(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
農園芸分野では、各種病原菌の防除を目的とした様々な殺菌剤が開発され、実用に供されている。
【0003】
しかしながら、従来汎用されている農薬は、その効果や、スペクトル、残効性等、更には、施用回数や、施用薬量の低減等の要求を必ずしも満足しているとは言えない。加えて、従来汎用の農薬に対して抵抗性を発達させた病原菌の出現も問題となっている。例えば、野菜や、果樹、花卉、茶、ムギ類およびイネ等の栽培において、例えば、トリアゾール系、イミダゾール系、ピリミジン系、ベンズイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、フェニルアミド系、ストロビルリン系等の様々な型の殺菌剤等に抵抗性を発達させた種々の病原菌が各地で出現しており、これらの抵抗性病原菌の防除が年々困難になっている。従って、従来汎用の農園芸用殺菌剤に抵抗性を発達させた各種病原菌に対しても低薬量で十分な防除効果を示し、しかも環境への悪影響が小さい、新規な農薬の出現が常に望まれている。
【0004】
これらの要望に応えるための新しい殺菌剤が種々提案されているが、必ずしも、上記要望に応えるものではない。
【0005】
特許文献1には、殺菌活性を有する以下の構造を有するカルボキサミド誘導体が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の化合物は、ピリジン環の3位において、カルボキサミド結合を有するものであり、エステル結合を有するものではない。
(特許文献1)
【0006】
特許文献2は、ピリジン環の2位にアミノ基を有する以下のエステル誘導体を反応中間体(265頁実施例35化合物番号757)として開示している。しかし、この化合物は、メトキシ基を有する化合物であり、フェノキシ基を有するものではない。また、この化合物は、あくまでも特許文献2の医薬活性化合物の製造中間体として開示されているものに過ぎず、特許文献2は、殺菌活性については全く記載していない。
(特許文献2、医薬活性)
【0007】
特許文献3〜6は、具体的に合成された化合物として、以下のような、ピリジン環の2-位にアミノ基を有しないエステル誘導体について開示している。その代表例として、以下の化合物が例示される。これらの化合物は、殺虫活性または除草活性を有することが開示されているが、殺菌活性を有することは全く報告されていない。
特許文献3では、以下の化合物(43頁化合物番号1.59)が開示されている。しかしながら、特許文献3は、殺虫剤としての用途に関するものであり、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。
(特許文献3、殺虫活性)
【0008】
特許文献4は、以下の化合物を開示している(33頁化合物270及び271)。しかしながら、特許文献4は、殺虫剤としての用途に関するものであり、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。
(特許文献4、殺虫活性)
【0009】
特許文献5は、以下の化合物を開示している(78頁の化合物番号1.3717)。しかしながら、特許文献5は、除草剤としての用途に関するものであり、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。
(特許文献5、除草活性)
【0010】
特許文献6は、以下の化合物を開示している(42頁の化合物番号229)。しかしながら、特許文献6は、除草剤としての用途に関するものであり、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。
(特許文献6、除草活性)
【0011】
また、特許文献7または特許文献8は、殺菌活性を有する具体的な化合物として、以下の化合物を開示している。
具体的に述べれば、特許文献7は、以下の化合物を開示している(50頁の化合物番号48)。しかしながら、特許文献7は、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。
(特許文献7、殺菌活性)
【0012】
また、特許文献8は、以下の化合物を開示している(40頁の化合物番号22)。しかしながら、特許文献8は、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。
(特許文献8、殺菌活性)
【0013】
一方、特許文献9〜14は、医薬活性を有する以下の化合物を具体的に開示している。詳述すると、特許文献9は、以下の化合物を開示している(42頁のBeispiel186)。しかしながら、特許文献9は、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。また、特許文献9の化合物は、医薬活性物質として開示しているに過ぎない。
(特許文献9、医薬活性)
【0014】
また、特許文献10は、具体的に以下の化合物を開示している(32頁工程3の反応式の右側の化合物)。しかしながら、この化合物は、反応中間体として開示されているに過ぎず、また、特許文献10は、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。
(特許文献10、医薬活性)
【0015】
特許文献11は、以下の化合物をプロ-3−ニコチノイルとして開示している(17頁)。しかしながら、特許文献11は、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。また、特許文献11の化合物は、医薬活性物質として開示しているに過ぎない。
(特許文献11、医薬活性)
【0016】
特許文献12は、以下の化合物を開示している(51頁のE工程1)。しかしながら、特許文献11は、この化合物を中間体として開示するのみであり、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。また、特許文献11の化合物は、医薬活性物質として開示しているに過ぎない。
