特許第6115181号(P6115181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6115181ゴム材料と配合剤とを混練りするゴム材料の製造方法およびオープンロール機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6115181
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】ゴム材料と配合剤とを混練りするゴム材料の製造方法およびオープンロール機
(51)【国際特許分類】
   B29B 7/56 20060101AFI20170410BHJP
   B29B 7/62 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   B29B7/56
   B29B7/62
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-33406(P2013-33406)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-162049(P2014-162049A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】占部 幸治
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 友吾
【審査官】 内藤 康彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−069869(JP,A)
【文献】 特開平07−214546(JP,A)
【文献】 特開2005−262670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B7/00−11/14
B29B13/00−15/06
B29C31/00−31/10
B29C37/00−37/04
B29C71/00−71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンロール機の前ロールと後ロールの長手方向の一方の端部間に位置する供給部に素練りされたゴム材料を配合剤と共に連続して投入し、
前記前ロールと前記後ロールを互いに逆向きに回転してそれらロール間で混練りし、混練りされたゴム材料と配合剤をそれらロール間にバンクとして盛り上げ、
それらロール間の間隙から漏れ出たゴム材料を前記前ロールの外周面に巻き付けると共に、この巻き付いたゴム材料を前記バンクに戻し、
このようにして前ロールと後ロール間でゴム材料と配合剤とを混練りしつつ、前記供給部から前記長手方向の他方の端部間に位置する排出部に向けて移動させ、
前記排出部から配合剤が配合されたゴム材料を連続して取り出すに際して、
れ目形成部材を前記前ロールに対向させて置し、
前記切れ目形成部材は、前記前ロールに対向して前記前ロールの軸方向に平行して延在する本体部と、前記本体部の軸方向に延在し前記本体部の周方向に間隔をおいて設けられた断面がV字状を呈する複数の刃部とを有し、
前記本体部を前記前ロールの回転方向と逆向きに回転させ、前記複数の刃部により、前記前ロールの外周面上に位置するゴム材料を前記前ロールの外周面に押し付けると共に、前記前ロールの軸方向に延在する切れ目を前記前ロールの周方向に間隔をおいて複数形成し、
前記前ロールの回転に伴い、前記切れ目毎に前記ゴム材料を折り畳んで前記バンクに混入するようにした、
ことを特徴とするゴム材料と配合剤とを混練りするゴム材料の製造方法。
【請求項2】
前記前ロールに巻き付いたゴム材料に延在形成される切れ目は、前記本体部の軸方向に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項1記載のゴム材料と配合剤とを混練りするゴム材料の製造方法。
【請求項3】
互いに逆向きに回転する前ロールと後ロールの長手方向の一端に位置する供給部に素練りされたゴム材料を配合剤と共に連続して投入し、
それらロール間でゴム材料と配合剤とを混練りし、混練りされたゴム材料と配合剤とをそれらロール間にバンクとして盛り上げると共に、それらロール間の間隙から漏れ出たゴム材料を前記前ロールの外周面に巻き付け、
