(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の歪測定手段は、前記第1のアームの外側面に配設された第1の歪ゲージ及び第2の歪ゲージと、前記第1のアームの内側面に配設され、前記第1の歪ゲージ及び第2の歪ゲージと共に第1のホイートストンブリッジを構成する第3の歪ゲージ及び第4の歪ゲージとにより構成され、
前記第2の歪測定手段は、前記第2のアームの外側面に配設された第5の歪ゲージ及び第6の歪ゲージと、前記第2のアームの内側面に配設され、前記第5の歪ゲージ及び第6の歪ゲージと共に第2のホイートストンブリッジを構成する第7の歪ゲージ及び第8の歪ゲージとにより構成されることを特徴とする請求項1記載の動作検出センサ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0013】
図1乃至
図3は、本発明の一実施形態である動作検出センサを示している。
図1は動作検出センサ10を指Aに装着した状態の正面図(被覆部材17のみ断面で示す)、
図2は動作検出センサ10を指Aに装着した状態の側面図、
図3は動作検出センサ10の斜視図である(
図2及び
図3では、被覆部材17の図示は省略している)。
【0014】
本実施形態に係る動作検出センサ10は、
図1及び
図2に示すように人(被験者)の指Aを被検査体とし、この被検査体である指Aの動作を検出する機能を奏するものである。この動作検出センサ10は、ベース部11、第1のアーム部12、第2のアーム部13、第1の歪測定部14(第1の歪測定手段に相当する)、第2の歪測定部15(第2の歪測定手段に相当する)、加速度センサ16、及び被覆部材17等を有した構成とされている。
【0015】
基部となるベース部11、第1のアーム部12、及び第2のアーム部13は、いずれも金属よりなる板状の部材で構成されている。本実施形態では、ベース部11と第1及び第2のアーム12,13を一体形成している。しかしながら、ベース部11と第1及び第2のアーム12,13を、異なる金属材料により構成してもよい。
【0016】
この場合には、ベース部11をアルミニウム板により構成し、第1及び第2のアーム部12,13をベース部11よりも弾性変形し易いバネ性を有する材料により構成することが望ましい。また、ベース部11と第1及び第2のアーム部12,13との接合方法は特に限定されるものではなく、例えば溶接により接合したり、またネジ等の固定部材を用いて接合したりする方法を用いることができる。
【0017】
第1のアーム部12は、ベース部11の一側縁部(図中矢印X1方向の側縁部)から指Aの一側部に向けて下方(図中矢印Z1方向)に延出した構成とされている。また第2のアーム部13は、ベース部11の他側縁部(図中矢印X2方向の側縁部)から指Aの他側部に向けて下方(図中矢印Z1方向)に延出した構成とされている。
【0018】
即ち、第1及び第2のアーム部12,13は、一端がベース部11に固定されると共に他端部が自由端とされた片持ち梁状とされている。よって、第1及び第2のアーム12,13の自由端側は、ベース部11に対して
図1に矢印B1,B2で示す方向に弾性変形可能な構成とされている。
【0019】
また、第1のアーム部12の中央位置には開口部18が形成され、また第2のアーム部13の中央位置にも開口部19が形成されている。これにより、第1のアーム部12は開口部18を中心としてアーム半体12aとアーム半体12bに画成され、同様に第2のアーム部13も開口部19を中心としてアーム半体13aとアーム半体13bに画成される。
【0020】
このように、各アーム部12,13の中央に開口部18,19を形成することにより、各アーム部12,13の矢印B1,B2方向への弾性変形は行われるが、捩じり方向への変形が抑制される。これにより、後述する動作検出において、捩じり方向への変形が誤差として混入することを防止でき、検出精度の向上を図ることができる。
【0021】
加速度センサ16は、ベース部11の上部に配設されている。この加速度センサ16は、指Aが動作した際、この指Aの加速度を検出する。この加速度センサ16としては、例えば3軸加速度センサを用いることができる。また、被覆部材17は樹脂材であり、ベース部11の上部に加速度センサ16を被覆するよう形成されている。
