【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様によれば、エアロゾル発生装置においてエアロゾル生成を制御する方法が提供され、本装置は、
エアロゾル発生要素と、
空気流がエアロゾル発生要素を通過できるように構成された流路と、
流路内の空気流を検出するように構成された流量センサと、
を備え、本方法は、
空気流の流量の変化に関連した第1のパラメータの値を決定する段階と、
第1のパラメータの値と閾値との間の比較結果に応じて、エアロゾル発生要素への電力の供給を変化させる段階と、
を含み、第1のパラメータは、流量センサによって検出された流量の測定値である第2のパラメータと、流量に関連した第3のパラメータとの組み合わせから導かれ、第3のパラメータは、温度、エアロゾル発生要素に供給される電力、最大検出流量、又は流量の変化率であり、或いは、第3のパラメータは、温度、エアロゾル発生要素に供給される電力、最大検出流量、及び流量の変化率のうちの2つ又はそれ以上の組み合わせから導かれる。
【0009】
装置は、ユーザの吸入によって空気流を発生させることができるように構成されるのが好ましい。好ましくは、決定する段階は、吸入期間の間に第1のパラメータの値を決定する段階を含む。電力の供給を変化させる段階は、電力の供給をゼロに低減させる段階を含む。
【0010】
エアロゾルは、空気などの気体中の固体粒子又は液滴の懸濁体である。エアロゾル発生要素に供給される電力を制御することによって、エアロゾル発生の速度を制御することができる。ユーザの吸入又は吸煙などのある期間の空気流の終わりの前にエアロゾル発生要素への電力を低減又は停止することによって、空気流の残りの部分を用いて、既に発生したエアロゾルを除去又はパージし、従って装置内の凝縮を低減することができる。しかしながら、エアロゾル発生を終了する最も望ましい時間は、定義された期間の間の空気流の速度及び変動によって決まる。ユーザ吸入によって駆動される装置において、ユーザが異なれば吸入動作も異なり、一人のユーザでも時間が異なれば吸入動作が異なる可能性がある。従って、異なるユーザ動作間を補正又は正規化する制御方法を有することが望ましい。エアロゾル生成を制御するための設定流量閾値は、生成されたエアロゾルを除去する際にユーザの短く素早い吸入及びユーザの長く緩慢な吸入に対して等しく有効に機能しない。長く緩慢な吸入をするユーザが、短く素早い吸入に適切な流れ閾値に達することはない。
【0011】
好ましくは、本発明は、検出した流量及び第1のパラメータと呼ばれる空気流の流れ特性の漸進的変化を示す別の測定値に基づいてエアロゾル生成を制御する方法、特にエアロゾル生成を低減又は停止する方法を提供する。しかしながら、本発明は、検出した流量だけである必要はなく、異なる吸煙パラメータに基づくことができる。
【0012】
第2のパラメータは、流量の単位を有さないが、流量の尺度であるパラメータとすることができる。例えば、流量センサは、空気流における電気フィラメントの抵抗を決定することによって作動することができ、従って、第2のパラメータは、抵抗値から算出された流量ではなく、むしろ抵抗値とすることができる。換言すれば、第2のパラメータは、実際の流量ではなくむしろ流量と一定の関係を有するパラメータとすることができる。本発明は、実際の流量を算出することを必要としない。
【0013】
第3のパラメータが温度又は最大流量である場合には、有利には、第1のパラメータは、第2のパラメータと第3のパラメータとの間の比に比例する。
【0014】
第3のパラメータが、エアロゾル発生要素に供給される電力又は流量の変化率である場合には、有利には、第1のパラメータは、第2のパラメータと第3のパラメータとの積に比例する。
【0015】
代替として、第1のパラメータは、単に空気流の変化率に比例することができる。
【0016】
しかしながら、第1のパラメータには多くの可能性が存在する。最適な第1のパラメータは、エアロゾル発生装置の設計によって決まる。デザインが異なれば、流量センサを通過する流れ特性も異なる可能性があり、エアロゾル発生装置のタイプが異なれば、動作も異なる可能性がある。好ましい実施例は、2つの検出した又は導き出したパラメータの単純な積又は比であるが、より複雑な組み合わせを用いることができる。
