特許第6114259号(P6114259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6114259概ね円筒形状の対象物に印刷するための装置および関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114259
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】概ね円筒形状の対象物に印刷するための装置および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20170403BHJP
【FI】
   B41J2/01 109
   B41J2/01 129
   B41J2/01 305
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-508561(P2014-508561)
(86)(22)【出願日】2012年4月26日
(65)【公表番号】特表2014-512990(P2014-512990A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】US2012035252
(87)【国際公開番号】WO2012149187
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2015年4月20日
(31)【優先権主張番号】61/479,106
(32)【優先日】2011年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511281800
【氏名又は名称】インクス インターナショナル インク カンパニー
【氏名又は名称原語表記】INX INTERNATIONAL INK COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ラカーゼ,ジョン,アール.
【審査官】 村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/135673(WO,A1)
【文献】 特開2001−315316(JP,A)
【文献】 特表2012−527387(JP,A)
【文献】 特開2001−205794(JP,A)
【文献】 特開2004−034449(JP,A)
【文献】 特開2004−113943(JP,A)
【文献】 特開2001−80061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸から一定の半径の位置によって規定された表面を含む円筒部分を有する、少なくとも部分的に円筒形の対象物に印刷するためのインクジェットプリンタであって、
流体供給部と通じており、少なくとも部分的に円筒形の対象物を搬送する搬送のラインに相対するように位置した複数のプリントヘッドであって、当該各プリントヘッドは予め定められた画像に従って、上記対象物の表面に流体を選択的に堆積するように制御され、第1のプリントヘッドは、第2のプリントヘッドに対して軸方向に離れて配置されている、複数のプリントヘッドと、
上記搬送のラインに沿って配置されており、上記対象物の上記表面に堆積された流体を固化することのできるエネルギーを照射する固化装置と、
上記対象物を保持し、上記搬送のラインに沿って上記軸が並べられるように、上記対象物を軸方向に搬送し、上記搬送のラインに沿って上記対象物を軸方向の双方向に搬送し、該対象物を上記複数のプリントヘッドに対して配置し、上記対象物を上記複数のプリントヘッドに対して回転させ、かつ、上記固化装置に対して上記対象物を軸方向に配置するキャリッジアセンブリとを備え
上記複数のプリントヘッドは、上記対象物がいずれの方向に搬送されるときにおいても、上記対象物の上記表面に流体を選択的に堆積するように制御されているインクジェットプリンタ。
【請求項2】
上記固化装置は、上記対象物がいずれの方向に搬送されるときにおいても、上記エネルギーを放射するように構成されている請求項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
上記キャリッジアセンブリは、中空円筒形対象物挿入されるような寸法の自由端を有するマンドレルをさらに備え、上記マンドレルは、回転駆動シャフトへ連結される請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
上記マンドレルはさらに、上記自由端において開口を有するチャンバを画定し、上記自由端に対して上記対象物を引き付けるのに十分な程度に実質的な真空が当該チャンバ内に形成されるように、上記チャンバには流体の流路が通じている請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
上記複数のプリントヘッド上記軸の上方においてアーチ状に配置されて形成された印刷トンネルを備える請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
上記軸に沿って並んで配置された、少なくとも2つの上記印刷トンネルをさらに備える請求項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
上記軸に沿って軸方向に並ぶように上記キャリッジアセンブリによって支持された、中空円筒形対象物挿入されるような寸法の自由端を有する、概ね円筒形のマンドレルをさらに備え、上記マンドレルは、回転駆動シャフトへ連結される請求項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
上記マンドレルはさらに、上記自由端において開口を有するチャンバを画定し、上記自由端に対して上記対象物を引き付けるのに十分な程度に実質的な真空が当該チャンバ内に形成されるように、上記チャンバには流体の流路が通じている請求項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
上記キャリッジアセンブリは、部分的に円筒形の対象物を搬送ライン内の軸方向に沿って並べて保持するように構成された、対向クランプおよび保持アセンブリをさらに備え、上記保持アセンブリは、回転駆動シャフトへ連結される請求項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項10】
上記キャリッジアセンブリは、上記軸と直交する方向である、上記対象物の側方の配置を維持するためのセンタリングガイドをさらに備える請求項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項11】
上記複数のプリントヘッド上記軸の上方においてアーチ状に配置されて形成された印刷トンネルを備える請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項12】
上記軸に沿って並んで配置された、少なくとも2つの上記印刷トンネルをさらに備える請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項13】
コンピュータ可読の媒体にて表される画像を、少なくとも部分的に円筒形の対象物に印刷するためのコンピュータ制御の装置であって、
少なくとも部分的に円筒形の対象物を支持し、少なくとも部分的に円筒形の対象物の円筒部分を規定する軸と一直線に並べられる搬送のラインに沿って該対象物を双方向に移動させ、そして上記軸周りに該対象物を回転させるための、キャリッジアセンブリと、
上記軸と対向するように配置され、上記対象物がいずれの方向に搬送されるときにおいても、複数のプリントヘッドの各々が、流体を上記対象物の表面に選択的に堆積するように構成された複数のプリントヘッドであって、第1のプリントヘッドが、第2のプリントヘッドに対して軸方向に離れて配置されている複数のプリントヘッドと、
上記軸に沿って配置されており、上記対象物の上記表面に堆積された流体を固化することのできるエネルギーを照射する固化装置と、
上記キャリッジアセンブリ、上記複数のプリントヘッド、および上記固化装置と通信するコンピュータを使ったシステムであって、上記画像に従って、上記軸に沿った双方向の上記キャリッジアセンブリの論理制御位置、上記対象物の回転、上記プリントヘッドからの上記流体の堆積、およびエネルギーの放射、の制御を行うように構成されている、コンピュータを使ったシステムと、
を備えている装置。
【請求項14】
上記コンピュータを使ったシステムは、上記固化装置を、上記対象物がいずれの方向に移動されるときにも、当該装置が選択的に上記エネルギーを照射するように制御するように構成された請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、米国仮出願61/479,106(2011年4月26日出願)の優先権を主張しており、本参照により該出願は本出願に包含される。
【0002】
〔分野〕
本発明は、広くは印刷に関し、詳細には円筒形の対象物への印刷に関し、より詳細には缶のような中空円筒形対象物、およびボトルのような中空で部分的に円筒形の対象物への印刷に関する。
【背景技術】
【0003】
本技術分野では、缶やボトルのような円筒形の対象物の表面に印を印刷する現行の方法として、吹き付け塗装、グラビア印刷等が知られている。これらの方法は、上記のような対象物の大量生産に極めて有用であるが、ボトルの広告用ノベルティのような、デザインを迅速に変化させる能力による恩恵を受ける他のマーケットには向かない。
【0004】