(特許文献12、医薬活性)
【0017】
特許文献13は、以下の化合物を開示している(56頁(I−17b))。しかしながら、特許文献13は、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。また、特許文献13の化合物は、医薬活性物質として開示しているに過ぎない。
(特許文献13、医薬活性)
【0018】
特許文献13は、以下の化合物を開示している(93頁、合成スキーム)。しかしながら、特許文献13は、この化合物は、中間体として開示するのみであり、ピリジン環の2位にアミノ基を有する化合物は開示していない。また、特許文献13の化合物は、医薬活性物質として開示しているに過ぎない。
(特許文献14、医薬活性)
【0019】
非特許文献1は、シャーガス病の治療剤として使用される医薬活性化合物に関するものである。非特許文献1は、フェノキシベンジルオキシ骨格を有する医薬活性化合物について開示しています。しかしながら、この骨格に、2−アミノニコチン酸を組み込んだ化合物については、全く開示していない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明について詳細に説明する。
式[I]で表される本発明の化合物において、R
1、R
2、R
3、R
5およびR
6で示されるC
1〜C
4のアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。R
5およびR
6で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子や、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R
5およびR
6で示されるC
1〜C
4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基や、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が挙げられる。
【0026】
R
5およびR
6で示されるC
1〜C
4のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基や、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基が挙げられる。
R
5およびR
6で示されるC
1〜C
4のアルキルスルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基や、エチルスルフィニル基、n-プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、n-ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec-ブチルスルフィニル基、tert-ブチルスルフィニル基が挙げられる。
R
5およびR
6で示されるC
1〜C
4のアルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基や、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基が挙げられる。
【0027】
R
5およびR
6で示されるC
1〜C
4のハロアルキル基としては、例えば、モノフルオロメチル基や、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル気、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、モノブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、1-フルオロエチル基、2-フルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル基、1-クロロエチル基、2-クロロエチル基、2,2,-ジクロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、1-ブロモエチル基、2-ブロモエチル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,2-トリブロモエチル基、2-ヨードエチル基、ペンタフルオロエチル基、3-フルオロプロピル基、3-クロロプロピル基、3-ブロモプロピル基、1,3-ジフルオロ-2-プロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,3-ジクロロ-2-プロピル基、1,1,1-トリフルオロ-2-プロピル基、1-クロロ-3-フルオロ-2-プロピル基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピル基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-クロロ-2-プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロ-n-プロピル基、4-フルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、ノナフルオロ-n-ブチル基、ノナフルオロ-2-ブチル基が挙げられる。
【0028】
R
5およびR
6で示されるC
1〜C
