(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、表示品質は維持しながら、液晶表示パネルの厚さ及び重さを減らすために開口率を向上した表示装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、前記表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた一実施形態に係る表示装置は、各々複数のサブ画素領域を含む単位画素領域が複数個画定されたベース基板、前記サブ画素領域の各々に一つずつ前記ベース基板上に配置された画素電極、前記単位画素領域の各々に一つずつ前記ベース基板上に配置された、トンネル構造の空間を有する構造物、前記構造物上に配置された共通電極、及び前記サブ画素領域の各々に対応して前記構造物上に配置されたカラーフィルタを含
み、前記一つの構造物のサイズは前記単位画素領域のサイズに対応し、前記一つの構造物は複数のサブ画素領域をカバーする。
【0008】
一実施形態において、隣接した前記カラーフィルタ間に配置された遮光パターンをさらに含むことができる。
【0009】
一実施形態において、前記遮光パターンは不透明な有機物質を含みうる。
【0010】
一実施形態において、前記遮光パターンは前記カラーフィルタ上に配置されることができる。
【0011】
一実施形態において、前記遮光パターンは隣接した構造物間に配置され、前記構造物上に配置された前記カラーフィルタの下に部分的に重なって位置する第1遮光パターン、及び前記構造物上に配置され、前記構造物上に配置された前記カラーフィルタの上に部分的に重なって位置する第2遮光パターンを含むことができる。
【0012】
一実施形態において、前記遮光パターンは前記構造物と前記ベース基板との間に配置されることができる。
【0013】
一実施形態において、前記遮光パターンは不透明な金属物質を含みうる。
【0014】
一実施形態において、前記単位画素領域に含まれた前記サブ画素領域は第1方向に配列され、前記共通電極は前記第1方向に延伸して、前記第1方向と交差する第2方向に配列されることができる。
【0015】
一実施形態において、前記第1方向に隣接した構造物は互いに接続され、前記第2方向に隣接した構造物は互いに離隔することができる。
【0016】
一実施形態において、前記構造物の、前記トンネル構造の空間側の面上に配置された配向層、及び前記構造物の前記トンネル構造の空間内に配置され、前記配向層によって配向される液晶層をさらに含むことができる。
【0017】
一実施形態において、前記液晶層を密封する保護層をさらに含むことができる。
【0018】
上記本発明の他の目的を達成するためになされた一実施形態に係る表示装置の製造方法は、ベース基板のサブ画素領域に画素電極を形成する段階、複数の前記サブ画素領域を含む単位画素領域に対応する幅を有して、前記幅方向と交差する長手方向に延伸した犠牲パターンを形成する段階、前記犠牲パターン上に前記犠牲パターンの幅方向に延伸して、前記犠牲パターンの長手方向に離隔した構造物及び共通電極を形成する段階、前記犠牲パターンを除去し前記構造物によって画定されたトンネル構造の空間を形成する段階、前記トンネル構造の空間に液晶層を形成する段階、及び前記トンネル構造の空間に収納された前記液晶層を密封する保護層を形成する段階を含む。
【0019】
一実施形態において、前記サブ画素領域の各々に対応する前記構造物上にカラーフィルタを形成する段階をさらに含むことができる。
【0020】
一実施形態において、各々異なるカラーを有する隣接した前記カラーフィルタ間に遮光パターンを形成する段階をさらに含むことができる。
【0021】
一実施形態において、前記遮光パターンは不透明な有機物質を含みうる。
【0022】
一実施形態において、前記遮光パターンは前記カラーフィルタ間に配置されて、前記カラーフィルタと部分的に重なることができる。
【0023】
一実施形態において、前記遮光パターンを形成する段階は、前記カラーフィルタを形成する前に、隣接した構造物間に配置した第1遮光パターンを形成する段階、及び前記カラーフィルタを形成した後に前記構造物上に配置した第2遮光パターンを形成する段階をさらに含むことができる。
【0024】
一実施形態において、前記画素電極を形成する前
に遮光パターンを形成する段階をさらに含むことができる。
【0025】
一実施形態において、前記遮光パターンは不透明な金属物質を含みうる。
【0026】