インクジェット印刷は、広く知られている。これは、コンピュータを用いてデジタル方式で制御することができるため、ユーザが希望に応じてデザインを変更することができるという柔軟性を有する。しかしながら、技術の進歩により、非平面の対象物上に真の画像レンダリングが可能となったのはごく最近である。例えば、画像転写のための方法および装置とのタイトルであり、MartinezおよびLaCaze(本願の発明者の一人)に対し、2006年9月26日に発行された米国特許7,111,915号(本参照により完全に本出願に包含される)には、野球のバットのような非平面の固形の対象物に印を印刷するインクジェットプリンタが開示されている。複数のバットが、水平の回転式コンベア構造に保持され、プリントヘッドに相対して配置され、そしてプログラムされた画像ファイルに従って、コンピュータ制御によりインクを塗布する上記プリントヘッドに対して回転される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,111,915号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0295885号明細書
【特許文献3】米国特許第4,921,093号明細書
【特許文献4】米国特許第4,928,511号明細書
【特許文献5】米国特許第5,231,926号明細書
【特許文献6】米国特許第5,566,567号明細書
【特許文献7】米国特許第5,749,631号明細書
【特許文献8】米国特許第6,467,609号明細書
【特許文献9】米国特許第4,199,049号明細書
【特許文献10】米国特許第4,530,433号明細書
【特許文献11】米国特許第6,109,429号明細書
【特許文献12】米国特許第6,748,983号明細書
【特許文献13】米国特許第7,229,110号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成は、中空の缶や2ピースボトルには適さない。複雑さおよびコストを生じさせることなく、インラインでの缶およびボトルの製造および印刷に結び付けられ、また低速度、高品質、対象物上の画像を即座に変えることができることによる柔軟な商業的製造を許容する、2ピース缶およびボトルのデザインの加工を可能にするプログラム可能なインクジェットプリンタが必要とされている。
【0007】
他の例としては、共有に係るコペンディングの出願であって、概ね円筒形の対象物に印刷する装置および関連する方法とのタイトルであり、LaCaze(本願の発明者の一人)による出願であって、2010年11月25日に公開された米国特許出願公開公報US2010/0295885(本参照により完全に本出願に包含される)には、缶やボトルのような概ね円筒形の対象物に印刷するインクジェットプリンタについて記載されている。一般的に、缶やボトルのような概ね円筒形の対象物は、プリントヘッドからインクを射出することなく印を付され、軸方向および回転の動作の組み合わせによって、プリントヘッドに相対するような位置とされる。対象物は、上記の軸に対して横向きのプリントヘッドによって対象物の搬送方向に沿って形成され、プリントヘッドが軸方向の同位置に配置された「トンネル」へと搬送される。この代わりに、複数のプリントヘッドを搬送の軸に沿って一列に配置してもよい。プリントヘッドは、プログラムされた画像ファイルに従ってコンピュータ制御によってインクを塗布する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで、本発明のまとめとして、本発明の、ある側面、利点、および新規な特徴点について述べる。本発明の特定の1つの実施形態によって、そのような効果のすべてが必ずしも達成されるものではないことを理解されたい。すなわち、本発明は、添付の請求項に予期される範囲内において、様々な実施形態の特定の特徴点を組み合わせることによって具現化または実行されるものであってもよい。
【0009】
以下では、ほぼ円筒形上の対象物(例えば缶やボトルのような部分的に中空あるいは中空で部分的に円筒形の対象物、そして2ピース缶およびボトルを含む)に非接触で画像を印刷する装置について開示する。ここに記載する装置によって、固形で円筒形の対象物および固形で部分的に円筒形の対象物にも印刷が可能であるという本開示を読んだ関連分野の技術者に利益があることもまた明らかである。
【0010】
一実施形態では、各中空円筒形対象物は、手動で取り付けられるか、または本技術分野において既知の構成および制御を利用して自動化により機械的に取り付けられる。そして、滑らないように、真空によってキャリッジ(搬送)アセンブリの一部であるマンドレル上に固定される。キャリッジアセンブリは、対象物を搬送軸(またはここで使用されているような軸方向)に沿って、一連のデジタル制御されたプリントヘッドの下部で上記対象物を搬送すると共に、当該対象物へのインクの吐出の間、そのプリントヘッドの正面で対象物を回転させて、所望の印刷デザインを製造する機能を有する。インクは、対象物の直下に位置し、プリントヘッドの下部にあるときまたは本発明を機能させる任意の期間中に機能させることのできるエネルギー放射手段によって、印刷後速やかに部分的にまたは完全に硬化される。
【0011】
一例に係るキャリッジアセンブリは、スライド式のアクチュエータ上に搭載され、該アクチュエータは次に搭載フレームに固定的に搭載されて、キャリッジアセンブリがスライド式アクチュエータに沿って自由に移動できるようになっていてもよい。また、上記フレームには、第1の実施形態で説明するが、互いに異なる4色での被覆、あるいはコーティング、ラッカー、または上塗りのような本技術分野で知られた被覆を可能にする4つのプリントヘッドを含む任意の数の印刷トンネルが取り付けられる。
【0012】
第1実施形態の好ましい実施では、上記キャリッジは、上記対象物を前進させて上記第1の印刷トンネルを通り抜けさせる。これにより、上記プリントヘッドの下で、上記対象物がコンピュータ制御のプリントヘッドからのインクの堆積と同期して回転されながら、上記印刷トンネルの上部に設置された供給手段から上記インクが供給される。そのような、インクの堆積、対象物の回転、および軸方向へのその前進の手順は、可変であり、所望の結果を成し遂げるために、いくつかの入力要素によって決定される。当該入力要素は、所望の印刷デザインおよび解像度、対象物の直径および長さ、プリントヘッドの長さおよび堆積速度、所望のインク濃度のみならず、軸方向の位置ずれ、または、プリントヘッドのぐらつきを含んでいる。軸方向のプリントヘッドのぐらつきの正確な量は、上記対象物への印刷が一斉に行われている間の、上記対象物の継続的な軸方向/回転動作を維持することを意図して、前述の入力要素によって決定され、実効の印刷速度/効率の最大化およびプリントヘッドがインクを吐出しない時間の最小化を実現する。同時に上記エネルギー放射手段は、部分的にまたは全体的に上記インクを硬化させる。上記キャリッジは、上記第1の印刷トンネルによって上記対象物の全長にわたって印刷されるように、その回転およびプリントヘッドからのインクの吐出と同期して、軸方向に上記対象物を前進させることを継続して行う。
【0013】
上記軸方向への前進/回転/エネルギー放射動作は、上記対象物に対する所望のデザインの印刷を完成させるための印刷トンネルの数だけ行ってもよい。一実施形態において、上記キャリッジは、軸方向にロード(取り付け)位置へ戻され、対象物が取り外され、そして、それから次の対象物が取り付けられるのを待機する。しかしながら、本発明は、この取り外し、戻し、および取り付けの手順に限定されるものとして理解されるべきではなく、これらの機能は、任意の手順によって実施可能である。さらに、それぞれに4つのプリントヘッドを有する、2つの印刷トンネルが図面に示されているが、印刷トンネルの数および/または印刷トンネルあたりのプリントヘッドの数は、限定的な要素と考えられるべきではない。
【0014】
従来知られている技術による構造および制御を使用した自動化を介した、例えば缶の製造に使用される、缶およびカップのような中空円筒形対象物の取り付けおよび取外しの例は、以下に開示されている。米国特許第4,921,093号(タイトルが「Infeed Means for High Speed Continuous Motion Decorator」であり、発行日が「1990年5月1日」である、Peters、Hamot、およびVer Hovenに対し発行された特許)、米国特許第4,928,511号(タイトルが「Rotary Cup Infeed」であり、発行日が「1990年5月29日」である、Sirvetに対し発行された特許)、米国特許第5,231,926号(タイトルが「Apparatus and Method for Substantially Reducing Can Spacing and Speed to Match Chain Pins」であり、発行日が「1993年8月3日」である、Williams、Sirvet、Gabel、およびBurkeに対し発行された特許)、米国特許第5,566,567号(タイトルが「Rotary Cup Infeed」であり、発行日が「1996年10月22日」である、Mainに対し発行された特許)、米国特許第5,749,631号(タイトルが「Dual Can Rotating Transfer Plate to Conveyor Belt」であり、発行日が「1998年5月12日」である、Williamsに対し発行された特許)、および、米国特許第6,467,609号(タイトルが「Can Transfer Rotating Plate System」であり、発行日が「2002年10月22日」である、WilliamsおよびDi Donatoに対し発行された特許)。
【0015】