前記供給部からそれら2本のロールの長手方向の他端の排出部に向けてゴム材料と配合剤とを混練りしつつ移動させるオープンロール機であって、
前記前ロールに対向して配置され前記前ロールの軸方向に平行して延在する本体部と、前記本体部の軸方向に延在し前記本体部の周方向に間隔をおいて設けられた断面がV字状を呈する複数の刃部とを有する切れ目形成部材と、
前記本体部を回転させる切れ目形成部材用回転駆動手段とが設けられ、
前記複数の刃部は、前記切れ目形成部材用回転駆動手段により前記本体部が前記前ロールの回転方向と逆向きに回転されることで、前記前ロールの外周面上に位置するゴム材料を前記前ロールの外周面に押し付けると共に、前記ゴム材料に前記前ロールの軸方向に延在し前記バンクに混入される際に前記ゴム材料が折り畳まれる切れ目を、前記前ロールの周方向に間隔をおいて複数形成する、
ことを特徴とするオープンロール機。
【請求項4】
前記刃部は、前記本体部の軸方向に対して傾斜して延在している、
ことを特徴とする請求項3記載のオープンロール機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム材料と配合剤とをオープンロール機に連続して供給し、混練りされたゴム材料を連続して取り出すゴム材料の製造方法と、この製造方法を実施するオープンロール機に関し、さらに詳細には、タック特性が低いゴム材料の場合であっても、オープンロール機により均一に配合剤が混合されたゴム材料を連続して取り出すことができるゴム材料の製造方法と、この製造方法を実施するオープンロール機に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム製品は、一般に、各種の配合剤が配合されたゴム材料が加工されることで形成されている。
ゴム材料に各種の配合剤を配合するにあたり、まず、素練りが行われ、配合剤の混合を可能とした性質や、加硫の加工に必要な性質などがゴム材料に付与される。
そして、混練りにおいて、素練りされたゴム材料に、補強材や老化防止材、架橋材、架橋促進材などの配合剤への配合がなされ、混練りでは、ゴム材料に対して配合剤が均一に配合されることが好ましい。
大量のゴムを連続して混練りする装置として、例えば、中空のバレル内に互いに逆向きに回転する一対の混練ロータを配置した密閉式連続混練機(特許文献1)が知られている。
【0003】
この密閉式連続混練機では、バレルの長手方向の一方の端部の供給口からバレルの内部に被混練材料を連続して供給し、一対の混練ロータにより混練した材料を、バレルの長手方向の他方の端部の取り出し口から連続して取り出すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−152705
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、密閉式連続混練機では、熱が逃げにくく、冷却効率を高める上で不利であり、また、一対の混練ロータを回転させるために大きな動力源を要し、装置が高価で大掛りなものとなる。
そこで、熱が逃げ易く冷却効率に優れ、大きな動力源を要せず、小型で安価なオープンロール機を用いて混練りを連続して行なうことが考えられる。
【0006】
オープンロール機を用いた場合、前ロールと後ロールの長手方向の一方の端部に被混練材料を連続して投入し、前ロールと後ロールの長手方向の他方の端部から混練した材料を連続して取り出すことが考えられる。
しかしながら、投入されるゴム材料のタック特性が低い場合、前ロールと後ロールとの間隙から漏れ出たゴム材料は、前ロールの温度や回転速度を調節しても前ロールに巻き付きにくく、前ロールの外周面から離れた膨らみとなり、前ロールと後ロールとの間に盛り上がるバンクへ戻る量が不均一となり、ゴムのねり状態も不均一となり、配合剤が均一に混合されたゴム材料を連続して取り出す上で不利となる。
