特許第6114047号(P6114047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フォード グローバル テクノロジーズ、リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許6114047-パワートレインモジュール 図000002
  • 特許6114047-パワートレインモジュール 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114047
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】パワートレインモジュール
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/40 20071001AFI20170403BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20170403BHJP
   B60K 6/547 20071001ALI20170403BHJP
   B60K 6/36 20071001ALI20170403BHJP
   B60K 6/387 20071001ALI20170403BHJP
   B60K 17/02 20060101ALI20170403BHJP
   F16D 25/0638 20060101ALI20170403BHJP
   F16C 19/06 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   B60K6/40ZHV
   B60K6/48
   B60K6/547
   B60K6/36
   B60K6/387
   B60K17/02 F
   F16D25/0638
   F16C19/06
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-16738(P2013-16738)
(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公開番号】特開2013-154871(P2013-154871A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2015年7月31日
(31)【優先権主張番号】13/362,018
(32)【優先日】2012年1月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503136222
【氏名又は名称】フォード グローバル テクノロジーズ、リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴ アナトール フレイト
(72)【発明者】
【氏名】キース エー.デブロー
【審査官】 佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−213189(JP,A)
【文献】 米国特許第05931271(US,A)
【文献】 特開2006−137406(JP,A)
【文献】 特開2001−213179(JP,A)
【文献】 特開2010−105615(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0109461(US,A1)
【文献】 特開2011−126460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/40
B60K 6/36
B60K 6/387
B60K 6/48
B60K 6/547
B60K 17/02
F16C 19/06
F16D 25/0638
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
前記入力部を支持する第1バルクヘッドと、
ロータハブと、
前記第1バルクヘッドに接続されたステータと、前記ロータハブに接続されたロータとを含む電動機械と、
前記入力部と前記ロータとの間の駆動接続を交互に開閉するクラッチと、
前記ロータハブに支持され、前記クラッチを作動させるサーボ機構と、
前記入力部の回転を支える第2バルクヘッドとを備え
前記ロータハブは、
前記ロータに固定された管と、
前記管に固定されるとともに、第1ベアリングによって前記第1バルクヘッドに支持されて回転する第1脚部と、
前記管に固定されるとともに、第2ベアリングによって前記第2バルクヘッドに支持されて回転する第2脚部とをさらに含み、
前記第1バルクヘッドおよび前記第1脚部に固定され、前記第1バルクヘッドと前記第2バルクヘッドとの間に位置するレゾルバをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記ロータハブに接続されるとともに、トルクコンバータケースに接続可能なフレックスプレートをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項3】
請求項2に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記ロータハブ上に形成された第1スプライン歯と、
前記フレックスプレート上に形成され、前記第1スプライン歯と係合可能な第2スプライン歯とをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項4】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記入力部に接続されるとともに、エンジン出力部に接続可能なねじりダンパをさらに備え、上記ねじりダンパは、前記エンジン出力部と前記入力部との間のトルク伝達経路に位置することを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項5】
請求項に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記入力部に固定されたクラッチハブをさらに備え、
