特許第6114977号(P6114977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー コンピュータ エンタテインメント アメリカ リミテッド ライアビリテイ カンパニーの特許一覧

特許6114977ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体
<>
  • 特許6114977-ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体 図000002
  • 特許6114977-ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体 図000003
  • 特許6114977-ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体 図000004
  • 特許6114977-ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体 図000005
  • 特許6114977-ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体 図000006
  • 特許6114977-ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体 図000007
  • 特許6114977-ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114977
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法及びそれのための命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/00 20140101AFI20170410BHJP
【FI】
   A63F13/00
【請求項の数】30
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2009-518263(P2009-518263)
(86)(22)【出願日】2007年6月26日
(65)【公表番号】特表2009-541014(P2009-541014A)
(43)【公表日】2009年11月26日
(86)【国際出願番号】US2007014993
(87)【国際公開番号】WO2008002639
(87)【国際公開日】20080103
【審査請求日】2009年6月18日
【審判番号】不服2014-19849(P2014-19849/J1)
【審判請求日】2014年10月2日
(31)【優先権主張番号】11/474,849
(32)【優先日】2006年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513244960
【氏名又は名称】ソニー インタラクティブ エンタテインメント アメリカ リミテッド ライアビリテイ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ショート,グレゴリー
【合議体】
【審判長】 黒瀬 雅一
【審判官】 植田 高盛
【審判官】 吉村 尚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−109025(JP,A)
【文献】 特開2004−165750(JP,A)
【文献】 特開2004−041645(JP,A)
【文献】 特開2001−187266(JP,A)
【文献】 特開2003−051032(JP,A)
【文献】 国際公開第1996/601(WO,A1)
【文献】 特開2003−175278(JP,A)
【文献】 特開2006−91975(JP,A)
【文献】 特開2001−190852(JP,A)
【文献】 特開2001−245271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームプレイに対応する場面に基づく画像であるビジュアライゼーションを提供する方法において、
a.ビジュアライゼーションサーバが、クライアントコンピュータにおけるゲームプレイに対応する場面において、その場面の一つの画像における一部として表示された第1の解像度の少ポリゴンデータ画像場面に関連する、情報を受信するステップと、
b.前記ビジュアライゼーションサーバが、前記場面に関連する情報を用いて、前記第1の解像度の少ポリゴンデータ画像に対応し、前記第1の解像度より高解像度である第2の解像度多ポリゴンデータ画像に関する追加的情報にアクセスするステップと、
c.前記ビジュアライゼーションサーバが、前記追加的情報に基づいて前記場面に関する情報関連付けられたビジュアライゼーションを生成するステップであって、当該生成するステップにおいて、前記第1の解像度の少ポリゴンデータ画像を前記多ポリゴンデータ画像へ置き換え、前記場面の一つの画像において存在していなかったキャラクタを追加する、ステップとを有し、
