特許第6114552号(P6114552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6114552法枠用型枠、法枠用型枠の設置方法および法枠用型枠の鉄筋支持具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114552
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】法枠用型枠、法枠用型枠の設置方法および法枠用型枠の鉄筋支持具
(51)【国際特許分類】
   E02D 17/20 20060101AFI20170403BHJP
【FI】
   E02D17/20 104C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-280976(P2012-280976)
(22)【出願日】2012年12月25日
(65)【公開番号】特開2014-125731(P2014-125731A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000446
【氏名又は名称】岡部株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000115463
【氏名又は名称】ライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074192
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 誠
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴之
(72)【発明者】
【氏名】横田 弘一
(72)【発明者】
【氏名】南都 和実
(72)【発明者】
【氏名】九田 敬行
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−282477(JP,A)
【文献】 特開2012−031660(JP,A)
【文献】 特開平08−302703(JP,A)
【文献】 特開2009−084959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 17/20
E04C 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔を空けて対向する長尺の一対の金網と、縦棒と横棒とを有して構成されていると共に、一対の金網に横棒の両端部が回動可能に連結され、一対の金網の長手方向に所定間隔で配置される複数のスペーサーと、その各スペーサーの各縦棒に回動可能に取り付けられ、鉄筋を支持する複数の鉄筋支持具と、その各鉄筋支持具に支持され、一対の金網の長手方向に延びる鉄筋とを有し、一対の金網が互いに近付くように折り畳まれる法枠用型枠であって、
前記鉄筋支持具は、一枚の薄板鋼板からなる金属板を折り曲げることによって折曲げ部を介し一片部と他片部とを設けると共に、その一片部と他片部には、それぞれ、前記スペーサーの縦棒を通す通し孔を設け、一片部の通し孔には、前記鉄筋の長手方向で当該通し孔の中心に向かって大きく突出した対向する一対の大係止凸部と、前記鉄筋の長手方向に対し垂直方向で当該通し孔の中心に向かって前記大係止凸部よりも小さく突出した対向する一対の小係止凸部とが設けられており、前記大係止凸部の先端部間の間隔は、前記スペーサーの縦棒の外径よりも小さくしているのに対し、前記小係止凸部先端部間の間隔は、前記スペーサーの縦棒の外径よりも大きくしたことを特徴とする法枠用型枠。
【請求項2】
請求項1記載の法枠用型枠の設置方法であって、
当該法枠用型枠を施工現場の法面まで運び、その後、当該法枠用型枠の一対の金網が離れるように広げて、法枠を構築する位置に当該法枠用型枠を設置することを特徴とする法枠用型枠の設置方法。
【請求項3】
所定間隔を空けて対向する長尺の一対の金網と、縦棒と横棒とを有して構成されていると共に、一対の金網に横棒の両端部が回動可能に連結され、一対の金網の長手方向に所定間隔で配置される複数のスペーサーと、その各スペーサーの各縦棒に回動可能に取り付けられ、鉄筋を支持する複数の鉄筋支持具と、その各鉄筋支持具に支持され、一対の金網の長手方向に延びる鉄筋とを有し、一対の金網が互いに近付くように折り畳まれる法枠用型枠の鉄筋支持具であって、