一実施形態において、前記構造物の、前記トンネル構造の空間側の面上に配置された配向層を形成する段階、及び前記配向層上に液晶層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0027】
上記本発明の目的を達成するためになされた一実施形態に係る表示装置は、ベース基板、画素電極、構造物、共通電極、及びカラーフィルタを含む。前記ベース基板は複数の単位画素領域によって画定される。前記画素電極は複数のサブ画素領域を含む各単位画素領域に対応する。前記構造物は前記単位画素領域の各々に一つずつ前記ベース基板上に配置されて、各々複数のトンネル構造の空間を有する。前記共通電極は前記構造物中、複数の一部の上に配置される。前記カラーフィルタは前記サブ画素領域の各々に対応して前記複数の構造物上に配置されたカラーフィルタを含む。
前記一つの構造物のサイズは前記単位画素領域のサイズに対応し、前記一つの構造物は複数のサブ画素領域をカバーする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施形態によれば、前記構造物は単位画素領域ごとに配置されるので、サブ画素領域の開口領域を相対的に増加でき、これによって、表示装置の透過率を向上でき、開口率を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の望ましい実施例をより詳細に説明することにする。
図1は本発明の一実施例に係る表示装置の斜視図である。
図2は
図1のI−I’で切った断面図である。
【0031】
図1及び
図2を参照すれば、前記表示装置はベース基板101と、ベース基板101上に配置したTFTアレイ層120、構造層130、カラーフィルタ層140及び保護層150と、を含む。
【0032】
TFTアレイ層120は、複数のゲートラインGL、複数のデータラインDL、複数のスイッチング素子TR、及び複数の画素電極PEを含む。
【0033】
ゲートラインGLは、第1方向D1に延伸して、第1方向D1と直交する第2方向D2に配列する。ゲートラインGLはスイッチング素子TRのゲート電極GEと接続される。
【0034】
データラインDLは第2方向D2に延伸して、第1方向D1に配列する。データラインDLはスイッチング素子TRのソース電極SEと接続する。
【0035】
スイッチング素子TRは、ゲートラインGLと接続したゲート電極GE、データラインDLと接続したソース電極SE、及びソース電極SEと離隔したドレーン電極DEを含む。スイッチング素子TRのドレーン電極DEは、画素電極PEとコンタクトホールCHを介して接続する。
【0036】
画素電極PEの各々は、各サブ画素領域に配置されて、スイッチング素子TRと電気的に接続される。ベース基板101は複数の単位画素領域PUAを含んで、各単位画素領域PUAは複数のサブ画素領域PA1、PA2、PA3を含む。単位画素領域PUAは、少なくとも3つのサブ画素領域PA1、PA2、PA3を含む。例えば、単位画素領域PUAは、第1サブ画素領域PA1、第2サブ画素領域PA2、及び第3サブ画素領域PA3を含み、第1サブ画素領域PA1には第1画素電極PE1が配置され、第2サブ画素領域PA2には第2画素電極PE2が配置され、第3サブ画素領域PA3には第3画素電極PE3が配置される。
【0037】
前記サブ画素領域は、複数の列と複数の行を有するマトリックス形態に配列される。サブ画素領域PAは、第1方向D1に延伸した短辺と第2方向D2に延伸した長辺を有する場合を図示しているが、これに限定されない。サブ画素領域PAの形状は、V字状、Z字状など、多様に変形できる。
【0038】
前記表示装置が透過型の場合、画素電極PEは透明導電物質から形成され、前記表示装置が反射型の場合、画素電極PEは不透明導電物質から形成される。又は、特に反射型の場合、前記画素電極を透明導電物質から形成し、液晶層の代わりに反射型電気泳動層、OLED(有機発光ダイオード)などを形成しても具現できる。
【0039】
TFTアレイ層120は第1絶縁層121、第2絶縁層123、及び第3絶縁層125をさらに含むことができる。第1絶縁層121は、第1金属層から形成されたゲートラインGLとゲート電極GEを覆うようにベース基板101の上に配置される。第2絶縁層123は、第2金属層から形成されたデータラインDL、ソース電極SE、及びドレーン電極DEを覆うようにベース基板101の上に配置される。第3絶縁層125は、画素電極PEを覆うようにベース基板101の上に配置される。第1、第2、及び第3絶縁層121、123、125の各々は、窒化シリコン(SiNx)又は酸化シリコン(SiOx)からなる単一層構造から形成されるか、又は、材質及び形成工程が各々異なる多層構造から形成される。
