【実施例1】
【0020】
以下に、本発明の第1実施例であるケーブル付コネクタ装置100について、
図1乃至
図6に基づいて説明する。
ここで、
図1は、本発明の第1実施例のケーブル付コネクタ装置100の一部を示す概略斜視図であり、
図2は、本発明の第1実施例のケーブル付コネクタ装置100の概略構成図であり、
図3(A)は、第1実施例の給電側コネクタ140の一部ケース切り欠き透視正面図であり、
図3(B)は、第1実施例の機器側コネクタ150の背面図であり、
図4(A)は、
図3(B)に示す符号4A−4Aで視た断面図であり、
図4(B)は、
図3(A)に示す符号4B−4Bで視た断面図であり、
図5(A)は、
図3(B)に示す符号5A−5Aで視た側断面図であり、
図5(B)は、
図3(A)に示す符号5B−5Bで視た断面図であり、
図6は、第1実施例の給電側コネクタ140と機器側コネクタ150との接続状態を示す断面図である。
【0021】
本発明の第1実施例であるケーブル付コネクタ装置100は、
図1乃至
図6に示すように、電源コネクタ110と、信号回線コネクタ120と、複合ケーブル130と、給電側コネクタ140と、機器側コネクタ150とを備えている。
このうち、電源コネクタ110は、一例として病院の病室の壁Wに設置された一般用交流電源コンセントである商用電源接続部W1に接続されるように構成されている。
信号回線コネクタ120は、一例として地デジ用コネクタとLAN用コネクタとの2つ設けられ、壁Wに設置された地デジ用ソケットおよびLAN用ソケットである信号回線接続部W2とそれぞれ接続されるように構成されている。
【0022】
複合ケーブル130は、電源電圧を供給する電源ケーブル131と、地デジの信号やLANの信号を伝達する信号ケーブル132とからなる。
このうち、電源ケーブル131は、電源コネクタ110から給電側コネクタ140へ電源電圧を供給するように設けられている。
他方、信号ケーブル132は、信号回線コネクタ120と給電側コネクタ140との間で信号を伝達するように構成されている。
【0023】
給電側コネクタ140は、機器側コネクタ150と接続自在に設けられ、給電側コネクタ前ケース141と、給電側端子位置決め板142と、給電側コネクタ後ケース143と、給電側端子群144と、給電側コネクタ基板145とを備えている。
このうち、給電側コネクタ前ケース141と給電側コネクタ後ケース143とが、給電側端子位置決め板142と、給電側端子群144と、給電側コネクタ基板145とを覆うように設けられている。
【0024】
給電側コネクタ前ケース141には、機器側端子挿通スリット141aと、凹状案内部141bと、傾斜案内部141cとが形成されている。
機器側端子挿通スリット141aは、給電側端子群144と対応して配設され、給電側コネクタ140と機器側コネクタ150とが接続する際に、後述する機器側端子群152がそれぞれ挿通するように設けられている。
【0025】
凹状案内部141bは、機器側コネクタ150と給電側コネクタ140との着脱方向Sに対して交差する所定方向Tに一対離間して配設され、機器側コネクタ150の後述する凸状案内部151aと嵌合するように構成されている。
傾斜案内部141cは、一対の凹状案内部141bの外側に一対配設され、給電側コネクタ140と機器側コネクタ150とが接続する際に当接した凸状案内部151aを凹状案内部141bに案内するように設けられている。
なお、傾斜案内部141cの位置は、一対の凹状案内部141bの内側でもよい。
【0026】
給電側端子群144は、電源ケーブル131と電気的に接続された給電側給電端子144aと、信号ケーブル132と電気的に接続された給電側信号端子144bとからなり、それぞれ接続方向先端側である一端側が所定方向Tに二股に分かれて後述する機器側端子群152の平板型の雄型端子を所定方向Tでそれぞれ挟み込む雌型端子である。
なお、給電側端子群144は、前記一端側が雌型であればよく、二股型以外の円筒型でもよい。
さらに、給電側端子群144は、漏電、ショートなどの安全対策のために給電側コネクタ140の内部に収納された状態で配置されている。
また、給電側給電端子144aおよび給電側信号端子144bは、それぞれ給電側端子位置決め板142の給電側端子挿通スリット142aに所定方向Tにおいて所謂、遊びがある状態で挿通されている。
【0027】
本実施例では、給電側給電端子144aが、所定方向Tに5つ配設され、
図3(A)における右端の給電側給電端子144aはアース用である。
本実施例では、給電側信号端子144bが、所定方向Tに5つ並んだものを2段配設され、
図3(A)における上段下段それぞれ右端の給電側信号端子144bは地デジ用であり、その他8つの給電側信号端子144bはLAN用である。
