【実施例1】
【0017】
<インクジェット印刷装置の構成>
本発明の一実施形態では、搬送ローラの回転駆動により循環搬送路を搬送された用紙に対して、画像情報や文字情報等の印刷データに基づいてインクジェットヘッドのノズルから黒またはカラーのインクを吐出して画像や文字などを印刷するインクジェット印刷装置を例に挙げて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置の概要を示す図である。
【0019】
図1に示すように、インクジェット印刷装置100は、CPU等が配置されたコントローラ基板等で構成される制御部10と、ユーザの操作に基づいて、例えば、メニューを表示したり、印刷開始等の各種操作を要求する操作信号を制御部10へ供給したりする操作パネル50とを備えている。
【0020】
また、インクジェット印刷装置100は、用紙Pの供給を行う給紙機構として、筐体側面の外部に露出したサイド給紙台320と、筐体内部に設けられた複数の給紙トレイ(330a、330b、330c、330d)とを備えている。
【0021】
そして、サイド給紙台320および給紙トレイ330のいずれかの給紙機構から1枚ずつ給紙された用紙Pは、ローラ等の駆動機構によって筐体内の給紙搬送路FR(図中の黒太線)に沿って搬送され、レジスト部Rgに導かれる。ここでレジスト部Rgは、用紙Pの先端の位置あわせと斜行修正を行うために設けられており、1対のレジストローラ350を備えて構成される。給紙された用紙Pはレジスト部Rgで斜行補正のため一時停止し、所定のタイミングで印字機構方向に搬送される。
【0022】
そのため、搬送方向におけるレジスト部Rgの手前には、給紙された用紙Pの搬送経路と、一方の面が印刷された用紙Pが循環して搬送されてくる経路とが合流する合流地点が存在する。この合流地点を基準に、給紙機構側の経路を給紙搬送路FRと称し、それ以外の経路を循環搬送路CRと称している。
【0023】
循環搬送路CR上のレジスト部Rgのさらに搬送方向側には、複数本のインクジェットヘッド130が設けられており、レジスト部Rgから順に、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の順に配置されている。なお、色順はこの順に限定されることなく、各ユーザが最適な順を適宜設定すれば良い。印刷用紙は、インクジェットヘッド130の対向面に設けられた環状の搬送ベルト360によって印刷条件により定められる速度で搬送されながら、各インクジェットヘッド130から吐出されたインクによりライン単位で印刷される。インクジェットヘッド130は請求項の印刷手段に相当する。
【0024】
循環搬送路CR上のレジスト部Rgとインクジェットヘッド130との間には、用紙検出部110が設けられている。
【0025】
用紙検出部110は、用紙Pの搬送方向と直交する方向に、撮像素子が複数列設されたスキャナ(CIS:Contact Image Sensor)を有しており、このスキャナの出力により用紙Pの汚れを検出する。また、用紙検出部110は、インクジェットヘッド130に搬送される用紙Pの搬送方向と直行する方向の端部とその位置を検出し、制御部10に出力する。この検出結果に基づき、制御部10により印刷処理に使用するインクジェットヘッド130のノズルが決定される。また、用紙検出部110は、用紙Pの搬送方向先端部を検知し、インクジェットヘッド130による記録開始のタイミング調整に用いることや、用紙先端に角折れがあるか否かを検知することもできる。
【0026】
搬送ベルト360の内側には吸引ファン370が設けられている。搬送ベルト360の表面には多数の通気孔が形成されており、吸引ファン370の回転によって生じる吸引力で、印刷用紙は搬送ベルト360に吸着されて搬送される。
【0027】
印刷済の用紙Pは、さらに、循環搬送路CRに複数箇所設けられた搬送ローラ390等の駆動機構によって筐体内を搬送される。
【0028】
搬送ローラ390は、駆動源となる駆動モータ(図示しない)と機械的に接続され、駆動モータの駆動により回転駆動する駆動ローラ390aと、駆動ローラ390aと圧接することにより回転する従動ローラ390bとを備えており、駆動ローラ390aと従動ローラ390bとが圧接して回転することにより、用紙Pが循環搬送路CR上を所定の搬送速度で搬送される。
【0029】
