特許第6114212号(P6114212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114212
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】LED発光構造
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20170403BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170403BHJP
【FI】
   F21S2/00 663
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-28403(P2014-28403)
(22)【出願日】2014年2月18日
(65)【公開番号】特開2015-153684(P2015-153684A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2015年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】513196463
【氏名又は名称】FREE SHINE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101432
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 太
(72)【発明者】
【氏名】佐野 達広
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−287678(JP,A)
【文献】 特開2013−114947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源と、
このLED光源からのLED光が透過する透過部材と、
この透過部材に穿設されたLED光源を保持する溝部又は孔部と、
前記透過部材の一面側に配され透過部材を通過するLED光源からの光を対向面側に反射させる反射手段とを備えたLED発光構造であって、
前記溝部又は孔部を構成する壁面の前記対向面側に反射層が形成されており、
前記反射層が、LED光源からの光を全反射する全反射層であり、
前記溝部又は孔部の反射層に起因する線又は点による模様が形成されていることを特徴とするLED発光構造。
【請求項2】
前記LED光源が前記溝部に均等の間隔で複数配されていることを特徴とする請求項1に記載のLED発光構造。
【請求項3】
前記LED光源が前記孔部に1つ以上配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のLED発光構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、LEDの光を導光板と反射板とで前面方向に放射し、前面部に配した広告サインを背面側から照明するLEDサインパネルを始めとし、LEDを用いたの間接照明等にも使用可能なLED発光構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、写真フイルム等の透光性の広告デザインに対して、パネルのエッジ部分に収装したLED光源に基づき照射を行うことにより、広告デザインをはっきりと浮き立たせるようなLEDサインパネルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、矩形状を呈する透明資材製パネル基板の外周縁寄りやや内輪の位置に形成された凹溝にLED群を嵌め込み、LED群の発する光が透明資材製パネル基板の四周縁まで透過することができるようにLED群の嵌め込み部分に光伝達のための透明資材部分を設け、パネル基板1の背面側に凹溝全体を覆うことができる程度の大きさを具えた反射板を張設し、反射板の正面方向に反射光を乱反射させる構成である。
【0004】
LEDは消費電力が小さく、熱の発生も少ない照明器具であるが、多数を同時に通電し、尚且つ、長時間通電すると相応の熱が発生する。このため、このような構成のLEDサインパネルにおいては、放熱対策が重要であった。特許文献1のLEDサインパネルでは、LED群の取付け手段として、放熱用平板部の端部にLED群装着用折曲板部を直角に折り曲げ形成したヒートシンクを用いている。
【0005】
このようなLEDについては、熱対策技術が進み、光度が高くても熱の発生が比較的少なく、広い面積の放熱板のような特別な放熱手段を必要としないものも市販されている。また、LEDは、消費電力が小さく、熱の発生も少ないという特性の他にも、一方向にしか光を放射しない特性や、光源としてのユニットが小さいという特性も有し、照明器具としての自由度は高い反面、既存の照明器具の範疇から抜け出せないこともあった。
【0006】
特に、光源からの直接光で作業面を照らす直接照明については、最も効率が良い反面、照度が不均一になりやすく、まぶしさを感じて目が疲れやすいデメリットも指摘されている。光源からの直接光を使用せず、壁面・天井面などで反射させてから作業面を照らす間接照明については、効率は悪くなる反面、照度を均一にしやすく、雰囲気のある照明が可能であるメリットも指摘されている。
【0007】