前記生成されたビジュアライゼーションの一部は、前記クライアントコンピュータにおいて表示された前記場面における前記第1の解像度より高い解像度である前記第2の解像度のキャラクタ及び前記場面の一つの画像において存在していなかったキャラクタである、方法。
【請求項2】
前記追加的情報は、ゲームサーバから受信される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記追加的情報は、前記クライアントコンピュータから受信される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ビジュアライゼーションサーバ及びゲームサーバは、同じコンピュータ内にある請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記ビジュアライゼーションサーバ及びクライアントコンピュータは、同じコンピュータ内にある請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記場面は、前記クライアントコンピュータにおけるユーザ入力に基づいて選択される請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記場面は、ゲームサーバによって決定される請求項2記載の方法。
【請求項8】
前記場面は、予め定義された一組のタスクの1つの完了に続いてゲームサーバによって自動的に決定される請求項記載の方法。
【請求項9】
前記場面は、ゲームサーバによって自動的に決定され、前記自動的な決定は、定期的に行われる請求項記載の方法。
【請求項10】
前記ビジュアライゼーションサーバが、前記ビジュアライゼーションを生成するステップを複数の場面について行うことによって、複数のビジュアライゼーションを作成するステップを更に有する請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ビジュアライゼーションサーバが、前記複数のビジュアライゼーションを公表するステップを更に有する請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記公表は、前記複数のビジュアライゼーションをウェブログに挿入すること、及び、前記複数のビジュアライゼーションを電子文書に挿入し、前記電子文書を後のダウンロードのためにゲームサーバに保存することの内の少なくとも一つである請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ビジュアライゼーションサーバが、複数の実質的に連続するビジュアライゼーションを作成して動画を生成するステップを更に有する請求項1記載の方法。
【請求項14】
ゲームサーバが、前記動画を後のダウンロードのために保存するステップを更に有する請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ビジュアライゼーションサーバが、前記ビジュアライゼーションを公表するステップを更に有する請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記公表は、前記ビジュアライゼーションのプリントを作成すること、前記ビジュアライゼーションをプリントした衣服を作成すること、及び、前記ビジュアライゼーションのポスターを作成することの内の少なくとも一つである請求項15記載の方法。
【請求項17】
請求項1記載のステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータにより実行可能な命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項18】
ゲームプレイに対応する場面に基づく画像であるビジュアライゼーションを作成する方法において、
a.ビジュアライゼーションサーバが、ビジュアライゼーションの生成が望まれる場面において、その場面の一つの画像における一部として表示された第1の解像度の少ポリゴンデータ画像の場面に関連する情報を受信するステップであって前記場面に関連する情報は、キャラクタ及びキャラクタの配置の情報を含む、ステップと、
b.前記ビジュアライゼーションサーバが、前記場面に関連する情報を用いて、前記第1の解像度の少ポリゴンデータ画像に対応し、前記第1の解像度より高解像度である第2の解像度多ポリゴンデータ画像に関する追加的情報にアクセスするステップと、
c.前記ビジュアライゼーションサーバが、前記追加的情報に基づいて前記場面に関する情報に関連付けられたビジュアライゼーションを生成するステップであって、当該生成するステップにおいて、前記第1の解像度の少ポリゴンデータ画像を前記多ポリゴンデータ画像へ置き換え、前記場面の一つの画像において存在していなかったキャラクタを追加する、ステップとを有し、
前記生成されたビジュアライゼーションの一部は、クライアントコンピュータにおいて表示された前記場面における前記第1の解像度より高い解像度である前記第2の解像度のキャラクタ及び前記場面の一つの画像において存在していなかったキャラクタであ方法。