そして、用紙Pの片側の面のみに印刷を行う片面印刷の場合は、そのまま排紙口340に導かれて排紙され、排紙口340の受台として設けられた排紙台345に印刷面を下にして積載される。排紙台345は、筐体から突出したトレイ形状をしており、ある程度の厚みを有している。排紙台345は傾斜しており、傾斜の下位置に形成された壁により、排紙口340から排紙され、傾斜に沿って滑落する用紙Pが自然に整えられて重なっていくようになっている。
【0030】
用紙Pの両面に印刷を行う両面印刷の場合は、表面(最初に印刷される面を「表面」、次に印刷される面を「裏面」とする)印刷終了時には排紙口340に導かれずに、さらに筐体内を搬送される。このため、インクジェット印刷装置100は、裏面印刷用に搬送路を切り替えるための切替機構380を備えている。切替機構380によって排紙口340に導かれなかった用紙Pは、スイッチバック経路SRに引き込まれ、スイッチバックを行ない、搬送路に対して表裏が反転する。そして、ローラ等の駆動機構によって再度レジスト部Rgに導かれ、斜行補正のため一時停止する。その後、所定のタイミングで印字機構方向に搬送され、表面と同様の手順によって裏面の印刷が行なわれる。裏面の印刷が行なわれ、両面に画像が形成された用紙Pは、再度、循環搬送路CRに複数箇所設けられた搬送ローラ390等の駆動機構によって筐体内を搬送される。
【0031】
このとき、各インクジェットヘッド130から用紙Pに吐出されたインクが搬送ローラ390等に転写される場合がある。そして、搬送ローラ390に転写されたインクが、次に搬送される用紙Pに再転写されると、用紙Pが汚れることになる。
【0032】
搬送ローラ390により搬送された用紙Pは、排紙口340に導かれて排紙され、排紙口340の受台として設けられた排紙台345に積載されていく。
【0033】
<インクジェット印刷装置100の機能構成>
次に、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置100の機能構成について説明する。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置100の機能構成を示した図である。
【0035】
図2に示すように、インクジェット印刷装置100は、制御部10と、操作パネル50と、レジスト部Rgのレジストローラ350と、用紙検出部110と、搬送ローラ390と、サイド給紙台320と、複数の給紙トレイ(330a、330b、330c、330d)と、切替機構380とを備えている。これらの構成のうち、サイド給紙台320と、複数の給紙トレイ(330a、330b、330c、330d)と、切替機構380とについては、上述したので、説明を省略する。なお、図中の101に示した領域は、レジスト部Rgのレジストローラ350と、用紙検出部110と、搬送ローラ390との平面図を示している。
【0036】
図中の101に示すように、循環搬送路CR上のレジスト部Rgの搬送方向側に用紙検出部110が設けられており、さらに用紙検出部110の搬送方向側に、搬送ローラ390が設けられている。
【0037】
レジスト部Rgのレジストローラ350は、ゴム又は樹脂製の円柱形状を有し、外周面に滑り止めのため、および転写汚れを目立たなくさせるためにセラミック製の粒子によって微小な凹凸が形成された(ずなわち、セラミックコーティングがなされた)ローラ350b,ローラ350c,ローラ350d,ローラ350e,ローラ350fを有しており、これらのローラは、用紙Pの搬送方向と直交する方向を回転軸として設けられた軸350aに固定されている。
【0038】
このように、軸350aに、用紙Pと接触するローラ350b,ローラ350c,ローラ350d,ローラ350e,ローラ350fが設けられているので、レジストローラ350に転写されたインクが、次に搬送される用紙Pに再転写された場合、ローラ350b,ローラ350c,ローラ350d,ローラ350e,ローラ350fの位置にそれぞれ対応するP101,P102,P104,P106,P107の位置にインクが再転写されることになる。
【0039】
また、搬送ローラ390も同様に、ゴム又は樹脂製の円柱形状を有し、外周面に滑り止め用のセラミック製の粒子が微小な凹凸を形成されたローラ390s,390tを有しており、これらのローラは、用紙Pの搬送方向と直交する方向を回転軸として設けられた軸390rに固定されている。なお、搬送ローラ390の駆動側(
図1において右上のローラ)は、表裏が反転されることにより用紙Pの印刷が施された面とは接しないため、セラミックコーティングがされていないものでも良い。
【0040】
