特許第6114992号(P6114992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6114992
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】こんろ用バーナ
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/06 20060101AFI20170410BHJP
【FI】
   F23D14/06 L
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-108813(P2013-108813)
(22)【出願日】2013年5月23日
(65)【公開番号】特開2014-228210(P2014-228210A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136696
【弁理士】
【氏名又は名称】時岡 恭平
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】石川 善克
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−074321(JP,A)
【文献】 実開昭58−194316(JP,U)
【文献】 特開2007−003128(JP,A)
【文献】 米国特許第06263868(US,B1)
【文献】 特開2003−083512(JP,A)
【文献】 特開2000−74320(JP,A)
【文献】 特開平9−196325(JP,A)
【文献】 特開平11−118112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D14/00−14/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の混合室を有するバーナ本体と、
前記バーナ本体上に載置され、周縁に多数の炎孔を形成するバーナキャップと、
前記バーナキャップの上方に配置され、前記バーナキャップの上方を覆い、上面の外周縁部に外周壁を有するカバー体と、
前記カバー体の外周縁部の一部に設けられ、前記外周壁を凹没させることで、前記カバー体の上面に落下した煮汁を落下させるための排出樋と、
を備えたこんろ用バーナであって、
前記バーナキャップの外周の前記排出樋に対応する位置から外方に突出して、前記排出樋の先端部の下方に位置する上面が煮汁受け部となる突出体が設けられ、
前記突出体の前記バーナキャップの径外方向の先端縁を、前記煮汁受け部に落下した煮汁を前記突出体から落下させる排出部とすることを特徴とするこんろ用バーナ。
【請求項2】
前記排出樋の径外方向の先端縁が、前記カバー体の前記排出樋が形成されていない部分の径外方向の先端縁よりも径外方向に位置していることを特徴とする請求項1記載のこんろ用バーナ。
【請求項3】
多数の前記炎孔のうちの一部である点火用炎孔の近傍に、点火スパークを発生する点火プラグが設けられ、
前記バーナキャップの外周の前記点火プラグに対応する部分に、径外方向に突出し前記点火プラグの上方を覆うとともに下面に点火スパークターゲットを有する庇部が設けられ、
前記庇部が前記突出体を構成することを特徴とする請求項1または2記載のこんろ用バーナ。
【請求項4】
前記バーナキャップは、周方向における多数の炎孔間のうち一部の炎孔間が、五徳と近接するように配置される幅広部となり、周方向における多数の炎孔間のうち残りの炎孔間が、前記幅広部よりも周方向幅の狭い幅狭部となり、前記幅広部に前記突出体が設けられることを特徴とする請求項1または2記載のこんろ用バーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、こんろ用バーナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、環状の混合室を有するバーナ本体と、バーナ本体上に載置され、周縁に多数の炎孔を形成するバーナキャップと、バーナキャップの上方に配置され、バーナキャップの上方を覆うカバー体と、を備えたこんろ用バーナが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
カバー体は、上面の外周縁部に外周壁を有しており、カバー体を煮汁等を受ける皿状の煮汁受け部としてある。カバー体の外周縁部の一部には、外周壁を凹没させることで、カバー体の上面に落下した煮汁等を落下させるための排出樋が形成されている。
【0004】
