(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ピストンは、前記丸い突出物付チャンバの内部に配置された多数の前記丸い突出物を有する本体、および、前記本体を格納する外表面を有し、移動中にチャンバ壁の内表面との噛み合わさり、前記外表面の一部と前記チャンバ壁の内表面との間に流体シールを形成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
圧縮機は一つの外表面と一つの内表面を持つ一つのチャンバ壁から構成されている。内表面は丸い突出物付のチャンバを取り囲み弓形の表面を持つセグメントから構成されている。弓形表面の各セグメントは隣接するセグメントと接線を成している。2つの弓形表面が「接線を成している」とは、2つの弓形表面の間の交差する線において2つの弓形表面の間の角度がゼロであることを意味して使用されている。圧縮機は、また、丸い突出物付のチャンバ内部に配置された一つの丸い突出物付のピストンから構成されている。ピストンは弓形の表面を持つセグメントから構成されている一つの外表面を持つことができ、弓形表面の各セグメントは隣接するセグメントと接線を成している。ピストンの丸い突出物はチャンバの丸い突出物の中に配置されている。ピストンの外表面はピストン本体を取り囲む。
【0010】
ピストンはチャンバ壁に対する円形路に沿って移動するように構成されている。望ましくは、ピストンはチャンバ壁の回転対称中心と同心円を成す円形路を移動する。望ましくは、ピストンは移動中にチャンバ壁に対して回転しない。ピストンの外表面とチャンバ壁の内表面は移動中に噛み合わさり、ピストンの丸い突出物とチャンバの丸い突出物の間に密閉された空間を形成するように、ピストンの外表面の一部分とチャンバ壁内表面の間に流体密なシールを形成する。以下により詳細に説明するように、ピストンの丸い突出物とピストンの丸い突出物が配置されたチャンバの丸い突出物の間に密閉された空間は移動中に容積を変える。チャンバ壁はチャンバ壁の外表面と内表面を接続するチャンネルを持っている。チャンネルはピストンの丸い突出物とピストンの丸い突出物が配置されたチャンバの丸い突出物の間の空間に流体接続されている。その空間の容積が拡大する時、流体はチャンネルからその空間へ引き込まれる。チャンバ壁の外表面と内表面を接続するチャンネルを持つチャンバ壁は流体の流動抵抗を減少し、流体の流量を増加させる。
【0011】
ピストンはさらにその本体の端末に取りついたシールプレートから構成されている。シールプレートはチャンバ壁に対して流体密なシールを形成する。シールプレートは望ましくは、円形であり、ピストンの丸い突出物を越えて伸長する。シールプレートは2つの対向する表面の間に穴をゆうし、その貫通穴は密閉された空間と流体接続されている。望ましくは、各穴はピストン外表面の弓形表面の一つのセグメントと接線を成す。シールプレートの穴は望ましくは、貫通穴であり、円形等の何らかの適切な形状である。
【0012】
圧縮機はさらにチャンバ壁に固定し、チャンバ壁に対して流体密なシールを形成する移動プレートから構成されている。ピストンがそこへ移動することができるとき、移動プレートとチャンバ壁は丸い突出物付のチャンバの中のピストンを取り囲む。移動プレートはチャンバの底部にぶつかりピストンを追い立てて、ピストンの軸位置を束縛する。移動プレートは、ピストンがチャンバ壁に対して選択された移動位置にある時、ピストンのシールプレートの穴と重なり、流体接続する貫通穴を持つ。
【0013】
移動プレートの穴は何らかの適切な形状を持つ。移動プレートの穴の数は望ましくは、シールプレートの穴の数に等しい。移動プレートの穴の数は望ましくは、丸い突出物付のチャンバの丸い突出物の数に等しい。移動プレートの穴は望ましくは、チャンバ壁の内表面の部分が移動プレートの各穴と重なるように配置されている。
【0014】
一実施形態によると、移動プレートの各穴は丸い突出物付のチャンバの各丸い突出物に対応している。移動プレートの穴の位置は、密閉空間をチャンバ壁とピストンの間に形成し、密封された場所にある流体が事前に決定された圧縮比に圧縮された時のみに、移動プレートの各穴がピストンのシールプレートの穴と重なり、移動プレートの穴が対応する丸い突出物付のチャンバの丸い突出物と流体接続するように構成されている。用語「圧縮比」はここでは圧縮された流体と圧縮されていない流体の圧力の比として使用されている。移動プレートの穴の正確な位置は、事前に決定された圧縮比を調整するために変更する。ピストンのシールプレートの一つの穴が移動プレートの一つの穴に重なる時、対応する密閉された空間の中の圧縮された流体は穴を経由して密閉空間から吐出される。移動プレートの穴は、密閉空間の容積がゼロに減少する前に密閉空間から切り離される。移動プレートは流体の漏出を防ぐように構成されている。
【0015】
一実施形態によると、移動プレートは固定されているか、あるいは回転可能であっても差し支えない。移動プレートとシールプレートは密閉空間と出力空間の間の接続を協調して制御する。移動プレートの貫通穴とシールプレートの貫通穴は、密閉空間の流体圧力がある値まで増加する時シールプレートの貫通穴と移動プレートの貫通穴が密閉空間内部の流体がそこから吐出するように重なるように配置されている。
【0016】
シールプレートの穴を経由して丸い突出物付のチャンバから吐出されかつ圧縮された流体は、シールプレートとチャンバ壁の間の流体密なシールを強化するようにシールプレートに抗して押し、シールプレートとチャンバ壁の間の流体の漏出を減少させ、ピストンと丸い突出物付のチャンバの間の何らかの隙間を通じた丸い突出物付チャンバの丸い突出物の間の流体の漏出を減少させ、シールプレートと移動プレートの間の何らかの摩擦を減少させることができる。
【0017】
一実施形態によると、丸い突出物付のチャンバから吐出されかつ圧縮された流体は、ピストンの何らかのドライブシャフトへ潤滑油を送るのに利用され、ピストンとチャンバ壁の間の何らかの隙間、シールプレートと移動プレートの間の何らかの隙間の中にある潤滑油は摩擦を減少させる、流体密なシールを形成することができる。
【0018】