【0022】
次に、第1の歪測定部14及び第2の歪測定部15について説明する。
【0023】
第1の歪測定部14は第1〜第4の歪ゲージ14a,14b,14c,14dにより構成されており、第2の歪測定部15は第1〜第4の歪ゲージ15a,15b,15c,15d(第1〜第4の歪ゲージ15a,15b,15c,15dは、請求項に記載の第5〜第8の歪ゲージに相当する)により構成されている。
【0024】
各歪ゲージ14a〜14d,15a〜15dは、同一構成とされている。このため、歪ゲージ14aを
図4に拡大して示し、これについて説明する。歪ゲージ14aは、フィルム状のベース材32に所定のパターン(例えば、ミアンダ状パターン)で抵抗体31が形成された構成とされている。また、抵抗体31の両端部には配線33が接続されている。
【0025】
抵抗体31は、変形することにより電気抵抗を変化する特性を有している。よって、配線33から出力される抵抗体31の抵抗変化を電圧変化として測定することにより、歪を測定することが可能となる。
【0026】
ここで、主に
図3を用いて第1及び第2の歪測定部14,15を構成する各歪ゲージ14a〜14d,15a〜15dの配設位置について説明する。
【0027】
第1の歪測定部14は、第1のアーム部12に配設されている。第1の歪測定部14を構成する第1の歪ゲージ14aは、第1のアーム部12を構成するアーム半体12aの外側面に配設されている。また、第2の歪ゲージ14bは、第1のアーム部12を構成するアーム半体12bの外側面に配設されている。
【0028】
また、第3の歪ゲージ14cは、アーム半体12aの内側面(指Aと対向する側の面)に配設されている。更に、第4の歪ゲージ14dは、アーム半体12bの内側面(指Aと対向する側の面)に配設されている。
【0029】
また、第1の歪ゲージ14aと第3の歪ゲージ14cは、アーム半体12aを介して対向するよう配設されている。同様に、第2の歪ゲージ14bと第4の歪ゲージ14dは、アーム半体12bを介して対向するよう配設されている。
【0030】
第2の歪測定部15は、第2のアーム部13に配設されている。第2の歪測定部15を構成する第1の歪ゲージ15aは、第2のアーム部13を構成するアーム半体13aの外側面に配設されている。また、第2の歪ゲージ15bは、第2のアーム部13を構成するアーム半体13bの外側面に配設されている。
【0031】
また、第3の歪ゲージ15cは、アーム半体13aの内側面(指Aと対向する側の面)に配設されている。更に、第4の歪ゲージ15dは、アーム半体13bの内側面(指Aと対向する側の面)に配設されている。
【0032】
また、第1の歪ゲージ15aと第3の歪ゲージ15cは、アーム半体13aを介して対向するよう配設されている。同様に、第2の歪ゲージ15bと第4の歪ゲージ15dは、アーム半体13bを介して対向するよう配設されている。
【0033】
更に、アーム半体12aに配設された一対の第1及び第3の歪ゲージ14a,14cは、アーム半体13aに配設された一対の第1及び第3の歪ゲージ15a,15cと指Aの装着空間部分を介して対向するよう配置されている。
【0034】
同様に、アーム半体12bに配設された一対の第2及び第4の歪ゲージ14b,14dは、アーム半体13bに配設された一対の第2及び第4の歪ゲージ15b,15dと指Aの装着空間部分を介して対向するよう配置されている。
【0035】
上記構成とされた動作検出センサ10は、指Aに装着される。動作検出センサ10を指Aに装着した際、
図1及び
図2に示すように、ベース部11は指Aの上部(爪の上部)に当接し、また第1及び第2のアーム部12,13は指Aの両側部に当接する。この装着状態において、第1及び第2のアーム部12,13はそれぞれB1方向に若干弾性変形する。このため、この弾性力により指Aは第1及び第2のアーム部12,13に挟持された状態となる。この挟持力により、動作検出センサ10は指Aに装着される。
【0036】
ここで、指Aに動作検出センサ10を装着した状態において、