4のハロアルコキシ基としては、例えば、モノフルオロメトキシ基や、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、モノクロロメトキシ気、ジクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、モノブロモメトキシ基、ジブロモメトキシ基、トリブロモメトキシ基、1-フルオロエトキシ基、2-フルオロエトキシ基、2,2-ジフルオロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ基、1-クロロエトキシ基、2-クロロエトキシ基、2,2,-ジクロロエトキシ基、2,2,2-トリクロロエトキシ基、1-ブロモエトキシ基、2-ブロモエトキシ基、2,2-ジブロモエトキシ基、2,2,2-トリブロモエトキシ基、2-ヨードエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、3-フルオロプロポキシ基、3-クロロプロポキシ基、3-ブロモプロポキシ基、1,3-ジフルオロ-2-プロポキシ基、3,3,3-トリフルオロプロポキシ基、1,3-ジクロロ-2-プロポキシ基、1,1,1-トリフルオロ-2-プロポキシ基、1-クロロ-3-フルオロ-2-プロポキシ基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-クロロ-2-プロポキシ基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ基、ヘプタフルオロイソプロポキシ基、ヘプタフルオロ-n-プロポキシ基、4-フルオロブトキシ基、4,4,4-トリフルオロブトキシ基、ノナフルオロ-n-ブトキシ基、
【0029】
ノナフルオロ-2-ブトキシ基が挙げられる。R
5およびR
6で示されるハロアルキルチオ基としては、例えば、モノフルオロメチルチオ基や、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、モノクロロメチルチオ基、ジクロロメチルチオ基、トリクロロメチルチオ基、モノブロモメチルチオ基、ジブロモメチルチオ基、トリブロモメチルチオ基、1-フルオロエチルチオ基、2-フルオロエチルチオ基、2,2-ジフルオロエチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチルチオ基、1-クロロエチルチオ基、2-クロロエチルチオ基、2,2,-ジクロロエチルチオ基、2,2,2-トリクロロエチルチオ基、1-ブロモエチルチオ基、2-ブロモエチルチオ基、2,2-ジブロモエチルチオ基、2,2,2-トリブロモエチルチオ基、2-ヨードエチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、3-フルオロプロピルチオ基、3-クロロプロピルチオ基、3-ブロモプロピルチオ基、1,3-ジフルオロ-2-プロピルチオ基、3,3,3-トリフルオロプロピルチオ基、1,3-ジクロロ-2-プロピルチオ基、1,1,1-トリフルオロ-2-プロピルチオ基、1-クロロ-3-フルオロ-2-プロピルチオ基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピルチオ基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-クロロ-2-プロピルチオ基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルチオ基、ヘプタフルオロイソプロピルチオ基、ヘプタフルオロ-n-プロピルチオ基、4-フルオロブチルチオ基、4,4,4-トリフルオロブチルチオ基、ノナフルオロ-n-ブチルチオ基、ノナフルオロ-2-ブチルチオ基が挙げられる。
また、R
4は、水素原子、シアノ基またはC
1〜C
4のアルキル基を示し、C
1〜C
4のアルキル基としては、R
1、R
2、R
3、R
5およびR
6で示されたアルキル基が挙げられる。
本発明の化合物は、文献未記載の新規化合物であり、例えば、公知の出発化合物から、下記反応式に従って製造することができる。
【0031】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、AおよびBは、前記式[I]で定義した通りである。)
一般式[II]で表される2-アミノニコチン酸誘導体と、一般式[III]で表されるアルコール誘導体とを縮合剤及び塩基存在下、不活性溶媒中反応させることにより一般式[I]で表される本発明の2-アミノニコチン酸エステル誘導体を製造することができる。
ここで、化合物[II]及び[III]は、既に公知の化合物であるか、又は公知化合物から当業者であれば、直ちに合成できる化合物である。
本反応における反応温度は、通常-20℃〜120℃、好ましくは0℃〜40℃の範囲で、反応時間は、通常0.2時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間の範囲で行なわれる。一般式[III]で表されるフェノキシベンジルアルコール誘導体は、一般式[II]で表される2-アミノニコチン酸誘導体に対して通常1〜5倍モル、好ましくは1〜1.5倍モルの範囲で使用される。
【0032】
本反応で使用する縮合剤としては、例えば、シアノリン酸ジエチル(DEPC)や、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,3-ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、クロロ炭酸エステル類、ヨウ化2-クロロ-1-メチルピリジニウム等を例示することができ、その使用量は一般式[II]で表される2-アミノニコチン酸誘導体に対して通常1〜3倍モル、好ましくは1〜1.5倍モルの範囲で使用される。
【0033】
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウムや、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基類;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩類;カリウム-t-ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド類;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデック-7-エン等の第三級アミン類;ピリジン、ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物等を挙げることができる。塩基の量は一般式[II]で表される2-アミノニコチン酸誘導体に対して通常1〜10倍モル、好ましくは1〜2倍モルの範囲で使用される。
