一方、前記第2の隔板25の第2通孔251は、第2の閉鎖素子252を用いて閉鎖される。該第2の閉鎖素子252には、第2の空気穴253が設けられる。モータ254が駆動して該第2の閉鎖素子252を移動させることで、該第2の空気穴253と第2通孔251とを、連通させ、又はずらすことができる。該第2の空気穴253と第2通孔251とを連通する時、蓄冷室23からの低温の気体は、前記第2の隔板25を通過して展示エリア21へ移動する。一方、該第2の空気穴253と第2通孔251とをずらす時、該蓄冷室23からの低温の気体は、展示エリア21へは通過できない。該蓄冷室23の内の温度検知器29は、該蓄冷室23の温度が第1の予定温度に下がるのを検知した時、該蓄冷室23の該蓄冷器231が凍結していると、表示する。これに応じて、温度検知器29は、コントローラ28へ至る信号を発生する。該コントローラ28は、前記第1の隔板24上に設置された第1の閉鎖素子242を制御して、該第1の隔板24の第1通孔241を閉める。該第1の閉鎖素子242には、第1の空気穴243が設けられる。モータ244が駆動して該第1の閉鎖素子242を移動させることで、該第1の空気穴243と第1通孔241とを、連通させ、又はずらすことができる。該第1の空気穴243と第1通孔241とを連通する時、前記冷凍循環ユニット22からの低温の気体は、前記第1の隔板24を通過して蓄冷室23へ移動する。一方、該第1の空気穴243と第1通孔241とをずらす時、前記冷凍循環ユニット22からの低温の気体は、蓄冷室23へは通過できない。コントローラ28が第1の隔板24を制御して閉じるとき、同時に、コントローラ28は、前記気体通路271の閉鎖ドア273を開ける。前記冷凍循環ユニット22からの冷エネルギーは、直接、前記展示エリア21へ提供される。前記展示エリア21の温度が第2の予定温度に下がることをこれに対応する温度検知器29が検知した時、該冷凍循環ユニット22と該気体通路271との間に位置する閉鎖ドア273は閉められる。該展示エリア21内の温度が第3の予定温度に上昇することをこれに対応する温度検知器29が検知すると、第2の閉鎖素子252は駆動され、第2の隔板25は開かれる。前記蓄冷室23内の蓄冷器231に蓄えられる冷エネルギーは、第2通孔251を介して展示エリア21へ降下する。よって、所定の時間の間、内部の食品の鮮度や湿度を維持するのに十分な温度や湿度に展示エリア21を維持することができる。そして、展示エリア21内又は蓄冷室23内の温度が第4の予定温度まで上昇することをこれに対応する温度検知器29が検知すると、該温度検知器29は、前記コントローラ28へ至る信号を発生させ、また、該コントローラ28は、前記冷凍循環ユニット22をスタートさせる。前記蓄冷室23又は展示エリア21へ、冷エネルギーが提供される。
【0040】
より好ましくは、展示される食品の鮮度や湿度を保つのに必要な温度に展示エリア21内の温度を維持できないレベルまで蓄冷室23内の温度が上昇した時、すぐに、コントローラ28は、前記気体通路271の閉鎖ドア273を開け、第2の閉鎖素子252を制御して第2通孔251を閉める。このようにして、該蓄冷室23内の温度を低下させると共に、該蓄冷器231を凍結させ、次に展示エリア21へ提供する冷エネルギーの準備をする。このようにして前記駆動サイクルを繰り返すことにより、貯蔵される食品の鮮度や湿度をより長時間維持するのに、冷エネルギーを用いることができる。また、コンプレッサ221のスタート及びストップの回数を減少することができ、環境に放出する二酸化炭素を減少させることができる。更に、従来の蓄冷器とは異なり、本発明の混合型冷蔵櫃は、蓄冷器を凍結させるための冷凍ユニットや充電制御ユニットを更に必要としない。本発明で用いられる蓄冷器は、蓄冷器自身が、展示エリア21の内部を所望の湿度に維持する機能を備えることにより、展示エリア21内に貯蔵される食品の湿度又は鮮度を、より長時間維持できる。
【0041】