図1に示すように指Aを基台35に押し当てた上で、図中X1,X2方向(剪断方向)に動作させることを想定する。指Aが基台35上を矢印X1,X2方向に動作(移動)することにより、指Aには変形が発生する。
【0037】
例えば、指Aが基台35上を矢印X1方向に動作する場合には、指Aと基台35との間に発生する摩擦力はX2方向に作用するため、指AのX1方向側の部分は
図1に矢印C1で示すように引っ張られると共に、指AのX2方向側の部分は
図1に矢印C2で示すように押された状態となる。また、指Aが基台35上を矢印X2方向に動作する場合には、これと反対の動作が発生する。
【0038】
このように、指Aが動作することにより、指AにはX1方向側とX2方向側で非対称な変形が発生する。このように指Aに変形が発生することにより、指Aに装着された動作検出センサ10の第1及び第2のアーム部12,13には指Aの変形量に応じた異なった歪が発生する。
【0039】
この第1及び第2のアーム部12,13に発生した歪は、第1及び第2の歪測定部14,15を構成する各歪ゲージ14a〜14d,15a〜15dにより測定される(第1の測定値)。即ち、第1のアーム部12に発生する歪は第1の歪測定部14(第1〜第4の歪ゲージ14a〜14d)により測定され、第2のアーム部13に発生する歪は第2の歪測定部15(第1〜第4の歪ゲージ15a〜15d)により測定される(第2の測定値)。
【0040】
上記構成とされた動作検出センサ10は、薄板状の金属材よりなるベース部11と各アーム部12,13に第1及び第2の歪測定部14,15等を配設した極めて簡単な構成である。また、各歪ゲージ14a〜14d,15a〜15dは、フィルム状のベース材32に抵抗体31が形成された薄くて軽量なものである。このため、動作検出センサ10は、小型で軽量であり、装着性及び使用性の向上を図ることができる。
【0041】
図5及び
図7は、本発明の一実施形態である動作検出装置20を示している。
図5は動作検出装置20の回路構成図であり、
図7は動作検出装置20のハード構成図である。
【0042】
動作検出装置20は、動作検出センサ10、演算装置30、校正プレート40、及び出力装置50等を有した構成とされている。
【0043】
動作検出センサ10は、前記のように第1の歪測定部14及び第2の歪測定部15等を有した構成とされている。前記のように第1及び第2の歪測定部14,15は、第1及び第2のアーム部12,13の歪を測定する歪ゲージ14a〜14d,15a〜15dを有している。
【0044】
しかしながら、個々の歪ゲージ14a〜14d,15a〜15dでは、歪による抵抗変化が小さい。このため本実施形態では、歪ゲージ14a〜14dで第1のホイートストンブリッジ回路WB1を構成し、歪ゲージ15a〜15dで第2のホイートストンブリッジ回路WB2を構成し、これにより測定精度の向上を図っている。
【0045】
電源21は、第1の歪測定部14(第1のホイートストンブリッジ回路WB1)及び第2の歪測定部15(第2のホイートストンブリッジ回路WB2)に電源供給を行う。第1の歪測定部14(WB1)は、指Aの動作に伴い第1のアーム部12に発生する歪を検出する。また、第2の歪測定部15(WB2)は、指Aの動作に伴い第2のアーム部13に発生する歪を検出する。第1の歪測定部14の出力及び第2の歪測定部15の出力は、演算装置30に供給される。
【0046】
校正プレート40は、動作検出センサ10の構成処理に使用するものである。この校正プレート40について、
図10を用いて説明する。
図10(A)は校正プレート40の概略構成を示す平面図であり、
図10(B)は校正プレート40の概略構成を示す側面図である。
【0047】
校正プレート40は、検出台41とロードセル42とを有した構成とされている。検出台41は、
図10(B)に示すように動作検出センサ10を装着した指Aが当接されるプレートである。この検出台41の四隅位置には、それぞれロードセル42が配設されている。
【0048】
なお、本実施形態では3軸のロードセル42(
図10に矢印F
X,F
Y,F
Zの荷重を検出できるロードセル)を用いているが、後述するように少なくとも鉛直方向(Z1方向)の荷重Fzが測定可能な2軸のロードセルでも動作検出センサ10の校正を行うことができる。
【0049】