【0034】
本反応は溶媒を使用しても使用しなくても良いが、溶媒を使用する場合には、溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであれば特に制限されることなく各種の溶媒が使用され、そのような溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルや、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の鎖状又は環状エーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の極性溶媒を好適に挙げることができ、これらの不活性溶媒は単独で又は2種類以上混合して使用することができる。
【0035】
反応後、目的化合物は、それを含む反応系から常法により容易に単離することができ、例えば、再結晶化や、カラムクロマトグラフィー等で精製などにより目的化合物を調製することができる。
本反応に使用される一般式[II]で表される2-アミノニコチン酸誘導体は、例えば、特開2010-083861号公報(特許文献1)に記載された方法に準じて公知化合物から直ちに合成することができる。
本反応に使用される一般式[III]で表されるアルコール誘導体は、例えば、Journal of Medicinal Chemistry, 43巻, 1826頁(2000) (非特許文献1)に記載された方法に準じて、公知化合物から直ちに合成することができる。
【0036】
本発明の化合物は、果樹類、例えば、アボカドや、あんず、いちじく、いよかん、うめ、温州みかん、おうとう、かき、かぼす、キウイフルーツ、すもも、西洋なし、たんかん、でこぽん、なし、なつみかん、ネクタリン、はっさく、パパイア、びわ、ぶどう、ぶんたん、マンゴー、もも、ゆず、りんご、レモン等:穀類、例えば、大麦、小麦、水稲、とうもろこし、ハト麦、ライ麦、陸稲等:いも類、例えば、かんしょ、ばれいしょ、さといも、やまのいも等:野菜類、例えば、あずき、いちご、いんげんまめ、えんどうまめ、オクラ、かぶ、かぼちゃ、キャベツ、きゅうり、ごぼう、ささげ、しろうり、すいか、セルリー、そらまめ、だいこん、だいず、たまねぎ、てんさい、とうがらし、とうがん、トマト、なす、にがうり、にんじん、ねぎ、はくさい、パセリー、ピーマン、へちま、メロン、レタス等:特用作物、例えば、さとうきび、芝、たばこ、茶、なたね、ポップ等:花卉類、例えば、あじさい、カーネーション、ガーベラ、ガザニア、きく、キンギョソウ、キンセンカ、サルビア、宿根カスミソウ、スイートピー、スターチス、セントポーリア、ダリア、チモシー、デルフェニウム、トルコギキョウ、バーベナ、ひまわり、ばら類、ベゴニア、ペチュニア、ポインセチア、ライラック、りんどう、ローズマリー等:樹木類、例えば、あかしあ類、かえで、かし類、かつら、きり、けやき、さくら類、しいのき類、つつじ類、つばき類、なら類、はんのき類、やなぎ類の病害を防除するために使用できる。
【0037】
対象とする病害としては、植物寄生性の糸状菌、細菌および放線菌類が挙げられ、具体的には、稲のいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rizoctonia solani)、もみ枯細菌病(Burcholderia glumae)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)、褐条病(Acidovorax avenae subsp. avenae)、内頴褐変病(Erinia ananas)、葉梢褐変病(Pseudomonas fuscovaginae)、立枯細菌病(Burkholderia plantarii)等;麦類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia striiformis, P.graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp. , Micronectriella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、網斑病(Pyrenophora teres)、
【0038】
ひょうもん病(Helminthosporium zonatum Ikata)、黒節病(Pseudomonas syringae pv. japonica)、等;かんきつ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum)、褐色腐敗病(Phytophthora citrophthora, P. nicotianae)、黒星病(Phyllostictina citricarpa)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv. citri)等;りんごのモニリア病(Monilinia mali)、腐らん病(Valsa mali)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒星病(Venturia inaequalis)、黒点病(Mycospherella pomi)、炭そ病(Colletotrichum acutatum)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、灰星病(Monilinia fructicola)等;なしの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum)、灰星病(Monilinia fructigena)等;ももの灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、
