特許第6114219号(P6114219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114219
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】ガイドレール及び日射遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/42 20060101AFI20170403BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20170403BHJP
   E06B 9/38 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   E06B9/42 Z
   E06B9/58 A
   E06B9/38
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-45788(P2014-45788)
(22)【出願日】2014年3月8日
(65)【公開番号】特開2015-169028(P2015-169028A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2015年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】阿坂 翼
(72)【発明者】
【氏名】谷川 文彦
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−096393(JP,U)
【文献】 実開平07−040993(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の窓枠等に固定されるガイドレールベースと、このガイドレールベースに取り付けられ且つ日射遮蔽装置の遮蔽材をスライド自在に保持するためのガイドレール本体と、このガイドレール本体を上記ガイドレールベースに着脱自在に取り付けることができる着脱機構とを備えるガイドレールであって、
上記着脱機構は、
ガイドレールベースの本体取付面又はガイドレール本体のベース取付面のいずれか一方の面であってガイドレールの幅方向の一方側に位置する部位に、開口が他方の面側を向くように、ガイドレールの長さ方向に沿って凹設された第1溝と、
上記本体取付面又はベース取付面のいずれか一方の面であってガイドレールの幅方向の他方側に位置する部位に、本体取付面に設けられた場合には開口が上記ガイドレールの幅方向の一方側を向き又はベース取付面に設けられた場合には開口が上記ガイドレールの幅方向の他方側を向くように、ガイドレールの長さ方向に沿って凹設された第2溝と、
上記第1溝が凹設された上記一方の面に対する他方の面であって上記第1溝に対応する部位に、ガイドレールの長さ方向に沿って凸設され、上記開口から上記第1溝内に嵌合可能な第1突起と、
上記第2溝が凹設された上記一方の面に対する他方の面であって上記第2溝に対応する部位に、ガイドレールの長さ方向に沿って凸設され、上記開口から上記第2溝内に係合させた状態で、上記他方の面を当該係合部位を中心に上記一方の面側に回転させることが可能な第2突起と
を備え、
上記着脱機構は、上記本体取付面と上記ベース取付面とが互いに接近する方向に上記ガイドレール本体を回転させることで上記第1溝と上記第1突起が係合するよう構成される
ことを特徴とするガイドレール。
【請求項2】
請求項1に記載のガイドレールにおいて、
上記第2突起を、先端部が上記開口から上記第2溝内に係合可能な断面鉤状の突起とした、
ことを特徴とするガイドレール。
【請求項3】
遮蔽材と、この遮蔽材をスライド可能な遮蔽機構と、この遮蔽機構の端部の下方に立設されたガイドレールとを備える日射遮蔽装置であって、
上記ガイドレールが、請求項1に記載のガイドレールであり、
上記遮蔽材の外縁部が上記ガイドレール本体の開口を通じてガイド通路内に入り込んでいる、
ことを特徴とする日射遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スクリーン等の遮蔽材の移動を案内するためのガイドレール及びそれを備えた日射遮蔽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の日射遮蔽装置としては、例えば、特許文献1〜3に開示されているようなロールスクリーンがある。
このようなロールスクリーンでは、遮蔽材としてのスクリーンが、巻取軸に巻取られて上昇し、また、巻取軸から引出されて下降する。
そして、ガイドレールは、このようなスクリーンの両側に立設されており、スクリーンの外縁部が、ガイドレールの内側に入り込んでいる。
