(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る広告主評価装置、広告主評価方法および広告主評価プログラムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下においては、「データベース」を「DB」と記載するものとする。
【0011】
また、以下においては、広告主評価装置が、広告を審査する広告審査システムに含まれる場合を例に挙げて説明を行う。
【0012】
〔1.広告審査システムおよび広告主評価処理〕
まず、実施形態に係る広告審査システムおよび広告主評価処理について説明する。
図1は、実施形態に係る広告審査システムおよび広告主評価処理の説明図である。
【0013】
〔1.1.広告審査システム〕
図1に示すように、広告審査システム1は、広告主端末2−1、2−2と、広告主評価装置3とを備える。広告主端末2−1、2−2(以下、広告主端末2と総称する場合がある)は、それぞれ広告主SA、SB(以下、広告主Sと総称する場合がある)によって管理および運用される。また、広告主評価装置3は、広告配信業者によって管理および運用される。
【0014】
広告主端末2および広告主評価装置3は、通信ネットワーク4を介して相互に通信可能に接続される。通信ネットワーク4は、例えばインターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0015】
なお、広告主端末2および広告主評価装置3の通信方式は、それぞれ有線通信であっても無線通信であってもよい。また、
図1に示す例では、2つの広告主SA、SBを例に挙げているが、広告主Sの数は、1つでもよく、また、3つ以上であってもよい。
【0016】
広告主Sは、広告配信業者へ広告の掲載を依頼する事業者であり、例えばTD(Title & Description)などを含む広告情報を制作し、広告配信業者へ入稿する。例えば
図1には、広告主SAからは広告情報Xが、広告主SBからは広告情報Yが、それぞれ入稿された場合を示している。
【0017】
そして、広告主Sから入稿された広告情報X,Yは、広告主評価装置3を含む広告審査システム1の広告配信業者側へ通信ネットワーク4を介して通知され、広告配信業者側で広告内容などの違反の有無が審査された後、審査結果に基づいて入稿可否が広告主Sへ通知される。
【0018】
ところで、広告主Sは、例えば
図1の広告主SAのように、悪意をもった不正者(以下、「不正な広告主」と言う)である場合がある。不正な広告主SAは、例えば広告を広告閲覧者にクリックさせることによって悪意あるソフトウェアを配布するなどの不正を働くことを目的とする者である。
【0019】
そして、かかる不正な広告主SAの入稿した広告情報Xにつき、広告内容などに違反が無ければ、かかる広告情報Xは入稿を許可され、Webページなどに掲載されてしまうおそれがある。
【0020】
ここで、広告情報X,Yには、入稿に際して必要となる「アカウントID」などの広告主Sに関する情報が含まれている。そこで、実施形態に係る広告審査システム1の広告主評価装置3では、かかる広告主Sに関する情報を利用して広告主Sを評価する広告主評価処理を行うこととした。
【0021】
〔1.2.広告主評価処理〕
かかる広告主評価処理の概要について説明する。広告主評価装置3は、制御部32(
図2以降を参照)を備える。制御部32は、広告情報X,Yを入稿した広告主Sに関する情報に基づいて広告主評価処理を実行する。
【0022】
図1に示すように、まず、広告主評価装置3の制御部32は、広告主Sに関する情報を含む広告情報X,Yの入稿を受信する(ステップS1)。
【0023】
広告主Sに関する情報には、例えば「アカウントID」、「広告内容」、「入稿経路」および「入稿時刻」などが含まれる。また、
図1に示すように、広告主評価装置3はDBを有しており、かかるDBには、広告主Sの「過去の審査履歴」などを含む広告主Sに関する情報が格納されている。
【0024】
そして、制御部32は、これら「アカウントID」、「広告内容」、「入稿経路」、「入稿時刻」および「過去の審査履歴」などの、広告主Sに関する情報に含まれる諸要素に基づいて広告主Sを評価する(ステップS2)。かかる評価は例えば、上記諸要素に基づく複数の要素をパラメータとする評価モデルに基づいて行われる。
【0025】
そして、制御部32は、評価結果(例えば評価スコア)に基づいて広告主Sの入稿の可否を判定する(ステップS3)。
【0026】
このように、実施形態に係る広告主評価装置3では、制御部32が、過去の審査履歴を含む広告主Sに関する情報に基づいて広告主Sを評価する広告主評価処理を実行する。広告主評価処理は、言い換えるならば、広告主Sに関する情報に基づいて不正な広告主SAの入稿の際の行動パターン、言わば「入稿パターン」を抽出して、かかる広告主Sの「怪しさ」もしくは「不正の度合い」を前述の評価モデルに基づいて評価する。