【0040】
嚢状(capsular)構造層(以下、単に構造層ともいう)130はTFTアレイ層120上に配置される複数の嚢状構造物(以下、単に構造物ともいう)131、配向層132、液晶層133、及び共通電極CEを含む。
【0041】
各構造物131は嚢状、即ち、トンネル構造の空間(cavity)を有し、単位画素領域PUAごとに配置される。構造物131は、例えば窒化シリコン(SiNx)からなる単一層構造で形成するか、又は、材質及び形成工程が各々異なる多層構造で形成する。
【0042】
例えば、構造物131は第1方向D1に連続的に配列されて、第2方向D2に離隔し配列される。第1方向D1に構造物131の幅が画定されて、第2方向D2に構造物131の長さが画定される。構造物131の幅は、第1、第2、及び第3サブ画素領域PA1、PA2、PA3の短辺の合計に対応して、構造物131の長さは、第1、第2及び第3サブ画素領域PA1、PA2、PA3各々の長辺の長さに対応する。第2方向D2に配列された各構造物131間の離隔領域を介して構造物131の前記トンネル構造の空間内に配向層132及び液晶層133が形成される。
【0043】
配向層132は、構造物131の内側面及び単位画素領域PUAの第1、第2及び第3画素電極PE1、PE2、PE3が形成されたベース基板101の上面に配置される。ここで構造物131の内側面は、内側上面及び内側側面を含む。
【0044】
液晶層133は、構造物131と配向層132により画定された前記トンネル構造の空間の内部に配置される。液晶層133は配向層132により配向される。
【0045】
共通電極CEは構造物131の外表面に配置されて、ベース基板101の全体領域を覆うように配置される。共通電極CEは構造物131の外表面である構造物131の外側上面及び外側側面を覆う。
【0046】
カラーフィルタ層140は、構造層130上に配置された上述の共通電極CEの他に、複数のカラーフィルタCF1、CF2、CF3、遮光パターンBP及び平坦化(planarizing)層144を含む。
【0047】
第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3は、単位画素領域PUAの第1、第2及び第3サブ画素領域PA1、PA2、PA3に対応して配置される。
【0048】
遮光パターンBPは、第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3の間ごとに配置されて光を遮断する。
【0049】
平坦化層144は前記表示装置の上面を平坦化するために第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3及び遮光パターンBP上に配置される。
【0050】
保護層150は前記表示装置全体を保護して、構造物131の前記空間に収納された液晶層133を密封する。保護層150は、窒化シリコン(SiNx)からなる単一層構造で形成されるか、又は、材質及び形成工程が各々異なる多層構造で形成される。
【0051】
本実施例によれば、構造物131は単位画素領域PUAごとに配列することによって前記表示装置の開口率を向上できる。
【0052】
図3〜
図7は
図2に示した表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0053】
図1、
図2及び
図3を参照すれば、ベース基板101上にTFTアレイ層120を形成する。
【0054】
例えば、ベース基板101上に第1金属層(図示せず)を形成し、前記第1金属層をパターニングして、ゲートラインGL及びゲート電極GEを含む第1金属パターンを形成する。前記第1金属層は例えば、クロム、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン、銅、銀などの金属の何れか、又はこれらの合金で形成できる。また、前記第1金属層は物理的性質が異なる2つ以上の層で形成できる。
【0055】
前記第1金属パターンが形成されたベース基板101上に第1絶縁層121を形成する。第1絶縁層121は窒化シリコン(SiNx)又は酸化シリコン(SiOx)からなる単一層構造で形成し、又は、材質及び形成工程が各々異なる二重層構造で形成する。