上記好適な実施においては、上記キャリッジアセンブリがロード位置に戻るときに、プリントヘッドがインクを吐出することなく印刷トンネル内を通り抜けるのに対して、上記第1実施形態の他の実施においては、上記対象物の印刷が続けられる。上記キャリッジは、上記対象物を同時に回転および印刷しながら上記印刷トンネル内の上記プリントヘッドの下の1回目の通過の間には成し遂げられなかった、任意の所望の印刷を完成させる2回目の通過により、軸方向に進んで上記ロード位置に戻る。これにより、上記プリントヘッドがインクを吐出していない時間のさらなる最小化による、実効の印刷速度/効率のさらなる最大化を果たす。上記1回目の通過と同様に、上記2回目の(戻す)通過の間、上記エネルギー放射手段は、同時に上記インクを部分的または全体的に硬化させる。所望の印刷解像度およびインク濃度によって上記所望のデザインを完了させるため、上記対象物は、必要な繰り返しの数だけ、上記印刷トンネル内をいずれの方向へ通過してもよい。そのように軸方向に戻される動作中にも印刷されたか否かにかかわらず、上記所望のデザインが完全に印刷された後、上記対象物は上記ロード位置へ戻される。当該位置において、それが取り外され、そして、次の対象物が取り付けられて、印刷の準備ができた状態となる。
【0016】
本発明の第2実施形態では、各々の中空部分的円筒形対象物(またはボトル)は、手動で取り付けられる。または、従来から知られている技術による構成および制御を使用して、自動化により機械的に取り付けられる。そして、その閉じ端が真空によって対象物保持アセンブリに固定され、その開放端が対象物クランプアセンブリによって固定され、これらはいずれもキャリッジアセンブリの一部であり、所望の印刷デザインの提供のため、一連のデジタル制御されたプリントヘッドの下で上記ボトルを軸方向に位置合わせすると共に、上記ボトルにインクを堆積しながら、そのようなプリントヘッドの正面で上記ボトルを回転させるために機能する。また、上記インクは、印刷直後に上記ボトルのすぐ下に位置し、プリントヘッドの下部において、または本発明が機能している期間における任意のタイミングで機能するエネルギー放射手段によって部分的または全体的に硬化される。
【0017】
上記キャリッジアセンブリは、スライド式アクチュエータへ固定的に取り付けられ、スライド式アクチュエータは搭載フレームへと順次取りつけられる。それにより、上記キャリッジアセンブリは、上記スライド式アクチュエータに沿った移動が自由となる。また、上述の第1実施形態のように互いに異なる4つの色、コーティング、ラッカー、または上塗りが可能な従来知られているような4つのプリントヘッドを含んでいる、任意の数の印刷トンネルが上記フレームへ取り付けられる。
【0018】
この第2実施形態の好適な実施では、上記第1実施形態の好適な実施と同様に、上記キャリッジは、上記対象物を上記第1の印刷トンネルを通って軸方向に前進させ、それにより、上記プリントヘッドの下方において、上記対象物がコンピュータ制御のプリントヘッドからのインクの堆積と同期して回転している間、上記インクが印刷トンネルの上方に位置する供給手段から供給される。そのような上記インクの堆積の手順において、上記対象物の回転およびその軸方向への前進は可変であり、所望の結果を成し遂げるため、いくつかの入力要素によって決定される。当該入力要素は、所望の印刷デザインおよび解像度、対象物の直径および長さ、プリントヘッドの長さおよび堆積速度、所望のインク濃度、軸方向の位置ずれ、または、上記プリントヘッドのぐらつきを含んでいる。上記ぐらつきの正確な量は、プリントヘッドがインクを吐出しない時間の最小化による、実効の印刷速度/効率の最大化を意図して、上記対象物の印刷が一斉に行われている間、上記印刷トンネル内において上記対象物の継続的な軸方向/回転動作を保つことを意図して、前述の入力要素によって決定される。同時に、上記エネルギー放射手段は、部分的または全体的に上記インクを硬化させる。上記キャリッジは、上記対象物がその全長にわたって上記第1の印刷トンネルによって印刷されるように、上記プリントヘッドからのインクの吐出およびその回転と同期して、上記対象物を上記軸方向に引き続き前進させる。
【0019】
上記第1実施形態と同様に、この第2実施形態においても、軸方向への前進/回転/エネルギー放射機能は、上記対象物に対する意図されたデザインの印刷を完了するために使用される印刷トンネルの数だけ継続する。さらに、上記キャリッジは、上記ロード位置へ軸方向に戻され、対象物が取り外され、それから次の対象物が取り付けられるのを待機する。しかしながら、本発明は、この取り出し、戻し、および取り付けの手順に限定されるものとして理解されるべきではなく、これらの機能は、任意の手順によって実現可能である。さらに、上記図面は、4つのプリントヘッドをそれぞれ有する2つの印刷トンネルを示しているが、印刷トンネルの数および/または印刷トンネルあたりのプリントヘッドの数は、限定的な要素と考えられるべきではない。
【0020】
従来知られている技術による構造および制御を使用する自動化を介した、例えばボトルのような中空部分的円筒形対象物の取り付けおよび取外しの例は、以下に開示されている。米国特許第4,199,049号(タイトルが「Bottle Unscrambler and Loader」であり、発行日が「1980年4月22日」である、Vamvakasに対し発行された特許)、米国特許第4,530,433号(タイトルが「Bottle-Holder Pincers Forming a Link in a Conveyor Chain」であり、発行日が「1985年7月23日」である、Cucchettoに対し発行された特許)、米国特許第6,109,429号(タイトルが「Oriented Bottle Conveyor」であり、発行日が「2000年8月29日」である、Messerに対し発行された特許)、米国特許第6,748,983号(タイトルが「Conveyor for Bottle-Filling Machine」であり、発行日が「2004年6月15日」である、Bauschに対し発行された特許)、および、米国特許第7,229,110号(タイトルが「Bottle Loading and Unloading Tool with Extendable Arms」であり、発行日が「2007年6月12日」である、Tyeに対し発行された特許)。
【0021】
上記好適な実施においては、上記キャリッジアセンブリがロード位置に戻るときに、プリントヘッドがインクを吐出することなく印刷トンネル内を通り抜けるのに対して、上記第2実施形態の他の実施においては、上記対象物の印刷が続けられる。上記キャリッジは、同時に上記ボトルを回転しながら、上記印刷トンネル内の上記プリントヘッドの下で1回目の通過の間には成し遂げることができなかった任意の印刷を完了するため、軸方向に進んで上記ロード位置へ戻る。これは、プリントヘッドがインクを吐出しない時間のさらなる最小化による、実効の印刷速度/効率のさらなる最大化を果たす。上記1回目の通過と同様に、上記2回目(戻す)の通過の間、上記エネルギー放射手段は、同時に、部分的または全体的に上記インクを硬化させる。上記ボトルは、所望の印刷解像度およびインク濃度での所望のデザインの印刷を完了させるために必要な繰り返しの数だけ、各方向に上記印刷トンネルを通過してもよい。上記所望のデザインの印刷が完了した後、上記ボトルは上記ロード位置へ戻され、上記対象物クランプアセンブリは上記ボトルの開放端を解放し、上記ボトルの解放のために上記対象物保持アセンブリに空気が供給され、上記ボトルは、手動的に取り外してもよいし、または、従来知られている技術による構造および制御を利用した自動化を介して機械的に取り外してもよい。そして、次のボトルは、取り付けの準備ができた状態となる。
【0022】
第3実施形態では、各々の中空円筒形対象物は、手動で取り付けてもよいし、または、従来から知られている技術による構成および制御を使用して、自動化により機械的に取り付けられてもよい。そして、ずれ防止のために、キャリッジアセンブリの一部であるマンドレルに負圧によって固定される。キャリッジアセンブリは、上記所望の印刷デザインを実現するため、インクが上記対象物の表面に堆積されている間、一連のデジタル制御されたプリントヘッドに対する上記対象物の軸方向への位置合わせを行い、且つ、そのようなプリントヘッドの前方において上記対象物を回転させる。また、上記インクは、印刷直後に上記対象物のすぐ下に位置し、プリントヘッドの下部において、または本発明が機能している期間における任意のタイミングで機能するエネルギー放射手段によって部分的または全体的に硬化される。
【0023】
上記キャリッジアセンブリは、スライド式アクチュエータへ固定的に取り付けられ、スライド式アクチュエータは、搭載フレームへと順次取り付けられる。それにより、上記キャリッジアセンブリは、スライド式アクチュエータに沿った移動が自由となる。また、互いに異なる4つの色、コーティング、ラッカー、または上塗りが可能な従来知られているような4つのプリントヘッドを含んでいる、任意の数の印刷トンネルが上記フレームへ取り付けられる。
【0024】
