(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1面と第2面とを有する印刷媒体の両面に印刷するために、単色又は複数色の第1リボンパネルと前記第1リボンパネルとは異なる種類の第2リボンパネルとが連続して配置され、前記第1リボンパネルと前記第2リボンパネルとが面順次に配置されたインクリボンを用いて直接又は間接的に前記印刷媒体に印刷処理を行う印刷装置において、
前記印刷媒体に対して直接又は間接的に画像を形成する印刷部と、
前記インクリボンの各リボンパネルのパネル位置を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果により、次に使用可能な直近のリボンパネルが前記第1リボンパネルか前記第2リボンパネルかを判別する使用パネル判別手段と、
印刷データを受信する受信部と、
前記印刷データが前記第1リボンパネルを用いて印刷されるか前記第2リボンパネルを用いて印刷されるかを判断する印刷データ判断手段と、
前記印刷媒体の前記第1面と前記第2面に対する印刷順序を決定する印刷順序決定手段と、を備え、
前記転写順序決定手段は、前記使用パネル判別手段によって判別された次に使用可能な直近のリボンパネルの種類と、前記印刷データ判断手段によって判断されたリボンパネルの種類とを比較して、前記印刷媒体の前記第1面と前記第2面に対する印刷順序を決定することを特徴とする印刷装置。
前記印刷順序決定手段は、前記印刷データ判断手段によって判断された前記第1面で使用するインクパネルの種類と、前記使用パネル判別手段によって判別された次に使用可能な直近のインクパネルの種類とが一致した場合、前記印刷媒体の前記第1面を先に印刷することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
第1面と第2面とを有する印刷媒体の両面に印刷するために、単色又は複数色の第1リボンパネルと前記第1リボンパネルとは異なる種類の第2リボンパネルとが連続して配置され、前記第1リボンパネルと前記第2リボンパネルとが面順次に配置されたインクリボンを用いて直接又は間接的に前記印刷媒体に印刷処理を行う印刷方法であって、
前記インクリボンの各リボンパネルのパネル位置を検出して、次に使用可能な直近のリボンパネルが前記第1リボンパネルか前記第2リボンパネルかを判別し、
印刷データが前記第1リボンパネルを用いて印刷されるか前記第2リボンパネルを用いて印刷されるかを判断し、
次に使用可能な直近のリボンパネルの種類と、前記印刷データよって判断されたリボンパネルの種類とを比較して、前記印刷媒体の前記第1面と前記第2面に対する印刷順序を決定し、
決定された印刷順序に従って前記印刷媒体の両面に印刷処理を行うことを特徴とする印刷方法。
印刷順序を決定する際に、前記印刷媒体の前記第1面で使用するインクパネルの種類と、次に使用可能な直近のリボンパネルの種類とが一致した場合、前記印刷媒体の前記第1面を先に印刷するように印刷順序を決定することを特徴とする請求項4に記載の印刷方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を、カードに文字や画像を印刷記録するとともに、カードに磁気的ないし電気的な情報記録を行う印刷装置に適用した実施の形態について説明する。
【0014】
<システム構成>
図1および
図8に示すように、本実施形態の印刷装置1は印刷システム200の一部を構成している。すなわち、印刷システム200は、大別して、上位装置201(例えば、パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ)と、印刷装置1とで構成されている。
【0015】
印刷装置1は、図示を省略したインターフェースを介して、上位装置201に接続されており、上位装置201から印刷装置1に印刷データや磁気的ないし電気的記録データ等を送信して、記録動作等を指示することが可能である。なお、印刷装置1は、オペパネ部(操作表示部)5を有しており(
図8参照)、上位装置201からの記録動作指示の他、オペパネ部5からの記録動作指示も可能である。
【0016】
上位装置201には、デジタルカメラやスキャナ等の画像入力装置204、上位装置201に命令やデータを入力するためのキーボードやマウス等の入力装置203、上位装置201によって生成されたデータ等の表示を行なう液晶ディスプレイ等のモニタ202が接続されている。
【0017】
<印刷装置>
図2に示すように、印刷装置1はハウジング2を有しており、ハウジング2には情報記録部Aと画像形成部Bと媒体収容部Cと収容部Dとが備えられる。
【0018】
情報記録部Aは、磁気記録部24と、非接触式IC記録部23と、接触式IC記録部27とで構成される。
【0019】
媒体収容部Cは、複数枚のカードを立位姿勢で整列して収納しており、その先端には分離開口7が設けられて、ピックアップローラ19にて最前列のカードから繰り出し供給するようになっている。
