特許第6114773号(P6114773)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114773
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20170403BHJP
【FI】
   G06Q30/02 382
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-56067(P2015-56067)
(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公開番号】特開2016-177443(P2016-177443A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2016年9月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北岸 郁雄
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−531649(JP,A)
【文献】 特開2012−008765(JP,A)
【文献】 特開2012−108916(JP,A)
【文献】 特開2012−088994(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/200890(WO,A1)
【文献】 藤井涼,”ロボット特化の広告サービスが登場--「Pepper」発売と同時に開始-CNET Japan”,[online],朝日インタラクティブ株式会社,2015年 1月21日,[検索日:2016.12.1],URL,http://web.archive.org/web/20150121034821/http://japan.cnet.com/marketers/news/35059214/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザとの対話型なインタラクションを行う人工物から前記ユーザへ出力した広告と前記広告の対象物とを対応付けて記憶する対象物記憶部と、
前記ユーザとの前記インタラクションにおいて、前記対象物記憶部に記憶されている前記広告又は前記対象物の登場に基いて前記広告の広告効果を評価する評価部と、
を備え
前記評価部は、
前記インタラクションにおいて前記ユーザから前記人工物に対し、前記広告の再出力の依頼があったことに基いて前記広告効果を評価する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記評価部は、前記広告の出力に続くインタラクションにユーザが肯定的に応じたことに基いて前記広告効果を評価することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、前記広告の出力より後のインタラクションにおいて、前記広告又は前記対象物について予め定められた情報処理を前記ユーザが前記人工物に依頼したことに基いて前記広告効果を評価することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記広告の出力から予め定められた時間の経過後に再度、前記ユーザが前記広告又は前記対象物について話題にしたことに基いて前記広告効果を評価することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価部は、前記広告の出力後、予め定められた回数以上、前記ユーザが前記広告又は前記対象物について話題にしたことに基いて前記広告効果を評価することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価部は、前記広告の出力後、予め定められた以上の頻度で前記ユーザが前記広告又は前記対象物について話題にしたことに基いて前記広告効果を評価することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記評価部は、前記広告の出力後、前記ユーザが前記広告又は前記対象物について他のユーザまたは他の人工物と話題にしたことに基いて前記広告効果を評価することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価部は、前記広告の出力後、前記人工物が識別するユーザのうち前記広告の出力の対象としたユーザ以外の他のユーザであって、前記対象としたユーザと予め定められた関係を有するユーザが、前記広告又は前記対象物に関する所定の行動を行ったことに基いて前記広告効果を評価することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ユーザとの対話型なインタラクションを行う人工物から前記ユーザへ出力した広告と前記広告の対象物とを対応付けて記憶する処理と、
前記ユーザとの前記インタラクションにおいて、記憶されている前記広告又は前記対象物の登場に基いて前記広告の広告効果を評価する評価処理と、
をコンピュータが実行し、
前記評価処理は、
前記インタラクションにおいて前記ユーザから前記人工物に対し、前記広告の再出力の依頼があったことに基いて前記広告効果を評価する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間と人工物のインタラクションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットが人間に対し広告を出願する提案がある(例えば、特許文献1参照)。一方、電子的な広告に関する従来の効果測定技術としては、ウェブサイトなどに表示されるディスプレイ広告やテキスト広告などを対象とし、クリック率(CTR)、購入や資料請求などのコンバージョン率を用いるものが知られている。このように、出力された広告に基づくクリックや申込画面遷移など直接的短期的な事象を基準としている背景としては、PCなどユーザの手操作に基づく従来のデバイスは、ユーザとサーバとの間の機械的な介在手段に過ぎなかったこと、直接的短期的な事象以外(例えば、ブランドや商品の記銘など)の確認が技術的に困難だったことによる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−017200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、対話型コミュニケーションに基づくロボットなどの人工物は、独自にユーザと対話する主体であり、そのような人工物から出力する広告の効果を、コミュニケーションの特性に適した形で計測する技術は無かった。
