(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114513
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】テンション制御装置、搬送装置、およびテンション制御方法
(51)【国際特許分類】
B65H 23/18 20060101AFI20170403BHJP
B65H 20/34 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
B65H23/18
B65H20/34
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-174412(P2012-174412)
(22)【出願日】2012年8月6日
(65)【公開番号】特開2014-31272(P2014-31272A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000107240
【氏名又は名称】ジェーシーシーエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩司
(72)【発明者】
【氏名】三島 弘邦
【審査官】
松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−054800(JP,A)
【文献】
特開2003−335444(JP,A)
【文献】
特開2004−307122(JP,A)
【文献】
特開昭63−092563(JP,A)
【文献】
実開平05−040247(JP,U)
【文献】
特開平10−310299(JP,A)
【文献】
特開2002−003037(JP,A)
【文献】
特開平06−048630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 20/00−20/40
B65H 23/00−23/34
B65H 26/00−27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のワークの搬送経路の途中位置で前記ワークの一方面側が架けられた一対の固定ローラと、
該一対の固定ローラの間で前記ワークの他方面側が架けられたテンション調整ローラ、および該テンション調整ローラが前記ワークから受ける力を検出する検出装置を備えた可動ユニットと、
前記可動ユニットを前記一対の固定ローラから離間する方向および前記一対の固定ローラに接近する方向に駆動する駆動装置と、
前記検出装置での前記力の検出値が設定値となるように前記駆動装置を制御して前記テンション調整ローラの前記一対の固定ローラからの距離を調整することにより、前記ワークのテンションを調整する制御部と、
を有し、
前記一対の固定ローラは水平方向で離間する位置に配置され、
前記テンション調整ローラは、前記一対の固定ローラより下方に配置され、
前記駆動装置は、前記可動ユニットを上下方向に駆動することを特徴とするテンション制御装置。
【請求項2】
前記検出装置は、前記テンション調整ローラへの荷重を検出するロードセルを備えていることを特徴とする請求項1に記載のテンション制御装置。
【請求項3】
前記検出装置は、前記テンション調整ローラを前記可動ユニット上で前記一対の固定ローラから離間する方向および前記一対の固定ローラに接近する方向に変位可能に支持する弾性支持部材と、前記可動ユニット上における前記テンション調整ローラの位置を検出する変位計と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のテンション制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のテンション制御装置を備えた搬送装置であって、
前記ワークを前記搬送経路に繰り出す繰り出し装置と、
前記搬送経路を経て搬送されてきた前記ワークを巻き取る巻き取り装置と、
を有していることを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記繰り出し装置での繰り出し速度、および前記巻き取り装置での巻き
取り速度を制御することを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
長尺のワークの搬送経路の途中位置で前記ワークの一方面側が架けられた一対の固定ローラと、該一対の固定ローラの間で前記ワークの他方面側が架けられたテンション調整ローラと、該テンション調整ローラを前記一対の固定ローラから離間する方向および前記一対の固定ローラに接近する方向に駆動する駆動装置と、を設け、
