(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記他方は、さらに、前記シャッター板に結合された回転軸と、前記回転軸の周面に備えた凸部とを有し、前記カム部品は前記凸部に接触するカム面を有する、請求項3に記載のシャッター付き光コネクタ。
前記一方及び前記他方は、前記光コンタクトを保持した保持部材をそれぞれ備え、前記保持部材は、前記光コンタクトを支える段差部を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシャッター付き光コネクタ。
【背景技術】
【0002】
光コネクタは屋内で使用されるとは限らず、屋外で使用されることも多い。屋外で使用された光コネクタを離脱した場合、周囲に堆積した泥や粉塵などが、離脱と同時に舞い上がることがある。その場合には、光コネクタの内部への粉塵の浸入は避けられず、伝送特性に影響を及ぼしたり、あるいは、光ファイバ端面を汚したり、傷をつける原因になり、コネクタ寿命を減らす原因になっていた。
【0003】
そこで、光接触部を保護するシャッター機構を備えたシャッター付き光コネクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図19を参照して、特許文献1に記載されたシャッター付き光コネクタを簡単に説明する。
図19のシャッター付き光コネクタは、互いに接続可能なプラグ101及びレセプタクル102からなる。プラグ101及びレセプタクル102はそれぞれ、光接触部をもつ光コンタクト103,104の接続側を開閉するシャッター機構105,106を備えている。
【0005】
プラグ101のシャッター機構105は、窓板105aを有するハウジングと、窓板105aのレセプタクル102側に配置された回転可能なシャッター板105bとを含んでいる。レセプタクル102のシャッター機構106は、窓板106aを有するハウジングと、窓板106aのプラグ101側に配置された回転可能なシャッター板106bとを含んでいる。シャッター板105b,106bはそれぞれ開口を有している。シャッター板105b,106bの各々の回動(即ち、360°未満の回転方向の移動)によって、開口が光コンタクト103,104に対向した「シャッター開」状態と開口が光コンタクト103,104から位置ずれした「シャッター閉」状態とを選択的に得ることができる。なお、シャッター板105b,106bは、プラグ101とレセプタクル102とを接続する際に、回転方向において互いに連動するように構成されている。
【0006】
上述したシャッター付き光コネクタによれば、シャッター機構により光接触部が保護されるので、維持管理に要する工数を減じることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のシャッター付き光コネクタでは、プラグとレセプタクルとを接続させない状態でも、シャッター板を外部から例えば手で回転させることが可能であるため、不用意に「シャッター開」の状態になり、シャッター板の開口を通してゴミが光コネクタの内部に侵入する虞がある。
【0009】
また、「シャッター閉」の状態では、シャッター板の開口が窓板によって閉じられているが、窓板とシャッター板との段差により開口に対応した部分に窪みが形成されることになる。その窪みにはゴミがたまりやすく、また清掃も難しいので、「シャッター開」の状態になる際に窪みのゴミがシャッター板の開口を通して光コネクタの内部に送り込まれる虞もある。
【0010】
それ故に本発明の目的は、上述した課題を解決できるシャッター付き光コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、互いに接続されるプラグ及びレセプタクルからなる光コネクタにおいて、前記プラグ及び前記レセプタクルの各々は、光コンタクトと、前記光コンタクトに対向し
た開閉されるシャッター機構とを備え、前記プラグと前記レセプタクルとの接続時にそれらのシャッター機構を互いに連動させる連動手段を備え、前記プラグ及び前記レセプタクルのうちの少なくとも一方は、接続時に前記プラグ及び前記レセプタクルのうちの他方に押されて
互いに時間差をもって移動する
フロントハウジング及び可動部材と、前記
フロントハウジング及び前記可動部材を前記他方に向けて常時付勢し