【請求項19】
前記追加的情報は、ゲームサーバから受信される請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記追加的情報は、前記クライアントコンピュータから受信される請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記ビジュアライゼーションサーバ及びゲームサーバは、同じコンピュータ内にある請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記ビジュアライゼーションサーバが、前記ビジュアライゼーションを生成するステップを複数の場面について行うことによって、複数のビジュアライゼーションを作成するステップを更に有する請求項18記載の方法。
【請求項23】
前記ビジュアライゼーションサーバが、前記複数のビジュアライゼーションを公表するステップを更に有する請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記公表は、前記複数のビジュアライゼーションをウェブログに挿入すること、及び、前記複数のビジュアライゼーションを電子文書に挿入し、前記電子文書を後のダウンロードのためにゲームサーバに保存することの内の少なくとも一つである請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記ビジュアライゼーションサーバが、複数の実質的に連続するビジュアライゼーションを作成して動画を生成するステップを更に有する請求項18記載の方法。
【請求項26】
ゲームサーバが、前記動画を後のダウンロードのために保存するステップを更に有する請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記ビジュアライゼーションサーバが、前記ビジュアライゼーションを公表するステップを更に有する請求項18記載の方法。
【請求項28】
前記公表は、前記ビジュアライゼーションのプリントを作成すること、前記ビジュアライゼーションをプリントした衣服を作成すること、前記ビジュアライゼーションのポスターを作成することからなるグループから選択される請求項27記載の方法。
【請求項29】
請求項18記載のステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータにより実行可能な命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項30】
ゲームプレイに対応する場面に基づく画像であるビジュアライゼーションを提供する方法において、
a.ビジュアライゼーションサーバが、クライアントコンピュータにおけるゲームプレイに対応する場面において、その場面の一つの画像における一部として表示された第1の解像度の少ポリゴンデータ画像の場面に関連する情報を受信するステップと、
b.前記ビジュアライゼーションサーバが、前記場面に関連する情報を用いて、前記第1の解像度の少ポリゴンデータ画像に対応し、前記第1の解像度より高解像度である第2の解像度の多ポリゴンデータ画像に関する追加的情報にアクセスするステップと、
c.前記ビジュアライゼーションサーバが、前記クライアントコンピュータからのユーザ入力にしたがって、前記追加的情報に基づいて前記場面に関する情報に関連付けられたビジュアライゼーションを生成するステップであって、前記生成するステップにおいて、前記第1の解像度の少ポリゴンデータ画像を前記第1の解像度より高解像度である第2の解像度多ポリゴンデータ画像へ置き換え、前記場面の一つの画像において存在していなかったキャラクタを追加する、ステップとを有し、
前記生成されたビジュアライゼーションの一部は、前記クライアントコンピュータにおいて表示された前記場面における前記第1の解像度より高い解像度である前記第2の解像度のキャラクタ及び前記場面の一つの画像において存在していなかったキャラクタであ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータゲームにおけるゲームプレイに対応する場面の捕捉(capturing)、再生(recreating)又は構成(composing)に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム、特に、多人数同時参加型オンラインゲーム(massively multiplayer online game)のプレイヤは、例えば、プレイヤの体験を他のプレイヤと共有するために、以前のゲームプレイのレビューを楽しむことが多い。しかしながら、ゲームプレイを視覚的に再生することは、煩雑な処理が必要となることがある。スクリーンショット又はスクリーンキャプチャは、通常、解像度が低く、実行が不便であり、ゲームプレイ体験又は表現されたイベントの豊かさを完全に捕捉することが不可能である場合も多い。例えば、プレイヤは、オフスクリーンである場合もあり、又は他の理由によって描画されていなかったり、不都合な向きを向いていたりする場合もある。