【0020】
繰り出されたカードは、先ず搬入ローラ22にて反転ユニットFに送られる。反転ユニットFはハウジング2に旋回動可能に軸受け支持された回転フレーム80と、このフレームに支持された2つのローラ対20、21にて構成される。そして、ローラ対20、21は回転フレーム80に回転自在に軸支持されている。
【0021】
反転ユニットFが旋回する外周には、磁気記録部24と、非接触式IC記録部23および接触式IC記録部27が配置されている。そして、ローラ対20、21は、これらの情報記録部23、24、27の何れかに向けて搬入する媒体搬入経路65を形成し、これらの記録部にてカードには磁気的若しくは電気的にデータが書き込まれる。
【0022】
画像形成部Bは、カードの表裏面に顔写真、文字データなど画像を形成するもので、媒体搬入経路65の延長上にカードを移送する媒体搬送経路P1が設けられている。また、媒体搬送経路P1にはカードを搬送する搬送ローラ29、30が配置され、図示しない搬送モータに連結されている。
【0023】
画像形成部Bはフィルム状媒体搬送装置を備えて、この搬送装置にて搬送される転写フィルム46に対して、先ずサーマルヘッド40にて画像を印刷する一次転写部と、続いてヒートローラ33にて媒体搬送経路P1にあるカードの表面に転写フィルム46に印刷された画像を印刷する二次転写部とを備えている。
【0024】
画像形成部Bの下流側には収容スタッカ60に印刷後のカードを移送する媒体搬送経路P2が設けられている。媒体搬送経路P2にはカードを搬送する搬送ローラ37、38が配置され、図示しない搬送モータに連結されている。
【0025】
搬送ローラ37と搬送ローラ38の間にはデカール機構36が配置され、搬送ローラ37、38間に保持されたカード中央部を押圧することにより、ヒートローラ33による熱転写により生じたカールを矯正する。このためデカール機構36は図示しないカムなどによる昇降機構にて
図2に示す上下方向に位置移動可能に構成されている。
【0026】
収容部Dは、画像形成部Bから送られたカードを収容スタッカ60に収容するように構成されている。収容スタッカ60は、昇降機構61にて
図2で下方に移動するように構成されている。
【0027】
上記した印刷装置1の全体構成の中で画像形成部Bについて、更に詳しく説明する。
【0028】
転写フィルム46は、モータMr2、Mr4の駆動にて回転する転写フィルムカセットの巻取ロール47と繰出ロール48にそれぞれ巻回されている。フィルム搬送ローラ49は、転写フィルム46を移送する主要な駆動ローラであり、このローラ49の駆動を制御することで転写フィルム46の搬送量および搬送停止位置が決まる。このフィルム搬送ローラ49は不図示のステッピングモータに連結されている。フィルム搬送ローラ49の駆動時にモータMr2も駆動するが、巻取ロール47が繰り出された転写フィルム46を巻き取るためのものであって、転写フィルム46を搬送の主体となって駆動するものではない。なお、繰出ロール48はモータMr4に連結されており、転写フィルム46が巻取ロール47に巻き取られる方向に搬送する際は、モータMr4の回転速度を制御して転写フィルム46に適度なバックテンションを付与する。
【0029】
フィルム搬送ローラ49の周面には、ピンチローラ32aとピンチローラ32bとが配置されている。ピンチローラ32a、32bは、
図2では示されていないが、フィルム搬送ローラ49に対して進出および退避するよう移動可能に構成されており、図の状態はフィルム搬送ローラ49に進出して圧接することで転写フィルム46をフィルム搬送ローラ49に巻き付けている。これにより、転写フィルム46はフィルム搬送ローラ49の回転数に応じた距離の正確な搬送が行われる。
【0030】
インクリボン41はインクリボンカセット42に収納され、このカセット42にインクリボン41を供給する供給スプール43とインクリボン41を巻き取る巻取スプール44が収容され、巻取スプール44はモータMr1にて駆動し、供給スプール43はモータMr3にて駆動する。モータMr1およびモータMr3には正逆転可能なDCモータが用いられている。また、
図2に示すSe2は、インクリボン41の終端部に付されインクリボン41の使用限界を表すエンプティマーク(
図10(B)の符号EMP_M参照)を検出するための透過型センサである。
【0031】
なお、インクリボン41は両面専用リボンであり、カードの表面(第1面)印刷用のカラーリボンパネルであるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)と、Bk(ブラック)のリボンパネルと、裏面(第2面)印刷用のモノクロリボンパネルであるBk(ブラック)のリボンパネルとを面順次に繰り返すことで構成されている(