【0056】
第1絶縁層121が形成されたベース基板101上に半導体層(図示せず)を形成し、前記半導体層をパターニングして、スイッチング素子TRのアクティブパターン(図示せず)を形成する。
【0057】
前記アクティブパターンが形成されたベース基板101上に第2金属層(図示せず)を形成し、前記第2金属層をパターニングしてデータラインDL、ソース電極SE及びドレーン電極DEを含む第2金属パターンを形成する。前記第2金属層は例えば、クロム、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン、銅、銀などの金属の何れか、又はこれらの合金で形成できる。また、前記第2金属層は物理的性質が異なる2つ以上の層で形成できる。
【0058】
選択的には、前記アクティブパターンと前記第2金属パターンとは、1つのスリットマスクを利用して形成できる。
【0059】
前記第2金属パターンが形成されたベース基板101上に第2絶縁層123を形成する。第2絶縁層123は窒化シリコン(SiNx)、又は、酸化シリコン(SiOx)からなる単一層構造で形成するか、又は、材質及び形成工程が各々異なる二重層構造で形成する。
【0060】
第2絶縁層123をエッチングしてドレーン電極DEを露出するコンタクトホールCHを形成する。
【0061】
コンタクトホールCHが形成されたベース基板101上に画素電極層(図示せず)を形成し、前記画素電極層をパターニングして、サブ画素領域PA1、PA2、PA3に各々、画素電極PE1、PE2、PE3を形成する。前記画素電極層は前記表示装置が透過型の場合は、透明導電物質、例えば、ITO、IZOなどで形成する。一方、前記表示装置が反射型の場合は不透明導電物質、例えば、アルミニウムなどで形成する。
【0062】
画素電極PE1、PE2、PE3が形成されたベース基板101上に第3絶縁層125を形成する。第3絶縁層125は窒化シリコン(SiNx)又は、酸化シリコン(SiOx)からなる単一層構造で形成するか、又は、材質及び形成工程が各々異なる二重層構造で形成する。
【0063】
図3に示すように、画素電極PE1、PE2、PE3が完成されることにより、前記表示装置のTFTアレイ層120が実質的に完成される。
【0064】
図2及び
図4を参照すれば、TFTアレイ層120が形成されたベース基板101上に犠牲層(図示せず)を形成する。前記犠牲層は有機高分子物質で形成できて、前記有機高分子物質は例えば、ベンゾシクロブテン(BCB;benzocyclobutene)とアクリル(acryl)系樹脂を含む有機物であるが、これに限定されない。
【0065】
前記犠牲層をパターニングして複数の犠牲パターンSPを形成する。犠牲パターンSPは第2方向D2に延伸して、第1方向D1に配列される。各犠牲パターンSPの第1方向D1の幅は単位画素領域PUAの第1方向D1の幅に対応する。犠牲パターンSPの幅は、第1、第2及び第3サブ画素領域PA1、PA2、PA3の短辺の合計に対応する。
隣接する犠牲パターンSPは、例えば第1サブ画素領域PA1に接続されたデータラインDLの幅に相当する分だけ互いに離隔する。
【0066】
犠牲パターンSPが形成されたベース基板101上に構造絶縁層(嚢状絶縁層)131aを形成する。構造絶縁層131aは窒化シリコン(SiNx)からなる単一層構造で形成するか、又は、材質及び形成工程が各々異なる多層構造で形成する。
【0067】
構造絶縁層131aが形成されたベース基板101上に透明導電層CEaを形成する。透明導電層CEaは、ITO又はIZOのような透明導電性物質からなる。
【0068】
図2及び
図5を参照すれば、透明導電層CEaが形成されたベース基板101上に第1カラーフォトレジスト層(図示せず)を形成し、次にフォトリソグラフィを利用して前記第1カラーフォトレジスト層をパターニングし、単位画素領域PUAの第1サブ画素領域PA1に島状(Island−shaped)の第1カラーフィルタCF1を形成する。
【0069】
同じ方式で、第1カラーフィルタCF1が形成されたベース基板101上に第2カラーフォトレジスト層を形成して前記第2カラーフォトレジスト層をパターニングし、単位画素領域PUAの第2サブ画素領域PA2に島状の第2カラーフィルタCF2を形成する。
【0070】
さらに、第1及び第2カラーフィルタCF1、CF2が形成されたベース基板101上に第3カラーフォトレジスト層を形成して前記第3カラーフォトレジスト層をパターニングし、単位画素領域PUAの第3サブ画素領域PA3に島状の第3カラーフィルタCF3を形成する。