【0003】
このようなシステムでは、従来技術を示す図1に示すように、ゲームプレイの間のあるポイント(ステップ20)において、スクリーンショットを実行し(ステップ22)、そして、グラフィカルな手法でこれをレンダリングする(ステップ24)。例えば、スクリーンキャプチャプログラムは、.pngフォーマット又は.jpgフォーマットで所望の場面を再生することができる。
【0004】
スクリーンショットは、多くのゲームプレイの豊かさを捕捉できないことに加えて、任意に設計された場面、例えば、ユーザによって設計された場面の画像を提供することができない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施の形態は、ゲームプレイからのキャラクタ又は場面を用いて、ゲームプレイの瞬間の画像又は構成(composition)を提供する。これらの画像又は構成は、あるアプリケーションについては、高品質であり、他のアプリケーションについては、低品質であってもよく、これを「ビジュアライゼーション」と呼ぶ。
【0006】
一側面においては、ビジュアライゼーションは、ゲームプレイの特定の瞬間に表示された場面に基づいており、キャラクタの位置、動作の状態、達成されたクエスト等を考慮に入れている。なお、クライアントコンピュータに表示される少ポリゴンモデル(low-polygon-count model)に対し、サーバには、多ポリゴンモデル(high-polygon-count model)を保存できるため、場面の全体を多ポリゴンモデルでレンダリングしてもよい。換言すれば、ビジュアライゼーションは、場面のスクリーンショットではなく、場面の高品質な再生のように見える。ビジュアライゼーションは、ゲーム内の定義されたポイントで行ってもよく、プレイヤの要求に応じて行ってもよい。
【0007】
他の側面においては、定義された場面に基づいて、又はプレイヤの希望に応じて、ビジュアライゼーション内のキャラクタ、物体及び背景を再ステージングしてもよい。例えば、ビジュアライゼーションにおいては、ゲームプレイの特定の瞬間にプレイヤにとっては見えなかったキャラクタをステージングしてもよく、元の場面には全く存在しなかったキャラクタを加えてもよい。これらの他のキャラクタは、実際のプレイの間とは異なる位置又は向きに配置してもよい。また、必要であれば、プレイヤを取り除いてもよい。更に、ゲームプレイを表現すること以外に、プレイヤ又はサーバによって完全に定義されたピクチャを構成又はステージングしてもよい。
【0008】
ビジュアライゼーションは、例えば、Tシャツのデザイン、ポスター、又は他の高品質なプリントとして使用してもよく、又は一連の静止画のビジュアライゼーションを用いて漫画(comic book)を作成してもよく、ウェブログ、すなわち「ブログ」に挿入してもよい。また、一連のビジュアライゼーションから高品質な動画、例えば、MPEGを生成することもできる。
【0009】
ゲームは、1人用のゲームであっても、多人数参加型ゲームであってもよく、本発明は、必要なデータを転送できるオンラインアクセスが利用可能であればよく、オンラインアクセスは、常時利用可能でなくてもよく、一回だけであってもよい。
【0010】
本発明は、一側面において、ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法を提案する。この方法は、ビジュアライゼーションサーバにおいて、クライアントコンピュータにおけるゲームプレイに対応する場面に関する情報を受信するステップと、ビジュアライゼーションサーバにおいて、場面に関する追加的情報を受信するステップと、ビジュアライゼーションサーバにおいて、受信した情報及び受信した追加的情報に少なくとも部分的に基づいて、場面に基づいてビジュアライゼーションを生成するステップとを有する。
【0011】
本発明は、他の側面として、上述したステップを実行するためのコンピュータにより実行可能な命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体を提供する。
【0012】
本発明の実現例は、以下の1つ以上の特徴を含んでいてもよい。追加的情報は、ゲームサーバ又はクライアントから受信してもよい。ビジュアライゼーションサーバは、ゲームサーバと同じであってもよい。追加的情報は、追加された又は削減されたキャラクタに対応していてもよく、再ステージングされ又は位置を変更されたキャラクタに対応していてもよく、クライアントにおいて表示された解像度より高い解像度のキャラクタ又は風景のビューに対応していてもよい。場面は、クライアントにおけるユーザ入力に基づいて選択してもよく、ゲームサーバによって決定してもよく、例えば、場面は、予め定義された一組のタスクの1つの完了に続いてゲームサーバによって自動的に決定してもよく、ゲームサーバによって定期的に決定してもよい。方法は、更に、1又は複数のビジュアライゼーションを作成及び/又は公表(publish)するステップを含んでいてもよい。公表は、例えば、複数のビジュアライゼーションをウェブログに挿入すること、複数のビジュアライゼーションを漫画に挿入すること、又は複数のビジュアライゼーションを電子文書に挿入し、電子文書を後のダウンロードのためにゲームサーバに保存することであってもよい。方法は、更に、複数の実質的に連続するビジュアライゼーションを作成して動画を生成するステップ及び/又は動画を後のダウンロードのためにゲームサーバに保存するステップを有していてもよい。1つのビジュアライゼーションを公表する場合、公表は、ビジュアライゼーションの高品質なプリントを作成すること、ビジュアライゼーションをプリントした衣服を作成すること、及びビジュアライゼーションのポスターを作成すること含んでいてもよい。
