(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114286
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】三次元脊椎矯正ロボット
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20170403BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
A61F5/01 E
A61H1/02 Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-533760(P2014-533760)
(86)(22)【出願日】2012年10月9日
(65)【公表番号】特表2014-528292(P2014-528292A)
(43)【公表日】2014年10月27日
(86)【国際出願番号】CN2012082655
(87)【国際公開番号】WO2013053311
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2015年8月24日
(31)【優先権主張番号】201110300155.3
(32)【優先日】2011年10月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514085322
【氏名又は名称】張吉林
【氏名又は名称原語表記】ZHANG,Jilin
(73)【特許権者】
【識別番号】514177052
【氏名又は名称】張益
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】張吉林
(72)【発明者】
【氏名】張益
【審査官】
角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−272449(JP,A)
【文献】
特開平04−226653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/00−6/24
A61H 1/00−1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱(1)と、座席(2)と、複数の人体固定バンド(302)と、頭部固定装置と、支持フレーム(9)とを含み、
前記頭部固定装置が前記支持フレーム(9)の先端に固定される三次元脊椎矯正ロボットであって、
複数の支柱スリーブ(3)と、脊柱側方向押し引き装置(6)と、座席ロック機構(10)とをさらに含み、
前記支柱スリーブ(3)は、前記支柱(1)に移動可能に嵌装され、各前記支柱スリーブ(3)が1つの人体固定バンド(302)に連結され、
前記支柱スリーブ(3)は、下端が前記座席(2)に連結され、上端が前記支柱(1)に連結されるように形成され、
前記複数の支柱スリーブ(3)同士は、第1弾性連結部材(301)で相互に連結され、
前記脊柱側方向押し引き装置(6)は、前記支柱(1)に沿って上下移動、揺動可能であり、
前記座席(2)は、軸受けを介して前記支柱(1)に連結されるとともに、前記支柱(1)に沿って上下移動可能であり、
前記座席ロック機構(10)は、前記支持フレーム(9)と座席(2)との間に固定されることを特徴とする三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項2】
昇降プラットホーム(202)をさらに含み、
前記昇降プラットホーム(202)は、前記座席(2)の下方に位置し、前記座席(2)の降下距離を調整するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項3】
前記昇降プラットホーム(202)は、前記座席(2)の降下距離をモニターするための変位センサに接続されることを特徴とする請求項2に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項4】
前記支柱スリーブ(3)の上端と前記支柱(1)の上端との間に取り付けられるスリーブ一体伸縮装置(304)をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項5】
前記複数の人体固定バンド(302)同士は、第2弾性連結部材(303)によって相互に連結されることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項6】
