特許第6115583号(P6115583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6115583
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】投影装置、投影制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20170410BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20170410BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20170410BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   G03B21/00 F
   G09G3/34 D
   G09G3/20 670D
   G09G3/20 680C
   G09G3/20 612G
   G09G3/34 J
   G09G3/20 631W
   G09G3/20 612L
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-58434(P2015-58434)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-177192(P2016-177192A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2016年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】石津 健雄
(72)【発明者】
【氏名】荒井 俊晴
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−160894(JP,A)
【文献】 特開2006−343500(JP,A)
【文献】 特開2012−155004(JP,A)
【文献】 特開2014−219472(JP,A)
【文献】 特開2011−043719(JP,A)
【文献】 特開2014−164289(JP,A)
【文献】 特開2015−108803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00−21/10
21/12−21/13
21/134−21/30
33/00−33/16
G09G3/00−3/08
3/12
3/16
3/19−3/26
3/30
3/34
3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、
上記半導体発光素子の発する光により、複数色の光を時分割で出射する回転ホイールと、
装置の起動時、上記半導体発光素子への電力の供給を停止した状態で、上記回転ホイールの回転と、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力とを開始した後、起動状況に関する所定の条件に基づいて上記半導体発光素子への電力の供給を開始させる制御部と
を備えることを特徴とする投影装置。
【請求項2】
上記制御部は、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力を開始してから、予め設定した時間が経過後に上記半導体発光素子への電力の供給を開始することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
上記回転ホイールの回転位相を検出する検出部をさらに備え、
上記制御部は、上記回転ホイールの回転位相と上記点灯タイミングとの同期を判定した時点で上記半導体発光素子への電力の供給を開始する
ことを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項4】
半導体発光素子と、上記半導体発光素子の発する光により、複数色の光を時分割で出射する回転ホイールとを備えた装置での投影制御方法であって、
装置の起動時、上記半導体発光素子への電力の供給を停止した状態で、上記回転ホイールの回転と、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力とを開始した後、起動状況に関する所定の条件に基づいて上記半導体発光素子への電力の供給を開始させる制御工程を有することを特徴とする投影制御方法。
【請求項5】
半導体発光素子と、上記半導体発光素子の発する光により、複数色の光を時分割で出射する回転ホイールとを備えた装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、
装置の起動時、上記半導体発光素子への電力の供給を停止した状態で、上記回転ホイールの回転と、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力とを開始した後、起動状況に関する所定の条件に基づいて上記半導体発光素子への電力の供給を開始させる制御部として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子を光源に使用するプロジェクタ等に好適な投影装置、投影制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、LED(発光ダイオード)やLD(半導体レーザ)などの半導体発光素子を光源に用いたプロジェクタ装置が各種製品化されている。この種のプロジェクタ装置では、3原色のR(赤色)光、G(緑色)光、B(青色)光のうち、R光、B光と同程度の光量のG光を直接発する半導体素子が未だ実用化されておらず、LDの発するB光を、蛍光体を塗布した蛍光ホイールに照射し、蛍光体から得られるG光を集光して利用しているのが実情である。
【0003】
上記蛍光ホイールは、B光が照射される盤面の一部が扇形状の透過拡散層を形成する以外は不透明な蛍光体層となっており、当該ホイールの回転によって、上記透過拡散層を透過したB光、及び蛍光体層から集光したG光が時分割で利用可能となる。
【0004】