、切離時に前記フロントハウジング及び前記可動部材を互いに時間差をもって元の位置に戻す弾性部材と、前記可動部材の動きに前記シャッター機構を従動させるカム機構とを備え、前記シャッター機構は、開口を有する
回動可能なシャッター板を含み、前記
フロントハウジングは回動を阻止されたもので、前記開口に嵌まり込む突起を有
し、前記フロントハウジング及び前記可動部材の時間差をもった移動により前記突起を前記開口に出入させ、前記突起が前記開口から抜け出ているときの前記可動部材の移動に応じて前記カム機構が前記シャッター板を回動させ、これにより前記シャッター機構を開閉することを特徴とするシャッター付き光コネクタが得られる。
【0012】
前記弾性部材及び前記カム機構を前記一方にのみ備え、前記他方における前記シャッター機構は前記連動手段を介して前記一方におけるシャッター機構により駆動されるように構成してもよい。
【0013】
前記他方は、押しバネと、
前記カム機構とは別のカム部品とを有
し、前記他方におけるシャッター機構も、開口を有する回動可能なシャッター板を有し、切離時に、前記カム部品が前記押しバネに押し動かされて前記他方におけるシャッター機構のシャッター板を回動させ、これにより前記他方におけるシャッター機構を閉じるように構成してもよい。
【0014】
前記他方は、さらに、前記シャッター板に結合された回転軸と、前記回転軸の周面に備えた凸部とを有し、前記カム部品は前記凸部に接触するカム面を有してもよい。
【0015】
前記一方及び前記他方は、前記プラグ及び前記レセプタクルの接続時に互いに嵌合するバレルをそれぞれ備え、前記
プラグにおける前記シャッター板に比べて前記
レセプタクルにおける前記シャッター板を前記バレルの奥に配置してもよい。
【0016】
前記一方及び前記他方は、前記光コンタクトを保持した保持部材をそれぞれ備え、前記保持部材は、前記光コンタクトを支える段差部を有してもよい。
【0017】
前記一方及び前記他方は、前記光コンタクトを保持した保持部材をそれぞれ備え、前記
フロントハウジングは前記保持部材の外側に嵌合しており、前記保持部材はその外側側面に凹部を有してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によるシャッター付き光コネクタは、ゴミが内部に入ることを効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシャッター付き光コネクタの非接続時の縦断面図。
【
図2】
図1のシャッター付き光コネクタの接続開始時の縦断面図。
【
図3】
図1のシャッター付き光コネクタの接続進行時の縦断面図。
【
図4】
図1のシャッター付き光コネクタの接続完了時の縦断面図。
【
図5】
図1に示すプラグからバレルを除いた斜視図。
【
図6】
図6から、さらに光ソケットコンタクト及びプラグ側フロントハウジングを除いた斜視図。
【
図7】
図1に示すプラグのプラグ側フロントハウジングを示し、(a)及び(b)は異なる方向からの斜視図、(c)は左側面図、(d)は(c)のA−A線断面図、(e)は(c)のB−B線断面図。
【
図8】
図1に示すプラグのプラグ側可動部材の斜視図。
【
図9】
図1に示すプラグのプラグ側可動部材とシャフトとの関係を示す斜視図。
【
図10】
図1に示すプラグの要部を誇張して示した拡大断面図。
【
図11】
図1に示すレセプタクルからバレルを除いた斜視図。
【
図12】
図11から、さらに光ピンコンタクト及びレセプタクル側フロントハウジングを除いた斜視図。
【
図13】
図1に示すレセプタクルのレセプタクル側フロントハウジングを示し、(a)及び(b)は異なる方向からの斜視図、(c)は左側面図、(d)は(c)のA−A線断面図、(e)は(c)のB−B線断面図。
【
図14】
図1に示すレセプタクルのレセプタクル側リアハウジングの斜視図。
【
図15】
図1に示すレセプタクルのレセプタクル側可動部材の斜視図。
【
図16】
図1に示すレセプタクルのレセプタクル側可動部材の作用を説明するための説明図で、(a)はプラグと接続されていないときの状態を示し、(b)はプラグと接続されたときの状態を示す。
【
図17】
図1に示すレセプタクルの光ピンコンタクトを保持する構造を説明するための断面図。
【
図18】
図1に示すレセプタクルにプラグが斜めに突き当てられた状態を示す説明図。
【