前記テンション調整ローラが前記ワークから受ける力を検出した値が設定値となるように前記駆動装置を制御して前記テンション調整ローラの前記一対の固定ローラからの距離を調整することにより、前記ワークのテンションを調整し、
前記一対の固定ローラは水平方向で離間する位置に配置され、
前記テンション調整ローラは、前記一対の固定ローラより下方に配置され、
前記駆動装置は、前記可動ユニットを上下方向に駆動することを特徴とするテンション制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺のワークを搬送する際にテンションを調整するテンション制御装置、該テンション制御装置を備えた搬送装置、およびテンション制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
長尺のワークを扱う装置としては、アルミニウム電解コンデンサや電気二重層コンデンサ等の巻回型素子を製造する巻き取り装置や、各種フィルムに印刷する印刷装置等がある。かかる装置では、ワークを長手方向に搬送する際、ワークに所定のテンションを加え、ワークに弛みが発生することを防止する必要がある。また、上記の装置において、繰り出し装置におけるワークの繰り出し速度と、巻き取り装置におけるワークの巻き取り速度との間に差が発生する期間では、ダンサーローラ等を用いてワークを滞留させることにより、ワークに弛み等が発生することを防止する必要がある。
【0003】
そこで、一対の固定ローラの間に配置されたダンサーローラをスプリングによって付勢することにより、ワークに所定のテンションを加えるとともに、別の一対の固定ローラの間に配置された可動ローラをモータによって変位させて、ワークの繰り出し速度と、巻き取り装置におけるワークの巻き取り速度との差に起因する弛みを吸収する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−12192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、ワークのテンションを調整するテンション制御機構と、ワークの繰り出し速度とワークの巻き取り速度との差を吸収するバッファ機構とが別々の機構であるため、装置構成が大がかりになるという問題点がある。また、特許文献1に記載のテンション制御機構では、ワークのテンションがスプリングによって規定されるため、弛みを防止しつつ、テンションの大きさを略0に近づけることが不可能である。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、テンション制御とバッファとを共通の機構で行うことができるテンション制御装置、搬送装置、およびテンション制御方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の課題は、さらに、弛みを防止しつつ、テンションの大きさを最小限の大きさ等、任意の大きさに設定することができるテンション制御装置、搬送装置、およびテンション制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るテンション制御装置は、長尺のワークの搬送経路の途中位置で前記ワークの一方面側が架けられた一対の固定ローラと、該一対の固定ローラの間で前記ワークの他方面側が架けられたテンション調整ローラ、および該テンション調整ローラが前記ワークから受ける力を検出する検出装置を備えた可動ユニットと、前記可動ユニットを前記一対の固定ローラから離間する方向および前記一対の固定ローラに接近する方向に駆動する駆動装置と、前記検出装置での前記力の検出値が設定値となるように前記駆動装置を制御して前記テンション調整ローラの前記一対の固定ローラからの距離を調整することにより、前記ワークのテンションを調整する制御部と、を有
し、前記一対の固定ローラは水平方向で離間する位置に配置され、前記テンション調整ローラは、前記一対の固定ローラより下方に配置され、前記駆動装置は、前記可動ユニットを上下方向に駆動することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るテンション制御方法は、長尺のワークの搬送経路の途中位置で前記ワークの一方面側が架けられた一対の固定ローラと、該一対の固定ローラの間で前記ワークの他方面側が架けられたテンション調整ローラと、該テンション調整ローラを前記一対の固定ローラから離間する方向および前記一対の固定ローラに接近する方向に駆動する駆動装置と、を設け、前記テンション調整ローラが前記ワークから受ける力を検出した値が設定値となるように前記駆動装置を制御して前記テンション調整ローラの前記一対の固定ローラからの距離を調整することにより、前記ワークのテンションを調整
し、前記一対の固定ローラは水平方向で離間する位置に配置され、前記テンション調整ローラは、前記一対の固定ローラより下方に配置され、前記駆動装置は、前記可動ユニットを上下方向に駆動することを特徴とする。