【0007】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、タック特性が低いゴム材料の場合であっても、オープンロール機により均一に配合剤が混合されたゴム材料を連続して取り出すことができるゴム材料の製造方法と、この製造方法を実施するオープンロール機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本発明のゴム材料と配合剤とを混練りするゴム材料の製造方法は、オープンロール機の前ロールと後ロールの長手方向の一方の端部に位置する供給部に素練りされたゴム材料を配合剤と共に連続して投入し、前記前ロールと前記後ロールを互いに逆向きに回転してそれらロール間で混練りし、混練りされたゴム材料と配合剤をそれらロール間にバンクとして盛り上げ、それらロール間の間隙から漏れ出たゴム材料を前記前ロールの外周面に巻き付けると共に、この巻き付いたゴム材料を前記バンクに戻し、このようにして前ロールと後ロール間でゴム材料と配合剤とを混練りしつつ、前記供給部から前記長手方向の他方の端部に位置する排出部に向けて移動させ、前記排出部から配合剤が配合されたゴム材料を連続して取り出すに際して、れ目形成部材を前記前ロールに対向させて置し、前記切れ目形成部材は、前記前ロールに対向して前記前ロールの軸方向に平行して延在する本体部と、前記本体部の軸方向に延在し前記本体部の周方向に間隔をおいて設けられた断面がV字状を呈する複数の刃部とを有し、前記本体部を前記前ロールの回転方向と逆向きに回転させ、前記複数の刃部により、前記前ロールの外周面上に位置するゴム材料を前記前ロールの外周面に押し付けると共に、前記前ロールの軸方向に延在する切れ目を前記前ロールの周方向に間隔をおいて複数形成し、前記前ロールの回転に伴い、前記切れ目毎に前記ゴム材料を折り畳んで前記バンクに混入するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、互いに逆向きに回転する前ロールと後ロールの長手方向の一端に位置する供給部に素練りされたゴム材料を配合剤と共に連続して投入し、それらロール間でゴム材料と配合剤とを混練りし、混練りされたゴム材料と配合剤とをそれらロール間にバンクとして盛り上げると共に、それらロール間の間隙から漏れ出たゴム材料を前記前ロールの外周面に巻き付け、前記供給部からそれら2本のロールの長手方向の他端の排出部に向けてゴム材料と配合剤とを混練りしつつ移動させるオープンロール機であって、前記前ロールに対向して配置され前記前ロールの軸方向に平行して延在する本体部と、前記本体部の軸方向に延在し前記本体部の周方向に間隔をおいて設けられた断面がV字状を呈する複数の刃部とを有する切れ目形成部材と、前記本体部を回転させる切れ目形成部材用回転駆動手段とが設けられ、前記複数の刃部は、前記切れ目形成部材用回転駆動手段により前記本体部が前記前ロールの回転方向と逆向きに回転されることで、前記前ロールの外周面上に位置するゴム材料を前記前ロールの外周面に押し付けると共に、前記ゴム材料に前記前ロールの軸方向に延在し前記バンクに混入される際に前記ゴム材料が折り畳まれる切れ目を、前記前ロールの周方向に間隔をおいて複数形成すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、切れ目形成部材の複数の刃部により、前ロールの外周面上に位置するゴム材料が前ロールの外周面に押し付けられ、ゴム材料に、前ロールの軸方向に延在する切れ目が、前ロールの周方向に間隔をおいて複数形成される。
そして、前ロールの回転に伴い、ゴム材料は、切れ間毎に切れ目を境に折り畳まれてバンクに混入されることになり、バンクでの混練りをより効果的に行なう上で有利となる。
そのため、ゴム材料のタック特性が低く、前ロールと後ロールとの間隙から漏れ出たゴム材料が、前ロールの外周面に巻き付きにくく、前ロールの外周面から離れた膨らみとなる場合も、刃部により、膨らんだゴム材料の部分は前ロールの外周面に押し付けられて切れ目が入れられる。これにより、膨らんだゴム材料の部分の内部の空気が切れ目により逃がされ、膨らんだゴム材料の部分は前ロールの外周面に巻き付けられる。
そして、前ロールの回転に伴い、切れ間毎に切れ目を境に折り畳まれてバンクに混入されることになり、バンクでの混練りをより効果的に行なう上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】切れ目形成部材と切れ目形成部材用回転駆動手段とを備えるオープンロール機の混練り時の側面図である。
図2】切れ目形成部材が配置されたオープンロール機の平面図である。
