特許第6114560号(P6114560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114560
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】光走査型内視鏡及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20170403BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   A61B1/00 300T
   G02B23/26 C
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-6902(P2013-6902)
(22)【出願日】2013年1月18日
(65)【公開番号】特開2014-136090(P2014-136090A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2015年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100169856
【弁理士】
【氏名又は名称】尾山 栄啓
(72)【発明者】
【氏名】松井 將
【審査官】 原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−321792(JP,A)
【文献】 特開2011−255015(JP,A)
【文献】 特開平05−211997(JP,A)
【文献】 特開2005−230404(JP,A)
【文献】 特開2000−060796(JP,A)
【文献】 特開2008−307293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片持ち支持された光ファイバの自由端を振動させて、該自由端から出射する照明光を被写体上で周期的に走査させる走査光学ユニットを備える光走査型内視鏡であって、
前記走査光学ユニットは、
前記光ファイバの自由端近辺に設けられ、前記光ファイバの側面を押圧して屈曲させるファイバ駆動部と、
前記ファイバ駆動部を前記光ファイバの長手方向に沿って移動させることにより、前記光ファイバの自由端を前記光ファイバの長手方向に沿って進退させるファイバ移動手段と、
前記ファイバ駆動部及び前記ファイバ移動手段の少なくともいずれか一方に電気的に接続される複数の配線パターンを有し、該複数の配線パターンを介して前記ファイバ駆動部及び前記ファイバ移動手段の少なくともいずれか一方を駆動するための駆動電力を供給する回路基板と、
を備え、
前記光走査型内視鏡は、
前記回路基板による前記駆動電力の供給を制御するための制御信号を生成する制御回路と、
前記制御信号を前記制御回路から前記回路基板に伝送する複数の電線と、該複数の電線をシールドする編組シールドとを有するシールドケーブルと、
を備え、
前記回路基板は、裏面側が前記光ファイバと対向するように前記光ファイバの長手方向と平行に配置され、表面側に前記複数の電線を前記複数の配線パターンにハンダ付けするための複数の信号用ハンダランドと、前記編組シールドをハンダ付けするための接地用ハンダランドとを有し、 前記編組シールドが、前記回路基板の表面に沿うように前記接地用ハンダランドにハンダ付けされ、その後、前記複数の電線が前記複数の信号用ハンダランドにハンダ付けされる、ことを特徴とする光走査型内視鏡。
【請求項2】
前記シールドケーブルの先端部は、シースが除去されており、露出した前記編組シールドが棒状に撚り合わされてハンダにより形状が固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の光走査型内視鏡。
【請求項3】
前記接地用ハンダランドは、前記光ファイバの長手方向に延び、前記信号用ハンダランドは、前記接地用ハンダランドを挟んで両側に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査型内視鏡。
【請求項4】
前記走査光学ユニットは、前記ファイバ駆動部、前記ファイバ移動手段及び前記回路基板を支持する略円筒状の支持部材を有し、
前記回路基板の表面が、前記支持部材の外周面に露出していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光走査型内視鏡。
【請求項5】
前記支持部材の基端部には、前記シールドケーブルを所定の位置に保持する切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光走査型内視鏡。
【請求項6】
片持ち支持された光ファイバの自由端を振動させて、該自由端から出射する照明光を被写体上で周期的に走査させる走査光学ユニットを先端に備える光走査型内視鏡の組立方法であって、
前記走査光学ユニットの駆動を制御するため制御信号用の複数の配線パターンとグラウンドパターンとが形成された回路基板を、前記走査光学ユニットの駆動を制御するための制御信号を伝送する複数の電線と、該複数の電線をシールドする編組シールドとを有するシールドケーブルの長手方向に沿って配置し、前記シールドケーブルの先端の編組シールドを前記グラウンドパターンにハンダ付けし、その後、前記シールドケーブルの先端の信号線を前記各配線パターンにハンダ付けする工程と、