このように、軸390rに、用紙Pと接触するローラ390s,390tが設けられているので、搬送ローラ390に転写されたインクが、次に搬送される用紙Pに再転写された場合、ローラ390s,390tの位置にそれぞれ対応するP103,P105の位置にインクが再転写されることになる。
【0041】
操作パネル50は、表示/入力パネル(図示しない)と、読み取りや印刷等を開始させるためのスタートキー、読み取りや印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも図示せず)等の各種操作キーとを備え、利用者操作に基づく操作信号を制御部10に供給する。
【0042】
操作パネル50の表示/入力パネルは、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。利用者は、液晶表示パネルの表示画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで、表示画面上に表示されたローラのクリーニングを要求するローラ清掃ボタン等の各種ボタンの押下操作を行うことができる。
【0043】
制御部10は、インクジェット印刷装置100の中枢的な制御を行う。また、制御部10は、上限判定部11と、上限値記憶部12と、差分判定部13と、汚れ値記憶部14と、汚れ位置判定部15と、ローラ位置情報記憶部16と、機器制御部17とを備える。
【0044】
上限判定部11は、用紙検出部110により検出された汚れが所定の上限値Dthを超えたか否かを判定する。
【0045】
上限値記憶部12は、上限値Dthを記憶している。
【0046】
差分判定部13は、用紙検出部110により検出された汚れ度合いDの変化が所定の閾値である汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいか否かを判定する。より具体的には、差分判定部13は、汚れ値記憶部14に記憶されている前回測定された汚れ具合いと今回測定された汚れ度合いとの差分を抽出し、この差分が差分閾値ΔDthより小さいか否かを判定する。
【0047】
汚れ値記憶部14は、用紙検出部110により検出された汚れ度合いD、カウンタの値、及び汚れ度合い差分閾値ΔDthを記憶する。
【0048】
ローラ位置情報記憶部16は、レジスト部Rgのレジストローラ350の位置として、P101,P102,P104,P106,P107と、搬送ローラ390の位置として、P103,P105とを、ローラ位置情報として記憶する。
【0049】
汚れ位置判定部15は、循環搬送路CRの搬送方向と直交する方向における、ローラ位置情報記憶部16に記憶されたレジスト部Rgのレジストローラ350又は搬送ローラ390の位置と、用紙検出部110により検出された汚れの位置とに基づいて、レジスト部Rgのレジストローラ350又は搬送ローラ390のうち、いずれのローラが汚れているかを判定する。例えば、用紙検出部110により検出された汚れの位置が、P101とP102とであった場合、ローラ位置情報記憶部16に記憶されたローラ位置情報に基づいて、汚れているのは、レジスト部Rgのレジストローラ350であると判定する。
【0050】
機器制御部17は、クリーニング処理が開始されると、上限判定部11により汚れ度合いが所定の上限値Dthを超えていないと判定されると共に、差分判定部13により汚れ度合いの差分が汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいと判定された場合に、切替機構380を切り替えることにより、循環搬送路CRを搬送される用紙Pを排紙台345に排紙してクリーニング処理を終了する。
【0051】
また、機器制御部17は、差分判定部13により汚れ度合いの差分が汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいと判定された場合が予め定められた回数だけ連続して発生した場合に、循環搬送路CRを搬送される用紙Pを排紙台345に排紙するようにしてもよい。
【0052】
さらに、機器制御部17は、上限判定部11により、用紙検出部110により検出された汚れが所定の上限値Dthを超えたと判定された場合に、切替機構380を切り替えることにより、循環搬送路CRを搬送される用紙Pを排紙台345に排紙すると共に、サイド給紙台320、又は複数の給紙トレイ(330a、330b、330c、330d)のいずれかから、使用前の用紙Pを1枚給紙させ、クリーニング処理を継続する。