図19】特許文献1(特開2004−246096号公報)に開示されているシャッター付き光コネクタの縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照して、本発明の実施形態に係るシャッター付き光コネクタについて説明する。
【0021】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るシャッター付きコネクタは、互いに突き合わされて接続されるプラグ1及びレセプタクル2からなる。
【0022】
プラグ1は、所定円周上に配置され所定方向又は軸方向(図面に沿った左右方向)にのびた複数本すなわち4本の光ソケットコンタクト3を含んでいる。光ソケットコンタクト3は固定の保持部材である例えば絶縁性のプラグ側リアハウジング4に固定保持されている。プラグ側リアハウジング4は金属などで作られた導電性のものであってもよい。プラグ側リアハウジング4の外周には、
図5にも示すように筒状のプラグ側フロントハウジング5が所定方向でスライド可能な状態に嵌合している。プラグ側フロントハウジング5は、プラグ側リアハウジング4に対し回動を阻止され、かつ、
図6に示す複数のコイルばねよりなる弾性部材(付勢手段)6によってレセプタクル2側に向けて付勢されている。
【0023】
プラグ側フロントハウジング5のスライドにより発生する摩耗粉対策として、プラグ側リアハウジング4の外周面に、周方向にのびた断面凹状の溝部4Aを設けている。これによれば、プラグ側リアハウジング4とプラグ側フロントハウジング5との接点を減らし、摩耗粉の発生を抑えるとともに、摩耗粉が発生したとしても、溝部4A内に摩耗粉をためることができる。よって、光学性能に影響を与えることもない。
【0024】
プラグ側フロントハウジング5のレセプタクル2側の端部には、
図7に示すように内向きのプラグ側窓板7が形成されている。プラグ側窓板7は、光ソケットコンタクト3の光接触部8に一対一で対向した4個の開口9を有している。これらの開口9は所定円周上に配置されている。
【0025】
プラグ側リアハウジング4の中央には、
図9にも示すように所定方向にのびたシャフト11が固定されている。シャフト11にはプラグ側可動部材12がスライド可能に装着されている。シャフト11とプラグ側可動部材12との間には、後文にて明らかになるカム機構が介在し、これによりプラグ側可動部材12のシャフト11に沿った所定方向の移動とシャフト11に関する回動とを連動させるようにしている。
【0026】
プラグ側可動部材12のレセプタクル2側の端部には、
図8に示すように円板状のプラグ側シャッター板14が形成されている。プラグ側シャッター板14はプラグ側窓板7に対向し、所定円周上に配置した4個の開口15を有している。プラグ側フロントハウジング5は弾性部材16により付勢されているが、プラグ側可動部材12に形成したプラグ側シャッター板14により、弾性部材16を蓄勢した状態でレセプタクル1側への移動は係止されている。なお、プラグ側シャッター板14の外面には径方向にのびた小凸部18が形成されている。
【0027】
図1の状態ではプラグ側シャッター板14の開口15はプラグ側窓板7の開口9に対し周方向で位置ずれし、したがって開口9はプラグ側シャッター板14により閉じられている。即ち、
図1は「シャッター閉」の状態を示す。プラグ側シャッター板14が回動されると、開口9を開くこともある。こうして、プラグ側シャッター板14とプラグ側窓板7とでプラグ側シャッター機構を構成している。プラグ側シャッター機構はプラグ側リアハウジング4及びプラグ側フロントハウジング5と協働して光ソケットコンタクト3を取り囲んでいる。
【0028】
プラグ側可動部材12は、さらに、
図8及び
図9にも示すようにプラグ側シャッター板14の中央からレセプタクル2とは反対側にのびた筒状部13を有している。筒状部13は、シャフト11の外周に軸方向にスライド可能に嵌合している。筒状部13にはカム溝13Aが形成されている。一方、シャフト11の周面には、カム溝13Aに挿入されたカムピン13B(
図1〜
図4は断面図なので、本来シャフト11周面に備えられたカムピン13Bは見えないはずであるが、黒丸でその位置を図示している)が備えられており、押しバネ13Dによりカム溝13Aはカムピン13Bに押しつけられている。筒状部13をシャフト11に沿ってスライドさせると、カム溝13Aがカムピン13Bに沿って移動するに伴い、プラグ側可動部材12が回動する。即ち、カム溝13Aとカムピン13Bとで、上述したカム機構を構成している。なお、カム溝13Aの形状は、後文における動作の説明から明らかになるであろう。
