(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも利用者の利用者IDと当該利用者の声紋データとが紐付けられた利用者データベースを具備するとともに、利用者IDで特定される利用者別に歌唱履歴を作成することが可能なカラオケシステムにおいて、
利用者からのログイン要求により、当該利用者の利用者IDと声紋データを前記利用者データベースから取得する利用者声紋データ取得手段と、
カラオケ演奏に合わせてマイクロホンから入力される歌唱者の音声データを解析し、歌唱者声紋データを取得する歌唱者声紋データ取得手段と、
前記歌唱者声紋データと、前記利用者声紋データ取得手段にて取得した声紋データとを比較する声紋データ比較手段と、
前記声紋データ比較手段による比較結果において、前記歌唱者声紋データに該当する声紋データが存在しなかった場合は、当該歌唱者に対してログインを促すログイン提示手段と、
前記声紋データ比較手段の比較結果において、前記歌唱者声紋データに該当する声紋データが存在した場合には、当該声紋データに紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新し、または前記ログイン提示手段に基づいてログイン処理が行われた場合には、当該ログインした利用者に紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新する歌唱履歴更新手段と、
を備えたことを特徴とする利用者別歌唱履歴の更新システム。
前記歌唱履歴更新手段が前記歌唱者の歌唱履歴を更新しなかった場合に、予約者の歌唱履歴を更新することを特徴とする請求項1に記載の利用者別歌唱履歴の更新システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された技術を利用することにより、選曲予約を行った利用者と実際に歌唱を行う利用者とが一致するので、正確な利用者別歌唱履歴を作成するという優れた効果を奏することができる。
【0006】
ところで、選曲予約を行った利用者以外の者が歌唱を行った場合、一律に楽曲の演奏を中止したのでは、利用者の要望に添えない場合も考えられる。例えば、同席した他の利用者に歌唱をして貰いたい楽曲を自らの利用者IDを用いて選曲予約した場合や、選曲予約操作を誤って他の利用者IDを用いて選曲予約した場合や、選曲した利用者が席を外してしまったので、他の利用者が本来の選曲予約者に変わって歌唱を行う場合等である。
【0007】
このような場合には、選曲予約者と実際の歌唱者とが異なっていても、歌唱を行わせることが利用者の要望にかなった措置となる。しかし、上述したように、利用者別歌唱履歴を作成するシステムでは、本来の選曲予約者と実際の歌唱者が異なる場合に、正確な利用者別歌唱履歴を作成することが望まれるのも事実である。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、利用者の利用者IDと当該利用者の声紋データとが紐付けられたデータベースを具備するカラオケシステムにおいて、予約楽曲が歌唱された際に歌唱者の声紋データをチェックして、実際に歌唱を行った利用者を特定することにより、正確な利用者別歌唱履歴を作成するための利用者別歌唱履歴の更新システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の利用者別歌唱履歴の更新システムは、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の利用者別歌唱履歴の更新システムは、少なくとも利用者の利用者IDと当該利用者の声紋データとが紐付けられた利用者データベースを具備するとともに、利用者IDで特定される利用者別に歌唱履歴を作成することが可能なカラオケシステムにおいて、利用者声紋データ取得手段と、歌唱者声紋データ取得手段と、声紋データ比較手段と、ログイン提示手段と、歌唱履歴更新手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
利用者声紋データ取得手段、利用者からのログイン要求により、当該利用者の利用者IDと声紋データを利用者データベースから取得するための手段である。歌唱者声紋データ取得手段は、カラオケ演奏に合わせてマイクロホンから入力される歌唱者の音声データを解析し、歌唱者声紋データを取得するための手段である。
【0011】
声紋データ比較手段は、歌唱者声紋データと、利用者声紋データ取得手段にて取得した声紋データとを比較するための手段である。ログイン提示手段は、声紋データ比較手段による比較結果において、歌唱者声紋データに該当する声紋データが存在しなかった場合に、当該歌唱者に対してログインを促すための手段である。
【0012】
歌唱履歴更新手段は、声紋データ比較手段の比較結果において、歌唱者声紋データに該当する声紋データが存在した場合には、当該声紋データに紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新し、またはログイン提示手段に基づいてログイン処理が行われた場合には、当該ログインした利用者に紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新する手段である。
【0013】
また、本発明の利用者別歌唱履歴の更新システムは、上述した構成に加えて、歌唱履歴更新手段が歌唱者の歌唱履歴を更新しなかった場合に、予約者の歌唱履歴を更新することが可能である。
【0014】