前記鉄筋支持具は、一枚の薄板鋼板からなる金属板を折り曲げることによって折曲げ部を介し一片部と他片部とを設けると共に、その一片部と他片部には、それぞれ、前記スペーサーの縦棒を通す通し孔を設け、一片部の通し孔には、前記鉄筋の長手方向で当該通し孔の中心に向かって大きく突出した対向する一対の大係止凸部と、前記鉄筋の長手方向に対し垂直方向で当該通し孔の中心に向かって前記大係止凸部よりも小さく突出した対向する一対の小係止凸部とが設けられており、前記大係止凸部の先端部間の間隔は、前記スペーサーの縦棒の外径よりも小さくしているのに対し、前記小係止凸部先端部間の間隔は、前記スペーサーの縦棒の外径よりも大きくしたことを特徴とする法枠用型枠の鉄筋支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製又はモルタル製の法枠を構築するための法枠用型枠、法枠用型枠の設置方法および法枠用型枠の鉄筋支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート製などの法枠を構築するための法枠用型枠は、通常、所定間隔を空けて対向する長尺の一対の金網と、その長手方向に所定間隔で配設され、縦棒と横棒とを井桁状に組むと共に、一対の金網にその横棒の両端部をそれぞれ回動可能に連結された複数のスペーサーとにより構成されているが、近年、折り畳まれた状態の法枠用型枠を広げて法面上に設置させた後に、その複数のスペーサーにそれぞれ鉄筋支持金具を取り付け、その鉄筋支持金具を介して複数のスペーサーを貫くよう複数の鉄筋を配設して、法枠用型枠を組み立てるものがある(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3737811号公報
【特許文献2】特許第3881328号公報
【特許文献3】特開2007−113186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、法枠用型枠を設置する法面等の施工現場は、急斜面があったり、岩等によって凸凹している箇所が存在するため、前述の特許文献1〜3に記載の鉄筋支持金具を法枠用型枠のスペーサーに取り付けるなどの組み立て作業は手間や時間が掛かり、予め、工場等においてスペーサーに鉄筋支持金具を取り付けておいたとしても、法枠用型枠のスペーサーに鉄筋を配設する作業は法面上で行わなければならないため、鉄筋支持金具に鉄筋をセットし難い、若しくは鉄筋が容易に外れてしまうこともあり、結果的に、その組み立てに手間や時間がかかるという問題は解消できない。
【0005】
そこで、本発明は、法面等の施工現場においてその組み立てに手間や時間が掛からず、施工現場での作業性を向上させることができる法枠用型枠、法枠用型枠の設置方法および法枠用型枠の鉄筋支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る法枠用型枠は、所定間隔を空けて対向する長尺の一対の金網と、縦棒と横棒とを有して構成されていると共に、一対の金網に横棒の両端部が回動可能に連結され、一対の金網の長手方向に所定間隔で配置される複数のスペーサーと、その各スペーサーの各縦棒に回動可能に取り付けられ、鉄筋を支持する複数の鉄筋支持具と、その各鉄筋支持具に支持され、一対の金網の長手方向に延びる鉄筋とを有し、一対の金網が互いに近付くように折り畳まれる法枠用型枠であって、前記鉄筋支持具は、一枚の薄板鋼板からなる金属板を折り曲げることによって折曲げ部を介し一片部と他片部とを設けると共に、その一片部と他片部には、それぞれ、前記スペーサーの縦棒を通す通し孔を設け、一片部の通し孔には、前記鉄筋の長手方向で当該通し孔の中心に向かって大きく突出した対向する一対の大係止凸部と、前記鉄筋の長手方向に対し垂直方向で当該通し孔の中心に向かって前記大係止凸部よりも小さく突出した対向する一対の小係止凸部とが設けられており、前記大係止凸部の先端部間の間隔は、前記スペーサーの縦棒の外径よりも小さくしているのに対し、前記小係止凸部先端部間の間隔は、前記スペーサーの縦棒の外径よりも大きくしたことを特徴とする
また、本発明に係る法枠用型枠の設置方法は、当該法枠用型枠を施工現場の法面まで運び、その後、当該法枠用型枠の一対の金網が離れるように広げて、法枠を構築する位置に当該法枠用型枠を設置することを特徴とする。