前記頭部固定装置は、頭部カバー(4)と頭部カバー回転機構(5)とを含み、
前記頭部カバー回転機構(5)は、前記支持フレーム(9)の先端に固定されるとともに前記頭部カバー(4)に連結され、
前記頭部カバー(4)は、患者の頭部を固定するとともに、前記頭部カバー回転機構(5)により一定量の回転動作を行うことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項7】
前記座席(2)の周辺または下方には、ウエイトまたは機械力を加えることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項8】
前記座席(2)の片側には前記座席(2)を回転させる押しロッド(204)が固定して連結されることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項9】
脊柱側方向押し引き装置(6)は、押し引き機構と、上下位置決め機構と、水平位置決め機構とを含み、
前記上下位置決め機構は、前記支持フレーム(9)に沿って上下移動可能に前記支持フレーム(9)に固定され、
前記押し引き機構は、押し引きロッド及びその駆動機構を含み、
前記駆動機構の底部は、前記水平位置決め機構のシュート内に移動可能に固定されることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【請求項10】
前記座席(2)を初期位置に復帰させる座席復帰機構(305)をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の三次元脊椎矯正ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療器械の分野に関し、特に脊柱椎間症の治療及び脊柱の保健に用いられる三次元脊椎矯正ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
頸椎症、腰椎間板ヘルニア、胸腰椎後ろ関節障害、脊柱関連の障害などの脊柱椎間軟部組織損傷のような疾患は、椎間症ともいい、よく見られる病気や多発病であり、人々にひどい苦痛をもたらす。椎間症の臨床症状は様々だが、その病因、病理及び治療原則はほぼ同じである。本出願人は、多年にわたって臨床研究を行った。このような疾患の主因としては、脊柱の限界を超えた運動または超負荷などの不良な力学的行為によって、椎骨間の相対位置の三次元方向での変化(不平衡)、椎骨の間にある軟部組織の損傷、特に、神経根管を出入りする神経根及び血管の損傷のためである。椎間板ヘルニアは、椎間軟部組織損傷による症状の一種であって、病症を引き起こす元ではない。自然状態が最適な状態である。この病気を治療する最適な方法は、低侵襲治療の矯正療法であって、すなわち、人体の力に頼らずに脊柱椎間構造を自然状態に復帰させるか、または、接近させる療法である。非手術療法による治療が無効の場合には、手術療法を行う。
【0003】
医者は、力学的方法、例えば、牽引、回転、押上、押圧などの手法を用いて腰椎間ヘルニアなどの脊柱椎間症を治療すれば、著しい治療効果が得られることが判明した。中国のマッサージによる椎骨矯正手法以外、米国のChiropractic、ヨッローパの椎骨矯正手術、日本、タイ及び韓国の脊椎矯正手法なども広く用いられ、しかも著しい治療効果が得られる。これら手法における肝心な動作は、牽引、回転、屈伸、押圧、押上などの動作に限られる。これら手法は、力学的療法に属し、その力が引張、押し、曲り、切り、ねじれで現れる。代表的な治療法では、急激な負荷を加え、すなわち、患者が抵抗しないときに最適な突然の爆発力を与えることが多く行われる。これら手法の共通点としては、便利かつ有効で、軽い症状や初発症の患者に治療効果を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、手法治療や牽引治療にも多くの欠点がある。その欠点としては、主に以下の通りである。
1)各動作のパラメータを定量化することができない。手法治療や牽引治療は、医者の経験によって曖昧な力加減を用いる力学的療法である。そのため、力加減が、弱すぎると治療効果が得られなくなり、強すぎると患者に損傷を与えることになる。
2)椎間連結の不一致または椎間のずれは、三次元方向で、人力マッサージによる椎骨矯正では、毎回単方向または双方向の力しか加えられないため、三次元方向の力を病変部位に同時に加えることができない。