前記各配線パターンにハンダ付けする工程後に、前記回路基板を、前記光ファイバの自由端近辺に設けられ、前記光ファイバの側面を押圧して屈曲させるファイバ駆動部、又は、前記ファイバ駆動部を前記光ファイバの長手方向に沿って移動させることにより、前記光ファイバの自由端を前記光ファイバの長手方向に沿って進退させるファイバ移動手段に電気的に接続する工程と、
前記回路基板を前記ファイバ駆動部又はファイバ移動手段に電気的に接続する工程後に、前記シールドケーブルが接続された前記回路基板を前記走査光学ユニットの支持部材内に収容する工程と、
前記回路基板を前記走査光学ユニットの支持部材内に収容する工程後に、前記シールドケーブルを前記支持部材に対して接着し固定する工程と、
を含むことを特徴とする光走査型内視鏡の組立方法。
【請求項7】
前記編組シールドを前記グラウンドパターンにハンダ付けする工程は、
前記シールドケーブルの先端部のシースを除去して前記編組シールドを露出させる工程と、
前記編組シールドを解いて前記編組シールド内に収容された前記信号線を露出させる工程と、
前記編組シールドを棒状に撚り合わせる工程と、
棒状に撚り合わされた前記編組シールドを加熱してハンダを染み込ませる工程と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の光走査型内視鏡の組立方法。
【請求項8】
前記シールドケーブルの先端の信号線を前記配線パターンにハンダ付けする工程の後、該ハンダ付けした部分にシール材を塗布する工程と、
を更に含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の光走査型内視鏡の組立方法。
【請求項9】
前記グラウンドパターンは、前記回路基板の略中央部を前記シールドケーブルの長手方向に延びるように形成されており、前記複数の配線パターンは、前記グラウンドパターンを挟んだ両側に形成されていることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の光走査型内視鏡の組立方法。
【請求項10】
前記回路基板を前記ファイバ駆動部又はファイバ移動手段に電気的に接続する工程の前に、前記ファイバ駆動部又はファイバ移動手段に前記回路基板を取り付ける工程を更に含み、
前記回路基板を前記走査光学ユニットの支持部材内に収容する工程において、前記回路基板が取り付けられた前記ファイバ駆動部又はファイバ移動手段が前記支持部材内に収容される、ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の光走査型内視鏡の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片持ち支持された光ファイバの自由端を振動させて、この自由端から出射する照明光を被写体上で周期的に走査させる走査光学ユニットを備えた光走査型内視鏡及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医師が患者の体内を観察するときに使用する装置として電子内視鏡が知られている。従来の一般的な電子内視鏡の撮像素子には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などが用いられているが、内視鏡の更なる細径化を可能にする撮像装置として特許文献1に開示される次世代の光走査装置が提案されている。以下、この光走査装置を先端部に備えた内視鏡を光走査型内視鏡と称する。
【0003】
電子内視鏡や光走査型内視鏡等、先端部に撮像装置を備えた内視鏡は、例えば撮像装置を駆動するための複数のワイヤ(信号線や電力線)を束ねて編組シールドで覆ったシールドケーブルを備えている。このような内視鏡の先端部には、撮像装置を駆動するための回路基板が配置されており、シールドケーブルの一端は回路基板に接続される。
【0004】
従来の電子内視鏡では、特許文献2に開示されているように、シールドケーブルのシースと編組シールドが先端部の手前で剥ぎ取られ、ワイヤのみが回路基板に接続される構成が一般に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6294775号明細書