これにより、スクリーンが下降及び上昇するときに、スクリーンの外縁部がガイドレールに沿って動き、これによって、スクリーンが昇降方向に沿って案内されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭59−177699号公報
【特許文献2】特開昭62−141290号公報
【特許文献3】特公平1−61158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の日射遮蔽装置では、次のような問題がある。
ガイドレールを備えた日射遮蔽装置では、ガイドレールを窓の縦枠にビス等で固定する必要がある。
しかし、従来のガイドレール仕様においては、スクリーンの外縁部を挿入するための開口が狭く、ビスをガイドレールの内側から窓枠に螺入して、ガイドレールを窓枠に固定することは、容易でなかった。特に、スクリーンの抜止機構等を内部に装備しているガイドレールでは、ビスをガイドレールの内側から窓枠に螺入して固定することは、ほとんど不可能であった。このため、ガイドレールを窓枠に固定するために、ビス止め用のフランジをガイドレールの外側に設ける等する必要があり、ガイドレールの加工作業数とコストの増大を招いていた。
しかも、ガイドレールを窓枠に一度固定すると、取り外す際には、ビスを窓枠から抜く作業が必要となり、取外作業に手間を要し、また、取り外し作業時に、窓枠を傷付けるおそれもあった。
このような問題は、縦型のロールスクリーンだけでなく、プリーツスクリーン、ブラインド装置であっても同様に生じる問題であって、所定の位置に保持されるべき遮蔽材を備える日射遮蔽装置において共通する問題であった。
【0005】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、窓枠等を傷付けることなく、簡易且つ迅速に取り付け及び取り外しすることができるガイドレール及びこれを備えた日射遮蔽装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、建築物の窓枠等に固定されるガイドレールベースと、このガイドレールベースに取り付けられ且つ日射遮蔽装置の遮蔽材をスライド自在に保持するためのガイドレール本体と、このガイドレール本体を部位ガイドレールベースに着脱自在に取り付けることができる着脱機構とを備えるガイドレールであって、部位着脱機構は、ガイドレールベースの本体取付面又はガイドレール本体のベース取付面のいずれか一方の面であってガイドレールの幅方向の一方側に位置する部位に、開口が他方の面側を向くように、ガイドレールの長さ方向に沿って凹設された第1溝と、部位本体取付面又はベース取付面のいずれか一方の面であってガイドレールの幅方向の他方側に位置する部位に、本体取付面に設けられた場合には開口が部位ガイドレールの幅方向の一方側を向き又はベース取付面に設けられた場合には開口が部位ガイドレールの幅方向の他方側を向くように、ガイドレールの長さ方向に沿って凹設された第2溝と、部位第1溝が凹設された部位一方の面に対する他方の面であって部位第1溝に対応する部位に、ガイドレールの長さ方向に沿って凸設され、部位開口から部位第1溝内に嵌合可能な第1突起と、部位第2溝が凹設された部位一方の面に対する他方の面であって部位第2溝に対応する部位に、ガイドレールの長さ方向に沿って凸設され、部位開口から部位第2溝内に係合させた状態で、部位他方の面を当該係合部位を中心に部位一方の面側に回転させることが可能な第2突起とを備える構成とした。
かかる構成により、ガイドレールベースを窓枠等に固定した後、着脱機構の第2突起と第2溝とを係合させた状態で、ガイドレール本体を、第2突起と第2溝との係合点を中心に一方側に回転させることができる。
しかる後、着脱機構の第1突起と第1溝との所謂筋合いを行い、第1突起と第1溝とを嵌合させることで、ガイドレール本体をガイドレールベースに取り付けることができる。
かかる取付状態では、着脱機構の第2突起が開口を通じて第2溝に係合し、さらに、第1突起が、開口を通じて第1溝に嵌合した状態にある。
この結果、ガイドレール本体の幅側方向への移動が、第1突起と第1溝との嵌合力により阻止され、ガイドレール本体がガイドレールベースから離れる方向への移動が、第2突起と第2溝との係合力によって阻止される。さらに、ガイドレール本体を、第1突起と第1溝との嵌合部位を中心としてガイドレールの幅方向の一方側に回転させることは、第2突起と第2溝との係合力によって阻止される。