【0005】
本発明の目的は、対話型のインタラクションの特性に応じ、記銘も含めた広告効果を評価することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である情報処理装置は、ユーザとの対話型なインタラクションを行う人工物から前記ユーザへ出力した広告と前記広告の対象物とを対応付けて記憶する対象物記憶部と、前記ユーザとの前記インタラクションにおいて、前記対象物記憶部に記憶されている前記広告又は前記対象物の登場に基いて前記広告の広告効果を評価する評価部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、対話型のインタラクションの特性に応じ、記銘も含めた広告効果を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態について構成を示す機能ブロック図。
図2】本発明の実施形態におけるデータの例を示す図。
図3】本発明の実施形態におけるデータの例を示す図。
図4】本発明の実施形態におけるデータの例を示す図。
図5】本発明の実施形態における処理の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について図に沿って例示する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項は適宜省略する。
【0010】
本実施形態の目的は、ユーザとの親密度に適合した円滑なインタラクションを実現することである。本実施形態の他の目的は、ユーザと人工物との関係に応じた価値の広告を選択することである。本実施形態の他の目的は、人工物から広告を出力する態様を、ユーザとの親密度に適合させることである。本実施形態の他の目的は、対話型のインタラクションの特性に応じ、記銘も含めた広告効果を評価することである。
【0011】
〔1.構成〕…図1
図1は、本実施形態の全体構成を示す。本実施形態は、人工物Pと、複数のサーバA、Cを、通信ネットワークN(インターネット、携帯電話網など)を介して接続し、個々の人工物Pとその人工物Pのユーザとの親密度を判定し、親密度に応じた広告の出力と、広告効果の評価を行うシステムとして実現された情報処理装置である。
【0012】
人工物Pは、典型的にはロボットである情報処理装置であり、ロボットの形態は、人型、動物型その他の任意の形態を採り得る。また、人工物Pは、スマートフォン、タブレットPCその他の携帯情報端末でもよく、さらに、情報処理装置上で活動する仮想的キャラクタであるソフトウェアエージェントでもよい。
【0013】
サーバCは、例えば、人工知能技術等を用いたバックエンドシステムとして、人工物Pのユーザとのインタラクションをネットワークコンピューティング(所謂クラウド)により提供する装置である。
【0014】
人工物P及び各サーバC、Aはそれぞれ、コンピュータの構成として、CPUなどの演算制御部3と、主メモリや補助記憶装置等の記憶装置4と、通信ネットワークNとの通信装置5(通信機器や通信アダプタなど)と、を備える(人工物P以外では図示省略)。
【0015】
人工物Pは、さらに、外界の情報を取得および外界へ働きかけるための感覚器/効果器群SMを備える。感覚器/効果器群SMは、個別の図示は省略するが、視覚系(例えば、カメラ、赤外線やレーザ光線などを用いる機器ほか)、マイクロフォンなどの聴覚系、姿勢・航法系(例えば、加速度計、GPS等による位置測位機器ほか)、情報出力系(例えば、発話用のスピーカ、表示画面、赤外線出力装置ほか)、駆動系(移動用の車輪ないし脚、腕、手、頭、胴体などを動かし身振り手振りを実現する機構)、内蔵充電池制御系などを含み、各系統は、ハードウェアおよびソフトウェアなどを含む。
【0016】
本実施形態における人工物Pは、ロボットのボディ(外装ケースや関節、駆動系ほか)と感覚器/効果器群SMを制御する制御装置としてコンピュータの構成(演算制御部3、記憶装置4、通信装置5)を含むが、制御装置は人工物Pと別体でもよい。
【0017】
すなわち、本発明における人工物では、情報処理の機能を内蔵することは必須ではないので、パペット(操り人形)のように、ボディと、アクチュエータ等の駆動系、必要なセンサ類のみで構成し、インタラクションやそれに伴う認識、計算、運動制御などは、外部に設けた制御装置から人工物Pに対し、有線や無線による信号伝達、電機、空気圧、油圧などで伝達によって行ってもよい。
【0018】
人工物P及び各サーバC、Aでは、記憶装置4に記憶されているコンピュータプログラムを演算制御部3が実行することで、以下の機能作用を実現する各要素(図1参照)を実現する。
【0019】
〔2.親密度の判定〕
図5は、本実施形態における情報処理の概要を示すフローチャートである。まず、本実施形態では、判定部(人工物Pのローカル判定部40と、クラウドサーバCの相対判定部C3)が、ユーザと人工物Pとの親密度を判定する(ステップS2)。
【0020】
その前提として、人工物Pはユーザと、対話的なインタラクションを行う。対話的なインタラクションは、会話(相手に対する発話と、相手の発話の認識)を中心とし、必要に応じ、ジェスチャー、相手との接触、文字、画像、音響の入出力を伴う相互作用であり、以下単に「インタラクション」と略称する。
【0021】