LED光源については、従来の白熱電球や蛍光灯とは相違したLED光源独自の特徴がある。具体的には、発光効率が高いこと、寿命が長いこと、極めて高速なON/OFF制御が可能でしかも寿命に殆ど影響を及ぼさないこと以外に、1灯当たりの全光束量が極めて小さいため照明としての利用が難しいこと、輝度が高く発光面積も小さいので配光制御が比較的容易であること、1つのLED光源は一方向にしか光を放射しないこと等の特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−95439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの特徴において、特に1灯当たりの全光束量が極めて小さいため照明としての利用が難しいこと、輝度が高く発光面積も小さいので配光制御が比較的容易であること、1つのLED光源は一方向にしか光を放射しないことの特徴により、照明器具としての取り扱いは、従来の白熱電球や蛍光灯とは相違せざるを得なく、LED光源の独自の構造が必要となる。
【0010】
即ち、LED光源は、1灯当たりの全光束量が極めて小さいため、照明として利用するためには複数個のLED光源を用いる必要があった。また、1つのLED光源は一方向にしか光を放射しないため、均一な照明を得ようとすると、LED光が透過する透過部材と、この透過部材の一面側に配され透過部材を通過するLED光源からの光を対向面側に反射させる反射手段とを備えたパネル照明が適した照明となる。
【0011】
この場合、LED光源を反射手段の反射面に対向する面側から直視できないように覆う必要がある。このため、具体的には、パネル板の周囲にLED光源を配する場合には、パネル板の周囲をフレーム等で被覆する設計が一般的となる。しかしながら、この設計ではその用途が周囲をフレーム等で覆ったパネル板が設計単位となり、パネル板を寄せ集めたデザインとなるため、画一的となる。
【0012】
また、前述の特許文献1のLEDサインパネルについては、パネル基板(1)の四周縁の背面側稜角部には照射された光を乱反射させるためのテーパー状反射周面(3)を形成したデザイン性が高いパネルであるが、パネル周端縁の内側に形成された帯状のLED光源を正面側から見えないようにするために、反射面に対向する表面側にLEDの光を全反射する銀色のテープやシールを貼着して非透明部分(6b) を形成せざるを得ないため、テープやシールの貼着が剥がれる可能性があり、デザイン的に問題であった。更に、フレームと同様にデザイン的にはパネル板単位のデザインとならざるを得ないものとなっている。
【0013】
本発明は、既存の照明器具として利用することができ、更には、新たな照明器具として利用することができる新たなLED発光構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載された発明に係るLED発光構造は、LED光源と、このLED光源からのLED光が透過する透過部材と、この透過部材に穿設されたLED光源を保持する溝部又は孔部と、前記透過部材の一面側に配され透過部材を通過するLED光源からの光を対向面側に反射させる反射手段とを備えたLED発光構造であって、
前記溝部又は孔部を構成する壁面の前記対向面側に反射層が形成されており、
前記反射層が、LED光源からの光を全反射する全反射層であり、
前記溝部又は孔部の反射層に起因する線又は点による模様が形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に記載された発明に係るLED発光構造は、請求項1に記載のLED光源が前記溝部に均等の間隔で複数配されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に記載された発明に係るLED発光構造は、請求項1又は2に記載のLED光源が前記孔部に1つ以上配されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、既存の照明器具として利用することができ、更には、新たな照明器具として利用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のLEDサインパネルの一実施例の構成を説明する説明図であり、a図は正面図、b図は構成部材を個別に配置した状態の底面図、c図は要部の断面構成を示す説明図である。
図2】LED光源の構成を示した説明図であり、a図は平面図、b図は正面図である。
図3】本発明のLEDサインパネルの別の実施例の構成を説明する説明図であり、a図は正面図、b図は構成部材を個別に配置した状態の底面図、c図は要部の断面構成を示す説明図である。
図4】本発明のLEDサインパネルの更に別の実施例の構成を説明する説明図であり、a図は正面図、b図は構成部材を個別に配置した状態の底面図、c図は要部の断面構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のLED発光構造は、LED光源と、このLED光源からのLED光が透過する透過部材と、この透過部材に穿設されたLED光源を保持する溝部又は孔部と、透過部材の一面側に配され透過部材を通過するLED光源からの光を対向面側に反射させる反射手段とを備え、溝部又は孔部を構成する壁面の対向面側に反射層が形成されているものである。これにより、既存の照明器具として利用することは元より、新たな照明器具として利用することができるLED発光構造を得ることができる。
【0022】
即ち、LED光源については、1灯当たりの全光束量が極めて小さいため照明としての利用が難しいこと、輝度が高く発光面積も小さいので配光制御が比較的容易であること、1つのLED光源は一方向にしか光を放射しないことの特徴を生かすために、透過部材に穿設されたLED光源を保持する溝部又は孔部を構成する壁面の対向面側に反射層を配することにより、LED光源の光を透過部材に導入しつつ反射手段によってLED光を対向面側に反射させることによる間接照明が得られる。