しかし、ガイドレール本体を、第2突起と第2溝との係合部位を中心にガイドレールの幅方向の他方側に回転させることができる。かかる回転により、第1突起と第1溝とが外れるので、第2突起と第2溝とを外すことで、ガイドレール本体をガイドレールベースから取り外すことができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のガイドレールにおいて、部位第2突起を、先端部が部位開口から部位第2溝内に係合可能な断面鉤状の突起とした構成とする。
【0008】
請求項3の発明は、遮蔽材と、この遮蔽材をスライド可能な遮蔽機構と、この遮蔽機構の端部の下方に立設されたガイドレールとを備える日射遮蔽装置であって、ガイドレールが、請求項1に記載のガイドレールであり、遮蔽材の外縁部がガイドレール本体の開口を通じてガイド通路内に入り込んでいる構成とした。
かかる構成により、遮蔽材を、遮蔽機構により、スライドさせると、遮光材が、ガイドレールによって移動可能に保持される。
そして、遮蔽材がガイドレールから抜けた場合には、遮蔽材を一方側に押して、外縁部をガイドレールから抜き、遮蔽材全体をガイドレールの幅方向の一方側に位置させる。しかる後、遮蔽材を遮蔽機構により戻すことにより、ガイドレールに復帰させることができる。
ところで、遮蔽材をガイドレールの幅方向の一方側に押して、遮蔽材全体をガイドレールの幅方向の一方側に位置させる際に、その一方側への外力がガイドレールのガイドレール本体にも加わるが、この一方側への外力によって、ガイドレール本体がガイドレールベースから外れることはない。
また、ガイドレール本体自体を交換する必要がある場合には、ガイドレール本体をガイドレールの幅方向の他方側に回転させることで、ガイドレールベースから簡単に取り外すことができる。そして、新しいガイドレール本体は、第2突起と第2溝とを係合させた状態で、ガイドレールの幅方向の一方側に回転させることで、ガイドレールベースに簡単に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上詳しく説明したように、この発明のガイドレール及びこれを備えた日射遮蔽装置では、着脱機構の第2突起を第2溝に係合させた状態で、ガイドレール本体を、ガイドレールの幅方向の一方側に回転させ、第1突起と第1溝とを嵌合させるだけで、窓枠等を傷付けることなく、ガイドレールベースに簡単に且つ強固に取り付けることができ、また、ガイドレール本体を、第2突起と第2溝との係合部位を中心にガイドレールの幅方向の他方側に回転させるだけで、窓枠等を傷付けることなく、ガイドレールベースから簡単且つ迅速に取り外すことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の第1実施例に係る日射遮蔽装置を示す分解斜視図である。
図2図1に示す日射遮蔽装置の正面図である。
図3図2の矢視A−A断面図である。
図4】ガイドレールを切り詰めて示す斜視図である。
図5図4の矢視C−C断面図である。
図6】ベースフレームの取付工程図である。
図7】昇降機構の取付工程図である。
図8】ガイドレールベースの取付工程図である。
図9】ガイドレールベースへのガイドレール本体の取付工程図である。
図10】ガイドレールの取付完了図である。
図11】スクリーンの取付工程図である。
図12図2の矢視B−B断面図である。
図13】スクリーンをガイドレールから後方に向かって外した状態を示す断面図である。
図14】この発明の第2実施例に係るロールスクリーンの要部を示す断面図である。
図15】この発明の第3実施例に係るロールスクリーンの要部を示す断面図である。
図16】この発明の第4実施例に係るロールスクリーンの要部を示す断面図である。
図17】実施例の変形例の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は、この発明の第1実施例に係る日射遮蔽装置を示す分解斜視図であり、図2は、図1に示す日射遮蔽装置の正面図であり、図3は、図2の矢視A−A断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、この実施例の日射遮蔽装置は、ロールスクリーン1であり、図示しない建築物の窓枠等に組み付けることができる。なお、図2において、図の表面側がロールスクリーン1の前側であり、部屋の窓枠等に組み付けられる場合には、この前側が室内側に向けられる。そして、図の裏面側がロールスクリーン1の後側であり、室外側に向けられる。
このロールスクリーン1は、遮蔽材としてのスクリーン2と、遮蔽機構としての昇降機構3と、左右のガイドレール4,4とを備えている。
【0014】
スクリーン2は、窓等の外から室内に入り込む日射光を遮光するための矩形形状の生地である。このスクリーン2は、昇降機構3の巻取軸30に巻き付けられており、ウェイトバー20が、スクリーン2の下端部に取り付けられている。
【0015】