【0027】
したがって、広告情報X,Yのみからは判定しづらかった広告主Sの「怪しさ」を評価することが可能となり、評価結果に基づいて不正な広告主SAを判定することができる。
【0028】
なお、上記したパラメータの要素としては、入稿の際の広告主Sの行動に係るものだけではなく、例えば入稿後の広告配信業者側のサイトへのアクセス回数といった入稿後の広告主Sの行動パターンを示す要素を、上記パラメータの要素としてもよい。この点については、
図4を用いた説明で後述する。以下、
図2以降を用いて、実施形態に係る広告主評価装置3についてさらに詳しく説明する。
【0029】
〔2.広告主評価装置の構成〕
次に、広告主評価装置3の構成について具体的に説明する。
図2は、実施形態に係る広告主評価装置3の構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
なお、
図2では、広告主評価装置3の説明に必要となる構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。また、既に説明済みの構成要素については、その説明を簡略化するか省略する場合がある。
【0031】
図2に示すように、広告主評価装置3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備える。
【0032】
(記憶部33について)
記憶部33は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、
図2の例では、広告情報DB331と、広告主情報DB332とを有する。
【0033】
(通信部31について)
通信部31は、例えばNIC(Network Interface Card)などのインターフェイスである。制御部32は、通信部31および通信ネットワーク4を介して、広告主端末2との間で各種の情報を送受信可能である。
【0034】
(制御部32について)
制御部32は、
図1を用いて説明した広告主評価処理の実行についての全体制御を行う。具体的に、制御部32は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告主評価装置3内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部32は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0035】
図2に示すように、制御部32は、受信部321と、評価部322と、判定部323と、通知部324とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部32の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行うことができる構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部32が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0036】
(受信部321について)
受信部321は、広告主Sから広告情報X,Yの入稿を受信して、かかる広告情報X,Yに含まれる入稿パターンに係る情報を、広告情報DB331の有する入稿情報テーブルへ設定する。
【0037】
(評価部322について)
評価部322は、広告情報X,Yを入稿した広告主Sに関する情報を、広告情報DB331の入稿情報テーブル、広告主情報DB332の広告主属性情報テーブル、広告主行動情報テーブルおよび審査履歴情報テーブルから取得し、取得した情報に基づいて広告主Sを評価する。
【0038】
(各種テーブルについて)
ここで、広告情報DB331の有する入稿情報テーブル、広告主情報DB332の有する広告主属性情報テーブル、広告主行動情報テーブルおよび審査履歴情報テーブルについて、
図3A〜
図3Dを用いて説明しておく。
【0039】
図3Aは、入稿情報テーブルの一例を示す図である。
図3Aに示すように、入稿情報テーブルには、入稿に際して広告主Sによって使用された「アカウントID」ごとに、例えば「入稿ID」、「入稿日」、「入稿時刻」、「広告種別」、「広告内容」、「チャネル」、「入金金額」および「入金経路」などが関連付けられた情報が含まれる。
【0040】
「入稿ID」は、広告主端末2からの入稿要求ごとに割り当てられる識別情報である。「入稿日」および「入稿時刻」は、広告主端末2からの入稿日および入稿時刻である。「広告種別」は、広告主Sの依頼する広告の種別であり、例えば「クリック」はクリック課金制広告を、「インプレ」はインプレッション課金制広告を、それぞれ示す。