ここで、動作検出センサ10の校正処理について説明する。いま、
図10(B)に示すように、動作検出センサ10を装着した被験者の指Aを校正プレート40の検出台41に押圧したことを想定する(X1,X2方向の移動は行わない)。
【0050】
この際、第1の歪測定部14に発生するX1方向の歪と、第2の歪測定部15に発生するX2方向の歪が等しいことが理想的である。しかしながら本発明者の実験によれば、実際には個人の癖等により偏りが発生する場合が一般的である。
【0051】
よって指Aの動作検出を開始する前において、指Aを鉛直下方向に押し付けただけの時点で、このような誤差(人的誤差)が存在しているのでは、正確な動作検出を行うことはできない。そこで、この誤差をなくすため、動作検出センサ10に対する校正処理を行う。
【0052】
なお、上記のように校正を行う誤差には被験者の癖等により発生する人的誤差が含まれるため、以下説明する校正処理は被験者が代わる毎に実施する。
【0053】
以下、具体的な校正方法について説明する。
【0054】
校正処理を実施するには、被験者が
図10(B)に示すように指Aに動作検出センサ10を装着した上で、指Aで検出台41を鉛直下方向に押圧する。この際、押し付け力F
zが漸次増大するよう押圧する。そして、この時の指Aの押し付け力F
zを校正プレート40のロードセル42で測定する。またこれと同時に、動作検出センサ10の第1及び第2の歪測定部14,15から出力される電圧値E
X1,E
X2を測定する。
【0055】
指Aの押し付け力F
zが漸次増大することにより指Aの変形量も大きくなり、よって第1の歪測定部14から出力される電圧E
X1及び第2の歪測定部15から出力される電圧E
X2も漸次増大する。
【0056】
この際、被験者の指Aの押圧に癖等がなく、X1,X2方向に均一な押し方をした場合には、第1の歪測定部14から出力される電圧E
X1及び第2の歪測定部15から出力される電圧E
X2は等しくなる。しかしながら、一般的には前記のように指Aの押圧には個人誤差(癖等)があり、X1,X2方向で偏った押し方を行う。このため、各電圧E
X1,E
X2の値も異なることが一般的である。
【0057】
図9は、これを説明するための図である。同図に示す例では、被験者の指Aの押し方に偏りがあるため、X1方向への歪を検出する第1の歪測定部14から出力される電圧値E
X1は、X2方向への歪を検出する第2の歪測定部15から出力される電圧値E
X2よりも大きくなっている(E
X1>E
X2)。
【0058】
これに対し、同図に平均値E
avで示すのは、被験者の指Aの押圧に癖等がなく、X1,X2方向に均一な歪が現れるよう押圧した時の電圧値E
avを示している。前記のように、この場合には第1の歪測定部14から出力される電圧値及び第2の歪測定部15から出力は、いずれも電圧値E
avとなる。
【0059】
本実施形態に係る校正処理では、
図9に示すX1方向出力E
X1が平均値E
avとなるよう補正処理を行うと共に、
図9に示すX2方向出力E
X2が平均値E
avとなるよう補正処理を行う。いま、第1の歪測定部14の出力に対する補正係数をαとし、第2の歪測定部15の出力に対する補正係数をβとした場合、E
av=E
X1×α,E
av=E
X2×βとなる各補正値α,βを演算する。この各補正値α,βの演算は、演算装置30内の演算部26で行われる(
図5参照)。なお、補正係数α,βはZ1方向の荷重F
Xに相関している。
【0060】
ここで、再び
図5及び
図7に戻り説明を続ける。
【0061】
前記したように、第1の歪測定部14の出力及び第2の歪測定部15の出力は、演算装置30に供給される。この演算装置30は、アンプ22,23、加算部25、及び演算部26等を有した構成とされている。この演算装置30は、例えばCPUとして構成することができる。
【0062】
第1の歪測定部14の出力はアンプ22において増幅された後、加算部25及び演算部26に供給される。また、第2の歪測定部15の出力はアンプ23において増幅された後、加算部25及び演算部26に供給される。
【0063】
加算部25では、第1の歪測定部14からの出力E
X1と、第2の歪測定部15からの出力E
X2との和が求められる(E
X1+E