本実施形態において、前記のコントローラ28は、各温度検知器29、閉鎖ドア273、第1の閉鎖素子242、第2の閉鎖素子252及びモータ244,254などと、電気的に接続することができる。該第1の閉鎖素子242及び該第2の閉鎖素子252の移動は、モータ244により制御される。
【0042】
〔第3実施形態〕
図5、
図6及び
図7に示す本発明の第3実施形態に係る混合型冷蔵櫃の立体見取図、断面側面図及び平面図を参照する。本発明の第3実施形態に係る混合型冷蔵櫃は、
図5に示す閉鎖型展示櫃と開放型展示櫃の混合体の展示櫃30であってもよい。該展示櫃30は、上展示エリア31と、下展示エリア32と、冷凍循環ユニット33と、該上展示エリア31と該冷凍循環ユニット33との間に配置される蓄冷室34と、を備える。該蓄冷室34は、前記上展示エリア31の上方に位置すると共に、前記冷凍循環ユニット33の下方に位置する。該展示櫃30では、電源がスタートすると、該冷凍循環ユニット33は、スタートし、冷エネルギーを生成する。該冷凍循環ユニット33は、コンプレッサと、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器331とを備える。前記蒸発器331は、熱を吸収して冷エネルギーを生成する。また、前記凝縮器は、放熱して熱エネルギーを発生させる。従って、展示櫃30は、冷エネルギーを受け取り、熱エネルギーを排出する。そのため、該蒸発器331は、密閉室332内に密閉される。冷エネルギーは、ファン333によって、上、下展示エリア31,32と,蓄冷室34とに送られる。本実施形態の冷凍循環ユニット33については、図には、蒸発器331のみが表されており、他の要素が省略されている。しかし、これは本実施形態を簡便に説明するためであり、他の要素を必要としないということではなく、また、冷凍循環ユニット33の公知技術の部分も説明しない。本発明の実施形態において、前記蒸発器331を密閉する密閉室332は、一つ又は複数の第3通孔342を備えた第3の隔板341を介して前記蓄冷室34と、連通することができる。また、前記蓄冷室34と前記上展示エリア31との間も、一つ又は複数の第4通孔344を備えた第4の隔板343を介して、連通することができる。前記上展示エリア31は、閉鎖型展示櫃体である。該上展示エリア31に、開閉可能な櫃ドア311が設けられる。櫃ドア311を開けることにより、冷凍食品又は生鮮食品を上展示エリア31から取り出したり、上展示エリア31に保存したりすることができる。前記下展示エリア32は、開放型展示櫃体である。該下展示エリア32に櫃ドアを設けてもよく、又は設けなくてもよい。前記下展示エリア32は、これに配置され且つ展示される食品を、新鮮に保つために必要な低温に維持することが出来る。
【0043】
図6に示すように、該展示櫃30は、それぞれ上、下展示エリア31,32のための上、下展示エリアハウジング35、36を含む。該上、下展示エリアハウジング35、36の内部であって後側寄りには、第5の隔板301が設けられる。該上、下展示エリアハウジング35、36の内部であって第5の隔板301の背後には、気体通路302が形成される。該第5の隔板301は、前記上、下展示エリア31、32と前記気体通路302とを連通するための複数の第5通孔303を有する。該気体通路302は、前記蒸発器331を密閉する密閉室332と連通することができる。そのため、該気体通路302は、前記冷凍循環ユニット33の蒸発器331が生成する冷エネルギーを、前記第3通孔342を介して前記蓄冷室34に提供し、また、前記気体通路302及び第5通孔303を介して前記上、下展示エリア31、32に、別々に提供することができる。該蓄冷室34の内部には、一つ又は複数の蓄冷器345が配置される。該蓄冷室34は、該一つ又は複数の蓄冷器345を、該冷凍循環ユニット33が生成する冷エネルギーによって凍結することができる。
【0044】
本実施形態においては、該展示櫃30は、更に、コントローラ37と複数の温度検知器38とを備える。前記複数の温度検知器38は、それぞれ前記蒸発器331の密閉室332、前記蓄冷室34及び前記上、下展示エリア31、32の内部に配置される。
【0045】