【0041】
「広告内容」は、広告主Sの依頼する広告の内容であり、例えばTDなどの内容である。「チャネル」は入稿経路(
図1参照)に相当する情報であり、「直接」は例えば代理店を介さずにオンライン経由で広告主Sから直接入稿された場合を、「間接」は例えば代理店経由である場合を、それぞれ示す。
【0042】
「入金金額」は、入稿に際して広告主Sから入金された金額である。「入金経路」は、入金の経路であり、例えば「A国→JP」は、海外のA国から日本国内へ入金されたことを示す。
【0043】
例えば、
図3Aの例では、「アカウントID」=「aaa_1」による入稿が、同一日である「2015/3/18」のほぼ「22:00」頃に、まとめて同一内容、同一金額およびA国からの同一経路で行われたことが分かる。しかも、「広告内容」には、「『平社は…」のように「弊社」とすべき同一の誤記が含まれていることも分かる。このように、入稿情報テーブルの入稿パターンに係る情報には、広告主Sの怪しい行動パターンを推知させる要素が含まれている。
【0044】
次に、
図3Bは、広告主属性情報テーブルの一例を示す図である。
図3Bに示すように、広告主属性情報テーブルには、広告主Sそれぞれに割り当てられる「広告主ID」ごとに、「アカウントID」、「契約期間」、「ドメイン」、「ブラウザの言語」、「タイムゾーン」、「業種」および「決済方法」などが関連付けられた情報が含まれる。
【0045】
「アカウントID」は、「広告主ID」で識別される広告主Sの保有するアカウントIDであり、1つの広告主Sで複数保有することができる。なお、かかる「アカウントID」によって、入稿情報テーブルと広告主属性情報テーブルとは、関連付けることができる。
【0046】
「契約期間」は、各アカウントIDの契約期間であり、「ドメイン」は、例えば広告主Sのメールアドレスから取得されるドメイン名である。「ブラウザの言語」は、広告主端末2から取得可能なブラウザの言語設定情報であり、「タイムゾーン」は、広告主端末2から取得可能な広告主端末2のタイムゾーン設定情報である。「業種」は、広告主Sの事業の業種情報である。「決済方法」は、広告主Sの決済方法であり、例えば「クレカ」はクレジットカードを示す。
【0047】
例えば、
図3Bの例では、広告主SAが、「契約期間」の短い複数の「アカウントID」=「aaa_1」〜「aaa_n」を保有しており、「ドメイン」と「ブラウザの言語」、および、「ブラウザの言語」と「タイムゾーン」がそれぞれ不相応であることが分かる。また、「業種」および「決済方法」が、それぞれ不正の行われやすい「サービス」および「クレカ」であることが分かる。このように、広告主属性情報テーブルにも、広告主Sの怪しい行動パターンを推知させる要素が含まれている。
【0048】
次に、
図3Cは、広告主行動情報テーブルの一例を示す図である。
図3Cに示すように、広告主行動情報テーブルには、「広告主ID」ごとに、「アカウントID」および「管理画面アクセス回数」などが関連付けられた情報が含まれる。
【0049】
なお、広告主行動情報テーブルは、「広告主ID」および「アカウントID」によって、入稿情報テーブルおよび広告主属性情報テーブルと関連付けることができる。「管理画面アクセス回数」は、広告主Sがアクセス可能な広告配信業者の広告主S向け管理画面に対し、1入稿ごとに何回アクセスしたかを示すアクセス回数である。かかる管理画面へのアクセスは、入稿後、審査を通り、広告として掲載された場合に、例えば売上を確認したい場合などに行われる。
【0050】
図3Cの例では、広告主SAが、例えば広告主SBと比較して、高い頻度で管理画面へアクセスしていることが分かる。また、広告主SAの「アカウントID」=「aaa_n」は、アクセス回数が0回であり、登録されたにも関わらず未使用であることが分かる。このように、広告主行動情報テーブルにも、広告主Sの怪しい行動パターンを推知させる要素が含まれている。
【0051】
次に、
図3Dは、審査履歴情報テーブルの一例を示す図である。
図3Dに示すように、審査履歴情報テーブルには、「広告主ID」ごとに、「アカウントID」および「審査履歴」などが関連付けられた情報が含まれる。「審査履歴」は、「アカウントID」ごとの過去の入稿に対する審査履歴情報である。かかる審査履歴情報を解析することで、例えば「アカウントID」ごと、あるいは、「広告主ID」ごとの、入稿の拒否率(リジェクト率)を導くことができる。
【0052】
(評価部322についての続き)
図2に戻り、評価部322が実行する処理の詳細について説明する。評価部322は、広告主Sに関する情報に含まれる複数の要素をパラメータとする評価モデルに基づき、広告主Sを評価する。