図11(A)参照)。このインクリボン41では、表面(第1面)に顔写真等のカラー画像を印刷し、裏面(第2面)に文字等のモノクロ画像を印刷するためのものである。よって、Y、M、C、Bk、Bkを用いて一枚のカードに印刷を行う。なお、両面専用リボンとは、異なる種類のリボンパネルが連続して配置され(Y、M、C、Bk:BkやY、M、C、Bk、Hs:Bk、Hs(Hsはヒートシール)等)、それが面順次に配置されることで構成されたインクリボンのことである。よって、カードの第1面に対して1種類目のリボンパネルを用いて印刷を行い、カードの第2面に対して2種類目のリボンパネルを用いて印刷を行うことでカードの両面印刷を行う。
【0032】
また、カード両面に対して両方ともカラー印刷を行う場合は、同一種類のリボンパネル(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)で1つのまとまり)が面順次に構成されたインクリボン(
図11(B)参照)を用いて印刷を行い、両面モノクロで印刷を行う場合は、Bk(ブラック)のみで構成されたインクリボン(不図示)を使用する。
【0033】
本実施形態の印刷装置1では上述のように複数種類のインクリボン41を用いて印刷処理を行うことが可能であるため、インクリボン41の種類を判別する必要がある。これは、インクリボンにICチップを搭載して印刷装置1と通信を行って判別しても良いし、ユーザがインクリボン41の種類を入力して設定してもよい。また、インクリボン41にマークを施して、後述するセンサSe2でマークを読み取り、その結果によってインクリボン41の種類を判別してもよい。
【0034】
また、センサSe2はBkパネルの通過も検出しており、このBkパネルの検出によって各リボンパネル内の位置管理を行い、後に説明するリボン頭出し等に利用する。具体的には、裏面用Bk(ブラック)のOffエッジからの供給スプール43の回転量を検出すること(後に説明するエンコーダ121で供給スプールの回転量を検出する)によってBk(ブラック)から次のBk(ブラック)までのY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)内の位置管理を行う。本実施形態では、Y(イエロー)とM(マゼンタ)、M(マゼンタ)とC(シアン)の境界を示すマークが無い為、Bk(ブラック)のOffエッジ(Bk後端)をY(イエロー)の開始位置(Yの先端)と判断し、ここからの相対位置管理でY(イエロー)とM(マゼンタ)との境界(Mの先端)、M(マゼンタ)とC(シアン)との境界(Cの先端)を判断する。
【0035】
また、表面用Bk(ブラック)と裏面用Bk(ブラック)との間には約3mmの隙間が形成されているため、裏面用BkのOnエッジ(先端)も検出することができるため、裏面用Bk(ブラック)の頭出しも可能である。本実施形態では、後述するエンコーダ121によって供給スプール43の回転量を検出しており、インクリボン41が一定量搬送されたときの供給スプール43の回転量を検出することにより供給スプール43及び/又は巻取りスプール44のスプール径を検出してリボン残量を算出している。このスプール径の情報はリボン頭出しの際にも用いられる。Bk(ブラック)パネルのOffエッジからY、M、Cの頭出しのためのリボン搬送距離は一定だが、その一定距離搬送するための供給スプール回転量はスプール径によって変化するため、常にスプール径を検出して供給スプール43の回転量を制御している。
【0036】
プラテンローラ45とサーマルヘッド40とは一次転写部を構成しており、プラテンローラ45に対向する位置にサーマルヘッド40が配置されている。サーマルヘッド40は、ヘッドコントロール用IC(図示せず)により画像データに従って加熱制御されて、昇華型のインクリボン41を用いて転写フィルム46に画像を印刷する。なお、冷却ファン39はサーマルヘッド40を冷やす為のものである。
【0037】
転写フィルム46への印刷が終了したインクリボン41は、剥離コロ25と剥離部材28とで転写フィルム46から引き剥がされる。剥離部材28はカセット42に固設されており、剥離コロ25は印刷時に剥離部材28に当接して両者で転写フィルム46とインクリボン41とを挟持することで剥離が行われる。そして、剥離されたインクリボン41はモータMr1の駆動による巻取スプール44に巻き取られ、転写フィルム46はフィルム搬送ローラ49により、プラテンローラ31とヒートローラ33とを含む二次転写部まで搬送される。
【0038】
二次転写部では、転写フィルム46はカードと共にヒートローラ33およびプラテンローラ31とで挟持されて、転写フィルム46上の画像がカード表面に転写される。なお、ヒートローラ33は、転写フィルム46を介してプラテンローラ31に圧接・離間するように昇降機構(不図示)に取り付けられている。
【0039】
図3、4及び5に示すように、プラテンローラ45、剥離コロ25、転写フィルム46の張力を受ける張力受け部材52Aは、転写フィルム46から離間した待機ポジションと、転写フィルム46及びインクリボン41を介してサーマルヘッド40と剥離部材28に圧接した印刷ポジションと、待機ポジションと印刷ポジションとの間でプラテンローラ45とサーマルヘッド40とが離間したフィルム搬送ポジションに移動可能である。