昇降機構3は、上記スクリーン2を引き上げ及び引き下げるための機構である。
具体的には、図1に示すように、公知の回転機構32が、巻取軸30の右端部に組み付けられ、この巻取軸30が、取付フレーム33に回転自在に取り付けられている。そして、取付フレーム33が、ブラケット34,34を介してベースフレーム35に組み付けられている。
ベースフレーム35は、窓枠等の上枠100(図6参照)に固定するための部材である。このベースフレーム35をビス35aで上枠100に固定した後、昇降機構3のチェーン31を操作することにより、回転機構32を介して巻取軸30を回転させることができる。この巻取軸30を正回転又は逆回転させることにより、スクリーン2を巻き上げ又は巻き戻して、スクリーン2を上下にスライドさせることができる。
【0016】
左右のガイドレール4,4は、スクリーン2の両外縁部2A,2Aを保持して、スクリーン2を昇降方向に案内する部材である。
これらガイドレール4,4は、昇降機構3の左端部及び右端部の下方にそれぞれ立設され、下キャップ40,上キャップ41が、各ガイドレール4の下端部,上端部にそれぞれ取り付けられる。
【0017】
各ガイドレール4は、図3に示すように、ガイドレールベース5とガイドレール本体6と着脱機構7とを有している。これにより、ガイドレールベース5を、窓枠等の縦枠101に固定し、ガイドレール本体6を、着脱機構7によって、ガイドレールベース5に着脱自在に組み付けることができるようになっている。ガイドレール4を組み立てた後は、スクリーン2の外縁部2Aを、ガイドレール本体6の開口6aからガイド通路60に入り込ませることができる。
【0018】
以下、ガイドレール4についてさらに詳しく説明する。
図4は、ガイドレール4を切り詰めて示す斜視図であり、図5は、図4の矢視C−C断面図である。
ガイドレールベース5は、図4及び図5に示すように、窓枠等の縦枠101(図3参照)に固定することができる合成樹脂製の長尺状体である。このガイドレールベース5には、本体取付面51から縦枠取付面52を貫通するビス孔5aが、ガイドレールベース5の長さ方向に沿って複数設けられている。
【0019】
ガイドレール本体6は、着脱機構7によってガイドレールベース5に着脱自在に組み付けることができる合成樹脂製の長尺状体である。このガイドレール本体6は、前側ガイド壁61と、後側ガイド壁62と、ガイドレールベース5側を向く側部ガイド壁63とにより形成されている。
そして、ガイド通路60が、前側ガイド壁61と後側ガイド壁62との間隙によって画成されている。これにより、図2及び図3に示したように、スクリーン2の両外縁部2A,2Aを、このガイド通路60内に収納することができる。
なお、図5及び図3において、符号65は、抜止機構であり、抜止機構65のパッキン66,66が側部ガイド壁64に前後方向に回転自在に取り付けられている。これにより、スクリーン2の外縁部2Aが、歯部66b,66bの噛み合いによって挟持される。
抜止機構65を簡単に説明すると、通常は、外縁部2Aが、歯部66b,66bの弱い噛み合いによって挟持されているが、風力や気圧差等によって、スクリーン2に対して前又は後方向に張力が加わると、パッキン66,66の湾曲部66a,66aと歯部66b,66bとが一体に回転して、歯部66b,66bの外縁部2Aに対する噛み合い強度が増大し、外縁部2Aを通常よりも強く挟持する。これにより、スクリーン2のガイドレール4からの抜けを防止する。また、歯部66b,66bによる挟持力は、スクリーン2が、手で押すなどの強い外力で前後方向に引っ張られ又は押されると、スクリーン2がガイドレール本体6から外れるような大きさに設定されている。
【0020】
着脱機構7は、図4に示すように、ガイドレールベース5に形成された第1溝としての後側溝71及び第2溝としての前側溝72と、ガイドレール本体6に形成された第1突起としての後側突起73及び第2突起としての前側突起74とによって構成されている。
後側溝71は、ガイドレールベース5の本体取付面51の後端部に、つまり、図3に示すように、ガイドレール4の幅方向(図3の上下方向)の一方側である後方(図3の上方向)に位置する部位に、ガイドレールベース5の長さ方向に沿って凹設されている。
図5に示すように、この後側溝71は、本体取付面51と、前部71aと、この前部71aより幅広の後壁71bとで画成されている。後側溝71は、全体として断面略コ字状をなし、その開口71cはガイドレール本体6側に向いている。そして、凸部71a’,71b’が後側溝71の対向する内面の先端に凸設されている。
また、前側溝72は、図4に示すように、ガイドレールベース5の本体取付面51の前端部に、つまり、図3に示すように、ガイドレール4の幅方向の他方側である前方(図3の下方向)に位置する部位に、ガイドレールベース5の長さ方向に沿って凹設されている。
