特許第6115178号(P6115178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6115178
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】連発式の臓器固定具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20170410BHJP
【FI】
   A61B17/04
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-33027(P2013-33027)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-161409(P2014-161409A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100123009
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 由貴子
(72)【発明者】
【氏名】岡田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 新悦
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−296914(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/037326(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の係止部と、前記係止部に連結された縫合糸と、からなる縫合具と、先端開口および基端開口を有し少なくとも前記係止部を複数個収納できる中空で患者の体外から臓器に向けて穿刺される穿刺針と、を有し、操作部本体の操作によって前記複数個の係止部が前記穿刺針の前記先端開口から前記患者の前記臓器内に一個ずつ押し出される連発式の臓器固定具であって、
前記穿刺針には、前記穿刺針の針先から前記操作部本体に向かって延びる、前記穿刺針を内外に貫通したスリットが設けられており、
前記複数個の係止部にそれぞれ連結された一部の縫合糸が前記穿刺針の内部に挿通されて前記基端開口を通じて前記操作部本体の内部に導かれており、他の縫合糸が前記スリットを通じて前記穿刺針の内部から前記穿刺針の外部に導き出されて前記穿刺針に沿って前記穿刺針の外部を少なくとも前記操作部本体まで導かれていることを特徴とする連発式の臓器固定具。
【請求項2】
前記穿刺針の内径が、前記係止部の直径に前記縫合糸の直径を加えた第一の合計直径以上であり、かつ前記第一の合計直径に前記縫合糸の直径を加えた第二の合計直径未満である請求項1に記載の連発式の臓器固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主として胃瘻造設術(PEG:percutaneous endoscopic gastrostomy)に用いられる臓器固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
以前の胃瘻造成術では、2本の穿刺針を体表から胃壁まで穿刺し、穿刺針の一方から縫合糸を挿入し、これを他方から挿入したループ体で引っ掛けて縫合糸を捕捉し、ループにしていた。ループ状になった縫合糸を引き上げることで胃が吊り上げられ、さらに縫合糸同士を互いに縛ることで体壁と胃壁とが固定される。その後、ガイドワイヤやダイレータを体表から深く穿刺して体壁と胃壁に貫通孔を大きく形成し、そこに留置カテーテルを留置して胃瘻を造設する。
【0003】
一般的な胃瘻造成術においては、体壁と胃壁とは、胃瘻造設予定部を取り囲むように少なくとも3箇所(場合により4箇所)で固定する必要がある。胃瘻の造設後は、縫合糸は切断して抜糸される。
この方式だと、各固定箇所に2本の穿刺針を穿刺する必要があるため高侵襲であり、また医師の技量によっては胃の中で縫合糸をループ体で捕捉することが難しい場合があった。
【0004】
これに対し、特許文献1の器具(先行技術)によれば、その図11等に示すように、1本の穿刺針のみで胃壁を体壁に固定できるため、低侵襲かつ容易な手技が可能になった。この手技によれば、2本の縫合糸を結ぶのではなく、棒状の係止部の中央に縫合糸が係合したT字状の縫合具を胃内に挿入して胃壁を吊り上げることで、1本の穿刺針で手技可能であり、かつ縫合糸をループさせる必要がなくなった。
特許文献1の器具は、穿刺針の内部に複数個の縫合具が装備されて個別に押し出すことが可能な形態(以下、連発式という)である。具体的には、4個の縫合具が穿刺針に装備されている。このため、1回の手技において3〜4箇所で胃壁を体壁に固定するにあたり、1個の器具でこれを実現することができる。このため、器具を廃棄、開封、持ち替えるなどの交換作業が不要になるため簡便である。