【0040】
また、ピンチローラ32a、32b及び張力受け部材52はフィルム搬送ローラ49に対して接離可能に構成されている。なお、プラテンローラ45、剥離コロ25、張力受け部材52、52A及びピンチローラ32a、32bは不図示のカムで駆動される。
【0041】
図3の待機ポジションにあるときは、ピンチローラ32a、32bはフィルム搬送ローラ49に圧接しておらず、またプラテンローラ45はサーマルヘッド40に圧接していない。
【0042】
そして、印刷命令を受取ると画像形成部Bは
図4に示す印刷ポジションに移行する。その際、まずピンチローラ32a、32bがフィルム搬送ローラ49に転写フィルム46を巻き付けると共に、張力受け部材52は転写フィルム46と当接する。その後プラテンローラ45がサーマルヘッド40に圧接する。この印刷ポジションでは、プラテンローラ45がサーマルヘッド40に向けて移動して転写フィルム46とインクリボン41を挟み圧接して、剥離ローラ25が剥離部材28と接している。
【0043】
この状態で、フィルム搬送ローラ49の回転により転写フィルム46の搬送が開始されると、同時にインクリボン41もモータMr1の動作により巻取スプール44にて巻き取られて同じ方向に搬送される。この搬送の間、転写フィルム46に設けた位置出し用マークがセンサSeを通過して所定量移動し、転写フィルム46が印刷開始位置に到達した時点で、転写フィルム46の所定領域にサーマルヘッド40による印刷が行われる。特に印刷中は転写フィルム46の張力が大きくなるため、転写フィルム46の張力はフィルム搬送ローラ46からピンチローラ32a、23bを離間させる方向および、剥離部材28とサーマルヘッド40から剥離コロ25とプラテンローラ45とを離間させる方向に働く。しかし、上記したように、転写フィルム46の張力は張力受け部材52、52Aが受けているため、ピンチローラ32a、32bの圧接力が弱くなることがなく、正確なフィルム搬送を行うことができ、サーマルヘッド40とプラテンローラ45との圧接力および、剥離部材28と剥離コロ25との圧接力も弱くなることがないため、正確な印刷および剥離を行うことができる。印刷終了後のインクリボン41は転写フィルム46から引き剥がされて巻取スプール44に巻き取られる。
【0044】
転写フィルム46の搬送による移動量、すなわち印刷が施される前記印刷領域の搬送方向の長さは、フィルム搬送ローラ49に設けられたエンコーダ(不図示)にて検知され、それに応じてフィルム搬送ローラ49の回転が停止し、同時にモータMr2の動作による巻取スプール44による巻き取りも停止する。これにより、サーマルヘッド40による転写フィルム46の前記印刷領域への1色目の印刷が終了する。
【0045】
その後、画像形成部Bは
図5に示す搬送ポジションに移行して、プラテンローラ45はサーマルヘッド40から退避する方向に復帰する。この状態では依然として、ピンチローラ32a、32bはフィルム搬送ローラ49に転写フィルム46を巻き付けて、張力受け部材52は転写フィルム46と接しており、フィルム搬送ローラ49の逆方向の回転により転写フィルム46は初期位置にまで逆搬送される。このときも転写フィルム46の移動量はフィルム搬送ローラ49の回転によって制御されるが、印刷が施された前記印刷領域の搬送方向の長さ分が逆搬送される。なお、インクリボン41もモータMr3により所定量巻き戻され、次に印刷する色のパネルを初期位置(頭出し位置)に待機させる。
【0046】
そして、再び
図4に示す印刷ポジションとなり、プラテンローラ45をサーマルヘッド40に圧接させ、フィルム搬送ローラ49が再び正方向への回転を行って転写フィルム46を前記印刷領域の長さ分移動させると、サーマルヘッド40にて次色による印刷が行われる。
【0047】
こうして、印刷ポジションと搬送ポジションでの動作は全ての色(本例では、表面の場合はY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の4色。裏面の場合はBk(ブラック)一色。)の印刷が終了するまで繰り返される。そして、サーマルヘッド40による印刷(一次転写)が終了すると、転写フィルム46の一次転写された領域をヒートローラ33まで搬送するが、このときピンチローラ32a、32bの転写フィルム46への圧接を解除する。その後の二次転写は巻取ロール47の駆動で転写フィルムを搬送しながらカードへの転写が行われる。二次転写の際は、転写フィルム46とカードとをヒートローラ33とプラテンローラ31とで圧接して加熱することにより転写フィルム46に形成された画像をカードに転写する。
【0048】
<インクリボンカセット>
次に、インクリボン41を収納するカセット42について詳述する。