図5に示すように、この前側溝72は、本体取付面51と、前壁72aと、この前壁72aから後方に突出した側部72bとで画成されている。前側溝72は、全体として断面略コ字状をなし、その開口72cは後方に向いている。そして、凸部72b’が側部72bの内面の先端に凸設されている。
【0021】
一方、後側突起73は、図4示すように、ガイドレール本体6の側部ガイド壁63のベース取付面67の後端部に、つまり、図3に示すように、後側溝71と対応する部位に、ガイドレール本体6の長さ方向に沿って凸設されている。
図5に示すように、この後側突起73は、断面I字状をなし、その先端は後側溝71の開口71c側に向いている。そして、後側突起73の先端には、凸部73a’が凸設され、後端には、凸部73b’が凸設されている。これにより、後側突起73を開口71cから後側溝71に嵌合させた際に、凸部73a’,73b’が凸部71a’,71b’にそれぞれ係合するようになっている。
また、前側突起74は、図4に示すように、ガイドレール本体6の側部ガイド壁63のベース取付面67の前端部に、つまり、図3に示すように、前側溝72と対応する部位に、ガイドレール本体6の長さ方向に沿って凸設されている。
図5に示すように、この前側突起74は、断面鉤状をなし、その先端は前側溝72の開口72c側を向いている。そして、前側突起74の先端には、凸部74a’が凸設され、前側突起74を開口72cから前側溝72に嵌合させた際に、この凸部74a’が凸部72b’に係合するようになっている。
【0022】
次に、ロールスクリーン1の施工例について説明する。
図6は、ベースフレーム35の取付工程図であり、図7は、昇降機構3の取付工程図である。
ロールスクリーン1を窓枠等に組み付けるには、図6に示すように、先ず、ブラケット34,34が取り付けられたベースフレーム35を、ビス35aによって、上枠100に固定する。
しかる後、図7に示すように、昇降機構3の取付フレーム33をブラケット34,34に取り付ける。
【0023】
かかる状態で、図4に示したガイドレール4を、窓枠等の両縦枠に取り付ける。
図8は、ガイドレールベース5の取付工程図であり、図9は、ガイドレールベース5へのガイドレール本体6の取付工程図であり、図10は、ガイドレール4の取付完了図である。
ガイドレール4の取付は、図8に示すように、先ず、ガイドレールベース5をビス5bによって縦枠101に固定する。
しかる後、図9に示すように、着脱機構7の前側突起74と前側溝72との所謂筋合わせを行い、ガイドレール本体6の前側突起74をガイドレールベース5の前側溝72内に開口72cから嵌める。そして、前側突起74の凸部74a’を、前側溝72の凸部72b’に係合させる。
かかる状態で、凸部74a’と凸部72b’との係合点を支点にして、ガイドレール本体6を、矢印で示すように、後方に回転させる。
そして、後側突起73と後側溝71との所謂筋合わせを行い、図10に示すように、ガイドレール本体6の後側突起73を、ガイドレールベース5の後側溝71に開口71cから嵌合する。すると、後側突起73の凸部73a’,73b’が、後側溝71の凸部71a’,71b’にそれぞれ係合し、後側突起73が、後側溝71によって強固に保持された状態になる。
かかる状態では、前側突起74が前側溝72内に完全に入り込み、凸部74a’が凸部72b’に確実に係合し、前側突起74が、前側溝72によって強固に保持された状態になる。
【0024】
以上のように、ガイドレール4を縦枠101に取り付けることで、ガイドレール本体6の前後方向への移動は、後側突起73と後側溝71との嵌合力により阻止される。また、ガイドレール本体6の図面右方向への移動は、前側突起74と前側溝72との係合力によって阻止される。したがって、ガイドレール本体6を、後側突起73と後側溝71との嵌合部位を中心として後方に回転させることは、前側突起74と前側溝72との係合力によって阻止される。しかし、図10の矢印で示すように、ガイドレール本体6を、前側突起74と前側溝72との係合部位を中心として前方に回転させて、ガイドレールベース5から取り外すことは可能である。
【0025】
なお、図1に示した下キャップ40と上キャップ41については、上記のように、ガイドレール本体6をガイドレールベース5に取り付ける前に、ガイドレール本体6の下端と上端とに予め取り付けておくことができる。
具体的には、図2に示すように、下キャップ40をガイドレール本体6の下端に取り付けておき、図10に示したように、ガイドレール本体6をガイドレールベース5に取り付けた後に、下キャップ40を窓枠等の下枠102に固定する(図12参照)。