【0029】
さらに、プラグ側窓板7におけるプラグ側シャッター板14に対向した面には、
図7に示すように開口9と同じ円周上に4つの円錐台状の突起17が形成されている。即ち、プラグ側窓板7には、開口9及び突起17が一つの円周上に交互に等間隔で配置されている。これらの突起17は、プラグ側シャッター板14の開口15に一対一でそれぞれ嵌まり込むような形状及び寸法を有している。また、これらの突起17の高さ寸法は、プラグ側シャッター板14の厚み寸法とほぼ同程度に設計する。
【0030】
図1におけるプラグ1は、プラグ側シャッター板14が「シャッター閉」の位置にあり、かつ、プラグ側窓板7の突起17がプラグ側シャッター板14の開口15に嵌まり込んだ状態を示す。この状態を要部のみ拡大して
図10に示す。
【0031】
このプラグ1の「シャッター閉」の状態では、プラグ側シャッター板14の開口15の縁にプラグ側窓板7の突起17が引っ掛かるため、プラグ側シャッター板14がロックされ、不用意に「シャッター開」の状態になることはない。したがって、ゴミが開口15を通ってプラグ1の内部に侵入することは防止される。また「シャッター閉」の状態では、プラグ側シャッター板14の外表面に段差を生じないので、ゴミがたまり難く、清掃も容易である。したがって、プラグ側シャッター板14を開く際にプラグ側フロントハウジング5の表面のゴミがプラグ1の内部に侵入することもない。
【0032】
一方、レセプタクル2は、所定円周上に配置され所定方向にのびた複数本すなわち4本の光ピンコンタクト23を含んでいる。光ピンコンタクト23は固定の保持部材である絶縁性又は導電性(金属製)のレセプタクル側リアハウジング24に固定保持されている。レセプタクル側リアハウジング24の外周には、
図11にも示すように筒状のレセプタクル側フロントハウジング25が所定方向でスライド可能な状態に嵌合している。
【0033】
レセプタクル側フロントハウジング25は、レセプタクル側リアハウジング24に対し回動を阻止され、かつ、
図12に示すコイルばねよりなる弾性部材(付勢手段)26によってプラグ1側に向けて付勢されている。
【0034】
レセプタクル側フロントハウジング25のスライドにより発生する摩耗粉対策として、レセプタクル側リアハウジング24の外周面に、周方向にのびた断面凹状の溝部24Aを設けている。これによれば、レセプタクル側リアハウジング24とレセプタクル側フロントハウジング25との接点を減らし、摩耗粉の発生を抑えるとともに、摩耗粉が発生したとしても、溝部24A内に摩耗粉をためることができる。よって、光学性能に影響を与えることもない。
【0035】
レセプタクル側フロントハウジング25のプラグ1側の端部には、
図13に示すように内向きのレセプタクル側窓板27が形成されている。レセプタクル側窓板27は、光ピンコンタクト23の光接触部28に一対一で対向した4個の開口29を有している。これらの開口29も所定円周上に配置されている。
【0036】
レセプタクル側リアハウジング24の中央には、
図14に示すように所定方向にのびた凹部31が形成されている。凹部31にはレセプタクル側可動部材32が自由に回動できるように嵌合している。レセプタクル側可動部材32はレセプタクル側リアハウジング24にピン36により所定方向の動きを係止されている。
【0037】
レセプタクル側可動部材32のプラグ1側の端部には、
図15に示すように円板状のレセプタクル側シャッター板34が形成されている。レセプタクル側シャッター板34はレセプタクル側窓板27に対向し、所定円周上に配置した4個の開口35を有している。レセプタクル側フロントハウジング25は弾性部材26により付勢されているが、レセプタクル側可動部材32に形成したレセプタクル側シャッター板34により、弾性部材26を蓄勢した状態でプラグ1側への移動は係止されている。なお、レセプタクル側シャッター板34の外面には、径方向にのびた小凹部38が形成されている。この小凹部38は、プラグ側シャッター板14の小凸部18と嵌りあうことができる形状及び寸法を有している。
【0038】
図1の状態ではレセプタクル側シャッター板34の開口35はレセプタクル側窓板27の開口29に対し周方向で位置ずれし、したがって開口29はレセプタクル側シャッター板34により閉じられている。即ち、