図6に示すように、カセット42は、カセット42の基台となる矩形板状のベース11を有している。ベース11には、本体装置(印刷装置1)に装着するための本体接続突起15、16が突設されている。本体装着突起15、16にはバネが巻き掛けられており、これらのバネにより本体装置にスライド可能に装着される。
【0049】
ベース11の長手方向一側(
図6の上側)には巻取スプール44が回転可能に配置されており、ベース11の長手方向他側(
図6の下側)には供給スプール43が回転可能に配置されている。すなわち、ベース11の長手方向一側および他側には、それぞれ巻取スプール44および供給スプール43の一側の軸(
図7の符号119参照)を回転可能に軸支する円形状の貫通穴が形成されている。巻取スプール44は軸の反対側に大径の係合部115を有しており、供給スプール43は軸119の反対側に係合部115より小径の係合部112を有している。このように係合部115と係合部112との径が異なるのは、カセット42を本体装置に装着する際に、
図6に示す上下方向で誤って装着しようとしても装着できないようにするためである。
【0050】
また、カセット42は、ベース11と交差する方向に、巻取スプール44および供給スプール43を覆うカバー17を有している。カバー17はベース11の長手方向に沿う端部に固定されている。さらに、カセット42には、
図6の下側から上側の順に、シャフト14、13、シャフト状の剥離部材28、シャフト12が、供給スプール43ないし巻取スプール44の軸線と平行となるように配設されている。これらのシャフトは、それぞれ、一側がベース11に固定されており、他側がカバー17からベース11と対向するように張り出した延出部に固定されている。
【0051】
従って、供給スプール43から繰り出されたインクリボン41は一面側でシャフト14、13、剥離部材28およびシャフト12に摺接して巻取スプール44に巻き取られるように、またはその逆に、シャフト12、剥離部材28およびシャフト14、13に摺接して供給スプール43に巻き戻されるように搬送される。
【0052】
ここで、カセット42が本体装置に装着された際の本体装置側のセンサSe2およびサーマルヘッド40とこれらのシャフトとの配置関係について付言すると、
図10(A)に示すように、供給スプール43から繰り出されたインクリボン41に沿って、シャフト14とシャフト13との間にセンサSe2が位置付けられており、シャフト13と剥離部材28との間にサーマルヘッド41が位置付けられている。
【0053】
また、カセット42が本体装置に装着された際のインクリボン41、供給スプール43、巻取スプール44等の関係について付言すると、インクリボン41の供給スプール43と巻取スプール44との間で張架された長さが、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の連続する4色のリボンパネルのうち3色のリボンパネルの合計の長さより小さく設定されており、さらに、供給スプール43と巻取スプール44との間で張架されたインクリボン41に沿って、供給スプール43とセンサSe2との間の距離、センサSe2とサーマルヘッド40との間の距離、サーマルヘッド40と剥離部材28との間の距離、および、剥離部材28と巻取スプール44との間の距離が、いずれもインクリボン41の1色のリボンパネルの長さより小さく設定されている。
【0054】
<スプール本体および本体装置との係合>
次に、
図7を参照して、供給スプール43側のスプール本体110およびスプール本体110に係合する印刷装置1の係合部について説明する。
図7は供給スプール43の係合部112と本体装置側の係合部材(係合凸部122)との係合状態を示したものであるが、巻取スプール44の係合部と本体装置側の係合部材との係合状態も同様のため、供給スプール43についてのみ説明し、巻取スプール44についての説明は省略する。係合部112は、端部方向へ突出する矩形状の8個の凸部を有している。なお、
図6に示した供給スプール43および巻取スプール44はそれぞれスプール本体110にインクリボン41が巻回(保持)されたものであり、供給スプール43にはインクリボン41のうち未使用部分が巻回されており、巻取スプール44にはインクリボン41のうち使用済部分(サーマルヘッド40による熱転写後のインクリボン41)が巻回される。
【0055】
スプール本体110は、両側にフランジ113、114を有しインクリボン41を保持する筒状のリボン保持部118と、フランジ113に隣接して一側端部に設けられた係合部112と、フランジ114に隣接して係合部112の反対側に設けられリボン保持部118の筒状部より縮径された軸部119とを有している。
【0056】
フランジ113、114はスプール本体110の軸方向でインクリボン41のリボン保持部118への巻回を位置規制するため、スプール本体110が回転しても、リボン保持部118から未使用のリンクリボン41が位置ズレすることなく供給され(供給スプール43の場合)、巻き取り側のリボン保持部にはリンクリボン41のうち使用済部分が適正に巻回される(巻取スプール44の場合)。