【0039】
フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp. )、せん孔細菌病(Xanthomonas campestris pv. pruni)等;ぶどうの黒とう病(Elinoe ampelina)、晩腐病(Colletotrichum acutatum)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola)、灰星病(Monilinia fructigena)、黒星病(Cladosporium viticolum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、根頭がんしゅ細菌病(Agrobacterium vitis)等;かきの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki, Mycoshaerella nawae)等;
【0040】
だいずの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)、斑点細菌病(Pseudomonas savastanoi pv. glycinea)、葉焼病(Xanthomonas campestris pv. glycines)等;いんげんまめの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)、かさ枯病(Pseudomonas savastanoi pv. phaseolicola)、葉焼病(Xanthomonas campestris pv. phaseoli)等;らっかせいの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)等;えんどうまめのうどんこ病(Erysiphe pisi)等;うり類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea, Oidiopsis taurica)、つる枯病(Didymella bryoniae)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp. )、苗立枯病(Pythium sp. )、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. lachrymans)、褐斑細菌病(Xanthomonas campestris pv. cucuribitae)等;トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)、青枯病(Ralstonia colanacearum)、
【0041】
かいよう病(Clavibacter michiganense subsp. michiganense)、茎えそ病(Pseudomonas corrugata)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、等;なすの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum) 、青枯病(Ralstonia colanacearum)等;あぶらな科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae)、黒腐病(Xanthomonas campestris pv. campestris)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、腐敗病(Pseudomonas syringae pv. marginalis)等;ねぎのさび病(Puccinia allii)等;ばれいしょの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、葉腐病菌(Rhizoctonia solani)、軟腐病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)、黒脚病(Erwinia carotovora subsp. atroseptica)、青枯病(Ralstonia colanacearum)、そうか病(Streptomyces scabies, Streptomyces acidiscabies)等;いちごのうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、青枯病(Ralstonia colanacearum)芽枯細菌病(Pseudomonas marginalis pv. marginalis)、角斑細菌病(Xanthomonas campestris, Xanthomonas fragariae)等;茶の網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila)、赤焼病(Pseudomonas syringae pv. theae)、立枯病(Ralstonia solanacearum)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv. theicola)等;
【0042】
たばこの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae)、空洞病(Erwinia carotovora subsp. carotovora)等;てんさいの褐斑病(Cercospora beticola)、苗立枯れ病(Aphanomyces cochliodes)等;にんじんの黒葉枯病(Alternaria dauci)、こぶ病(Rhizobacter dauci)、ストレプトミセスそうか病(Streptomyces scabies)、ばらの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)等;きくの褐斑病(Septoria chrysanthemi-indici)、白さび病(Puccinia horiana)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)等;種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病 (Sclerotinia sclerotiorum) 等が挙げられるが、限らずしもここに記載した菌類に限定されるものではない。