【0010】
本発明においては、一対の固定ローラの間にテンション調整ローラが設けられており、かかるテンション調整ローラには、テンション調整ローラを一対の固定ローラから離間する方向および一対の固定ローラに接近する方向に駆動する駆動装置が設けられている。このため、テンション調整ローラがワークから受ける力を検出した値が設定値となるように駆動装置を制御すれば、テンション調整ローラの一対の固定ローラからの距離が調整されるので、ワークに対するテンションを調整することができる、また、駆動装置は、テンション調整ローラを一対の固定ローラから離間する方向および一対の固定ローラに接近する方向に駆動するため、テンション調整ローラより上流側におけるワークの搬送速度とテンション調整ローラより下流側におけるワークの搬送速度との間に差が発生した場合でも、テンション調整ローラは、駆動装置によって駆動され、ダンサーローラとして機能する。それ故、テンション制御とバッファとを共通の機構で行うことができる。
【0012】
本発明において、前記検出装置は、前記テンション調整ローラへの荷重を検出するロードセルを備えていることが好ましい。かかる構成によれば、テンションの大きさを略0にしながら弛みをなくすことができる。
【0013】
本発明において、前記検出装置は、前記テンション調整ローラを前記可動ユニット上で前記一対の固定ローラから離間する方向および前記一対の固定ローラに接近する方向に変位可能に支持する弾性支持部材と、前記可動ユニット上における前記テンション調整ローラの位置を検出する変位計と、を備えている構成を採用してもよい。
【0014】
本発明に係るテンション制御装置は、搬送装置等に用いることができ、この場合、搬送装置は、前記ワークを前記搬送経路に繰り出す繰り出し装置と、前記搬送経路を経て搬送されてきた前記ワークを巻き取る巻き取り装置と、を有している。
【0015】
この場合、前記制御部は、前記繰り出し装置での繰り出し速度、および前記巻き取り装置での巻き取り速度を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、一対の固定ローラの間にテンション調整ローラが設けられており、かかるテンション調整ローラには、テンション調整ローラを一対の固定ローラから離間する方向および一対の固定ローラに接近する方向に駆動する駆動装置が設けられている。このため、テンション調整ローラがワークから受ける力を検出した値が設定値となるように駆動装置を制御すれば、テンション調整ローラの一対の固定ローラからの距離が調整されるので、ワークに対するテンションを調整することができる。また、駆動装置は、テンション調整ローラを一対の固定ローラから離間する方向および一対の固定ローラに接近する方向に駆動するため、テンション調整ローラより上流側におけるワークの搬送速度とテンション調整ローラより下流側におけるワークの搬送速度との間に差が発生した場合でも、テンション調整ローラは、駆動装置によって駆動され、ダンサーローラとして機能する。それ故、テンション制御とバッファとを共通の機構で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明を適用した搬送装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図2】本発明を適用した搬送装置のテンション制御装置の説明図である。
【
図3】本発明を適用した搬送装置(テンション制御装置)に用いられる別の検出装置の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、ワークを水平方向(X方向)に搬送する形態を中心に説明する。また、X方向に直交する上下方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向として説明する。
【0019】
(搬送装置の構成)
図1は、本発明を適用した搬送装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図2は、本発明を適用した搬送装置のテンション制御装置の説明図であり、
図2(a)、(b)は、テンション制御装置等の構成を模式的に示す正面図、およびテンション調整ローラ周辺の構成を示す斜視図である。
【0020】
図1および
図2(a)に示す搬送装置1は、長尺のフィルム状のワークWをX方向(水平方向)に搬送する装置であり、ワークWが巻回されたコイルC1からワークWを搬送経路20に繰り出す繰り出し装置10と、搬送経路20を経て搬送されてきたワークWを筒状に巻き取る巻き取り装置30とを有している。
【0021】
