特許第6114741号(P6114741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6114741家具本体の側壁へのビルトイン冷蔵庫用固定アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114741
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】家具本体の側壁へのビルトイン冷蔵庫用固定アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20170403BHJP
   E05D 7/04 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   F25D23/02 301E
   F25D23/02 306C
   E05D7/04
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-505572(P2014-505572)
(86)(22)【出願日】2012年4月11日
(65)【公表番号】特表2014-511990(P2014-511990A)
(43)【公表日】2014年5月19日
(86)【国際出願番号】EP2012056535
(87)【国際公開番号】WO2012143273
(87)【国際公開日】20121026
【審査請求日】2015年1月15日
(31)【優先権主張番号】102011002148.5
(32)【優先日】2011年4月18日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503226235
【氏名又は名称】ヘティッヒ−オーエヌイー ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(72)【発明者】
【氏名】クレマン アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】ゲーツ アレクサンダー
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00707185(EP,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第00509355(EP,A1)
【文献】 米国特許第03665552(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第19623438(DE,A1)
【文献】 実開昭59−094607(JP,U)
【文献】 特開2007−146942(JP,A)
【文献】 実開昭62−013220(JP,U)
【文献】 国際公開第98/019120(WO,A1)
【文献】 特開平07−034748(JP,A)
【文献】 特表2006−526087(JP,A)
【文献】 特表2008−520857(JP,A)
【文献】 米国特許第5035026(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
E05D 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫側に固定可能であり、締め付けねじ(9)用の貫通孔(8)を有するねじ式フランジ(7)を有するヒンジアーム(6)を有するヒンジ(5)と、
ねじ式フランジ(7)の貫通孔(8)を通るとともに家具本体(2)の側壁(2a)にねじ込まれることが可能である2つの締め付けねじ(9)と、
必要に応じてねじ式フランジ(7)と側壁(2a)との間に挿入可能である少なくとも1つの壁厚補正プレート(11)とを備える、
家具本体(2)の側壁(2a)へのビルトイン冷蔵庫(3)用の固定アセンブリにおいて、
前記ねじ式フランジ(7)に差し込み可能であるプラスチック製のカバーキャップ(10)に前記締め付けねじ(9)が予め設置されており、
前記ねじ式フランジ(7)が前記ヒンジアーム(6)から突出しており、
前記カバーキャップ(10)が、前記ねじ式フランジ(7)への差し込みのための手段、特に留めラグ、アンダカット等を有しており、
前記少なくとも1つの壁厚補正プレート(11)が、フィルムヒンジ(12)を介して一体的に前記カバーキャップ(10)に成形されていることを特徴とする
固定アセンブリ。
【請求項2】
前記ねじ式フランジ(7)の孔(14)に留められることが可能であるキャッチピン(13)が前記壁厚補正プレート(11)に設けられていることを特徴とする
請求項1に記載の固定アセンブリ。
【請求項3】
前記締め付けねじ(9)に皿頭(10)が設けられており、これが直接前記ねじ式フランジ(7)の前記貫通孔(8)の縁部に押されることが可能であり、その一方で前記カバーキャップ(10)の貫通領域を変形させることを特徴とする
請求項1または2に記載の固定アセンブリ。
【請求項4】
前記壁厚補正プレート(11)の厚さが好適には5mm未満であることを特徴とする
請求項1から3のいずれか一項に記載の固定アセンブリ。
【請求項5】
前記締め付けねじ(9)が前記カバーキャップ(10)の貫通領域に摩擦係合的に予め設置されていることを特徴とする
請求項1から4のいずれか一項に記載の固定アセンブリ。
【請求項6】
前記フィルムヒンジ(12)を介して前記カバーキャップ(10)に成形されている前記壁厚補正プレート(11)にフィルムヒンジを介してさらに壁厚補正プレート(11)が一体的に成形されており、そのさらなる補正プレートが必要に応じて前記キャッチピン(13)の反対側で前記第1の壁厚補正プレート(11)に留められることが可能であることを特徴とする
請求項1から5のいずれか一項に記載の固定アセンブリ。
【請求項7】