X2)。加算部25で求められた値は、演算部26に送られると共に、Z方向データDAとして出力端子28に送られる。このZ方向データDAの値は、指Aが基台35を鉛直下方向に押圧する力F
Zを示す。
【0064】
一方、演算部26では、先ず第1の歪測定部14からの出力E
X1に対し、前記した校正処理において求められた補正係数αが乗算される(E
X1×α)。同様に、第2の歪測定部15からの出力E
X2に対し、校正処理において求められた補正係数βが乗算される(E
X2×β)。
【0065】
上記のように第1の歪測定部14からの出力E
X1に補正係数αを乗算し、第2の歪測定部15からの出力E
X2に補正係数βを乗算することにより、補正後の各出力の値は癖等の人的誤差は排除される。よって、演算部26で減算することにより求められた値は、指Aの動作(X1方向への移動動作、或いはX2方向への移動動作)に基づき第1のアーム部12と第2のアーム部13に発生した歪の差のみの値となる。
【0066】
なお、前記のように補正係数α,βはZ1方向の荷重F
Xの変化に伴い変化する。そこで本実施形態では、加算部25から演算部26に対し、第1の歪測定部14からの出力E
X1と第2の歪測定部15からの出力E
X2が加算された値が送られるよう構成している。
【0067】
この各出力E
X1.E
X2を加算した値は、指Aが基台35をZ1方向に押圧している力(Z1方向の荷重F
X)に相関した値である。よってこの加算値(E
X1+E
X2を)から、指Aが現在基台35をZ1方向に押圧する力に対応した補正係数α,βを求めることができ、各出力EX1,EX2を適切に補正することが可能となる(これについては後述する)。
【0068】
上記した補正処理が終了すると、演算部26は補正された第1の歪測定部14の出力値(E
X1×α)と、補正後の第2の歪測定部15からの出力値(E
X2×β)との差が求められる((E
X1×α)−(E
X2×β))。演算部26で求められたこの減算値は、動作データDSとして出力端子27に送られる。この動作データDSは、指AがX1方向或いはX2方向に移動した際、この動作を検出するデータとして使用される。
【0069】
このように、本実施形態に係る動作検出装置20では、演算装置30において第1及び第2の歪測定部14,15からの出力E
X1,E
X2を校正処理により求められた補正係数α,βで補正しているため、人的誤差を排除することができ、動作検出センサ10による指Aの動作検出を高精度に行うことが可能となる。
【0070】
次に、出力装置50について説明する。出力端子27及び出力端子28は、出力装置50に接続されている(
図7参照)。本実施形態に係る出力装置50は表示部を有しており、この表示部には出力端子27,28からの出力変化が時間の経過と共に表示される構成とされている。出力装置50では、この各端子27,28から送られてくる出力値に基づき歪を演算し、これを表示部に表示する。この表示は、縦軸が歪を示し、横軸が時間を示す表として示される(
図6参照)。
【0071】
続いて、演算装置30が実施する動作検出センサ10を用いて指Aの動作検出処理について説明する。
図8は、動作検出センサ10及び動作検出装置20を用いた指Aの動作検出処理を示すフローチャートである。
【0072】
動作検出処理が開始されると、先ずステップ10(図では、ステップをSと略している)において、校正処理が終了しているか否かが判断される。ステップ10で校正処理が終了していないと判断されると校正処理が実施される。
【0073】
校正処理では、前記のように動作検出処理を実施する被験者は指Aを校正プレート40の検出台41に対し鉛直下方向(Z1方向)に押圧する。ステップ12では、この時にロードセル42から送られる鉛直下方向(Z1方向)に対する荷重F
Zと、動作検出センサ10から送られる第1及び第2の歪測定部14,15の出力電圧E
X1,E
X2を読み込む。そして、これらに基づき鉛直下方向(Z1方向)に対する荷重F
Zをパラメータとする補正係数α,βを演算する。
【0074】
前記のように各補正係数α,βは指Aの鉛直下方向(Z1方向)への荷重F
Zに相関するため、各補正係数α,βを関数表示するとα=Q(F