またカバー体の外径は、バーナキャップの外径より大きくしてあり、調理容器よりこぼれる煮汁等をカバー体にて受け、バーナキャップに付着しないようにカバー体より落下させることで、煮汁等がバーナキャップに付着して炎孔が詰まったりするのを防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−074321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術では、カバー体に落下した煮汁等を排出樋から落下させて排出した時に、煮汁等が炎孔に付着すると、その炎孔において燃焼不良等の不都合が生じる惧れがある。このため、排出樋の先端の位置は、該先端から落下する煮汁等が炎孔に付着するのを確実に防止できるように十分に、バーナキャップの外周の炎孔が形成されている位置から径外方向に離す必要がある。
【0007】
さらに、排出樋の先端は、バーナキャップより上方に位置しているが、この場合、排出樋が目立ちやすく、こんろ用バーナの外観を損ない易いものであり、使用者の邪魔になり易いものであって、改善が望まれるものであった。
【0008】
本願発明は、上記に鑑みてなされたものであり、調理容器よりこぼれる煮汁等がバーナキャップ上に落下しても、その煮汁等によって炎孔が詰まったりすることが防止でき、しかも、外観を損ない難く、使用者の邪魔になり難いこんろ用バーナを提供する点を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、環状の混合室を有するバーナ本体と、前記バーナ本体上に載置され、周縁に多数の炎孔を形成するバーナキャップと、前記バーナキャップの上方に配置され、前記バーナキャップの上方を覆い、上面の外周縁部に外周壁を有するカバー体と、前記カバー体の外周縁部の一部に設けられ、前記外周壁を凹没させることで、前記カバー体の上面に落下した煮汁を落下させるための排出樋と、を備えたこんろ用バーナであって、前記バーナキャップの外周の前記排出樋に対応する位置から外方に突出して、前記排出樋の先端部の下方に位置する上面が煮汁受け部となる突出体が設けられ、前記突出体の前記バーナキャップの径外方向の先端縁を、前記煮汁受け部に落下した煮汁を前記突出体から落下させる排出部とすることを特徴とする。
【0010】
このような構成とすることで、バーナキャップの外周縁に形成される炎孔が煮汁等によって汚損して燃焼が悪化することが抑制される。しかも、突出体は排出樋よりも下方に位置するので、邪魔になりにくい。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記排出樋の径外方向の先端縁が、前記カバー体の前記排出樋が形成されていない部分の径外方向の先端縁よりも径外方向に位置していることを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることで、カバー体の外径がバーナキャップの外径より大きくない場合であっても、カバー体に落下した煮汁等を確実に突出体の上に落下させることができるので、設計の自由度が高く設計が容易に行えるものである。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、多数の前記炎孔のうちの一部である点火用炎孔の近傍に、点火スパークを発生する点火プラグが設けられ、前記バーナキャップの外周の前記点火プラグに対応する部分に、径外方向に突出し前記点火プラグの上方を覆うとともに下面に点火スパークターゲットを有する庇部が設けられ、前記庇部が前記突出体を構成することを特徴とする。
【0014】
このような構成とすることで、元々備えている庇部を有効に兼用することができ、突出体を形成するための製造コストの上昇が抑制される。
【0015】
また、請求項4に係る発明は、請求項2または3に係る発明において、前記バーナキャップは、周方向における多数の炎孔間のうち一部の炎孔間が、五徳と近接するように配置される幅広部となり、周方向における多数の炎孔間のうち残りの炎孔間が、前記幅広部よりも周方向幅の狭い幅狭部となり、前記幅広部に前記突出体が設けられることを特徴とする。
【0016】
このような構成とすることで、幅広部に対応する位置に突出体を設けて、炎孔による突出体の加熱が抑制され、耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、調理容器よりこぼれる煮汁等がバーナキャップ上に落下しても、その煮汁等によって炎孔が詰まったりすることが防止でき、しかも、外観を損ない難く、使用者の邪魔になり難い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のこんろ用バーナの一実施形態における全体斜視図である。