図1は一実施形態によるチャンバ壁1(左パネル)の内表面100の端面図とピストン2(右パネル)の外表面200の端面図を示す。内表面100は12個の弓形表面のセグメント、110A、120A、110B、120B、110C、120C、110D、120D、110E、120E、110F及び120Fから構成されている。黒い三角は隣接するセグメントの間で交差する線を示している。各セグメントはその隣接するセグメントと接線を成している。例えば110Aは120A及び120Fと接線を成しており、120Cは110D及び110Cと接線を成している。内表面100はO点を回転対称中心としたn倍の回転対称を持ち、ここでnは6などの1以上の何らかの整数である。rは120A、120B、120C、120D及び120E上の点とO点との間の最短距離を意味している。Rは110A、110B、110C、110D、110E及び110F上の点とO点との最遠距離を意味している。110A、110B、110C、110D、110E及び110Fの各中心からO点までの距離はAである。外表面200は12個の弓形表面のセグメント、210A、220A、210B、220B、210C、220C、210D、220D、210E、220E、210F及び220Fから構成されている。黒い三角は隣接するセグメントの間で交差する線を示している。各セグメントはその隣接するセグメントと接線を成している。例えば210Aは220A及び220Fと接線を成しており、220Cは210D及び210Cと接線を成している。内表面200はO’点を回転対称中心としたn’倍の回転対称を持ち、ここでn’は望ましくはnに等しい1以上の何らかの整数である。r’は220A、220B、220C、220D及び220E上の点とO’点との間の最短距離を意味している。R’は210A、210B、210C、210D、210E及び210F上の点とO’点との最遠距離を意味している。210A、210B、210C、210D、210E及び210Fの各中心からO’点までの距離はA’である。Aは本質的にA’に等しい。(R−R’)は本質的に(r−r’)に等しい。RはR’よりも大きい。rはr’よりも大きい。ピストン2はO点を中心とした直径(R−R’)の円形路150に沿って移動する。
【0019】
図2A−2Fは一実施形態により、ピストン2が円形路150に沿って移動する際のチャンバ壁1の内表面100に対するピストン2の位置を示す。ピストン2がある移動位置にある時、密閉空間203及び204等の密閉空間がピストン2の外表面の丸い突出物とチャンバ壁1の内表面100の丸い突出物の間に形成する。
【0020】
ピストン2がチャンバ壁1に対して円形路150に沿って移動する時、密閉空間203及び204の容積は変化する。この特別な例において、ピストン2が円形路150に沿って反時計回りに移動する時、密閉空間203が周期的に形成し、収縮し、消失し(すなわち
図2Eと2Fに示すように、内表面100の別の丸い突出物と外表面200間の空間が接続する)、密閉空間204が周期的に形成し、収縮し、消失する(すなわち
図2Dと2Eに示すように、内表面100の別の丸い突出物と外表面200の間の空間が接続する)。密閉空間203は流体をここで圧縮し/圧力を増す圧縮チャンバとして利用される。密閉空間204は圧縮される流体を取り込む取り入れ口チャンバとして利用される。
【0021】
図3A−3Fはそれぞれ
図2A−2Fに対応し、移動プレート3とその中の穴3Aと、ピストン2のシールプレート2Bとその中の穴2Aをさらに示している。長点線はチャンバ壁1の外表面を示している。実線は移動プレート3の輪郭を示している。短点線はシールプレート2Bの輪郭を示している。この特別な例において、ピストン2はチャンバ壁1に対して円形路150に沿って反時計回りに移動する。
図3Aに示す位置において、穴2Aは穴3Aと流体接続されておらず、密閉空間204はチャンバ壁1のチャンネル1Aと流体接続されている。
図3Bに示す位置において、密閉空間203は
図3Aに示す状態から収縮している。この中にある何らかの流体はそれゆえ圧縮され、圧力が上昇する。穴2Aはほとんど穴3Aと流体接続されず、密閉空間203内の流体は密閉空間203から吐出され始める。密閉空間204は拡張し、チャンバ壁1のチャンネル1Aから流体を取り込む。
図3Cに示す位置において、穴2Aは穴3Aと完全に流体接続されており、密閉空間内の大部分の流体はそこから吐出されている。密閉空間204はさらに拡張し、チャンネル1Aからさらに流体を取り込み、その最大容積に達する。
図3Dに示す位置において、密閉空間203はほとんど無になるまで収縮し、その中の全ての流体は本質的に吐出されている。穴2Aはもはや穴3Aと流体接続されていない。密閉空間204は消失し、すなわち内表面100の別の丸い突出物と外表面200が接続されている。
図3Eに示す位置において、密閉空間203は消失し、すなわち内表面100の別の丸い突出物と外表面200が接続されている。この特別な例において、ピストン2が円形路150に沿って全円上を1周移動するときに、6つの密閉空間が形成し、収縮し、消失し、6つの密閉空間が形成し、拡張し、消失する。
【0022】
図4は一実施形態による圧縮機の断面図である。この一実施形態において、チャンネル1Aはチャンバ壁1の側壁を貫いて位置しており、チャンバ壁1の外表面と内表面を接続している。ピストン2はピストン2の本体2Cに固定されたシールプレート2Bを持っている。ピストン2の本体2Cはシールプレート2Bから丸い突出物付のチャンバへ伸びている突起物として見なされる。用語「本体2C」及び「突起物2C」は今後相互に置き換え可能な言葉として用いられる。突起物2Cの高さと丸い突出物付チャンバの深さは、ピストン2とチャンバ壁1の間のシールを形成するように本質的に等しい。ピストン2はまたシールプレート2B側が開いた一つの盲ベアリング穴、その盲ベアリング穴と突起物2Cの一つの端面を接続する一つのオイルチャンネル2Dを持つ。
【0023】
移動プレート3の穴3Aは下部チャンバ40と流体接続されている。穴3Aはノズル状の断面形状を持ち、すなわち下部チャンバ40側に開いた穴3Aの口は、シールプレート2Bに向いた穴3Aの口よりも面積が大きい。穴3Aのそのような断面形状は、穴3Aを通過する流体の流速を減少させ、流体の流動抵抗を減ずるのに効果的である。
【0024】
駆動シャフト5は電動モータ6の回転子6Aと動作可能なように接続されている。駆動シャフト5を貫くオイルチャンネルは、駆動シャフト5の片側端面の口5Aと駆動シャフト5のもう一方の端面の口5Bで開いている。
【0025】
駆動シャフト5の上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の中へ配置され、ベアリングにより回転可能なように接続されている。上部5Cの軸は駆動シャフト5の軸から移される。上部5Cは駆動シャフト5の回転運動をピストン2の円形路150に沿った移動に変換する。
駆動シャフト5に対して偏芯したピストン2の移動により生ずる遠心力に対処し、振動を減ずるために駆動シャフト5にカウンタウェイト4が接続されている。
【0026】
移動プレート3とチャンバ壁1に固定されているシェル8はチャンバ壁1、ピストン2、移動プレート3を格納するエンクロージャの一部であり、少なくとも一つの流体取り込み口9と少なくとも一つの吐出口11を持つ。
【0027】