【0023】
加えて、溝部又は孔部を構成する壁面の対向面側に形成された反射層により、対向面側からLED光源が直接視認されることがなく、しかもこの反射層によって覆われる領域はLED光源のみとなるため、LED光源をパネル板周囲に配する必要もなくなり、LED光源をパネル板の領域全体に均等に配することも可能となる。尚、ヒートシンク等の放熱手段については、光度が高くても熱の発生が比較的少ないLED光源を採用することにより、必須のものではない。
【0024】
また、この反射層は、LED光源からの光の一部を透過する半反射層とし、尚且つ、反射手段による反射光と同程度の光を透過するものとすることにより、LED光源の存在が遠目から判別し難い効果を奏する。これにより、例えば天井面の全体が均等に光る間接照明を設計することも可能となり、新たな照明器具として利用することができる新たなLED発光構造を得ることができる。
【0025】
即ち、本発明の溝部又は孔部を構成する壁面の対向面側に形成された反射層を、LED光源の光の一部を透過させ、一部を反射させる半反射層とするのであれば、反射手段の反射面の対向面側からは半反射層は薄い黒点又は薄い黒線として認識される。この半反射層を反射手段による反射光と同程度の光を透過するものとした場合には、近づいてよく観察しなければ、半反射層を透過した光か、反射手段で反射した光かが判らず、LED光源の存在が遠目から判別し難い効果を奏する。
【0026】
また、本発明の溝部又は孔部を構成する壁面の対向面側に形成された反射層は、LED光源の光の全てを反射させるものであれば、反射手段の反射面の対向面側からは反射層は黒い点又は線として認識される。この溝部又は孔部を構成する壁面の対向面側に形成された反射層に起因する点又は線をデザインとして反射手段を裏打ちした透過部材の形状を構成しても良い。例えば、反射層に起因する点又は線で模様を描いた間接照明の天井パネルとして構成しても良い。
【0027】
尚、反射層が半反射層・全反射層に係わらず何れの反射層において、パネル板でなく反射手段を裏打ちした立体的な図形・像としても利用可能である。
【0028】
本発明のLED光源としては、LED光源が溝部に均等の間隔で複数配されて反射層に起因する線状の模様を形成しても、LED光源が孔部に1つ以上配されて反射層に起因する点状の模様を形成しても良い。また、当然のことながら、線状の模様は直線上でも曲線状でも良い。
【実施例】
【0029】
図1は本発明のLEDサインパネルの一実施例の構成を説明する説明図であり、a図は正面図、b図は構成部材を個別に配置した状態の底面図、c図は要部の断面構成を示す説明図である。図2はLED光源の構成を示した説明図であり、a図は平面図、b図は正面図である。
【0030】
図1のa図に示す通り、本実施例のLEDサインパネル10は、一側方より入射したLED光源の光を対向する他側方へ導く導光板として機能する矩形状の透明な樹脂製のパネル材11を備える。このパネル材11の背面側には、パネル材11の周縁部に沿ってパネル材11の中央部の表示領域17を挟むように対向する2つの短辺部方向に一組の凹溝部12が形成されている。
【0031】
この凹溝部12の深さは均一であり、この凹溝部12の内部にはc図に示す通り、ヒートシンク部13の挿入部14に並設された複数のLED光源16が挿入される。LED光源16は個々のLEDの発光向きが互いに挿入部14のパネル材11の中心部側に向かう方向に配置されている。ヒートシンク部13は熱伝導率が高いアルミニウム製の素材からなる。尚、ヒートシンク部13は光度が高くても熱の発生が比較的少ないLED光源を採用することにより、ヒートシンク部13が存在しない構成としても良い。
【0032】
パネル材11の裏面側の略全面にはLED光源16の側方からの光を前面方向に反射する反射手段として反射板15が備わっている。この反射板15の表面は高い反射を行うように平滑な高輝度の面を備えている。この反射板15は、鏡面状に磨かれた金属板や高輝度で反射する白色のシール材等で構成される。
【0033】
また、この反射板15の表面には、反射板15に入射する入射光及び反射板で反射された反射光を乱反射させるために多数の細溝18が凹溝部12の短辺部に平行に形成されている。尚、これら多数の細溝18は中央部へ向かうほど細溝18間の間隔を短くして配されることにより、両端部のLED光源16からの光を表示領域17全体に均一に反射させるようにしている。
【0034】
また、LED光源16が直接視認されないように、凹部溝12のパネル材11の表側面(溝の底面)にLEDの光を反射させる反射層19が設けられている。この反射層19はLED光源の光の全てを反射させる全反射層であり、パネル材11の表面側、即ち、反射板15の反射面の対向面側からは全反射層19はその周囲が光るために黒い線として認識される。
【0035】
図2に示す通り、図1のLED光源16は、凹溝部12の互いに対向する短辺部の各々に挿入可能な基板21上に、等間隔で18個の白色LED20が並設して配置されている。このLED光源16については、白色LEDの他にも、電球色LEDを単独又は白色と組み合わせて用いたり、赤色LED、緑色LED、青色LEDの三原色を単独又は組み合わせてLED群に配して用いてもよい。また、光の明るさや色温度を少なくとも2段階で変更するように構成してもよい。例えば、深夜等の弱い光でも認識が容易な状況では、間引いて発光させたり、白色LEDと電球色LEDとの両者を配しておき、深夜では電球色LEDのみを発光させたりすることも可能である。