図2】同上の実施形態におけるバーナキャップ(およびカバー体)を除いた斜視図である。
図3】同上の実施形態におけるバーナキャップの下方より見た斜視図である。
図4】同上の実施形態における全体側面図である。
図5】同上の実施形態において、五徳とバーナキャップ(カバー体)との位置関係を示す平面図である。
図6】他の実施形態において、五徳とバーナキャップ(カバー体)との位置関係を示す平面図である。
図7】更に他の実施形態において、五徳とバーナキャップ(カバー体)との位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。こんろ用バーナAは、図1図2に示すようにバーナ本体1の環状をした混合室10の上にバーナキャップ2を着脱自在に載置して主体が構成されている。こんろ用バーナAは、ガスこんろに設けられるガラス天板のような天板の開口から上方に露出するものである。また、こんろ用バーナAの天板上に露出する部分を囲むように、天板上に五徳6(図5乃至図7参照)が載置されており、五徳6の上に鍋等の調理容器を載せて支持できるようになっている。五徳6は、こんろ用バーナAの天板上に露出する部分の周囲に、周方向に間隔をあけて設置される複数(図示例では六個)の五徳爪62を有するもので、本実施形態では複数の五徳爪62は環状をした五徳枠61に固定されている。
【0020】
バーナ本体1は、図1図4に示すように混合管11を一体に有するものである。混合管11の基端には燃料としてのガスを吐出するガスノズル(不図示)が配置され、ガスノズルからガスを吐出すると、混合管11の基端から一次空気が吸入されて混合管11内でガスと一次空気とが混合されて混合ガスが生成されるようになっている。バーナ本体1は円環状に形成されており、バーナ本体1の内周側の二次空気通流用孔12を通っても燃焼用の二次空気が供給されるようになっている。このバーナ本体1には円環状の混合室10を設けてあり、この混合室10は混合管11に連通している。バーナ本体1の上面には円環状をしたバーナベース13が設けてあると共に、このバーナベース13上には円環状をしたバーナキャップ2が載設される。
【0021】
バーナキャップ2は、図1図3に示すように、バーナキャップ2の下面の外周部がバーナベース13に載置され、バーナキャップ2において円環状をした形状の内端縁から下方に向けて設けたキャップ筒部21が、バーナ本体1のバーナベース13の内側に配設された円筒状をした内筒部14内に嵌入された状態となると、混合室10はバーナキャップ2の下面によって上方が閉じられる。また、キャップ筒部21の内側には、二次空気通流用孔が形成される。
【0022】
バーナキャップ2の下面の外周のバーナベース13に載置される部分には、図3に示すように、周方向に放射状に複数の主炎孔用溝22を凹設してあり、バーナキャップ2をバーナ本体1のバーナベース13の上に載置した際、主炎孔用溝22によってバーナベース13及びバーナキャップ2の当接部分の外側の大気と内側の混合室10とが連通し、混合室10の混合ガスが主炎孔用溝22を通って外側へと流れ、主炎孔用溝22の外側の開口が前記混合ガスが燃焼する主炎孔41となっている。またバーナベース13の上面には全周に亙って凹段部(不図示)が設けられており、バーナベース13にバーナキャップ2が載置されることで、凹段部にて全周に亙る保炎孔42が形成される。
【0023】
バーナキャップ2は、図5に示すように、周方向における多数の主炎孔41間のうちの一部の主炎孔41間が、五徳6(五徳爪62)と近接するように配置される幅広部(不図示)となり、周方向における多数の炎孔間のうち残りの炎孔間が、前記幅広部よりも周方向幅の狭い幅狭部(不図示)となっている。
【0024】
また本例では、バーナキャップ2の主炎孔用溝22間に下方に開口する凹部23が形成してあり、この凹部23内が混合ガスが溜まって減圧される溜まり空間となると共に、凹部23の内方側(バーナキャップ2の中心側)の壁部に混合室10から前記凹部23へ混合ガスを流入させる一つ又は複数の溝や開口からなる流入部23aを設けてあり、保炎孔42には、混合室10から前記流入部23a、凹部23を介して流量が絞られ且つ流速が減速された混合ガスが供給されるようになっている。混合室10から混合ガスを供給して点火すると、主炎孔41に火炎の大きな主炎が形成されると共に保炎孔42に火炎の小さな保炎が全周に亙って形成されるようになっている。
【0025】