前記クラッチは、
前記クラッチハブに固定された複数の第1クラッチ板と、
前記管に固定された複数の第2クラッチ板とをさらに含み、
前記サーボ機構は、
前記入力部に支持されて、前記クラッチハブによって形成されたシリンダ内で移動可能であり、前記第1および第2クラッチ板を互いに摩擦係合させることによって前記クラッチを係合させるピストンと、
前記ピストンを前記第1および第2クラッチ板から離して前記第1および第2クラッチ板の係合を互いに解消させることによって前記クラッチを切り離すリターンスプリングとをさらに含むことを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項6】
請求項に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記入力部に支持され、前記シリンダの近傍に位置するバランスダムをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項7】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記第1バルクヘッドに嵌合されて前記入力部の回転を支えるベアリングをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項8】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記ロータハブは、前記サーボ機構と油圧によって連通する複数のラインをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項9】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記第2バルクヘッドは、
油圧油を収納する油溜めと、
ソレノイド作動弁と、
前記ソレノイド作動弁と油圧によって連通する複数のラインとをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項10】
入力部と、
前記入力部を支持する第1バルクヘッドと、
ロータハブと、
前記入力部に固定されたクラッチハブと、
前記第1バルクヘッドに接続されたステータと、前記ロータハブに接続されたロータとを含む電動機械と、
前記入力部と前記ロータとの間の駆動接続を交互に開閉するクラッチと、
前記ロータハブに支持され、前記クラッチを作動させるサーボ機構と、
前記入力部の回転を支える第2バルクヘッドとを備え
前記ロータハブは、
前記ロータに固定された管と、
前記管に固定されるとともに、第1ベアリングによって前記第1バルクヘッドに支持されて回転する第1脚部と、
前記管に固定されるとともに、第2ベアリングによって前記第2バルクヘッドに支持されて回転する第2脚部とをさらに備え、
前記第1バルクヘッドおよび前記第1脚部に固定され、前記第1バルクヘッドと前記第2バルクヘッドとの間に位置するレゾルバをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項11】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記ロータハブに接続されるとともに、トルクコンバータケースに接続可能なフレックスプレートをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項12】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記入力部に接続されるとともに、エンジン出力部に接続可能なねじりダンパをさらに備え、上記ねじりダンパは、前記エンジン出力部と前記入力部との間のトルク伝達経路に位置することを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項13】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記クラッチは、
前記クラッチハブに固定された複数の第1クラッチ板と、
前記管に固定された複数の第2クラッチ板とをさらに含み、
前記サーボ機構は、
前記入力部に支持されて、前記クラッチハブによって形成されたシリンダ内で移動可能であり、前記第1および第2クラッチ板を互いに摩擦係合させることによって前記クラッチを係合させるピストンと、
前記ピストンを前記第1および第2クラッチ板から離して前記第1および第2クラッチ板の係合を互いに解消させることによって前記クラッチを切り離すリターンスプリングとをさらに含むことを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項14】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記入力部に支持され、前記シリンダの近傍に位置するバランスダムをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項15】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記ロータハブは、前記サーボ機構と油圧によって連通する複数のラインをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【請求項16】
請求項1に記載のパワートレインモジュールにおいて、
前記第2バルクヘッドは、
油圧油を収納する油溜めと、
ソレノイド作動弁と、