人工物Pがユーザその他外界の事物を認識したり、外界の事物に働きかける処理や、それらに基づく人工物Pとユーザとのインタラクションは、各種フィルタリング、独立成分分析、SVM、輪郭抽出その他の画像処理技術、パターン認識(例えば、音声認識、顔認識ほか)、自然言語処理、知識情報処理、強化学習、ベイジアンネットワーク、SOM(自己組織化マップ)、ニューラルネットワーク、Deep Learning(深層学習)、その他各種機械学習など既知の技術で実現することができる。
【0022】
インタラクションのうち基本的な応答は、感覚器/効果器群SMのうちセンサ等の感覚器を主に用いて、ユーザ行動など外界の事物や事象を認識するための入力・認識部10と、ユーザや人工物Pの行動履歴その他の記憶(例えば履歴記憶部25)に基づき、状況に応じた推論や応答内容の決定を行う推論応答部20と、感覚器/効果器群SMのうち情報出力系や駆動系を主に用いて、出力結果のフィードバックを利用しながら情報や行動などの出力を行うための出力制御部30と、によって実現される。
【0023】
人工物Pは、クラウドサーバCとの通信が可能である時は、複雑高度な推論判断や、クラウドサーバCを利用している多数の人工物Pのインタラクション履歴に基づく集合知に基づく推論判断、人工物P上のローカル記憶(例えば履歴記憶部25)に収まらないその他の記憶の保持やそのような記憶へのアクセスなどを、クラウドサーバCの推論決定部C1に委託する。
【0024】
なお、人工物Pは、インタラクションの相手となる主なユーザ(いわゆる「ご主人様」)を、顔や音声の照合、合言葉やパスワード入力などによるログイン認証、居る場所などで識別する。
【0025】
具体的には、判定部のうちローカル判定部40は(相対判定部C3については後述)、ユーザと対話的なインタラクションを行う人工物Pについて、ユーザとの同伴時に検出するユーザ行動の種類及び量の少なくとも一方を履歴記憶部25に蓄積し(ステップS1)、これを基にユーザと人工物との親密度を判定し、クラウドサーバCのユーザ情報記憶部C4に記憶し(例えば図2)その後は更新する(ステップS2)。同伴は、ユーザと人工物Pがインタラクション可能な範囲に存在することである。
【0026】
変更部C5は、判定部(ローカル判定部40及び相対判定部C3)により判定された親密度に応じて、人工物Pによるインタラクションの内容を変更する(ステップS3)。変更の例は、インタラクションで人工物Pからユーザに向けて提供する情報内容の変更のほか、ユーザに対する発話を、丁寧な改まった口調でするか、打ち解けた親しげな口調でするかなどが含まれる。
【0027】
親密度判定の基礎とし得るユーザ行動は、例えば、人工物Pの維持管理すなわちメンテナンス(例えば、清掃、充電の世話、点検、その他)である。清掃については、例えば、布などの掃除具で人工物Pの表面を撫でている動作をカメラや接触センサで検出する。充電の世話は、例えば、充電場所へ人工物を運搬したり、充電場所の教示や充電場所への案内、充電ケーブルとの接続、バッテリの交換、その他である。
【0028】
また、点検は、例えば、感覚器の各部を指先で軽く打診する行動や、壊さないように丁寧に部品を外す行動又は分解、人工物Pが内蔵する自己診断機能の起動、その他である。
【0029】
親密度判定の基礎とし得る他のユーザ行動は、人工物に対するユーザの愛着を表す所定の行動である。このような所定の行動としては、例えば、その人工物に対し、挨拶する、笑顔など肯定的表情を見せる、名前を付けて呼ぶ、服、メガネ、サングラス、カバー、保護シールなど装着物の装着、スキンシップ(撫でる、触れる、もたれかかる、ハグ、キス、その他)のほか、寝床へ運び込む、車の座席に乗せてドライブするなどでもよい。
【0030】
また、愛着を表す所定の行動は、コンピュータとしての機能を持つその人工物Pに、インターネットを介するサービスやパスワード集中管理ソフトをインストールする行動、NFCなどの近距離通信機能を用いた玄関の電子錠前を開錠するための電子キー機能を実現するソフトウェアをインストールする行動、その他でもよい。
【0031】
親密度判定の基礎とし得る他のユーザ行動は、予め定められた重要な行動(例えば、食事、入浴、電子商取引、投資取引、金庫の開け閉め、睡眠、その他)である。ユーザが、それぞれの種類のユーザ行動をとっているか否かや、その量については、種類ごとのユーザ行動として予め定義された行動のパターンをセンサ入力から検出することにより判断する。また、ユーザ行動の種類によっては、ユーザが人工物P自身のコンピュータとしての機能を用いて行うインターネットアクセス等の情報処理活動から検出する。
【0032】
ユーザ行動が人工物P以外の他のコンピュータを用いて行う情報処理活動については、予めユーザから許諾されたアクセス権限、ID、パスワードなどを用いてそのような他のコンピュータにアクセスしユーザが行っている情報処理活動の内容をモニタしたり照会することによって、ユーザ行動の有無や量を判断してもよい。
【0033】
上記のように判断されるユーザ行動の量は、例えば、そのユーザ行動が検出されるときにおける同伴の範囲である。同伴は、人工物Pをユーザが身辺に伴っている状態、またはユーザと人工物Pがインタラクション可能な範囲に存在する状態の一方又は双方であり、同伴の範囲は、例えば、時間的、地理的、費用負担、行動種類、その他の要素の範囲で規定される。
【0034】
また、親密度の判定は、単一の人工物Pで完結しなくてもよい。例えば、人工物Pと通信ネットワークNで接続されたクラウドサーバCの判定部である相対判定部C3が、複数の人工物Pについて情報として受信したユーザ行動を行動記憶部C2に蓄積および集計し、相対評価し偏差値など所定の評価値を得ることで、個々の人工物P毎に対応するユーザとの親密度を判定してもよい。
【0035】
判定された親密度は、ユーザ情報記憶部C4に記憶され、更新される(図2)。また、「人工物Pについて」のユーザ行動の受信は、その人工物P自体からの受信でもよいし、人工物Pとは別体に構成された人工物Pの制御装置からの受信でもよい。