【0053】
<インクジェット印刷装置100の作用>
次に、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置100の作用について説明する
図3は、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置100の処理手順を説明したフローチャートである。
【0054】
図3に示すように、制御部10は、ローラ清掃が要求されたか否かを判定する(ステップS100)。具体的には、操作パネル50の表示/入力パネルから、ユーザ操作により、ローラのクリーニング処理を要求するローラ清掃ボタンが押下操作されると、ローラ清掃が要求されたと判定する。これにより、用紙Pを循環搬送路CRで搬送することによりクリーニングを行うクリーニング動作が開始される。
【0055】
ステップS100において、ローラ清掃が要求されると、(S100;YES)、制御部10は、サイド給紙台320、又は複数の給紙トレイ(330a、330b、330c、330d)のいずれかから、用紙Pを1枚給紙させる(ステップS110)。
【0056】
次に、制御部10の上限判定部11は、用紙検出部110により検出された汚れ度合いDが所定の上限値Dthを超えたか否かを判定する(ステップS120)。
【0057】
図4は、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置100において、制御部10による判定処理を説明した図である。
図4では、x軸に用紙Pが用紙検出部110により検出された回数を示しており、y軸には、用紙検出部110により検出された汚れの度合い(汚れ度合い)Dを示している。ここで、Dthは、汚れ度合いの上限値であり、この用紙Pの汚れ除去の能力の限界である使用限界の汚れを示している。即ち、用紙Pの汚れ度合いが上限値Dthに達すると、用紙Pの汚れ除去の能力が低く、これ以上搬送してもローラの汚れを除去できないため、用紙Pの交換が必要になる。
【0058】
図4に示すように、汚れ度合い201は、4回目において、汚れ度合いDが、上限値Dthに達しており、さらにローラの汚れを除去するためには、用紙Pの交換が必要になることがわかる。
【0059】
図3に戻り、ステップS120において、用紙検出部110により検出された汚れ度合いDが所定の上限値Dthを超えたと判定された場合(S120;YES)、用紙Pは、汚れ除去の能力の限界である使用限界を超えているので、機器制御部17は、用紙Pを排紙する(ステップS130)。具体的には、機器制御部17は、用紙Pが排紙口340に導かれるように切替機構380を切り替える。これにより、用紙Pは、排紙口340に導かれて排紙され、排紙口340の受台として設けられた排紙台345に積載されていく。
【0060】
そして、処理をステップS110に移行し、制御部10が、サイド給紙台320、又は複数の給紙トレイ(330a、330b、330c、330d)のいずれかから、用紙Pを1枚給紙させる。
【0061】
一方、ステップS120において、用紙検出部110により検出された汚れ度合いDが所定の上限値Dthを超えていないと判定された場合(S120;NO)、差分判定部13は、汚れ度合い差分ΔDを算出する(ステップS140)。具体的には、差分判定部13は、用紙検出部110により検出された汚れ度合いDの値を今回値として汚れ値記憶部14に記憶させると共に、汚れ値記憶部14に記憶された前回値である汚れ度合いDの値を抽出する。そして、差分判定部13は、前回値と今回値との差分を汚れ度合い差分ΔDとして算出する。
【0062】
次に、差分判定部13は、汚れ度合い差分ΔDが、汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいか否かを判定する(ステップS150)。
【0063】
図4に示した例では、汚れ度合い203の変化は少しずつ小さくなっている。即ち、4回目と5回目との汚れ度合い差分ΔD
1,5回目と6回目との汚れ度合い差分ΔD
2,6回目と7回目との汚れ度合い差分ΔD
3,7回目と8回目との汚れ度合い差分ΔD
4は、少しずつ小さくなっており、下記の(数式1)の不等号が成立するとする。
【0064】
ΔD
1>ΔD
2>ΔD
3>ΔDth>ΔD
4・・・(数式1)
このとき、8回目において、差分判定部13は、汚れ度合い差分ΔDが、汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいと判定する。