上記第3実施形態の好適な実施では、上記キャリッジは上記対象物を軸方向へ前進させて上記第1の印刷トンネル内を通り抜けさせ、それにより、上記プリントヘッドの下で、上記対象物がコンピュータ制御のプリントヘッドからの上記インクの堆積と同期して回転している間、上記インクが上記印刷トンネルの上方に位置する供給手段から供給される。上記インクの堆積、上記対象物の回転、およびその軸方向への前進のそのような手順は可変であり、上記所望の結果を成し遂げるため、いくつかの入力要素によって決定される。当該入力要素は、所望の印刷デザインおよび解像度、対象物の直径および長さ、プリントヘッドの長さおよび堆積速度、所望のインク濃度、軸方向の位置ずれ、または、プリントヘッドのぐらつきを含んでいる。プリントヘッドがインクを吐出しない時間の最小化による実効の印刷速度/効率の最大化を意図して、上記対象物が一斉に印刷されている間、上記印刷トンネル内における上記対象物の継続的な軸方向/回転動作を保つことを意図して、上記ぐらつきの正確な量は、前述の入力要素によって決定される。同時に上記エネルギー放射手段は、部分的または全体的に上記インクを硬化させる。上記対象物がその全長にわたって上記第1の印刷トンネルによって印刷されるように、上記キャリッジは、その回転およびインクの吐出と同期して、上記対象物を軸方向に引き続き前進させる。軸方向への前進/回転/エネルギー放射機能は、上記対象物に対する意図されたデザインの印刷を完了するために使用される印刷トンネルの数だけ継続する。上記キャリッジは、上記対象物を、他のロード位置が存在する上記プリンタの反対端に届くまで、引き続き軸方向(印刷のときと同じ方向)へ前進させ、上記印刷された対象物を取り外し、そして、それから、この第2のロード位置(上記第1のロード位置の反対端に位置する)において、上記次の対象物の取り付け準備がなされた状態となる。これにより、上記プリントヘッドがインクを吐出していない時間のさらなる最小化による、実効の印刷速度/効率のさらなる最大化を果たす。
【0025】
上記第3実施形態の他の実施では、上記キャリッジアセンブリが元のロード位置に向かって戻るときに、印刷トンネル内のプリントヘッドの下を1回目に通過する間には完了しなかった任意の意図された印刷を引き続き行うための、上記対象物の印刷および回転を同時に行いながらの2回目の通過により、上記対象物の印刷を継続する。上記1回目の通過と同様に、上記2回目の通過の間、エネルギー放射手段は、同時に部分的または全体的に上記インクを硬化させる。上記対象物は、それから、追加のまたは3回目の上記印刷トンネルの通過のために再び反対方向へ、元のロード位置の反対側の端部(前述の第2のロード位置が位置する)に届くまで戻され、印刷された対象物は、圧縮空気によって取り外され、そして、それから、この第2のロード位置(上記第1のロード位置の反対側の端部に位置する)において次の対象物の取り付け準備がなされた状態となる。この第3実施形態の他の実施は、プリントヘッドがインクを吐出しない時間のさらなる最小化により、実効の印刷速度/効率を最大化しながら、上記設計入力要素によって決定された3またはそれ以上の奇数回の通過が必要となる設計に対応することを意図している。
【0026】
第4実施形態では、各々の中空部分的円筒形対象物(またはボトル)は、手動で取り付けられるか、または、従来から知られている技術による構成および制御を使用して、自動化により機械的に取り付けられ、そして、その閉じ端が真空によって対象物保持アセンブリに固定され、その開放端が対象物クランプアセンブリによって固定される。これらはいずれもキャリッジアセンブリの一部分であり、所望の印刷デザインの提供のため、一連のデジタル制御されたプリントヘッドの下で上記ボトルを軸方向に位置合わせすると共に、上記ボトルにインクを堆積しながら、そのようなプリントヘッドの正面で上記ボトルを回転させるために機能する。また、上記インクは、印刷の後、上記ボトルのすぐ下に位置し、プリントヘッドの下部において、または本発明が機能している期間における任意のタイミングで機能するエネルギー放射手段によって、直ちに部分的または全体的に硬化される。
【0027】
上記キャリッジアセンブリはスライド式アクチュエータへと、該スライド式アクチュエータは搭載フレームへと順次固定的に取り付けられ、そのため、上記キャリッジアセンブリは、上記スライド式アクチュエータに沿った移動が自由となる。また、互いに異なる4つの色、コーティング、ラッカー、または上塗りが可能な従来知られているような4つのプリントヘッドを含んでいる、任意の数の印刷トンネルが上記フレームに取り付けられる。
【0028】
上記第4実施形態の好適な実施において、上記キャリッジは、コンピュータ制御のプリントヘッドからのインクの堆積に同期して上記ボトルが回転している間、上記第1の印刷トンネル内の上記プリントヘッドの下を通るように、上記対象物を軸方向へ前進させる。上記インクは、上記印刷トンネルの上部に位置する供給手段から供給される。そのようなインクの堆積、ボトルの回転、および軸方向への前進の順序は可変であり、いくつかの入力要素によって決定される。当該入力要素は、所望の結果を成し遂げるため、所望の印刷デザインおよび解像度、ボトルの直径および長さ、プリントヘッドの長さおよび堆積速度、所望のインク濃度、軸方向の位置ずれ、または上記プリントヘッドのぐらつきを含んでいる。上記ぐらつきの正確な量は、上記ボトルが一斉に印刷されている間、上記印刷トンネル内で上記ボトルの軸方向/回転動作を継続して維持することを意図して、前述の入力要素によって決定される。それによって、上記プリントヘッドがインクを吐出しない時間を最小化することにより、実効の印刷速度/効率が最大化する。同時に上記エネルギー放射手段は部分的にまたは全体的に上記インクを硬化させる。上記ボトルの全長にわたって上記第1の印刷トンネルによって印刷されるように、上記キャリッジは、上記ボトルのその回転と同期した軸方向への前進を継続する。
【0029】
軸方向への前進/回転/エネルギー放射機能は、上記対象物に対する意図されたデザインの印刷を完了するために使用される印刷トンネルの数だけ継続する。上記キャリッジは、印刷のときと同じ方向へ、他のロード位置が存在する上記プリンタの上記反対端に届くまで上記ボトルの軸方向への前進を続け、上記対象物クランプアセンブリは、上記ボトルの開放端を解放し、そして、上記ボトルを解放するため、空気が上記対象物保持アセンブリへ供給される。これにより、次のボトルは取り付け準備がなされた状態となる。本発明の図面では、4つのプリントヘッドをそれぞれ有する2つの印刷トンネルが示されているが、印刷トンネルの数および/または印刷トンネルあたりのプリントヘッドの数は、限定的な要素と考えられるべきではない。
【0030】
従来知られている技術による構造および制御を使用する自動化によって、例えばボトルのような中空部分的円筒形対象物の取り付けおよび取り外しを行う例については、上記第2実施形態で既に述べた(米国特許第4,199,049号、第4,530,433号、第6,109,429号、第6,748,983号、第7,229,110号)。
【0031】
上記第4実施形態の他の実施において、上記キャリッジアセンブリが元のロード位置に戻るときに、上記印刷トンネル内の上記プリントヘッドの下方を1回目に通過する間には成し遂げられなかった任意の所望の印刷を引き続き行うための、上記対象物の印刷および回転を同時に行いながらの2回目の通過により、上記ボトルの印刷を継続する。これにより、上記プリントヘッドがインクを吐出していない時間のさらなる最小化による、実効の印刷速度/効率のさらなる最大化を果たす。上記1回目の通過と同様に、戻す通過の間、上記エネルギー放射手段は、一斉に部分的または全体的に上記インクを硬化させる。上記ボトルは、それから、追加のまたは3回目の上記印刷トンネルの通過のために、再び反対方向へ、前述の第2のロード位置が存在する、上記元のロード位置の反対側の端部に届くまで戻され、上記対象物クランプアセンブリは上記ボトルの開放端を解放し、そして、上記ボトルの解放のため、上記対象物保持アセンブリに空気が供給される。これにより、次のボトルは、取り付け準備がなされた状態となる。この第4実施形態の他の実施は、上記プリントヘッドがインクを吐出しない時間のさらなる最小化により、実効の印刷速度/効率を最大化しながら、上記設計入力要素によって決定された3またはそれ以上の奇数回の通過が必要となる設計に対応することを意図している。
【0032】
本発明のこれらのおよび他の実施形態もまた、添付図面の参照を伴う上記実施形態の以下の詳細な説明から、当業者にとって容易に明らかになるが、本発明は、記載されたいずれの特定の実施形態にも限定されない。
【0033】
上記本発明は、添付図面を参照して説明される。上記添付図面において、同一または機能的に類似する要素については、同様の参照番号が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、中空円筒形対象物を装飾するデジタル印刷装置の一例を示している。
図2図2は、明瞭のため上部のカバーを取り外した上記装置を描画している。
図3図3は、印刷装置の主要な構成要素にクローズアップした図である。
図4図4は、上記印刷装置の横正面図である。
図5図5は、軸方向に第1の位置まで進んだキャリッジアセンブリを示している。
図6図6は、軸方向にさらに進み第2の位置まで達したキャリッジアセンブリを示している。
図7図7は、軸方向にさらに進み第3の位置まで達したキャリッジアセンブリを示している。
図8図8は、軸方向にさらに進み第4の位置まで達したキャリッジアセンブリを示している。
図9図9は、本発明の主要な構成要素間の接続を示している。
図10図10は、主要な構成要素間の関係をクローズアップした図である。
図11図11は、主要な構成要素間の接続を明確化した図である。
図12図12は、キャリッジアセンブリの構成要素を示している。
図13図13は、キャリッジアセンブリの回転駆動端を示す図である。
図14図14は、キャリッジアセンブリの端から端までの断面図である。
図15図15は、エネルギー固化アセンブリと印刷の対象となる中空円筒形対象物との関係を示している。
図16図16は、エネルギー固化の囲み部を除去することによって、エネルギー放射手段をより明瞭に示している。
図17図17は、各印刷トンネルの詳細を示している。
図18図18は、明確化のために印刷トンネル支持部を除去した各印刷トンネルを示す図である。
図19図19は、明確化のために印刷トンネルを除去したクローズアップ図であり、各プリントヘッドについて、軸方向と該軸に対して直角な方向とにおける関係を示している。
図20図20は、プリントヘッドの配置により近接した図である。