【0036】
また、親密度判定の前提となる人工物Pとの同伴は、リアルに限らずバーチャルでもよい。すなわち、ユーザ又は人工物Pの活動拠点外に外出中のユーザを考える。このとき、情報処理装置(例えば、スマートフォン)で実現されるソフトウェアエージェントとして、スマートフォンの中に入ってユーザと共に仮想的に外出しインタラクションしている仮想的な同伴についても判定部が親密度を判定する基礎とする。
【0037】
ここでいう活動拠点は、ユーザ又は人工物が相対的に長時間位置している地理的範囲(例えば、自宅、敷地、執務スペース、建物、ほか)であり、位置履歴の統計処理で判断し、またはそのような統計処理結果と、地図情報や平面図の情報で表される領域の区画に基いて判断する。
【0038】
また、上記のような仮想的な同伴に用いている情報処理装置に対する取扱い上の特徴に基づいて親密度を判定してもよい。例えば、前記のソフトウェアエージェントが入っているスマートフォンについて、物理的な扱いが丁寧か乱暴かをそのスマートフォンに内蔵の加速度計で計測し丁寧なほど親密度が高いと判定する。
【0039】
また、取扱上の特徴に関する別の例として、ユーザがスマートフォンをズボンのポケット、服の内ポケット、スマートフォンホルダなどに入れて肌身離さず携帯している場合のスマートフォンについて、温度センサなどで温度を検出すれば、多くの時間帯(所定の時間帯における所定以上の割合又は頻度)において摂氏30度台またはその上下の所定の範囲にとどまる可能性が高い。この場合、親密度が高いと判定できる。
【0040】
判定部は、外出中において所定の行動をしながらのインタラクションを検出した場合、親密度が高いと判定することもできる。ここでいうインタラクションは、声によるものに限られず、指によるタッチ操作などでもよい。また、ここでいう所定の行動は、通常は情報機器操作について困難、不利益、障害、抵抗など否定的要素を伴う社会的活動である。
【0041】
例えば、歩きスマフォしながらインタラクションしたり、勤務中、講義中ないしアルバイト(パートタイムジョブ)中でもインタラクションしたりインタラクション頻度が高い場合、親密度が高いと判定できる。
【0042】
また、判定部は、ユーザ又は人工物Pの活動拠点内でのインタラクションに登場した対象に関した行動が、活動拠点外への外出中に検出された場合に親密度が高いと判定することができる。例えば、店名を挙げて「○○のラーメンがオススメ」といったインタラクションから所定期間内(例えば、1週間以内、1カ月以内など)に、ユーザが実際にそのラーメン店に行った場合である。
【0043】
この場合のインタラクションは広告の出力には限られない。また、実際にラーメン店へ行ったなどの行動は、人工物Pと同伴している場合には限られず、ユーザの用いるカーナビアプリや地図アプリなどで取得される位置履歴に基づく訪問の判断や、ユーザから人工物への口頭での報告(例えば、「こないだ話してた○○のラーメン、今日食べてきたよ」など)でもよい。
【0044】
〔3.親密度に応じた広告選択〕
上記のように判定された親密度は、広告の引当(割当て、選択)に活用することができる。この場合、広告サーバAでは、広告主から出稿された広告の情報が、広告の評価値と共に広告記憶部A1に予め格納されており(図3)、広告サーバAの選択部A2(前記変更部に相当する)は、ユーザ情報記憶部C4に記憶されている親密度(図2)の高い人工物Pほど、評価値の高い広告を広告記憶部A1から選択し、出力対象として割り当てる(ステップS4)。
【0045】
広告を選択する基準は、親密度の高さと評価値の高さのマッチングだけでなく、年代性別や興味関心などの属性が、広告主から指定されている条件と一致しているかも含む。
【0046】
そして、伝達部A4が、選択部A2により選択された広告を人工物Pへ伝達する(ステップS5)。ここでは、説明を単純化するため、広告の伝達として、広告として人工物Pから出力すべき内容の情報(例えば、広告として発話すべきテキスト、対象物の商品名など)自体を、出力期限付きの広告データとして伝達部A4から人工物Pへ送信するものとする(図4)。
【0047】
しかし、伝達部A4から人工物Pへの広告の伝達としては、広告を特定するためのIDやダウンロードURLなどの識別情報のみを伝達し、人工物Pの側でこの識別情報を用いて、別の広告配信サーバ(図示省略)からダウンロードするようにしてもよい。
【0048】
広告の選択に用いる広告の評価値は、例えば、人工物Pからその広告が出力された場合に、予め定められた結果(例えば、ユーザが購入申込や資料請求をしたなど)が得られた率(例えば、図3図7。ここで仮に「応答率」と呼ぶ)でもよいし、広告に対して入札され対応付けられている入札金額である広告単価でもよい。また、評価値は、広告に対応付けられている広告単価と、応答率と、を乗じた値でもよい。
【0049】
そして、人工物Pは、伝達部A4により伝達された広告を、出力期限とともに記憶部である広告記憶部45に格納する(ステップS5)。その後、判断部であるタイミング判断部70が、ユーザに関する情報の取得およびユーザとのインタラクションに基いて、広告の出力に適する所定の出力タイミングと判断したときに(ステップS7:「YES」)、広告出力部50が、広告記憶部45に記憶されている広告を出力する(ステップS8)。
【0050】
なお、タイミングの判断に用いるユーザに関する情報は、インタラクション中の情報に限らず、人工物Pのセンサ群から得られるユーザに関する情報全般であり、例えば、ユーザについて宅内での位置、姿勢(立っている、ソファに座っているなど)、挙動(食事中、電話中など)、発話内容、その他である。
【0051】
また、広告の出力に適する所定の出力タイミングとしては、例えば、ユーザが人工物Pに話しかけてきたとき、ユーザが一息ついているときなどである。一例として、ユーザが飲み物を取得後、着座し、かつ他者と会話中でない場合、ユーザが一息ついている可能性が高い。
【0052】