また、法枠用型枠の鉄筋支持具は、所定間隔を空けて対向する長尺の一対の金網と、縦棒と横棒とを有して構成されていると共に、一対の金網に横棒の両端部が回動可能に連結され、一対の金網の長手方向に所定間隔で配置される複数のスペーサーと、その各スペーサーの各縦棒に回動可能に取り付けられ、鉄筋を支持する複数の鉄筋支持具と、その各鉄筋支持具に支持され、一対の金網の長手方向に延びる鉄筋とを有し、一対の金網が互いに近付くように折り畳まれる法枠用型枠の鉄筋支持具であって、前記鉄筋支持具は、一枚の薄板鋼板からなる金属板を折り曲げることによって折曲げ部を介し一片部と他片部とを設けると共に、その一片部と他片部には、それぞれ、前記スペーサーの縦棒を通す通し孔を設け、一片部の通し孔には、前記鉄筋の長手方向で当該通し孔の中心に向かって大きく突出した対向する一対の大係止凸部と、前記鉄筋の長手方向に対し垂直方向で当該通し孔の中心に向かって前記大係止凸部よりも小さく突出した対向する一対の小係止凸部とが設けられており、前記大係止凸部の先端部間の間隔は、前記スペーサーの縦棒の外径よりも小さくしているのに対し、前記小係止凸部先端部間の間隔は、前記スペーサーの縦棒の外径よりも大きくしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一対の金網の長手方向に所定間隔で配置される複数のスペーサーを、それぞれ、その横棒の両端部が一対の金網に回動可能に取り付ける共に、鉄筋を支持する複数の鉄筋支持具を、各スペーサーの各縦棒に回動可能に取り付けて、一対の金網が互いに近付くように折り畳まれた構成であるため、各スペーサーに予め鉄筋を支持させておいた状態で法面等の施工現場まで運ぶことができる。従って、法面等の施工現場では、折り畳まれた本発明に係る法枠用型枠を広げるだけで、鉄筋が配設された法枠用型枠を構築することが可能となり、施工現場における法枠用型枠の組み立てに要する手間や時間を大幅に削減でき、施工現場での作業性を向上させることができる。
特に、本発明では、鉄筋支持具は、一枚の薄板鋼板からなる金属板を折り曲げることによって折曲げ部を介し一片部と他片部とを設けると共に、その一片部と他片部には、それぞれ、スペーサーの縦棒を通す通し孔を設け、一片部の通し孔には、鉄筋の長手方向で当該通し孔の中心に向かって大きく突出した対向する一対の大係止凸部と、鉄筋の長手方向に対し垂直方向で当該通し孔の中心に向かって大係止凸部よりも小さく突出した対向する一対の小係止凸部とが設けられており、大係止凸部の先端部間の間隔は、スペーサーの縦棒の外径よりも小さくしているのに対し、小係止凸部先端部間の間隔は、スペーサーの縦棒の外径よりも大きくしたため、スペーサーの縦棒を鉄筋支持具に通すだけで鉄筋支持具に回転可能な状態で確実に係止できるので、スペーサーに対し鉄筋を固定する際の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る法枠用型枠を示す正面図である。
図2】本発明に係る使用状態の法枠用型枠の一部分を示す平面図である。
図3図2におけるA部分を示す拡大平面図である。
図4】(a)〜(d)それぞれ、鉄筋支持具の平面図、底面図、正面図、B−B線断面図である。
図5】(a)〜(d)それぞれ、鉄筋を挟んだ鉄筋支持具の取付け手順の一例を示す図である。
図6】本発明に係る折り畳み状態の法枠用型枠の一部分を示す平面図である。
図7】本発明に係る法枠用型枠の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係る法枠用型枠、法枠用型枠の設置方法および法枠用型枠の鉄筋支持具の一例について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1図3に示すように、この法枠用型枠100は、所定間隔を空けて対向する長尺の一対の金網2,2と、縦棒31と横棒32とを井桁状に組んで構成されていると共に、横棒32の両端部が一対の金網2,2に回動可能に連結され、一対の金網2,2の長手方向に所定間隔で配置される複数のスペーサー3と、その各スペーサー3の各縦棒31に回動可能に取り付けられ、鉄筋4を支持する複数の鉄筋支持具1と、その各鉄筋支持具1に支持され、一対の金網2,2の長手方向に延びる鉄筋4とを有するものである。この法枠用型枠100では、鉄筋支持具1を各スペーサー3の縦棒31と横棒32との4箇所の交点部に装着することにより、4本の鉄筋4を使用している。
【0011】
鉄筋支持具1は、図4(a)〜(d)に示すように、一枚の薄板鋼板からなる金属板を折り曲げることによって折曲げ部13を介し一片部11と他片部12とを設けると共に、その一片部11と他片部12には、それぞれ、スペーサー3の縦棒31を通す通し孔11a,12aを設けている。
【0012】