一方、上キャップ41は、図2に示すように、前側誘導壁41aを前方に向けると共に後側誘導壁41bを前側誘導壁41aの後方に位置させた状態で、ガイドレール本体6の上端に固定しておく。
【0026】
図11は、スクリーン2の取付工程図であり、図12は、図2の矢視B−B断面図であり、ロールスクリーン1の施工完了状態を示す。
図10に示したように、ガイドレール4の取付作業が完了した後は、図7に示したように、最上位まで巻き上げられたスクリーン2を下降させて、その外縁部2Aをガイドレール4に入り込ませる作業を行う。
すなわち、図11に示すように、昇降機構3の巻取軸30を回転させて、スクリーン2を下降させる。すると、スクリーン2の外縁部2Aが上キャップ41の前側誘導壁41aと後側誘導壁41bとの間に入り込み、誘導溝41cに案内されて、ガイドレール本体6のガイド通路60内に入り込む。
さらに、スクリーン2を下降させていくことで、図12に示すように、ウェイトバー20が下枠102上に位置し、スクリーン2が完全に閉じた状態になり、ロールスクリーン1の施工が完了する。
【0027】
次いで、この実施例のロールスクリーン1が示す作用及び効果について説明する。
図13は、スクリーン2をガイドレール4から後方に向かって外した状態を示す断面図である。
図11に示した状態から、スクリーン2を、昇降機構3によって巻き上げたり、巻き戻したりすることで、スクリーン2を開閉することができる。
そして、スクリーン2の外縁部2Aがガイドレール4のガイド通路60から抜けた際には、図13に示すように、スクリーン2をガイドレール4の後方に押す。
そして、図7に示したように、スクリーン2を昇降機構3によって最上位まで引き上げる。しかる後、図11に示したように、スクリーン2を下降させることで、スクリーン2をガイドレール4に復帰させることができる。
【0028】
ところで、上記の如く、スクリーン2を後方に押して、ガイドレール4の後方に位置させる場合や、後方への強い外力を誤ってスクリーン2に加えた場合には、その後方への外力がガイドレール本体6に加わり、ガイドレール本体6がガイドレールベース5から外れるおそれがある。また、室内にいる人が、ガイドレール本体6に誤ってもたれかかったような場合にも、ガイドレール本体6がガイドレールベース5から外れてしまうおそれがある。
しかし、この実施例のロールスクリーン1では、ガイドレール本体6を着脱機構7によってガイドレールベース5に取り付けた状態になっているので、後方への外力によって、ガイドレール本体6がガイドレールベース5から外れることはない。
そして、ガイドレール本体6自体を交換する必要がある場合には、ガイドレール本体6を前方に回転させることで、ガイドレールベース5から簡単に取り外すことができる。そして、新しいガイドレール本体6は、図9に示したように、前側突起74と前側溝72とを係合させた状態で、後方に回転させることで、ガイドレールベース5に簡単に取り付けることができる。
【0029】
(実施例2)
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図14は、この発明の第2実施例に係るロールスクリーン1の要部を示す断面図である。
上記第1実施例では、着脱機構7の後側溝71と前側溝72とをガイドレールベース5の本体取付面51に設け、後側突起73と前側突起74とをガイドレール本体6のベース取付面67に設けた例を示したが、この実施例では、各溝や突起の取付部位が、上記第1実施例に適用されたガイドレール4と異なる。
具体的には、図14に示すように、着脱機構7の後側突起73をガイドレールベース5の本体取付面51の後端部に凸設し、前側溝72を前端部に凹設した。
そして、後側溝71をガイドレール本体6のベース取付面67の後端部に凹設すると共に、前側突起74を前端部に凸設した。
【0030】
これにより、着脱機構7の前側突起74を前側溝72に係合させた状態で、ガイドレール本体6を後方に回転させることで、後側溝71が後側突起73に嵌合し、ガイドレール本体6をガイドレールベース5に簡単且つ迅速に取り付けることができる。
その他の構成,作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0031】
(実施例3)
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図15は、この発明の第3実施例に係るロールスクリーン1の要部を示す断面図である。
この実施例では、各溝や突起の取付部位が、上記第1及び第2実施例に適用されたガイドレール4と異なる。
具体的には、図15に示すように、着脱機構7の後側溝71をガイドレールベース5の本体取付面51の後端部に凹設し、前側突起74を前端部に凸設した。