また、本発明の利用者別歌唱履歴の更新システムは、上述した構成に加えて、歌唱履歴更新手段が歌唱者の歌唱履歴を更新しなかった場合に、歌唱者に対して利用者IDの取得を促す利用者ID取得提示手段を備えることが可能である。このような構成の場合に、利用者ID取得提示手段に基づいて歌唱者による利用者IDの取得が行われた場合には、歌唱者声紋データと歌唱履歴を当該利用者IDに紐付けることが可能である
【0015】
このような構成からなる利用者別歌唱履歴の更新システムでは、予め、利用者の利用者IDと当該利用者の声紋データとが紐付けられた利用者データベースを具備しており、利用者声紋データ取得手段の機能により、利用者からのカラオケシステムへのログイン要求に基づき、ログイン要求を行った利用者の利用者IDと声紋データを利用者データベースから取得する。歌唱者の声紋データの取得は、歌唱者声紋データ取得手段の機能により、カラオケ演奏に合わせてマイクロホンから入力される歌唱者の音声データに基づいて行われる。
【0016】
また、声紋データ比較手段の機能により、歌唱者の声紋データと、ログイン要求を行った利用者の声紋データとを比較する。ここで、声紋データ比較手段による比較結果において、歌唱者声紋データに該当する声紋データが存在しなかった場合は、ログイン提示手段の機能により、当該歌唱者に対してログインを促す。
【0017】
一方、声紋データ比較手段による比較結果において、歌唱者声紋データに該当する声紋データが存在した場合は、歌唱履歴更新手段の機能により、当該声紋データに紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新する。また、ログイン提示手段に基づいてログイン処理が行われた場合には、歌唱履歴更新手段の機能により、当該ログインした利用者に紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新する。
【0018】
また、歌唱履歴更新手段が歌唱者の歌唱履歴を更新しなかった場合に、予約者の歌唱履歴を更新してもよい。
【0019】
また、歌唱履歴更新手段が歌唱者の歌唱履歴を更新しなかった場合に、歌唱者に対して利用者IDの取得を促す利用者ID取得提示手段を備えた構成の場合には、利用者ID取得提示手段に基づいて歌唱者による利用者IDの取得が行われると、歌唱者声紋データと歌唱履歴を当該利用者IDに紐付ける。
【発明の効果】
【0020】
本発明の利用者別歌唱履歴の更新システムによれば、予約されたカラオケ楽曲の演奏に合わせて実際に歌唱が行われた際に、歌唱者の声紋データを確認して、現にログインしている利用者の中に歌唱者が含まれているか否かを判断する。そして、現にログインしている利用者が歌唱を行っていない場合には、歌唱者に対してログインを促す。
【0021】
一方、現にログインしている利用者が歌唱を行っていた場合に、通常の処理により、当該歌唱者の歌唱履歴に当該カラオケ楽曲の歌唱履歴を加える。また、歌唱者に対してログインを促したことよってログイン処理が行われた場合には、当該ログインした利用者の歌唱履歴に当該カラオケ楽曲の歌唱履歴を加える。
【0022】
したがって、選曲予約されたカラオケ楽曲について、実際に歌唱を行った利用者を歌唱者とすることができるので、正確な利用者別歌唱履歴を作成することが可能となる。これにより、同席した他の利用者に歌唱をして貰いたい楽曲を自らの利用者IDを用いて選曲予約した場合や、選曲予約操作を誤って他の利用者IDを用いて選曲予約した場合や、選曲した利用者が席を外してしまったので、他の利用者が本来の選曲予約者に変わって歌唱を行う場合であっても、実際の歌唱者と選曲履歴に登録される利用者との齟齬がなくなり、正確な利用者別歌唱履歴が作成されることになる。
【0023】
また、現にログインしている利用者以外の歌唱者によって歌唱が行われた場合には、歌唱者に対してログインを促す提示を行うことにより、まだログインを行っていなかった歌唱者に対してログインを喚起することでログイン処理を行わせ、確実に歌唱者の歌唱履歴を更新することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を参照して、本発明の利用者別歌唱履歴の更新システムの実施形態について説明する。
図1〜
図3は本発明の実施形態に係る利用者別歌唱履歴の更新システムを示すもので、
図1は利用者別歌唱履歴の更新システムを適用したカラオケシステムの構成を示すブロック図、
図2は利用者データベースの構成を示す説明図、
図3は歌唱履歴の更新手順を示すフローチャート選曲予約者歌唱確認及び歌唱履歴作成の手順を示すフローチャートである。
【0026】
<利用者別歌唱履歴の更新システムの概要>
本発明の実施形態に係る利用者別歌唱履歴の更新システム10は、少なくとも利用者の利用者IDと当該利用者の声紋データファイルIDとが紐付けられた利用者データベース61を具備するとともに、利用者IDで特定される利用者別に歌唱履歴を作成することが可能なカラオケシステムに関する技術であり、主要な構成要素として、
図1に示すように、利用者データベース61と、利用者声紋データ取得手段48と、歌唱者声紋データ取得手段49と、声紋データ比較手段50と、ログイン提示手段51と、歌唱履歴更新手段52とを備えている。さらに、本発明の実施形態に係る利用者別歌唱履歴の更新システム10は、利用者ID取得提示手段53を備えることが可能である。各手段等は、カラオケ演奏端末30及びその付帯装置や、管理サーバ60の機能手段として実現される。