低温度の流体は取り込み口9を経由して上部チャンバ30内、チャンバ壁1のチャンネル1A、丸い突出物付のチャンバ内に流れ込む。低温度の流体はチャンバ壁1及びピストン2を冷却し、丸い突出物付チャンバ内部の流体の温度を減じ、圧縮効率を高めるのに効果的である。丸い突出物付チャンバから吐出された流体は、ピストン2の穴2Aと移動プレート3の穴3Aを経由して下部チャンバ40内部へ流れ込み、さらに電動モータ6により底部チャンバ50へ流れ込み、モータ6を冷却することができる。流体は最終的にモータ6とシェル8Bの間の隙間を経由して流れ、吐出口11を通して排出される。
【0028】
底部チャンバ50内部の流体は、オイルだまり8D内のオイルの表面上に高い力を生じ、オイル中に浸っている駆動シャフトのオイルチャンネルの開口5A内部へオイルを流れ込ませる。オイルは駆動シャフト5のもう一つの端部5Bへ至る。オイルの一部はピストン2のベアリングシャフトのベアリングの隙間と、移動プレート3とシールプレート2Bの間の隙間を経由して、それらの間の摩擦を減ずるように流れ込む。オイルの一部はピストン2のオイルチャンネル2Dを経由して、ピストン2とチャンバ壁1の間の摩擦を減じ、チャンバ壁1とピストン2を冷却するように、突起物2Cとチャンバ壁1と丸い突出物付チャンバの間の隙間へ流れ込む。オイルは穴3Aを経由して流れ、オイルだまり8Dへ戻る。
【0029】
オイルがオイルチャンネル2Dを経由して丸い突出物付チャンバ内へ流れ込み、丸い突出物付チャンバ内部の流体が圧縮される時、ピストン2はチャンバ壁1から離れるように軸上を追い立てられ、チャンバ壁1とピストン2の間のシールを破壊し、漏出を生ずる。下部チャンバ40内部の高圧力の流体は、穴3Aを経由してシールプレート2B上に力を及ぼし、ピストン2をチャンバ壁1に抗して押し、チャンバ壁1とピストン2間のシールを強化する。
【0030】
ピストン2はチャンバ壁1の端面と噛み合う表面に凹所2Fを持つ。凹所2Fはオイルチャンネル5Bからのオイルを収容するように構成されている。ピストン2の底部と駆動シャフト5の間にチャンバ2Gがある。チャンバ2Gはオイルチャンネル5Bからのオイルを駆動シャフト5の一つの壁面の一つの穴5Dを経由して収容するように構成されている。穴5Dはチャンバ2Gへ流れ込むオイルの絞り弁として機能する。穴2Dは凹所2Fへ流れ込むオイルの絞り弁として機能する。凹所2Fとチャンバ2Fはオイル圧力により、ピストン2とチャンバ壁1と移動プレート3の間の摩擦を減ずるように、軸方向にピストン2を停止させておく機能を有する。ピストン2の上方向移動はピストン2とチャンバ壁1の間の隙間を減じ、ピストン2と移動プレート3の間の隙間を拡大し、凹所2F内部のオイル圧力を増加し、チャンバ2G内部のオイル圧力を減じ、ピストンを下方向へ押し戻す。ピストン2の上方向移動によりピストン2とチャンバ壁1の間の隙間が減少するので、凹所2F内部のオイル圧力は増加し、穴2Dのオイル流量と流動抵抗は減少する。凹所2F内部のオイル圧力は駆動シャフト5内部のオイル圧力から穴2Dを経由しての流動抵抗を差し引いたものに本質的に等しい。ピストン2の下方向移動はピストン2とチャンバ壁1の間の隙間を拡大し、ピストン2と移動プレート3の間の隙間を減じ、凹所2F内部のオイル圧力を減少させ、チャンバ2G内部のオイル圧力を増加させ、ピストン2を上方向へ押し戻す。ピストン2の下方向移動によりピストン2と移動プレート3の間の隙間は減少するので、チャンバ2G内部のオイル圧力は増加し、穴5Dでの流量と流動抵抗は減少する。チャンバ2G内部のオイル圧力は、駆動シャフト5内部のオイル圧力から穴5Dを経由した流動抵抗を差し引いたものに本質的に等しい。
【0031】
図6は一実施形態による圧縮機の垂直断面図である。この一実施形態において、チャンネル1Aはチャンバ壁1の一つの側面を貫通して配置され、チャンバ壁1の外表面と内表面を接続している。チャンネル1A’はまた
図5で示すチャンバ壁1の一つの端面を貫通して配置されている。
【0032】
ピストン2はピストン2の本体2Cに固定されたシールプレート2Bを持つ。ピストン2の本体2Cはシールプレート2Bから丸い突出物付チャンバ内部へ伸びている突起物として見なされる。用語「本体2C」及び「突起物2C」は今後相互に置き換え可能な言葉として用いられる。突起物2Cの高さと丸い突出物付チャンバの深さは、ピストン2とチャンバ壁1の間のシールを形成するように本質的に等しい。ピストン2はまたシールプレート2B側が開いた一つの盲ベアリング穴、その盲ベアリング穴と突起物2Cの一つの端面を接続する一つのオイルチャンネル2Dを持つ。
【0033】
移動プレート3の穴3Aは下部チャンバ40Aと流体接続されている。穴3Aはノズル状の断面形状を持ち、すなわち下部チャンバ40側に開いた穴3Aの口は、シールプレート2Bに向いた穴3Aの口よりも面積が大きい。穴3Aのそのような断面形状は、穴3Aを通過する流体の流速を減少させ、流体の流動抵抗を減ずるのに効果的である。
高圧シェル21は移動プレート3に固定されており、移動プレート3の穴3Aから吐出される高圧力の流体を回収するのに利用される。
【0034】
駆動シャフト5は電動モータ6の回転子6Aと動作可能なように接続されている。駆動シャフト5を貫くオイルチャンネルは、駆動シャフト5の片側端面の口5Aと駆動シャフト5のもう一方の端面の口5Bで開いている。
【0035】
駆動シャフト5の上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の中へ配置され、ベアリングにより回転可能なように接続されている。上部5Cの軸は駆動シャフト5の軸から移される。上部5Cは駆動シャフト5の回転運動をピストン2の円形路150に沿った移動に変換する。
駆動シャフト5に対して偏芯したピストン2の移動により生ずる遠心力に対処し、振動を減ずるために駆動シャフト5にカウンタウェイト4が接続されている。
【0036】
移動プレート3とチャンバ壁1に固定されているシェル8はチャンバ壁1、ピストン2、移動プレート3を格納するシェルの一部であり、少なくとも一つの流体取り込み口9Aと少なくとも一つの吐出口11Aを持つ。
【0037】
低温度の流体は取り込み口9Aを経由してシェル21内の上部チャンバ30A内部へと、モータ6を冷却するようにモータ内を経由してチャンバ30B内部へ、モータ6を冷却するようにモータ6とシェル21の間の空間30Cを経由してと、移動プレート3とシェル21の間の隙間を経由してチャンバ30E内部へ流れ込む。チャンバ30E内部の流体はその後、チャンバ壁1のチャンネル1Aを経由して丸い突出物付チャンバへ流れ込む。低い温度の流体はチャンバ壁1とピストン2を冷却し、丸い突出物付チャンバ内部の流体の温度を減じ、圧縮効率を高めるのに効果的である。丸い突出物付チャンバから吐出された流体は、ピストン2の穴2Aと移動プレート3の穴3Aを経由してチャンバ40Aへ流れ込み、最終的に吐出口11Aを経由して排出される。
【0038】