上記のような半導体発光素子を用いた投影装置について、例えば以下に示す特許文献においても記載されている。(例えば、特許文献1)
図4は、半導体発光素子を用いたプロジェクタ装置の一般的な起動シーケンスを示す図である。図4(A)は、蛍光ホイールの周面に取付けられた同期検出用のマーカに相対向して設けられるマーカセンサからの検出パルスCWINDEX、図4(B)は発光素子であるLDの発光を許可する点灯パルスLD−ENBL、図4(C)は、当該LDの駆動電流を設定する電流設定信号である。
【0005】
投影装置の起動時には、まず図4(C)で示す電流設定信号をオンしてLDへの電力供給を開始させた後に、蛍光ホイールを回転させて図4(A)に示すように検出パルスCWINDEXを得ている。
【0006】
その後、図4(B)に示すようにタイミングt11で点灯パルスLD−ENBLをLDに与えることで、既に電流設定信号がオンとなっているので、この点灯パルスにしたがった発光を行なって、投影動作が開始される。さらにその後、タイミングt12で入力信号のサーチを開始することで、入力信号が与えられていれば当該入力信号に応じた映像の投影が開始される。
【0007】
このような起動シーケンスでは、図中に破線のエリアA11で示すように、蛍光ホイールの回転を開始してすぐに点灯パルスを出力するため、蛍光ホイールとLDの発光が正しく同期する前に投影動作が開始され、投影される内容にちらつきを生じるという不具合がある。
【0008】
このような不具合を解消するべく、図5に示すように点灯パルスのLDへの出力を、蛍光ホイールの回転を開始してから一定時間、例えば1[秒]乃至2[秒]、だけ遅延させることで、蛍光ホイールの回転が安定した状態でLDを正しく同期させて発光駆動する手法も考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2014−164289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記図5に示した起動手法では、点灯パルスのLDへの出力を一定時間だけ遅らせることで、映像のちらつきは抑制できるものの、その分だけ投影動作の開始が遅れるため、起動後に即時投影を開始できる半導体発光素子を用いた光源としての利点を損なうことになる。
【0011】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ちらつきを生じずに短時間で投影を開始させることが可能な投影装置、投影制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、半導体発光素子と、上記半導体発光素子の発する光により、複数色の光を時分割で出射する回転ホイールと、装置の起動時、上記半導体発光素子への電力の供給を停止した状態で、上記回転ホイールの回転と、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力とを開始した後、起動状況に関する所定の条件に基づいて上記半導体発光素子への電力の供給を開始させる制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ちらつきを生じずに短時間で投影を開始させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るプロジェクタ装置の回路構成を示すブロック図。
図2】同実施形態に係る第1の起動シーケンスを示す図。
図3】同実施形態に係る第2の起動シーケンスを示す図。
図4】一般的な半導体発光素子を用いたプロジェクタ装置の起動シーケンスを示す図。
図5】一般的な半導体発光素子を用いたプロジェクタ装置の起動シーケンスを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明をDLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のプロジェクタ装置に適用した場合の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(構成)
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ装置10の回路構成を示すブロック図である。同図で、各種映像信号が入力端子11,12を介して入力部13に入力される。この入力部13は、A/Dコンバータ及びビデオデコーダを含み、入力された映像信号がアナログであればデジタル値に変換した後、デコードしてR,G,Bの各原色毎の映像データを取得し、メインマイコン14へ出力する。
【0017】
メインマイコン14は、スケーラ、及びマイクロミラー素子制御ICとしての機能を含み、サブマイコン15と通信しながら協働してこのプロジェクタ装置10全体の制御動作を実行する。
【0018】
メインマイコン14は、電源キー16からのキー操作を受付け、後述するLED、LDを冷却するための冷却ファン17を駆動する。またメインマイコン14は、投影動作に同期したLD用の点灯パルスLD−ENBLを上記サブマイコン15と光源部18のドライバIC19,20に出力する他、電流設定信号を上記ドライバIC19,20へ出力し、さらにR,G,Bの各原色に対応した映像データをマイクロミラー素子21へ送出する。
【0019】
光源部18において、ドライバIC19はB光を発するLD22(B−LD)22を駆動する回路であり、LD22から出射されたB光は、蛍光体ホイール23の盤面に照射される。
【0020】
この蛍光体ホイール23は、ホイールモータ(不図示)により回転駆動されるもので、盤面の一部が扇形状の透過拡散部(B)となっており、盤面の他部は蛍光体が塗布されている。LD22からのB光は、蛍光体ホイール23の回転により、上記透過拡散部を透過、拡散して上記マイクロミラー素子21に照射されるか、あるいは蛍光体に照射されて発する蛍光としてのG光が集光されてマイクロミラー素子21に照射される。
【0021】
蛍光体ホイール23の周端で上記透過拡散部と蛍光体塗布部との境界位置にはマーカ(不図示)が貼付されるもので、蛍光体ホイール23の回転に基づく上記マーカの通過を、相対向して設置されたマーカセンサ24が検出し、検出パルスCWINDEXを上記メインマイコン14、及びサブマイコン15へ送出する。