【0027】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0028】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係る利用者別歌唱履歴の更新システム10を適用するカラオケ演奏端末30は、
図1に示すように、カラオケ本体40、カラオケリモコン装置31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ミキシングアンプ35を備えている。また、本実施形態のカラオケ演奏端末30は、ルータ20及びデータ通信回線70を介して、管理サーバ60にネットワーク接続されている。
【0029】
<管理サーバ>
管理サーバ60は、会員情報の管理、カラオケ演奏端末30に対する楽曲データの配信等を行うためのサーバであり、利用者データベース61を備えている。データ通信回線70は、例えば、インターネット回線、デジタル通信回線、アナログ通信回線、無線通信回線、LAN等、環境に応じてどのような回線を用いてもよいが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネットにより構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0030】
<利用者データベース>
利用者データベース61は、
図2に示すように、少なくとも、利用者IDと、利用者の声紋データファイルIDと、歌唱履歴(歌唱した楽曲IDの履歴)とを紐付けして構成したデータベースである。なお、利用者データベース61を構成するデータは、
図2に示すものに限定されるものではなく、利用者の管理に最小限必要なデータのみの構成としてもよいし、さらに他のデータを付加してもよい。
【0031】
なお、単独の管理サーバ60により、上述した複数の機能を実現するのではなく、各機能に特化したサーバを設け、各サーバにより各機能を実現してもよい。この際、仮想化技術により、1つのサーバに複数の機能を持たせることもできる。
【0032】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置31は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体40のローカル送受信手段46との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置31は、楽曲検索手段31aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース31b、種々のデータを記憶するためのデータ記憶部31c、ログイン手段31d、データの入出力を行うための入出力表示部31e等を備えている。このカラオケリモコン装置31に付帯するスイッチ類や、入出力表示部31eに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0033】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段31aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース31bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース31bは、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0034】
<ログイン手段>
ログイン手段31dは、カラオケ演奏端末30を含むシステムにログインするための手段であり、例えば、カードリーダを用いて、利用者IDを記憶した利用者IDカードから利用者IDを読み取ることにより、当該利用者IDカードを所持する利用者のログイン管理を行うことができる。またカラオケリモコン装置31の入出力表示部31eにおいて、利用者IDを入力させることにより、利用者のログイン管理を行ってもよい。
【0035】
任意の利用者によりログインが行われると、当該利用者が選曲予約を行う際に、選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDに利用者IDを紐付けして予約待ち行列44aが作成される。具体的には、選曲操作を行うカラオケリモコン装置31を用いて楽曲の選択を行う際に、カラオケリモコン装置31の入出力表示部31eに、ログインを行った各利用者専用のボタンやアイコンが表示される。そして、このボタンやアイコンを用いて利用者IDを特定して選曲を行うと、演奏順序を表す予約待ち行列44aに、予約した楽曲IDと共に利用者IDが記録される。なお、本実施形態では、RAM44に予約待ち行列44aが格納される。
【0036】
<マイクロホン>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ35により、音楽再生制御手段54から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ32へ出力される。なお、マイクロホン33からの音声入力信号は、A/Dコンバータ55によりデジタル変換され、歌唱採点手段(図示せず)における採点等に使用される。
【0037】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0038】
<カラオケ本体>
カラオケ本体40は、ネットワーク送受信手段41、中央制御手段42、ROM43、RAM44、HDD45、ローカル送受信手段46、予約管理手段47、利用者声紋データ取得手段48、歌唱者声紋データ取得手段49、声紋データ比較手段50、ログイン提示手段51、歌唱履歴更新手段52、音楽再生制御手段54、A/Dコンバータ55、映像再生制御手段56を備えている。さらに、利用者ID取得提示手段53を備えた構成としてもよい。