特許文献1の縫合具では、係止部に1本の縫合糸が係合している。かかる縫合具を体表に固定するにあたっては、その縫合糸を他の縫合具の縫合糸と体表で互いに結びつける。
【0005】
特許文献2には、同じくT字状の縫合具を用いた臓器固定具が記載されている。この器具は、棒状の係止部(ロッド)に対して、ループさせた1本の縫合糸を係合させた縫合具を用いる。この臓器固定具は、穿刺針の内部に一個の縫合具のみが装備される形態(以下、単発式という)である。縫合糸にはパッド状のクッション材が装着されている。クッション材を体表に押し当て、また縫合糸のループを切って2本紐の状態にしたうえで、互いに交絡させてクッション材に縛り付ける。これにより、3〜4箇所の固定箇所において、個別の縫合具ごとに体表に固定することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−296914号公報
【特許文献2】特開2010−154883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の臓器固定具は、4本の縫合糸のすべてが穿刺針の内部に挿通されているため、縫合糸同士が絡まりやすいという課題がある。縫合糸が絡まると、先端の係止部を穿刺針から押し出して穿刺針を体壁から抜去しようとしたときに、他の係止部まで引き出されてしまう虞がある。
また、特許文献1の臓器固定具は、穿刺針が太く高侵襲であるという課題がある。すなわち、特許文献1の臓器固定具は、穿刺針の内部に4本の縫合具を収納すると、最上段、すなわち押出装置側の穿刺針の内部に通る係止部の周囲には4本の縫合糸が分散して配置されることとなる。このため、穿刺針の内径は少なくとも、係止部の外径に加えて、その両側に2本分の縫合糸の太さを合計しただけの寸法が必要である。このため、特許文献1の臓器固定具は、1本の縫合具のみを収納した単発式のものと比較し、穿刺針の外径が太くなる。
したがって、特許文献1の器具は、連発式であることによる手技上のメリットはあるものの、縫合糸が絡まって操作困難になるリスクと、穿刺針が太く高侵襲であるという課題がある。
また、特許文献2の臓器固定具は、単発式であるため、胃壁と体壁との1点の固定ごとに1個の器具が必要であり、器具の交換が煩雑であるとともにコストが高いという課題がある。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、器具を廃棄、開封、持ち替えるなどの交換作業が低減されて簡便であるという連発式のメリットを有し、かつ従来の連発式の臓器固定具よりも縫合糸の絡まりを抑制して動作の安定性を向上するとともに穿刺針を細径化して低侵襲を実現しうる臓器固定具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、棒状の係止部と、上記係止部に連結された縫合糸と、からなる縫合具と、先端開口および基端開口を有し少なくとも上記係止部を複数個収納できる中空で患者の体外から臓器に向けて穿刺される穿刺針と、を有し、操作部本体の操作によって上記複数個の係止部が上記穿刺針の前記先端開口から前記患者の前記臓器内に一個ずつ押し出される連発式の臓器固定具であって、前記穿刺針には、前記穿刺針の針先から前記操作部本体に向かって延びる、前記穿刺針を内外に貫通したスリットが設けられており、上記複数個の係止部にそれぞれ連結された一部の縫合糸が上記穿刺針の内部に挿通されて前記基端開口を通じて前記操作部本体の内部に導かれており、他の縫合糸が前記スリットを通じて前記穿刺針の内部から前記穿刺針の外部に導き出されて前記穿刺針に沿って前記穿刺針の外部を少なくとも前記操作部本体まで導かれていることを特徴とする連発式の臓器固定具が提供される。
【発明の効果】
【0010】
上記発明によれば、穿刺針の内部を通る縫合糸の本数を減少できる。このため、穿刺針の内部での縫合糸の絡まりの減少にもとづく動作の安定性の向上と、穿刺針の外径の拡大を防止可能な連発式の臓器固定具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一実施形態の穿刺針を示す一部断面図である。
図2】第一実施形態の臓器固定具を示す概略斜視図である。
図3】第一実施形態の臓器固定具を示す一部側面図である。
図4】第一実施形態の臓器固定具の内部機構を示す一部透視図である。
図5】第一実施形態の操作部を示す側面図である。
図6】第一実施形態の操作部を示す他の側面図である。
図7】第一実施形態の操作部の係合爪を押し込んだ状態を示す側面図である。
図8】第一実施形態の臓器固定具を腹部に穿刺した状態を示す断面図である。
図9】第一実施形態の臓器固定具の操作部を下降した状態を示す断面図である。