前記ソレノイド作動弁と油圧によって連通する複数のラインをさらに備えることを特徴とするパワートレインモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド電気自動車用パワートレインに関し、特に、エンジン出力部と変速機入力部との間に設置・固定が可能なパワートレインモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehcle, HEV)は内燃エンジンと電動機械とを備えており、それらを交互にあるいは組み合わせて用いることによって車両を推進させる。ハイブリッド自動車に使用されるパワートレインには様々な種類があり、例えば、モータが自動パワートランスミッションのトルク変換入力部を駆動しているときに、エンジンが切離しクラッチによってモータに接続されるパラレル方式などがある。この変速機の出力部は、車両の従動二輪に連結された差動装置に接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
数あるエンジンのうちの一エンジンの出力部と数ある変速機のうちの一変速機の入力部との間にモジュールを設置・固定できるようにするために、様々なエンジンや変速機に使用できるモジュール式組立部品を備えたハイブリッド電気パワートレインが業界で求められている。この構成によると、組立て後のパワートレインは様々な車両に使用できる。モジュールは、油圧作動式の切離しクラッチ、電動機械、およびエンジンと電動機械とを結んで変速機入力部に至る適切なパワー経路を備えるべきである。モジュールは、変速機の油圧系統から、クラッチ、バランスダム、および電動機械へ油圧式伝達を提供するのが好ましい。モジュールは、当該モジュールに送られる油圧油を収納する油溜めと、その油圧油を変速機の油溜めに継続的に戻すことで、変速機ポンプに継続的に確実に油圧油を供給するための経路とを必ず備える。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造及び組立てが低コストで行われ、車体の改変を必要とせず、信頼性のあるパワートレインモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
パワートレインモジュールは、入力部と、前記入力部の回転を支える第1バルクヘッドと、ハブと、前記第1バルクヘッドに接続されたステータと前記ハブに接続されたロータとを含む電動機械と、前記入力部と前記ロータとの間の駆動接続を交互に開閉するクラッチと、前記入力部の回転を支える第2バルクヘッドとを備える。
【0006】
トルクコンバータケースは、電動機械が稼働しておらずクラッチが係合している場合は、エンジンだけで駆動可能である。エンジンが稼働していない、または、稼働中のエンジンとクラッチとが切り離されている場合は、電動機械だけで駆動可能である。また、エンジンと電動機械の両方で同時に駆動可能である。
【0007】
好ましい実施形態の適用範囲は、以下の詳細な説明、請求項、および図面から明らかになるであろう。説明と具体例は、発明の好ましい実施形態を示すものだが、例示のためだけに行われることを理解すべきである。記載された実施形態と実施例への様々な変更や修正は当業者にとって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パワートレインモジュールとエンジン出力部との前方接続を示す側方断面図である。
図2】パワートレインモジュールと変速機のトルクコンバータ入力部との後方接続を示す側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0010】
図1及び図2は、ロータリー出力部12を備えたエンジンを搭載したハイブリッド電気自動車用パワートレインのモジュール10と、前記エンジン出力部12に固定されたねじりダンパ14と、ダンパ14の出力部20にスプライン18で固定された入力シャフト16と、スプライン26によって入力シャフト16に固定されたクラッチハブ24に支持された切離しクラッチ22と、前方バルクヘッド32にボルト留めされたステータ30、および、第1脚部36と第2脚部38とで支持されて軸39を中心に回転するロータ34を備えた電動機械28と、第2脚部38に好ましくは溶接部によって固定されたロータハブ40と、一端をスプライン接続部44によってロータハブ40に固定され、他端を複数のボルト46によってトルクコンバータケース48に固定されたフレックスプレート42とを示している。上記トルクコンバータケース48には、流体動力式のトルクコンバータ49が入っている。上記電動機械28は電動モータまたは電動モータ発電機でもよい。
【0011】
パワートレインでの使用に適したトルクコンバータは、米国特許出願番号13/325、101(出願日2011年12月14日)に開示され、当該米国特許出願の図4a、4b、5、12および15を参照しながら説明されている。当該米国特許出願の全開示を本明細書に援用する。
【0012】
上記トルクコンバータ49は、ケース48内に位置し当該ケース48に固定された羽根付インペラーホイールと、前記インペラーによって流体動力的に駆動され、自動変速機54の入力シャフト52にスプライン50で固定された羽根付タービンと、前記タービンとステータとの間に位置するとともに、ステータシャフト56に固定された羽根付ステータホイールとを備えている。ステータシャフト56は、回転に逆らうように変速機筐体58に保持されている。
【0013】
複数のボルト62によって変速機筐体58に固定された後方バルクヘッド60は、その径方向内面に油圧シール64が密着している。この油圧シール64は、ロータハブ40の径方向外面に接している。
【0014】
複数のボルト68によってエンジンのロータリー出力部12に固定されたフライホイール66にはエンジン始動ギア70が保持されている。このエンジン始動ギア70は、始動ギアとフライホイールとに溶接されたディスク72によって固定されている。
【0015】
ベアリング74は、前方バルクヘッド32において回転する前記第1脚部36を支持する。ベアリング76は、ロータハブ40において回転する前記第2脚部38を支持する。前記軸39と平行に並び、この軸を中心とするロータ34の回転を支える管78は、前記第1脚部36と第2脚部38とに固定されている。前記管78の前端と後端にそれぞれ位置する唇部80、82は、径方向外方に延びるように設けることでロータ34を管78に固定し、ロータ34が管78に対して軸方向に変位することを防止するようにしてもよい。前記管78の内面は軸方向スプライン80からなり、この軸方向スプライン80は脚部36、38および切離しクラッチ22の交互の板83と係合する。クラッチ22の複数の摩擦板84は、クラッチハブ24の径方向外面に形成された軸方向スプラインによって固定されている。