【0043】
本発明の化合物は、各種の剤形で使用することができる。これらの剤形とするためには、適宜、農園芸用殺菌剤の技術分野において従来より使用されている各種の農薬補助剤を使用することができる。農園芸用殺菌剤の剤形としては、例えば、乳剤や、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、液剤、粉剤、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、細粒剤、粒剤、錠剤、油剤、噴霧剤、煙霧剤等である。勿論、本発明の化合物を、1種又は2種以上組合せて、有効成分として配合することもできる。
【0044】
このような農薬補助剤は、例えば、農園芸用殺菌剤の効果の向上、安定化、分散性の向上等の目的で使用することができる。農薬補助剤としては、例えば、坦体(希釈剤)や、展着剤、乳化剤、湿展剤、分散剤、崩壊剤等が挙げられる。液体坦体としては、水や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、ブタノール、グリコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、メチルナフタレン、シクロヘキサン、動植物油、脂肪酸等を挙げることができる。また、固体坦体としては、クレーや、カオリン、タルク、珪藻土、シリカ、炭酸カルシウム、モンモリナイト、ベントナイト、長石、石英、アルミナ、鋸屑、ニトロセルロース、デンプン、アラビアゴム等を用いることができる。
【0045】
乳化剤や、分散剤としては、通常の界面活性剤を使用することが出来、例えば、高級アルコール硫酸ナトリウムや、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ラウリルベタイン等の陰イオン系界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤等を用いることが出来る。また、展着剤;ジアルキルスルホサクシネート等の湿展剤;カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の固着剤;リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の崩壊剤等を用いることが出来る。
農園芸用殺菌剤における有効成分としての本発明の化合物の含有量は、例えば、0.01〜99.5質量%であり、好ましくは、0.5〜90質量%の範囲から選ばれ、製剤形態、施用方法等の種々の条件により適宜決定すればよいが、例えば、粉剤では、約0.5〜20質量%程度、好ましくは、1〜10質量%、水和剤では、約1〜90質量%程度、好ましくは、10〜80質量%、乳剤では、約1〜90質量%程度、好ましくは、10〜40質量%の有効成分を含有するように製造できる。
【0046】
例えば、乳剤の場合、有効成分である本発明の化合物に対して、溶剤及び界面活性剤を混合して原液の乳剤を製造することが出来、更に、この原液を使用に際して所定濃度まで水で希釈して施用することが出来る。水和剤の場合、有効成分の本発明の化合物、固形担体、及び界面活性剤を混合して原液を製造し、更に、この原液を使用に際して所定濃度まで水で希釈して施用することが出来る。粉剤の場合、有効成分である本発明の化合物、固形担体等を混合して、そのまま施用することが出来、粒剤の場合には、有効成分としての本発明の化合物、固形担体、及び界面活性剤等を混合して造粒することにより製造し、そのまま施用することが出来る。もっとも、上記の各製剤形態の製造方法は上記のものに限定されることはなく、有効成分の種類や施用目的等に応じて当業者が適宜選択することができるものである。
【0047】
農園芸用殺菌剤には、有効成分である本発明の化合物以外に、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物生育調整剤、肥料、土壌改良剤等の任意の有効成分を配合してもよい。本発明の化合物からなる殺菌剤の施用方法は特に限定されるものではなく、茎葉散布、土壌処理、施設内でのくん煙、くん茎等のいずれの方法でも施用することが出来る。例えば、茎葉散布の場合、例えば、5〜1000ppm、好ましくは、10〜500ppmの濃度範囲の溶液を、10アール当たり、例えば、50〜700リットル程度の施用量で用いることが出来る。土壌処理の場合、5〜1000ppmの濃度範囲の溶液を1m
2当たり、0.1〜1リットル程度の施用量で用いることが出来る。
【実施例】
【0048】
以下、本発明について、更に、実施例、製剤例及び試験例を使用して、詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例、製剤例及び試験例によって何ら限定されるものではない。
【0049】
<実施例1> 2-アミノニコチン酸-2-フェノキシベンジルの合成
2-アミノニコチン酸0.138gの塩化メチレン溶液に、2-フェノキシベンジルアルコール0.200g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.230gと4-ジメチルアミノピリジン0.146gを加え、3時間加熱還流した。室温に冷却後、塩化メチレンで抽出し、水層を更に塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表1に記載の本発明の化合物(No.1)、0.180g、オイルを得た。その他、同様にして、本発明の化合物を合成した。以下の表1には、実施例1と同様にして製造された本発明の化合物を記載する。