図21図21は、印刷が開始されるときの、印刷対象となる中空円筒形対象物を上方から見た平面図である。
図22図22は、図21に対してさらに進んだ、印刷対象となる中空円筒形対象物を示している。
図23図23は、図21に対して軸方向への通過を続ける、印刷対象となる中空円筒形対象物8を示している。
図24図24は、上記印刷対象となる中空円筒形対象物が、最初に印刷トンネルを一方向へ通り抜けた後、軸方向に戻される様子を示している。
図25図25は、プリントヘッドがインクを吐出している間に、上記印刷対象となる中空円筒形対象物が、それが初めに取り付けられた位置である、本発明の終端部の方へ戻される様子を示している。
図26図26は、上記印刷対象となる中空円筒形対象物の逆方向への(2回目の)上記印刷トンネルの通り抜けが終わろうとしている様子を示している。
図27図27は、第2の例の実施形態に係る印刷装置を示している。
図28図28は、対象物センタリングアセンブリをクローズアップした図である。
図29図29は、位置決めシリンダの端から端までの断面図である。
図30図30は、上記キャリッジアセンブリの全構成要素を示している。
図31図31は、上記キャリッジアセンブリの端から端までの断面図である。
図32図32は、対象物保持アセンブリおよび対象物締結アセンブリの断面をクローズアップした図である。
図33図33は、上記対象物保持アセンブリおよび上記対象物締結アセンブリの上面図である。
図34図34は、第2の例の実施形態に係る印刷装置を示している。
図35図35は、第4の例の実施形態に係る印刷装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔詳細な記述〕
本発明の様々な実施形態およびそれらによる利点は、図1から図35を参照することによって、最もよく理解できる。図面における要素は、必ずしも一定の比率で記載されている必要はなく、本発明の原理を明確に示すための強調が行われている。図面を通して、同じ図面および様々な図面の対応する部分については同じ数字を使用する。
【0036】
本発明は、ここで述べる本質的特徴から乖離しない他の特定の形態や実施形態で提供することもできる。上で述べた実施形態は、あらゆる側面において単なる例示であると見做されるものであり、いかなる方法によっても限定的に解釈されるべきではない。本発明の範囲は、先の実施形態ではなく、後続の請求項によって示される。
【0037】
最初に図1を参照すれば、例えば缶のような円筒形の対象物を装飾する例示的なデジタル印刷装置が、頂部カバー1が正規の位置に配置された状態で記載されている。図2は、明瞭さのために頂部カバー1を取り除いた本発明を描写している。上記装置は、キャリッジアセンブリ2、印刷トンネル3a、3b、支持フレーム4、およびスライド式アクチュエータ5という互いに接続された4つの主要構成要素を備えている。スライド式アクチュエータ5および印刷トンネル3a、3bは、双方とも支持フレーム4に直接接続されている。キャリッジアセンブリ2は、スライド式アクチュエータ5に直接搭載されている。
【0038】
図3は、クローズアップした図であり、キャリッジアセンブリ2、印刷トンネル3a、3b、および搭載フレーム4の関係を示すと共に、キャリッジアセンブリ2が軸方向に交差して搭載されたスライド式アクチュエータ5についても示している。図4は、上記装置の側面断面図であり、エネルギー固化アセンブリ6、回転駆動アセンブリ7、および中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8を示している。スライド式アクチュエータ5は、回転駆動アセンブリ7がキャリッジアセンブリ2を回転させている間にキャリッジアセンブリ2を印刷トンネル3a、3bの中に移動させ、これにより中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が印刷トンネル3a、3b内となる。
【0039】
キャリッジアセンブリ2は、搬送方向に沿った配置となるように搭載され、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8を内部から支持するような寸法のマンドレルアセンブリ9を含む。マンドレルアセンブリ9は、回転駆動アセンブリ7と連結されている。この実施形態では、エネルギー固化アセンブリ6を含むキャリッジアセンブリ2を示している。エネルギー固化アセンブリ6は、固化エネルギー(後述)が、マンドレルアセンブリ9、具体的には中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8に放射されるように、マンドレルアセンブリ9の下側において上記キャリッジに直接搭載されている。図5は、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が第1印刷トンネル3a内で印刷開始されるように、スライド式アクチュエータ5を介して、軸方向に連続的に第1印刷トンネル3aを通って移動したキャリッジアセンブリ2を描写している。印刷中、キャリッジアセンブリ2は、軸方向に継続的に進み、この間、回転駆動アセンブリ7は、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が搭載されたマンドレルアセンブリ9を回転させる。他方、エネルギー固化アセンブリ6は、印刷がなされた、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8にエネルギーを放射して、さらなる印刷の前にインクが流れないように印刷物を部分的に固化するか、または適切かつ望ましい場合には、完成製品として完全にインクを固化する。
【0040】
図6は、スライド式アクチュエータ5によって、第1の印刷トンネル3a内で図5よりもさらに軸方向に進んだキャリッジアセンブリ2を示している。
【0041】
図7は、スライド式アクチュエータ5によって、図6よりもさらに軸方向に進み、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が第1の印刷トンネル3aを出て、第2の印刷トンネル3bに入ったキャリッジアセンブリ2を示している。ここで示す印刷トンネル3a、3bの数は2つであるが、印刷すべき色数に応じた数であればよく、本実施形態における色数は各印刷トンネル3a、3bにつき4色に限定される。中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8に印刷されるインク以外の他の媒体としては、これらに限定されないが、上塗りニス、サイズコーティング、下地コーティング、および中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8の外観を向上させるため、または保護するため、および/またはその印刷に用いられるインクの付着性を向上させるために使用する、保護または装飾に適用できる任意の流体を含んでいてもよい。
【0042】
図8は、スライド式アクチュエータ5によって、第2の印刷トンネル3b内で図7よりもさらに軸方向に進んだキャリッジアセンブリ2を示している。
【0043】
図9は、主要な構成要素、すなわちスライド式アクチュエータ5、スライド式アクチュエータ5に接続されたキャリッジアセンブリ2、および印刷トンネル3bの相互接続を示した、一例に係る印刷トンネル3bの透過図である。なお、印刷トンネルは、これを通ったインク(または他の流体)が、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8上に堆積されるプリントヘッド25が搭載されるように作られたアーチにより形成される。
【0044】
図10はまた、主要な構成要素、すなわちスライド式アクチュエータ5、キャリッジアセンブリ2、印刷トンネル3、およびエネルギー固化アセンブリ6の間の関係を示している。図11は、明確化のため印刷トンネル3a、3bおよびエネルギー固化アセンブリ6を取り除き、スライド式アクチュエータ5とキャリッジアセンブリ2との相互接続をさらに明確化している。
【0045】
図12は、回転駆動アセンブリ7、エネルギー固化アセンブリ6、および回転するように回転駆動アセンブリ7に連結されたマンドレルアセンブリ9を含むキャリッジアセンブリ2の全主要構成要素と、これに搭載された中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8とを示している。図13は、キャリッジアセンブリ2の回転駆動端、すなわち図示の回転駆動モータ11の搭載を支持する搬送搭載板10、マンドレルアセンブリ9、およびエネルギー固化アセンブリ6を示している。駆動プーリー12は、モータ11に連結されており、駆動ベルト14によって駆動プーリー13を動かす。モータ11は、設けることが任意である回転駆動搭載板15上に搭載されてもよいことが分かる。参照用の破線は、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8がマンドレルアセンブリ9と軸方向に並んで保持されており、該軸は搬送のラインと一直線に並んでいることも示している。
【0046】