3)牽引治療に使用される牽引装置としては、様々であるが、いずれも一次元での直線に牽引し、牽引力のみを制御し、距離を制御せず、急激な負荷がなく、牽引される複数の椎間に牽引力を均一に分布させ、位置決めが不正確である。
そのため、手法治療や牽引治療で得られる治療効果は制限され、しかも治療期間が長く、重症の患者に対して治療効果が低い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来の手法治療や牽引治療による、椎間症に対する治療効果が低く、治療期間が長いなどの問題を解決するため、本発明は、脊柱機能を強化し、治療時の心地と精度を向上させることができる三次元脊椎矯正ロボットを提供する。前記三次元脊椎矯正ロボットは、支柱と、座席と、複数の人体固定バンドと、頭部固定装置と、支持フレームとを含む。前記頭部固定装置は、前記支持フレームの先端に固定される。前記三次元脊椎矯正ロボットは、複数の支柱スリーブと、脊柱側方向押し引き装置と、座席ロック機構とをさらに含む。前記支柱スリーブは、前記支柱に移動可能に嵌装され、各前記支柱スリーブが1つの人体固定バンドに連結される。前記支柱スリーブは、下端が前記座席に連結され、上端が前記支柱に連結されるように形成される。前記複数の支柱スリーブ同士は、第1弾性連結部材で相互に連結される。前記脊柱側方向押し引き装置は、前記支柱に沿って上下移動、揺動可能である。前記座席は、軸受けを介して前記支柱に連結されるとともに、前記支柱に沿って上下移動可能である。前記座席ロック機構は、前記支持フレームと座席との間に固定される。
【0006】
前記三次元脊椎矯正ロボットは、昇降プラットホームをさらに含む。前記昇降プラットホームは、前記座席の下方に位置し、前記座席の降下距離を調整するためのものである。
前記昇降プラットホームは、前記座席の降下距離をモニターするための変位センサに接続される。
【0007】
前記三次元脊椎矯正ロボットは、前記支柱スリーブの上端と前記支柱の上端との間に取り付けられるスリーブ一体伸縮装置をさらに含む。
前記複数の人体固定バンド同士は、第2弾性連結部材で相互に連結される。
【0008】
前記頭部固定装置は、頭部カバーと頭部カバー回転機構とを含み、
前記頭カバー回転機構は、前記支持フレームの先端に固定されるとともに前記頭部カバーに連結される。前記頭部カバーは、患者の頭部を固定するためのものであるとともに、前記頭カバー回転機構により一定量の回転動作を行う。
前記座席の周辺または下方には、ウエイトまたは機械力を加える。
【0009】
前記座席を回転させる押しロッドは、前記座席の片側に固定して連結される。
脊柱側方向押し引き装置は、押し引き機構と、上下位置決め機構と、水平位置決め機構とを含む。前記上下位置決め機構は、前記支持フレームに沿って上下移動可能に前記支持フレームに固定される。前記押し引き機構は、押し引きロッド及びその駆動機構を含む。前記駆動機構の底部は、前記水平位置決め機構のシュート内に移動可能に固定される。
【0010】
前記三次元脊椎矯正ロボットは、前記座席を初期位置に復帰させる座席復帰機構をさらに含む。
本発明に係る三次元脊椎矯正ロボットによれば、頸椎、胸椎及び腰椎をそれぞれ治療する欠点を克服し、構造が科学的かつ合理的で、三次元動作が充実かつ正確で、コントロールをしやすく、治療期間を短くし、治療効果を高くし、正常組織に悪影響を及ぼさず、医原性損傷及び苦痛を与えることなく、椎骨間の相互位置の異常関係を矯正することができ、神経根と周辺組織との粘着を除去し、脊椎を自然状態に復帰させるかまたは自然状態に近づける医療効果を有する。本発明に係る三次元脊椎矯正ロボットは、脊柱椎間症を治療することができるだけではなく、脊柱の保健及び脊柱の半健康の調整にも用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係る三次元脊椎矯正ロボットの側面構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係る三次元脊椎矯正ロボットの正面構造を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例の座席ロック機構の構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例の脊柱側方向押し引き装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明の技術案についてさらに詳しく説明する。