(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路、特にMOSトランジスタを用いた集積回路は、高集積化の一途を辿っている。この高集積化に伴って、その中で用いられているMOSトランジスタはナノ領域まで微細化が進んでいる。このようなMOSトランジスタの微細化が進むと、リーク電流の抑制が困難であり、必要な電流量確保の要請から回路の占有面積をなかなか小さくできない、といった問題があった。このような問題を解決するために、基板に対してソース、ゲート、ドレインが垂直方向に配置され、ゲート電極が柱状半導体層を取り囲む構造のSurrounding Gate Transistor(以下、「SGT」という。)が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
【0003】
従来のSGTの製造方法では、窒化膜ハードマスクが柱状に形成されたシリコン柱を形成し、シリコン柱下部の拡散層を形成した後、ゲート材料を堆積し、その後にゲート材料を平坦化、エッチバックをし、シリコン柱と窒化膜ハードマスクの側壁に絶縁膜サイドウォールを形成する。その後、ゲート配線のためのレジストパターンを形成し、ゲート材料をエッチングした後、窒化膜ハードマスクを除去し、シリコン柱上部に拡散層を形成している(例えば、特許文献4を参照)。その後、シリコン柱側壁に窒化膜サイドウォールを形成し、イオン注入を行いシリコン柱上部に拡散層を形成後、コンタクトストッパーとして窒化膜を堆積後、層間膜として酸化膜を形成し、コンタクトエッチングを行っている。
【0004】
コンタクトを形成するための酸化膜エッチングは平坦部において窒化膜に対して高い選択比を有するが、窒化膜肩部において平坦部に比べ選択比が低下することが知られている。
【0005】
SGTのシリコン柱は微細化とともにその柱径が小さくなるから、平坦部が減少する。また、窒化膜サイドウォールは窒化膜肩部であるから、酸化膜エッチングに対して選択比が低下する。従って、シリコン柱上にコンタクトを形成するための酸化膜エッチングを行うと、窒化膜でエッチングがとまらず、コンタクト孔がゲートに達し、シリコン柱上とゲートとが短絡することとなる。
【0006】
SGTのシリコン柱上にエピタキシャル半導体層を形成し、コンタクトとゲート間の短絡が発生しないようにする構造が提案されている(例えば特許文献5)。しかしながら、エピタキシャル成長を行うには、シリコン柱上部側壁とゲート電極上部に絶縁膜サイドウォールを形成する必要がある。ゲートにポリシリコンが使用されている場合にはゲートにもシリコンが成長する。従って、絶縁膜サイドウォールの高さ以上にエピタキシャル成長を行うと、ゲートとシリコン柱上部とが短絡することとなる。
【0007】
一方で、シリコン柱側壁に窒化膜サイドウォールを形成し、イオン注入を行いシリコン柱上部に拡散層を形成するため、シリコン柱上部には上方からイオンが注入されるので、深い拡散層を形成する必要がある。深い拡散層を形成すると、その拡散層の横方向の広がりも大きくなる。すなわち高集積化が難しくなる。
【0008】
また、シリコン柱が細くなると、シリコンの密度は5×10
22個/cm
3であるから、シリコン柱内に不純物を存在させることが難しくなってくる。
【0009】
平面型MOSトランジスタにおいて、LDD領域のサイドウォールが低濃度層と同一の導電型を有する多結晶シリコンにより形成され、LDD領域の表面キャリアがその仕事関数差によって誘起され、酸化膜サイドウォールLDD型MOSトランジスタに比してLDD領域のインピーダンスが低減できることが示されている(例えば、特許文献6を参照)。その多結晶シリコンサイドウォールは電気的にゲート電極と絶縁されていることが示されている。また図中には多結晶シリコンサイドウォールとソース・ドレインとは層間絶縁膜により絶縁していることが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、シリコン柱上部の抵抗を低減するための構造を持つSGTの構造とそのSGTの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る第1の半導体装置は、シリコン基板上に形成された平面状シリコン層と、 前記平面状シリコン層上に形成された第1の柱状シリコン層と、
前記第1の柱状シリコン層の周囲に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の周囲に形成された第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極に接続されたゲート配線と、
前記第1の柱状シリコン層の上部に形成された第1の第1導電型拡散層と、
前記第1の柱状シリコン層の下部と前記平面状シリコン層の上部とに形成された第2の第1導電型拡散層と、
前記第1の柱状シリコン層の上部側壁と前記第1のゲート電極上部とに形成された絶縁膜とポリシリコンの積層構造からなる第1のサイドウォールと、
前記第1の第1導電型拡散層上と前記第1のサイドウォール上に形成された第1のコンタクトと、を備え、
前記第1のコンタクトは前記第1のサイドウォールのポリシリコンと接続し、
前記第1のサイドウォールのポリシリコンの導電型は第1導電型であることを特徴とする。
【0013】
前記第1の第1導電型拡散層上と前記第1のサイドウォール上に形成された第1のシリサイドを有することを特徴とすることが好ましい。
【0014】
前記第1の第1導電型拡散層の下面は、前記第1のゲート電極の上面より上にあることを特徴とすることが好ましい。
【0015】
前記第1のゲート電極は、金属とポリシリコンの積層構造からなることを特徴とすることが好ましい。
【0016】