【0053】
具体的には、評価部322は、例えば下記式(1)に示す回帰式を用いて広告主Sの評価スコアyを演算する評価モデルを有する。
【0054】
y = a
1・x
1 + a
2・x
2 + ・・・ +a
n・x
n ・・・ (1)
【0055】
上記式(1)のうち、a
n(nは任意の数)は係数であり、x
nは素性(説明変数)である。まず、評価部322は、上述した広告情報DB331の入稿情報テーブル、広告主情報DB332の広告主属性情報テーブル、広告主行動情報テーブルおよび審査履歴情報テーブルの各項目データを解析し、各項目データに基づく不正な広告主Sに対する素性を求める。
【0056】
例えば、不正な広告主Sを正例とする場合、不正な広告主Sの特徴ベクトルを有する場合には「x
n」=「1」となり、有しない場合には「x
n」=「0」となる。また、x
nの重み値となるa
nは、上記式(1)による不正な広告主Sを正例とした線形モデルを学習することで調整される。
【0057】
例えば、評価部322は、上記式(1)のa
nをパラメータとし、SVM(Support Vector Machine)のようなパターン識別機を用いたサポートベクタ回帰などの回帰分析手法によりa
nの重みを調整する。
【0058】
なお、ここでは、不正な広告主Sを正例とする例を挙げたが、正当な広告主Sを正例とすることによって不正な広告主Sを抽出してもよい。また、評価部322の有する評価モデルは、上述した評価モデルに限定されるものではない。
【0059】
(x
nの具体例について)
次に、評価部322が不正な広告主Sを正例とした評価のために求められるx
nの具体例を
図4に示す。
図4は、不正な広告主Sを正例とした場合の素性の具体例を示す図である。
【0060】
なお、ここではn=1〜16までの例を挙げている。また、「対応項目」は、素性を求めるにあたりインプットとなる広告情報DB331の入稿情報テーブル、広告主情報DB332の広告主属性情報テーブル、広告主行動情報テーブルおよび審査履歴情報テーブルの各項目である。また、N1〜N16は任意の定数であり、「条件」それぞれに応じた閾値として用いられる。
【0061】
図4に示すように、例えばx
1は、広告情報DB331の入稿情報テーブルの「広告内容」に基づき、「条件」を「バズワードがN1個以上であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「広告内容」にバズワードがN1個以上あればx
1は「1」となり、バズワードがN1個未満であればx
1は「0」となる。
【0062】
これは、「広告内容」にバズワードが多く含まれるほど、不正な広告主Sであるとの推定が働きやすいことによる。
【0063】
また、例えばx
2は、同じく入稿情報テーブルの「広告内容」に基づき、「条件」を「誤記がN2個以上であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「広告内容」に誤記がN2個以上あればx
2は「1」となり、誤記がN2個未満であればx
2は「0」となる。
【0064】
これは、「広告内容」に誤記が多く含まれるほど、不正な広告主Sであるとの推定が働きやすいことによる。
【0065】
また、例えばx
3は、同じく入稿情報テーブルの「アカウントID」および「広告内容」に基づき、「条件」を「複数の入稿でキーワードが同一であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、同じ「アカウントID」による複数の入稿で「広告内容」のキーワードがすべて同一であればx
3は「1」となり、キーワードが異なればx
3は「0」となる。
【0066】
これは、同じ「アカウントID」で同じ内容の入稿を、繰り返し人手やプログラム等によって行っていることが推知され、不正な広告主Sであるとの推定が働きやすいことによる。
【0067】
また、例えばx
4は、同じく入稿情報テーブルの「チャネル」に基づき、「条件」を「チャネルが直接であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「チャネル」が「直接」であればx
4は「1」となり、「間接」であればx
4は「0」となる。これは、不正な広告主Sがわざわざ代理店を経由することは考えにくいことによる。
【0068】
また、例えばx
5は、同じく入稿情報テーブルの「入金金額」に基づき、「条件」を「入金金額がN5円以上であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「入金金額」がN5円以上であればx
5は「1」となり、N5円未満であればx