【0013】
他の側面において、本発明は、ゲームプレイに関連する場面のビジュアライゼーションを作成する方法を提供し、この方法は、ビジュアライゼーションサーバにおいて、クライアントから、ビジュアライゼーションが望まれる場面に関する情報であって、ビジュアライゼーションに含まれる任意の風景、ビジュアライゼーションに含まれる任意のキャラクタ、及び風景及びキャラクタの配置に関する情報を含む情報を受信するステップと、ビジュアライゼーションサーバにおいて、風景及びキャラクタに関する追加的情報を受信するステップと、ビジュアライゼーションサーバにおいて、受信した情報及び受信した追加的情報に少なくとも部分的に基づいて、風景及びキャラクタに基づいてビジュアライゼーションを生成するステップとを有する。
【0014】
本発明は、他の側面として、上述したステップを実行するためのコンピュータにより実行可能な命令が格納されたコンピュータにより読取可能な媒体を提供する。
【0015】
本発明の実現例は、上述した1つ以上の特徴を含んでいてもよい。
【0016】
本発明は、一側面において、ゲームプレイに対応する場面のビジュアライゼーションを提供する方法を提案し、この方法は、ビジュアライゼーションサーバにおいて、クライアントにおけるゲームプレイに対応する場面に関する情報を受信するステップと、場面に関する情報を変更するステップと、ビジュアライゼーションサーバにおいて、変更した場面に関する情報に基づいて、ビジュアライゼーションを生成するステップとを有する。
【0017】
本発明の他の特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲を含む以下の記述から明らかになる。
【0018】
本発明は、添付の図面を参照する以下の詳細な説明によって、最善に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来のスクリーンキャプチャシステムのフローチャートである。
図2】本発明に基づくスクリーンキャプチャシステムの実施の形態のフローチャートである。
図3図2のフローチャートにおけるステップの詳細を示す図である。
図4図2のフローチャートにおけるステップの詳細を示す図である。
図5図2のフローチャートにおけるステップの詳細を示す図である。
図6】本発明に基づくスクリーンキャプチャシステムの他の実施の形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、主題となる装置、システム及び方法を説明するが、本発明は、ここに説明する特定の実施の形態に限定されず、これらの実施の形態を変形してもよいことは言うまでもない。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるので、ここで使用する用語は、特定の実施の形態を記述する目的のために使用しているに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。
【0021】
ここで使用する全ての技術用語及び学術用語は、特別に定義する場合を除き、本発明が属する分野の当業者によって共通に理解される意味と同じ意味を有する。
【0022】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、冠詞「a」、「an」、「the」が付された単数形の名詞は、文脈によって明示的な指定がない限り、複数の解釈も包含する。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態に基づく方法のフローチャートを示している。概略的に説明すれば、ゲームプレイ(ステップ20)の間、ゲームプレイ中に出現した場面に関するデータを捕捉する(ステップ28)。そして、捕捉されたデータを保存する(ステップ32)。保存されたデータは、再レンダリング(re-rendering)又は再ステージング(re-staging)、若しくはこれらの両方のステップのための基礎として用いられる。再レンダリング又は再ステージングのステップの結果は、ビジュアライゼーションであり、ビジュアライゼーションは、公表される(ステップ35)。
【0024】
以下、これらのステップを更に詳細に説明する。
【0025】