図10】第一実施形態の係止部が胃壁の内部に係合した状態を示す断面図である。
図11】第一実施形態を示し、図1のA−A線に沿う断面図である。
図12】第一実施形態を示し、図1のB−B線に沿う断面図である。
図13】本発明の第二実施形態の穿刺針を示す一部断面図である。
図14】第二実施形態を示し、図13のC−C線に沿う断面図である。
図15】第二実施形態を示し、図13のD−D線に沿う断面図である。
図16】本発明の第三実施形態の穿刺針を示す一部断面図である。
図17】第三実施形態の穿刺針を示す一部拡大断面図である。
図18】第三実施形態の穿刺針を示す断面図である。
図19】本発明の第四実施形態の穿刺針を示す一部側面図である。
図20】本発明の第四実施形態の臓器固定具を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図中、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0013】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態の穿刺針を示す一部断面図、図2は臓器固定具を示す概略斜視図、図3は臓器固定具を示す一部側面図、図4は臓器固定具の内部機構を示す一部透視図、図5は操作部を示す側面図、図6は操作部を示す他の側面図、図7は第一実施形態の操作部の係合爪を押し込んだ状態を示す側面図、図8は臓器固定具を腹部に穿刺した状態を示す断面図、図9は臓器固定具の操作部を下降した状態を示す断面図、図10は係止部が胃壁の内部に係合した状態を示す断面図、図11図1のA−A線に沿う断面図、図12図1のB−B線に沿う断面図である。
【0014】
臓器固定具100は、図1および図2に示すように、縫合具20,20aと、穿刺針30と、操作部本体63を有する押出装置40と、を備えている。
縫合具20,20aは、図1に示すように、棒状の係止部21,21aと、係止部21,21aに連結された縫合糸22,22aと、からなる。
穿刺針30は、少なくとも係止部21,21aを複数個、本実施形態においてはたとえば2個収納できるものである。
押出装置40は、操作部本体63の操作によって複数個(たとえば2個)の係止部21,21aを穿刺針30から一個ずつ押し出すものである。
上記構造を前提とし、縫合具20,20aは、図1に示すように、複数個(たとえば2個)の係止部21,21aの一部の縫合糸22aが穿刺針30の内部に挿通され、他の縫合糸22が穿刺針30の内部から外部に導き出されていることを特徴とする。
【0015】
つぎに、本実施形態の縫合具20,20aについて詳細に説明する。
縫合具20,20aは、図1に示すように、臓器固定具100に複数本、たとえば2本装填され、連発式で使用される。
縫合具20,20aは、穿刺針30の針先31側から順に一段目の縫合具20と、次段に位置する二段目の縫合具20aと、からなる。以下、縫合具の段数とは、穿刺針30の先端側からみた順番をいう。
係止部21,21aは、ステンレス鋼に例示される金属製の棒状、たとえば円柱形である。ただし、係止部21,21aを樹脂等の非金属材料で作製してもよい。
縫合糸22,22aは、各1本で、その一端部を係止部21,21aの長さの途中、たとえば中央に熱融着または接着固定してある。縫合糸22,22aの他端部は穿刺針30の内部または外部を通じて臓器固定具100の外部に導き出されている。
【0016】
つぎに、本実施形態の穿刺針30について詳細に説明する。
穿刺針30は、ステンレス製の円筒からなる注射針であって、図1に示すように、穿刺針30の内部は、係止部21,21aが挿通自在の収納部32となっている。
収納部32は、穿刺針30の軸芯方向に沿って、係止部21,21aを複数個、たとえば2個収納できるものである。
収納部32は、一端部が針先31に開放し、他端部が押出装置40に連通する。
収納部32は、中空で、その全長が係止部21,21aの2個分の長さ以上に設定されている。
【0017】
収納部32の内径、すなわち穿刺針30の内径は、係止部21,21aの直径に縫合糸22,22aの直径を加えた第一の合計直径以上であり、かつ第一の合計直径に縫合糸22,22aの直径を加えた第二の合計直径未満である。
すなわち、次のような関係にある。
(1)第一の合計直径=係止部の直径+縫合糸の直径×1(本)
(2)第二の合計直径=係止部の直径+縫合糸の直径×2(本)
(3)第一の合計直径=<穿刺針の内径<第二の合計直径
したがって、本実施形態の臓器固定具100によれば、特許文献1の器具のように係止部の周囲の両側に対向して複数本の縫合糸を通す場合と比較して、穿刺針30の外径を細くすることができる。なお、図12では便宜上、係止部21,21aおよび縫合糸22,22aが穿刺針30に遊挿されている状態を図示してある。
【0018】