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施例は、脊柱椎間症を治療するとともに脊柱機能を強化し、治療時の心地と精度を向上させることができる三次元脊椎矯正ロボットを提供する。該三次元脊椎矯正ロボットは、支柱1と、座席2と、複数の人体固定バンド302と、頭部固定装置と、支持フレーム9と、複数の支柱スリーブ3と、脊柱側方向押し引き装置6と、スリーブ一体伸縮装置304と、座席ロック機構10とを含む。ここで、頭部固定装置は、支持フレーム9の先端に固定される。支柱スリーブ3は、支柱1に移動可能に嵌装される。各前記支柱スリーブ3は、1つの人体固定バンド302に連結される。支柱スリーブ3は、下端が座席2に連結され、上端が支柱1に連結されるように形成される。複数の支柱スリーブ3同士は、第1弾性連結部材301、例えば、剛性ばねで相互に連結されることにより、患者の病変のある椎間を段階箇所に位置させ、脊椎を矯正するための作用力を主に病変部位に作用させる。脊柱側方向押し引き装置6は、支柱1に沿って上下移動、揺動可能である。座席2は、軸受けを介して支柱1に連結されるとともに、支柱1に沿って上下移動可能である。座席ロック機構10は、支持フレーム9と座席2との間に固定される。
【0014】
本発明に係る三次元脊椎矯正ロボットは、座席2の下方に位置し、座席2の降下距離を調整するための昇降プラットホーム202をさらに含む。昇降プラットホーム202は、座席2の降下距離をモニターするための変位センサに接続されてもよい。実際の適用では、昇降プラットホーム202が、機械式昇降機及び1つの鋼板からなってもよい。
【0015】
本発明に係る三次元脊椎矯正ロボットは、支柱スリーブ3の上端と支柱1の上端との間に取り付けられるスリーブ一体伸縮装置304をさらに含む。
本実施例において、複数の人体固定バンド302同士は、第2弾性連結部材303で相互に連結される。第2弾性連結部材303は、複数の輪ゴムを編組して構成したものであってもよく、ゴムバンドであってもよい。
【0016】
本実施例において、頭部固定装置は、頭部カバー4と、頭部カバー回転機構5とを含む。頭部カバー回転機構5は、支持フレーム9の頂端に固定されるとともに頭部カバー4に連結される。頭部カバー4は、患者の頭部を固定するためのものであって、頭部カバー回転機構5により一定量の回転動作を行う。頭部カバー回転機構5は、トルクモータまたはサーボモータによって作動してもよい。
【0017】
本実施例に係る三次元脊椎矯正ロボットは、座席2を初期位置に復帰させる座席復帰機構305をさらに含む。本実施例において、座席復帰機構305としては、カム機構を用いる。座席2は降下して昇降プラットホーム202上に位置するカム機構トリガスイッチ203に突き当たる場合、カムが回転して座席2を徐々に上昇させる。さらに、カムの先端が最も高いところに位置する場合、座席2は初期ロック位置に復帰することになる。なお、座席復帰機構305は、電磁石機構などで実現されてもよい。座席復帰機構については、本発明の実施例に記載した実現方法に限定されるものではなく、座席2を初期ロック位置に復帰させるものであればよい。
【0018】
図3に示すように、脊柱側方向押し引き装置6は、押し引き機構601と、上下位置決め機構(図示せず)と、水平位置決め機構603とを含む。上下位置決め機構は、支持フレーム9に沿って上下移動可能に支持フレーム9に固定される。押し引き機構601は、押し引きロッド6011及びその駆動機構を含む。駆動機構の底部は、水平位置決め機構603のシュート602内に移動可能に取り付けられるとともに、シュート602における所定箇所に固定されることができる。しかも、その箇所は、病変のある椎骨部位に対応する。駆動機構は、押し引きロッドを前後移動させ、押し引きロッドの力点の変動で脊柱を前後、左右移動させるかまたは回転させる。これにより、椎骨は、一定量変位して自然状態に近づいていく。駆動機構は、電動機械または液圧機械で実現されてもよい。
【0019】