【0071】
第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3は各々、第2方向D2に不連続的に形成され、第1方向D1には隣接し部分的に重ねる場合がある。特に、隣接する犠牲パターンSPの離隔部分は両側のカラーフィルタ(
図5では、一方の第3カラーフィルタCF3と他方の第1カラーフィルタCF1)を重なるように延伸することで、離隔部の平坦化に寄与できる。
第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3はインクジェットなどの方法で形成されるが、これに限定されない。
【0072】
第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3が形成されたベース基板101上に遮光層(図示せず)を形成して前記遮光層をパターニングし、遮光パターンBPを形成する。前記遮光層は例えば、不透明有機物質であり、フォトリソグラフィを利用してパターニングする。遮光パターンBPは第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3各々の第1方向D1側の両端と重なって配置される。
【0073】
遮光パターンBP、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2及び第3カラーフィルタCF3が形成されたベース基板101上に平坦化絶縁層144aを形成する。平坦化絶縁層144aは本実施例に係る前記表示装置の上面を平坦化する。平坦化絶縁層144aは窒化シリコン(SiNx)からなる単一層構造で形成され、又は、材質及び形成工程が各々異なる多層構造で形成される。
【0074】
平坦化絶縁層144aが形成されたベース基板101に対してフォトリソグラフィを利用し、平坦化絶縁層144a、透明電極層CEa及び構造絶縁層131aをエッチングし第1方向D1に延伸した平坦化層144、共通電極CE及び構造物131を形成する。具体的には例えば、平坦化層144、共通電極CE及び構造物131は、サブ画素行単位でパターニングされ第1方向D1に延伸して、第2方向D2に配列される。
【0075】
前記サブ画素行単位でパターニングされた平坦化層144、共通電極CE及び構造物131により被覆され、第2方向D2に延伸して、第1方向D1に配列された犠牲パターンSPは、各々のサブ画素領域について第2方向D2側の端部に対応する領域、例えば、ゲートラインGLが形成された領域に対応する領域が部分的に露出する。
【0076】
一方、平坦化層144は各サブ画素領域に配置された第1、第2、第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3の第2方向D2への両側端部を包むように形成される。これによって平坦化層144は、後続工程である犠牲パターンSPの除去工程でカラーフィルタCF1、CF2、CF3がエッチングされないように保護できる。
【0077】
図2及び
図6を参照すれば、プラズマ工程を利用して部分的に露出した犠牲パターンSPを除去する。 非等方性プラズマエッチバックによって犠牲パターンSPは、その露出した部分から順次にエッチバックされ、犠牲パターンSPが全体的に除去される。これによって、構造物131内部の犠牲パターンSPが除去され、構造物131によって画定されるトンネル構造の空間CAが形成される。
【0078】
前記プラズマ工程は、有機物質を非等方的に除去できる限り特に限定されず、例えばマイクロウエーブO
2プラズマを利用する。前記マイクロウエーブO
2プラズマ工程では、ステージ温度、チャンバ圧力、使用気体などを変更して、犠牲パターンSPを構成する有機(絶縁)高分子物質だけをエッチバックするようにエッチバック条件が調節される。これによって、無機絶縁物質で形成される第3絶縁層125、構造物131及び平坦化層144はエッチバックされない。前記マイクロウエーブO
2プラズマを利用した犠牲パターンSPエッチバック条件において、前記プラズマエッチバック時、チャンバのステージ温度は100℃〜300℃、O
2の流量は5000sccm〜10000sccm、N
2H
2の流量は100sccm〜1000sccm、前記チャンバの圧力は2Torrであり、印加された電力は100W〜4000Wである。
【0079】