【0039】
<中央制御手段>
中央制御手段42は、カラオケ本体40を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM43等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0040】
<ROM/RAM>
ROM43は、カラオケ本体40を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM44は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM44を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM44を構成してもよい。
【0041】
本実施形態では、RAM44に、予約待ち行列44a、利用者データベース61から取得したログイン利用者声紋データ44bが記憶されるようになっている。なお、予約待ち行列44aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、他の識別データが紐付けられている場合もある。
【0042】
<HDD>
HDD45は、大容量記憶装置として機能するもので、少なくとも、楽曲データベース45a、映像データベース45bが格納されている。なお、HDD45に替えて、あるいはHDD45と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0043】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース45aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース45bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。声紋データ管理テーブル45c及び同行利用者ID管理テーブル45dについては、後に詳述する。
【0044】
<送受信手段>
ローカル送受信手段46は、カラオケ本体40とカラオケリモコン装置31との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体40とカラオケリモコン装置31との間でデータの送受信が行われる。また、本実施形態では、ルータ20との間でデータの送受信を行うためのネットワーク送受信手段41を備えている。
【0045】
<予約管理手段>
予約管理手段47は、利用者により楽曲検索手段31aの機能を用いて選曲された楽曲IDと特定された利用者IDを演奏順に並べて予約待ち行列44aを作成し、この予約待ち行列44aをRAM44に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0046】
<利用者声紋データ取得手段>
利用者声紋データ取得手段48は、利用者からのログイン要求により、当該利用者の利用者IDと声紋データを利用者データベース61から取得するためのプログラムからなる。すなわち、利用者がカラオケ演奏端末30を含むシステムにログインすると、管理サーバ60に格納された利用者データベース61にアクセスし、当該ログインした利用者の利用者IDに紐付けされた声紋データをダウンロードして、ログイン利用者声紋データ44bとしてRAM44に記憶する。
【0047】
<歌唱者声紋データ取得手段>
歌唱者声紋データ取得手段49は、カラオケ演奏に合わせてマイクロホンから入力される歌唱者の音声データを解析し、歌唱者声紋データを取得するための手段である。
【0048】
すなわち、人間の声は様々な周波数からなる音声を含んでいる。そして、音声の時間的推移、音声の周波数、音声の強度をグラフ化したものが声紋と称されており、声紋は個々人によりそれぞれ異なっている。近年、個人を特定するためのバイオメトリクス技術が急速に進歩しており、特に安価かつ容易に個人を特定するために声紋が用いられている。そこで、本発明では、利用者の音声データから声紋を解析して、利用者の特定に用いている。なお、声紋認識を行って個人認証を行うための技術は、例えば特開2003−264857号公報に詳しく記載されている。
【0049】
<声紋データ比較手段>
声紋データ比較手段50は、歌唱者声紋データと、利用者声紋データ取得手段48にて取得した声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)とを比較するためのプログラムからなる。すなわち、カラオケ楽曲の演奏が開始して歌唱が行われると、歌唱者声紋データ取得手段49の機能により、当該歌唱者の声紋データを解析する。そして、解析した歌唱者声紋データが、利用者声紋データ取得手段48の機能により、利用者データベース61から取得した声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)との比較を行う。
【0050】
<ログイン提示手段>
ログイン提示手段51は、声紋データ比較手段50による比較結果において、歌唱者声紋データに該当する声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)が存在しなかった場合は、当該歌唱者に対してログインを促すためのプログラムからなる。すなわち、ログイン提示手段51は、歌唱者声紋データに該当する声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)が存在しなかった場合に、表示装置34の表示画面やカラオケリモコン装置31の入出力表示部31eに、ログインを促すための表示を行う。