また、広告の選択には、人工物Pとの継続的関係でわかるユーザのライフステージを活用してもよい。この場合、クラウドサーバCのステージ判断部C6は、人工物Pによる継続的なインタラクションに関して得られる情報でユーザのライフステージを判断する。ライフステージは、例えば、本人の年齢、性別、職業、配偶者または子供の有無、子供の数、子供の月齢又は年齢、子供の性別、子供が通っている学校の種類、住宅の種別、住宅ローン及び貯蓄の有無又は金額、ほかである。
【0053】
そして、選択部A3は、人工物Pに対して選択する広告として、ステージ判断部C6により判断されたユーザのライフステージが、広告に対応付けられているライフステージと適合する広告を優先して、人工物Pに前記広告を割り当てる。例えば、広告に対応付けられているライフステージが、小学生までの子供がいることである場合、ユーザによる「息子もこの春から小4だからな」などの発話を含むインタラクションをしていた人工物Pは、その広告の選択において優先される。
【0054】
評価値、親密度、属性、ライフステージなどの条件をどのような論理演算関係で、どのようなウェイトで優先するかは、広告の目的その他の条件に応じて変更可能である。また、ライフステージは、人工物Pとのインタラクションから判断するものには限定されず、例えば、ユーザ登録などで明示的に登録されたものと併用してもよい。
【0055】
〔4.親密度に応じた態様での広告出力〕
広告を人工物Pからユーザへ出力する態様も、親密度に応じて切換えることができる。このような切換えの対象は、親密度を基準に選択された広告に限らず、無差別に又は親密度以外の例えば、ユーザ属性やライフステージのみに応じて出力される広告であってもよい。この場合、人工物Pの広告出力部50は、広告サーバAのユーザ情報記憶部C4に記憶されている親密度に応じた出力態様で、広告を人工物Pからユーザへ出力する。
【0056】
例えば、広告出力部50は、親密度が所定以上で、ユーザが所定範囲内に存在することを人工物Pが認識したときに、広告の出力として、広告(の存在、内容、対象)に関する独り言を人工物Pに発話させる。
【0057】
広告に関する独り言は、例えば、広告の内容でもよいし(例えば「○○社の新型車、燃費が△△キロかぁ」)、広告の対象となるブランド名や会社名などを単に呟くのでもよいし、出力したい広告の存在を、例えば「あの新型車の話、言うのやめようかな…」のように、わざともったいぶって発話することでユーザの関心を惹くなどでもよい。
【0058】
また、他の例として、広告出力部50は、親密度が所定以上の場合に、人工物Pが、ユーザが所定範囲内に存在することと、広告に関する事物と、を認識したときに、人工物Pに広告を出力させるのでもよい。また、広告出力部50は人工物Pに、人工物Pが認識した事物の存在及び事物と広告との関係を適示して広告を出力させてもよい。
【0059】
例えば、帰宅したユーザがバッグから自動車情報誌を取り出したとき「車の雑誌、買ってきたんですね。車といえば、○○社の新型車、知ってますか」のように発話するなどである。
【0060】
また、他の例として、広告出力部50は、親密度が所定以上で、ユーザが閲覧するウェブサイトやテレビその他の画面の表示内容に関連する広告の内容を、日常会話におけるようなユーザに対する事実の適示として人工物Pに発話させるようにしてもよい。
【0061】
例えば、自動車への興味関心を表すユーザ属性が付与されているユーザに対し、○○社の新型車発売に関する広告を出力する場合、ユーザが自動車に関するウェブサイトを閲覧中、人工物Pが、「そう言えば、○○社から新型車が出るらしいですね」のような発話の形や、それに合わせて人工物P自身の表示画面に商品画像を表示するなどの形で、広告を出力する。
【0062】
上記のような親密度に応じた出力態様は、例えば、次のように実現する。例えば、複数の出力態様にそれぞれ対応した複数の要素情報を含む広告の情報を、記憶部である広告記憶部45に記憶しておく(図3)。そして、広告出力部50は、広告記憶部45に記憶されている複数の要素情報のうち、親密度に応じた出力態様に応じた要素情報を用いて(ステップS6)、広告を人工物Pからユーザへ出力する(ステップS8)。
【0063】
例えば、一ヶ月前に歯ブラシを買ったユーザに対し、B社の「b1歯ブラシ」の広告を出力するための広告において、上記の要素情報が、例えば、広告対象に関し訴求すべき特徴として低廉さを強調する情報(例えば、従来品より1割安である旨など)と、品質の高さを強調する情報(例えば、ユーザレビュー結果が優秀である旨など)を含む場合を考える。
【0064】
この場合、広告出力部50は、親密度が所定以上の場合、低廉さより品質の高さを強調する出力態様(上記の例では、ユーザレビュー結果が優秀である旨)で人工物Pから広告をユーザへ出力すなわち商品リコメンドさせる。一方、広告出力部50は、親密度が所定未満の場合、品質の高さより低廉さを強調する出力態様(上記の例では、従来品より1割安である旨)で人工物Pから広告をユーザへ出力すなわち商品リコメンドさせる。
【0065】
なお、広告の出力タイミングについては、生活習慣などの活動パターンに基いて判断することが考えられる。この場合、抽出部(図1のパターン抽出部60)が、ユーザに関する情報の取得およびユーザとのインタラクションに基いてユーザの生活習慣などの活動パターンを抽出し、パターン記憶部65に記憶させる。そして、判断部(図1のタイミング判断部70)は、パターン抽出部60により抽出されパターン記憶部65に記憶されている活動パターンから、広告の出力に適する所定の出力タイミングを判断する(ステップS7)。
【0066】
広告出力部50は、タイミング判断部70により出力タイミングと判断されたときに(ステップS7:「YES」)、広告を、親密度に応じた出力態様で人工物Pからユーザへ出力する(ステップS8)。例えば、ユーザの入浴の時間帯が毎日ほぼ安定していれば、入浴終了すなわち風呂あがりに缶ビールの広告を、リコメンド乃至オネダリのような体裁で出力することが考えられる。
【0067】
〔5.インタラクション広告効果評価〕