本実施例に係る構造物131は単位画素領域PUAに対応して配置されているので、これに従って、前記トンネル構造の空間CAは単位画素領域に形成されることができる。
【0080】
図2及び
図7を参照すれば、前記トンネル構造の空間CAが形成されたベース基板101に配向層132を形成する。
【0081】
配向層132は構造物131により画定された前記トンネル構造の空間CAの内側面に形成される。例えば、構造物131の内側上面上及び内側側面上と、空間CAが画定された領域に対応する第3絶縁層125上と、に形成される。配向層132は配向液を利用して形成される。前記配向液は、ポリイミドのような配向物質を適切な溶媒に混合したものである。前記液状配向物質は流体で提供されるので空間CA付近に提供されると、毛細管現象によって空間CA内に移動する。前記配向液はマイクロピペットを用いたインクジェットを利用して空間CA付近に提供されるか、又は、真空注入装置を利用して空間CA内に提供される。その後、前記溶媒を除去する。前記溶媒を除去するためには、ベース基板101を室温乾燥させるか、又は、加熱する。
【0082】
配向層132が形成されたベース基板101に液晶層133を形成する。液晶層133は空間CA付近に提供され、毛細管現象によって空間CA内に移動する。液晶層133は、マイクロピペットを用いたインクジェットを利用して空間CA付近に提供するか、又は、真空液晶注入装置を利用して空間CA内に提供する。前記真空液晶注入装置を利用する場合、前記トンネル構造の空間CAが形成されたベース基板101の一部をチャンバ内の液晶材料が入った容器に浸漬して、前記チャンバの圧力を低くすると、毛細管現象によって空間CA内に液晶が供給される。
【0083】
以後、前記トンネル構造の空間CA内部以外に存在する液晶を除去した後、構造物131に充填された液晶層133を保護するように保護層150を形成する。保護層150は液晶層133が注入された空間CAの入口の部分を塞ぐ。
【0084】
図示はしなかったが、保護層150が形成された後、ベース基板101の下面と保護層150の上面に各々、液晶層133を透過する光を偏光するための第1偏光版及び前記第1偏光版と直交する透過軸を有する第2偏光版を配置する。
【0085】
図8及び
図9は比較例と実施例に係る表示装置の透過率を説明するための概念図である。
【0086】
図8は従来技術による比較例に係る表示装置及び透過率を説明するための概念図であり、
図9は本願実施例に係る表示装置及び透過率を説明するための概念図である。
【0087】
図8を参照すれば、比較例に係る表示装置はトンネル構造を有する構造物がサブ画素領域ごとに配置される。図示したように、第1サブ画素領域PA1に第1構造物231が配置され、第2サブ画素領域PA2に第2構造物232が配置され、第3サブ画素領域PA3に第3構造物233が配置される。
【0088】
遮光パターンBPは、第1、第2及び第3サブ画素領域PA1、PA2、PA3の長辺側に対応する第1、第2及び第3構造物231、232、233の間ごとに配置される。
【0089】
これによって、比較例に係る表示装置は、第1及び第2構造物231、232間の離隔領域Cによって第1及び第2サブ画素領域PA1、PA2間の第1遮光領域Aは相対的に増加して、前記増加した第1遮光領域Aによって前記第2サブ画素領域PA2の第1区領域Bは相対的に減少する。
【0090】
図9を参照すれば、実施例に係る表示装置はトンネル構造を有する構造物が単位画素領域PUAごとに配置される。図示したように、単位画素領域PUAは第1、第2及び第3サブ画素領域PA1、PA2、PA3を含み、構造物131は単位画素領域PUAに一つずつ配置される。
【0091】
遮光パターンBPは第1、第2及び第3サブ画素領域PA1、PA2、PA3の長辺側の間ごとに配置される。実施例に係る遮光パターンBPは、1つの構造物131上の第1及び第2サブ画素領域PA1、PA2の離隔領域、並びに、第2及び第3サブ画素領域PA2、PA3の離隔領域に配置する。
【0092】
これによって、実施例に係る隣接した第1及び第2サブ画素領域PA1、PA2間の第2遮光領域A’は比較例の第1遮光領域Aより相対的に減少して、前記減少した第2遮光領域A’により第2サブ画素領域PA2の第2区領域B’は相対的に増加する。
【0093】
このように、本実施例に係る構造物131は単位画素領域PUAごとに一つだけ配置すればよいので、サブ画素領域の開口領域を相対的に増加できる。これによって、表示装置の透過率を向上できる。
【0094】