穿刺針30には、図1に示すように、他の縫合具、すなわち一段目の縫合具20の縫合糸22が通る内外に貫通した貫通部、すなわちスリット33が設けられている。貫通部は穿刺針30の内外に縫合糸22を挿通するための経路となる部位であり、本実施形態のようなスリット33でもよく、横孔(第三実施形態を参照)でもよい。
【0019】
スリット33は、図1に示すように、穿刺針30の針先31から操作部本体63に向かって延びている。スリット33は、一端部が針先31に開放し、他端部が穿刺針30の軸芯方向、すなわち押出装置40側に直線的に延び、穿刺針30の中間部で終端して行き止まりに形成されている。スリット33の終端位置、すなわち行き止まりの他端部の位置は、収納部32内に収納された状態の一段目の縫合具20の縫合糸22の真横まで延びていることが必要であるが、これより長く、押出装置40側に延びていてもよい。スリット33の溝幅は、縫合糸22の1本分の太さ以上に設定されている。
【0020】
本実施形態では、縫合具20,20aが2本であることから、図12に示すように、縫合糸22,22aの1本、すなわち一段目の縫合糸22が穿刺針30の外部を通り、他の1本、すなわち二段目の縫合糸22aが内部を通っている。
これにより、2本の縫合糸22,22aは穿刺針30の内外に別れて経路が全く異なり、また交差することもないため、2本の縫合糸22,22aの絡まりを完全に防止できる。
【0021】
つぎに、本実施形態の押出装置40について詳細に説明する。
押出装置40は、連発式の動作を行うためのものである。
押出装置40は、図2から7に示すように、大別すると、筒部50と、操作部60と、把持部70と、ロック装置80と、からなる。
【0022】
筒部50は、合成樹脂製の円筒であって、図2から4に示すように、穿刺針30が固定されるものである。筒部50は、両端部が開口し、その開口一端部に、針先31とは反対側の穿刺針30の基端部が固定され、当該穿刺針30の収納部32に連通し、開口他端部からは内部に操作部60が挿入される。
また、筒部50には、図4に示すように、内外に貫通する糸出用孔51を設けている。糸出用孔51は、穿刺針30の収納部32内を通って筒部50の内部に導き出された縫合糸22aが通る。
【0023】
操作部60は、筒部50の内部を通って穿刺針30の収納部32内に収納された係止部21,21aを、穿刺針30の針先31から押し出すものである。
操作部60は、図2から7に示すように、大別すると、押出棒61と、押圧部62と、操作部本体63と、からなる。
【0024】
押出棒61は、ステンレス製の芯棒で、図4および8に示すように、筒部50の内部から穿刺針30の収納部32内に挿入され、収納部32内をスライドすることで、収納部32内に収納された係止部21,21aを針先31から押し出すものである。すなわち、針先31から順に、一段目の係止部21と、次段に位置する二段目の係止部21aが順に収納されていることから、押出棒61は、二段目の係止部21aに当接する。押出棒61が針先31側に進むと、当該押出棒61に押されて、二段目の係止部21aが針先31側に進む。このため、二段目の係止部21aに押されて、一段目の係止部21も針先31側に進む。
【0025】
押圧部62は、合成樹脂製の円筒であって、図4に示すように、一端部に押出棒61が固定され、他端部が後述する操作部本体63に至り、操作部本体63の押圧力を押出棒61に伝達するものである。押圧部62は、筒部50の内部にスライド可能に保持され、同図において上側に開口する開口他端部から筒部50の外部に突出する。
【0026】
操作部本体63は、合成樹脂製の円板形であって、図4から7に示すように、押圧操作を行うためのものである。操作部本体63は、図2に示すように、同図において上側に位置する押圧部62の上端部から円板形に張り出している。操作部本体63の外径は、同図において上側に開口する筒部50の開口他端部の内径より大きく設定され、誤って筒部50内に嵌り込まないようにしている。
【0027】
つぎに、本実施形態の把持部70について詳細に説明する。
把持部70は、合成樹脂製の平板形であって、押出装置40を把持するものである。
把持部70は、図2に示すように、同図において筒部50の下側から左右両側に向かって対称に板状に張り出している。
【0028】
つぎに、本実施形態のロック装置80について詳細に説明する。
ロック装置80は、筒部50に対して操作部60が不用意にスライドすることを規制する。
ロック装置80は、図4に示すように、大別すると、係合爪81と、凹部82,82aと、からなる。これに加え、筒部50には、ロック装置80のロック状態を解除する解除用ボタン83,84が設けられている。
【0029】
係合爪81は、凹部82,82aのいずれかに嵌り込むことで、筒部50に対する操作部60の押圧を阻止する。係合爪81は、図4、6および7に示すように、押圧部62に設けられ、その外周から凸形に突出している。押圧部62は円筒形に形成されており、係合爪81を挟む両側の外周壁は切り欠かれている。これにより、凸形の係合爪81は押圧部62の筒内部に弾性的にたわみ込むことが可能である。