そして、後側突起73をガイドレール本体6のベース取付面67の後端部に凸設すると共に、前側溝72を前端部に凹設した。
【0032】
これにより、着脱機構7の前側溝72を前側突起74に係合させた状態で、ガイドレール本体6を後方に回転させることで、後側突起73が後側溝71に嵌合し、ガイドレール本体6をガイドレールベース5に簡単且つ迅速に取り付けることができる。
その他の構成,作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0033】
(実施例4)
次に、この発明の第4実施例について説明する。
図16は、この発明の第4実施例に係るロールスクリーン1の要部を示す断面図である。
この実施例では、各溝や突起の取付部位が、上記第1ないし第3実施例に適用されたガイドレール4と異なる。
具体的には、図16に示すように、着脱機構7の後側突起73をガイドレールベース5の本体取付面51の後端部に凸設し、前側突起74を前端部に凸設した。
そして、後側溝71をガイドレール本体6のベース取付面67の後端部に凹設すると共に、前側溝72を前端部に凹設した。
【0034】
これにより、着脱機構7の前側溝72を前側突起74に係合させた状態で、ガイドレール本体6を後方に回転させることで、後側溝71が後側突起73に嵌合し、ガイドレール本体6をガイドレールベース5に簡単且つ迅速に取り付けることができる。
その他の構成,作用及び効果は、上記第1ないし第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0035】
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、抜止機構65を備えたガイドレール4を適用した例を示したが、抜止機構65を有しないガイドレールも、この発明に適用することができることは勿論である。
【0036】
また、上記実施例では、図5に示したように、溝71,72と突起73,74とを用いて、着脱機構7を構成した例を示したが、突起73,74の部分に溝を形成して、溝同士の係合により、ガイドレール本体6をガイドレールベース5に着脱自在に取り付けることができる構成にすることができる。
具体的には、図17に示すように、突壁75aを、後側突起73の前側にガイドレール本体6の長さ方向に沿って設けることにより、後側溝71と嵌合可能な後側溝75を形成する。そして、前側突起74と前側誘導壁61との間隙を前側溝72が係合可能な大きさに設定して、前側溝76を形成する。
これにより、前側溝76を前側溝72に筋合わせで係合させた状態で、ガイドレール本体6を後方に回転させることにより、後側溝75を後側溝71に筋合わせすることで係合させることができる。
【0037】
また、上記実施例では、図2及び図3に示したように、遮光材の一方側をスクリーン2の後側とし、遮光材の他方側をスクリーン2の前側とした例について説明したが、日射遮蔽装置であるロールスクリーン1の建築物への取り付けた方によって、遮光材の一方側がスクリーン2の前側、上側又は下側を示し、遮光材の他方側がスクリーン2の後側、下側又は上側を示す場合があることは勿論である。
【0038】
さらに、上記実施例では、日射遮蔽装置として、ロールスクリーンを適用した例を示したが、ロールスクリーンだけでなく、プリーツスクリーン、ブラインド装置等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…ロールスクリーン、 2…スクリーン、 2A…外縁部、 3…昇降機構、 4…ガイドレール、 5…ガイドレールベース、 5a…ビス孔、 5b,35a…ビス、 6…ガイドレール本体、 6a,71c,72c…開口、 7…着脱機構、 20…ウェイトバー、 30…巻取軸、 31…チェーン、 32…回転機構、 33…取付フレーム、 34…ブラケット、 35…ベースフレーム、 40…下キャップ、 41…上キャップ、 41a…前側誘導壁、 41b…後側誘導壁、 41c…誘導溝、 51…本体取付面、 52…縦枠取付面、 60…ガイド通路、 61…前側ガイド壁、 62…後側ガイド壁、 63,64…側部ガイド壁、 65…抜止機構、 66…パッキン、 66a…湾曲部、 66b…歯部、 67…ベース取付面、 71,75…後側溝、 71a’,71b’,72b’,73a’,73b’,74a’…凸部、 71a…前部、 71b…後壁、 72,76…前側溝、 72a…前壁、 72b…側部、 73…後側突起、 74…前側突起、 75a…突壁、 100…上枠、 101…縦枠、 102…下枠。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17