5は「0」となる。これは、不正な広告主Sは短期間に集中して高額の入金を行う傾向にあることによる。マネーロンダリング等の不正に利用されている可能性も推知される。
【0069】
また、例えばx
6は、同じく入稿情報テーブルの「入金経路」に基づき、「条件」を「入金経路が海外から国内であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「入金経路」が海外から国内であればx
6は「1」となり、国内から国内であればx
6は「0」となる。これは、不正な広告主Sは海外の業者が多い傾向にあることによる。
【0070】
また、例えばx
7は、同じく入稿情報テーブルの「アカウントID」、「入稿日」および「入稿時刻」に基づき、「条件」を「同一アカウントで同一日時からN7秒以内に複数入稿されているか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、同一アカウントで同一日時からN7秒以内に複数入稿されているならばx
7は「1」となり、それ以外ならばx
7は「0」となる。これは、上でも述べたが、不正な広告主Sは、同じ「アカウントID」で同じ内容の入稿を、プログラム等によって高速で繰り返し行っていることが推知されるためである。
【0071】
また、例えばx
8は、同じく入稿情報テーブルの「入稿時刻」に基づき、「条件」を「入稿時刻が18:00〜翌06:00であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「入稿時刻」が18:00〜翌06:00であるならばx
8は「1」となり、それ以外ならばx
8は「0」となる。これは、審査者の対応しにくい時間帯にあえて入稿してくるならば、不正な広告主Sであるとの推定が働きやすいことによる。
【0072】
また、例えばx
9は、同じく入稿情報テーブルの「広告種別」に基づき、「条件」を「広告種別がクリック課金であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「広告種別」が「クリック課金」であるならばx
9は「1」となり、それ以外ならばx
9は「0」となる。これは、例えば広告閲覧者にクリックさせることで悪意のあるソフトウェアを配布する不正な広告主Sが存在することによる。なお、不正な広告主Sがとにかく閲覧させることを目的とする場合を想定するならば、「条件」を「広告種別がインプレッション課金であるか否か」とするx
nを求めてもよい。
【0073】
また、例えばx
10は、広告主情報DB332の広告主属性情報テーブルの「契約期間」に基づいて契約の継続率を算出の上、「条件」を「継続率がN10%未満であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、継続率がN10%未満であるならばx
10は「1」となり、継続率がN10%以上ならばx
10は「0」となる。これは、上でも述べたが、不正な広告主Sは短期間に集中して高額の入金を行う傾向にあることによる。
【0074】
また、例えばx
11は、同じく広告主属性情報テーブルの「ドメイン」および「ブラウザの言語」に基づき、「条件」を「ドメインとブラウザの言語が不相応であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「ドメイン」と「ブラウザの言語」が不相応であるならばx
11は「1」となり、相応であるならばx
11は「0」となる。
【0075】
同様に、例えばx
12は、同じく広告主属性情報テーブルの「ドメイン」および「タイムゾーン」に基づき、「条件」を「ドメインとタイムゾーンが不相応であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「ドメイン」と「タイムゾーン」が不相応であるならばx
12は「1」となり、相応であるならばx
12は「0」となる。これらは、「ドメイン」、「ブラウザの言語」および「タイムゾーン」などの関係が不相応ならば、不正な広告主Sであるとの推定が働きやすいことによる。
【0076】
また、例えばx
13は、同じく広告主属性情報テーブルの「業種」に基づき、「条件」を例えば「業種がサービス業であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「業種」がサービス業であるならばx
13は「1」となり、サービス業以外であるならばx
13は「0」となる。なお、かかる例は、サービス業のサイトを用いた不正が行われやすいとの想定に立つものであり、実際の例とは必ずしも一致しない。
【0077】
また、例えばx
14は、同じく広告主属性情報テーブルの「決済方法」に基づき、「条件」を「決済方法がクレジットカードであるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「決済方法」がクレジットカードであるならばx