Z)と示すことができ、またβ=R(F
Z)と示すことができる。ステップ14では、このα=Q(F
Z)及びβ=R(F
Z)が求められる。
【0075】
上記の校正処理が終了した場合、又はステップ10において既に校正処理が終了していると判断された場合、処理はステップ16に進む。このステップ16以降の処理が、指Aの動作検出処理となる。
【0076】
ステップ16では、動作検出センサ10を装着した指Aを基台35上で剪断方向(矢印X1,X2方向)に動作させる。この動作に伴い、第1の歪測定部14及び第2の歪測定部15から出力される出力電圧E
X1,E
X2を読み取る。
【0077】
続くステップ18では、加算部25において各出力電圧E
X1,E
X2の加算処理を実施する。前記のようにこの加算値(E
X1+E
X2)は、演算部26及び出力端子28に送られる。
【0078】
また、演算部26では、加算値(E
X1+E
X2)に基づき指Aが鉛直下方に指Aを押圧する荷重F
Zを演算する。そして、ステップ14で求めたα=Q(F
Z)及びβ=R(F
Z)、及び荷重F
Zから補正係数α,βを演算する。いま、仮に荷重F
Zの値が
図9に示すNであったとすると(F
Z=N)、その時の補正係数α
N,β
Nはα
N=Q(N)及びβ
N=R(N)となる。
【0079】
続いて,演算部26は第1及び第2の歪測定部14,15からの出力電圧E
X1,E
X2に、上記のようにして求めた補正係数α,βを乗算した上で、補正された各出力電圧の差を求める(E
X1×α−E
X2×β)。このようにして求められた減算値は、動作データDSとして出力端子27に送られる。
【0080】
出力装置50は、出力端子27,28に接続されている。ステップ20では、出力端子27,28から送られてくる動作データDS及びZ方向データDAに基づき歪を演算し、これを表示部に表示する。
【0081】
上記した動作検出処理により、指Aを基台35上で剪断方向(矢印X1,X2方向)に動作させた時の指Aの動作が、第1のアーム部12及び第2のアーム部13に発生する歪として出力装置50に画像表示される。
【0082】
次に、上記構成とされ動作検出装置20を用いて、指Aを基台35上で動作させる実験を行った実験結果について説明する。
【0083】
図6(A)〜(E)は、動作検出センサ10を装着した指Aを基台35上で剪断方向(矢印X1,X2方向)に動作させる実験を行い、その際に出力装置50に表示される出力結果を示している。なお、各図において、縦軸は歪の大きさを示しており、横軸は指Aの動作を開始した。
【0084】
図6(A)は、第1及び第2の歪測定部14,15からの出力値を加算部25で加算したZ方向データDAを示している。同図において、時間t1〜t2の間は指Aを動作(移動)させることなく基台35に押し付けている期間であり、時間t2〜t3の間は指Aを矢印X1方向に動作させた期間であり、また時間t3〜t4の間は指Aを矢印X2方向に動作させた期間である。
【0085】
図6(A)に示されるように、第1及び第2の歪測定部14,15からの出力を加算したZ方向データDAは、時刻t1〜t4の期間で略同一の出力値となっている。このZ方向データDAからは、第1のアーム部12及び第2のアーム部13に発生している歪の総和が求められる。また
図6(A)より、第1及び第2のアーム部12,13に発生している歪の総和は、指Aの移動方向に拘らず一定の値となっていることが分かる。
【0086】
しかしながら演算装置30からの出力は、指Aの移動方向に拘わらず時刻t1〜t4の間で一定であるため、
図6(A)のZ方向データDAからは指Aの移動方向を知ることはできない。
【0087】
図6(B),(C)は、第1及び第2の歪測定部14,15からの各出力値を演算部26で校正した後減算した動作データDSを示している。
図6(B),(C)における時間t1〜t2の間の値は、指Aを動作させることなく基台35に押し付けている状態の動作データDSの値である。
【0088】
また、
図6(B)における時間t2〜t4の間の値は、この押し付け状態から指Aを矢印X1方向に動作させた時の動作データDSの値を示している。更に、また、
図6(C)における時間t2〜t4の間の値は、押し付け状態から指Aを矢印X2方向(