またバーナキャップ2の上面には隣り合う主炎孔41の間の位置で放射状に二次空気供給用の凹溝24を凹設してあり、バーナ本体1の内筒部14内に嵌入されたキャップ筒部21の内側に形成された二次空気通流用孔12から供給された燃焼用の二次空気が凹溝24を介して主炎孔41の両側に供給されるようになっている。これによりバーナ本体1の外周から供給される燃焼用の二次空気の量が少なくとも凹溝24を介して内周側からも二次空気が供給されることにより充分に二次空気が供給されて安定した燃焼をする。
【0026】
またバーナキャップ2の上面には、図1に示すように、前記バーナキャップの上方を覆い、バーナキャップ2の上面に煮汁等が付着するのを防止するためのカバー体5が設置され、カバー体5から鋲、リベット等の固着具25aをバーナキャップ2の取り付けボス25に打入することでカバー体5が取り付けられている。カバー体5については後述する。
【0027】
図3に示すように、多数の主炎孔41のうちの一部は、点火用炎孔40となる。この点火用炎孔40は点火炎を形成して保炎孔42や主炎孔41から出る混合ガスに点火できるようになっている。この点火用炎孔40を設ける部分ではバーナキャップ2の外周面に凹曲面26を設けてあり、この凹曲面26の中央部に対応する位置に点火用炎孔40を設けてある。
【0028】
この点火用炎孔40に対応する部分には点火スパークを発生して点火用炎孔40から出る混合ガスに点火する点火装置を付設してある。点火装置は点火プラグ15と点火スパークターゲット28とで主体が構成されている。点火プラグ15はバーナ本体1に装着してあり、点火プラグ15の電極が上方に突出している。バーナキャップ2の点火用炎孔40を設けた部分の上方には点火用炎孔40に煮汁等が落下して付着するのを阻止する庇部27(本実施形態においては後述する突出体3が兼用)を外方に突出するように設けてあり、庇部27の下面には点火スパークターゲット28を設けてあり、点火プラグ15の電極と点火スパークターゲット28が所定のギャップを隔てて対向している。そして点火用炎孔40から混合ガスを吐出すると共に点火装置で点火スパークを発生すると、点火用炎孔40から吐出する混合ガスに点火されて点火炎が形成されるようになっている。また点火用炎孔40と混合室10との間に滞留用空間29を設けてあり、この滞留用空間29と混合室10とを連通孔29aを介して連通させてあり、混合室10から供給される混合ガスを連通孔29aから滞留用空間29に流入させて滞留用空間29に一旦滞留させて点火用炎孔40から吐出させるようになっている。
【0029】
本発明においては、バーナキャップ2の外周から径外方向に突出し、上面が煮汁受け部となる突出体3が設けられるものである。突出体3は、図1に示すように、バーナキャップ2の径外方向の先端縁を、上面の煮汁受け部に落下した煮汁等を突出体3(バーナキャップ2)から落下させる排出部31とするものである。本実施形態では、突出体3は、庇部27が兼用するものである。
【0030】
また、突出体3は、バーナキャップ2の周方向の両側端縁に、上面の煮汁受け部に落下した煮汁等が零れ落ちるのを牽制する第一の堰32aが設けられ、その間の部分が、径の内外方向が煮汁等の流れる方向となる排出樋(便宜上、第一の樋32とする)となるものである。
【0031】
突出体3に落下した煮汁等は、排出部31から落下することになるが、突出体3の排出部31となる先端縁は、バーナキャップ2の外周面の突出体3以外の部分の外周端縁よりも径外方向に位置している。このため、排出部31から落下する煮汁等がバーナキャップ2の外面に形成される炎孔に付着して炎孔が汚損され、燃焼性能が悪化するのが抑制される。
【0032】
また、突出体3の排出部31となる先端縁は、点火プラグ15から径外方向に離間した位置に配置される。これにより、排出部31から落下する煮汁等が大きな煮汁等のしずくとなった場合にも、この大きな煮汁等のしずくが点火プラグ15における絶縁体と接触することが抑制でき、煮汁等のしずくが点火プラグ15における絶縁体と接触して汚損されて、絶縁体の汚損された箇所において沿面放電してしまい、点火性能が劣化してしまうことが抑制される。
【0033】
また本実施形態では、突出体3のバーナキャップ2の外周から突出する基部に、煮汁受け部に落下した煮汁等のバーナキャップ2上面への流入を牽制する第二の堰33を設けるものである。
【0034】
突出体3に落下した煮汁等は、第二の堰33によりバーナキャップ2上に流れることが抑制されるので、突出体3に落下した煮汁等がバーナキャップ2上に流れた後にバーナキャップ2周縁から主炎孔41に落下して、主炎孔41における燃焼性能に悪影響を与えることが抑制される。
【0035】
カバー体5は、平面視環状をしたもので、煮汁受け部となる上面の外周縁部に外周壁51を有するものであり、更に本実施形態では、上面の内周縁部に内周壁52を有している。そして、内部の孔部が二次空気通流孔50となるものである。