【特許文献2】特開2000−121959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光走査型内視鏡では、挿入部を細径化するために、導体径が数10μmという極めて細いワイヤが使用されている。そのため、シールドケーブルのワイヤのみを回路基板に接続する構成では、回路基板の重量程度のわずかな力でもワイヤが破断してしまうため、組立作業中にワイヤの破断が発生しやすいという問題があった。また、組立作業中に、ワイヤに力が加わらないように、シールドケーブルと回路基板とを所定の位置関係で保持するための治具を使用する必要があるため、作業効率が低くなるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、片持ち支持された光ファイバの自由端を振動させて、該自由端から出射する照明光を被写体上で周期的に走査させる走査光学ユニットを備える光走査型内視鏡であって、走査光学ユニットは、光ファイバの自由端近辺に設けられ、光ファイバの側面を押圧して屈曲させるファイバ駆動部と、ファイバ駆動部を光ファイバの長手方向に沿って移動させることにより、光ファイバの自由端を光ファイバの長手方向に沿って進退させるファイバ移動手段と、ファイバ駆動部及びファイバ移動手段の少なくともいずれか一方に電気的に接続される複数の配線パターンを有し、該複数の配線パターンを介してファイバ駆動部及びファイバ移動手段の少なくともいずれか一方を駆動するための駆動電力を供給する回路基板と、を備え、光走査型内視鏡は、回路基板による駆動電力の供給を制御するための制御信号を生成する制御回路と、制御信号を制御回路から回路基板に伝送する複数の電線と、該複数の電線をシールドする編組シールドとを有するシールドケーブルと、を備え、回路基板は、裏面側が光ファイバと対向するように光ファイバの長手方向と平行に配置され、表面側に複数の電線を複数の配線パターンにハンダ付けするための複数の信号用ハンダランドと、編組シールドをハンダ付けするための接地用ハンダランドとを有し、編組シールドが、回路基板の表面に沿うように接地用ハンダランドにハンダ付けされ、その後、複数の電線が複数の信号用ハンダランドにハンダ付けされる、ことを特徴とする光走査型内視鏡が提供される。
【0008】
この構成によれば、剛性の高い編組シールドが回路基板にハンダ付けされるため、シールドケーブルと回路基板との位置関係が安定化し、細径のワイヤを回路基板に接続しても、ワイヤの断線が生じ難くなる。
【0009】
また、上記の光走査型内視鏡において、シールドケーブルの先端部は、シースが除去されており、露出した編組シールドが棒状に撚り合わされてハンダにより形状が固定されている構成としてもよい。
【0010】
この構成によれば、編組シールドの剛性が格段に向上するため、シールドケーブルと回路基板との位置関係がより安定化して、ワイヤの断線が更に生じ難くなる。
【0011】
また、上記の光走査型内視鏡において、接地用ハンダランドは、光ファイバの長手方向に延び、信号用ハンダランドは、接地用ハンダランドを挟んで両側に配置されている構成としてもよい。
【0012】
この構成によれば、編組シールドの遮蔽効果により、編組シールドを挟んで互いに反対側に配置された制御信号用のワイヤ間での信号の干渉が軽減する。また、嵩高い編組シールドが回路基板の中央部に配置されるため、回路基板を円筒状の保護カバー内に収容した場合に、回路基板から保護カバーの内壁面までの高さが回路基板の中央部において最も高くなるため、編組シールドと保護カバーとが干渉しにくくなり、保護カバーの小型化(細径化)に有利となる。
【0013】
また、上記の光走査型内視鏡において、走査光学ユニットは、ファイバ駆動部、ファイバ移動手段及び回路基板を支持する略円筒状の支持部材を有し、回路基板の表面が、支持部材の外周面に露出している構成としてもよい。
【0014】
また、上記の構成において、支持部材の基端部には、シールドケーブルを所定の位置に保持する切り欠き部が形成されている構成としてもよい。
【0015】
この構成によれば、シールドケーブルが所定の位置に保持されるため、シールドケーブルと回路基板との位置関係がより安定化し、ワイヤの断線が更に生じ難くなる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、片持ち支持された光ファイバの自由端を振動させて、該自由端から出射する照明光を被写体上で周期的に走査させる走査光学ユニットを先端に備える光走査型内視鏡の組立方法であって、走査光学ユニットの駆動を制御するため制御信号用の複数の配線パターンとグラウンドパターンとが形成された回路基板を、走査光学ユニットの駆動を制御するための制御信号を伝送する複数の電線と、該複数の電線をシールドする編組シールドとを有するシールドケーブルの長手方向に沿って配置し、シールドケーブルの先端の編組シールドをグラウンドパターンにハンダ付けし、その後、シールドケーブルの先端の信号線を各配線パターンにハンダ付けする工程と、シールドケーブルが接続された回路基板を走査光学ユニットの支持部材内に収容する工程と、回路基板を、光ファイバの自由端近辺に設けられ、光ファイバの側面を押圧して屈曲させるファイバ駆動部、又は、ファイバ駆動部を光ファイバの長手方向に沿って移動させることにより、光ファイバの自由端を光ファイバの長手方向に沿って進退させるファイバ移動手段に電気的に接続する工程と、シールドケーブルを支持部材に対して接着し固定する工程と、を含むことを特徴とする光走査型内視鏡の組立方法が提供される。
【0017】
また、上記の組立方法において、編組シールドをグラウンドパターンにハンダ付けする工程は、シールドケーブルの先端部のシースを除去して編組シールドを露出させる工程と、編組シールドを解いて編組シールド内に収容された信号線を露出させる工程と、編組シールドを棒状に撚り合わせる工程と、棒状に撚り合わされた編組シールドを加熱してハンダを染み込ませる工程と、を更に含む構成としてもよい。