本発明に係る第2の半導体装置は、前記第1の半導体装置において、さらに、
前記シリコン基板上に形成された前記平面状シリコン層と、
前記平面状シリコン層上に形成された第2の柱状シリコン層と、
前記第2の柱状シリコン層の周囲に形成された前記ゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の周囲に形成された第2のゲート電極と、
前記第2のゲート電極に接続された前記ゲート配線と、
前記第2の柱状シリコン層の上部に形成された第1の第2導電型拡散層と、
前記第2の柱状シリコン層の下部と前記平面状シリコン層の上部とに形成された第2の第2導電型拡散層と、
前記第2の柱状シリコン層の上部側壁と前記第2のゲート電極上部とに形成された絶縁膜とポリシリコンの積層構造からなる第2のサイドウォールと、
前記第1の第2導電型拡散層上と前記第2のサイドウォール上に形成された第2のコンタクトと、を備え、
前記第2のコンタクトは前記第2のサイドウォールのポリシリコンと接続し、
前記第2のサイドウォールのポリシリコンの導電型は第2導電型であることを特徴とする半導体装置を更に備えることを特徴とする。
【0017】
前記第1の第1導電型拡散層上と前記第1のサイドウォール上に形成された第1のシリサイドを有し、前記第1の第2導電型拡散層上と前記第2のサイドウォール上に形成された第2のシリサイドを有することを特徴とすることが好ましい。
【0018】
前記第1の第1導電型拡散層の下面は、前記第1のゲート電極の上面より上にあり、前記第1の第2導電型拡散層の下面は、前記第2のゲート電極の上面より上にあることを特徴とすることが好ましい。
【0019】
前記第1のゲート電極は、金属とポリシリコンの積層構造からなり、前記第2のゲート電極は、金属とポリシリコンの積層構造からなることを特徴とすることが好ましい。
【0020】
前記第1のサイドウォールは、前記第1の柱状シリコン層に前記絶縁膜と前記ポリシリコンを堆積し、前記ポリシリコンをエッチングしサイドウォール状に残存させることで形成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、前記第1の柱状シリコン層の上部側壁と前記第1のゲート電極上部とに形成された絶縁膜とポリシリコンの積層構造からなる第1のサイドウォールにより、コンタクトエッチングがポリシリコンで止まり、第1のサイドウォールの絶縁膜は薄くかつポリシリコンに挟まれているのでエッチング速度が遅くなるので、コンタクトエッチングは第1のサイドウォールで止まるため、前記第1の第1導電型拡散層の上面から、前記第1のゲート電極の上面までの高さを低くすることができる。
【0022】
また、前記第1のサイドウォールのポリシリコンの導電型は第1導電型であるため、表面キャリアがその仕事関数差によって誘起されるので、柱状シリコン層上部の抵抗を低減することができる。例えば第1のサイドウォールがn+型であり、柱状シリコン層の不純物濃度が薄いとき、第1のサイドウォールと柱状シリコン層とで形成されるトランジスタは、第1のサイドウォールにコンタクトを介して印加される電圧が0Vのときにオンすることとなる。
【0023】
上記により、前記第1の第1導電型拡散層の下面は、前記第1のゲート電極の上面より上にあるとき、トランジスタのチャネルと前記第1の第一導電型拡散層とを電気的に接続することができる。
【0024】
前記第1の第1導電型拡散層の下面は、前記第1のゲート電極の上面より上にあるよう不純物導入をすることは、浅い接合を形成することであるので、拡散層の横方向の広がりを狭くすることができる。すなわち高集積化が可能となる。
【0025】
前記第1のサイドウォールのポリシリコンは、柱状シリコン層上部側壁に形成されるから、柱状シリコン層よりも前記第1のサイドウォールの径は大きい。柱状シリコン層が細くなり、柱状シリコン層内に不純物を注入することが難しくなるが、第1のサイドウォールのポリシリコンに不純物を注入することができるため、トランジスタのチャネルと前記第1の第一導電型拡散層とを電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】(a)は本発明の実施形態に係る半導体装置の平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図2】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図3】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図4】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図5】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図6】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図7】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図8】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図9】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図10】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図11】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図12】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