14は「1」となり、クレジットカード以外であるならばx
14は「0」となる。これは、不正な広告主Sにより、クレジットカードを不正が行われやすいことによる。
【0078】
また、例えばx
15は、広告主情報DB332の広告主行動情報テーブルの「管理画面アクセス回数」に基づき、「条件」を「管理画面アクセス回数がN15回以上であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、「管理画面アクセス回数」がN15回以上であるならばx
15は「1」となり、N15回未満であるならばx
15は「0」となる。これは、不正な広告主Sは、入稿後、例えば売上に関する情報などを頻繁に確認しに来たりするであろうとの推定が働くことによる。
【0079】
また、例えばx
16は、広告主情報DB332の審査履歴情報テーブルの「審査履歴」に基づいて広告主Sの拒否率を算出の上、「条件」を「拒否率がN16%以上であるか否か」とすることによって求めることができる。すなわち、拒否率がN16%以上であるならばx
16は「1」となり、N16%未満であるならばx
16は「0」となる。これは、拒否率の高い広告主Sであれば、そもそも正当な広告主Sとは言えないことによる。
【0080】
(評価部322についての続き)
図2に戻り、引き続き評価部322について説明する。評価部322は、
図4に一例として示した各「条件」に沿ってx
1〜x
nを求めた上で、上記式(1)により広告主Sの評価スコアを算出する。そして、評価部322は、算出した評価スコアを判定部323へ通知する。
【0081】
(判定部323について)
判定部323は、評価部322による評価スコアが所定範囲であるか否かによって、入稿要求されている広告情報X,Yの入稿の可否を判定する。すなわち、判定部323は、評価部322による評価スコアが所定範囲である場合に、入稿要求されている広告情報X,Yの入稿を拒否する。また、判定部323は、あわせて広告主Sからの入稿を拒否する。すなわち、広告主Sは不正な広告主Sとしてブラックリスト入りされ、例えば以前のあるいは以後のすべての広告掲載を拒否される。
【0082】
なお、広告主Sがブラックリスト入りしたことを示すために、判定部323は、例えば広告主情報DB332に設けられたブラックリストテーブル(図示略)へ広告主Sの「広告主ID」や「アカウントID」を登録する。
【0083】
また、判定部323は、評価部322による評価スコアが所定範囲でない場合には、入稿要求されている広告情報X,Yの入稿を許可する。
【0084】
また、判定部323は、例えば評価部322による評価スコアを評価部322へフィードバックし、評価部322に対し、かかる評価スコアに対応する広告主Sの次回からの評価レベルを変更させることもできる。具体的には、判定部323は、評価スコアが、例えば不正な広告主S寄りに高い得点を示すものである場合には、かかる広告主Sに対する評価レベルが次回からは言わば厳しいものとなるように、評価部322に評価レベルを変更させる。この場合、評価部322は、該当する広告主Sに対し次回から、例えばフィードバックされた評価スコアに応じて、不正な広告主S寄りの重み付けを行った評価を行う。
【0085】
反対に、判定部323は、評価スコアが、例えば正当な広告主S寄りに高い得点を示すものである場合には、かかる広告主Sに対する評価レベルが次回からは言わば緩いものとなるように、評価部322に評価レベルを変更させる。この場合、評価部322は、該当する広告主Sに対し次回から、例えばフィードバックされた評価スコアに応じて、正当な広告主S寄りの重み付けを行った評価を行う。なお、広告主Sが正当な広告主Sとして明らかに高い得点を示す場合には、前述のブラックリストテーブルに対し設けられたホワイトリストテーブルへこの広告主Sを登録した上で、ホワイトリスト入りしている広告主Sに対し次回からは、評価なしに入稿を許可して広告を配信するようにしてもよい。
【0086】
(通知部324について)
通知部324は、判定部323による判定結果を広告主Sへ通知する。
【0087】
〔3.広告主評価処理の処理手順〕
次に、実施形態に係る広告主評価装置3が実行する広告主評価処理の処理手順について説明する。
図5は、実施形態に係る広告主評価装置3が実行する広告主評価処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0088】