図1は「シャッター閉」の状態を示す。レセプタクル側シャッター板34が回動されると、開口2を開くこともある。こうして、レセプタクル側シャッター板34とレセプタクル側窓板27とでレセプタクル側シャッター機構を構成している。レセプタクル側シャッター機構はレセプタクル側リアハウジング24及びレセプタクル側フロントハウジング25と協働して光ピンコンタクト23を取り囲んでいる。
【0039】
レセプタクル側可動部材32は、さらに、
図15にも示すようにプラグ側シャッター板34の中央からプラグ1とは反対側にのびた回転軸として働く筒状部33を有している。筒状部33は、
図14に示すレセプタクル側リアハウジング24の凹部31に位置し、ピン36により所定方向の動きを係止されている。
【0040】
図16に示すように、レセプタクル側可動部材32の筒状部33の外周面には凸部33Aが備えられている。また筒状部33の外周には、筒状のカム部品33Bが軸方向にスライド可能に嵌合している。カム部品33Bは螺旋状のカム面33Cを有し、押しバネ33Dによりカム面33Cを凸部33Aに押し付けられている。
【0041】
さらに、レセプタクル側窓板27におけるレセプタクル側シャッター板34に対向した面には、
図13に示すように開口29と同じ円周上に4つの円錐台状の突起37が形成されている。即ち、レセプタクル側窓板27には、開口29及び突起37が一つの円周上に交互に配置されている。これらの突起37は、レセプタクル側シャッター板34の開口35に一対一でそれぞれ嵌まり込むような形状及び寸法を有している。また、これらの突起37の高さ寸法は、レセプタクル側シャッター板34の厚み寸法とほぼ同程度に設計する。
【0042】
図1におけるレセプタクル2は、レセプタクル側シャッター板34が「シャッター閉」の位置にあり、かつ、レセプタクル側窓板27の突起37がレセプタクル側シャッター板34の開口35に嵌まり込んだ状態を示す。この状態は、プラグ1と同様である。
【0043】
このレセプタクル2の「シャッター閉」の状態では、レセプタクル側シャッター板34の開口35の縁にレセプタクル側窓板27の突起37が引っ掛かるため、レセプタクル側シャッター板34はロックされ、不用意に「シャッター開」の状態になることはない。したがって、ゴミが開口35を通ってレセプタクル2の内部に侵入することは防止される。また「シャッター閉」の状態では、レセプタクル側シャッター板34の外表面に段差を生じないので、ゴミがたまり難く、清掃も容易である。したがって、レセプタクル側シャッター板34を開く際にレセプタクル側フロントハウジング25の表面のゴミがレセプタクル2の内部に侵入することもない。
【0044】
また
図17に示すように、レセプタクル2の光ピンコンタクト23を保持した保持部材であるレセプタクル側リアハウジング24に、内径を狭くして光ピンコンタクト23を支える段差部24Bを設けている。これによれば、広い径のコンタクト挿入口から光ピンコンタクト23を挿入できるため、レセプタクル2の組み立て性が向上する。また、光ピンコンタクト23の傾きは内径が狭い段差部24Bで支えるため、プラグ1とレセプタクル2との嵌合に影響を与えることもない。
【0045】
なお、プラグ1の光ソケットコンタクト3を保持した保持部材であるプラグ側リアハウジング4にも、上述した段差部24Bと同等の構成を備えることは好ましい。
【0046】
次に、プラグ1とレセプタクルとを接続する際の作用について説明する。
【0047】
図1において、プラグ1及びレセプタクル2を互いに接続させるには、まず、プラグ1のバレル41をレセプタクル2のバレル42の内側に嵌合させる。ここで、バレル41、42を基準とすると、プラグ側シャッター板14に比べてレセプタクル側シャッター板34は奥に配置されている。そのため、
図18に示すように仮にプラグ1がレセプタクル2に斜めに突き当てられたとしても、プラグ1のバレル41がレセプタクル2のバレル42に邪魔されるのでレセプタクル側シャッター板34に干渉することはない。したがって、この場合においてもレセプタクル側シャッター板34が不用意に開いてしまうことは防止される。
【0048】
図2に示すようにプラグ1のバレル41がレセプタクル2のバレル42の内側に適正に嵌合すると、プラグ側フロントハウジング5がレセプタクル側フロントハウジング25に突き当る。嵌合が進行すると、まず、レセプタクル側フロントハウジング25が後退し、レセプタクル側窓板27の突起37がレセプタクル側シャッター板34の開口35から抜け出る。この結果、レセプタクル側シャッター板34のロックが解除される。