【0018】
また、上記の構成において、シールドケーブルの先端の信号線を配線パターンにハンダ付けする工程の後、ハンダ付けした部分にシール材を塗布する工程を更に含む構成としてもよい。
【0019】
この構成によれば、ハンダ付け部の劣化が抑えられ、信頼性が向上する。
【0020】
また、上記の構成において、グラウンドパターンは、回路基板の略中央部をシールドケーブルの長手方向に延びるように形成されており、複数の配線パターンは、グラウンドパターンを挟んだ両側に形成されている構成としてもよい。
【0021】
また、上記の構成において、回路基板をファイバ駆動部又はファイバ移動手段に電気的に接続する工程の前に、ファイバ駆動部又はファイバ移動手段に回路基板を取り付ける工程を更に含み、回路基板を走査光学ユニットの支持部材内に収容する工程において、回路基板が取り付けられたファイバ駆動部又はファイバ移動手段が支持部材内に収容される構成としてもよい。
【0022】
この構成によれば、ファイバ駆動部又はファイバ移動手段と回路基板との配線接続作業が容易になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態の構成によれば、光走査型内視鏡の組立中にワイヤが断線しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る走査型共焦点内視鏡装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る共焦点走査光学ユニットの概略構成を示す透視側面図である。
図3】Z軸駆動回路とシールドケーブルとの接続部の概略構造を示す透視図である。
図4】組立後の共焦点走査光学ユニットを回路基板の基端付近で切断した横断面図である。
図5】共焦点走査光学ユニットにシールドケーブルを接続する手順を説明する図である。
図6】本発明の別の実施形態である共焦点観察系一体型電子内視鏡の先端部の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る走査型共焦点内視鏡装置1の概略構成を示すブロック図である。走査型共焦点内視鏡装置1は、共焦点顕微鏡の原理を応用して設計された、被写体を高倍率かつ高解像度で観察可能な医療用観察システムである。また、走査型共焦点内視鏡装置1は、特定のがん組織に特有の物質と選択的に結合する蛍光色素を予め観察部位に散布し、蛍光色素の励起光を観察野に照射して、がん組織に結合した蛍光色素から放射される蛍光を用いてがん組織を観察する蛍光内視鏡検査法(色素法)を行うように構成されている。
【0027】
図1に示すように、走査型共焦点内視鏡装置1は、プロセッサ100、共焦点プローブ200及びモニタ300を備えている。
【0028】
共焦点プローブ200は、プロセッサ100に接続される接続部(制御ボックス)200aと、図示しない電子内視鏡の処置具挿通チャンネルを介して患者の体内(例えば消化管内)に挿入される可撓性を有する細長いケーブル状の挿入部200bから構成される。挿入部200bは、その先端に設けられた共焦点走査光学ユニット220と、共焦点走査光学ユニット220と接続部200aとを連結するケーブル部210から構成される。走査型共焦点内視鏡装置1を用いた内視鏡観察は、共焦点プローブ200の挿入部200bの先端面を被写体(例えば消化管の内壁面)に押し付けた状態で行われる。
【0029】
本実施形態の共焦点プローブ200は、電子内視鏡の処置具挿通チャンネルに通して観察野にアクセスできるよう、挿入部200bの直径が約2mm(シース内径は約1.4mm)の細径に形成されている。また、ケーブル部210には、SMF(シングルモード光ファイバ)211及びシールドケーブル212a、212bが収容されている。
【0030】
接続部200aは、CPU202、メモリ204及び走査制御回路206(信号生成回路)を備えている。プロセッサ100と共焦点プローブ200の接続部200aとは、光コネクタ152及び電気コネクタ154により、それぞれ光学的及び電気的に接続されている。
【0031】
CPU202は、プロセッサ100の制御下で、共焦点プローブ200の各部を統合的に制御する。メモリ204は、共焦点プローブ200の識別情報や各種特性に関する情報(プロパティ)を含むプローブ情報を格納している。メモリ204に格納されたプローブ情報は、システム起動時にCPU202によって読み出されて、プロセッサ100に送信される。
【0032】
走査制御回路206は、共焦点走査光学ユニット220に設けられた後述するXY軸アクチュエータ223及びZ軸アクチュエータ227の駆動を制御する。走査制御回路206が出力するXY軸アクチュエータ223用の制御信号はシールドケーブル212bにより、Z軸アクチュエータ227用の制御信号はシールドケーブル212aにより、それぞれ伝送される。
【0033】
プロセッサ100は、CPU102、メモリ104、光源106、光検出器108、光カプラ110、映像信号処理回路112及び画像メモリ114を備えている。CPU102は、プロセッサ100の各部及び共焦点プローブ200を統合的に制御する。また、メモリ104は、CPU102が実行する各種プログラムを格納している。