図5に示すように、受信部321が、広告主Sから広告情報X,Yを受信する(ステップS101)。ここで、まず制御部32は、受信した広告情報X,Yの広告主Sが明らかに正当な広告主Sであるか否かを判定する(ステップS102)。かかる判定は、例えば広告主Sが前述のホワイトリストテーブルに登録されているか否かによって行われる。ここで、広告主Sが明らかに正当な広告主Sである場合(ステップS102,Yes)、評価なしに該当の広告主Sの入稿を許可し(ステップS103)、ステップS109へ制御を移す。また、広告主Sが明らかに正当な広告主Sではない場合(ステップS102,No)、制御部32は次に、広告主Sが拒否対象であるか否かを判定する(ステップS104)。かかる判定は、例えば広告主Sが前述のブラックリストテーブルに登録されているか否かによって行われる。
【0089】
ここで、拒否対象の広告主Sでない場合(ステップS104,No)、評価部322が、広告主Sに関する情報に基づいて広告主Sを評価する(ステップS105)。なお、拒否対象の広告主Sである場合(ステップS104,Yes)、制御部32はステップS107へ制御を移す。
【0090】
そして、判定部323が、評価部322による評価スコアが所定範囲であるか否かを判定する(ステップS106)。ここで、評価スコアが所定範囲である場合(ステップS106,Yes)、判定部323が該当の広告主Sの入稿を拒否する(ステップS107)。また、評価スコアが所定範囲でない場合(ステップS106,No)、判定部323が該当の広告主Sの入稿を許可する(ステップS108)。
【0091】
そして、通知部324が、判定部323による判定結果を該当の広告主Sへ通知し(ステップS109)、制御部32は広告主評価処理を終了する。
【0092】
〔4.ハードウェア構成〕
なお、実施形態に係る広告主評価装置3は、例えば
図6に示すような構成のコンピュータ60によって実現される。
図6は、広告主評価装置3の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、ROM(Read Only Memory)63、HDD(Hard Disk Drive)64、通信インターフェイス(I/F)65、入出力インターフェイス(I/F)66、およびメディアインターフェイス(I/F)67を備える。
【0093】
CPU61は、ROM63またはHDD64に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM63は、コンピュータ60の起動時にCPU61によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ60のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0094】
HDD64は、CPU61によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス65は、通信部31に対応し、通信ネットワーク4を介して他の機器からデータを受信してCPU61へ送り、CPU61が生成したデータを、通信ネットワーク4を介して他の機器へ送信する。
【0095】
CPU61は、入出力インターフェイス66を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU61は、入出力インターフェイス66を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU61は、生成したデータを、入出力インターフェイス66を介して出力装置へ出力する。
【0096】
メディアインターフェイス67は、記録媒体68に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM62を介してCPU61に提供する。CPU61は、当該プログラムを、メディアインターフェイス67を介して記録媒体68からRAM62上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体68は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0097】
コンピュータ60が広告主評価装置3として機能する場合、コンピュータ60のCPU61は、RAM62上にロードされたプログラムを実行することにより、受信部321、評価部322、判定部323および通知部324の各機能を実現する。また、HDD64は、記憶部33の機能を実現し、広告情報DB331および広告主情報DB332などが格納される。
【0098】
コンピュータ60のCPU61は、これらのプログラムを、記録媒体68から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワーク4を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0099】