図4に示すように、座席ロック機構10は、伸縮捩りばね1011と、引きボタン1012と、ワイヤー1013と、ボルト1014と、固定プーリ1015とを含む。伸縮捩りばね1011は、ボルト1014の連結ロッドに嵌装される。ワイヤー1013は、一端がボルト1014の連結ロッドに連結され、他端が二つの固定プーリ1015を介して引きボタン1012に連結されるように形成される。治療の開始時に、引きボタン1012を引くと、ワイヤー1013によってボルト1014が内部へ収縮することで伸縮捩りばね1011が押し付けられ、ボルト1014が座席2上に溶接された挿し板から外れ、座席2が自由落下運動を行う。引きボタン1012を開放すると、伸縮捩りばね1011が復帰してボルト1014を外部へ突出させる。座席復帰機構305によって座席2が上昇する場合、座席2上に溶接された挿し板がボルト1014に衝突してボルト1014が内部へ瞬時に収縮し、座席2上に溶接された挿し板がボルト1014を通り越して座席2を初期位置に復帰させる。
【0020】
実際の適用においては、座席2の瞬間的な降下速度を増加させるために、座席2の周辺にウエイトを加えてもよく、または、座席2と昇降プラットホーム202との間に外力駆動装置を取り付けてもよい。さらに、座席2を回転させることが可能な押しロッド204は、座席2の片側、例えば、座席2の左側、右側、または前側に固定して連結される。本実施例において、押しロッド204は、座席2の前側に固定して連結され、治療または保健の必要に応じて、座席2を0〜50度内に回転させることができる。
【0021】
実際の適用においては、各支柱スリーブ3の中心に貫通孔が設けられる。各支柱スリーブ3は、当該貫通孔を介して支柱1に嵌装されるとともに、その水平の両端が前側へ湾曲する(ほぼ弧状に形成される)ように形成される。各支柱スリーブ3の両側の先端は、1つの人体固定バンド302に連結される。各支柱スリーブ3と1本の人体固定バンド302とは、複数の連結方法、例えば、ボタン連結、リベット連結、縫合連結などの方法で連結されることができる。
【0022】
胸腰椎間症を矯正または治療する場合には、患者を座席2に座らせ、
ヒトの身長に応じて各支柱スリーブ3の間の距離をスリーブ一体伸縮装置304で調整する。人体固定バンド302で胸部及び腰部をそれぞれ固定する。治療の必要に応じて、ヒトの身長、体重、病変の程度、病変部位などを基づいて座席2と降下点との距離、座席2の回転方向、及び回転角度を設定、調整する。さらに、脊柱側方向押し引き装置6を病変のある椎骨の水平位置になるように調整し、脊柱側方向押し引き装置6の作用点及びその伸縮幅を決定する。確認後、各動作実行機構を起動させ、座席2の落下、回転、脊柱側方向の押し引きを相互に同期して行うことで、椎間のずれ及び椎骨位置を矯正し、椎骨間の軟部組織(特に
、神経根)と周辺組織との粘着を解除し、胸腰椎を自然状態に近づける。
【0023】
頸椎症を治療する場合には、患者を座席2に座らせ、人体固定バンド302で胸部及び腰部をそれぞれ固定し、ヒトの身長、体重、病変の程度、病変部位などに応じて座席2と降下点との距離を設定、調整する。頭部カバー4によって頭部を固定し、治療の必要に応じて、頭の位置を調整し、頭部カバー回転機構5の回転方向及び回転角度を決定する。確認後、各動作実行機構を起動させ、座席の落下、頭部カバーの回転などの動作を相互に同期して行うことで、頸椎症を治療または頸椎の半健康を矯正する目的に達する。
【0024】
従来の技術に比べ、本発明の実施例に係る三次元脊椎矯正ロボットは、以下のような利点を有する。
1.頸椎、胸椎及び腰椎をそれぞれ治療する欠点を克服し、構造が科学的かつ合理的で、三次元動作が充実かつ正確で、コントロールをしやすく、コンピュータのプログラムに組み合わせた後操作が容易になる。
2.高速衝突の距離は座席の落下高さによって制御されるために、安全性の確保を図ると同時に騒音を低減することができる。
3.治療期間を短くし、治療効果を上げ、正常組織に悪影響を及ぼさず、医原性損傷及び苦痛を与えることなく、椎骨間の相互位置の異常関係を矯正することができ、神経根と周辺組織との粘着を解除し、脊椎を自然状態に復帰させるかまたは自然状態に近づける医療効果を有する。
4.本発明の実施例に係る三次元脊椎矯正ロボットは、脊柱椎間症を治療することができるだけではなく、脊柱の保健及び脊柱の半健康の調整にも用いられることも可能である。
【0025】
本発明の目的、技術案、及び効果について、上述した実施例で詳しく説明した。ただし、上記は、本発明の好適な実施方式であるが本発明の実施範囲を限定するものではない。本技術領域の技術要員は本発明の精神と範囲を離れない前提で、若干の改善、修飾及び書き換えなどを行うことができ、これらの改善、修飾及び書き換えは本発明の保護範囲に属する。