なお、給電側端子位置決め板142は、
図5(A)に示すように、一例として給電側コネクタ前ケース141に背面側からねじ留めされている。
【0028】
また、給電側コネクタ基板145は、給電側端子位置決め板142より背面側に設置され、給電側端子群144の接続方向後端側である他端側が給電側コネクタ基板145の給電側端子挿通穴145aに所定方向Tにおいて遊びがある状態で挿通されるとともに、給電側コネクタ基板145に設けられた付勢手段付導電端子145bと接触している。
付勢手段付導電端子145bは、給電側端子群144の他端側を弾性変形によるばね力(弾性力)で、着脱方向Sおよび所定方向Tに直交する直交方向Uに付勢している。
【0029】
これにより、給電側端子群144の位置および姿勢が安定する。
つまり、給電側端子群144が所定方向Tの遊びの範囲内で移動して給電側コネクタ前ケース141や給電側端子位置決め板142や給電側コネクタ基板145と衝突することに起因したカタカタ等の音の発生が回避される。
さらに、機器側コネクタ150と給電側コネクタ140との接続状態である通電状態の給電側端子群144の位置および姿勢が保持される。
また、給電側給電端子144aおよび給電側信号端子144bがそれぞれ付勢手段付導電端子145bを介して給電側コネクタ基板145と通電される。
つまり、給電側コネクタ140の内部の導線が不要になる。
なお、給電側コネクタ140と機器側コネクタ150との着脱の際に、給電側端子群144の姿勢を機器側端子群152の姿勢に追従させるために、給電側端子挿通スリット142aにおける所定方向Tの遊びが十分に設けられていれば、給電側端子挿通穴145aにおける所定方向Tの遊びは、極僅かでよい。
【0030】
本実施例では、機器側コネクタ150は、一例として、テレビなどの機器DEが設置された床頭台BTにカバースカートCVを介して一体に取付られている。
機器側コネクタ150は、機器側コネクタ前ケース151と、機器側端子群152と、機器側コネクタ基板153とを備えている。
機器側コネクタ前ケース151は、床頭台BTとともに一例としてねじによって機器側端子群152が取付けられた機器側コネクタ基板153を覆うように構成されている。
【0031】
機器側コネクタ前ケース151には、一対の凸状案内部151aが所定方向Tに離間して設置され、前述したように、給電側コネクタ140と機器側コネクタ150とが接続する際に凸状案内部151aが、傾斜案内部141cと当接して傾斜案内部141cによって凹状案内部141bへ案内されて凹状案内部141bと嵌合するように構成されている。
さらに、機器側コネクタ150と給電側コネクタ140とが接続されるとき、一対の凸状案内部151aが一対の凹状案内部内141bにそれぞれ進入した後に、機器側端子群152が給電側端子群144とそれぞれ接触するように構成されている。
【0032】
機器側端子群152は、給電側給電端子144aと接続する機器側給電端子152aと、給電側信号端子144bと接続する機器側信号端子152bとからなり、それぞれ接続方向先端側である一端側が平板型の雄型端子である。
なお、機器側端子群152は、前記一端側が雄型であればよく、平板型以外の円柱ピン型でもよい。
また、機器側給電端子152aおよび機器側信号端子152bのそれぞれ一端側は、機器側コネクタ前ケース151の挿通穴151bを介して機器側コネクタ前ケース151から突出している。
【0033】
本実施例では、機器側給電端子152aが、所定方向Tに5つ配設され、
図3(B)における右端の機器側給電端子152aはアース用である。
本実施例では、機器側信号端子152bが、所定方向Tに5つ並んだものを2段配設され、
図3(B)における上段下段それぞれ右端の機器側信号端子152bは地デジ用であり、その他8つの機器側信号端子152bはLAN用である。
【0034】
本実施例では、ケーブル付コネクタ装置100が、上述したように、壁Wに設置された商用電源接続部W1に接続される電源コネクタ110と、壁Wに設置された信号回線接続部W2と接続される信号回線コネクタ120と、電源コネクタ110から電源ケーブル131を介して接続された給電側給電端子144aと信号回線コネクタ120から信号ケーブル132を介して接続された給電側信号端子144bとを含む給電側端子群144を備えた給電側コネクタ140と、機器側給電端子152aと機器側信号端子152bとを含む機器側端子群152を備えて給電側コネクタ140と接続自在な機器側コネクタ150とを備えている。
これにより、専用の機器側コネクタ150と壁Wに設置された一般用の商用電源接続部W1および信号回線接続部W2とが中継接続される。
【0035】