図6(B)の反対方向)に動作させた時の動作データDSの値を示している。
【0089】
図6(B),(C)に示される時間t1〜t2の間に発生している歪は、指Aを基台35に押圧することにより発生したものである。指Aを基台35に押圧すると指Aに変形(以下、非動作時変形という)が発生し、この非動作時変形により第1及び第2のアーム部12,13も変形して歪が発生する。
【0090】
時間t1〜t2の間(以下、この時間を非動作時間という)に発生している歪は、この非動作時変形によるものである。この非動作時間後、時刻t2において指Aを基台35上で矢印X1方向或いは矢印X2方向へ動作させると、この動作に伴い指Aには変形が発生する。
【0091】
前記のように動作中の指Aに発生する変形は、指AのX1方向側とX2方向側で異なる変形(非対称の変形)となる。従って、指Aの変形に対応して変形する第1及び第2のアーム部12,13に発生する歪は、第1のアーム部12と第2のアーム部13で異なった大きさとなる。
【0092】
図6(B)に示すように、時刻t2において指Aが矢印X1方向に動作されることにより動作データDSはプラス側に変化している。一方、
図6(C)に示すように、時刻t2において指Aが矢印X2方向に動作されることにより動作データDSはマイナス側に変化している。よって、動作検出装置20から出力される動作データDSから、指Aの動作方向を測定することが可能となる。
【0093】
図6(D)は、非動作時間の後、時間t2〜t3の間は指Aを矢印X1方向に移動させ、その後時間t3〜t4の間は指Aを逆方向である矢印X2方向に移動させた時の動作データDSの値を示している。同図に示すように動作データDSの値は、指Aの動作方向を転換した時刻t3において、非動作時間における動作データDSの値を中心として反転した状態となる。よって、
図6(D)に示される結果からも、動作検出装置20から出力される動作データDSから、指Aの動作方向を測定することが可能となることが判る。
【0094】
図6(E)は、
図6(D)に示される動作データDSの値を非動作時変形に対応する歪分だけ減算した値を表示したものである。このように
図6(D)に示される動作データDSに対して補正処理を行うことにより、指Aを矢印X1方向に移動した時の動作データDSの値と、指Aを矢印X2方向に移動した時の動作データDSの値が原点を中心としてプラス方向とマイナス方向で反転する。よって、動作検出装置20からの出力形態を
図6(E)に示す形態とすることにより、指Aの移動方向の認定を容易に行うことができる。
【0095】
上記のように本実施形態に係る動作検出センサ10及び動作検出装置20によれば、動作データDSから指Aの動作方向を調べることが可能となる。また、指Aに発生している歪の大きさも、均一歪からの変化量として動作データDSから知ることができる。
【0096】
従って、例えば化粧道具等を施術者が手にとって使用する際、本実施形態に係る動作検出センサ10を装着することにより、施術時における施術者の指の動作(動作方向及び動作強さ)を検出することができる。よって、本実施形態に係る動作検出センサ10を用いて施術を行った際の指Aの動作を測定すると共に、当該施術時に指先に感じる感触を官能検査等で調べておくことにより、施術に使用した化粧道具等の使用感を定量的に検出することが可能となる。
【0097】
また前記のように、本実施形態に係る動作検出センサ10は、小型かつ軽量化であるため、指Aの施術動作に動作検出センサ10が邪魔になるようなことはなく、よって使用感の定量検出を精度よく行うことができる。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【0099】
例えば、上記した使用例では動作検出センサ10を化粧料の施術時における動作検出に用いた例を示したが、動作検出センサ10及び動作検出装置20の適用はこれに限定されるものではなく、種々の技術分野において利用が可能なものである。
【0100】
また、本実施形態ではベース部11及びアーム部12,13をいずれも金属により構成した例を示したが、ベース部11及びアーム部12,13は必ずしも金属に限定されるものではなく、樹脂等により構成することも可能である。