【0017】
エアロゾル発生装置は、振動するオリフィストランスデューサー又は圧電装置などの機械装置とすることができる。しかしながら、エアロゾル発生要素は、少なくとも1つの加熱要素を備える電気加熱器であるのが好ましい。少なくとも1つの電気加熱要素は、エアロゾル形成基材を加熱してエアロゾルを形成するように構成することができる。
【0018】
加熱要素に一定の電力が与えられる場合には、加熱要素の温度は、装置内の流れ特性を示すパラメータである。これは第3のパラメータとして用いることができる。より低い温度では、空気流が冷却効果をもたらすので流量が増える。従って、加熱要素の温度は、ユーザ吸引の終了時に流量が低下するにつれて上昇することになる。加熱要素の抵抗は、抵抗の温度に依存することができ、その結果、加熱要素の抵抗は、第3のパラメータとして用いることができる。
【0019】
温度が一定のままであるように制御される場合、一定の温度を維持するために加熱要素に供給される電力は、流量の指標となるので、第3のパラメータとして用いることができる。流量がより増えると、所与の温度を維持するためにはより多くの電力が必要となる。一定の温度は、予め定めた値とすることができ、又は流量などの1又はそれ以上の他の測定したパラメータに基づいて動的に算出することができる。
【0020】
本発明の別の態様によれば、電気作動式エアロゾル発生装置が提供され、本装置は、基材からエアロゾルを形成するための少なくとも1つの電気エアロゾル発生要素と、少なくとも1つのエアロゾル発生要素に電力を供給するための電源と、電源から少なくとも1つのエアロゾル発生要素への電力の供給を制御する電気回路と、を備え、電気回路は、少なくとも1つのエアロゾル発生要素を通過する空気流を検出するためのセンサを含み、電気回路は、
空気流の流量の変化に関連した第1のパラメータの値を決定し、
第1のパラメータの値と閾値との間の比較結果に応じて、エアロゾル発生要素への電力の供給を低減又は停止し、第1のパラメータは、流量センサによって検出された流量の測定値である第2のパラメータと流量に関連した第3のパラメータとの組み合わせから導かれ、
第3のパラメータは、温度、エアロゾル発生要素に供給される電力、最大検出流量、又は流量の変化率であり、或いは、第3のパラメータは、温度、エアロゾル発生要素に供給される電力、最大検出流量、及び流量の変化率のうちの2つ又はそれ以上の組み合わせから導かれる。
【0021】
装置は、ユーザ吸入によって空気流を発生させることができるように構成するのが好ましい。装置は、吸入期間の間に第1のパラメータの値を決定するように構成するのが好ましい。
【0022】
第3のパラメータが温度又は最大流量である場合には、有利には、第1のパラメータは、第2のパラメータと第3のパラメータとの間の比に比例する。
【0023】
第3のパラメータがエアロゾル発生要素に供給される電力又は流量の変化率である場合には、有利には、第1のパラメータは、第2のパラメータと第3のパラメータとの積に比例する。
【0024】
代替として、第1のパラメータは、単に流量の変化率に比例することができる。
【0025】
装置は、エアロゾル形成基材を受けるように構成することができる。エアロゾル発生要素は、振動するオリフィストランスデューサーなどの機械装置とすることができる。しかしながら、エアロゾル発生要素は、少なくとも1つの加熱要素を備える電気加熱器であるのが好ましい。少なくとも1つの加熱要素は、エアロゾル形成基材を加熱してエアロゾルを形成するように構成することができる。
【0026】
加熱要素に一定の電力が与えられる場合には、加熱要素の温度は、装置内の流れ特性を示すパラメータである。ここで、温度は第3のパラメータとして用いることができる。より低い温度では、空気流が冷却効果をもたらすので、流量が増える。従って、加熱要素の温度は、ユーザ吸引(又は他の空気流期間)の終了時に流量が低下するにつれて上昇することになる。加熱要素の電気抵抗は、加熱要素の温度に依存することができ、その結果、加熱要素の電気抵抗は、第3のパラメータとして用いることができる。
【0027】