ステップ28では、データを捕捉する。但し、このデータは、必ずしもスクリーンショットに対応するデータではなくてもよい。スクリーンショットに対応するデータは、通常、単に、任意の時刻にスクリーンに表示された一組の画素データに過ぎない。一方、ステップ28で捕捉されるデータは、場面に登場するキャラクタ、場面の風景、キャラクタが試みたクエスト及び達成されたゴール、キャラクタ及びオブジェクトの位置及び場所、又はこのような他の状況に関連する詳細に関するデータであってもよい。ビジュアライゼーションを作成するために、これらの情報の全て及びクライアントコンピュータにおけるユーザ入力を用いてもよい。幾つかの実施の形態では、ビジュアライゼーションの作成において、スクリーンショットの画素データを用いてもよいが、この場合でも、スクリーンショットに存在するデータを変更してもよい(ステップ34)。
【0026】
更に、図3に示すように、データの捕捉は、クライアントコンピュータのユーザ入力によって行ってもよく(ステップ44)、すなわち「オンデマンド」で実行してもよく、或いは、ゲーム中の予め定義されているポイントで行ってもよい(ステップ46)。前者では、ユーザが、いつデータを捕捉するかを選択する。この選択肢は、例えば、ユーザの友人の一団が特定の場所に集まった場合、視覚的に面白い場面が存在した場合、又はユーザが選択する他の任意の時点等、場面がユーザにとって特に興味がある場合に適する。後者(ステップ46)では、ゲームサーバ又はビジュアライゼーションサーバが、場面に対応するデータを捕捉する時点であるゲーム内の予め定義されているポイントを選択する。この選択肢では、ゲームサーバは、クエストが完了した全ての時点、特定のタイプのタスクが達成された全ての時点等でデータを捕捉することを選択してもよい。また、サーバは、所定数のプレイヤが集まった時点、又はゲームプレイを行う一般的なプレイヤが興味を持つ可能性がある他の時点であって、必ずしもプレイヤが選択するとは限らないゲーム中の時点に対応する場面を捕捉することを選択してもよい。また、サーバは、定期的に、例えば、数分毎に場面を捕捉することを選択してもよい。
【0027】
ステップ32では、データを保存する。データは、メモリ又はデータベースにフラットファイルとして保存してもよい。また、図4に示すように、データは、クライアントコンピュータ40’、例えば、ゲームサーバ等のサーバデータベース40又は独立したビジュアライゼーションサーバ41に保存してもよい。ゲームサーバは、ビジュアライゼーションサーバとしても機能してもよい。ファイルは、サーバに送信する前に、ローカルのクライアントにフラットファイルとして保存してもよく、次に、このファイルをサーバのメモリに供給し、サーバ上でフラットファイルとして保存してもよく、又はデータベースに移植してもよい。多くの場合、データは、後述するように、公表ステップ(publication step)の前にビジュアライゼーションサーバ41に移されるが、幾つかの具体例では、ビジュアライゼーションの作成及びその後の公表は、クライアントコンピュータで行ってもよい。
【0028】
なお、いずれの場合も、データ保存ステップを省略でき、例えば、データストレージ自体を殆ど又は全く行うことなく、ステップ34において、データを処理してもよい。データ保存は、単に、ステップ34におけるデータの変更又は変更の前の、データの一部のメモリへのローディングであってもよい。
【0029】
ステップ34では、捕捉され、保存されたデータに対し、多くの場合、データの再ステージング又は再レンダリングを含む何らかの変更又は変形を行い、ビジュアライゼーションを作成する。このステップでは、ステップ28において捕捉されたデータを用いて、ビジュアライゼーションの構成及び外観に関する情報を部分的に提供する。例えば、再レンダリングステップでは、キャラクタ情報が捕捉されたデータの一部である場合、ビジュアライゼーションにおいて、クライアントコンピュータの画面に表示されたキャラクタと同様のキャラクタを、より高い解像度で表示することができる。換言すれば、スクリーンショット内にも存在するような、クライアントコンピュータに表示される少ポリゴンのキャラクタ画像ではなく、キャラクタ情報は、多ポリゴンのキャラクタデータに置換され、ビジュアライゼーションにおいて、遙かに豊かな表現が作成される。
【0030】
豊かにされたデータは、データ捕捉のポイントにおけるゲームプレイに関する追加的情報にアクセスする(ステップ36)ことによって利用可能になる。追加的情報は、ゲームサーバ又はこの他のアクセス可能なサーバ40に保存してもよく、幾つかの具体例では、クライアントコンピュータ40’に保存してもよい。追加的なキャラクタ情報は、キャラクタの顔、髪、体、衣服、武器、又はこの他のキャラクタの外観の何らかの又は全ての側面に関する多ポリゴンデータを含んでいてもよい。少ポリゴンから多ポリゴンへの同様の変換は、ビジュアライゼーション内で使用される風景又はビジュアライゼーションにおいて表示されるゲームプレイの他の側面について行ってもよい。
【0031】