【0030】
凹部82,82aは、図4に示すように、筒部50に設けられ、同図において上下二段に設けられている。
凹部82,82aは、筒部50の内外に貫通し、筒部50の内周側から係合爪81が嵌り込み、外周側には後述する解除用ボタン83,84がそれぞれ取り付けられている。
図4において上側に位置する凹部82に係合爪81が嵌り込んだ状態では、押出棒61の先端部が、図8に示すように、穿刺針30の収納部32内に収納された二段目、すなわち同図に上側に位置する係止部21aに臨む。
上側に位置する凹部82に係合爪81が嵌り込んだ状態では、それ以上、操作部60が筒部50の内部に押し込まれることが阻止され、縫合具20,20aが穿刺針30の針先31から押し出されることが防止される。この状態で、操作部60が筒部50の内部から抜けることが規制される。
上側に位置する凹部82に嵌り込んでいた係合爪81が、図4において下側に位置する凹部82aに向かって進むと、二段目の係止部21aは、押出棒61に押されて針先31側に進む。このため、一段目の係止部21は、二段目の係止部21aに押されて針先31から押し出される。
当該位置で、下側に位置する凹部82aに、係合爪81が嵌り込む。下側に位置する凹部82aに係合爪81が嵌り込んだ状態では、それ以上、操作部60が筒部50の内部に押し込まれることが阻止され、二段目の縫合具20aが穿刺針30の針先31から押し出されることが防止される。
【0031】
解除用ボタン83,84は、合成樹脂などからなるボタン形の突起部形である。図4に示すように、解除用ボタン83,84は、凹部82,82aのいずれかに嵌り込んだ係合爪81を、凹部82,82a内から筒部50の内部に向かって、すなわち筒部50の中心に向かって半径方向の内向きに押し出す。その結果、係合爪81が、凹部82,82aから係脱し、ロック状態が解除される。
解除用ボタン83,84は、図4に示すように、上下の凹部82,82aに筒部50の外周側から嵌り込み、図示しないが、板バネやコイルバネのバネ力で外周から突出する。
【0032】
つぎに、図8から10を参照して、本実施形態の臓器固定具100の使用方法について説明する。
臓器固定具100は、係合爪81が、図4において上側に位置する凹部82に嵌り込んだ状態を初期状態として使用される。
【0033】
図8に示すように、穿刺針30を、患者の体外から皮膚側壁Aおよび胃壁Bを貫通するまで穿刺し、胃内に針先31を露出させる。
つぎに、図9に示すように、同図において上側に位置する解除用ボタン83を押圧する。解除用ボタン83を押圧すると、同図にて上側に位置する凹部82に嵌り込んでいた係合爪81が係脱し、ロック装置80のロック状態が解除される。
その後、操作部本体63を、図9に示すように、筒部50の内部に向かって押圧する。
操作部本体63を押圧すると、押出棒61が穿刺針30の収納部32内を進行し、二段目の係止部21aを介して、一段目の係止部21が針先31から押し出される。
このため、一段目の係止部21が、図9に示すように、胃内に投入される。
臓器固定具100は、穿刺針30を対外に引き抜いて回収する。
つぎに、一段目の係止部21の縫合糸22を、図10に示すように、体外から引っ張り、係止部21が胃壁Bを皮膚側壁A側に引き寄せ、縫合糸22を体外側に固定することで、胃壁Bが皮膚側壁Aに固定される。
【0034】
その後、回収した臓器固定具100の穿刺針30を、図示しないが、皮膚側壁Aの異なる位置から胃壁Bを貫通するまで穿刺し、胃内に針先31を露出させる。
つぎに、図4において下側に位置する解除用ボタン84を押圧する。解除用ボタン84を押圧すると、同図において、下側に位置する凹部82aに嵌り込んでいた係合爪81が係脱し、ロック装置80のロック状態が解除される。
その後、操作部本体63を、筒部50の内部に向かって押圧する。
操作部本体63を押圧すると、押出棒61が穿刺針30の収納部32内を進行し、二段目の係止部21aが針先31から押し出される。
このため、二段目の係止部21aが、胃内に投入される。
二段目の係止部21aの縫合糸22aを、一段目の縫合糸22と同様に、体外から引っ張って固定することで、胃壁Bが皮膚側壁Aに固定される。
【0035】
<第二実施形態>
図13は、本発明の第二実施形態の穿刺針を示す一部断面図、図14図13のC−C線に沿う断面図、図15図13のD−D線に沿う断面図である。
本実施形態の臓器固定具100は、第一に、縫合具20,20a〜20cの本数を増加した点で第一実施形態と相違する。
第二に、本実施形態の臓器固定具100は、スリット200を延長した点で第一実施形態と相違する。
【0036】