【0057】
供給スプール43の係合部112に対する本体装置側の係合部は複数の部材で構成されている。すなわち、ハウジング2に支持軸125が固定されており、支持軸125は円盤状で外縁部にギアを有する係合部材を回転可能に軸支している。係合部材の、係合部112と係合する側には、係合部112の凸部(溝部)とは形状の異なる、2つの係合凸部122が対向するように(係合部材の回転方向に対して180°の位相差ができるように)突設されている。係合部122には、凸部側面に直線状に形成され所定の傾斜角度を有する傾斜面と、隣接する凸部の傾斜面間を連接する底部とで形成された溝が形成されている(
図7では係合部112と係合部122の凸部の関係が逆である。)。また、支持軸125にはバネ124が巻き掛けられており、このバネ124により係合部材(係合凸部122)はスライド可能に係合部側に付勢される。なお、ギア123には図示しないギアが噛合しており、この図示しないギアにモータMr3からの駆動力が伝達される。
【0058】
カセット42を本体装置に装着する際に、スプール本体110の係合部112の凸部の先端と装置本体側の係合部材に設けられた係合凸部122の先端とが当接して(ぶつかって)スムーズに挿入されない場合がある。係合部材は支持軸125の軸方向に対してスライド可能に設けられているため、係合部112の凸部の先端と係合凸部122の先端とがぶつかったときには、係合凸部122が一旦装置フレーム側(スプール本体110の反対側)に退避する。その後、係合部材またはスプール本体110が回転すると、係合凸部122が係合部112の凸部間の溝に入り込み、バネ124によってスプール本体110側に付勢され、係合凸部122と係合部112の凸部(間の溝)とは2点で点接触する。
【0059】
係合部材のギアにはギア121Cが噛合しており、ギア121Cには同軸上にスリット(不図示)が形成された回転板121Aが固着している。また、回転板121Aを挟む位置には、発光素子と受光素子とからなる透過一体型のセンサ121Bが配置されている。従って、回転板121Aとセンサ121Bが、インクリボン41を供給する供給スプール43の回転量を検出する回転量検出手段としてのエンコーダ121を構成している。なお、上述したフィルム搬送ローラ49に設けられたエンコーダ(不図示)も同様に構成されている。すなわち、フィルム搬送ローラ49の駆動軸に
図7に示したギア123と同様のギアが嵌着されており、このギアに噛合するギア(
図7のギア121Cに相当)と回転板(
図7の回転板121Aに相当)とを有しており、この回転板の回転がセンサ(
図7のセンサ121Bに相当)で検出可能に構成されている。
【0060】
サーマルヘッド40の転写フィルム46への印刷処理に伴って、インクリボン41は供給スプール43側から巻取スプール44へと搬送されることになるが、これに準じて、供給スプール43のリボン径は大径から小径へと移行し、また、巻取スプール44のリボン径は小径から大径へと変化していくことになる。この変化に伴い、インクリボン41を巻取スプール44に巻き取る際の張力(テンション)は、大から小へと移行していき、インクリボン41を供給スプール43に巻き戻す際の張力は、反対に、小から大へと移行していくため、本例では、巻取スプール44の回転駆動源となるモータMr1と、供給スプール43の回転駆動源となるモータMr3との2つのモータを用い、これら2つのモータも速度差を利用してインクリボン41の張力を調整する。例えば、インクリボン41を巻取スプール44で巻き取る際は、モータMr1も回転速度よりもモータMr3の回転速度を若干遅く設定し、インクリボン41が弛まないようにバックテンションを付与する。なお、インクリボン41が巻取スプール44に巻き取られる方向にモータMr1、Mr3を回転する場合を正転駆動、供給スプール43に巻き戻す方向にモータMr1、Mr3を回転する場合を逆転駆動とする。
【0061】
次に、印刷装置1の制御および電気系統について説明する。
図8に示すように、印刷装置1は、印刷装置1全体の動作制御を行う制御部100と、商用交流電源から各機構部および制御部等を駆動/作動可能な直流電源に変換する電源部120とを有している。
【0062】
<制御部>
図8に示すように、制御部100は、印刷装置1の全体の制御処理を行うマイクロコンピュータ102(以下、マイコン102と略称する。)を備えている。マイコン102は、中央演算処理装置として高速クロックで作動するCPU、印刷装置1の基本制御動作(プログラムおよびプログラムデータ)が記憶されたROM、CPUのワークエリアとして働くRAM、およびこれらを接続する内部バスで構成されている。
【0063】