【0034】
光源106は、観察部位に散布される蛍光色素の励起光である青色の光を発生する半導体レーザ光源である。光源106から出射した励起光は、SMF110aを介して、光カプラ110の分岐ポート(後述)の一方に入力される。
【0035】
光カプラ110は、1つの共通ポートと2つの分岐ポートを有する1×2分岐の光カプラである。分岐ポートの一方はSMF110aを介して光源106に接続され、他方はSMF110bを介して光検出器108に接続されている。また、光カプラ110の共通ポートは、SMF110cを介して、共焦点プローブ200のSMF211に接続されている。光源106から出力された励起光は、分岐ポートの一方から光カプラ110に入力され、共通ポートから出力される。光カプラ110の共通ポートから出力された励起光は、共通ポートに接続されたSMF110cを介して、光コネクタ152によりSMF110cに接続された共焦点プローブ200のSMF211に結合する。
【0036】
後述(図2)のように、共焦点プローブ200のSMF211の先端部211aは、共焦点走査光学ユニット220内に収容されている。SMF211を伝搬した励起光は、先端部211aから出射して、被写体に照射される。被写体の組織に結合した蛍光色素は、励起光を吸収して励起し、蛍光を放射する。蛍光色素から放射された蛍光の一部(観察光)は、共焦点走査光学ユニット220内のSMF211の先端部211aに入射し、照射時の励起光の進行方向と逆向きにSMF211及びSMF110cを伝搬して、共通ポートから光カプラ110に入力される。光カプラ110により2分岐された観察光の一方が光検出器108に入力される。光検出器108により検出された観察光の強度に基づいて、後段の映像信号処理回路112が蛍光観察像を形成し、ビデオ信号としてモニタ300に出力する。
【0037】
次に、共焦点プローブ200の挿入部200bの先端に設けられた共焦点走査光学ユニット220の詳細を説明する。図2は、共焦点走査光学ユニット220の概略構成を示す透視側面図である。以下の共焦点走査光学ユニット220の説明において、共焦点走査光学ユニット220の長手方向(SMF211の先端部211aの長手方向)をZ方向とし、Z方向に直交しかつ互いに直交する二方向をX方向及びY方向とする。また、共焦点走査光学ユニット220の長手方向(Z軸方向)における、ケーブル部210に接続された一端(図2における右端)を基端と称し、他端(図2における左端)を先端と称する。
【0038】
図2に示すように、共焦点走査光学ユニット220は、ハウジング221、可動フレーム222、XY軸アクチュエータ(ファイバ駆動部)223、対物光学系224、固定フレーム(支持部材)226、Z軸アクチュエータ227(ファイバ移動手段)、Z軸位置センサ228、及び共焦点走査光学ユニット220全体を覆う円筒状のカバー229(図4図5のみに示す)を備えている。
【0039】
ハウジング221は、共焦点走査光学ユニット220を構成する各部を収容するケースであり、略円筒状の金属部材である外筒221a及び内筒221bを備えている。内筒221bは、外筒221a内に同軸に略隙間無く収容されており、外筒221aの内周面によりガイドされて、外筒221a内をZ軸方向へスライド可能に構成されている。また、外筒221aの先端側の開口は、透明な窓221cによって塞がれている。
【0040】
内筒221bの先端部には、図示省略する複数のレンズから構成される対物光学系224が保持されている。また、内筒221bの内側には、可動フレーム222及びXY軸アクチュエータ223が取り付けられている。
【0041】
XY軸アクチュエータ223は、SMF211の先端部211aをX軸及びY軸方向に揺動(共振)させて、SMF211の先端から出射する励起光を周期的に走査する。XY軸アクチュエータ223は、略円柱形状の圧電素子から形成された本体223aと、本体223aに駆動電圧(X軸駆動電圧、Y軸駆動電圧)を供給する走査駆動回路223bを備えている。本体223aは、内筒221b内に同軸に保持されている。本体223aの中心軸上には、SMF211の外径と略同じ径の貫通穴(不図示)が形成されている。この貫通穴には、基端側からSMF211が挿し込まれて接着固定されている。SMF211の先端部211aは、本体223aの先端から所定の長さ突出し、本体223aにより片持ち支持されている。すなわち、SMF211の先端は自由端となっている。
【0042】
XY軸アクチュエータ223の本体223aの周面には、図示しない2対の電極対(X軸駆動用電極対、Y軸駆動用電極対)が設けられている。XY軸アクチュエータ223のX軸駆動用電極対(Y軸駆動用電極対)にX軸駆動電圧(Y軸駆動電圧)を印加すると、逆圧電効果により、XY軸アクチュエータ223の本体223aはX軸方向(Y軸方向)に湾曲する。このXY軸アクチュエータ223の湾曲駆動により、本体223aの貫通穴に挿し込まれたSMF211の側面がその長手方向と直交する方向に押圧されて変位することにより、本体223aに片持ち支持されたSMF211の先端部211aがX軸及びY軸方向に揺動(屈曲)する。