【0049】
さらに嵌合が進行してレセプタクル側フロントハウジング25がレセプタクル側リアハウジング24に突き当たって停止すると、今度は、
図3に示すようにプラグ側フロントハウジング5が後退し、プラグ側窓板7の突起17がプラグ側シャッター板14の開口15から抜け出る。この結果、プラグ側シャッター板14のロックも解除される。これと共に、プラグ側シャッター板14とレセプタクル側シャッター板34とが突き当たり、小凸部18が小凹部38に嵌合し、プラグ側可動部材12及びレセプタクル側可動部材32が周方向で引っ掛かって互いに結合される。
【0050】
さらにプラグ1及びレセプタクル2を互いに押し付けると、カム溝13Aがカムピン13Bに沿って移動するに伴い、プラグ側可動部材12が後退を伴って回動する。このとき、小凸部18と小凹部38とが嵌合しているので、プラグ側可動部材12の回動にしたがってレセプタクル側可動部材32も回動することになる。
【0051】
こうして、プラグ側可動部材12及びレセプタクル側可動部材32が所定角度だけ回動すると、開口9及び29がいずれも開く。ここで、小凸部18と小凹部38とが嵌まり合うことで、レセプタクル側シャッター機構とプラグ側シャッター機構とを互いに連動させるための連動手段を構成している。
【0052】
開口9及び29が開くに連れて、光ソケットコンタクト3が
図4に示すように開口9及び29を通してレセプタクル2側に進入し、光ピンコンタクト23に接触嵌合する。かくして、プラグ1及びレセプタクル2により光学的な接続を得ることができる。なお、プラグ1及びレセプタクル2を突き合わせる際、シャフト11がレセプタクル側可動部材32にスライド嵌合することで、突き合せが案内される。
【0053】
プラグ1及びレセプタクル2の接続を離脱させるときには、上述した動作とは反対の動作を行う。プラグ1及びレセプタクル2を互いに引き離すと、プラグ1においてはプラグ側可動部材12が弾性部材16によって元の位置に戻される。その際に、カム溝13Aとカムピン13Bとの協働作用によりプラグ側可動部材12が回動して復元し、プラグ側シャッター板14の開口15にプラグ側窓板7の突起13が嵌る。この結果、プラグ側シャッター板14がロックされる。
【0054】
一方、レセプタクル2においては、接続時には、
図16(b)に示すようにレセプタクル側可動部材32の筒状部33の突起33Aがカム部材33Bのカム面33Cを押し、カム部材33Bが押しバネ33Dをさらに圧縮するように移動した状態にある。プラグ1及びレセプタクル2が互いに引き離されると、レセプタクル側シャッター板34は回動が自由になる。このとき、押しバネ33Dの復元力によりカム部材33Bが軸方向に押し動かされと共に、突起33Aがカム面33Cに沿ってスライドし、レセプタクル側シャッター板34が回動して復元し、レセプタクル側シャッター板34の開口35にレセプタクル側窓板27の突起37が嵌る。この結果、レセプタクル側シャッター板14がロックされる。したがって、プラグ1及びレセプタクル2の接続を離脱させたときには、レセプタクル側シャッター板34も確実に「シャッター閉」の状態になる。
【0055】
勿論、光ソケットコンタクト3が光ピンコンタクト23から離れてプラグ1に引き込まれ、かつレセプタクル側シャッター板34及びプラグ側シャッター板14がいずれも「シャッター閉」の状態になってから、プラグ側フロントハウジング5及びレセプタクル側フロントハウジング25が互いに引き離されることになる。したがって、光ソケットコンタクト3の光接触部8と光ピンコンタクト23の光接触部28とがいずれも自動的に保護されて防塵及び防水されるので、維持管理に要する工数を大幅に削減することができる。
【0056】
なお、上述では特定の実施の形態について説明したが、様々な変形が可能なことは言うまでもない。例えば、上述ではプラグコネクタのシャッター機構の動きをレセプタクルコネクタのシャッター機構に伝達するようにしているが、それとは逆に、レセプタクルコネクタのシャッター機構の動きをプラグコネクタのシャッター機構に伝達するようにすることも、同様に実施できる。また、開口数と光ソケットコンタクトの数を増やしたり、減らしたりしても同様に実施できる。