図7に示すように、前記下展示エリア32の内側の底全体には満遍なく、蓄冷器345が設けられてもよい。該蓄冷器345は、下展示エリア32の実寸に適合するよう、適宜なサイズを選択すればよい。従って、下展示エリア32の蓄冷器345の上に直接、生鮮食品を配置することによって、食品の鮮度や湿度を維持することができるという同様の効果が得られる。また、下展示エリア32に配置される該蓄冷器345が所定の時間を越えて使用されていた場合に、下展示エリア32に配置される温度検知器38が温度を検知することにより、該蓄冷器345を、他の十分に凍結された蓄冷器345と交換すればよい。本発明で用いる蓄冷器345は、10時間以上、使用状況に応じては20時間以上といった長時間持続的に、冷エネルギーを提供することができる。蓄冷液材料については絶え間なく新材料が開発されているため、現に20時間以上も冷エネルギーを提供することもほぼ可能となっている。従って、本発明の各実施形態においては、蓄冷器345と冷凍循環ユニット33とを交互に駆動させればよい。例えば、冷凍循環ユニット33が冷エネルギーを1日間提供し、蓄冷器が次の1日間提供すればよい。
【0046】
上展示エリア31に冷凍食品が配置され展示される場合、該上展示エリア31に必要な温度と該蓄冷室34内の温度とは異なる。従って、まず、気体通路302の閉鎖ドア304を閉鎖する。冷凍循環ユニット33は、前記蓄冷室34のみに冷エネルギーを提供し、該蓄冷器345を凍結する。このとき、冷凍循環ユニット33が生成する冷エネルギーは、前記第3の隔板341の第3通孔342を介して該蓄冷室34へ提供される。一方、前記第4の隔板343の第4通孔344は、前記第4の隔板343の上に形成される前記第4の閉鎖素子346を用いて閉鎖される。該第4の閉鎖素子346には、第4の空気穴350が設けられる。モータ351が駆動して第4の閉鎖素子346を移動させることで、該第4の空気穴350と第4通孔344とを、連通させ、又はずらすことができる。該第4の空気穴350と第4通孔344とを連通する時、該蓄冷室34からの低温の気体は、前記第4の隔板343を通過して、上、下展示エリア31,32へ移動する。一方、該第4の空気穴350と第4通孔とをずらす時、該蓄冷室34から前記第4の隔板343を通過して上、下展示エリア31,32へ移動する低温ガスは、ない。該蓄冷室34の内の温度検知器38は、前記蓄冷室34の温度が第1の予定温度に下がることを検知した場合、該蓄冷室34の該蓄冷器345が凍結していると、表示する。この時、コントローラ37は、該気体通路302の閉鎖ドア304を開けさせる信号を生成する。冷凍循環ユニット33から該上展示エリア31へ提供される冷エネルギーにより、該上展示エリア31に配置され且つ展示される食品を冷たい状態で維持するために適した内部温度に保たれる。該上展示エリア31内の温度が第2の予定温度に下がることをこれに対応する温度検知器38が検知した時、該温度検知器38は、該コントローラ37へ至る信号を生成する。該コントローラ37は、前記冷凍循環ユニット33をストップさせ、該気体通路302上の閉鎖ドア304を閉めさせると共に、第3の閉鎖素子347を制御して前記第3の隔板341上の第3通孔342を閉めさせる。該第3の閉鎖素子347には、第3の空気穴348が設けられる。モータ349が駆動して該第3の閉鎖素子347を移動させると、該第3の空気穴348は、第3通孔342と連通させたり、又はずらしたりすることができる。該第3の空気穴348と第3通孔342とを連通する時、該冷凍循環ユニット33からの低温の気体は、前記第3の隔板341を通過して該蓄冷室34へ移動する。一方、該第3の空気穴348と第3通孔342とをずらす時、該冷凍循環ユニット33から前記第3の隔板341を通過して該蓄冷室34へ降下する低温の気体は、ない。該コントローラ37は、信号を生成し、第4の閉鎖素子346を移動させて、該第4の隔板343上の第4通孔344を開けさせる。該上展示エリア31の温度が第3の予定温度まで上昇することをこれに対応する温度検知器38が検知した時、温度検知器38は、コントローラ37へ至る信号を生成する。