【0043】
SMF211の先端部211aから出射した励起光は、対物光学系224によって集光され、窓221cを通過した後、共焦点走査光学ユニット220の外部でスポット(ビームウエスト)を形成する。励起光のスポットは窓221cの直近に形成されるため、被写体に共焦点プローブ200の先端を押し当てると、被写体の表層部に励起光のスポットが照射される。なお、SMF211に結合した励起光は直径数μmのコアに閉じ込められており、励起光が出射するSMF211のコアの先端は共焦点光学系の点光源(光源側ピンホール)として機能する。
【0044】
XY軸アクチュエータ223の走査駆動回路223bは、走査制御回路206からの制御信号に基づいてX軸駆動電圧及びY軸駆動電圧を生成する。X軸駆動電圧及びY軸駆動電圧は、モニタ300に出力されるビデオ信号のフレームレートに同期した交流電圧である。X軸駆動電圧及びY軸駆動電圧をXY軸アクチュエータ223の本体223aに印加することにより、SMF211の先端部211a(そして、先端部211aから放射された励起光のスポット)がZ軸に垂直なXY平面上で所定の軌跡を描いて走査されるようにXY軸アクチュエータ223が駆動される。なお、厳密には、SMF211の先端(励起光のスポット)は曲面上に走査軌跡を描くが、SMF211の先端部211aの長さに対して走査幅が十分に小さいため、SMF211の先端(励起光のスポット)がZ軸と垂直なXY平面上を走査するものと近似することができる。
【0045】
X軸駆動電圧及びY軸駆動電圧の波形を変更することにより、スポットの走査軌跡を様々に変えることができる。二次元走査方式としては、例えば、中心軸AXを中心とした螺旋軌道を走査するスパイラル走査、走査範囲の水平方向を往復走査するラスタスキャン方式、走査範囲を正弦波的に走査するリサージュスキャン方式など、種々の走査方式を採用することができる。
【0046】
内筒221bの内側に取り付けられた可動フレーム222は、Z軸方向に延びる中空部を有する略円筒状の部材であり、内筒221bと同軸に保持されている。可動フレーム222の中空部にはSMF211が通されている。可動フレーム222の基端部は内筒221bの基端側の開口から突出しており、その外周面には略円筒状の磁石228bが取り付けられている。
【0047】
また、内筒221bが外筒221a内をZ軸方向へスライドすると、内筒221bに取り付けられた可動フレーム222、XY軸アクチュエータ223、対物光学系224、及びXY軸アクチュエータ223の本体223aに固定されたSMF211の先端部211aは、内筒221bと共にZ軸方向へ移動するように構成されている。
【0048】
固定フレーム226及びZ軸アクチュエータ227は、外筒221aの基端側の内部に収容されている。固定フレーム226は、Z軸方向に延びる中空部を有する略円筒状の部材である。また、固定フレーム226には、Y軸方向に貫通する矩形断面の開口226a(図3)が形成されており、この開口226aにZ軸アクチュエータ227の略直方体状の筐体227aが収容され、固定フレーム226に固定されている。
【0049】
固定フレーム226の先端側の中空部には可動フレーム222の基端側の部分とコイルスプリング222aが収容されており、可動フレーム222の基端側の部分がコイルスプリング222a内に挿し込まれている。コイルスプリング222aは、固定フレーム226の内周面に形成された段差部226fと、可動フレーム222の基端部の外周面に取り付けられた磁石228bとの間で挟まれており、コイルスプリング222aの弾性力によって磁石228bを介して可動フレーム222を基端側(Z軸負方向)に付勢している。
【0050】
また、固定フレーム226の段差部226f(コイルスプリング222a)付近の外周面には、ホール素子228aが設けられている。ホール素子228aと磁石228bにより、Z軸アクチュエータ227の駆動軸227bの位置を検出するZ軸位置センサ228が構成されている。
【0051】
Z軸アクチュエータ227の筐体227aの先端面からは、Z軸方向に進退する略円筒状の駆動軸227bが突出している。駆動軸227bの外径は可動フレーム222の内径よりも大きく、また、上述のように可動フレーム222がコイルスプリング222aによって基端側に押されている。そのため、Z軸アクチュエータ227の駆動軸227bの先端は、可動フレーム222の基端面に当接している。また、駆動軸227bがZ軸方向に進退すると、可動フレーム222、並びに、可動フレーム222に対して固定された内筒221b、XY軸アクチュエータ223、対物光学系224及びSMF211の先端部211aが、駆動軸227bと共に、外筒221a内をZ軸方向に進退する。これにより、窓221cから励起光のスポットまでの距離(すなわち、窓221cが押し当てられた被写体の表面から励起光のスポットまでの深さ)が変化するため、Z軸アクチュエータ227の駆動により共焦点走査光学ユニット220の走査面(すなわち観察面)の深度を調整することができる。
【0052】