ステップ34は、キャラクタ及び風景の再ステージングを含んでいてもよい。ユーザは、ビジュアライゼーションを、ゲームプレイの捕捉された瞬間の思い出(reminiscent)とし、キャラクタを異なる位置又は向きに配置し、例えば、倒した敵を囲むように配置することを望むこともある。このために、プレイヤは、ビジュアライゼーションユーザインタフェースによって、場面及びキャラクタを希望通りに再構成することができる(ステップ38)。これは、外見上より魅力的な風景の部分へのキャラクタの移動、キャラクタ同士の異なる位置及び向きへの移動等を含む。また、ゲームプレイの捕捉された瞬間にはプレイヤが存在していなかった場合でも、ビジュアライゼーションにおいて、希望に応じて、これらのキャラクタを追加し、位置決めしてもよい(ステップ42)。逆に、希望に応じて、ビジュアライゼーションからプレイヤを削除してもよい。
【0032】
包括的に言えば、ステップ34は、ゲームサーバ等のサーバ40又はクライアントコンピュータ40’からデータが転送されたビジュアライゼーションサーバ41上で実行してもよい。すなわち、ビジュアライゼーションサーバ41は、クライアントコンピュータ40’又はサーバ40のいずれからも独立したサーバシステムであってもよい。これにより、例えば、独立した公表のための設備(publication facility)内の公表のための装置(publication devices)にビジュアライゼーションサーバ41を容易に接続することができる。但し、上述のように、ビジュアライゼーションサーバ41は、ゲームサーバに統合してもよく、これにより、捕捉されたデータの転送が簡単になる。
【0033】
更に、ビジュアライゼーションサーバ41は、クライアントコンピュータ40’内のコンポーネントとみなしてもよい。例えば、ゲームプレイ中は、少ポリゴンデータだけが表示される場合であっても、クライアントコンピュータは、キャラクタと風景に対応する多ポリゴンデータを保存し、又は少なくともこのようなデータにアクセスできるようにしてもよい。クライアントコンピュータ40’内の独立したサブシステムは、ビジュアライゼーションサーバ41として機能でき、(1)ゲームプレイの間にデータを捕捉し、(2)データを再ステージング又は再レンダリングしてビジュアライゼーションを作成し、(3)続いて、ビジュアライゼーションの公表を行い、例えば、捕捉されたデータに対応する場面を多ポリゴンで表示し、これを印刷又は他の手法で公表することができる。
【0034】
ステップ35では、ビジュアライゼーションを公表する。この意味における公表は、多くの選択肢を包含する。例えば、単一のビジュアライゼーションは、衣服にプリントされる画像、高画質のポスター又は印刷物、コンピュータ用の壁紙、ウェブログ内の画像等として、公表することができる(ステップ48)
より複雑な実施の形態では、複数の画像を公表してもよく(ステップ52)、これは、漫画、劇画(graphic novel)、ブログ又は履歴ドキュメント(historical document)の公表等において特に有用である。
【0035】
漫画等の具体例では、例えば、ビジュアライゼーション(visualization)は、クエスト又は他の所望の筋書きを時間軸に沿って記録したものであってもよい。ビジュアライゼーションの全体は、プレイヤ又はゲームサーバ、若しくはこの両方によって選択してもよい。例えば、任意の数、例えば、18個のビジュアライゼーションを含むパネルをプリセットとし、全てのプレイヤについて同じにしてもよい。また、プレイヤによって、例えば、8個の動的に生成された他のビジュアライゼーションを含むパネルの組を特別に設計してもよい。如何なる場合も、ビジュアライゼーションは、キャラクタ、風景、又はクエスト又は筋書きの他の所望の要素を含むことができる。
【0036】
履歴ドキュメントとは、1人以上のプレイヤが、どのようにしてゴールに到達したかを記述するドキュメントであってもよく、例えば、「ウォークスルー(walk-through)」であってもよく、多くの場合、ゲーム内のメニューからダウンロード可能にしてもよい。このような履歴ドキュメントは、例えば、第1のプレイヤがタスク又はクエストをどのように達成したかを記録したものであってもよい。同様に、このような履歴ドキュメントを含むゲームリソースに、オンライン又はオフラインでプレイヤがアクセスできるようにしてもよい。これらは、仮想ライブラリにおいて利用できるようにしてもよく、仮想ライブラリにおいてアクセス可能な履歴ドキュメントの種類は、書籍、新聞、雑誌、タブロイド紙、ビデオ、テレビ番組、写真等を含む、本明細書で言及される如何なる物品を含んでいていてもよい。
【0037】
履歴ドキュメントの作成は、プレイヤのキャラクタの活動の一部として行ってもよい。例えば、キャラクタが、仮想のスチルカメラ又はビデオカメラ等のゲーム内アイテムを使用して、仮想的に場面を撮影してもよく、この場面は、仮想的に又は現実的に公表してもよく、後に、仮想ライブラリで利用できるようにしてもよい。
【0038】