ここで、一片部11の通し孔11aには、例えば、図3等に示すように、鉄筋4の長手方向で通し孔11aの中心に向かって大きく突出した一対の大係止凸部11a1,11a1と、鉄筋4の長手方向に対し垂直方向で通し孔11aの中心に向かって大係止凸部11a1,11a1よりも小さく突出した一対の小係止凸部11a2,11a2とが設けられている。ここで、大係止凸部11a1,11a1の先端部間の間隔は、スペーサー3の縦棒31の外径よりも小さくしているのに対し、小係止凸部11a2,11a2先端部間の間隔は、スペーサー3の縦棒31の外径よりも若干大きくしている。これにより、一片部11の通し孔11aにスペーサー3の縦棒31が通されると、通し孔11aの周縁部では、大係止凸部11a1,11a1のみその両先端部が当接して曲がり、スペーサー3の縦棒31の外周面に弾性的に係止するのに対し、小係止凸部11a2,11a2では、いずれか一方の先端部がその縦棒31の外周面に当接する。
【0013】
他片部12の通し孔12aは、図4(b)等に示すように単なる円孔で、スペーサー3の縦棒31が簡単に通るようにその縦棒31の外径よりも若干大きい内径を有する。
【0014】
折曲げ部13には、図3図4(c)等に示すように、鉄筋4の外周面との係合力が増大するように複数(ここでは、例えば、2つとする。)の切欠き部13a,13bが設けられている。
【0015】
次に、この法枠用型枠100の組み立て方法について説明する。
【0016】
まずは、一対の金網2,2間の長手方向に所定間隔で各スペーサー3を配設し、その横棒32の両端部をそれぞれの両側の金網2,2から突出させた後、折り曲げる等して、横棒32の両端部をそれぞれの両側の金網2,2に対し回動可能に取り付ける。
【0017】
次に、図5(a)に示すように鉄筋支持具1により鉄筋4を挟み、その状態で、鉄筋支持具1の他片部12の通し孔12aおよび一片部11の通し孔11aに、スペーサー3の縦棒31を通す。すると、鉄筋支持具1の上側となる一片部11では、通し孔11aにスペーサー3の縦棒31を通したことにより、通し孔11aの周縁部の大係止凸部11a1,11a1が、図5上、上方へ押し曲げられる。なお、通し孔11aにスペーサー3の縦棒31を通す際は、図5(a)の実線で示すように、鉄筋支持具1の一片部11と他片部12とがほぼ平行になるように押し曲げると、スペーサー3の縦棒31に通し孔11a,12aが通し易くなる。
【0018】
そして、鉄筋支持具1の他片部12の通し孔12aおよび一片部11の通し孔11aにスペーサー3の縦棒31を通した後、鉄筋支持具1を押し下げていき、図5(b)に示すように、鉄筋支持具1の他片部12がスペーサー3の横棒32に当接する位置まで移動させ、鉄筋支持具1の他片部12がスペーサー3の横棒32に当接した後もさらに図5(c)に示す実線の状態のように鉄筋支持具1の一片部11をさらに押し込み曲げた後、一片部11から手を離す。すると、図5(c)に示す実線の状態のように他片部12の方に曲げられた一片部11は、図5(d)に示すようにその弾性力により戻ることにより上方へ上昇して、小係止凸部11a2,11a2では、その外側、すなわち鉄筋4とは反対側の小係止凸部11a2の先端部がスペーサー3の縦棒31の外周面に当接することになる。
【0019】
つまり、通し孔11aの周縁部では、鉄筋支持具1の弾性力によって、鉄筋4とは反対側の小係止凸部11a2の先端部と、鉄筋4の挿入によって上方に曲げられている大係止凸部11a1,11a1の両先端部との3点がスペーサー3の縦棒31の外周面に当接し、それら3点における係合力と、鉄筋支持具1の弾性力とが釣り合ったところで、一片部11の上昇が止まることになる。なお、鉄筋支持具1の他片部12でも、鉄筋支持具1の弾性力によって、通し孔12aにおける鉄筋4とは反対側の内周縁がスペーサー3の縦棒31の外周面に当接することになる。ただし、鉄筋4を挟んで支持した鉄筋支持具1は、その他片部12の通し孔12aおよび一片部11の通し孔11aにスペーサー3の縦棒31を通して取り付けているので、スペーサー3の縦棒31に対し回動可能である。
【0020】
以上のようにして、各スペーサー3の縦棒31と横棒32の4箇所の交点部の縦棒31に、鉄筋4を挟んで支持した鉄筋支持具1を順次取り付けていく。
【0021】
すると、図1の正面図や図2の平面図に示すように、鉄筋4を挟んで支持した鉄筋支持具1が各スペーサー3の縦棒31に回動可能に取り付けられると共に、各スペーサー3の横棒32の両端部もそれぞれの両側の金網2,2に対し回動可能に取り付けられるため、この法枠用型枠100は、図6の平面図に示すように両側の金網2,2がその間の各スペーサー3や鉄筋4を挟むような形、すなわち各スペーサー3に予め鉄筋4を支持させておいた状態で折り畳むことが可能になる。そのため、この法枠用型枠100は、予め鉄筋4を通した状態でも、保管や運搬が容易になる。なお、図6に示す状態は、この法枠用型枠100の折り畳む際の途中の状態を示しており、折り畳みが完了した場合には、図6に示す状態よりも金網2,2同士が近付くことになる。