図10は本発明の他の実施例に係る表示装置の断面図である。以下において、上述の一実施例と同じ構成要素は同じ図面符号を付与して、重複する説明は省略する。
【0095】
図1及び
図10を参照すれば、本表示装置は上述の一実施例に係る表示装置と比較するとき、第1遮光パターンBP1及び第2遮光パターンBP2を除いてはその他の構成要素は実質的に同一である。
【0096】
本実施例に係る表示装置はベース基板101と、ベース基板101上に配置したTFTアレイ層120、構造層130、カラーフィルタ層140、及び保護層150と、を含む。TFTアレイ層120、構造層130及び保護層150は、上述の一実施例と実質的に同一であるので重複する説明は省略する。
【0097】
カラーフィルタ層140は、構造層130上に配置される第1遮光パターンBP1、複数のカラーフィルタCF1、CF2、CF3、第2遮光パターンBP2、及び、平坦化層144を含む。カラーフィルタCF1、CF2、CF3及び平坦化層144は、上述の一実施例と実質的に同一であるので重複する説明は省略する。
【0098】
第1遮光パターンBP1は単位画素領域PUAに対応して配置された構造物131の離隔領域に配置される。例えば、第1遮光パターンBP1は、第1単位画素領域PUA1の第1サブ画素領域PA1と、第1単位画素領域PUA1と隣接した第2単位画素領域PUA2の第3サブ画素領域PA3との間に配置される。
【0099】
第2遮光パターンBP2は構造物131上に配置され、前記単位画素領域内のサブ画素領域PA1、PA2、PA3の間ごとに配置される。例えば、第2遮光パターンBP2は第1単位画素領域PUA1の第1及び第2サブ画素領域PA1、PA2の間、並びに、第2及び第3サブ画素領域PA2、PA3の間に配置される。
【0100】
図11及び
図12は、
図10に示した表示装置の製造方法を説明するための断面図である。以下においては、以前実施例と同じ構成要素は、同じ図面符号を付与して、重複する説明は省略する。
【0101】
図1、
図10及び
図11を参照すれば、
図3で説明したように、ベース基板101上にTFTアレイ層120を形成する。
【0102】
図4で説明したように、TFTアレイ層120上に犠牲パターンSP、構造絶縁層131a及び透明導電層CEaを形成する。
【0103】
透明導電層CEaが形成されたベース基板101上に第1遮光層を形成して、前記第1遮光層をパターニングして第1遮光パターンBP1を形成する。前記第1遮光層は不透明な有機物質であってもよく、フォトリソグラフィを利用してパターニングできる。第1遮光パターンBP1は単位画素領域PUAごとに配置された構造物131の離隔領域に配置される。例えば、第1遮光パターンBP1は、第1単位画素領域PUA1の第1サブ画素領域PA1と、第1単位画素領域PUA1に隣接した第2単位画素領域PUA2の第3サブ画素領域PA3との間に配置される。
【0104】
図10及び
図12を参照すれば、第1遮光パターンBP1が形成されたベース基板101上に
図5で説明したように、第1サブ画素領域PA1に第1カラーフィルタCF1を形成し、第2サブ画素領域PA2に第2カラーフィルタCF2を形成し、第3サブ画素領域PA3に第3カラーフィルタCF3を形成する。
【0105】
第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3が形成されたベース基板101上に第2遮光層を形成し、前記第2遮光層をパターニングして第2遮光パターンBP2を形成する。前記第2遮光層は不透明な有機物質であり、フォトリソグラフィを利用してパターニングする。
【0106】
第2遮光パターンBP2は構造絶縁層131a上に配置されて、前記単位画素領域内のサブ画素領域PA1、PA2、PA3の離隔領域に配置される。
【0107】
第2遮光パターンBP2が形成されたベース基板101上に平坦化絶縁層144aを形成する。
【0108】
以後、本実施例に係る表示装置の製造方法は、上述の一実施例で
図6及び
図7を参照して説明したのと実質的に同一であるので重複する説明は省略する。
【0109】
このように、本実施例に係る構造物131は、単位画素領域PUAごとに配置することによってサブ画素領域の開口領域を相対的に増加でき、これによって、表示装置の透過率を向上できる。
【0110】
図13は本発明のさらに他の実施例に係る表示装置の断面図である。以下においては上述の一実施例と同じ構成要素は同じ図面符号を付与して、重複する説明は省略する。
【0111】