単一の画像又は複数の画像のアプリケーションの両方において、カスタムテキスト又はフォームテキストによって画像に注釈を加えることもでき、このようなテキストは、事前に書かれ、ゲームプレイの既知のポイントに適用される。フォームテキストは、サーバがビジュアライゼーションで使用されるデータを自動的に捕捉するようにプログラミングされているゲームプレイのポイントについて特に好適である場合があり、ゴール又はクエストの達成を詳細に記述してもよい。カスタムテキストは、あらゆるビジュアライゼーションの注釈のためにユーザが書いてもよく、ビジュアライゼーションは、ゲームサーバによって選択されたものを含み、この場合、注釈は、フォームテキストを置換し、又はフォームテキストを補足する。
【0039】
更なる実施の形態では、ビジュアライゼーションは、MPEG等の動画であってもよい。この実施の形態は、個々の画像のアプリケーションより長い処理時間を必要とするが、原理は、同様である。例えば、多ポリゴンデータ等の追加的データをシーケンス内の画像のそれぞれに追加してもよく、これによって、高解像度の動画が得られる。他の具体例として、キャラクタは、ビジュアライゼーションの他の部分に移動させてもよく、ビジュアライゼーションの全体から出入りさせてもよく、改訂された相対的位置は、動画ビジュアライゼーションを通じて維持してもよい。関連する実施の形態では、キャラクタは、ゲームプレイ内でのキャラクタの移動に従って移動させてもよく、最初の位置を異なる位置にすることによって、ビジュアライゼーションにおいて異なる位置に表示させてもよい。いずれの場合も、動画は、ウェブサイトからのダウンロード、ウェブログ、又はこのようなファイルを転送できる他の何らかの手法によって、他者が利用できるようにしてもよい。
【0040】
なお、コンピュータ、携帯電話機、携帯型ゲームプレイヤ、PDA等の画面上で公表を行う上述した実施の形態では、多ポリゴンデータの使用が望ましくない場合がある。特に小さい画面では、少ポリゴンデータの使用が有利である場合がある。このような状況でも、画像を再ステージングし、キャラクタを追加又は削除し、他の変更を加えてもよい。
【0041】
本発明の他の実施の形態においては、図6に示すように、ゲームからのキャラクタ及び風景を採用するが、ビジュアライゼーションは、ゲームプレイの如何なる選択されたポイントにも基づかず、ビジュアライゼーションは、プレイヤ又はゲームサーバによって完全に任意に構成される。この実施の形態では、ユーザは、データベースにアクセスし、所望のビジュアライゼーションを設計することができる(ステップ56)。ユーザは、例えば、ゲームプレイヤの仲間が集まってポーズをとっているビジュアライゼーションの作成を望むことがある。このような仲間は、ゲームでは、一度も一緒に現れたことがなくてもよく、したがって、プレイヤは、この実施の形態を用いて、所望のグループのビジュアライゼーションを得ることができる。他の具体例では、ユーザは、特に有名な又は英雄的なキャラクタのビジュアライゼーションを希望してもよい。他の実施の形態においては、ゲームサーバ又はビジュアライゼーションサーバは、ビジュアライゼーションに使用される構成を自動的に作成してもよい(ステップ58)。例えば、サーバは、構成されたキャラクタのグループ写真を自動的に作成してもよく、英雄的なポーズをとる各キャラクタの高品質な画像を自動的に作成してもよく、又はゴールに到達した時点で高品質な画像を自動的に作成してもよい。
【0042】
これらの実施の形態では、後の再ステージング又は再レンダリングステップ(ステップ34)は、必要ではないが、オプションとしてこのステップを行ってもよい。
【0043】
そして、ビジュアライゼーションの作成に続いて、公表ステップ(ステップ35)が実行され、この公表ステップは、上述したものと同様である。
【0044】
これまで詳細に説明したように、本発明は、ゲームプレイ又はゲームプレイに対応する任意にステージングされた場面から高品質のビジュアライゼーションを作成できるシステムを提供する。ビジュアライゼーションは、様々な種類の公表の基礎として用いることができる。
【0045】
オンラインゲームの文脈において本発明を開示したが、この教示から、本発明の範囲は、ここに説明した実施の形態より広いことは当業者にとって明らかである。特に、本発明は、画面要素の公表が望まれる如何なるソフトウェアにも適用することができる。
【0046】
更に、本明細書に示した全ての具体例及び条件に関する表現は、主に、本発明の原理及び当分野の発展のために本発明者らが寄与した概念の理解を補助することを意図し、これらは、このような特別に開示した具体例及び条件による制限なしで実現することができる。更に、本明細書における本発明の原理、側面及び実施の形態、並びに特定の具体例に関する全ての記述は、その構造的な均等物及び機能的な均等物の両方を包含することを意図する。更に、このような均等物は、現在知られている均等物と、将来開発される均等物、すなわち、将来開発され、その構造にかかわらず、同じ機能を実行する全ての要素との両方を含むことを意図する。したがって、本発明の範囲は、ここに示し、説明した例示的な実施の形態に制限されることはない。本発明の範囲及び精神は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6