図3】切れ目形成部材を備えるオープンロール機の混練り時の平面図である。
図4】切れ目形成部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1図2に示すように、オープンロール機10は、互いに平行に配置され温度と回転速度が調節可能な前ロール12および後ロール14と、それらロール12、14を回転駆動するロール用回転駆動手段(不図示)を備えている。
前ロール12の外周面にゴム材料が付着し易いように、前ロール12の外周面の温度は、後ロール14の外周面の温度よりも高く設定され、また、前ロール12の外周面の周速度は、後ロール14の外周面の周速度よりも大きく設定されている。
前ロール12の外周面と後ロール14の外周面には、それら2本のロールの長手方向の一方の端部から他方の端部にむけてゴム材料を移動させるための凹凸構造が形成されている。本実施の形態は凹凸構造として、前ロール12の外周面と後ロール14の外周面にそれぞれ螺旋状に形成された凹部16を用いている。
前ロール12と後ロール14とは、ロール用回転駆動手段により互いに逆向きに回転され、前ロール12と後ロール14の長手方向の一方の端部は、素練りされたゴム材料が配合剤と共に供給される供給部20とされ、長手方向の他方の端部は、配合剤が混練りされたゴム材料を取り出す排出部22とされる。
【0012】
供給部20に供給されたゴム材料と配合剤は、互いに逆向きに回転する2本のロール12、14間で混練りされると共に、混練りされたゴム材料と配合剤は2本のロール12、14間にバンク24として盛り上がる。
また、バンク24の底部をなす2本のロール12、14間の間隙から漏れ出た混練りされたゴム材料と配合剤は前ロール12の外周面に巻き付き、再度、バンク24へと戻されて混練りされ、バンク24は供給部20から排出部22側へと移動していく。なお、前ロール12の外周面に巻き付いたゴム材料を符号24Aで示す。
【0013】
一方、ゴム材料のタック特性が低い場合、配合剤を含むゴム材料は、前ロール12の外周面に巻き付きにくく、前ロール12の外周面から離れた膨らみとなりがちで、前ロール12と後ロール14との間に盛り上がるバンク24へ戻る量が不均一となり、バンク24でのゴム材料と配合剤との混合を効果的に行なう上で不利となる。
そこで、本発明では、前ロール12の外周面上に位置するゴム材料24Aを前ロール12の外周面に押し付けて複数の切れ目30を形成し、バンク24での混合が効果的に行われるようにしている。
【0014】
より詳細に説明すると、本実施の形態のオープンロール機10は、切れ目形成部材32と、切れ目形成部材用回転駆動手段34とをさらに備えている。
切れ目形成部材32は前ロール12に対向して配置され、切れ目形成部材32の軸方向は前ロール12の軸方向に平行している。
切れ目形成部材32は、前ロール12の全長にわたる長さを有していてもよく、前ロール12の一部にわたる長さを有していてもよく、前ロール12の軸方向に沿った切れ目形成部材32の配置箇所は限定されず任意である。
図4に示すように、切れ目形成部材32は、筒状の本体部3202と、本体部3202の外周部に形成された複数の刃部3204とを含んで構成されている。
本体部3202の中心孔には、回転軸3206(図1参照)がキーにより本体部3202と一体に回転するように結合されている。
【0015】
刃部3204の先端は、前ロール12の外周面に近接する(当接する場合も含む)寸法で形成されている。
刃部3204は、本体部3202の軸方向に延在し本体部3202の周方向に間隔をおいて複数設けられている。
したがって、切れ目形成部材32を前ロール12の回転方向と逆向きに回転させると、複数の刃部3204は、前ロール12の外周面上に位置するゴム材料24Aを前ロール12の外周面に押し付け、前ロール12の軸方向に延在する複数の切れ目30を前ロール12の周方向に間隔をおいて形成する。
本実施の形態では、刃部3204の延在方向は、本体部3202の軸方向に対して傾斜しており、前ロール12の外周面上に位置するゴム材料24Aに形成される切れ目30は、前ロール12の軸方向に対して傾斜する方向に延在する。
切れ目形成部材32は、例えば、単一のヘリカルギヤを用いて、あるいは、同一形状のヘリカルギヤを複数個軸方向に並べることで構成するようにしてもよい。