上記のように人工物Pから出力された広告の広告効果については、その後のインタラクションに基いて行うことができる。例えば、人工物Pからユーザへ出力した広告と広告の対象物とを対応付けて広告記憶部45に記憶しておく(ステップS9)。出力した広告を記憶しておくには、例えば、出力前は空欄だった広告記憶部45の出力日時のフィールドに値をセットすればよい。
【0068】
そして、評価部A4は、広告記憶部45に記憶されている広告(広告の特徴をなす造語やキャッチフレーズほか)又は対象物(例えば、ブランド名や商品名ほか)のユーザとのインタラクションにおける登場に基いて、広告の広告効果を評価する(ステップS10)。
【0069】
評価は、2段階で行うことができる。第一段階は、各人工物Pのローカル評価部80が、対応するユーザのインタラクションに基づく評価値(個別評価値)を求め、広告記憶部45に記憶させる(図4)。第二段階は、広告サーバAの評価部A4が、各人工物Pから個別評価値を収集して集計して平均評価値とし、広告記憶部A1に記憶させその後更新する(図3)。
【0070】
インタラクションに広告や対象物が登場する例には、多くのバリエーションが考えられる。例えば、ローカル評価部80は、インタラクションにおいてユーザから人工物Pに対し、広告の再出力の依頼(例えば、「今のもう一度」、「昨日言ってた△△って、何だっけ?」など)があったことに基いて広告効果を評価する。
【0071】
すなわち、ローカル評価部80は、そのような再出力の依頼があったことを基準として、広告効果の値(例えば、図4の個別評価値)に所定のウェイトで肯定的評価の加算値を加算する。基準の他の例は、広告の出力に続くインタラクションすなわち会話の続きに、ユーザが肯定的に応じたことである。例えば、「○○社の新型車、知ってますか」との人工物Pからの広告の発話に対し、ユーザが「人気らしいね。同僚も買ったって」のように会話に応じたなどである。
【0072】
基準の他の例は、広告の出力より後のインタラクションにおいて、広告又は広告の対象物(以下「広告等」と呼ぶ)について所定の情報処理をユーザが人工物Pに依頼したことである。ここで、所定の情報処理としては、例えば、SNS即ちソーシャル・ネットワーキング・サービスへの投稿、ウェブ検索、その他が考えられる。例えば、人工物Pからの広告である新型車の紹介「○○社の新型車、知ってますか」に対し、ウェブ検索の依頼としては、例えば「その新型車の価格帯は?」または「その新型車の画像検索結果をきみの画面に出せる?」とユーザが人工物Pに発話したなどである。
【0073】
基準のさらに他の例は、(a)広告の出力から所定時間の経過後に再度、ユーザが広告等について話題にしたこと、(b)広告の出力後、所定回数以上、ユーザが広告等について話題にしたこと、(c)広告の出力後、所定以上の頻度でユーザが広告等について話題にしたこと、(d)広告の出力後、ユーザが広告等について他のユーザまたは他の人工物と話題にしたことである。
【0074】
基準のさらに他の例は、広告を出力した対象のユーザ以外のユーザにも、影響が及んだことである。すなわち、評価部A4は、広告の出力後、人工物Pが識別するユーザのうち、広告の出力の対象としたユーザ(以下「本人」と呼ぶ)以外の他のユーザであって、本人と所定の関係を有するユーザが、広告等に関する所定の行動を行ったことに基いて前記広告効果を評価する。
【0075】
本人と所定の関係を有するユーザは、例えば、人工物Pからみて、所定以上の頻度で本人と同時に視野内に登場するユーザ、相互に又は一方的に相手の名前を口にするユーザ、物理的に触れ合うユーザなど、センサ情報やインタラクションの履歴から抽出できる関係のほか、人工物PやクラウドサーバCに予め宣言的に顔パターンや声紋その他の情報が登録された同居家族などでもよい。
【0076】
また、広告等に関する所定の行動としては、上に挙げてきたような再出力の依頼、所定の情報処理の依頼、話題にしたことなどのほか、購入申込、資料請求、広告の対象物である商品自体を入手して人工物Pのカメラの視野に提示する、その他である。
【0077】
以上のような基準を一つ用いまたは複数組み合わせて、広告ごとに、人工物Pからユーザへ出力した場合の個別評価値を求め(図4)、その個別評価値を集計した平均評価値を(図3)広告の選択に用いる。
【0078】
〔6.効果〕
以上のように、本実施形態では、
(1−1)人工物と、継続的にインタラクションするユーザとの親密度を判定し、親密度に応じ、出力する情報を変えるなどその人工物の挙動を制御することにより、人工物とユーザとの関係に適合したインタラクションが実現できる。
【0079】
(1−2)また、本実施形態では、時間や手間など負担を伴う維持管理は、親密なほど増えることから、維持管理を親密度判定の基準とすることにより、親密度をより適切に判定できる。
【0080】
(1−3)また、本実施形態では、対象への愛着が強いほど親密度が増すことから、愛着を表す行動を親密度判定の基準とすることにより、親密度をより適切に判定できる。
【0081】
(1−4)また、本実施形態では、人間が重要な利害にかかわる行動に同伴させる相手は親密度の高い相手とする傾向があることから、重要な所定の行動を親密度判定の基準とすることにより、ユーザと人工物との親密度をより適切に判定できる。
【0082】
(1−5)また、本実施形態では、人間は、親密度の高い相手ほど、長時間、遠くまで、費用をかけてでも同伴させることから、同伴の範囲を親密度判定の基準とすることにより、親密度をより適切に判定できる。
【0083】
(1−6)また、本実施形態では、個別の人工物やユーザについて単独で絶対的基準により親密度を判定する場合と比べ、AI(人工知能)のバックエンドとなる所謂クラウドなどのサーバで、複数の人工物やユーザに基づく相対評価で親密度を判定する。これにより、人工物との接し方に関する社会的な趨勢や流行など環境が変化があっても、一定の割合や数を親密度が高いものとして抽出できる。
【0084】