マイコン102には外部バスが接続されている。外部バスには、上位装置201との通信を行うための図示を省略したインターフェース、カードに印刷すべき印刷データやカードの磁気ストライプ部や内蔵ICに磁気的ないし電気的に記録すべき記録データ等を一時的に格納するバッファメモリ101が接続されている。
【0064】
また、外部バスには、各種センサからの信号を制御するセンサ制御部103、各モータに駆動パルスや駆動電力を送出するモータドライバ等を制御するアクチュエータ制御部104、サーマルヘッド40を構成する発熱素子への熱エネルギを制御するためのサーマルヘッド制御部105、オペパネ部5を制御するための操作表示制御部106、および、上述した情報記録部Aが接続されている。
【0065】
電源部120は、制御部100、サーマルヘッド40、オペパネ部5および情報記録部Aに作動/駆動電源を供給している。
【0066】
(動作)
次に、本実施形態の印刷装置1の印刷処理動作について、マイコン102のCPU(以下、単にCPUという。)を主体として説明する。なお、印刷装置1の全体動作については既に説明したため、ここでは、CPUによるカードに対する印刷順序の決定フローを中心に説明する。
【0067】
まず、本実施形態の印刷システム200では、カードの両面に対して印刷可能であるため、ユーザはPC等の上位装置201で印刷データを作成する。本装置で用いられるインクリボン41は、例えばカードの表面にカラーと黒(Y、M、C、Bk)(カラーという)、裏面に黒(Bk)を印刷するためのものであるため、ユーザは表面用の印刷データと裏面用の印刷データを作成する。このとき、常に表面にカラー、裏面に黒を印刷する場合は問題ないが、複数枚のカード発行を行う際に途中で表面に黒、裏面にカラーを印刷しようとした場合に表面用のカラーリボンパネル41aを飛ばして裏面用のモノクロリボンパネル41bから印刷を始め、その後、次の表面用カラーリボンパネル41aでカードの裏面に印刷するための画像を印刷する。よって先のカラーリボンパネル41aが無駄になってしまう。
【0068】
このため、本実施形態の印刷装置1は、次に使用可能なインクリボン41のリボンパネルの種類(カラーorブラック)と上位装置201から送られた印刷データとを比較して印刷順序を変更可能に構成されている。また、
図11(A)に示すYMCBk−Bkインクリボン41を使用する場合でも、カード両面に同じ種類のリボンパネルを用いて印刷する場合(例えば、両面カラー又は両面ブラック)、いずれかのリボンパネルは無駄になってしまう。その場合はカード排出時にカードの表面を上にして排出するか裏面を上にして排出するかによって印刷順序を変更すればカード発行の処理速度が向上する。例えば、カード裏面を上にして排出する場合、二次転写部において表面転写後に裏面を転写すると、裏面転写後に再びカードを反転してから排出する必要がある。よって、先に裏面を転写した後に表面を転写してそのまま排出すれば、反転処理に係る時間が短縮される。
【0069】
本実施形態では、マイコン102のCPUによって上位装置201から受信した印刷データと、次に使用可能なリボンパネルの種類とを比較して印刷順序を決定する。以下、具体的な処理のフローを説明する。
【0070】
図9のフローチャートに示すように、ステップS1において、次に使用可能なリボンパネルの種類を判別する。これは、上述したようにセンサSe2によるBk(ブラック)パネルの通過の検出と、エンコーダ121による供給スプール43の回転量の検出によって現在のリボン位置がわかるため、次に使用可能なリボンパネルがカラーリボンパネル41aなのかモノクロリボンパネル41bなのかを判別することができる。
【0071】
そして、ステップS2で上位装置から印刷データを受信する。まず、その印刷データに表面の印刷データがあるか否かを判断し(ステップS3)、もし表面の印刷データがなくて裏面の印刷データのみであった場合、片面印刷と判断され印刷順序は「裏のみ」となる(ステップS4)。また、裏面の印刷データがなく表面のみであった場合(ステップS5)、片面印刷と判断され印刷順序は「表のみ」となる(ステップS6)。このように、表面のみや裏面のみとなった場合は、使用するリボンパネルの種類は印刷データによって決定されるため、カラーデータならカラーリボンパネル41aを用いて印刷を行い、モノクロデータならモノクロリボンパネル41bを用いて印刷を行う。
【0072】
次に印刷装置1にセットされているインクリボン41が両面専用リボンかどうか判別する(ステップS7)。本実施形態で使用されるインクリボン41はY、M、C、Bk:Bkの両面専用リボンであるが、Y、M、C、Bkの4色のリボンパネルが面順次に構成されているインクリボン(
図11(B))の場合、印刷データによって印刷順序を変更する必要がない。このような場合、カード排出面の向きによって印刷順序を変更する(ステップS8)。よって、表面が上になるように排出されように設定されている場合、印刷順序は「表→裏」となり(ステップS9)、裏面が上になるように排出されるように設定されている場合、印刷順序は「裏→表」となる(ステップS10)。