【0051】
<歌唱履歴更新手段>
歌唱履歴更新手段52は、声紋データ比較手段50の比較結果において、歌唱者声紋データに該当する声紋データが存在した場合には、当該声紋データに紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新し、またはログイン提示手段51に基づいてログイン処理が行われた場合には、当該ログインした利用者に紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新するためのプログラムからなる。
【0052】
すなわち、歌唱履歴更新手段52は、利用者データベース61からダウンロードした声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)の中に、カラオケ楽曲を歌唱した歌唱者の歌唱者声紋データ存在した場合には、当該声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)に紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新する。また、ログインの提示に基づいてログインが行われた場合には、当該ログインした利用者に紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新する。なお、利用者データベース61からダウンロードした声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)の中に、当該カラオケ楽曲を歌唱した歌唱者の歌唱者声紋データが存在せず、ログインの提示に基づいてログインが行われなかった場合には、歌唱した利用者を特定することができないため、従来通り予約者の歌唱履歴を更新する。
【0053】
また、ログイン提示に基づいてログインが行われた場合に、当該ログインした利用者に紐付けられている声紋データが、カラオケ楽曲を歌唱した歌唱者の歌唱者声紋データと異なった場合、再度歌唱者に対してログイン提示を促してもよい。さらに、新規に利用者IDの取得を促し、利用者が利用者IDの取得手続きを行った場合には、利用者ID取得提示手段53の機能により、取得した利用者IDと歌唱者声紋データと歌唱履歴(歌唱した楽曲IDの履歴)とを紐付けして記憶することができる。
【0054】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段54は、楽曲IDに基づいて演奏データから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ35に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ35は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段54から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力させるための装置である。
【0055】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段56は、カラオケ楽曲の演奏中に、背景映像データから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力するためのプログラムからなる。
【0056】
<歌唱履歴の更新>
次に、
図3を参照して、歌唱履歴の更新の手順について説明する。選曲予約者歌唱確認及び歌唱履歴の履歴作成処理では、
図3に示すように、当該利用者の利用者IDと声紋データを利用者データベース61から取得する(S1)。そして、カラオケ楽曲の演奏に合わせてマイクロホンから歌唱者の音声データが入力されると(S2)、当該入力された歌唱者の音声データを解析し、歌唱者声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)を取得する(S3)。
【0057】
続いて、解析した歌唱者声紋データと、取得した声紋データとを比較し(S4)、一致する声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)が存在するか否かを確認する(S5)。ここで、歌唱者声紋データに該当する声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)が存在した場合には、当該声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)に紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新する(S6)。なお、歌唱者が予約者であった場合も含まれる。
【0058】
一方、歌唱者声紋データに該当する声紋データ(ログイン利用者声紋データ44a)が存在しなかった場合は、当該歌唱者に対してログインを促す(S7)。そして、ログインが行われたか否かを確認し(S8)、ログインが行われた場合には、当該ログインした利用者に紐付けられた利用者IDの歌唱履歴を更新する(S9)。
【0059】
<他の実施形態>
本発明のシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。