これにより、どのような状況下でも、インタラクションの内容をユーザ間で異ならせるメリハリが実現できる。例えば、ユーザ間で異ならせるインタラクションの内容として、所定の広告を出力する場合、所望の量の広告在庫すなわち広告出力の機会を確保できる。また、ユーザ間で異ならせるインタラクションの内容として、親密度の高いユーザに対し特典付与またはその他のプロモーション施策を適用する場合、所望の量のプロモーション効果を確保できる。
【0085】
(1−7)また、本実施形態では、ソフトウェアエージェントしてスマートフォンの中に入ってユーザと共に仮想的に外出しながらユーザとインタラクションする場合についても親密度の判定に加味することにより、多様な人工物やインタラクション形態に対応し親密度を適切に判断できる。
【0086】
(1−8)また、本実施形態では、ソフトウェアエージェントして人工物が仮想的に入っている情報処理装置への扱いを親密度判定の基準とすることで、親密度をより多面的に判定できる。
【0087】
(1−9)また、本実施形態では、外出して活動中など、通常はインタラクションへの障害や抵抗が大きい状況でもインタラクションする場合に親密度が高いと判定することにより、親密度が特段高いと判定する機会が増え、人工物やユーザの間で親密度の格差を明確化しやすくなる。
【0088】
(1−10)また、本実施形態では、人間は親密な相手とのやり取りの影響を受けやすいことから、拠点内での人工物とのインタラクションが外出中のユーザ行動にも影響したことを親密度判定の基準とすることにより、親密度を適切に判定できる。
【0089】
(2−1)また、本実施形態では、ユーザとの親密度の高いすなわちユーザへ、評価値が高い広告を割り当てることにより、広告出力機会を有効活用できる。また、広告主は、優先したい広告について、評価値として高額な広告単価を入札金額とすることにより、大きな影響力が期待できる広告出力に大きな広告予算を割り当て、メリハリの効いた広告戦略を実践できる。
【0090】
(2−2)また、本実施形態では、入札された広告単価が高いほど、インタラクション相手であるユーザとの親密度が高い人工物に割り当てることにより、ユーザに影響を与える広告効果がより多く期待できる広告出力機会に、広告単価という価値の高い広告が引き当てられ、価値の高い広告出力機会を適切に活用できる。
【0091】
(2−3)また、本実施形態では、広告が出力され又は出力により所定の結果が得られた場合に広告主から広告事業者への収入となる広告単価と、広告が所定の結果をもたらす率と、を乗じた値を評価値として用いることにより、広告の生み出す価値の大きさとその割合の両面から、最も効果的な広告の引当が実現できる。
【0092】
(2−4)また、本実施形態では、選択された広告を記憶し、好適なタイミングを判断して広告を出力することにより、広告効果が期待できる。
【0093】
(2−5)また、本実施形態では、継続的なインタラクションでわかるユーザのライフステージに適合した広告(リコメンド含む)の提示により、優れた広告効果が得られる。
【0094】
(3−1)また、本実施形態では、ユーザと対話型なインタラクションを行う人工物について、広告の出力態様をユーザとの親密度に応じ切換えることにより、親密度の高低を問わず最大の広告効果が期待できる 。
【0095】
(3−2)また、本実施形態では、親密度が高い相手の独り言は注意を惹くことから、ユーザと親密度が高い人工物が広告に関する独り言を言うことにより、広告の内容、対象または広告の存在自体にユーザの関心を惹くことができ、強い記銘や高いコンバージョン率など優れた広告効果が得られる。
【0096】
(3−3)また、本実施形態では、親密度が高いユーザが近くにいて、かつ広告に関する事物があるときに広告を出力することにより、効果的に広告への関心を惹くことができる。
【0097】
(3−4)また、本実施形態では、人工物が認識した事物と、その事物と広告との関係について、ユーザも認識しているとは限らないことから、それらの適示を伴って広告を出力することにより、なぜ今その話が出たのかユーザの理解を補助し、唐突感なく広告内容を受容してもらうことができる。
【0098】
(3−5)また、本実施形態では、ユーザが見ている画面の表示内容に関する広告の内容を、親しい相手との日常会話で話題の新規提示や話の展開のため行う事実の適示のようにして話しかける。これにより、コンテンツ閲覧中のユーザに違和感を感じることなく、広告内容への注目へ導くことができ、広告対象の記銘、資料請求、購入申込などその後のアクションに誘導することができる。
【0099】
(3−6)また、本実施形態では、親密度に応じた出力態様ごとの要素情報を予め広告の情報に含めておき、実際に用いる出力態様に応じた要素情報を用いることにより、人工物の側で出力態様に合わせて広告を翻案する負担が解消される。
【0100】
(3−7)また、本実施形態では、親密な相手からは品質をアピールされると多少高額でも購入しがちであることから、親密度が高い人工物からは品質の高さを強調した出力態様で広告を出力することにより、コンバージョンなどの優れた広告効果が得られる。
【0101】
(3−8)また、本実施形態では、ユーザとの共同生活からユーザの活動パターンを抽出し、広告(リコメンド)を効果的に伝えるタイミングを判断して広告を出力することにより、優れた広告効果が期待できる。
【0102】
(4−1)また、本実施形態では、対話型のインタラクションを行う人工物からユーザへ出力した広告の対象物に関し、ユーザと人工物との間のその後の対話的なインタラクションでの登場に基づき評価することにより、継続的コミュニケーションという対話型インタラクションの特性に応じ、記銘も含めた広告効果を適切に評価できる。また、広告効果の適切な評価により、広告価値の判定及び広告引当てを適切に行える。
【0103】
(4−2)また、本実施形態では、広告を出力後、広告の再出力を依頼した場合、広告や対象物に関心を惹かれたと解されるので、その依頼に基づき広告効果を適切に評価できる。
【0104】