【0073】
ステップS7においてセットされているインクリボン41が両面専用リボンであると判定された場合、表面の印刷データと裏面の印刷データとを比較して、表面と裏面とで同一種類のリボンパネルを使用するか否かを判断する(ステップS11)。例えば、両面専用リボンがセットされている状態で両面ともカラーデータを印刷する場合、印刷データによって印刷順序を変更する必要がないため、この場合はステップS8に移行してカード排出面の向きによって印刷順序を決定する。
【0074】
ステップS11において表面と裏面とで印刷データの種類が異なると判断された場合、ステップS1で判別された次に使用可能なリボンパネルの種類と、表面の印刷データの種類(カラーorモノクロ)とを比較して、一致するか否かを判断する(ステップS12)。例えば、次に使用可能なリボンパネルの種類がカラーリボンパネル41aで、表面の印刷データもカラーデータの場合、表(カラー)→裏(モノクロ)の順番で印刷を行えばリボンパネルを無駄にすることがないため、印刷順序は「表→裏」と設定される(ステップS13)。一方、次に使用可能なリボンパネルの種類がカラーリボンパネル41aで、表面の印刷データがモノクロデータの場合、表(モノクロ)→裏(カラー)の順番で印刷を行うと、次に使用可能なカラーリボンパネル41aを飛ばして表面のモノクロデータを印刷するため、カラーリボンパネル41aが無駄になってしまう。よって、この場合の印刷順序は「裏→表」と設定される(ステップS14)。
【0075】
このように設定された印刷順序に従って一次転写部で転写フィルム46に対して印刷処理を行い、二次転写部でカードの第1面に転写処理を行う。その後両面印刷の場合はカードを反転してカードの第2面に対して転写処理を行う(ステップS15)。転写処理が終わったカードは収容部Dに排出される(ステップS16)。なお、リボンパネルの種類と印刷データの種類とによって設定される印刷順序と、カード排出面の向きによって設定される印刷順序が異なる場合は、ユーザによってどちらを優先させるか設定可能である。もしリボンパネルの種類と印刷データの種類とによって設定される印刷順序が優先される場合は、カード両面に転写処理をした後にもう一度カード反転処理を行い、収容部Dにカードを排出する。
【0076】
以上から本実施形態では、現在のインクリボン41の位置から次に使用可能な(直近の)リボンパネルの種類と、上位装置201から受信した印刷データの種類(カラーデータかモノクロデータか)とを比較して印刷順序を決定するため、リボンパネルの無駄を軽減できる。また、印刷データによってリボンパネルの無駄が生じない場合(セットされているインクリボンが両面専用リボンでなかったり、表面の印刷データと裏面の印刷データが同じ種類だったりした場合)、カード排出面の向きによって印刷順序を設定することができるので、処理時間が短縮される。
【0077】
なお、本実施形態では印刷順序をマイコン102のCPUが決定する構成を示したが、次に使用可能なインクリボンの情報を上位装置201に送り、上位装置201側で印刷順序を決定し、その決定した印刷順序で印刷装置1に印刷命令を送信してもよい。また、同様にセットされているインクリボン41の種別情報やカード排出面の設定情報を上位装置201に送って、上位装置201側で印刷順序を決定してもよい。
【0078】
また、本実施形態では、一次転写部で転写フィルム46にインクリボン41を用いた画像を形成し、二次転写部でその画像をカードに転写する中間転写型プリンタの例を示したが、インクリボン41とカードとをサーマルヘッド40とプラテンローラ45とで圧接して直接カードに印刷する直接転写型プリンタを用いてもよい。
【0079】
なお、本実施形態では、
図11(B)に示すようなY、M、C、Bkの4色のリボンパネルが面順次に構成されているインクリボン41は両面専用リボンとして扱わない例を示したが、カードの表面をY、M、C3色でカラー印刷し、裏面をBkでモノクロ印刷を行うようにしてもよい。つまり、通常であればY、M、C、Bkのインクリボン41は4色でカード1面に印刷するように使用されるが、インクリボン41を
図12に示すように、Y、M、Cがカラーリボンパネル(第1リボンパネル)41a、Bkがモノクロリボンパネル(第2リボンパネル)41bとして使用するモードを設定してもよい。
【0080】
このモード設定は、ユーザがオペパネ部5を操作して設定しても良いし、上位装置201側から設定しても良い。このモードを設定した場合は、Y、M、C、Bkが面順次に構成されるインクリボン41であっても両面専用リボンと判定されるため、
図9に示すフローチャートのステップS7の判断は「はい(両面専用リボンである)」となり、その後のフローは上述の通り(Y、M、C、Bk、Bkリボンと同様)である。以上から、カードの表面と裏面にそれぞれ異なる種類の色(インク)を印刷することが可能なインクリボンは両面専用リボンとして使用することができ、本発明の制御が適用可能である。