さらに、機器側給電端子152aおよび機器側信号端子152bが、平板型の雄型端子であり、給電側給電端子144aおよび給電側信号端子144bが、機器側コネクタ150と給電側コネクタ140との着脱方向Sに対して交差する所定方向Tで雄型端子である機器側給電端子152aおよび機器側信号端子152bをそれぞれ挟み込む雌型端子であり、給電側コネクタ140が、給電側給電端子144aおよび給電側信号端子144bを所定方向Tに所定範囲内で移動自在にそれぞれ保持している。
これにより、給電側給電端子144aおよび給電側信号端子144bが所定方向Tに所謂、遊びがある状態で保持されて機器側コネクタ150と給電側コネクタ140とが接離移動する際に機器側コネクタ150と給電側コネクタ140との相対的な特に先端側姿勢の所定方向Tでの変化に起因する機器側給電端子152aおよび機器側信号端子152bの姿勢の変化に給電側給電端子144aおよび給電側信号端子144bがそれぞれ追従自在となる。
【0036】
また、本実施例では、壁Wが、病院の病室の壁Wであり、機器DEが、病院の病室に設置される移動自在な床頭台BTに設けられた機器DEである。
これにより、病室の床頭台BTは患者用ベッドとともに移動することが通常であり機器側コネクタ150と給電側コネクタ140とを着脱するだけで全ての接続・接続解除切り換え自在となる。
【0037】
なお、本実施例の給電側コネクタ140は、給電側コネクタ後ケース143および複合ケーブル130を取り外すことで、壁Wに設置された一般用の交流電源コンセントである商用電源接続部W1の穴のサイズに適合し、この穴にカバースカートCVを介して取付けることができるサイズである。
すなわち、給電側コネクタ基板145などは、縦70mm、横幅90mm程度のサイズであり、商用電源接続部W1の穴に設置可能である。
これにより、壁Wに設置された一般用の交流電源コンセントの周辺のみを取り替え工事するだけで、給電側コネクタ140を壁Wに直接設置することもできる。
つまり、壁Wの穴の大きさを変える工事をすることなく、給電側コネクタ140を壁Wに直接設置することができる。
【0038】
このようにして得られた本発明の第1実施例であるケーブル付コネクタ装置100は、壁Wに設置された商用電源接続部W1に接続される電源コネクタ110と、壁Wに設置された信号回線接続部W2と接続される信号回線コネクタ120と、電源コネクタ110から電源ケーブル131を介して接続された1以上である第1所定数の給電側給電端子144aと信号回線コネクタ120から信号ケーブル132を介して接続された複数である第2所定数の給電側信号端子144bとを含む給電側端子群144を備えた給電側コネクタ140と、第1所定数の給電側給電端子144aと接続自在な第1所定数の機器側給電端子152aと第2所定数の給電側信号端子144bと接続自在な第2所定数の機器側信号端子152bとを含む機器側端子群152を備えて給電側コネクタ140と接続自在な機器側コネクタ150とを備え、機器側給電端子152aおよび機器側信号端子152bが、平板型の雄型端子であり、給電側給電端子144aおよび給電側信号端子144bが、機器側コネクタ150と給電側コネクタ140との着脱方向Sに対して交差する所定方向Tで雄型端子をそれぞれ挟み込む雌型端子であり、給電側コネクタ140が、給電側給電端子144aおよび給電側信号端子144bを所定方向Tに所定範囲内で移動自在にそれぞれ保持していることにより、壁Wに既に一般用の商用電源接続部W1および信号回線接続部W2が埋設されている場合であっても専用の機器側コネクタ150に対応した専用の給電側コネクタ140を壁Wに埋設する新たな工事なしで対応するとともに、接続する端子数が多い場合であっても機器側コネクタ150と給電側コネクタ140との着脱をスムーズにするとともに接触不良を回避して長期に亘って通電状態を安定させることができ、さらに平板型の雄型端子である機器側給電端子152aおよび機器側信号端子152bの破損を長期に亘って回避することができる。
【0039】
さらに、給電側コネクタ140が、給電側端子群144のそれぞれ接触するとともに弾性変形により給電側端子群144をそれぞれ付勢する複数の付勢手段付導電端子145bと、この複数の付勢手段付導電端子145bを設置した基板と、所定方向Tに延設されて給電側端子群144をそれぞれ挿通させる複数のスリットとしての給電側端子挿通スリット142aおよび給電側端子挿通穴145aとを有し、付勢手段付導電端子145bが、機器側コネクタ150と給電側コネクタ140との着脱方向Sおよび所定方向Tに直交する直交方向Uに給電側端子群144をそれぞれ付勢していることにより、給電側端子群144が遊びの範囲内で移動したときにカタカタと音が生じることを回避し、接触不良をより確実に回避するとともに、給電側コネクタ140の導線を不要にして構造を簡素化することができる。