チャンバ30B内部の流体は、オイルだまり8Dのオイルの表面上に高い力を生じ、オイル中に浸っている駆動シャフトのオイルチャンネルの開口5A内部へオイルを流れ込ませる。オイルは駆動シャフト5のもう一つの端部5Bへ至る。オイルの一部はピストン2のベアリングシャフトのベアリングの隙間と、移動プレート3とシールプレート2Bの間の隙間を経由して、それらの間の摩擦を減ずるように流れ込む。オイルの一部はピストン2のオイルチャンネル2Dを経由して、ピストン2とチャンバ壁1の間の摩擦を減じ、チャンバ壁1とピストン2を冷却するように、突起物2Cとチャンバ壁1と丸い突出物付チャンバの間の隙間へ流れ込む。オイルは穴3Aと21Aを経由して流れ、オイルだまり8Dへ戻る。
【0039】
オイルがオイルチャンネル2Dを経由して丸い突出物付チャンバ内へ流れ込み、丸い突出物付チャンバ内部の流体が圧縮される時、ピストン2はチャンバ壁1から離れるように軸上を追い立てられ、チャンバ壁1とピストン2の間のシールを破壊し、漏出を生ずる。下部チャンバ40A内部の高圧力の流体は、穴3Aを経由してシールプレート2B上に力を及ぼし、ピストン2をチャンバ壁1に抗して押し、チャンバ壁1とピストン2の間のシールを強化する。
【0040】
図7は一実施形態による圧縮機の垂直断面図である。この一実施形態における圧縮機は、清浄な流体を輸送するのに利用される。この一実施形態では、チャンネル1Aはチャンバ壁1の一つの側面を貫通して配置されており、チャンバ壁1外表面と内表面を接続している。チャンネル1A’がまた
図5に示すチャンバ壁の一つの端面を貫通して配置されている。チャンバ壁1はチャンバ壁1内にあり、チャンバ壁1の表面に開いた少なくとも一つの溝1Cを持ち、その中の表面はシールプレート2Bに面している。溝1Cは流体密なシールを形成し、シールプレート2Bとチャンバ壁1の間の潤滑を提供するのに有効な潤滑油で満たされている。
【0041】
ピストン2はピストン2の本体2Cに固定されたシールプレート2Bを持つ。ピストン2の本体2Cはシールプレート2Bから丸い突出物付チャンバ内部へ伸びている突起物として見なされる。用語「本体2C」及び「突起物2C」は今後相互に置き換え可能な言葉として用いられる。突起物2Cの高さと丸い突出物付チャンバの深さは、ピストン2とチャンバ壁1の間のシールを形成するように本質的に等しい。ピストン2はまたシールプレート2B側が開いた一つの盲ベアリング穴、その盲ベアリング穴と突起物2Cの一つの端面を接続する一つのオイルチャンネル2Dを持つ。突起物2Cは突起物2Cの一つの端面内にあり、突起物2Cの一つの端面に開いた少なくとも一つの溝2Eを持ち、その中の端面はチャンバ壁1に面している。溝2Eは流体密なシールを形成し、突起物2Cとチャンバ壁1の間の潤滑を提供するのに有効な潤滑油で満たされている。
【0042】
移動プレート3の穴3Aは下部チャンバ40と流体接続されている。穴3Aはノズル状の断面形状を持ち、すなわち下部チャンバ40側に開いた穴3Aの口は、シールプレート2Bに向いた穴3Aの口よりも面積が大きい。穴3Aのそのような断面形状は、穴3Aを通過する流体の流速を減少させ、流体の流動抵抗を減ずるのに効果的である。移動プレート3は移動プレートの表面上にあり、移動プレートの表面に開いた少なくとも一つの溝3Bを持ち、その中の表面はシールプレートに面している。溝3Bは流体密なシールを形成し、シールプレート2Bと移動プレート3の間の潤滑を提供するのに有効な潤滑油で満たされている。
【0043】
高圧シェル21は移動プレート3に固定され、移動プレート3の穴3Aからの高圧力の流体を回収するのに利用される。当該高圧シェル21は、潤滑とシール材で満たされている溝21Aを持つ。
【0044】
高圧シェル21は移動プレート3に固定されており、移動プレート3の穴3Aから吐出される高圧力の流体を回収するのに利用される。シェル21は少なくとも一つの吐出口11Bを持つ。
低圧シェル22はチャンバ壁1に固定されている。シェル22は少なくとも一つの取り入れ口9Bを持つ。
駆動シャフト5はモータに接続される(
図7には示されていない)。
【0045】
駆動シャフト5の上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の中へ配置され、ベアリングにより回転可能なように接続されている。上部5Cの軸は駆動シャフト5の軸から移される。上部5Cは駆動シャフト5の回転運動をピストン2の円形路150に沿った移動に変換する。
回転防止リング12は圧縮機に配置され、ピストン2が円形路150に沿って移動するとき、ピストンの回転を防ぐことが可能である。
駆動シャフト5に対して偏芯したピストン2の移動により生ずる遠心力に対処し、振動を減ずるために駆動シャフト5にカウンタウェイト4が接続されている。
【0046】
低い温度の流体は取り入れ口9Bからシェル22内のチャンバ30F内部へと、チャンバ壁1を冷却するようにチャンバ壁1条のヒートシンクのフィン1Bを経由して流れ込む。チャンバ30F内の流体はその後、チャンバ壁1のチャンネル1Aを経由して丸い突出物付のチャンバ内部へ流れ込む。低い温度の流体はチャンバ壁1とピストン2を冷却し、丸い突出物付チャンバ内部の流体の温度を低下させ、圧縮効率を高めるのに有効である。丸い突出物付チャンバから吐出された流体は、ピストン2の穴2Aと移動プレート3の穴3Aを経由してチャンバ40B内部へ流れ込み、最終的に吐出口11Bを経由して排出される。
【0047】
丸い突出物付チャンバ内部の流体が圧縮される時、ピストン2はチャンバ壁1から離れるように軸上を追い立てられ、チャンバ壁1とピストン2の間のシールを破壊し、漏出を生ずる。下部チャンバ40B内部の高圧力の流体は、穴3Aを経由してシールプレート2B上に力を及ぼし、ピストン2をチャンバ壁1に抗して押し、チャンバ壁1とピストン2の間のシールを強化する。
【0048】
互いに対して移動する表面の各組は摩擦損失を減少し、それらの間のシールを強化するために固体潤滑剤により潤滑される。例えば、溝1Cと2Eはチャンバ壁1とピストン2の間に潤滑剤を提供し、流体密なシールを形成する。
図8は溝1Cを持つ代表的なチャンバ壁1の平面図を示す。
図9は溝2Eを持つ代表的なピストン2の平面図を示す。溝3Bはシールプレート2Bと移動プレート3の間に潤滑剤を提供し、流体密なシールを形成する。
図10は溝3Bを持つ代表的な移動プレート3の平面図を示す。移動プレート3はさらに移動プレート3と駆動シャフト5の間に潤滑剤を提供し、流体密なシールを形成するために、駆動シャフト5に面する表面内に、駆動シャフト5に面する表面側に開いた一つの溝3Cを持つ。シェル21はシェル21と駆動シャフト5の間に潤滑剤を提供し、流体密なシールを形成するために、駆動シャフト5に面する表面内に、駆動シャフト5に面する表面側に開いた一つの溝21Aを持つ。溝1C、2E、3B、3Cは何らかの適した様式で配置できる。圧縮機は潤滑剤を提供するために、幾つかの適切な数の溝を持つことができる。