走査制御回路206は、Z軸位置センサ228が検出したZ軸アクチュエータ227の駆動軸227bの位置がCPU202から指定された設定値となるように、Z軸アクチュエータ227の駆動制御を行い、制御信号をシールドケーブル212aによりZ軸駆動回路が実装された回路基板230に送信する。Z軸駆動回路は、走査制御回路206からの制御信号に基づいて駆動電力を生成してZ軸アクチュエータ227に供給する。これにより、共焦点走査光学ユニット220の観察深度が調整される。
【0053】
また、Z軸アクチュエータ227(筐体227a及び駆動軸227b)にも、Z軸方向に延びる貫通穴(不図示)が形成されており、固定フレーム226の中空部とつながっている。SMF211は、基端側から順に、固定フレーム226、Z軸アクチュエータ227、可動フレーム222及びXY軸アクチュエータ223の各中空部(又は貫通穴)を貫通している。
【0054】
固定フレーム226の外周面は、基端部を残して、Z軸方向に平行で、かつ互いに平行な2つの平面でDカットされており、2つのDカット面(以下、「上面」及び「下面」という。)が形成されている。そのため、残された固定フレーム226の基端部には、上面及び下面に形成された平面から突出した壁部226b、226dが形成されている。
【0055】
また、固定フレーム226の上面と下面の間隔は、Z軸アクチュエータ227の上面と下面(Y軸に垂直な二面)の間隔と同じ大きさになっている。そして、Z軸アクチュエータ227は、筐体227aが固定フレーム226の上面及び下面から突出しないように、固定フレーム226の開口226a内に収容されている。また、筐体227aは、固定フレーム226に一体に固定されており、後述のように、固定フレーム226(後述の回路基板230を支持する支持部材)の一部として機能する。
【0056】
共焦点走査光学ユニット220の基端部には、シールドケーブル212a、212bが接続されている。図3は、共焦点走査光学ユニット220とシールドケーブル212aとの接続部の概略構造を示す透視斜視図であり、筐体227aの上面側から見たときの図である。図3に示すように、壁部226bのX軸方向中央には、V字状の切り欠き226cが形成されている。シールドケーブル212aの一端部は、切り欠き226cにより共焦点走査光学ユニット220のX軸方向中央に位置決めされ、支持されている。また、切り欠き226cにおいて、シールドケーブル212aのシースが固定フレーム226に接着剤226eにより固定されている。
【0057】
シールドケーブル212aは、複数のワイヤ212w(図3には5本のみを示す)を撚り合わせたものを編組シールド212sで覆い、更にシースで被覆したものである。シールドケーブル212aは、共焦点走査光学ユニット220内(接着固定部より先端側)で、シースが取り除かれ、編組シールド212sが解かれて、ワイヤ212wが露出している。また、一旦解かれた編組シールド212sは、棒状に撚り合わされた後、加熱されて、ハンダが染み込まされている。ハンダにより編組シールド212sの可撓性が失われ、形状が固定される。
【0058】
Z軸アクチュエータ227の筐体227aの上面(Y軸正方向側の側面)には、Z軸駆動回路が実装された回路基板230が取り付けられている。回路基板230には複数の配線パターンが設けられており、その表面(筐体227aに貼り付けられた裏面とは反対側の面)にはハンダランド230p、230q及び230rが設けられている。Z軸方向に細長く形成されたハンダランド(グラウンドパターン)230pは、回路基板230の基端側における幅方向(X軸方向)中央に1つのみ形成されている。複数の円形のハンダランド230q(図3には5つのみを示す)は、ハンダランド230pを挟んだ両側に、ハンダランド230pに沿って配置されている。また、複数の円形のハンダランド230r(図3には3つのみを示す)は、回路基板230の先端側の縁に沿って配置されている。ハンダランド230pには、棒状に撚り合わされた編組シールド212sがハンダで接続されている。また、複数のハンダランド230qには、シールドケーブル212aの複数のワイヤ212wがそれぞれハンダで接続されている。また、複数のハンダランド230rには、Z軸アクチュエータ227から引き出された複数のワイヤ227w(図3には3本のみを示す)が、それぞれハンダで接続されている。また、各ハンダ接続部にはシール材230sが塗布され、封止されている。なお、共焦点走査光学ユニット220の組立に使用される接着剤をシール材230sとして使用してもよい。
【0059】
図4は、組立後の共焦点走査光学ユニット220を、回路基板230の基端付近で切断した横断面図である。図4に示すように、回路基板230の幅方向(X軸方向)中央において、回路基板230の上面とカバー229との間の空間が最も広いため、この位置に最も径が太い編組シールド212sを配置している。これにより、編組シールド212sがカバー229に干渉しにくくなるため、カバー229の内径を小さくして、共焦点走査光学ユニット220をより細径化することが可能になっている。
【0060】