図13に示すように、4本以上(本実施形態では4本)の縫合具20,20a〜20cが装填されている。すなわち、穿刺針30の収納部32内に、4個の係止部21,21a〜21cが収納されている。
【0037】
4本以上(本実施形態では4本)の縫合糸22,22a〜22cのうち、2本の縫合具20,20aの縫合糸22,22aが、穿刺針30の内部から外部に導き出されている。
すなわち、本実施形態の4本の縫合糸22,22a〜22cは、そのうち、2本の一段目、二段目の縫合糸22,22aが穿刺針30の外部、残る2本、すなわち三段目、四段目の縫合糸22b,22cが内部を通っている。隣接する縫合糸22,22a〜22cは、穿刺針30の外周方向に離れ、かつ等間隔、すなわち90度間隔で配置されている。
【0038】
スリット200は、縫合具20,20a〜20cが3本以上(本実施形態では4本)であることを前提として、先頭(一段目)に位置する係止部21から次段(二段目)に位置する係止部21aの少なくとも途中まで延びている。本実施形態のスリット200は、先頭(一段目)に位置する係止部21の縫合糸22に加え、次段(二段目)に位置する係止部21aの縫合糸22aが挿通可能である。すなわち、穿刺針30に装填された一段目の係止部21の縫合糸22と二段目の係止部21aの縫合糸22aがスリット200を通って外部に引き出される。
【0039】
スリット200は、一端部が針先31に開放し、他端部が穿刺針30の軸芯方向、すなわち押出装置40側に直線的に延び、行き止まりに形成されている。行き止まりの他端部の位置は、収納部32内に収納された状態の二段目の縫合具20aの縫合糸22aの真横まで延びていることが必要であるが、これより長く、押出装置40側に延びていてもよい。スリット200の溝幅は、穿刺針30の軸芯に対して90度の間隔で形成されている。すなわち、一段目の縫合糸22を、スリット200の一端部に沿わせて収納部32内から穿刺針30の外部に導き出し、二段目の縫合糸22aを、穿刺針30の円周方向に対向する他方の端部に沿わせて収納部32内から穿刺針30の外部に導き出している。これにより、一段目の縫合糸22と二段目の縫合糸22aとを90度位相を異ならせて穿刺針30の外部に導き出すことができる。
【0040】
<第三実施形態>
図16は、本発明の第三実施形態の穿刺針を示す一部断面図、図17は穿刺針を示す一部拡大断面図。図18は穿刺針を示す断面図である。
本実施形態の臓器固定具100は、第一に、第二実施形態と同様に、縫合具20,20a〜20cの本数を増加した点で第一実施形態と相違する。
第二に、本実施形態の臓器固定具100は、貫通部として横孔300を設けた点で第一および第二実施形態と相違する。
【0041】
縫合具20,20a〜20cが、第二実施形態と同様に、図16に示すように、4本装填されている。すなわち、穿刺針30の収納部32内に、4個の係止部21,21a〜21cが収納されている。
【0042】
穿刺針30には、内外に貫通する横孔300が設けられている。
横孔300には、収納部32内に収納された係止部21,21a〜21cの縫合糸22,22a〜22cが通って穿刺針30の外部に導き出され、貫通部として機能する。
横孔300は、円形に1個形成され、その内径を縫合糸22bの太さ以上に設定している。横孔300は、収納部32内に収納された三段目の縫合具20bの縫合糸22bの真横に位置し、当該縫合糸22bが通って穿刺針30の外部に導き出される。
【0043】
横孔300の先端側の端面は、図17に示すように、内側先端方向に向かって傾斜している。すなわち、横孔300の先端側の端面には、傾斜部310が形成されている。傾斜部310は、三段目の縫合糸22bに摺接し、摩擦抵抗を軽減するものである。すなわち、収納部32内に収納された三段目の係止部21bが、穿刺針30の針先31側に進行する際に、縫合糸22bが傾斜部310と摺接する。
【0044】
穿刺針30の内部から外部に導き出されている2本の縫合具20,20a〜20cの縫合糸22,22a〜22cは、図18に示すように、対向位置している。横孔300は、スリット33と180度位相を異ならせ、すなわち対向するように配置されている。
一段目の係止部21の縫合糸22は、図16に示すように、スリット33を通って穿刺針30の内部から外部に導き出されている。三段目の係止部21bの縫合糸22bは、横孔300を通って穿刺針30の内部から外部に導き出されるが、このとき、スリット33と180度位相が異なっていることから、一段目の縫合糸22と三段目の縫合糸22bとが対向位置する。
【0045】
<第四実施形態>
図19は、本発明の第四実施形態の穿刺針を示す一部側面図である。
本実施形態の臓器固定具100は、スリット400が螺旋状に形成されている点で第一および第二実施形態と相違する。
【0046】