コントローラ37は、該第4の閉鎖素子346を制御して開けさせる。該蓄冷室34内の蓄冷器345に蓄えられる冷エネルギーは、上展示エリア31に下降することが可能となる。よって、該上展示エリア31は、所定の時間の間、冷凍温度に維持される。上展示エリア31又は蓄冷室34内の温度が第4の予定温度まで上昇することをこれに対応する温度検知器38が検知した時、該冷凍循環ユニット33は、再びスタートし、冷エネルギーを生成する。上展示エリア31において保冷効果が維持されるように、該冷エネルギーは、該蓄冷室34又は上展示エリア31へ提供される。
【0047】
より好ましくは、上展示エリア31内の温度を所望の駆動温度に維持できないレベルまで蓄冷室34の温度が上昇した時、該温度検知器38は、該コントローラ37へ至る信号を生成する。該コントローラ37は、該気体通路302の閉鎖ドア304を閉鎖させ、更に該第4の閉鎖素子346を閉鎖する。該冷凍循環ユニット33から該蓄冷室34へ提供される冷エネルギーにより、蓄冷室34の温度を低下させ、蓄冷器345を凍結させ、次に上展示エリア31へ提供する冷エネルギーの準備をする。
【0048】
下展示エリア32は、生鮮食品を配置して展示するために一般に用いられる。該下展示エリア32の駆動温度に維持するために必要な冷エネルギーは、前記冷凍循環ユニット33から該気体通路302を介して、下展示エリア32へ直接提供される。前記駆動サイクルを繰り返すことにより、貯蔵される食品の鮮度や湿度をより長時間維持するのに冷エネルギーを用いることができる。また、コンプレッサ221のスタート及びストップの回数を減少することができる。更に、従来の蓄冷器とは異なり、本発明は、蓄冷器を凍結させるための冷凍ユニットや充電制御ユニットを更に必要としない。本発明で用いられる蓄冷器は、蓄冷器自身が展示エリアの内部を所望の湿度に維持する機能を備えることにより、展示エリア内に貯蔵される食品の湿度又は鮮度をより長時間維持できる。
【0049】
前記下展示エリア32は、その内側の底全体に配置される複数の蓄冷器345を備える。前記下展示エリア32に、冷エネルギー及び湿度が提供される。
【0050】
前記コントローラ37は、各温度検知器38、閉鎖ドア304、第3の閉鎖素子347及び第4の閉鎖素子346などと、電気的に接続することができる。
【0051】
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態に係る混合型冷蔵櫃は、内部に電池を備え、冷蔵櫃内部の温度を制御するためのいくつかの素子を電池により駆動することが出来る点以外は、第1乃至第3実施形態に係る混合型冷蔵櫃のいずれかと同じ構造をしている。なお、電池は、該素子それぞれに内蔵されていてもよい。電池と該素子それぞれとは、電気的に接続されていてもよい。
【0052】
最初に、第1実施形態に係る混合型冷蔵櫃10を例に説明する。前述の通り、
図1に示す混合型冷蔵櫃10では、温度検知器15が配置される空間の温度を検知して、温度検知器15は、コントローラ16へ至る信号を生成する。コントローラ16は、該信号に基づいて、温度の制御を行っている。
図2に示す通り、最初、混合型冷蔵櫃10では、電源がスタートすると、冷凍循環ユニット12を駆動させる。しかし、蓄冷器が第1の予定温度に達して、第1弁が閉じられ、冷蔵櫃112が第2の予定温度に達して、第2弁を閉じられると、冷凍循環ユニット12をストップする。
【0053】
冷凍循環ユニット12がストップすると、混合型冷蔵櫃10が消費する電力は、大幅に低減する。本実施形態に係る混合型冷蔵櫃10は、内部に電池を備えており、外部と接続する電源に代えて、内部の電池を用いることによって、冷蔵櫃112の内部の温度を制御することができる。前述の通り、混合型冷蔵櫃10は、蓄冷器13を12時間凍結した状態で維持することが出来る。この期間は、電池による駆動により冷蔵櫃112の内部の温度を制御が可能である。よって、この期間、外部から電力の供給を受ける必要がないので、混合型冷蔵櫃10を移動式とすることが可能である。また、外部から電源が供給される場合であっても、電力の需要が高まる時間帯(ピークタイム)には、電池による駆動に切り替えることにより、ピークタイムにおける外部からの電力の消費を低減することができる。