【0016】
前記クラッチ22を作動させる油圧式サーボ機構は、ピストン86と、バランスダムと、リターンスプリング90と、作動圧を、ピストン86の右側に位置する圧力制御室92と該ピストンの左側に位置する圧力バランス室94とに送る複数の油圧ラインとを備える。ピストン86は、作動圧と油圧油が圧力制御室92に供給されるときに、シール151、152を使用して、後方脚部38によって形成されたシリンダ内を左に移動する。その結果、クラッチ22が係合し、ダンパ14、入力シャフト16、クラッチハブ24およびクラッチ22を介して、ロータ34とエンジン出力部12とが駆動可能に接続される。
ピストン86と、バランスダム88と、リターンスプリング90とはロータハブ40に支持されているので、ピストン86、バランスダム88、およびリターンスプリング90の回転慣性は出力部側に、つまり、クラッチ22のロータ側に位置する。
【0017】
ロータ34は、後方脚部38、ロータハブ40、フレックスプレート42、トルクコンバータケース48、および、トルクコンバータインペラーとスプライン50によって変速機入力シャフト52に接続されたタービンとの間の流体駆動接続部からなるトルク経路を介して、変速機入力シャフト52に連続的に駆動可能に接続されている。
【0018】
レゾルバ100は、回転角を測定するための高性能タイプの回転機械であり、複数のボルト102によって前記前方バルクヘッド32に固定されるとともに、前方バルクヘッド32と第1脚部に支持され、また、前方バルクヘッド32と後方バルクヘッド60との軸方向間に位置する。
【0019】
スプライン44はフレックスプレート42とロータハブ40との間を回転駆動接続するが、スプライン44の歯は、フレックスプレートとロータハブとの間でトルクが伝達される際に激しく打ち当たることのないように互いに嵌合している。フレックスプレート42には、ウェブ108で終わるねじ穴106を持つ厚壁部104が形成されている。フレックスプレート42の外側スプライン歯は、ロータハブ40の右側端部でねじ穴と螺合する複数のボルト110によって、ロータハブ40の内側スプライン歯と軸方向に係合されている。スプライン接続部44において係合しているスプライン歯は、ボルト110を取り除き、より大きなボルトをウェブに接触するように穴106に通してフレックスプレートを軸方向右側に移動させることで、係合が解消する。
【0020】
ロータハブ40には軸方向に延びる複数の油圧通路120と、側方に延びる通路122、124、126、128、129とが形成されている。これら側方に延びる通路は、油圧油と圧力を変速機54の油圧系統からモジュール10に運ぶ。油圧油と圧力は、通路122、124、126、128、129によって、クラッチ22のサーボ機構の圧力制御室92(ピストン86の右側に位置する)、バランスダム88とピストンとの間の圧力バランス室94、可変力ソレノイド(VFS)130、およびロータ34とステータ30の表面などへと運ばれる。これら表面は油圧油によって冷却される。後方バルクヘッド60には通路128が形成され、この通路128はVFS130と油圧によって連通する。
【0021】
後方バルクヘッド60は、変速機54の油圧系統からモジュール10に供給された油圧油を収納する油溜め132を支持している。変速機54は、変速機ポンプ134によって変速機油圧系統へ供給された油圧油を収納する油溜め136を含む。この変速機油圧系統から、油圧油と制御圧が、モジュール10、トルクコンバータ49、変速機クラッチ、およびブレーキ、ベアリング、シャフト、ギアその他へ供給される。
【0022】
前方バルクヘッド32に嵌合するベアリング140と、ロータハブ40に嵌合するベアリング142とは、軸39を中心に回転する入力シャフト16を支持する。前方バルクヘッド32は、ロータ34を基準にした軸方向および径方向の適切な場所においてステータ30も支持する。後方バルクヘッド60とロータハブ40との間に嵌合するベアリング76とベアリング142とは、軸39を中心に回転するロータハブ40を支持する。前方および後方バルクヘッド32、60は、バルクヘッド32に嵌合するベアリング74と、バルクヘッド60に嵌合するベアリング76とによって、軸39を中心に回転するロータ34を共に支持している。
【0023】
後方バルクヘッド60に嵌合するシール64と前方バルクヘッド32に嵌合するシール140とは、前方バルクヘッド32と後方バルクヘッド60との間に位置するモジュール10から油圧油が通過するのを防止する。別の運動用シール144は、エンジンコンパートメント146とモジュール10との間を汚染物質が通過するのを防止する。
【0024】
モジュール10の構成要素は、設置されてモジュールに組立てられる。組立て後のモジュールは、エンジン出力部12とトルクコンバータケース48との間に設置・接続することができる。
【0025】
運転時において、エンジンによってエンジン出力部12が駆動されると、クラッチ22が係合している場合には、トルクがロータハブ40およびフレックスプレート42を介してエンジンからトルクコンバータケース48に伝えられる。電動機械28のロータ34は、管78、脚部38、ロータハブ40およびフレックスプレート42を介して、連続的に駆動可能にトルクコンバータケース48に接続されている。従って、トルクコンバータケース48は、電動機械28が稼働しておらずクラッチ22が係合している場合には、エンジンだけで駆動可能である。エンジンが稼働していない、または、稼働中のエンジンとクラッチとが切り離されている場合は、電動機械だけで駆動可能である。また、エンジンと電動機械の両方で同時に駆動可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明に係るパワートレインモジュールは、製造及び組立てが低コストで行われ、車体の改変を必要とせず、信頼性のある用途等に適用することができる。
図1
図2