〔5.効果〕
実施形態にかかる広告審査システム1の広告主評価装置3は、受信部321と、評価部322と、を備える。受信部321は、広告主Sから広告情報X,Yの入稿を受信する。評価部322は、広告情報X,Yを入稿した広告主Sに関する情報に基づいて、かかる広告主Sを評価する。
【0100】
これにより、広告情報X,Yの広告の内容からは見えづらかった広告主Sの「怪しさ」を評価することが可能となり、評価結果に基づいて不正な広告主Sを判定することができる。また、これにより、仮に広告情報X,Yの広告の内容に違反が無い場合であっても、不正な広告主Sによる広告情報X,Yの入稿を拒否することができるので、広告の掲載によって不正な広告主Sの悪意ある不正が波及するのを防止することができる。
【0101】
また、評価部322は、広告主Sに関する情報に含まれる複数の要素をパラメータとする評価モデルに基づき、広告主Sを評価する。
【0102】
これにより、例えば機械学習による評価モデルに基づいて不正な広告主Sを判定することができるので、不正な広告主Sの未知の行動パターンにも機械学習によって適宜対応しつつ、精度のよい高速な広告主評価処理を行うことができる。
【0103】
また、上記広告主Sに関する情報には、広告主Sによる広告情報X,Yの入稿パターンの要素が含まれる。
【0104】
これにより、広告主Sによる広告情報X,Yの入稿パターンの要素を解析して、広告主Sの入稿に際しての特徴や傾向を抽出することができるので、精度よく不正な広告主Sを判定するのに資することができる。
【0105】
また、上記入稿パターンには、広告情報X,Yの内容、入稿経路、入稿時刻、広告種別、入金金額、および、入金経路の少なくとも一つが含まれる。
【0106】
これにより、広告情報X,Yの内容、入稿経路、入稿時刻、広告種別、入金金額、および、入金経路の少なくともいずれかから、広告主Sの入稿パターンの特徴や傾向を抽出することができるので、精度よく不正な広告主Sを判定するのに資することができる。
【0107】
また、上記広告主Sに関する情報には、広告情報X,Yの過去の入稿に対する審査履歴、広告情報X,Yを入稿するためのアカウントの利用状況、および、広告情報X,Yを入稿した後の広告主Sの行動情報の少なくとも一つが含まれる。
【0108】
これにより、まず審査履歴に基づいて例えば過去の拒否率が高い広告主Sを、不正の可能性の高い広告主Sとして取り扱い、評価することができる。また、アカウントの利用状況に不審な所のある広告主Sを、やはり不正の可能性の高い広告主Sとして取り扱い、評価することができる。また、広告情報X,Yを入稿した後の広告主Sの行動情報、例えば管理画面へのアクセス回数などによって不審な行動を示している広告主Sを、やはり不正の可能性の高い広告主Sとして取り扱い、評価することができる。したがって、不正な広告主Sを精度よく判定するのに資することができる。
【0109】
また、広告主評価装置3は、判定部323と、通知部324とを備える。判定部323は、評価部322による評価モデルに基づく評価スコアが所定範囲であるか否かによって広告情報X,Yの入稿の可否を判定する。通知部324は、判定部323による判定結果を広告主Sへ通知する。
【0110】
これにより、不正な広告主Sからの広告情報X,Yの入稿があった際に、仮に広告情報X,Yの広告の内容に違反が無い場合であっても、かかる広告情報X,Yの入稿を拒否することができる。すなわち、不正な広告主Sによる悪意ある不正が波及するのを防止することができる。また、広告情報X,Yの広告の内容を審査する必要がないので、審査業務にかかる審査コストの削減に資することができる。
【0111】
また、広告主評価装置3は、判定部323と、通知部324とを備える。判定部323は、評価部322による評価モデルに基づく評価スコアが所定範囲であるか否かによって広告主Sからの入稿の可否を判定する。通知部324は、判定部323による判定結果を広告主Sへ通知する。
【0112】
これにより、不正な広告主Sを例えばブラックリスト化して、不正な広告主Sからの広告情報X,Yの入稿があった際に、不正な広告主Sを評価することなく拒否することができる。すなわち、審査業務にかかる審査コストの削減に資することができる。
【0113】
〔6.その他〕
以上、本願の実施形態の一態様を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0114】
例えば上述した入稿パターンに含まれる要素としてはさらに、1つの広告主Sが複数のアカウントIDを保有し、これらアカウントIDに通し番号を付与している場合や、同じ広告主端末2から関連性のない複数のアカウントIDを用いて入稿してくる場合などを挙げることができる。