【0022】
従って、この法枠用型枠100を法面に設置する場合は、以上のように組み立てた法枠用型枠100を図6に示すように折り畳み、施工現場の法面まで運ぶ。折り畳み状態の法枠用型枠100が法面に到着すると、作業者は一対の金網2,2をスペーサー3に対しほぼ垂直になるように広げるだけで、図1図2に示すように金網2,2間に鉄筋4が配設された法枠用型枠100を構築できる。
【0023】
その結果、この法枠用型枠100によれば、施工現場においてスペーサー3に鉄筋支持具1を介して鉄筋4を取り付ける現場作業が不要になり、法面等の施工現場における法枠用型枠100の組み立てに要する手間や時間を大幅に削減でき、施工現場での作業性を向上させることができる。また、鉄筋支持具1に支持される鉄筋4の呼び径をD6やD10などの細径にすれば、法枠用型枠100全体の重量も軽量になることから、法面等への運搬も容易になる。
【0024】
特に、この法枠用型枠100では、スペーサー3の縦棒31に、一片部11と他片部12によって鉄筋4を挟んだ鉄筋支持具1を通すだけで良いので、スペーサー4に対し鉄筋4を固定する際の作業性が向上する。なお、法面等の施工現場においては、法枠用型枠100をその法面の縦方向及び横方向にそれぞれ直線状に複数並べ、隣り合う法枠用型枠100の鉄筋4同士を番線等で接続し、縦方向及び横方向の法枠用型枠100が交差する部位では、四方向にそれぞれ位置する鉄筋4の端部と、別途用意する十字状の鉄筋の各端部とを番線等で接続した後に、法枠用型枠100内にコンクリート等を吹き付けることで法枠が構築される。また、法枠用型枠100については、鉄筋支持具1に支持される鉄筋4の一方側を、一対の金網2,2の長手方向のどちらか一方の端縁から突出するような長さにしておけば、前述した十字状の鉄筋を別途用意することなく、単に縦方向の鉄筋4同士、横方向の鉄筋4同士をそれぞれ法枠用型枠100内で重ね合わせて番線等で接続するだけで良くなるため、作業性がさらに向上する。
【0025】
また、この鉄筋支持具1では、その一片部11、折曲げ部13および他片部12と、スペーサー3の縦棒31とにより囲まれた空間で鉄筋4を支持するため、鉄筋4を支持する鉄筋支持具の他端が開放状態になるということは無くなり、急斜面や岩等によって凸凹している箇所が存在する法面であってもスペーサー3に取付けた鉄筋4が外れることなく確実に固定することができる。
【0026】
また、鉄筋支持具1の折曲げ部13には、複数の切欠き部13a,13bが設けられているため、鉄筋4として異形鉄筋等を用いる場合は、その外周面の節等が切欠き部13a,13bに係止して、鉄筋支持具1に対する鉄筋4の固定度が向上する。ただし、本発明では、折曲げ部13に切欠き部13a,13bを設けることは任意であり、また、切欠き部13a,13bの数は、1つでも、3つ以上でも良いし、その形状も任意である。
【0027】
なお、上記説明では、鉄筋支持具1は、法面等の施工現場に到着する前に予めその一片部11と他片部12に鉄筋4を挟んだ状態でスペーサー3の縦棒31に通して法枠用型枠100を構築するように説明したが、これに限らず、施工現場における現場事務所のヤードや法枠用型枠を設置する法面上で、鉄筋4を挟んだ状態の鉄筋支持具1をスペーサー3の縦棒31に通しても良い。
【0028】
また、上記説明では、2本の縦棒31と横棒32とを井桁状に組んで構成したスペーサー3により説明したが、本発明では、スペーサー3は井桁状のものに限らず、1本または複数本の縦棒31および横棒32を有して構成されていれば十分で、例えば、図7に示すように1本の縦棒31と2本の横棒32とにより構成しても良いし、図示はしないが3本以上の縦棒31と3本以上の横棒32とにより構成しても、さらには斜め方向や湾曲した棒線を使用して構成しても勿論良い。
【符号の説明】
【0029】
100…法枠用型枠、1…鉄筋支持具、11…一片部、11a…通し孔、11a1,11a1…大係止凸部、11a2,11a2…小係止凸部、12…他片部、12a…通し孔,13…折曲げ部、13a,13b…切欠き部、2…金網、3…スペーサー、31…縦棒、32…横棒、4…鉄筋。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7