【0036】
図3は本発明のLEDサインパネルの別の実施例の構成を説明する説明図であり、a図は正面図、b図は構成部材を個別に配置した状態の底面図、c図は要部の断面構成を示す説明図である。図3に示したLEDサインパネルは、図1のLEDサインパネルに対してLED光源を保持する凹溝部が直線でなく曲線状としている。
【0037】
即ち、図3のa図に示す通り、本実施例のLEDサインパネル30は、先の実施例と同様に、LED光源の光を対向する他側方へ導く導光板として機能する矩形状の透明な樹脂製のパネル材31を備える。このパネル材31の背面側には、パネル材31の四隅部にパネル材31の中央部の表示領域37を囲むように1/4円状の凹溝部32が形成されている。
【0038】
この凹溝部32の深さは略均一であり、この凹溝部32の内部には、c図に示す通り、1つのLED光源36が挿入部34に設置された幅狭のヒートシンク部33を複数個均等間隔で保持されている。LED光源36が設けられた個々のヒートシンク部33は熱伝導率が高いアルミニウム製の素材からなり、パネル材31の背面から凹溝部32に挿入される。尚、ヒートシンク部33は光度が高くても熱の発生が比較的少ないLED光源を採用することにより、ヒートシンク部33が存在しない構成としても良い。
【0039】
パネル材31の裏面側の略全面にはLED光源36の側方からの光を前面方向に反射する反射手段として反射板35が備わっている。この反射板35の表面は高い反射を行うように平滑な高輝度の面を備えている。この反射板35は、鏡面状に磨かれた金属板や高輝度で反射する白色のシール材等で構成される。
【0040】
また、この反射板35の表面には、反射板35に入射する入射光及び反射板で反射された反射光を乱反射させるために多数の細溝38がパネル材31の短辺部に平行に形成されている。尚、これら多数の細溝38は中央部へ向かうほど細溝38間の間隔を短くして配されることにより、両端部のLED光源36からの光を表示領域37全体に均一に反射させるようにしている。
【0041】
また、LED光源36が直接視認されないように、1/4円状の凹部溝32のパネル材31の表側面(溝の底面)にLEDの光を反射させる反射層39が設けられている。この反射層39はLED光源の光の全てを反射させる全反射層であり、反射板35の対向面側からは全反射層39は黒い線として認識される。図3のLEDサインパネル30を前後左右に並べるとパネル材31の四隅は円形状の凹溝部32となり、照明器具としての自由度が高まる。
【0042】
図4は本発明のLEDサインパネルの更に別の実施例の構成を説明する説明図であり、a図は正面図、b図は構成部材を個別に配置した状態の底面図、c図は要部の断面構成を示す説明図である。図4に示したLEDサインパネルは、図1及び図3のLEDサインパネルに対して、LED光源を点状として配置したものとなっている。
【0043】
即ち、図4のa図に示す通り、本実施例のLEDサインパネル40は、先の実施例と同様に、LED光源の光を対向する他側方へ導く導光板として機能する矩形状の透明な樹脂製のパネル材41を備える。このパネル材41の背面側には、パネル材41の全面に亘って均等な間隔で多数の孔部42が形成されている。
【0044】
この孔部42の深さは略均一であり、この孔部42の内部にはc図に示す通り、皿状の取付け部44上の1つのLED光源46が配されている。LED光源46は光度が高くても熱の発生が比較的少ないLED光源を採用することにより、皿状の取付け部44に直接取付け、パネル材41の裏面に取付ける構成となっている。孔部42は表面に向かうほど面積が大きくなり、LED光源46が直接視認されないように、その表側面(溝の底面)にLEDの光を反射させる反射層49が設けられている。反射層49はLED光源からの光の一部を透過する半反射層であり、その形状は表面側に突状の曲面であり、LED光源46の光を均等に透過するようになっている。
【0045】
パネル材41の裏面側の略全面にはLED光源46の側方からの光を前面方向に反射する反射手段として反射板45が備わっている。この反射板45の表面は高い反射を行うように平滑な高輝度の面を備えている。この反射板45は、鏡面状に磨かれた金属板や高輝度で反射する白色のシール材等で構成される。
【0046】
また、この反射板45の表面には、反射板45に入射する入射光及び反射板で反射された反射光を乱反射させるために多数の細溝48が各LED光源46を中心にした同心円状に形成されている。尚、これら多数の細溝48はLED光源46から離れるほど同心円状の細溝48間の間隔を短くして配されることにより、LED光源46からの光を表示領域47全体に均一に反射させるようにしている。
【0047】
また、半反射層の反射層49のLED光の透過率は、反射板45による反射光と同程度の光を透過するように選択される。これにより、LED光源の存在が遠目から判別し難い効果を奏する。これにより、例えば天井面の全体が均等に光る間接照明を設計することも可能となり、新たな照明器具として利用することができる新たなLED発光構造を得ることができる。
【符号の説明】
【0048】
10、30、40…LEDサインパネル、
11、31、41…パネル材(透過部材)、
12、32 …凹溝部、
42…孔部、
13、33 …ヒートシンク部、
14、34 …挿入部、
44…取付け部、
15、35、45…反射板(反射手段)、
16、36、46…LED光源、
17、37、47…表示領域、
18、38、48…細溝、
19、39、49…反射層、
20…LED、
21…基板、
図1
図2
図3
図4