(4−3)また、本実施形態では、広告出力に続くインタラクションにユーザが肯定的に応じた場合、広告や対象物に関心を惹かれたと解されるので、その応じたことに基づき広告効果を適切に評価できる。
【0105】
(4−4)また、本実施形態では、広告出力後、広告やその対象物について所定の情報をユーザが人工物に依頼した場合は、広告や対象物に関心を惹かれたと解されるので、その依頼に基づき広告効果を適切に評価できる。
【0106】
(4−5)また、本実施形態では、広告出力後、時間が経ってから再度、広告やその対象物についてユーザが話題にした場合は、広告や対象物に関心を惹かれ記銘されたと解されるので、その依頼に基づき広告効果を適切に評価できる。
【0107】
(4−6)また、本実施形態では、広告出力後、広告やその対象物についてユーザが何度も話題にした場合は、広告や対象物に強く関心を惹かれ記銘されたと解されるので、その依頼に基づき広告効果を適切に評価できる。
【0108】
(4−7)また、本実施形態では、広告出力後、広告やその対象物についてユーザが頻繁に話題にした場合は、広告や対象物に強く関心を惹かれ記銘されたと解されるので、その依頼に基づき広告効果を適切に評価できる。
【0109】
(4−8)また、本実施形態では、広告出力後、広告やその対象物についてユーザが他人や他の人工物と話題にした場合は、他者への情報伝達や他者からの情報収集に及ぶほど、広告や対象物に強く関心を惹かれ記銘されたと解されるので、そのように話題にしたことに基づき広告効果を適切に評価できる。
【0110】
(4−9)また、本実施形態では、広告出力後、広告出力の対象としたユーザと関係ある他のユーザが広告やその対象物について所定の行動をとった場合は、他のユーザへ興味関心その他の影響が波及したと解されるので、その事実に基づき広告効果を適切に評価できる。特に、商品やサービスの購入は大規模になるほど家族その他の仲間の意向も影響するため、他のユーザへの波及を評価基準とする意義は大きい。
【0111】
〔7.他の実施形態〕
なお、上記実施形態や図の内容は例示に過ぎず、各要素の有無や配置、処理の順序や内容などは適宜変更可能である。このため、本発明は、以下に例示する変形例やそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、図1に示した各要素(図1)、広告サーバAもしくはクラウドサーバC、または人工物Pのいずれに機能配置するかは、実装に応じて自由に定めることができる。
【0112】
また、広告サーバAとクラウドサーバCは一体でもよい。また、本発明は、上記実施形態のように、通信ネットワークN経由で接続されるサーバを含むシステムとして実現することは必須ではなく、親密度の判定や広告の選択を含む全ての機能を含む情報処理装置を、単体の人工物Pとして実現してもよいし、相互に連携動作する複数の人工物Pにまたがって配置する形で実施してもよい。すなわち、クラウドサーバC及び広告サーバAの一方又は双方の機能群は、人工物P自体に具備されていてもよい。
【0113】
また、記憶手段は、装置内のローカル記憶に限らず、ネットワーク・コンピューティング(クラウド)などリモート記憶でもよい。また、記憶手段は、データの格納領域だけでなく、データの入出力や管理などの機能を含んでもよい。また、本出願に示す記憶手段の単位は説明上の便宜によるもので、適宜、構成を分けたり一体化できる。また、明示する記憶手段以外にも、処理の対象、ワークエリアや結果などの記憶手段を適宜用いる。
【0114】
なお、図中(例えば図1)の矢印は、データや制御などの流れについて主要な方向を補助的に示すもので、他の流れの否定や方向の限定を意味するものではない。また、記憶手段以外の各手段は、上記実施形態で説明した情報処理の機能・作用(例えば図1)を実現・実行する処理手段であるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。
【0115】
また、本発明の各態様は、明記しない他のカテゴリ(方法、プログラム、端末を含むシステムなど)としても把握できる。方法やプログラムのカテゴリでは、装置のカテゴリで示した「手段」を「処理」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、発明や実施形態の要素として示した「○○部」(ユニット、セクション、モジュール等)は、ハードウェア要素にもソフトウェア要素にも限られないので、全部または一部を「○○手段」と読み替えることができる。
【0116】
また、実施形態に示した処理やステップについても、順序を変更したり、いくつかをまとめて実行しもしくは一部分ずつ分けて実行するなど変更可能である。また、個々の手段、処理やステップを実現、実行するCPU、コア、スレッドなどは共通でもよいし、手段、処理やステップごとにもしくはタイミングごとに異なってもよい。
【0117】
また、本出願で示す個々の手段は、外部のサーバが提供している機能をAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)やネットワーク・コンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出して実現してもよい。さらに、本発明に関する手段などの各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【符号の説明】
【0118】
3 演算制御部
4 記憶装置
5 通信装置
10 入力・認識部
20 推論応答部
25 履歴記憶部
30 出力制御部
40 ローカル判定部
45 広告記憶部
50 広告出力部
60 パターン抽出部
65 パターン記憶部
70 タイミング判断部
80 ローカル評価部
A 広告サーバ
A1 広告記憶部
A2 選択部
A3 選択部
A4 伝達部
A4 評価部
C クラウドサーバ
C1 推論決定部
C2 行動記憶部
C3 相対判定部
C4 ユーザ情報記憶部
C5 変更部
C6 ステージ判断部
N 通信ネットワーク
P 人工物
SM 感覚器/効果器群
図1
図2
図3
図4
図5