図13】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図14】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図15】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図16】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図17】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図18】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図19】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図20】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図21】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図22】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図23】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図24】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図25】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図26】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図27】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図28】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図29】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図30】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図31】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図32】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図33】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図34】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図35】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図36】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図37】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図38】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図39】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図40】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図41】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図42】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図43】(a)は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る、SGTの構造を有する半導体装置を、
図1を参照しながら説明する。
【0028】
本実施形態に係るSGTの構造を有する半導体装置は、
シリコン基板101上に形成された平面状シリコン層107と、
前記平面状シリコン層107上に形成された第1の柱状シリコン層105と、
前記第1の柱状シリコン層105の周囲に形成されたゲート絶縁膜109と、
前記ゲート絶縁膜109の周囲に形成された第1のゲート電極117bと、
前記第1のゲート電極117bに接続されたゲート配線117cと、
前記第1の柱状シリコン層105の上部に形成された第1のn型拡散層119と、
前記第1の柱状シリコン層105の下部と前記平面状シリコン層107の上部とに形成された第2のn型拡散層120と、
前記第1の柱状シリコン層105の上部側壁と前記第1のゲート電極117b上部とに形成された絶縁膜127とポリシリコン115の積層構造からなる第1のサイドウォール201と、
前記第1のn型拡散層119上と前記第1のサイドウォール201上に形成された第1のコンタクト146と、を備え、
前記第1のコンタクト146は前記第1のサイドウォール201のポリシリコン115と接続。
前記第1のサイドウォール201のポリシリコン115の導電型はn型である。
【0029】
また、前記第1のn型拡散層119上と前記第1のサイドウォール201上に形成された第1のシリサイド135、134を有する。シリサイドは、酸化膜エッチングに対し高い選択比を持つので、よりコンタクトエッチングが止まることとなる。
【0030】