図14は、図12に示したキャリッジアセンブリ2の端から端までの断面図であり、マンドレルアセンブリ9の詳細と、マンドレルアセンブリ9と回転駆動アセンブリ7の駆動プーリー13との駆動シャフト16を介した相互接続とを示している。駆動シャフト16は、支持管18内に搭載されたベアリング17a、17bを介して搭載され、次に支持管18は、支持ブロック19a、19bを介して搬送搭載板10に搭載される。マンドレル20は、駆動シャフト16に接続され、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8を支持する。マンドレル20、駆動シャフト16、および支持管18は、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が配置されている、マンドレル20の自由端に向かって開口する真空/空気チャンバ30が形成され、支持管18の側壁には外部真空/空気接続部31が形成されるように構成され、組み合わされる。中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8のマンドレル20への装着時には、真空/空気接続部31を介して真空が適用され、真空/空気チャンバ30の内部が真空とされ、これにより、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8へのインクの堆積の正確さが最大化されるように、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8がマンドレル20上で軸方向または円周方向に滑ることを防ぐ。空気/真空チャンバ30は、充填材32a、32bによって大気から隔離されている。第1の回転位置センサ28aは、センサ搭載部29を介して搬送搭載板10に取り付けられている。第2の回転位置センサ28bは、駆動シャフト16に直接取り付けられている。第1および第2の回転位置センサ28a、28bは、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8に対するインクの周方向の正確な配置を制御するために使用される。真空または少なくとも円筒形の対象物をマンドレルに引き付けておくために十分な程度の低圧は、真空/空気接続部31に接続した、選択的に逆転できるように構成された一般的な空気ポンプによって生じさせることができる。本装置により、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8の処理が完了したときには、上記ポンプを選択的に逆転させてチャンバ30に空気を注入し、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8をマンドレル20から取り外すことを補助してもよい。
【0047】
図15および16は、エネルギー固化アセンブリ6の詳細を中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8との関係において示している。エネルギー固化アセンブリ6は、エネルギー放射手段22a、22b、22cを含むハウジング21を備えている。バッフル27a、27bは、ハウジング21の頂部表面に搭載されており、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8へのエネルギー照射を集中させるために使用される。エネルギー固化アセンブリ6は、搬送搭載板10上に直接搭載されている。「エネルギー」の語は、基板に塗布された乳状液または樹脂を固化させるのに適した任意のタイプの電磁エネルギーを含み、これに限定されないが紫外線を含むと理解される。エネルギーはまた、任意の好適な光源からの可視光を含んでいてもよい。限定的ではない例として発光ダイオード(LED)からの光が挙げられる。また、エネルギー固化アセンブリ6は、印刷処理を通して軸方向に印付けされていれば、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8と共に移動するようにキャリッジアセンブリ2に搭載されている必要がないことも理解される。実際に、エネルギー固化アセンブリ6は、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が、トンネル3を通過して移動されるときに、エネルギー固化アセンブリ6上に保持されるように、印刷トンネル3の1つの端部に固定的に搭載してもよい。
【0048】
図17および18は、印刷トンネル支持フレーム23、インク供給部24a、24b、24c、24d、およびプリントヘッド25a、25b、25c、25dを含む、印刷トンネル3の一例の詳細を示している。典型的には、本技術分野の技術者に評価されるように、1つのプリントヘッド25には1色が使用される。各プリントヘッド25は、インク供給部24a、24b、24c、24dから流出し、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8上に向かうインクの堆積を制御するコンピュータに基づいた制御システム7(詳細は後述する)から情報が伝達される印刷回路基板26a、26b、26cによって制御される。プリントヘッド25は、各プリントヘッド25から中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8の表面までの距離が同じになるように、円弧状に配置される。
【0049】
図19は、明確化のために印刷トンネル3を取り除いたクローズアップ図であり、プリントヘッド25間の軸方向および軸方向に直行する方向における関係を示している。図20は、プリントヘッドの配置のより近接した図であり、回転駆動アセンブリ7(図示せず)によって回転させられながら、スライド式アクチュエータ5によって軸方向にプリントヘッド25の下を通過し始めた、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8を併せて示している。プリントヘッド25aおよび25b間の軸方向のオフセット(搬送方向については理解されている)を強調している。
【0050】
図21は、同時且つ連続的に軸方向および回転の動きをしながら、プリントヘッド25aによって印刷が開始されようとしている、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8の正面図である。ここでも、プリントヘッド25aと25b間、25bと25c間、25cと25d間の軸方向のオフセットを強調している。軸方向のオフセットの程度または量は可変であり、各プリントヘッド間で等しい必要はなく、各印刷トンネル3において等しい必要もない。プリントヘッド25は、所望の結果を得るために、所望の印刷デザインおよび解像度、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8の直径および長さ、プリントヘッド25の長さおよび堆積速度、所望のインク濃度、およびプリントヘッド25の軸方向のずれに応じて、インクを分断されたタイミングまたは同時に射出してもよい。
【0051】
図22は、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が軸方向にさらに進み、この図においては中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が、同時にかつ連続的に軸方向および回転の動きを行いながら、4つのプリントヘッド25からのインクの射出を受ける位置まで近接した状態を示している。
【0052】
図23は、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8がプリントヘッド25を通過し、適用可能である場合には次の印刷トンネルへ入る準備のできた状態で、またはそれが当初装着された位置である本発明の端部へと戻るように、軸方向への移動を続けている状態を示している。その位置では、それが取り外され、次の中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8が、印刷のためにマンドレルアセンブリ9に装着されてもよい。中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8は、手動で装着/取り外ししてもよいし、本技術分野で既知の構成および制御を利用した自動化により、機械的に装着/取り外ししてもよい。
【0053】
本第1実施形態における代替の実施では、キャリッジアセンブリ2に対し、図24に示したような、最初の一方向の印刷トンネル3の通過後、回転させながら、プリントヘッド25に最初に下を通過したときとは逆順でインクを吐出させながら、そのような戻りの動きの間に印刷が継続するように、逆方向の命令を行う。このような方法で印刷を続けることの必要性は、所望の結果を得るために、所望の印刷デザインおよび解像度、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8の直径および長さ、プリントヘッド25の長さおよび堆積速度、所望のインク濃度、およびプリントヘッド25の軸方向のずれに応じて決定されればよい。
【0054】
図25は、意図するデザインの印刷を完了させるために必要に応じてプリントヘッド25からインクを射出させながら、連続的且つ同時に、直線状−または軸方向−および回転の動きをしている間、元それが装着された位置である本発明の端部の方に戻ってゆく、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8を示している。意図するデザインの印刷を完了させるために必要な印刷トンネルを通過した後、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8は、元の装着位置に戻して取り外されてもよいし、−図21に示したように−逆方向に再度移動させて再印刷してもよく、繰り返しの回数は、所望の結果を得るために、所望の印刷デザインおよび解像度、中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8の直径および長さ、プリントヘッド25の長さおよび堆積速度、所望のインク濃度、およびプリントヘッド25の軸方向のずれに応じて決定されればよい。
【0055】