【0036】
カバー体5の外周縁部は、バーナキャップ2の第二の堰33部と排出部31の間に位置している。そして、カバー体5の外周縁部の排出部31に対応する部分に、外周壁51を凹没させることで、カバー体5の上面に落下した煮汁等を突出体3の煮汁受け部に落下させるための排出樋(便宜上、第二の樋53とする)が設けられるものである。
【0037】
カバー体5の上面に落下した煮汁等は、第二の樋53を介して突出体3の煮汁受け部に落下し、煮汁受け部に落下した煮汁等は、第一の樋32を介して排出部31から落下する。このため、バーナキャップ2上(すなわちカバー体5上)に落下した煮汁等が、バーナキャップ2(すなわちカバー体5)周縁から主炎孔41に落下して、主炎孔41における燃焼性能に悪影響を与えることが抑制される。
【0038】
また、第二の樋53よりも径外方向に突出する第一の樋32が第二の樋53の下方に位置するため、上方に位置する第二の樋53の径外方向への突出量が少なくて済んで、第二の樋53が邪魔にならず、目立ち難くなり、外観が向上する。
【0039】
また、突出体3が庇部27を兼用することで、元々備える構成を有効活用することができ、部材点数も削減でき、コストの上昇が抑制される。
【0040】
次に、他の実施形態について、図6に基いて説明する。なお、図1乃至図5に示す上記実施形態と大部分において同じ構成であり、同じ構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0041】
本実施形態では、バーナキャップ2は、一部または全部の幅広部に突出体3が形成され、この突出体3に第一の樋32が形成されるものである。また、カバー体5の各第一の樋32に対応する部分に、第二の樋53が形成されている。
【0042】
このように、幅広部に対応する位置に突出体3が設けられることで、炎孔による突出体3の加熱が抑制され、耐久性が向上する。
【0043】
なお、図示例では、六箇所の幅広部のうち、一箇所おきに三箇所の幅広部に突出体3および第二の樋53が形成されているが、任意の一箇所、任意の二箇所、任意の四箇所以上に設けられていてもよい。
【0044】
次に、更に他の実施形態について、図7に基いて説明する。なお、図6に示す実施形態と大部分において同じ構成であり、同じ構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0045】
本実施形態では、カバー体5の第二の樋53の径外方向の先端縁が、カバー体5の第二の樋53が形成されていない部分の外周縁部よりも径外方向に位置している。すなわち、カバー体5の第二の樋53が設けられる部分に、径外方向に突出する突出部54が形成され、この突出部54に第二の樋53が形成されるものである。
【0046】
これにより、カバー体5の外径がバーナキャップ2の外径より大きくない場合であっても、カバー体5に落下した煮汁等を確実に突出体3の上に落下させることができるので、設計の自由度が高く設計が容易に行えるものである。
【0047】
なお、上記各実施形態において、第一の樋32、第二の樋53の上面に、バーナキャップ2の径外方向へ行く程低くなる下り勾配となる傾斜面を形成することが好ましい。また、庇部27の下面の周縁に垂下縁部34を形成することが好ましく、これにより、庇部3の上面に落下した煮汁等が庇部3の下面に回り込むことがないので、煮汁等が点火装置に付着することが一層防止される。また、第一の樋32及び第二の樋53を、五徳爪62と対向する位置ではなく、五徳爪62と対向しない位置に設けても構わない。また、突出体3が、庇部27を兼用するものと兼用しないものの両方により構成されてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 バーナ本体
10 混合室
11 混合管
12 二次空気通流用孔
13 バーナベース
14 内筒部
15 点火プラグ
2 バーナキャップ
21 キャップ筒部
22 主炎孔用溝
23 凹部
23a 流入部
24 凹溝
25 ボス
25a 固着具
26 凹曲面
27 庇部
28 点火スパークターゲット
29 滞留用空間
29a 連通口
3 突出体
31 排出部
32 第一の樋
32a 第一の堰
33 第二の堰
34 垂下縁部
40 点火用炎孔
41 主炎孔
42 保炎孔
5 カバー体
50 二次空気通流孔
51 外周壁
52 内周壁
53 第二の樋
54 突出部
6 五徳
61 五徳枠
62 五徳爪
A こんろ用バーナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7