温度が一定のままであるように制御される場合、一定の温度を維持するために加熱要素に供給される電力は、流量の指標となるので、第3のパラメータとして用いることができる。流量がより増えると、所与の温度を維持するためにはより多くの電力が必要となる。一定の温度は、予め定めた値とすることができ、又は流量などの1つ又はそれ以上の他の測定したパラメータに基づいて動的に算出することができる。
【0028】
好ましくは、電気回路は、本発明の先の態様の方法段階を実行するように構成される。本発明の先の態様の方法段階を実行するために、電気回路は配線接続することができる。しかしながら、より好ましくは、本発明の先の態様の方法段階を実行するために、電気回路はプログラム可能である。
【0029】
センサは、空気流を検出できるあらゆるセンサとすることができる。センサは電気機械装置とすることができる。代替として、センサは、機械装置、光学装置、光学機械装置、マイクロ電気機械システム(MEMS)ベースのセンサ及び音響センサの何れかとすることができる。センサは、熱伝導流量センサ、圧力センサ、流速計とすることができ、空気流を検出できるだけでなく、空気流を測定できるはずである。従って、センサは、空気流の振幅を表すアナログ電気信号又はデジタル情報を供給できるはずである。
【0030】
電気加熱器は、単一の加熱要素を備えることができる。代替として、電気加熱器は、1つよりも多くの加熱要素、例えば、2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つ、又は6つ、又はそれ以上の加熱要素を含むことができる。1つ又は複数の加熱要素は、エアロゾル形成基材を最も効果的に加熱するように好適に構成することができる。
【0031】
少なくとも1つの電気加熱要素は、好ましくは、電気抵抗材料を備える。好適な電気抵抗材料には、限定ではないが、ドープセラミックスのような半導体、電気的に「伝導性の」セラミックス(例えば、二ケイ化モリブデンのような)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、及びセラミック材料と金属材料で作製された複合材料が挙げられる。このような複合材料は、ドープセラミックス又は非ドープセラミックスを含むことができる。好適なドープセラミックスの実施例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。好適な金属の実施例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、及び白金族の金属が挙げられる。好適な金属合金の実施例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有合金、コバルト含有合金、クロム含有合金、アルミニウム含有合金、チタン含有合金、ジルコニウム含有合金、ハフニウム含有合金、ニオブ含有合金、モリブデン含有合金、タンタル含有合金、タングステン含有合金、スズ含有合金、ガリウム含有合金、マンガン含有合金、及び鉄含有合金、並びにニッケル基超合金、鉄基超合金、コバルト基超合金、ステンレス鋼、Timetal(登録商標)、鉄−アルミニウム基合金、及び鉄−マンガン−アルミニウム基合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、コロラド州デンバー市Broadway Suite 4300所在のTitanium Metals Corporationの登録商標である。複合材料では、任意選択的に、電気抵抗材料は、エネルギ伝達の動力学及び要求される外部物理化学特性に応じて、絶縁材料に埋め込まれ、カプセル封入され、又はコーティングすることができ、逆もまた同様である。加熱要素は、不活性材料の2つの層の間で絶縁された金属エッチング箔を含むことができる。この場合、不活性材料は、Kapton(登録商標)、全ポリイミド箔又はマイカ箔を含むことができる。Kapton(登録商標)は、米国デラウェア州 19898 Wilmingtonの1007 Market Streetに所在のE.I. du Pont de Nemours and Companyの登録商標である。
【0032】
代替として、少なくとも1つの電気加熱要素は、赤外線加熱要素、光子源、又は誘電加熱要素を含むことができる。
【0033】