また、上記のように、編組シールド212sを接続するための細長いハンダランド230pをシールドケーブル212aの中心軸に沿って配置することにより、撚り合わせた編組シールド212sを曲げずに真っ直ぐ伸ばした状態で回路基板230に固定されるため、固定後の編組シールド212sに大きな残留応力が残らず、ハンダ剥がれの発生が防止され、ハンダ接続部の信頼性が向上している。
【0061】
また、従来のように、シールドケーブルの先端部のシースと編組シールドを剥がしてから、ワイヤのみを内視鏡の先端部に接続するのではなく、上記のように、完全なケーブル構造を有する部分(編組シールド212s及びシースによって被覆された剛性の高い部分)を固定フレーム226の切り欠き226cによって支持する構成により、シールドケーブル212aに強い力が加わっても、剥き出しになった細いワイヤ212wにまでは力が伝わらず、ワイヤ212wの断線が防止されている。
【0062】
壁部226dにも、壁部226bと同様にV字状の切り欠き(不図示)が形成されており、切り欠きによりシールドケーブル212bが所定の位置に保持されている。また、シールドケーブル212bのワイヤはFPC(Flexible printed circuits)212fの一端に設けられたハンダランド(不図示)にハンダ付けされている。FPC212fの他端は、走査駆動回路223bに接続されている。
【0063】
次に、共焦点走査光学ユニット220の組立手順の一部(具体的には、共焦点走査光学ユニット220にシールドケーブル212aを接続する手順)について、図5を参照しながら説明する。
【0064】
まず、図5(a)に示すように、シールドケーブル212aの先端部から所定の長さシースを剥ぎ取り、編組シールド212sを解いてワイヤ212wを露出させ、更に編組シールド212sを棒状に撚り合わせる。次に、棒状に撚り合わされた編組シールド212sを加熱して、ハンダを染み込ませて形状を固定する。そして、棒状の編組シールド212sを、回路基板230のハンダランド230pに添わせて、ハンダ付けする。
【0065】
次に、図5(b)に示すように、シールドケーブル212aの複数のワイヤ212wを、それぞれ対応するハンダランド230qにハンダ付けする。
【0066】
次に、図5(c)に示すように、回路基板230をZ軸アクチュエータ227の筐体227aの上面に固定し、Z軸アクチュエータ227から引き出された複数のワイヤ227wを、それぞれ対応するハンダランド230rにハンダで固定する。
【0067】
次に、図5(d)に示すように、ハンダ接続部にシール材230sを塗布する。
【0068】
次に、図5(e)に示すように、一体化したZ軸アクチュエータ227、回路基板230及びシールドケーブル212aを固定フレーム226に取り付ける。このとき、固定フレーム226の切り欠き226cによりシールドケーブル212aを支持させる。
【0069】
次に、図5(f)に示すように、切り欠き226cに接着剤226eを塗布して、シールドケーブル212aを固定フレーム226に固定する。
【0070】
そして、図5(g)に示すように、組み上げた共焦点走査光学ユニット220を円筒状のカバー229内に収容して固定することで、共焦点走査光学ユニット220の組立が完成する。
【0071】
上記のように、剛性の高い編組シールド212sを先に回路基板230に固定することにより、シールドケーブル212aと回路基板230との位置関係が安定化するため、極細線のワイヤ212wを回路基板230に取り付ける際に、不意にシールドケーブル212aと回路基板230との位置関係が変化して、ワイヤ212wに過剰な応力が加わって断線してしまうリスクが大幅に減少する。
【0072】
以上が本発明の実施形態の説明であるが、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0073】
例えば、本実施形態の共焦点プローブ200は、内視鏡とは別体のプローブとして構成されているが、別の実施形態では、例えば図6に示すように、共焦点観察系200’を内視鏡(例えば、図示しないライトガイドとCCD等の撮像素子410を備えた電子内視鏡)に一体に組み込んだ共焦点観察系一体型電子内視鏡400とすることもできる。
【0074】
上記の実施形態は、本発明を走査型共焦点内視鏡に適用した一例であるが、本発明はこの構成に限定されず、非共焦点型の光走査型内視鏡装置に適用することもできる。また、内視鏡装置に限らず、内視鏡用の各種処置具(例えば電気メス)やカテーテルにも適用することができる。更に、本発明は医療用機器に限定されず、工業用、民生用の様々な機器に適用することができる。
【0075】
1 走査型共焦点内視鏡装置
100 プロセッサ
200 共焦点プローブ
206 走査制御回路
210 ケーブル部
212a、212b シールドケーブル
212s 編組シールド
212w ワイヤ
220 共焦点走査光学ユニット
221 ハウジング
222 可動フレーム
223 XY軸アクチュエータ
226 固定フレーム
227 Z軸アクチュエータ
227w ワイヤ
230 回路基板
230p、230q、230r ハンダランド
300 モニタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6