図26は、逆方向(または2回目)に印刷トンネル3を抜けて端部に近接した中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8を示しており、ここで図示しているのは、下側のプリントヘッド25aのみである。対象物8を運ぶキャリッジアセンブリ2が、全ての印刷の通過を完了して、それが最初に装着された位置である、経路の端部に戻ってきたときには、それを取り外して、次の中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8を、印刷のためにマンドレルアセンブリ9に装着してもよい。中空で円筒形であり印刷の対象である対象物8は、手動で装着/取り外ししてもよいし、本技術分野で既知の構成および制御を利用した自動化により、機械的に装着/取り外ししてもよい。
【0056】
図27は、第2の例の実施形態に係る印刷装置を示しており、同図では中空で円筒形であり印刷の対象である対象物(またはビン)38を装飾するためのデジタル印刷装置を描画している。このバージョンは、4つの主要な相互接続された構成要素である、キャリッジアセンブリ42、印刷トンネル3a、3b、支持フレーム4、およびスライド式アクチュエータ5を備えている。スライド式アクチュエータ5および印刷トンネル3a、3bは、いずれも搭載フレーム4に直接接続されている。次に、キャリッジアセンブリ42は、スライド式アクチュエータ5に直接搭載されている。
【0057】
図28は、対象物センタリングアセンブリ33をクローズアップした図であって、シリンダ固定手段39a、39Bを介して対象物センタリング支持部34に直接的に取り付けられた、位置決めシリンダ35a、35bを示す。対象物センタリングガイド36a、36Bは、印刷対象となる部分的円筒形対象物38を受け止めるための溝63が画定された支持面62上に、スライド可能に設置されており、接続ブロック37a、37bを介して位置決めシリンダ35a、35bに接続されており、そして、印刷トンネル3a、3b内において正確に印刷されるように、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38のセンタリングに使用される。位置決めシリンダ35a、35bは、図29に詳細が示されている空気シリンダの使用により実現可能である。図29は、位置決めシリンダ35a、35bの端から端までの断面を描画したものであり、シリンダ空気供給ポート40a、40bを示している。上記シリンダの各々によって、その各々のポート40に通じるチャンバ59が画定され、その内部において、プランジャ60がスライド可能に設置されている。プランジャ60は、当該シリンダの外側にキャリッジアセンブリ42に向かって延伸しているアーム61を有している。空気圧は、ポート40内を通り抜けてチャンバ59に与えられ、プランジャ60を付勢してプランジャアーム61を延伸させ、その結果、対象物センタリングガイド36a、36bを、それらの各々の接続を介して、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の表面に接触させ、そして、印刷対象となる部分的円筒形対象物38を、溝63内で中心に位置した状態に保つ。シリンダ空気供給ポート40a、40bへの空気の供給が停止されたとき、シリンダスプリング41a、41bは、プランジャ60を側方に偏らせ、これにより、プランジャアーム61a、bは、引っ込められる。このセンタリングは、関連技術の技術者が認めるような、空気シリンダ以外の様々な仕組みによって実現してもよい。他の仕組みの例には、スプリング、ソレノイド、液圧によって作動するプランジャ、または上述したような延伸および収縮に利用できる他の適切な仕組みが含まれる。選択的な動作および空気圧の開放は、以下に詳細に説明された適切な制御システムによって提供される。さらに、破線の基準線は、搬送のラインに沿った、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の軸方向の配置を示す。
【0058】
図30は、上記キャリッジアセンブリ42の全ての構成要素を示しており、回転駆動アセンブリ7、エネルギー固化アセンブリ6、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38、対象物クランプアセンブリ43、および対象物保持アセンブリ44を含んでいる。
【0059】
図31は、図30に示されているキャリッジアセンブリ42の端から端までの断面図であって、対象物保持アセンブリ44が、駆動シャフト16を介して、回転駆動アセンブリ7の駆動プーリー13へ相互接続されている様子が示されている。駆動シャフト16は、ベアリング17a、17bを介して取り付けられる。当該ベアリング17a、17bは、支持管18内に設置されている。当該支持管18は、支持ブロック19a、19bを介して、キャリッジ搭載プレート10に搭載されている。対象物保持アセンブリ44は、駆動シャフト16に接続され、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38を支持する。対象物保持アセンブリ44、駆動シャフト16、および支持管18は、支持管18の側壁内において、外部の真空/空気接続部31とともに、真空/空気チャンバ30を作り出すように、構成および組み立てされる。既に記載された実施形態と同様に、上記対象物保持アセンブリ44に対して、上記印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38が取り付けられている状態で、上記真空/空気接続部31を介して真空が適用される。真空/空気チャンバ30内においてつくりだされた真空は、上記中空の部分的円筒形対象物38を所定の位置で保持する。空気/真空チャンバ30は、密閉手段32a、32bを介して大気から隔離される。回転位置検出手段28aの第1の部分は、センサ取り付け手段29を介して、キャリッジ搭載プレート10へ取り付けられる。回転位置検出手段28bの第2の部分は、駆動シャフト16へ直接的に取り付けられる。回転位置検出手段28a、28bは、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38に対する、正確な円周へのインクの堆積を制御するために使用される。さらに、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38が取り外されるとき、上記真空は開放され、空気圧は、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の取り外しの助けとなるように作用する。
【0060】
図32は、図30に示されている対象物保持アセンブリ44および対象物クランプアセンブリ43の断面図である。対象物保持アセンブリ44は、クランプ留め具46を介して駆動シャフト16に固定的に取り付けられたボトルクランプ45から構成されており、中空の部分的円筒形対象物38の底部または閉じ端に対し、空気および真空を適用する機能をもたらす。対象物クランプアセンブリ43は、対象物クランプ支持ブラケット48から構成されており、上記装置の終端部において、クランプ支持プレート47を介して、キャリッジ搭載プレート10へ直接的に取り付けられる。クランプノーズピース49は、クランプ支持ブラケット48に設置されたピローブロックベアリング51内で回転するクランプシャフト50によって取り付けられている。クランプノーズピース49は、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の自由な回転を許容しつつ、当該印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の開放端を支持する。クランプノーズピース49によって印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の開放端に加えられる圧力は、圧力調整スクリュー52によって微調整してもよい。圧力調整スクリュー52は、クランプスプリング53を介して、クランプシャフト50に対して予め荷重を加える。垂直方向に調整可能なシリンダ支持プレート54は、クランプ支持ブラケット48に取り付けられたクランプシリンダ55の反対端とともに、対象物センタリング支持部34およびクランプシリンダ55へ固定される。クランプシリンダ55は、当該シリンダ55が延伸したときに、対象物クランプアセンブリ43を押し出して、該対象物クランプアセンブリ43が印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38から離れるように、シリンダ接続ポート58aおよび58bを介して作動し、それにより、本発明から取り除くことができるように、クランプノーズピース49に印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38を解放させる。次の印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38が対象物保持アセンブリ44に対して配置されたとき、真空/空気チャンバ30内に真空が適用され、対象物保持アセンブリ44による、上記印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の上記開放端における固定を引き起こす。クランプシリンダ55は、それから、収縮するように作動し、これにより、対象物クランプアセンブリ43が印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の方へ引っ張られる。その結果、クランプノーズピース49は、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の開放端に挿入され、当該開放端内に位置する。
【0061】