繰り出し装置10は、サーボモータ等からなる駆動源11と、駆動源11の回転を減速してシャフト13に伝達する伝達機構12とを備えており、コイルC1はシャフト13に取り付けられている。本形態において、シャフト13は、Z軸方向に延在する水平軸線回りに回転する。巻き取り装置30は、サーボモータ等からなる駆動源31と、駆動源31によって回転駆動される巻芯32とを備えており、巻き取り装置30に搬送されてきたワークWは、巻芯32により筒状の巻回体C2に巻回される。本形態において、巻芯32は、Z軸方向に延在する水平軸線回りに回転する。ここで、搬送装置1が、電解コンデンサや電気二重層コンデンサ等の素子を製作する巻き取り機として構成される場合、ワークWは、巻き取り装置30において、別の長尺のワーク(電極)やセパレータ(図示せず)等とともに巻回される。この場合、巻回体C2は、真円状に巻回される場合がある他、
図1および
図2(a)に示すように楕円状に巻回される場合もある。いずれの場合も、ワークWは、巻き取り装置30において巻回体C2を巻回した後、切断装置(図示せず)によって切断されるタイミングでは、ワークWの搬送が停止される。また、搬送装置1が、ワークWを搬送しながら印刷を行う印刷装置として構成される場合、ワークWは、巻き取り装置30で巻き上げられるまでの間に印刷等の処理が行われる。この場合、ワークWに印刷を行うタイミングでは、ワークWの搬送が停止される。
【0022】
本形態において、搬送経路20は、繰り出し装置10から巻き取り装置30に向けて配置された複数のローラによって構成されている。より具体的には、搬送経路20は、繰り出し装置10から巻き取り装置30に向けて所定の間隔で配置された4つの固定ローラ21、22、23、24を備えており、4つの固定ローラ21、22、23、24の回転中心軸線はいずれも、Z軸方向に延在している。本形態において、固定ローラ22、23は、略同一の高さ位置において、X方向(水平方向)で離間する位置に配置されており、ワークWは、一方面W1側が固定ローラ22、23に接するように固定ローラ22、23に架けられている。
【0023】
かかる搬送装置1において、固定ローラ21、22、23、24は、定位置で回転するガイドローラであり、ワークWの送り駆動は、巻き取り装置30による駆動力により行われる。その際、繰り出し装置10は、巻き取り装置30による巻き取り速度と同一速度でワークWを繰り出す。
【0024】
(テンション制御装置の構成)
図1および
図2(a)、(b)に示すように、本形態においては、固定ローラ22、23の間にはテンション調整ローラ41が配置されており、かかるテンション調整ローラ41には、他方面W2が接するようにワークWが架けられている。本形態では、かかるテンション調整ローラ41および固定ローラ22、23を用いてテンション制御装置40が構成されている。
【0025】
より具体的には、テンション制御装置40は、固定ローラ22、23と、テンション調整ローラ41と、テンション調整ローラ41がワークWから受ける力を検出する検出装置42を備えた可動ユニット43とを有している。また、テンション制御装置40は、可動ユニット43を一対の固定ローラ22、23から離間する方向(下方)および一対の固定ローラ22、23に接近する方向(上方)に駆動する駆動装置50と、検出装置42での力の検出値が設定値となるように駆動装置50を制御してテンション調整ローラ41の一対の固定ローラ22、23からの距離(テンション調整ローラ41の高さ位置)を調整する制御部60とを有している。
【0026】
可動ユニット43は、テンション調整ローラ41をZ方向に延在する水平軸線回りに回転可能に支持する可動板44と、可動板44とテンション調整ローラ41との間に設けられた検出装置42とを備えており、本形態において、検出装置42は、テンション調整ローラ41がワークWから受ける荷重を検出するロードセル46からなる。
【0027】
駆動装置50は、ボールネジ機構を構成するアクチュエータ51と、アクチュエータ51のネジ軸を覆うカバー52とを有しており、カバー52の側面で開口する溝520を介して、ボールネジ機構のナットと可動ユニット43の可動板44とが連結されている。
【0028】
本形態において、制御部60は、マイクロコンピュータ等を備えており、矢印S1で示すように、検出装置42(ロードセル46)から制御部60には、テンション調整ローラ41がワークWから受ける荷重を検出した結果が出力される。また、制御部60は、矢印S2で示すように、駆動装置50を制御しており、制御部60は、検出装置42(ロードセル46)からの出力レベル(テンション調整ローラ41がワークWから受ける荷重の大きさ)が一定となるように、可動ユニット43(テンション調整ローラ41)の高さ位置(固定ローラ22、23との距離)を制御する。
【0029】