【0049】
図11は一実施形態による圧縮機の垂直断面図である。
図12は
図11のA−A断面図にピストン2、チャンバ壁1及び移動プレート3をそこに重ねた図である。
図13は
図11に示す圧縮機のシェルを取り除いた圧縮機を示す平面図である。
図11−13の同じ参照ナンバーは同じ対象物のことを指している。
【0050】
この一実施形態において、流量調整プレート101はチャンバ壁1に回転可能なように取り付けられ、チャンバ壁1と流体密なシールを形成し、丸い突出物付チャンバの底部を形成する。流量調整プレート101は、カバープレート102によりチャンバ壁1の凹所に保持されるなど、何らかの適切な手段によりチャンバ壁1に取り付けられる。カバープレート102は流量調整プレート101とチャンバ壁1の間の流体密なシールを維持するのに有効である。
【0051】
流量調整プレート101は流量調整プレート101の表面上と丸い突出物付チャンバに面する表面上にあり、流量調整プレート101の表面と丸い突出物付チャンバに面する表面側に開いている接続スロット101Aを持つ。接続スロット101Aは丸い突出物付チャンバの丸い突出物に対応している。
図12はチャンバ壁1とピストン2をそこに重ねて示した、代表的流量調整プレート101の平面図である。チャンバ壁1に対する流量調整プレートのある回転位置において、接続スロット101Aは圧縮チャンバとしての密閉空間203と、取り入れ口チャンバとしての密閉空間204と接続し(例えば、
図12の101A’であり、スロット101Aの一つである)、密閉空間203の容積を効率的に減少させる。密閉空間203と密閉空間204が接続スロット101Aにより接続される時、流体は密閉空間203と204の間を、接続スロット101Aを経由して流れることができる。チャンバ壁1に対する流量調整プレート102の回転位置を変更することにより、密閉空間203と204間の接続の使用率と密閉空間203内部の流体の量は調節できる。流量調整プレート101の回転移動は何らかの適切な機構により駆動される。例えば、流量調整プレート101は流量調整レバー103の駆動ポール103Aと噛み合わさるレバースロット101Bを持つ。流量調整プレート101は流量調整プレート101とピストン2の間に潤滑剤を提供するための一つのオイルチャンネル101Cを持つ。オイルチャンネル101Cは4路ソレノイドバルブ108と流体に接続される。
【0052】
ピストン2はピストン2の本体2Cに固定されているシールプレート2Bを持つ。ピストン2の本体2Cはシールプレート2Bから丸い突出物付チャンバ内部へ伸びる突起物として見なされる。用語「本体2C」及び「突起物2C」は今後相互に置き換え可能な言葉として用いられる。突起物2Cの高さと丸い突出物付チャンバの深さは、ピストン2とチャンバ壁1の間と、ピストン2と流量調整プレート101の間のシールを形成するように本質的に等しい。ピストン2はまたシールプレート2B側が開いた一つの盲ベアリング穴、その盲ベアリング穴と突起物2Cの一つの端面を接続する一つのオイルチャンネル2Dを持つ。
【0053】
移動プレート3は何らかの適切な機構によりチャンバ壁1に回転可能なように取り付けられる。例えば、移動プレート3は一つのサポート31内の凹所に保持され、サポート31によりチャンバ壁1に対して追い立てられる。穴3Aはノズル状の断面形状を持ち、すなわち下部チャンバ40側に開いた穴3Aの口は、シールプレート2Bに向いた穴3Aの口よりも面積が大きい。穴3Aのそのような断面形状は、穴3Aを通過する流体の流速を減少させ、流体の流動抵抗を減ずるのに効果的である。移動プレート3の回転は何らかの適切な機構により駆動される。例えば、移動プレート3は、移送プレートを駆動するためにある予備圧縮比の一つの調節レバー105の一つの駆動ポール105Aと噛み合わさる一つのレバースロット3Bを持つ。移動プレート3の回転と流量調整プレート101の回転は関連しており、流量調整プレート101により影響を受ける密閉空間203の容積に関わらず、予備圧縮比を維持する。用語「予備圧縮比」はここでは、穴2Aが穴3Aと重なり始めた瞬間の、圧縮チャンバ内の圧縮された流体の圧縮されていない流体に対する圧力の比を意味する。流量調整プレート101と移動プレート103の回転は、何らかの適切な機構により連携される。一つの例として
図11及び
図13に示すように、駆動レバー106がスライド107Aからレバー回転軸104まで移動するために、油圧アクチュエータ107のスライダ107Aとレバー回転軸104と接続されている。油圧アクチュエータ107はスライダ107Aを制御し、レバー回転軸104の回転を駆動する。レバー回転軸104は流量調整レバー103と予備圧縮比調整レバー105と接続されている。
【0054】
図12に示すように、ピストン2は円形路に沿ってチャンバ壁1の回転対称軸の周りを反時計回りに移動する。
図12の上部パネルは流量調整のない状態を例示しており、ここで流量調整プレート101の接続スロット101Aはいずれかの密閉空間203と流体接続されておらず、それゆえ密閉空間203内部の圧縮に影響しない。OAは接続スロット101Aの一つの初期角度位置であり、OBは穴3Aの一つの初期角度位置である。
図12の下部パネルは、流量調整のある状態を例示している。
図12の上部パネルに示す状態と比較すると、流量調整プレート101はチャンバ壁1の回転対称軸の周りに角度AOA’回転しており、移動プレート3はチャンバ壁1の回転対称軸の周りに角度BOB’回転している。角度AOA’は望ましくは、角度BOB’よりも大きい。
図12の下部パネルの状態では、ピストン2が移動する時、密閉空間203が圧縮チャンバとして形成し、密閉空間204が取り入れ口チャンバとして接続スロット101A’により接続されており、それゆえ密閉空間203内部の流体は圧縮されず、密閉空間204内部へ流れ込む。ピストン2が接続スロット101A”が密閉空間203及び204双方に接続しない位置へ移動する時、密閉空間204内部の流体は圧縮され始める。移動プレート3と流量調整プレート101の回転は、圧縮効率につながる予備圧縮比がほぼ一定に維持するように同期される。
【0055】
サポート31はシェル8に固定されており、穴3Aに対応し、穴3Aと流体接続されている穴31Aを持つ。穴3Aから吐出された流体は、穴31SAを経由してチャンバ40内部へ流れ込む。下部チャンバ40内部の高圧力の流体は穴31Aと3Aを経由して移動プレート3とシールプレート2B上に力を及ぼし、移動プレート3をピストン2に抗して押し、ピストン2をチャンバ壁1に抗して押し、移動プレート3とピストン2の間のシールと、チャンバ壁1とピストン2の間のシールを強化する。
【0056】