少なくとも1つの電気加熱要素は、あらゆる好適な形態とすることができる。例えば、少なくとも1つの電気加熱要素は、加熱ブレードの形態とすることができる。代替として、少なくとも1つの電気加熱要素は、異なる導電部を有するケーシング又は基板、もしくは電気抵抗性金属管体の形態とすることができる。エアロゾル形成基材が容器内に設けられた液体である場合、容器は、使い捨ての加熱要素を組み込むことができる。代替として、エアロゾル形成基材の中心を通って延びる1つ又はそれ以上の加熱ニードル又はロッドも好適とすることができる。代替として、少なくとも1つの電気加熱要素は、ディスク(エンド)加熱器、或いはディスク加熱器と加熱ニードル又はロッドとの組み合わせとすることができる。代替として、少なくとも1つの電気加熱要素は、エアロゾル形成基材を囲む又は部分的に囲むように配置された可撓性のシート材料を含むことができる。他の代替形態は、加熱ワイヤ又はフィラメント、例えば、Ni−Cr(ニッケル−クロム)、白金、タングステン又は合金ワイヤ、或いは加熱プレートを含む。任意選択的に、加熱要素は、剛性担体材料中又はその上に堆積させることができる。
【0034】
少なくとも1つの電気加熱要素は、吸熱及び蓄熱して、その後エアロゾル形成基材に経時的に放熱することができる材料を含む、ヒートシンク又はヒートリザーバを備えることができる。ヒートシンクは、好適な金属又はセラミック材料等のあらゆる好適な材料から形成することができる。好ましくは、材料は、高い熱容量を有する(顕熱蓄熱材料)か、又は吸熱後に高温相変化のような可逆プロセスによって放熱することができる材料である。好適な顕熱蓄熱材料には、シルカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、無機物、及びアルミニウム、銀、もしくは鉛等の金属又は合金、並びに紙などのセルロース材料が挙げられる。可逆的相変化によって放熱する他の好適な材料には、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタレン、ワックス、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、又は合金が挙げられる。
【0035】
ヒートシンク又はヒートリザーバは、エアロゾル形成基材と直接接触して、蓄熱を直接エアロゾル形成基材に伝達できるように配置することができる。代替として、ヒートシンク又はヒートリザーバに蓄えられた熱は、金属管体のような熱伝導体によってエアロゾル形成基材に伝達することができる。
【0036】
少なくとも1つの加熱要素は、熱伝導によってエアロゾル形成基材を加熱することができる。加熱要素は、基材又は基材がその上に堆積された担体と少なくとも部分的に接触することができる。代替として、加熱要素からの熱は、熱伝導要素に伝導することができる。
【0037】
代替として、少なくとも1つの加熱要素は、使用時にエアロゾル発生装置を通じて引き込まれた流入周囲空気に熱を伝達することができ、この空気が、対流によってエアロゾル形成基材を加熱する。周囲空気は、エアロゾル形成基材を通過する前に加熱することができる。代替として、エアロゾル形成基材が液体基材である場合、周囲空気は、最初に基材を通って引き込まれた後に加熱することもできる。
【0038】
エアロゾル形成基材は、固体エアロゾル形成基材とすることができる。エアロゾル形成基材は、加熱時に基材から放出される揮発性タバコ香味化合物を含有するタバコ含有材料を含むのが好ましい。エアロゾル形成基材は、非タバコ材料を含むことができる。エアロゾル形成基材は、タバコ含有材料及び非タバコ含有材料を含むことができる。エアロゾル形成基材は更に、エアロゾルフォーマを含むのが好ましい。好適なエアロゾルフォーマの実施例は、グリセリン及びプロピレングリコールである。
【0039】
代替として、エアロゾル形成基材は、液体エアロゾル形成基材とすることができる。1つの実施形態において、電気加熱式エアロゾル発生装置は更に、液体貯蔵部を備える。液体エアロゾル形成基材は、液体貯蔵部に貯蔵するのが好ましい。1つの実施形態において、電気加熱式エアロゾル発生装置は更に、液体貯蔵部と連通する毛細管芯を備える。また、液体を保持するための毛細管芯を液体貯蔵部なしで設けることも可能である。当該実施形態では、毛細管芯は液体を予め組み込むことができる。
【0040】