本形態では、制御部60は、矢印S3で示すように、繰り出し装置10を制御しており、ワークWの繰り出しの開始、停止、繰り出し速度等を制御する。また、制御部60は、矢印S4で示すように、巻き取り装置30を制御しており、ワークWの巻き取りの開始、停止、巻き取り速度、巻き取りの加減速等を制御する一方、制御部60には、巻き取り装置30から巻芯32の角度位置等の信号が出力される。
【0030】
(テンション制御の内容、および本形態の主な効果)
本形態の搬送装置1において、繰り出し装置10から搬送経路20を経て巻き取り装置30に搬送されたワークWは、巻き取り装置30によって巻回体C2として巻回される。その際、ワークWに所定のテンションが加わっていないと、ワークWが弛み、巻回体C2が適正に巻回されない。このため、搬送装置1にはテンション制御装置40が構成されており、テンション制御装置40は、ワークWのテンションを制御する。
【0031】
より具体的には、ワークWのテンションが小さくて、検出装置42(ロードセル46)から制御部60への出力レベルが設定値より低い場合、制御部60は駆動装置50に対して、可動ユニット43(テンション調整ローラ41)を下降させて固定ローラ22、23からの距離を大とするように指令する。その結果、駆動装置50は、可動ユニット43(テンション調整ローラ41)を下降させるので、ワークWのテンションが増大する。これに対して、ワークWのテンションが大きくて、検出装置42(ロードセル46)から制御部60への出力レベルが設定値より高い場合、制御部60は駆動装置50に対して、可動ユニット43(テンション調整ローラ41)を上昇させて固定ローラ22、23からの距離を小とするように指令する。その結果、駆動装置50は、可動ユニット43(テンション調整ローラ41)を上昇させるので、ワークWのテンションが減少する。
【0032】
従って、ワークWのテンションが設定値に維持される。また、上記のテンション制御は、短い周期で継続して行われるので、ワークWのテンションは常に設定値に維持される。また、上記のテンション制御は、ワークWのテンションが設定値からずれた場合の補正を可動ユニット43(テンション調整ローラ41)の位置によって行うので、ワークWのテンションを無段階に設定することができる。
【0033】
ここで、巻き取り装置30は、ワークWを筒状に巻回する。このため、巻回体C2の径が増大するに伴って、単位時間当たりに巻回体C2にワークWが巻回される長さ寸法(巻回体C2の周長)が変化する。かかる状態は、巻き取り速度が変化するのと同様な状態となるので、テンションが変動することになる。このような場合でも、本形態では、制御部60によって、検出装置42(ロードセル46)での検出結果が駆動装置50にフィードバックされるので、ワークWのテンションが設定値に維持される。それ故、巻回体C2の径が増大するに伴って、巻き取り装置30での巻き取り速度や繰り出し装置10での繰り出し速度を変化させなくても、ワークWのテンションが設定値に維持されるので、ワークWを適正に巻回することができる。
【0034】
特に本形態では、巻き取り装置30は、ワークWを楕円状に巻回する。このため、巻芯32の回転に伴って大径方向および小径方向の向きが変化するに伴い、巻回体C2の周長が変化する。かかる状態は、巻き取り速度が変化するのと同様な状態となるので、テンションが変動することになる。このような場合でも、本形態では、制御部60によって、検出装置42(ロードセル46)での検出結果が駆動装置50にフィードバックされるので、ワークWのテンションが設定値に維持される。それ故、巻回体C2の角度位置が変化するに伴って、巻き取り装置30での巻き取り速度や繰り出し装置10での繰り出し速度を変化させなくても、ワークWのテンションが設定値に維持されるので、ワークWを適正に巻回することができる。
【0035】
また、繰り出し装置10からのワークWの繰り出しは連続的に行われる一方、巻き取り装置30でのワークWの巻き取りは間欠的に行われる。このため、テンション調整ローラ41より上流側におけるワークWの搬送速度とテンション調整ローラ41より下流側におけるワークWの搬送速度との間に差が発生する。かかる場合でも、本形態では、制御部60によって、検出装置42(ロードセル46)での検出結果が駆動装置50にフィードバックされるので、ワークWのテンションが設定値に維持される。それ故、巻き取り装置30での巻き取りが停止している間、テンション調整ローラ41は、下降し続けるので、余剰なワークWを溜めるバッファとして機能する。それ故、本形態によれば、テンション制御装置40がテンション制御とバッファとを共通の機構で行うことができるので、装置構成の簡素化を図ることができる。
【0036】