スリット400は、第二実施形態の図13および14に示す延長型のスリット200の変形例であり、当該スリット200と同様に、縫合具20,20a〜20cが3本以上、たとえば4本であることを前提とし、図19に示すように、螺旋状に形成されている。
スリット400は、図示しないが、一端部が針先に開放され、図19に示すように、他端部が穿刺針30の軸芯方向、すなわち同図において上方に向かって直線的に延びている。スリット400の当該他端部が円弧状に屈曲し、更にその端部が上方に向かって直線的に延びて行き止まりに形成されている。行き止まりの他端部の位置は、第二実施形態のスリット200と同様である。図13を用いて説明すると、収納部32内に収納された状態の二段目の縫合具20aの縫合糸22aの真横まで延びていることが必要であるが、これより長く、押出装置40側に延びていてもよい。
スリット400は、長さの途中が螺旋状に形成されていることから、第二実施形態のスリット200と同様である。図13を用いて説明すると、一段目の縫合糸22と二段目の縫合糸22aとを90度位相を異ならせて穿刺針30の外部に導き出すことができる。
【0047】
<第五実施形態>
図20は、本発明の第四実施形態の臓器固定具100を示す概略斜視図である。
本実施形態の臓器固定具100は、凹部500〜503の個数を増加し、かつ筒部50の円周方向に位置を異ならせて配置している点で第一実施形態と相違する。
【0048】
凹部500〜503は、筒部50の内外に貫通し、操作部60の係合爪81が嵌り込むものである。係合爪81は、図5〜7を用いて既に説明した第一実施形態のものと同様の構造を有し、その凸形の部分が凹部500〜503のいずれか1個に嵌り込み、このとき、筒部50の外周から押圧操作可能に突出する。
凹部500〜503は、図1を用いて既に説明した第一実施形態のものと同様に、縫合具20,20aが2本装填されているものを前提とし、計4個形成されている。
4個の凹部500〜503のうち、2個の第1、第2の凹部500,501は、図20において上下に離れて配置されている。第1、第2の凹部500,501の間隔は、図1を用いて説明すると、針先31側に位置する一段目の係止部21を押し出すのに必要なストロークに一致させている。
4個の凹部500〜503のうち、残る2個の第3、第4の凹部502,503は、筒部50の外周方向にずれ、且つ図20において上下に離れて配置されている。第3、第4の凹部502,503のうち、図20において上側に位置する第3の凹部502は、下側に位置する第2の凹部501と同じ高さに位置する。下側に位置する第4の凹部503は、第3の凹部502から下方に離れて位置する。第3、第4の凹部502,503の間隔は、図1を用いて説明すると、二段目の係止部21aを押し出すに必要なストロークに一致させている。
【0049】
つぎに、図20を参照して、本実施形態の臓器固定具100の使用方法について説明する。
まず、操作部60の係合爪81が、第1の凹部500に嵌り込んだ状態から、係合爪81を押し込みながら、操作部60を押し下げると、図20の下側に位置する第2の凹部501に嵌り込む。このとき、図1を用いて説明すると、一段目の係止部21が針先31から押し出される。
なお、操作部60を、更に押し下げようとしても、係合爪81が第2の凹部501に嵌り込んでいることから、操作部60の押し下げが防止される。
【0050】
つぎに、図1を用いて説明すると、一段目の係止部21が針先31から押し出す際には、
第2の凹部501に嵌り込んだ係合爪81を押し込みながら、操作部60を筒部50に対して回転させる。
操作部60を回転すると、係合爪81が第2の凹部501から第3の凹部502に移動し、第3の凹部502に嵌り込む。
その後、第3の凹部502に嵌り込んだ係合爪81を押し込みながら、操作部60を押し下げると、図20の下側に位置する第4の凹部503に嵌り込む。このとき、図1を用いて説明すると、二段目の係止部21aが針先31から押し出される。
【0051】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、上記第一実施形態において、係止部21,21aを円柱形としたが、中空の円筒形としてもよいし、または断面形状も円形に限らず、多角形としてもよい。
また、上記第一実施形態において、係止部21,21aに各1本の縫合糸22,22aを使用したが、複数本、2本の縫合糸を使用してもよい。第一実施形態では縫合糸22,22aを、係止部21,21aの中央に固定しているが、係止部21,21aの一端部でもよく、または1本の縫合糸をループさせてその両端部を係止部21,21aの両端部にそれぞれ固定してもよい。
たとえば上記第一実施形態において、一段目の縫合糸22が穿刺針30の外部、二段目の縫合糸22aが内部を取っているが、一段目の縫合糸22が穿刺針30の内部、二段目の縫合糸22aが外部を通っていてもよい。