本表示装置は上述の一実施例に係る表示装置と比較する時、遮光パターンBPを除いてはその他の構成要素は実質的に同一である。
【0112】
本実施例に係る表示装置は、ベース基板101と、ベース基板101上に配置したTFTアレイ層120、構造層130、カラーフィルタ層140、及び保護層150と、を含む。
【0113】
TFTアレイ層120は複数のゲートラインGL、複数のデータラインDL,複数のスイッチング素子TR、及び複数の画素電極PEに加えて、遮光パターンBPを含む。複数のゲートラインGL、複数のデータラインDL、複数のスイッチング素子TR、複数の画素電極PEは、上述の一実施例と実質的に同一なので重複する説明は省略する。
【0114】
遮光パターンBPは、画素電極PEが形成されたベース基板101上に配置されて、画素電極PE間の離隔領域に配置される。例えば、データラインDL及びゲートラインGLが形成された領域に配置され、データラインDL及びゲートラインGLと重なる。
【0115】
遮光パターンBPが形成されたベース基板101上に構造層130(ただし、遮光パターンBPを除く)、カラーフィルタ層140、及び保護層150が上述の一実施例と実質的に同じ構造に配置される。
【0116】
本実施例に係る構造層130、カラーフィルタ層140及び保護層150は以前実施例と実質的に同一であるので重複する説明は省略する。
【0117】
図14〜
図16は、
図13に示した表示装置の製造方法を説明するための断面図である。以下においては、上述の一実施例と同じ構成要素は同じ図面符号を付与して、重複する説明は省略する。
【0118】
図1、
図13及び
図14を参照すれば、ベース基板101上にTFTアレイ層120を形成する。
【0119】
例えば、ベース基板101上にゲートラインGL及びゲート電極GEを含む第1金属パターンを形成する。前記第1金属パターンが形成されたベース基板101上に第1絶縁層121を形成する。第1絶縁層121が形成されたベース基板101上にスイッチング素子TRのアクティブパターンを形成する。前記アクティブパターンが形成されたベース基板101上にデータラインDL、ソース電極SE、及びドレーン電極DEを含む第2金属パターンを形成する。前記第2金属パターンが形成されたベース基板101上にコンタクトホールCHを含む第2絶縁層123を形成する。コンタクトホールCHが形成されたベース基板上の第1、第2及び第3サブ画素領域に第1、第2及び第3画素電極PE1、PE2、PE3を形成する。
【0120】
第1、第2及び第3画素電極PE1、PE2、PE3が形成されたベース基板101上に遮光層を形成する。前記遮光層は不透明金属物質からなり、フォトリソグラフィを利用してパターニングする。前記遮光層をパターニングして第1、第2及び第3画素電極PE1、PE2、PE3の間の離隔領域に遮光パターンBPを形成する。遮光パターンBPは、第1方向D1側に隣接した画素電極の離隔領域に形成する。さらに、遮光パターンBPは、第2方向D2側に隣接した画素電極の離隔領域に形成する。
【0121】
遮光パターンBPが形成されたベース基板101上に第3絶縁層125を形成する。第3絶縁層125の形成によって本実施例に係るTFTアレイ層120が完成する。
【0122】
図13及び
図15を参照すれば、
図4で説明したように、TFTアレイ層120が形成されたベース基板101上に、犠牲パターンSP、構造絶縁層131a及び透明導電層CEaを形成する。
【0123】
図13及び
図16を参照すれば、透明導電層CEaが形成されたベース基板101上に
図5で説明したように、第1サブ画素領域PA1に第1カラーフィルタCF1を形成し、第2サブ画素領域PA2に第2カラーフィルタCF2を形成し、第3サブ画素領域PA3に第3カラーフィルタCF3を形成する。
【0124】
第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3が形成されたベース基板101上に平坦化絶縁層144aを形成する。
【0125】
以後、本実施例に係る表示装置の製造方法は、上述の一実施例で
図6及び
図7を参照して説明したのと実質的に同一であるので重複する説明は省略する。
【0126】
このように、本実施例に係る前記構造物は、単位画素領域PUAごとに一つずつ配置されるので、サブ画素領域の開口領域を相対的に増加でき、これによって表示装置の透過率を向上できる。
【0127】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。