好ましくは、毛細管芯は、液体貯蔵部内の液体と接触するように構成される。この場合、使用時には、液体は、毛細管芯の毛細管作用によって液体貯蔵部から少なくとも1つの電気加熱要素に向けて移送される。1つの実施形態において、毛細管芯は、第1の端部及び第2の端部を有し、該第1の端部は液体貯蔵部内に延びて内部の液体と接触し、第2の端部において少なくとも1つの電気加熱要素が液体を加熱するように配置される。加熱要素が作動されると、毛細管芯の第2の端部の液体は、加熱器によって気化されて過飽和蒸気を形成する。過飽和蒸気は、空気流と混合されて運ばれる。流れる間に、蒸気は凝縮してエアロゾルが形成され、エアロゾルはユーザの口腔に向けて運ばれる。毛細管芯と組み合わせた加熱要素は、この構成により液体の加熱要素に対する表面積が大きくなるので、迅速な応答が可能になる。従って、本発明による加熱要素の制御は、毛細管芯構成の構造に依存することができる。
【0041】
液体基材は、多孔性担持材料内に吸収することができ、該多孔性担持材料は、例えば、発泡金属又はプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維又はセラミックである、あらゆる好適な吸収性プラグ又はボディから作ることができる。液体基材は、電気加熱式エアロゾル発生装置を使用する前に多孔性担持材料内に貯留することができ、或いは、液体基材材料は、使用中又は使用直前に多孔性担持材料に放出することができる。例えば、液体基材は、カプセル内に設けることができる。カプセルのシェルは、好ましくは、加熱すると溶けて、液体基材を多孔性担持材料に放出する。カプセルは、任意選択的に液体と組み合わせて固体を収容することができる。
【0042】
エアロゾル形成基材が液体基材である場合、液体は特定の物理的特性を有する。これらの物理的特性には、例えば、エアロゾル発生装置での使用を好適にするための沸点、蒸気圧、及び表面張力特性が挙げられる。少なくとも1つの電気加熱要素の制御は、液体基材の特性に依存することができる。液体は、好ましくは、加熱時に液体から放出される揮発性タバコ香味化合物を有するタバコ含有材料を含む。代替として、又はこれに加えて、液体は、非タバコ材料を含むことができる。液体は、水、溶剤、エタノール、植物エキス、及び天然又は人工香味料を含むことができる。好ましくは、液体は、エアロゾルフォーマを更に含む。好適なエアロゾルフォーマの実施例は、グリセリン及びプロピレングリコールである。
【0043】
液体貯蔵部を備える利点は、高レベルの衛生状態を維持できることである。液体と電気加熱要素との間に延びる毛細管芯を使用することにより、装置の構造を比較的簡単にすることができる。液体は、該液体を毛細管作用によって毛細管芯を通って運ぶことができる粘度及び表面張力を含む物理的特性を有する。液体貯蔵部は、容器であるのが好ましい。液体貯蔵部は、詰め替え可能でなくても良い。従って、液体貯蔵部内の液体が使い尽くされると、液体貯蔵部又はエアロゾル発生装置全体が交換される。代替として、液体貯蔵部は詰め替え可能であっても良い。この場合には、エアロゾル発生装置は、液体貯蔵部の何回かの詰め替え後に交換することができる。好ましくは、液体貯蔵部は、所定数の吸煙の間エアロゾル形成基材を保持するよう配置される。
【0044】
毛細管芯は、繊維構造又はスポンジ構造を有することができる。毛細管芯は、毛細管の束を備えるのが好ましい。例えば、毛細管芯は、複数の繊維又は線条、或いは、他の微細ボア管体を含むことができる。繊維又は線条は、エアロゾル発生装置の略長手方向に整列することができる。代替として、毛細管芯は、ロッド形状に形成されたスポンジ状材料又は発泡状材料を含むことができる。ロッド形状は、エアロゾル発生装置の長手方向に沿って延びることができる。芯の構造は複数の小さなボア又は管体を形成し、ここを通って毛細管現象により液体を電気加熱要素に移送することができる。毛細管芯は、あらゆる好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。好適な材料の実施例は、繊維又は焼結粉体の形態のセラミックベース又はグラファイトベースの材料である。毛細管芯は、密度、粘度、表面張力及び蒸気圧などの異なる液体物理的特性で使用されるように、あらゆる好適な毛細管現象及び多孔率を有することができる。毛細管芯の毛細管特性は、液体の特性と組み合わされて、毛細管芯が加熱領域で常に湿潤しているのを保証する。