前記第1の柱状シリコン層105の上部側壁と前記第1のゲート電極117b上部とに形成された絶縁膜127とポリシリコン115の積層構造からなる第1のサイドウォール201により、コンタクトエッチングがポリシリコン115で止まり、第1のサイドウォール201の絶縁膜127は薄くかつポリシリコン115に挟まれているのでエッチング速度が遅くなるので、コンタクトエッチングは第1のサイドウォール201で止まるため、前記第1のn型拡散層の上面から、前記第1のゲート電極117bの上面までの高さを低くすることができる。
【0031】
また、前記第1のサイドウォール201のポリシリコンの導電型はn型であるため、表面キャリアがその仕事関数差によって誘起されるので、柱状シリコン層105上部の抵抗を低減することができる。例えば第1のサイドウォール201がn+型であり、柱状シリコン層105の不純物濃度が薄いとき、第1のサイドウォール201と柱状シリコン層105とで形成されるトランジスタは、第1のサイドウォール201にコンタクト146を介して印加される電圧が0Vのときにオンすることとなる。
【0032】
上記により、前記第1のn型拡散層119の下面は、前記第1のゲート電極117bの上面より上にあるとき、トランジスタのチャネルと前記第1のn型拡散層119とを電気的に接続することができる。
【0033】
前記第1のn型拡散層119の下面は、前記第1のゲート電極117bの上面より上にあるよう不純物導入をすることは、浅い接合を形成することであるので、拡散層の横方向の広がりを狭くすることができる。すなわち高集積化が可能となる。
【0034】
前記第1のサイドウォール201のポリシリコンは、柱状シリコン層105上部側壁に形成されるから、柱状シリコン層105よりも前記第1のサイドウォール201の径は大きい。柱状シリコン層105が細くなり、柱状シリコン層105内に不純物を注入することが難しくなるが、第1のサイドウォール201のポリシリコン115に不純物を注入することができるため、トランジスタのチャネルと前記第1のn型拡散層とを電気的に接続することができる。
【0035】
前記第1のゲート電極117bは、金属110とポリシリコン111の積層構造からなる。
以上により前記第1の柱状シリコン層105の上部側壁と前記第1のゲート電極117b上部とに形成された絶縁膜127とポリシリコン115の積層構造からなる第1のサイドウォール201を有するSGTが示された。
【0036】
次に本実施形態のSGTを使用したCMOS SGTを示す。このCMOS SGTは、
前記平面状シリコン層107上に形成された第2の柱状シリコン層104と、
前記第2の柱状シリコン層104の周囲に形成された前記ゲート絶縁膜109と、
前記ゲート絶縁膜109の周囲に形成された第2のゲート電極117aと、
前記第2のゲート電極117aに接続された前記ゲート配線117cと、
前記第2の柱状シリコン層104の上部に形成された第1のp型拡散層122と、
前記第2の柱状シリコン層104の下部と前記平面状シリコン層107の上部とに形成された第2のp型拡散層123と、
前記第2の柱状シリコン層104の上部側壁と前記第2のゲート電極117a上部とに形成された絶縁膜126とポリシリコン114の積層構造からなる第2のサイドウォール202と、
前記第1のp型拡散層122上と前記第2のサイドウォール202上に形成された第2のコンタクト145と、を備え、
前記第2のコンタクト145は前記第2のサイドウォール202のポリシリコン114と接続し、
前記第2のサイドウォール202のポリシリコン114の導電型はp型であることを特徴とする。
【0037】
前記第1のp型拡散層122上と前記第2のサイドウォール202上に形成された第2のシリサイド129、130を有する。
【0038】
前記第1のp型拡散層122の下面は、前記第2のゲート電極117aの上面より上にある。
【0039】
前記第2のゲート電極117aは、金属110とポリシリコン111の積層構造からなる。
【0040】
第2のn型拡散層120と第2のp型拡散層123とはシリサイドで接続される。
【0041】
以上により、本発明のSGTを使用したCMOS SGTが示された。
【0042】
以下、本発明の実施形態に係る、SGTの構造を有する半導体装置の製造工程を、
図2〜
図43を参照しながら説明する。
【0043】
まず、
図2に示すように、シリコン基板101上に第1の柱状シリコン層105と第2の柱状シリコン層104とを形成するための第1のレジスト102、103を形成する。
【0044】
次に、
図3に示すように、シリコン基板101をエッチングし、第1の柱状シリコン層105と第2の柱状シリコン層104とを形成する。
【0045】
続いて、
図4に示すように、第1のレジスト102、103を除去する。
【0046】
続いて、
図5に示すように、平面状シリコン層107を形成するための第2のレジスト106を形成する。
【0047】
続いて、
図6に示すように、シリコン基板101をエッチングし、平面状シリコン層107を形成する。
【0048】
続いて、
図7に示すように、第2のレジスト106を除去する。
【0049】
次に、
図8に示すように、酸化膜108を堆積するとともにその表面を平坦化する。
【0050】
そして、
図9に示すように、酸化膜108をエッチングし、平面状シリコン層107の周囲に残存させる。
【0051】
まず、
図10に示すように、第1の柱状シリコン層105及び第2の柱状シリコン層104の周囲にゲート絶縁膜109を形成する。ここでのゲート絶縁膜109の材質としては、酸化膜、酸化膜及び窒化膜の積層構造、窒化膜、または、高誘電体膜が使用できる。
【0052】
次に、
図11に示すように、ゲート絶縁膜109の周囲に金属膜110を形成する。ここでの金属膜110には、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタルなどのゲート電極に使用しうる金属材料が使用できる。