4路ソレノイドバルブ108は油圧アクチュエータ107の動作を制御するために使用される。4路ソレノイドバルブの電源が入っていない時、油圧流体は油圧アクチュエータ107内部に閉じ込められ、油圧アクチュエータ107のスライダ107Aはロックされる。4路ソレノイドバルブ108の一つの増加用ソレノイドの電源が供給される時、高圧力の潤滑油(例えば油圧油)を供給するオイルチャンネル101Cは、油圧アクチュエータ107のオイルチャンバ107Bと流体接続され、オイルチャンバ107Cは低圧力のオイルを供給するオイルチャンネル1Dと流体に接続されている。オイルチャンバ107Bと107Aの間の圧力差は、スライダ107Aをオイルチャンバ107Bから遠ざける結果をもたらし、
図13の流量調整プレート101と移動プレート3を反時計回りに回転させる。4路ソレノイドバルブ108の一つの減少用ソレノイドの電源が供給される時、高圧力の潤滑油(例えば油圧油)を供給するオイルチャンネル101Cは、油圧アクチュエータ107のオイルチャンバ107Cと流体接続され、オイルチャンバ107Bは低圧力のオイルを供給するオイルチャンネル1Dと流体に接続されている。オイルチャンバ107Bと107Aの間の圧力差は、スライダ107Aをオイルチャンバ107Bに近づける結果をもたらし、
図13の流量調整プレート101と移動プレート3を時計回りに回転させる。
【0057】
駆動シャフト5は電動モータ6の回転子6Aと動作可能なように接続されている。駆動シャフト5を貫くオイルチャンネルは、駆動シャフト5の片側端面の口5Aと駆動シャフト5のもう一方の端面の口5Bで開いている。
【0058】
駆動シャフト5の上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の中へ配置され、ベアリングにより回転可能なように接続されている。上部5Cの軸は駆動シャフト5の軸から移される。上部5Cは駆動シャフト5の回転運動をピストン2の円形路150に沿った移動に変換する。
駆動シャフト5に対して偏芯したピストン2の移動により生ずる遠心力に対処し、振動を減ずるために駆動シャフト5にカウンタウェイト4が接続されている。
【0059】
移動プレート3とチャンバ壁1に固定されているシェル8はチャンバ壁1、ピストン2、移動プレート3を格納するシェルの一部であり、少なくとも一つの流体取り込み口9と少なくとも一つの吐出口11を持つ。
【0060】
低い温度の流体は取り入れ口9からシェル8内のチャンバ30内部へと、チャンバ壁1のチャンネル1Aを経由して丸い突出物付のチャンバ内部へ流れ込む。低い温度の流体はチャンバ壁1とピストン2を冷却し、丸い突出物付チャンバ内部の流体の温度を低下させ、圧縮効率を高めるのに有効である。丸い突出物付チャンバから吐出された流体は、ピストン2の穴2Aと移動プレート3の穴3Aを経由してチャンバ40内部と、モータ6とシェル8の間の空間を経由して流れ込み、最終的に吐出口11を経由して排出される。
【0061】
チャンバ50内部の流体は、オイルだまり8D内のオイルの表面上に高い力を生じ、オイル中に浸っている駆動シャフトのオイルチャンネルの開口5A内部へオイルを流れ込ませる。オイルは駆動シャフト5のもう一つの端部5Bへ至る。オイルの一部はピストン2のベアリングシャフトのベアリングの隙間と、移動プレート3とシールプレート2Bの間の隙間を経由して、それらの間の摩擦を減ずるように流れ込む。オイルの一部はピストン2のオイルチャンネル2Dを経由して、ピストン2とチャンバ壁1と流量調整プレート101の間の摩擦を減じ、チャンバ壁1とピストン2と流量調整プレートを冷却するように、突起物2Cとチャンバ壁1の隙間と、突起物2Cと流量調整プレート101と丸い突出物付チャンバの間の隙間へ流れ込む。オイルは穴3Aを経由して流れ、オイルだまり8Dへ戻る。 オイルはまたオイルチャンネル101Cを経由して油圧アクチュエータ1017を駆動するために供給される。
【0062】
オイルがオイルチャンネル2Dを経由して丸い突出物付チャンバ内へ流れ込み、丸い突出物付チャンバ内部の流体が圧縮される時、ピストン2はチャンバ壁1から離れるように軸上を追い立てられ、チャンバ壁1とピストン2の間のシールを破壊し、漏出を生ずる。下部チャンバ40内部の高圧力の流体は、穴3Aを経由してシールプレート2B上に力を及ぼし、ピストン2をチャンバ壁1に抗して押し、チャンバ壁1とピストン2の間及びピストン2と流量調整プレート101の間のシールを強化する。
【0063】
図14は一実施形態による圧縮機の垂直断面図である。この一実施形態において、チャンネル1Aはチャンバ壁1の一つの側壁を貫通して配置されており、チャンバ壁1の外表面と内表面を接続している。
【0064】
ピストン2はピストン2の本体2Cに固定されているシールプレート2Bを持つ。この一実施形態において、シールプレート2Bはそこに貫通穴を持たない(例えば先の一実施形態では穴2Aを持たない)。ピストン2の本体2Cはシールプレート2Bから丸い突出物付チャンバ内部へ伸びている突起物として見なされる。用語「本体2C」と「突起物2C」は今後相互に置き換え可能な言葉として用いられる。突起物2Cの高さと丸い突出物付チャンバの深さは、ピストン2とチャンバ壁1の間のシールを形成するように本質的に等しい。ピストン2はまたシールプレート2B側が開いた一つの盲ベアリング穴、その盲ベアリング穴と突起物2Cの一つの端面を接続する一つのオイルチャンネル2Dを持つ。
【0065】
この一実施形態のチャンバ壁1はチャンバ壁1の端面を貫通する穴1Eを持つ。穴1Eは丸い突出物付チャンバと流体接続されており、丸い突出物付チャンバ内部の流体が穴1Eを経由してチャンバ40内部へ吐出されるように構成されている。
【0066】
穴1Eは丸い突出物付チャンバからの流体がチャンバ40内部へ吐出することができるが、チャンバ40からの流体が丸い突出物付チャンバ内部へ流れることを防ぐように構成された適切な機構をここに持つ(例えば、穴1Eの口における逆止弁あるいは、弾性シール12)。例えば、丸い突出物付チャンバからチャンバ40内部へ流体が吐出するため穴1Eが開くように、弾性シール12はチャンバ40に向かって曲げることができ、チャンバ40から丸い突出物付チャンバ内部へ流体が流れることを防ぐために穴1Eをシールするように、弾性シール12はチャンバ40から遠ざかるように(すなわち穴1Eに向かって)曲げ戻される。望ましくは、チャンバ壁1に一つのストッパプレート14が取り付けられ、弾性シール12の曲がり具合を制限するように構成されている。サポート300の穴300Aは下部チャンバ50と流体に接続されている。
【0067】
ピストン2はシールプレート2Bとチャンバ壁1の間及び本体2Cとチャンバ壁1の端面の間のシール提供するようにチャンバ壁1に抗して追い立てられる。一つの例において、リング18はサポート300とシールプレート2Bの間に配置されている。リング18はサポート300に対してピストン2の運動が可能であり、チャンバ壁1に抗して追い立てるように構成されている。他の適切な機構がリング18と併せてあるいはリング18の代替として使用される場合がある。