前記カバーキャップ(10)が前記ねじ式フランジ(7)に予め設置されることが可能であることを特徴とする
請求項1から6のいずれか一項に記載の固定アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具本体の側壁へのビルトイン冷蔵庫用の固定アセンブリに関し、冷蔵庫側に固定され、締め付けねじ用の貫通孔を有するねじ式のフランジを有するヒンジアームを有するヒンジと、ねじ式フランジの貫通孔を通るとともに家具本体の側壁にねじ込まれることが可能である2つの締め付けねじと、必要に応じてねじ式フランジと側壁との間に挿入可能である少なくとも1つの壁厚補正プレートとを備える。
【背景技術】
【0002】
この種の固定アセンブリ自体は公知であり、主にビルトイン冷蔵庫を家具本体の内部へ固定するため、ビルトイン冷蔵庫を家具本体の側壁に固定するために使用されている。
対応するヒンジアームの固定によりさらに、ビルトイン冷蔵庫にドアを接続するヒンジの静的な固定も行われる。
【0003】
当然、ヒンジアームを家具本体の側壁に固定することが可能である2つのヒンジが、ドアをビルトイン冷蔵庫に接続するために使用されている。
しかし、これらのヒンジの基本的な構造および操作方法、また側壁への固定が可能であることは機能的に同じである。
【0004】
公知の固定アセンブリの場合、締め付けねじおよび少なくとも1つの壁厚補正プレートは個別の部品として設置者に提供され、すなわち設置者は2つの締め付けねじを順番にねじ式フランジの貫通孔に挿入して家具本体の側壁にねじ込み、事前に壁厚補正プレートをねじ式フランジと側壁との間に配置し適所に保つかまたはその他の方法で少なくとも締め付けねじの挿入の際に固定しなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ビルトイン冷蔵庫を家具本体の側壁に固定するため必要な作業工程を減らし、特に設置者にとって簡略化されるように、この種の固定アセンブリを改良する目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は本発明に係り、ねじ式フランジに差し込み可能であるプラスチック製のカバーキャップ内に締め付けねじが予め設置されていることにより達成される。
【0007】
締め付けねじはカバーキャップ内に予め設置されているため、その取り付けは実質的に簡単にされている。
設置者は、カバーキャップをねじ式フランジに差し込めばよいだけであり、まず予め設置されているねじをねじ式フランジの貫通孔に、続いて家具本体の側壁へねじ込むことが可能である。
【0008】
本発明の好適な実施例では、少なくとも1つの壁厚補正プレートが、フィルムヒンジ等を介してカバーキャップに一体的に形成されている。
【0009】
壁厚補正プレートが構造上の理由から必要とされる場合、これはすでにカバーキャップ上に一体的に形成されており、ねじ式フランジの後方へ向かって折り重ねるだけでよく、その際に壁厚補正プレートが固定領域から望ましくない状態でずれてしまう、または完全に外れてしまう危険性が生じることがない。
【0010】
ねじ式フランジの孔に留めることが可能であるキャッチピンが壁厚補正プレートに設けられている本発明の実施形態が好ましい。
【0011】
これにより、壁厚補正プレートを特に簡単に仮止めすることができる。
【0012】
壁厚補正プレートが必要でない場合は、これを設置者がフィルムヒンジに沿って切断することによって除去および廃棄することが可能である。
【0013】
本発明のその他の特徴は従属請求項の主題である。
【0014】
本発明の実施例を添付の図面に示すとともに以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ビルトイン冷蔵庫を有する家具のドアが開いた状態の斜視図である。
図2図1の家具の上面図である。
図3図1の部分IIIの詳細を示す拡大図である。
図4】ビルトイン冷蔵庫のヒンジのヒンジアームの図である。
図5】予め設置された締め付けねじと、成形された壁厚補正プレートとを有するカバーキャップの図である。
図6図4のヒンジアームの斜視図である。
図7図5の組立構造の斜視図である。
図8図5の組立構造をヒンジアームに配置した図4および5に対応する図である。
図9図8のアセンブリの斜視図である。
図10】家具本体の側壁にねじ込まれた状態のヒンジアームの斜視図である。
図11】側壁のヒンジアームの固定領域の水平断面図である。
図12図11の矢印XIIの方向の図である。
図13】たとえば図5ではまだ見られる壁厚補正プレートを除去した後の予め設置されたカバーキャップを有するヒンジアームの図8に対応する図である。
図14図13のアセンブリの斜視図である。
図15図13および14のヒンジアームの固定領域における図11に対応する断面図である。
図16図15の矢印XVIの方向の図である。
図17図13から16の側壁に固定されるヒンジアームの図10に対応する斜視図である。
図18】壁厚補正プレートが成形されているカバーキャップの別の実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1から3では、家具全体が符号1で示されており、全体を符号3で示されるビルトイン冷蔵庫がその家具本体2に設置されている。
このビルトイン冷蔵庫3には、それ自体公知の方法でドア4が備えられており、これは通路側にヒンジ5を介して固定される。
【0017】
図3に明確に示されるように、各ヒンジ5はヒンジアーム6を備えており、これはそれ自体公知の方法で冷蔵庫3の本体に固定的に接続している(詳細には不図示)。
このヒンジアーム6は、図4および6に明確に示されるように、たとえば貫通孔8を有するねじ式フランジ7を有する。