たとえば上記第一実施形態において、操作部本体63を円板形に形成したが、棒状に形成してもよい。
たとえば上記第一実施形態において、把持部70を平板状に形成したが、リング状やレバー状に形成してもよい。また、把持部70は、筒部50と一体的に形成してもよいし、別体構造としてもよい。
【0052】
たとえば上記第一実施形態において、縫合具20,20aを2本、上記第二実施形態において、縫合具20,20a〜20cを4本としたが、3本または5本以上としてもよい。
たとえば上記第二実施形態において、4本の縫合糸22,22a〜22cのうち、2本の一段目、二段目の縫合糸22,22aが穿刺針30の外部を通り、残る2本、すなわち三段目、四段目の縫合糸22b,22cが内部を通っている。これに代えて、一段目、三段目の縫合糸22,22bが外部を通り、二段目、四段目の縫合糸22a,22cが内部を通るようにしてもよい。また、一段目、四段目の縫合糸22,22cが穿刺針30の外部を通り、二段目および三段目の縫合糸22a,22bが内部を通るようにしてもよい。また、第二実施形態では隣接する縫合糸22,22a〜22cを90度間隔で配置したが、これに限定されず、隣接する縫合糸22,22a〜22c同士を180度対向位置させてもよい。
【0053】
また、上記第三実施形態において、貫通部として、スリット33と横孔300とを併設したが、スリット33を省き、横孔300のみを形成してもよい。また、横孔300を複数個設けてもよい。横孔300は、例示した円形のみならず、楕円形、長円形または多角形に形成してもよい。
上記第三実施形態において、横孔300とスリット33とを180度位相を異ならせて配置したが、縫合糸22,22a〜22cが絡まり難くするという意味では、180度に限定されない。
【0054】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)棒状の係止部と、前記係止部に連結された縫合糸と、からなる縫合具と、少なくとも前記係止部を複数個収納できる穿刺針と、を有し、操作部本体の操作によって前記複数個の係止部が前記穿刺針から一個ずつ押し出される連発式の臓器固定具であって、前記複数個の係止部の一部の縫合糸が前記穿刺針の内部に挿通され、他の縫合糸が前記穿刺針の内部から外部に導き出されていることを特徴とする連発式の臓器固定具。
(2)前記穿刺針には、前記他の縫合糸が通る内外に貫通した貫通部が設けられている上記(1)に記載の連発式の臓器固定具。
(3)前記貫通部は、前記穿刺針の針先から前記操作部本体に向かって延びるスリットである上記(2)に記載の連発式の臓器固定具。
(4)前記縫合具が2本で、前記縫合糸の1本が前記穿刺針の外部、他の1本が内部を通っている上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の連発式の臓器固定具。
(5)前記穿刺針の内径が、前記係止部の直径に前記縫合糸の直径を加えた第一の合計直径以上であり、かつ前記第一の合計直径に前記縫合糸の直径を加えた第二の合計直径未満である上記(4)に記載の連発式の臓器固定具。
(6)前記縫合具は、3本以上であり、前記スリットは、先頭に位置する係止部から次段に位置する係止部の少なくとも途中まで延びており、当該次段に位置する係止部の縫合糸が前記スリットに挿通可能である上記(3)に記載の連発式の臓器固定具。
(7)前記スリットが螺旋状に形成されている上記(6)に記載の連発式の臓器固定具。
(8)前記縫合具は、4本以上であり、4本以上のうち、2本の縫合具の縫合糸が、前記穿刺針の内部から外部に導き出されている上記(1)から(3)、(6)または(7)のいずれか一項に記載の連発式の臓器固定具。
(9)前記穿刺針の内部から外部に導き出されている2本の縫合具の縫合糸が、対向位置している上記(8)に記載の連発式の臓器固定具。
(10)前記貫通部が、前記穿刺針の内外に貫通する横孔を含む上記(2)、(3)、(6)、(7)または上記(2)に従属する上記(8)もしくは(9)、のいずれか一項に記載の連発式の臓器固定具。
(11)前記横孔の先端側の端面が、内側先端方向に向かって傾斜している上記(10)に記載の連発式の臓器固定具。
【符号の説明】
【0055】
20,20a〜20c 縫合具
21,21a〜21c 係止部
22,22a〜22c 縫合糸
30 穿刺針
31 針先
32 収納部
33 スリット(貫通部)
40 押出装置
50 筒部
51 糸出用孔
60 操作部
61 押出棒
62 押圧部
63 操作部本体
70 把持部
80 ロック装置
81 係合爪
82,82a 凹部
83,84 解除用ボタン
100 臓器固定具
200,400 スリット
300 横孔(貫通部)
310 傾斜部
500〜503 凹部
A 皮膚側壁
B 胃壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20