【0050】
表1
【0051】
1)
1H-NMR(CDCl
3)δppm:4.41(2H,s)、6.55(1H,m)、6.93(3H,m)、7.08(1H,t)、7.18
(1H,t)、7.28-7.35(3H,m)、7.52(1H,d)、7.98(1H,d)、8.19(2H.d)。
2)
1H-NMR(CDCl
3)δppm:1.63(3H,d)、6.01-6.09(1H,q)、6.62(1H,m)、6.91(1H,d)、
7.03(1H,d)、7.09(1H,s)、7.11-7.18(1H,t)、7.29-7.38(4H,m)、8.19(1H,d)、
8.22(1H,d)
3)
1H-NMR(CDCl
3)δppm:1.64(3H,d)、2.40(3H,s)、6.00-6.06(1H,q)、6.48(1H,d)、
6.92(1H,d)、7.02(1H,d)、7.08(1H,s)、7.09-7.15(1H,t)、7.30-7.38(4H,m)、8.06
(1H,d)
4)
1H-NMR(CDCl
3)δppm:1.65(3H,d)、6.07(1H,q)、6.62(1H,m)、7.01(4H,m)、7.12
(1H,t)、7.31-7.41(4H,m)、8.21(2H,m)。
5)
1H-NMR(CDCl
3)δppm:6.47(1H,s)、6.62(1H,m)、7.05-7.11(3H,m)、7.18(1H,t)、
7.22(1H,s)、7.30-7.45(4H,m)、8.12(1H,d)、8.29(1H,d)。
6)
1H-NMR(CDCl
3)δppm:2.41(3H,s)、5.31(2H,s)、6.48(1H,q)、7.05(4H,m)、
7.44(2H,d)、7.59(2H,d)、8.06(1H,d)
【0052】
次に製剤例を示す。なお、部は質量部を表す。
【0053】
製剤例1 乳剤
本発明の化合物(10部)、キシレン(60部)、N−メチル−2−ピロリドン(20部)及びソルポール3005X(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の混合物、東邦化学工業株式会社、商品名)(10部)を均一に混合溶解して、乳剤を得た。
【0054】
製剤例2 水和剤−1
本発明の化合物(20部)、ニップシールNS-K(ホワイトカーボン、東ソー・シリカ株式会社、商品名)(20部)、カオリンクレー(カオリナイト、竹原化学工業株式会社、商品名)(70部)、サンエキスP−252(リグニンスルホン酸ナトリウム、日本製紙ケミカル株式会社、商品名)( 5部)及びルノックスP65L(アルキルアリルスルホン酸塩、東邦化学工業株式会社、商品名)(5部)をエアーミルにて均一に混合粉砕して、水和剤を得た。
【0055】
製剤例3 水和剤−2
本発明の化合物(20部)、ニップシールNS-K(20部)、カオリンクレー(50部)、ルノックス1000C(ナフタレンスルホン酸塩縮合物、東邦化学工業株式会社、商品名)(5部)及びソルポール5276(非イオン性界面活性剤、東邦化学工業株式会社、商品名)(5部)をエアーミルにて均一に混合粉砕して、水和剤を得た。
【0056】
製剤例4 フロアブル剤−1
予め混合しておいたプロピレングリコール(5部)、ソルポール7933(アニオン性界面活性剤、東邦化学工業株式会社、商品名)(5部)、水(50部)に本発明の化合物(20部)を分散させ、スラリー状混合物とし、次にこのスラリー状混合物を、ダイノミル(シンマルエンタープライゼス社)で湿式粉砕した後、予めキサンタンガム(0.2部)を水(19.8部)によく混合分散させたものを添加し、フロアブル剤を得た。
【0057】
製剤例5 フロアブル剤−2
本発明の化合物(20部)、ニューカルゲンFS-26(ジオクチルスルホサクシネートとポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルの混合物、竹本油脂株式会社、商品名)(5部)、プロピレングリコール(8部)、水(50部)を予め混合しておき、このスラリー状混合物を、ダイノミル(シンマルエンタープライゼス社)で湿式粉砕した。次にキサンタンガム(0.2部)を水(16.8部)によく混合分散させゲル状物を作成し、粉砕したスラリーと十分に混合して、フロアブル剤を得た。
【0058】
次に、本発明の化合物が殺菌剤の有効成分として有用であることを試験例により示す。なお、本発明の化合物は、表1に記載の化合物番号で示し、比較対照に用いた化合物は下記の化合物記号(特許文献1の実施例に記載の化合物)で示す。
【0059】
試験例1:キュウリ灰色かび病に対する試験
播種12日後のきゅうり(品種:相模半白)を試験用に準備した。このきゅうりの葉軸を2cm程度残して子葉部分を切り取った。これとは別に32cm×24cm×4.5cm(たて×よこ×高さ)のプラスチックケースの底部に水で十分に湿らせたペーパータオルを敷き、ペーパータオルの上に足つきの網を置いたものを準備した。この網の上に、上記の切り取った子葉部分を、葉が水平になるように並べた。その子葉の中心部に、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の胞子懸濁液(1×10
6 個/ml)を50 μlずつ滴下した。その後、子葉の上に直径6 mmのペーパーディスクを被せた。これとは別に、上記製剤例1に準じて調製した乳剤を、更に0.02%Tween20脱塩水水溶液で希釈して所定濃度の希釈液を調製した。この希釈液を、ペーパーディスクの上から50μlずつ滴下した。プラスチックケースにフタをして20 ℃条件下に72時間置いた後、病斑直径を測定し下記の式にてキュウリ灰色かび病の防除価を求めた。結果を表1に示す。
【0060】
防除価(%)=[1−(処理区病斑直径 / 無処理区病斑直径)] × 100
表2
【0061】
上記表2に示した通り、本発明の化合物は、化合物Aに比べ殺菌活性が高い。