【0054】
本実施形態に係る混合型冷蔵櫃10では、第1弁171及び第2弁172が閉じられると、電源をストップさせて、電池による駆動に切り替える。ここでは、コントローラ16と、第1の温度検知器151と、第2の温度検知器152と、第1の閉鎖素子116(モータ118)と、第2の閉鎖素子117(モータ118)と、が電池に接続されている。説明を簡単にするために、ここでは、第2の閉鎖素子117がすべて開けられており、最上層の冷蔵室114に配置される第2の温度検知器152と、第1の閉鎖素子116とのみを用いて、最上層の冷蔵室114の内部の温度を調整する場合を説明する。前記冷蔵櫃112(最上層の冷蔵室114)の内部の温度に、上限設定温度及び下限設定温度を設定する。第2の温度検知器152が前記冷蔵櫃112の内部の温度が上限設定温度に達するのを検知すると、該第2の温度検知器152は、該コントローラ16へ至る信号を生成し、該コントローラ16は、第1の閉鎖素子116を開く。蓄冷器13から、冷エネルギーは、第1の風路113を介して冷蔵櫃112に提供され、冷蔵櫃112の内部の温度は、低下する。第2の温度検知器152が前記冷蔵櫃112の内部の温度が下限設定温度に達するのを検知すると、該第2の温度検知器152は、該コントローラ16へ至る信号を生成する。該コントローラ16は、第1の閉鎖素子116を閉じる。これを繰り返すことにより、冷蔵櫃112の内部の温度は所定の範囲に維持される。なお、第1の温度検知器151は、蓄冷室111の温度が所定の温度(例えば、第4の予定温度)まで上昇したことを検知すると、コントローラ16へ至る信号を生成する。該コントローラ16は、電池による駆動から電源による駆動に切り替える、又は、エラー表示をするなどの制御を行う。蓄冷室111の蓄冷器13の冷凍状態が十分に持続することが明らかな場合など、蓄冷室111の温度を検知する必要がない場合には、第1の温度検知器151を電池により駆動させる必要はない。
【0055】
各冷蔵室114に配置される第2の温度検知器152と第2の閉鎖素子117とを更に用いることにより、各冷蔵室114を異なる温度で調整することができる。隣接する2つの冷蔵室114において、下側の冷蔵室114の温度は、上側の冷蔵室114の温度よりも高い。隣接する2つの冷蔵室114の間に配置される第2の閉鎖素子117を開くと、上側の冷蔵室114から下側の冷蔵室114へ第2の風路115を介して、冷エネルギーは提供される。よって、下側の冷蔵室114の内部の温度に、上記説明と同様に、上限設定温度と下限設定温度とを設定する。該冷蔵室114に配置される第2の温度検知器152が内部の温度が上限設定温度に達するのを検知すると、該コントローラ16は、該第2の閉鎖素子117を開く。上側の冷蔵室114からの冷エネルギーは、該第2の風路115を介して供給される。第2の温度検知器152が、温度が下限設定温度に達することを検知すると、該コントローラは、該第2の閉鎖素子117を閉じる。なお、第1弁171及び第2弁172が更に電池による駆動が可能であってもよい。停電などにより、外部からの電力の供給が停止すると、コントローラ16は、それを検知し、第1弁171及び第2弁172を閉める。これにより、停電が発生した時であっても、蓄冷器13に蓄冷される冷エネルギーによって、冷蔵櫃112の内部の温度の上昇を防ぐことができる。
【0056】
前述の通り、第2実施形態に係る混合型冷蔵櫃(展示櫃20)のいくつかの素子は、電池により駆動されてもよい。気体通路271の閉鎖ドア273を閉じ、第1の閉鎖素子242を閉じると、電源をストップさせて、電池による駆動に切り替える。ここでは、コントローラ28と、蓄冷室23及び展示エリア21に配置される温度検知器29と、第2の閉鎖素子252(モータ254)と、が電池に接続されている。展示エリア21の内部の温度に、上記説明と同様に、上限設定温度と下限設定温度とを設定する。温度検知器29が、展示エリア21の内部の温度が上限設定温度に達するのを検知すると、該コントローラ28は、該第2の閉鎖素子252を開く。蓄冷室23からの冷エネルギーは、第2の隔板25を介して供給される。温度検知器29が、展示エリア21の内部の温度が下限予定温度に達するのを検知すると、該コントローラ28は、該第2の閉鎖素子252を閉じる。