【0045】
代替として、エアロゾル形成基材は、例えば、ガス状基材である他の何れかの種類の基材、又は種々のタイプの基材の何らかの組み合わせとすることができる。作動中、基材は、電気加熱式エアロゾル発生装置内に完全に収容することができる。この場合、ユーザは、電気加熱式エアロゾル発生装置のマウスピースで吸煙することができる。代替として、使用中、基材は、電気加熱式エアロゾル発生装置内に部分的に収容することができる。この場合、基材は、別個の物品の一部を形成することができ、ユーザは別個の物品で直接吸煙することができる。
【0046】
電気加熱式エアロゾル発生装置は、電気加熱式喫煙装置であるのが好ましい。
【0047】
電気加熱式エアロゾル発生装置は、過飽和蒸気からエアロゾルが形成されるエアロゾル形成チャンバを備えることができ、その後、エアロゾルはユーザの口腔内に運ばれる。好ましくは、空気入口、空気出口及びチャンバは、空気入口からエアロゾル形成チャンバを介して空気出口に延びる空気流通路を定め、これによりエアロゾルが空気出口及びユーザの口腔内に運ばれるように配置される。凝縮物は、エアロゾル形成チャンバの壁に形成される場合がある。凝縮物の量は、特に吸煙の終了に向かって供給される電力量に依存することができる。
【0048】
好ましくは、エアロゾル発生装置はハウジングを備える。好ましくは、ハウジングは細長である。凝縮物の形成に利用できる表面区域を含むハウジング構造は、エアロゾル特性、及び装置からの液体漏洩の有無に影響を及ぼす。ハウジングは、シェル及びマウスピースを備えることができる。この場合、全ての構成要素は、シェル又はマウスピースの何れかに収容することができる。ハウジングは、あらゆる好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。好適な材料の実施例には、金属、合金、プラスチック又はこれらの材料のうちの1つ又はそれ以上を含有する複合材料、もしくは食品又は製薬用途に好適な熱可塑性物質、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリエチレンが挙げられる。材料は軽量で非脆性であるのが好ましい。ハウジングの材料は、ハウジング上に形成される凝縮物の量に影響を及ぼす可能性があり、これはまた、装置からの液体の漏洩に影響を及ぼすことになる。
【0049】
エアロゾル発生装置は携行可能であるのが好ましい。エアロゾル発生装置は、喫煙装置とすることができ、従来のシガー又はシガレットに相当するサイズを有することができる。喫煙装置は、約30mmと約150mmとの間の全長を有することができる。喫煙装置は、約5mmと約30mmの間の外径を有することができる。
【0050】
本発明による方法及び電気加熱式エアロゾル発生装置は、加熱要素に供給される電力量を空気流プロファイルに合わせて調整し、これによりユーザ又は装置のどのような追加的な動作も必要とすることなく、ユーザの体験を改善し、装置のハウジング内で凝縮するエアロゾルの量を低減することができるといった利点を提供する。
【0051】
本発明の別の態様によれば、電気作動式エアロゾル発生装置のための電気回路が提供され、該電気回路は、本発明の他の態様の方法を実行するように構成される。
【0052】
好ましくは、電気回路は、本発明の他の態様の方法を実行するようプログラム可能である。代替として、電気回路は、本発明の他の態様の方法を実行するよう配線接続することができる。
【0053】
本発明の別の態様によれば、電気作動式エアロゾル発生装置のためのプログラム可能な電気回路上で実行されたときに、プログラム可能な電気回路が本発明の他の態様の方法を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
【0054】
本発明の別の態様によれば、本発明の上記の態様によるコンピュータプログラムを記憶させたコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0055】
本発明のある態様に関して説明された特徴は、本発明の別の態様にも適用可能とすることができる。
【0056】
ここで、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。