これらの貫通孔8を通って締め付けねじ9が案内されて、家具本体2の側壁2a内へねじ込まれることが可能であり、その際締め付けねじ9は、ねじ式フランジ7に差し込み可能であるプラスチック製のカバーキャップ10に予め設置されている。
予め設置されているという用語は、ここでは締め付けねじ9がカバーキャップ10の対応する貫通領域内に留まるように挿入されていることを意味する。
たとえば、締め付けねじ9は、摩擦係合的に貫通領域内に保持されることが可能である。
締め付けねじ9の軸方向の間隔は、予め製造されている貫通領域により、ねじ式フランジ7の2つの貫通孔8の軸方向の間隔に正確に適合されている。
【0018】
カバーキャップ10自体は、たとえばねじ式フランジに単純に差し込むことによってあらかじめ設置されることが可能である。
ここでは、先行技術から公知の留めラグ、アンダカットまたはその他の差し込み接続が可能である。
【0019】
たとえば図5に非常に明確に示されるように、壁厚補正プレート11がフィルムヒンジ12を介してプラスチック製のカバーキャップ10に一体的に接続される。
【0020】
上述の構成部品は全体で固定アセンブリを形成し、これによりビルトイン冷蔵庫3が家具本体2の側壁2aに固定可能である。
ビルトイン冷蔵庫3を家具1の本体2に挿入した後、設置者は、締め付けねじ9が予め設置されているカバーキャップ10をねじ式フランジ7に差し込み、締め付けねじ9をねじ式フランジ7の貫通孔8を通して家具本体2の側壁2aにねじ込むことが可能である。
【0021】
上述の壁厚補正プレート11はたとえば側壁の厚さが、家具構造において通常使用される側壁より薄い場合に必要とされる。
一般に、家具構造では19mmの壁厚が用いられる。
しかし、多くの製造者はコストおよび重量の理由から、大幅に薄い壁厚を使うようにもなっている。
このような場合、ヒンジアーム6の寸法は通常の19mmの壁厚に適合されているため、壁厚補正プレート11が必要になる。
【0022】
壁厚補正プレート11は、この場合、フィルムヒンジ12の周りでねじ式フランジ7上へ、またはその後方へ折り重ねられることが可能であるため、ねじ式フランジ7と家具本体2の側壁2aとの間にある。
壁厚補正プレート11には、ねじ式フランジ7の対応する孔14内に挟まれることが可能であるキャッチピン13が設けられていることが望ましい。
【0023】
上述の理由から、5mm以下の壁厚補正プレート11が望ましい。壁厚補正プレート11はしかし必要に応じて5mmより厚くてもよい。
【0024】
締め付けねじ9は、皿頭9aを有するねじである。
この皿頭9aは、カバーキャップ10を通って直接貫通孔8の周縁部まで押され、その一方で、たとえば図11または15に示されるように、締め付けねじ9の貫通領域を変形させる。
【0025】
したがって、接続の耐荷重性に関してカバーキャップ10の機械的耐荷重性は重要ではない。
【0026】
図4−12に示され、設置された状態ではねじ式フランジ7と側壁2aとの間に挿入されている壁厚補正プレート11が不要である場合、これはフィルムヒンジ12に沿ってカバーキャップ10から簡単に切り取って廃棄することが可能である。
この形での使用については図13−17に示されている。
【0027】
したがって、ビルトイン冷蔵庫3が側壁2aに指定の方法で家具本体2の内部に固定される場合に、このために設置者が実施すべき作業および工程はわずかなものとなる。
締め付けねじ9が予め設けられているカバーキャップ10は、ねじ式フランジ7に差し込まれ、締め付けねじ9は側壁2a内にねじ込まれ、その際場合によっては先に壁厚補正プレート11が、フィルムヒンジ12を中心に折り重ねられることによりねじ式フランジ7と側壁2aとの間の領域内に移動される。
【0028】
これにより、従来の構造よりも設置がかなり単純化および短縮される。
【0029】
上述の実施例以外にも、第1壁厚補正プレート11にフィルムヒンジを介してさらに別の壁厚補正プレート11を成形することも考えられ、その場合には両壁厚補正プレートはたとえば1.5mmの厚さを有する。
カバーキャップ10から離れて配置される壁厚補正プレート11は、両方の壁厚補正プレート11の厚さが必要とされる場合において、カバーキャップ10に接続する壁厚補正プレート11の前側に予め折り重ねられてそこに係止され、続いてこのようにして二重にされた壁厚補正プレート11はキャッチピン13を介してねじ式フランジ7の孔14内に留められることが可能である。
【0030】
さらに別の実施形態が図18に示されており、ここでは3つの壁厚補正プレート11がカバーキャップ10に射出成形されている。
この3つの壁厚補正プレート11は、ほぼあらゆる用途のために多様な寸法を得ることを可能にするため、同じまたは異なる厚さを有することが可能である。
【0031】
さらに、上述の実施例以外にも、ビルトイン冷蔵庫がこのような固定アセンブリによって家具本体の上部または底部の壁部に固定可能であるようにねじ式フランジ7がヒンジアーム6に成形されていることも考えられる。
ビルトイン冷蔵庫には、上または下へ開く蓋が設けられることも可能であるが、その際は固定アセンブリの設置位置は図示される位置とは異なる。
したがって、本発明の範囲においては、「側壁」という用語は、上壁部または底壁部も含むものと理解される。
【符号の説明】
【0032】
1 家具
2 家具本体
2a 側壁
3 ビルトイン冷蔵庫
4 ドア
5 ヒンジ
6 ヒンジアーム
7 ねじ式フランジ
8 貫通孔
9 締め付けねじ
9a 皿頭
10 カバーキャップ
11 壁厚補正プレート
12 フィルムヒンジ
13 キャッチピン
14 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
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