【0068】
駆動シャフト5は電動モータ6の回転子6Aと動作可能なように接続されている。駆動シャフト5を貫くオイルチャンネルは、駆動シャフト5の片側端面の口5Aと駆動シャフト5のもう一方の端面の口5Bで開いている。望ましくは、ポンプ5Fはオイルをオイルだまり8Dから駆動シャフト5のオイルチャンネル内部へ押し出すために口5Aに据え付けられる。
【0069】
駆動シャフト5の上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の中へ配置され、ベアリングにより回転可能なように接続されている。上部5Cの軸は駆動シャフト5の軸から移される。上部5Cは駆動シャフト5の回転運動をピストン2の円形路150に沿った移動に変換する。
駆動シャフト5に対して偏芯したピストン2の移動により生ずる遠心力に対処し、振動を減ずるために駆動シャフト5にカウンタウェイト4が接続されている。
【0070】
移動プレート3とチャンバ壁1に固定されているシェル8はチャンバ壁1、ピストン2、サポート300を格納するシェルの一部であり、少なくとも一つの流体取り込み口9Aと少なくとも一つの吐出口11Aを持つ。
【0071】
低い温度の流体は取り入れ口9Aを経由してシェル8内の下部チャンバ50内部へと、チャンバ壁1のチャンネル1Aを経由して丸い突出物付チャンバ内部へ流れ込む。チャンバ30F内の流体はその後、チャンバ壁1のチャンネル1Aを経由して丸い突出物付のチャンバ内部へ流れ込む。低い温度の流体はチャンバ壁1とピストン2を冷却し、丸い突出物付チャンバ内部の流体の温度を低下させ、圧縮効率を高めるのに有効である。丸い突出物付チャンバから吐出された流体は、チャンバ壁1の穴1Eを経由してチャンバ40内部へ流れ込み、最終的に吐出口11Aを経由して排出される。
【0072】
ポンプ5Fはオイルの中に浸っている駆動シャフトのオイルチャンネル口5Aにオイルを流れ込ませる。オイルは駆動シャフト5のもう一つの端部5Bへ至る。オイルの一部はピストン2のベアリングシャフトのベアリングの隙間と、サポート300、リング18とシールプレート2Bの間の隙間を経由して、それらの間の摩擦を減ずるように流れ込む。オイルの一部はピストン2のオイルチャンネル2Dを経由して、ピストン2とチャンバ壁1の間の摩擦を減じ、チャンバ壁1とピストン2を冷却するように、突起物2Cとチャンバ壁1と丸い突出物付チャンバの間の隙間へ流れ込む。オイルは穴300Aを経由して流れ、オイルだまり8Dへ戻る。
【0073】
図15は一実施形態による圧縮機の垂直断面図である。この一実施形態において、チャンネル1Aはチャンバ壁1の一つの側壁を貫通して配置され、チャンバ壁1の外表面と内表面を接続している。チャンネル1A’も
図5に示すチャンバ壁1の一つの端面を貫通して配置されている。
【0074】
この一実施形態のピストン2はピストン2の本体2Cに固定されたシールプレート2Bを持たない。ピストン2はチャンバ壁1の端面から遠ざける表面側から開いた一つの盲ベアリング穴と、盲ベアリング穴と突起物2Cの一つの端面を接続する一つのオイルチャンネル2Dを持つ。
【0075】
移動プレート3の穴3Aは下部チャンバ40と流体接続されている。穴3Aは丸い突出物付チャンバと流体接続されている。穴3Aは丸い突出物付チャンバからの流体がチャンバ40内部へ吐出することができるが、チャンバ40からの流体が丸い突出物付チャンバ内部へ流れることを防ぐように構成された適切な機構をここに持つ(例えば、逆止弁あるいは、弾性シール12)。例えば、丸い突出物付チャンバからチャンバ40内部へ流体が吐出するため穴3Aが開くように、弾性シール12はチャンバ40に向かって曲げることができ、チャンバ40から丸い突出物付チャンバ内部へ流体が流れることを防ぐために穴3Aをシールするように、弾性シール12はチャンバ40から遠ざかるように曲げ戻される。望ましくは、移動プレート3に一つのストッパプレート14が取り付けられ、弾性シール12の曲がり具合を制限するように構成されている。この一実施形態において、移動プレート3はチャンバ壁1に固定され、丸い突出物付チャンバにピストン2を保持している。
【0076】
駆動シャフト5は電動モータ6の回転子6Aと動作可能なように接続されている。駆動シャフト5を貫くオイルチャンネルは、駆動シャフト5の片側端面の口5Aと駆動シャフト5のもう一方の端面の口5Bで開いている。
【0077】
駆動シャフト5の上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の中へ配置され、ベアリングにより回転可能なように接続されている。望ましくは、上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の全深さまで伸びない。すなわち、上部5Cと盲ベアリング穴の一つの端面の間に隙間がある。上部5Cの軸は駆動シャフト5の軸から移される。上部5Cは駆動シャフト5の回転運動をピストン2の円形路150に沿った移動に変換する。駆動シャフトの下部はサポート7により支持されている。
【0078】
ピストン2はチャンバ壁1の端面と噛み合わさる表面上に一つの凹所2Fを持つ。凹所2Fはオイルチャンネル5Bからのオイルを収容するように構成されている。凹所2Fのオイルは、チャンバ壁に抗してピストン2を追い立てる力を減じ、さらにピストン2とチャンバ壁1の間の摩擦を減ずるために、上部5Cと盲ベアリング穴の端面の間の隙間にあるオイルからの圧力を均衡させる。
駆動シャフト5に対して偏芯したピストン2の移動により生ずる遠心力に対処し、振動を減ずるために駆動シャフト5にカウンタウェイト4が接続されている。
【0079】
チャンバ壁1に固定されているシェル8はチャンバ壁1、ピストン2、移動プレート3を格納するシェルの一部であり、少なくとも一つの流体取り込み口9Aと少なくとも一つの吐出口11Aを持つ。
【0080】
低い温度の流体は取り入れ口9Aを経由してチャンバ50内部へと流れ込み、さらにチャンバ壁1のチャンネル1Aを経由して丸い突出物付チャンバ内部へ流れ込む。低い温度の流体はチャンバ壁1とピストン2を冷却し、丸い突出物付チャンバ内部の流体の温度を低下させ、圧縮効率を高めるのに有効である。丸い突出物付チャンバから吐出された流体は、移動プレート3の穴3Aを経由してチャンバ40内部へ流れ込み、最終的に吐出口11Aを経由して排出される。
【0081】
チャンバ40内部の流体は、オイルだまり8D内のオイルの表面上に高い力を生じ、オイル中に浸っている駆動シャフトのオイルチャンネルの開口5A内部へオイルを流れ込ませる。オイルは駆動シャフト5のもう一つの端部5Bへ至る。オイルの一部は口5Eを経由して、駆動シャフト5とサポート7の間の隙間内部へ流れ込む。オイルの一部はピストン2のベアリングシャフトのベアリングの隙間を経由してと、移動プレート3とピストン2の間の隙間内部へ、それらの間の摩擦を減ずるように流れ込む。オイルの一部はピストン2のオイルチャンネル2Dを経由してと、ピストン2とチャンバ壁1と丸い突出物付チャンバの間の隙間内部へ、ピストン2とチャンバ壁1の間の摩擦を減じ、チャンバ壁1とピストン2を冷却するように流れ込む。オイルは穴3Aを経由して流れ、オイルだまり8Dへ戻る。