【0057】
前述の通り、第3実施形態に係る混合型冷蔵櫃(展示櫃30)のいくつかの素子は、電池により駆動されてもよい。気体通路302の閉鎖ドア304を閉じ、第3の閉鎖素子347(第3の隔板341)を閉じると、電源をストップさせて、電池による駆動に切り替える。ここでは、コントローラ37と、蓄冷室34及び上,下展示エリア31,32に配置される温度検知器38と、第4の閉鎖素子346(モータ351)と、が電池に接続されている。例えば、上展示エリア31の内部の温度に、上記説明と同様に、上限設定温度と下限設定温度とを設定する。温度検知器38が、上展示エリア31の内部の温度が上限設定温度に達するのを検知すると、該コントローラ37は、該第4の閉鎖素子346を開く。蓄冷室34からの冷エネルギーは、第4の隔板343を介して供給される。温度検知器38が、上展示エリア31の内部の温度が下限予定温度に達するのを検知すると、該コントローラ37は、該第4の閉鎖素子346を閉じる。
【0058】
以上をまとめると、本発明に係る混合型冷蔵櫃では、冷凍循環ユニットと蓄冷器とが交互に駆動して冷エネルギーを提供することにより、連続的でより長時間、冷凍効果や冷却効果を達成することができる。コンプレッサ221のスタート及びストップの回数を減少させて、環境へ放出される二酸化炭素を間接的に減少させることができる。従来の蓄冷器とは異なり、本発明の混合型冷蔵櫃は、蓄冷器を凍結させるための冷凍ユニットや充電制御ユニットを更に必要としない。本発明で用いられる蓄冷器は、蓄冷器自身が混合型冷蔵櫃の内部を所望の湿度に維持する機能を備えることにより、混合型冷蔵櫃の内に貯蔵される食品の湿度又は鮮度をより長時間維持できる。また、以上の実施形態においては、蓄冷器を用いる場合を例として説明したが、蓄熱器を用いるものであってもよい。
【符号の説明】
【0059】
10:混合型冷蔵櫃、11:櫃体、111:蓄冷室、112:冷蔵櫃、113:第1の風路、114:冷蔵室、115:第2の風路、116:第1の閉鎖素子、117:第2の閉鎖素子、118:モータ、12:冷凍循環ユニット、121:コンプレッサ、122:凝縮器、123:膨張弁、124:蒸発器、125:密閉空間、13:蓄冷器、14:管路構成、141:蓄冷室管路、142:冷蔵櫃管路、15:温度検知器、151:第1の温度検知器、152:第2の温度検知器、153:第3の温度検知器、16:コントローラ、17:弁体、171:第1弁、172:第2弁、173:第3弁、20:展示櫃、21:展示エリア、22:冷凍循環ユニット、221:コンプレッサ、222:凝縮器、223:膨張弁、224:蒸発器、225:密閉室、226:ファン、23:蓄冷室、231:蓄冷器、24:第1の隔板、241:第1通孔、242:第2の閉鎖素子、243:第1の空気穴、244:モータ、25:第2の隔板、251:第2通孔、252:第2の閉鎖素子、253:第1の空気穴、254:モータ、26:展示エリアハウジング、27:第3の隔板、271:気体通路、272:第3通孔、273:閉鎖ドア、28:コントローラ、29:温度検知器、30:展示櫃、301:第5の隔板、302:気体通路、303:第5通孔、304:閉鎖ドア、31:上展示エリア、311:櫃ドア、32:下展示エリア、33:冷凍循環ユニット、331:蒸発器、332:密閉室、333:ファン、34:蓄冷室、341:第3の隔板、342:第3通孔、343:第4の隔板、344:第4通孔、345:蓄冷器、346:第4の閉鎖素子、347:第3の閉鎖素子、348:第3の空気穴、349:モータ、350:第4の空気穴、351:モータ、35:上展示エリアハウジング、36:下展示エリアハウジング、37:コントローラ、38:温度検知器