【0053】
続いて、
図12に示すように、ポリシリコン111を堆積するとともにその表面を平坦化する。
【0054】
続いて、
図13に示すように、ポリシリコン111をエッチングする。
【0055】
続いて、
図14に示すように、ポリシリコン111をエッチングし、第1の柱状シリコン層105及び第2の柱状シリコン層104の上部を露出させる。
【0056】
続いて、
図15に示すように、金属膜110をエッチングする。ここでは、ウエットエッチングを用いることが好ましい。
【0057】
続いて、
図16に示すように、薄い絶縁膜112とポリシリコン113を堆積する。
【0058】
続いて、
図17に示すように、ポリシリコン113をエッチングし、第1の柱状シリコン層105の上部側壁と第2の柱状シリコン層104の上部側壁にポリシリコン114、115をサイドウォール状に残存させる。
【0059】
続いて、
図18に示すように、第1のゲート電極117bと第2のゲート電極117aとゲート配線117cを形成するための第3のレジスト116を形成する。
【0060】
続いて、
図19に示すように酸化膜112をエッチングする。
【0061】
続いて、
図20に示すように、ポリシリコン111と金属膜110とゲート絶縁膜109をエッチングし、第1のゲート電極117bと第2のゲート電極117aとゲート配線117cを形成する。
【0062】
続いて、
図21に示すように、第3のレジスト116を除去する。
【0063】
続いて、
図22に示すように、第1のn型拡散層119、第2のn型拡散層120を形成するための第4のレジスト118を形成する。
【0064】
続いて、
図23に示すように、砒素を注入し、第1のn型拡散層119、第2のn型拡散層120を形成する。このとき、サイドウォールのポリシリコン115にも砒素が注入される。また、ポリシリコン115はその側壁からも砒素が注入されることとなるので、高濃度のn型となりやすい。
【0065】
続いて、
図24に示すように、第4のレジスト118を除去する。
【0066】
続いて、
図25に示すように、第1のp型拡散層122、第2のp型拡散層123を形成するための第5のレジスト121を形成する。
【0067】
続いて、
図26に示すように、ボロンを注入し、第1のp型拡散層122、第2のp型拡散層123を形成する。このとき、サイドウォールのポリシリコン114にもボロンが注入される。また、ポリシリコン114はその側壁からもボロンが注入されることとなるので、高濃度のp型となりやすい。
【0068】
続いて、
図27に示すように、第5のレジスト121を除去する。
【0069】
続いて、
図28に示すように、窒化膜124を堆積する。
【0070】
続いて、
図29に示すように、熱処理を行う。このとき、熱処理を少なくすることで浅い接合を形成することができる。ここで深い接合を形成するよう熱処理を行うと、第1のn型拡散層120と第2のp型拡散層123とが横方向に広がることとなるため、高集積化が難しくなる。
【0071】
続いて、
図30に示すように、窒化膜124をエッチングし、酸化膜122をエッチングし、窒化膜サイドウォール125を形成する。このとき、第1の柱状シリコン層105の上部側壁に酸化膜127とポリシリコン115からなる第1のサイドウォール201が形成され、第2の柱状シリコン層104の上部側壁に酸化膜126とポリシリコン114からなる第2のサイドウォール202が形成されることとなる。
【0072】
続いて、
図31に示すように、第1のn型拡散層119上にシリサイド135を、ポリシリコン115上にシリサイド134を、第1のp型拡散層122上にシリサイド129を、ポリシリコン114上にシリサイド130を形成する。また、シリサイド128、131、132、133、136を形成する。
【0073】
続いて、
図32に示すように、層間絶縁膜137を堆積し平坦化する。
【0074】
続いて、
図33に示すように、第1のコンタクト146、第2のコンタクト145を形成するための第6のレジスト138を形成する。
【0075】
続いて、
図34に示すように、層間絶縁膜137をエッチングし、コンタクト孔139、140を形成する。このとき、前記第1の柱状シリコン層の上部側壁と前記第1のゲート電極上部とに形成された絶縁膜とポリシリコンの積層構造からなる第1のサイドウォールにより、コンタクトエッチングがポリシリコンで止まり、第1のサイドウォールの絶縁膜は薄くかつポリシリコンに挟まれているのでエッチング速度が遅くなるので、コンタクトエッチングは第1のサイドウォールで止まることとなる。
【0076】
続いて、
図35に示すように、第6のレジスト138を除去する。
【0077】
続いて、
図36に示すように、コンタクト144、147を形成するための第7のレジスト141を形成する。
【0078】
続いて、
図37に示すように、層間絶縁膜137をエッチングし、コンタクト孔142、143を形成する。
【0079】
続いて、
図38に示すように、第7のレジスト141を除去する。
【0080】
続いて、
図39に示すように、金属を堆積し、コンタクト144、147、第1のコンタクト146、第2のコンタクト145を形成する。
【0081】
続いて、
図40に示すように、金属148を堆積する。
【0082】
続いて、
図41に示すように、金属配線153、154、155、156を形成するための第8のレジスト149、150、151、152を形成する。
【0083】
続いて、
図42に示すように、金属148をエッチングし、金属配線153、154、155、156を形成する。
【0084】
続いて、
図43に示すように、第8のレジスト149、150、151、152を除去する。