【0040】
また、機器側コネクタ150が、所定方向Tに離間した一対の凸状案内部151aを有し、給電側コネクタ140が、所定方向Tに離間するとともに一対の凸状案内部151aと嵌合する一対の凹状案内部141bと、一対の凹状案内部141bの外側に設置されるとともに機器側コネクタ150と給電側コネクタ140との着脱方向Sに対して傾斜して当接した凸状案内部151aを凹状案内部141bへ案内する一対の傾斜案内部141cとを有し、機器側コネクタ150と給電側コネクタ140とが接続されるとき、一対の凸状案内部151aが一対の凹状案内部内141bにそれぞれ進入した後に、機器側端子群152が給電側端子群144とそれぞれ接触することにより、容易に機器側コネクタ150と給電側コネクタ140とを接続するとともに、長期に亘って機器側端子群152および給電側端子群144の破損を回避することができる。
【0041】
さらに、壁Wが、病院の病室の壁Wであり、機器DEが、病院の病室に設置される移動自在な床頭台BTに設けられた機器DEであることにより、容易に床頭台BTおよび患者用ベッドを病室間や病室内で移動し、電源および回線信号を確実に供給することができるなど、その効果は甚大である。
【実施例2】
【0042】
続いて、本発明の第2実施例であるケーブル付コネクタ装置200について、
図7乃至
図10(B)に基づいて説明する。
ここで、
図7は、本発明の第2実施例のケーブル付コネクタ装置200の概略構成図であり、
図8(A)は、第2実施例の給電側コネクタ240の一部ケース切り欠き透視正面図であり、
図8(B)は、第2実施例の機器側コネクタ250の一部ケース切り欠き透視背面図であり、
図9(A)は、
図8(B)に示す符号9A−9Aで視た断面図であり、
図9(B)は、
図8(A)に示す符号9B−9Bで視た断面図であり、
図10(A)は、
図8(B)に示す符号10A−10Aで視た側断面図であり、
図10(B)は、
図8(A)に示す符号10B−10Bで視た断面図である。
【0043】
第2実施例のケーブル付コネクタ装置200は、第1実施例のケーブル付コネクタ装置100の機器側コネクタ150を、機器DEから延設された機器電源ケーブルの自由端に設置された機器電源コネクタと、同様に機器DEから延設された機器信号ケーブルの自由端に設置された機器信号コネクタと接続自在に設けたものであり、多くの要素について第1実施例のケーブル付コネクタ装置100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
【0044】
第2実施例のケーブル付コネクタ装置200の機器側コネクタ250は、
図7乃至
図10(B)に示すように、機器DEが設置された床頭台BTに対して別体に設けられている。
機器側コネクタ250は、機器側コネクタ前ケース251と、機器側端子群252と、機器側コネクタ基板253と、機器側コネクタ後ケース254と、電源供給用雌型端子255と、信号用端子256とを備えている。
このうち、機器側コネクタ前ケース251および機器側コネクタ後ケース254は、機器側コネクタ基板253を覆うように設けられている。
【0045】
電源供給用雌型端子255は、機器DEと機器電源ケーブルDE1を介して直接接続された機器電源コネクタDE2の雄型端子と接続自在に設けられている。
同様に、信号用端子256は、一例として地デジ用とLAN用との2つ設けられ、機器DEと機器信号ケーブルDE3を介して直接接続された地デジ用とLAN用との2つの機器信号コネクタDE4の機器信号端子とそれぞれ接続自在に設けられている。
これにより、機器DEが専用の機器側コネクタ250を有してなく一般用の機器電源コネクタDE2と機器信号コネクタDE4との複数のコネクタを有している場合であっても機器電源コネクタDE2および機器信号コネクタDE4が機器側コネクタ250と接続されて全ての接続・接続解除切り換え可能箇所が、機器側コネクタ250と給電側コネクタ240との接続箇所の1箇所となる。
【0046】
このようにして得られた本発明の第2実施例であるケーブル付コネクタ装置200は、機器側コネクタ250が、機器DEと機器電源ケーブルDE1を介して直接接続された機器電源コネクタDE2の雄型端子と接続自在な電源供給用雌型端子255と、機器DEと機器信号ケーブルDE3を介して直接接続された機器信号コネクタDE4の機器信号端子と接続自在な信号用端子256とを備えていることにより、機器DEの機器電源コネクタDE2および機器信号コネクタDE4の仕様を変更することなく容易に全ての接続・接続解除を切り換えることができるなど、その効果は甚大である。