また、本形態では、検出装置42として、テンション調整ローラ41がワークWから受ける荷重の大きさを検出するロードセル46を用いたため、ワークWに余計な力を加える必要がない。すなわち、ロードセル46は、荷重に起因する歪を検出する歪ゲージであるため、テンション調整ローラ41が可動ユニット43上で上下方向に可動である必要がない。このため、検出装置42に余計な力が加わらないので、略0に近い程、小さな荷重を検出することができる。従って、ワークWのテンションについては、略0に近い程、最小限の小さなレベルに設定することができる等、テンションの大きさを任意に設定することができる。
【0037】
[検出装置42の他の構成例]
図3は、本発明を適用した搬送装置1(テンション制御装置40)に用いられる別の検出装置42の構成例を示す説明図であり、
図3(a)、(b)は、検出装置42に流体圧シリンダを用いた場合の説明図、および検出装置42に引っ張りコイルバネを用いた場合の説明図である。
【0038】
図1および
図2(a)、(b)を参照して説明した形態では、検出装置42としてロードセル46を用いたが、
図3を参照して説明するように、検出装置42が、可動ユニット43上でテンション調整ローラ41を固定ローラ22、23から離間する方向および固定ローラ22、23から離間する方向に変位可能に支持する弾性支持部材45と、可動ユニット43上におけるテンション調整ローラ41の位置を検出する変位計47とを備えている構成を採用してもよい。
【0039】
より具体的には、
図3(a)に示すテンション制御装置40の可動ユニット43には、可動板44に固定されたガイド板48と、テンション調整ローラ41を支持する支持板49との間に、支持板49を上下方向にガイドするガイド機構が設けられており、テンション調整ローラ41は、可動ユニット43上で上下方向に変位可能である。ここで、可動板44には、エアシリンダ装置やオイルシリンダ装置等の流体圧シリンダ装置45aからなる弾性支持部材45の固定部451が固定され、支持板49には、流体圧シリンダ装置45aからなる弾性支持部材45の可動部452が固定されている。なお、弾性支持部材45としては、流体圧シリンダ装置45aに代えて、バネ圧を利用したシリンダ装置を利用してもよい。
【0040】
かかる構成によれば、テンション調整ローラ41は、ワークWから受けるテンションの大きさに応じて上下位置が変化する。従って、変位計47がテンション調整ローラ41の位置を検出すれば、テンション調整ローラ41がワークWから受ける荷重の大きさを検出することができる。従って、
図1に示す制御部60が、検出装置42(変位計47)からの出力レベル(テンション調整ローラ41がワークWから受ける荷重の大きさ)が一定となるように、可動ユニット43(テンション調整ローラ41)の高さ位置(固定ローラ22、23との距離)を制御すれば、ワークWのテンションを調整することができる。
【0041】
また、
図3(b)に示すテンション制御装置40の可動ユニット43には、可動板44に固定されたガイド板48と、テンション調整ローラ41を支持する支持板49との間に、支持板49を上下方向にガイドするガイド機構が設けられており、テンション調整ローラ41は、可動ユニット43上で上下方向に変位可能である。ここで、支持板49の凸部490と可動板44の凸部440との間には、引っ張りコイルバネ45bからなる弾性支持部材45の端部453、454が保持されている。
【0042】
かかる構成によれば、テンション調整ローラ41は、ワークWから受けるテンションの大きさに応じて上下位置が変化する。従って、変位計47がテンション調整ローラ41の位置を検出すれば、テンション調整ローラ41がワークWから受ける荷重の大きさを検出することができる。従って、
図1に示す制御部60が、検出装置42(変位計47)からの出力レベル(テンション調整ローラ41がワークWから受ける荷重の大きさ)が一定となるように、可動ユニット43(テンション調整ローラ41)の高さ位置(固定ローラ22、23との距離)を制御すれば、ワークWのテンションを調整することができる。
【0043】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、テンション制御装置40をテンション調整ローラ41が上下方向に変位する縦型のダンパー装置として構成したが、テンション調整ローラ41が水平方向に変位する横型のダンパー装置としてテンション制御装置40を構成してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 搬送装置
10 繰り出し装置
20 搬送経路
22、23 固定ローラ
30 巻き取り装置
40 テンション制御装置
41 テンション調整ローラ
42 検出装置
43 可動ユニット
45 弾性支持部材
45a 流体圧シリンダ装置
45b 引っ張りコイルバネ
46 ロードセル
47 変位計
50 駆動装置
60 制御部
C1 コイル
C2 巻回体
W ワーク