なお、本実施の形態のように、切れ目形成部材32の軸方向を前ロール12の軸方向に平行させ、刃部3204の延在方向を本体部3202の軸方向に対して傾斜させると、前ロール12の軸方向に対して傾斜する方向に延在する切れ目30を簡単な構成により円滑に確実に形成する上で有利となる。
【0016】
切れ目形成部材用回転駆動手段34は、刃部3204の先端の周速度を、前ロール12の周速度にほぼ合致するように、切れ目形成部材32を前ロール12の回転方向と逆方向に回転させるものである。
切れ目形成部材用回転駆動手段34は、モータ3402と、このモータ3402の動力を回転軸3206に伝達する動力伝達機構3404とを含んで構成されている。
モータ3402は、例えば、減速機を含んで構成され、モータドライバを介して回転数が調整可能である。
動力伝達機構3404には、回転軸3206とモータ3402の出力軸とを連結するベルトプーリ機構や、あるいは、スプロケットチェーン機構など、従来公知の様々な構成が採用可能である。
【0017】
次に、本実施の形態の作用、効果について説明する。
ゴム材料と配合剤を供給部20に投入し、2本のロール12、14を逆向きに回転させ、切れ目形成部材32を前ロール12の回転に同期させて前ロール12と逆向きに回転させる。
投入されたゴム材料と配合剤は、互いに逆向きに回転する2本のロール12、14間で混練りされると共に、混練りされたゴム材料と配合剤は2本のロール12、14間にバンク24として盛り上がる。
また、バンク24の底部をなす2本のロール12、14間の間隙から漏れ出た混練りされた配合剤を含むゴム材料24Aは前ロール12の外周面に巻き付き、再度、バンク24へと戻され混練りされ、バンク24は供給部20から排出部22側へと移動していく。
【0018】
そして、切れ目形成部材32の回転により、前ロール12の外周面に巻き付いたゴム材料24Aに、刃部3204から切れ目30が前ロール12の周方向に間隔をおいて複数形成される。
そのため、前ロール12の外周面に巻き付いたゴム材料24Aは、切れ目30毎に切れ目30を境に折り畳まれてバンク24に混入され、バンク24での混合をより効果的に行なう上で有利となり、排出部22において配合剤が均一に混練りされたゴム材料を連続して得る上で有利となる。
本実施の形態では、前ロール12の外周面に巻き付いたゴム材料24Aに、前ロール12の軸方向に対して傾斜した方向に延在する切れ目30が、前ロール12の周方向に間隔をおいて複数形成される。
そのため、前ロール12の外周面に巻き付いたゴム材料24Aは、切れ目30毎に切れ目30の延在方向に沿って順次折り畳まれてバンク24に混入されることになり、バンク24での混合をより効果的に行なう上でより一層有利となる。
【0019】
したがって、ゴム材料のタック特性が低く、2本のロール12、14間の間隙から漏れ出たゴム材料24Aが、前ロール12に巻き付きにくく、前ロール12の外周面から離れた膨らみとなった場合も、切れ目形成部材32の刃部3204により、膨らんだゴム材料24Aの部分は前ロール12の外周面に押し付けられ、切れ目30が入れられる。
すなわち、膨らんだゴム材料24Aの部分は、切れ目によりその内部の空気が逃がされ、前ロール12の外周面に巻き付けられる。
そして、前ロール12の回転に伴い、切れ目30毎に切れ目30の延在方向に沿って順次折り畳まれてバンク24に混入されることになり、バンク24での混合をより効果的に行なう上でより一層有利となる。
【0020】
また、本実施の形態では、刃部3204の延在方向が、切れ目形成部材32の軸方向に対して傾斜しているため、切れ目30を形成したのち刃部3204がゴム材料24Aから離れる際に、刃部3204がゴム材料24Aから剥がれ易い。すなわち、刃部3204へのゴム材料24Aの付着を抑制できるため、前ロール12の外周面上に位置するゴム材料24Aに切れ目30を連続して形成する上で有利となる。
【符号の説明】
【0021】
10……オープンロール機、12……前ロール、14……後ロール、16……凹部、20……供給部、22……排出部、24……バンク、24A……前ロールの外周面に巻き付いたゴム材料、30……切れ目、32……切れ目形成部材、3204……刃部、34……切れ目形成部材用回転駆動手段、3402……モータ、3404……動力伝達機構。
図1
図2
図3
図4