【0082】
図16Bは一実施形態による圧縮機の垂直断面図である。この一実施形態において、チャンネル1Aはチャンバ壁1の一つの側壁を貫通して配置され、チャンバ壁1の外表面と内表面を接続している。チャンネル1A’も
図5に示すチャンバ壁1の一つの端面を貫通して配置されている。
【0083】
この一実施形態のピストン2はピストン2の本体2Cに固定されたシールプレート2Bを持たない。ピストン2はチャンバ壁1の端面から遠ざける表面側から開いた一つの盲ベアリング穴と、盲ベアリング穴と突起物2Cの一つの端面を接続する一つのオイルチャンネル2Dを持つ。
【0084】
移動プレート3はチャンバ壁1に固定されており、丸い突出物付チャンバ内部にピストン2を保持する。移動プレート3はそのうえに多数のギア332を収容するように構成されている。ある一実施形態において、多数のギアは移動プレート内の多数の穴に回転可能なように設置されている。多数のギアは何らかの適切なベアリングを介して移動プレート3と連結されている。ギア322はサポート33のような何らかの適切な構造により支持されている。ギア322は一つの貫通穴322Aを含む。望ましくは、ギア322の数はピストン2の丸い突出物の数に等しい。
【0085】
サポート33は下部チャンバ40と流体接続された穴33Aを持つ。穴33Aはギア322の貫通穴322Aを経由して丸い突出物付チャンバと流体接続されている。
【0086】
駆動シャフト5は電動モータ6の回転子6Aと動作可能なように接続されている。駆動シャフト5を貫くオイルチャンネルは、駆動シャフト5の片側端面の口5Aと駆動シャフト5のもう一方の端面の口5Bで開いている。駆動シャフト5は駆動シャフト5が開店するとギア322の回転が駆動されるように、ギア322B上の歯322Bと噛み合う歯5Gを持つ。
【0087】
図16Aは圧縮機の平面図を示し、貫通穴322Aと丸い突出物付チャンバとの空間的位置関係を例示している。貫通穴322Aはギア322の中心からそれている。ギア322と貫通穴322Aは、チャンバ壁1に対するピストン2の移動動作により密閉空間204が形成した後(望ましくは、密閉空間204内部の流体が予備圧縮された後)、このギア322の貫通穴322Aが密閉空間204と流体接続されている位置へギア322が回転するように構成されている。密閉空間204内部の流体はそこから貫通穴322Aを経由して吐出される。貫通穴322Aは密閉空間204内部の全ての流体が本質的にそこから吐出されるまで、密閉空間204と流体接続されたままである。貫通穴322Aは円形断面をしているとは限らないが、何らかの適切な断面形状をとる。ギア322は望ましくは、ピストン2が円形路150に沿って一度移動する時に一回転する。もちろん、ギア322だけが唯一の例ではない。この分野の通常の技術の一つは、他の適切な機構が密閉空間内部の流体が圧縮されるときにのみ密閉空間と流体接続されている貫通穴を提供するために有効であると評価するであろう。
【0088】
駆動シャフト5の上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の中へ配置され、ベアリングにより回転可能なように接続されている。望ましくは、上部5Cはピストン2の盲ベアリング穴の全深さまで伸びない。すなわち、上部5Cと盲ベアリング穴の一つの端面間に隙間がある。上部5Cの軸は駆動シャフト5の軸から移される。上部5Cは駆動シャフト5の回転運動をピストン2の円形路150に沿った移動に変換する。駆動シャフトの下部はサポート7により支持されている。
【0089】
ピストン2はチャンバ壁1の端面と噛み合う表面に凹所2Fを持つ。凹所2Fはオイルチャンネル5Bからのオイルを収容するように構成されている。凹所2Fのオイルは、チャンバ壁に抗してピストン2を追い立てる力を減じ、さらにピストン2とチャンバ壁1の間の摩擦を減ずるために、上部5Cと盲ベアリング穴の端面間の隙間にあるオイルからの圧力を均衡させる。
駆動シャフト5に対して偏芯したピストン2の移動により生ずる遠心力に対処し、振動を減ずるために駆動シャフト5にカウンタウェイト4が接続されている。
【0090】
チャンバ壁1に固定されているシェル8はチャンバ壁1、ピストン2、移動プレート3を格納するシェルの一部であり、少なくとも一つの流体取り込み口9Aと少なくとも一つの吐出口11Aを持つ。
【0091】
低い温度の流体は取り入れ口9Aを経由してチャンバ50内部へと流れ、さらにチャンバ壁1のチャンネル1Aを経由して丸い突出物付のチャンバ内部へ流れ込む。低い温度の流体はチャンバ壁1とピストン2を冷却し、丸い突出物付チャンバ内部の流体の温度を低下させ、圧縮効率を高めるのに有効である。丸い突出物付チャンバから吐出された流体は、ギア322の貫通穴322Aとサポート33の穴33Aを経由してチャンバ40内部へ流れ込み、最終的に吐出口11Aを経由して排出される。
【0092】
チャンバ40内部の流体は、オイルだまり8D内のオイルの表面上に高い力を生じ、オイル中に浸っている駆動シャフトのオイルチャンネルの開口5A内部へオイルを流れ込ませる。オイルは駆動シャフト5のもう一つの端部5Bへ至る。オイルの一部は口5Eを経由して駆動シャフト5とサポート7の間の隙間に流れ込む。オイルの一部はピストン2のベアリングシャフトのベアリングの隙間を経由してと、移動プレート3とピストン2の間の隙間の内部へ、それらの間の摩擦を減ずるように流れ込む。オイルの一部はピストン2のチャンネル2Dを経由してと、ピストン2とチャンバ壁1と丸い突出物付チャンバの間の隙間内部へ、ピストン2とチャンバ壁1の間の摩擦を減じ、チャンバ壁1とピストン2を冷却するように流れ込む。オイルは穴3Aを経由して流れ、オイルだまり8Dへ戻る。
【0093】
ここで説明した圧縮機を用いて機械動力を発生する方法は、移動プレート3の穴3Aの口とチャンバ壁1のチャンネル1Aの開口の間の圧力差を維持することを含む。
【0094】
ここで説明した圧縮機も用いて流体を圧縮あるいは駆動する方法は、チャンバ壁1のチャンネル1Aへ流体を提供することとピストン2の移動を駆動することを含む。
【0095】
本請求に関して、「一つ」、「少なくとも一つ」あるいは「少なくとも一部」などの言葉は本請求に反して特に明記されない限り、ただ一つに限定して請求されることを意図していないという主要点を序文として付けて用いられることを意図した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。