図33は、対象物クランプアセンブリ43および対象物保持アセンブリ44の上面図であって、クランプ支持プレート47、クランプ支持ブラケット48、シリンダ支持プレート54、およびキャリッジ取り付けプレート10の相互接続の説明図である。
【0062】
中空円筒形対象物8に装飾するためのデジタル印刷装置を表す、印刷装置の第3の模範的な実施形態が図34に示されている。この第3の実施形態は、図1〜26に表された上記第1の実施形態の変形例であり、第1ロード位置64に対して軸対称な第2ロード位置65のさらなる追加を伴う。この第3の実施形態の好適な実施において、印刷対象となる中空円筒形対象物8は、第1ロード位置64において取り付けられる。上記印刷対象となる中空円筒形対象物8は、手動で取り付けられる。または、従来から知られている技術による構成および制御を使用して、自動化により機械的に取り付けられる。上記印刷対象となる中空円筒形対象物8は、図21に示されているように、プリントヘッド25の第1のセットの下で直線的に前進する。それは、図22に示されているような本発明の第1実施形態と同一の方法で、その印刷がなされるように継続される。図23に表されているように、必要な数の印刷トンネル3内での印刷が終了した後、印刷対象となる中空円筒形対象物8は、図34に表されているように、第1ロード位置64と軸対称な第2ロード位置65に到達するまで、引き続き前進させられ、第2ロード位置65では、その印刷対象となる中空円筒形対象物8が取り外され、そして、次の印刷対象となる中空円筒形対象物8が取り付けられる。印刷対象となる中空円筒形対象物8は、手動で取り付け/取り外される。または、従来から知られている技術による構成および制御を使用して、自動化により機械的に取り付け/取り外される。
【0063】
第2ロード位置65における取り付けの後、印刷対象となる中空円筒形対象物8は、図24に表されているように、上記第1ロード位置64に向かう軸方向に上記プリントヘッド25の下を進んで戻る。印刷対象となる中空円筒形対象物8は第1ロード位置64に到達すると取り外され、次の印刷対象となる中空円筒形対象物8が取り付けられる。印刷対象となる中空円筒形対象物8は、手動で取り付け/取り外される。または、従来から知られている技術による構成および制御を使用して、自動化により機械的に取り付け/取り外される。
【0064】
本発明の上記第3の実施形態の他の実施では、これらの前進および後進による印刷トンネル3の通り抜けは、所望のデザインを完成させるために必要な繰り返し回数だけ継続され、上記所望の結果を成し遂げるため、所望の印刷デザインおよび解像度、印刷対象となる中空円筒形対象物8の直径および長さ、プリントヘッド25の長さおよび堆積速度、所望のインク濃度、軸方向の位置ずれ、またはプリントヘッド25のぐらつきによって決定される。通過が偶数回であれば、本発明の第1実施形態で述べたように、第1のロード位置64のみとなるので、この実施形態における前進および後進の双方の通過の合計数は、自然に奇数(3、5、7、等)となる。
【0065】
中空の部分的円筒形対象物(またはボトル)42のためのデジタル印刷装置を表す、印刷装置の第4の模範的な実施形態が図35に示されている。この第4実施形態は、図27〜33に表された上記第2実施形態の変形例であり、第1ロード位置64に対して軸対称の第2ロード位置65のさらなる追加を伴う。
【0066】
印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38のためのこの第4実施形態の好適な実施においては、印刷対象となる中空円筒形対象物8のための上記第3実施形態の上記好適な実施と同様に、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38は、第1ロード位置64において取り付けられた後、プリントヘッド25の第1のセットの下を、軸方向に前進する。必要な数の印刷トンネル3内での印刷が終了した後、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38は、図35に表されているように、第1ロード位置63と軸対称な第2ロード位置65に到達するまで、引き続き前進させられ、第2ロード位置65では、その印刷対象となる中空円筒形対象物38が取り外され、そして、次の印刷対象となる中空円筒形対象物38が取り付けられる。印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38は、手動で取り付け/取り外される。または、従来から知られている技術による構成および制御を使用して、自動化により機械的に取り付け/取り外される。
【0067】
上記第4実施形態の他の実施では、これらの前進および後進による上記印刷トンネル3の通り抜けは、意図されたデザインを完成させるために必要な繰り返し回数だけ継続すればよく、上記繰り返しの数は、所望の印刷デザインおよび解像度、印刷対象となる中空の部分的円筒形対象物38の直径および長さ、プリントヘッド25の長さおよび堆積速度、所望のインク濃度、軸方向の位置ずれ、または、上記プリントヘッド25のぐらつきによって決定される。通過が偶数回であれば、本発明の第1実施形態で述べたように、第1のロード位置64のみとなるので、この実施形態における前進および後進の双方の通過の合計数は、自然に奇数(3、5、7、等)となる。
【0068】
上述した上記装置の機能は、支持フレーム4内に収容された、コンピュータを使用した制御システム70によって実行された命令を介して制御される。上述の全ての実施形態での使用に適した制御システム70は、例えば、1または複数のプロセッサを含む。上記コンピュータシステム70は、メインメモリ、好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでいてもよく、そして、二次メモリを含んでいてもよい。上記二次メモリは、例えば、ハードディスクドライブおよび/またはリムーバブル記憶ドライブを含んでいてもよい。リムーバブル記憶ドライブは、良く知られている方法により、リムーバブル記憶ユニットからの読み取りおよび/またはリムーバブル記憶ユニットに対する書き込みを行う。上記リムーバブル記憶ユニットは、フロッピーディスク、磁気テープ、光学ディスク、および同様のものがこれに該当し、上記リムーバブル記憶ドライブによって読み取りおよび書き込みがなされる。上記リムーバブル記憶ユニットは、コンピュータソフトウェアおよび/またはデータがその中に格納されている、コンピュータが使用可能な記憶媒体を含む。
【0069】
二次メモリは、コンピュータシステムにロードされる、コンピュータプログラムまたは他の命令を受け入れるための、他の類似する手段を含んでいてもよい。そのような手段は、リムーバブル記憶ユニットおよびインタフェースを含んでいてもよい。例えば、プログラムカートリッジおよびカートリッジインタフェース(例えば、ビデオゲーム装置に設けられるもの)、リムーバブルメモリチップ(例えば、EPROMまたはPROM)および対応するソケット、並びに、他のリムーバブル記憶ユニットおよび当該上記リムーバブル記憶ユニットから上記コンピュータシステムへのソフトウェアおよびデータの転送を可能とするインタフェース、を含む。
【0070】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックと呼ばれる)は、メインメモリおよび/または二次メモリに格納される。コンピュータプログラムは、通信インタフェースを介して受信されてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、実行されたとき、コンピュータシステムによる、ここに記載された本発明の特徴の正確な実行を可能とする。特に、上記コンピュータプログラムは、実行されたとき、制御プロセッサによる本発明の特徴の実行、および/または、制御プロセッサが本発明の特徴の実行を引き起こすことを可能とする。それ故、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステムのコントローラに相当する。
【0071】
本発明がソフトウェアを使用して実施される実施形態において、上記ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に格納されてもよく、リムーバブル記憶ドライブ、メモリチップ、または通信インタフェースを利用して、コンピュータシステムにロードされてもよい。制御ロジック(ソフトウェア)は、制御プロセッサによって実行されたとき、上記制御プロセッサは、ここに記載された実施形態の機能を正確に実行する。
【0072】
他の実施形態において、装置の特徴は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブル論理アレイ(FPGA)のようなハードウェアコンポーネントを使用するハードウェアを中心として実現される。ここに記載された機能を実行するための、機器の状態での上記ハードウェアの実施は、関連技術の技術者に自明である。さらに他の実施形態では、本発明の特徴は、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて用いることにより実現してもよい。
【0073】
上述および添付の図面に示されているように、本発明は、概ね円筒形の対象物に印刷するための装置および関連した方法を含む。本発明の特定の実施形態について述べたが、特に先の教示に鑑みて、当該分野の技術者であれば修正をなし得るのであるから、本発明はそれに限定されるものではないと理解される。したがって、添付の請求項は、本発明の精神および範囲を具現化する、これらの特徴点またはこれらの改良を含む、そのような任意の修正をカバーすることを予期している。
図1
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