【0065】
図3に戻り、ステップS150において、汚れ度合い差分ΔDが、汚れ度合い差分閾値ΔDth以上であると判定されると(S150;NO)、用紙Pの汚れの変化が大きいと判断できる。即ち、まだ用紙Pにより汚れを除去できると判断できるので、差分判定部13が、カウンタをリセットした後(ステップS155)、機器制御部17が、用紙Pを搬送ローラ390等の駆動機構によって循環搬送路CRを循環させる(ステップS160)。
【0066】
一方、ステップS150において、汚れ度合い差分ΔDが、汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいと判定されると(S150;YES)、差分判定部13は、N回連続で、汚れ度合い差分ΔDが、汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいと判定されたか否かを判定する(ステップS170)。
【0067】
ステップS170において、N回連続していないと判定された場合(S170;NO)、カウンタを“1”だけ加算して汚れ値記憶部14に記憶させる(ステップS180)。
【0068】
一方、ステップS170において、N回連続で、汚れ度合い差分ΔDが、汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいと判定された場合(S170;YES)、差分判定部13は、カウンタをリセットし(ステップS190)、クリーニング処理を終了し、機器制御部17が、用紙Pを排紙する(ステップS200)。
【0069】
このように、上限判定部11により、ステップS120において、用紙検出部110により検出された汚れ度合いDが所定の上限値Dthを超えていないと判定されると共に、差分判定部13により、N回連続で、汚れ度合い差分ΔDが、汚れ度合い差分閾値ΔDthより小さいと判定された場合、用紙Pの汚れ除去の能力は十分あるにもかかわらず、用紙Pの汚れの変化が十分に小さいので、ローラは十分にクリーニングできたと判断できる。
【0070】
以上のように、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置100によれば、
循環搬送路CR上に設けられ、供給された用紙Pを循環搬送路CR上で搬送する搬送ローラ390と、循環搬送路CRに接続され、循環搬送路CRから排紙された用紙Pを載置する排紙台345と、循環搬送路CR上に設けられ、搬送ローラ390により搬送される用紙Pの汚れ度合いを検出する用紙検出部110と、用紙検出部110により検出された汚れ度合いが所定の上限値を超えたか否かを判定する上限判定部11と、用紙検出部110により検出された汚れ度合いの変化が所定の閾値より小さいか否かを判定する差分判定部13と、クリーニング処理が開始されると、上限判定部11により汚れ度合いが所定の上限値を超えていないと判定されると共に、差分判定手段により汚れ度合いの差分が所定の閾値より小さいと判定された場合に、循環搬送路CRを搬送される用紙Pを排紙台345に排紙してクリーニング処理を終了し、上限判定部11により汚れ度合いが所定の上限値を超えたと判定された場合に、循環搬送路CRを搬送される用紙Pを排紙台345に排紙すると共に、サイド給紙台320又は複数の給紙トレイ(330a、330b、330c、330d)のいずれかから新たな用紙Pを循環搬送路CRへ供給させクリーニング処理を継続する機器制御部17とを備えたので、搬送ローラを適切にクリーニングすることができる。
【0071】
なお、本発明の一実施形態であるインクジェット印刷装置100では、用紙Pを循環搬送路CRで搬送させることによりクリーニングを行っているが、この用紙Pは、普通紙であっても、厚紙でもあってもよく、また、クリーニング専用のクリーニングシートであってもよい。
【0072】
また、本発明の一実施形態では、ライン単位で印刷を行うインクジェット方式のインクジェット印刷装置100を例に挙げて説明したが、これに限らず、シリアルインクジェット方式、レーザ方式、又は孔版印刷方式等の印刷装置であってもよい。
【0073】
また、レジストローラ350は、その外周面がセラミックコーティングされたものとして説明した。しかし、レジストローラ350は、印字済み用紙の搬送方向においてインクジェットヘッド130から最も遠く、装置内のローラの中では最も汚れが蓄積しにくい位置に設置されているため、セラミックコーティングされていなくとも良い。