【0022】
サブマイコン15は、マーカセンサ24からの検出パルスCWINDEXとメインマイコン14の出力する点灯パルスLD−ENBLとにより同期が正しいかどうかを監視し、その監視結果をメインマイコン14に出力する。
【0023】
また上記ドライバIC20は、R光を発するLED(R−LED)25を駆動する回路であり、LED25から出射されたR光は、直接上記マイクロミラー素子21に照射される。
【0024】
マイクロミラー素子21は、例えばWXGA(1280×800画素)分の微小可動ミラーをマトリックス状に配して構成され、個々の微小可動ミラーを上記メインマイコン14から与えられる映像データに応じてオン/オフ動作させることで原色画像を表示する。
【0025】
このマイクロミラー素子21に対して、光源部18からR,G,Bの原色光が時分割で照射されることにより、その一方向への反射光で原色の光像が形成されるものであり、当該光像は投影レンズ系26を介して拡大され、被投影対象となるスクリーン等に照射される。
【0026】
(第1の動作例)
次に上記実施形態の第1の動作例について図面を参照して説明する。
図2は、上記プロジェクタ装置10の起動シーケンスを示す図である。図2(A)は、マーカセンサ24からの検出パルスCWINDEX、図2(B)はLD22、LED25を駆動するためにメインマイコン14からドライバIC19,20に与えられる、発光を許可する点灯パルスLD−ENBL、図2(C)は、当該LD22、LED25の駆動電流を設定する電流設定信号である。
【0027】
装置の起動時には、図2(C)に示す電流設定信号をオフとしたままの状態から、蛍光体ホイール23を回転させて図2(A)に示すように検出パルスCWINDEXを得ている。
【0028】
その後、図2(B)に示すようにドライバIC19,20への点灯パルスLD−ENBLの供給を開始するのと相前後して、上記蛍光体ホイール23用のホイールモータ等の個体差等を勘案した、予め設定された一定時間の計時を開始する。
【0029】
また、合わせてタイミングt31で入力信号のサーチを開始する。
【0030】
この起動時には、図中に破線のエリアA31で示すように、蛍光体ホイール23の回転を開始してすぐに点灯パルスLD−ENBLを出力するため、蛍光体ホイール23とLD22、LED25の発光タイミングが正しく同期していない。
【0031】
ここで入力信号のサーチの結果、入力信号があれば、マイクロミラー素子21での映像データに基づいた表示動作は開始される。合わせて、ドライバIC19,20に点灯パルスLD−ENBLが供給されているが、電流設定によってLD22、LED25での発光はなく、実際の投影動作は行なわれないため、上記正しく同期していないことにより、投影画像がちらつくことはない。
【0032】
その後、計時中の上記一定時間が経過し、確実に検出パルスCWINDEXと点灯パルスLD−ENBLとが同期したと考えられるタイミングt32で、メインマイコン14からドライバIC19,20への電流設定信号がオンされることで、LD22、LED25の発光開始により実際の投影動作が開始される。
【0033】
上記一定時間は、上述した如く蛍光体ホイール23を回転駆動するホイールモータの個体毎の起動時間差等を考慮した安全係数を見込んだ時間に設定されているため、当該時間分だけ投影動作が遅れることになるが、入力信号に対するサーチを点灯パルスLD−ENBLを出力した点灯処理後の、電流設定がオフされている期間から開始できるので、入力信号に基づいた投影を行なうまでの時間を短縮することができる。
【0034】
(第2の動作例)
続いて上記実施形態の第2の動作例について図面を参照して説明する。
図3は、上記プロジェクタ装置10の他の起動シーケンスを示す図である。図3(A)は、マーカセンサ24からの検出パルスCWINDEX、図3(B)はLD22、LED25を駆動するためにメインマイコン14からドライバIC19,20に与えられる、発光を許可する点灯パルスLD−ENBL、図3(C)は、当該LD22、LED25の駆動電流を設定する電流設定信号である。
【0035】
装置の起動時には、図3(C)に示す電流設定信号をオフとしたままの状態から、蛍光体ホイール23を回転させて図3(A)に示すように検出パルスCWINDEXを得ている。
【0036】
その後、図3(B)に示すようにドライバIC19,20への点灯パルスLD−ENBLの供給を開始し、合わせてタイミングt41で入力信号のサーチを開始する。
【0037】
この起動時には、図中に破線のエリアA41で示すように、蛍光体ホイール23の回転を開始してすぐに点灯パルスLD−ENBLを出力するため、蛍光体ホイール23とLD22、LED25の発光タイミングが正しく同期していない。
【0038】
サブマイコン15はこの検出パルスCWINDEXと点灯パルスLD−ENBLとの同期を上述した如く監視しており、このエリアA41での不同期状態が解消し、同期がとれたと判断したタイミングt42で、サブマイコン15との通信に基づいて、メインマイコン14がドライバIC19,20への電流設定信号をオンし、LD22、LED25の発光開始により投影動作を開始させる。
【0039】
入力信号に対するサーチを点灯パルスLD−ENBLを出力した点灯処理後の、電流設定がオフされている期間から開始しており、上記非同期のエリアA41が終了し、同期がとれたと判断して即時、入力信号に基づいた投影を行なうものとしたため、実際の投影を開始するまでの時間を大幅に短縮できる。
【0040】
(効果)
以上詳述した如く本実施形態によれば、起動シーケンスの当初にLD22、LED25の駆動電流をゼロにして投影する期間を設定し、ちらつきを防止すると共に、入力信号のサーチを開始させることで、投影開始から実際の入力信号に基づく投影までの時間を短縮させることが可能となる。
【0041】
また上記第1の動作例では、LD22、LED25への点灯パルスを出力してから一定時間経過後にLD22、LED25への電流設定をオンして電力の供給を開始するようにしたため、蛍光体ホイール23用のホイールモータの起動特性の個体差等を考慮して安定した状態で投影を開始させることができる。
【0042】
また上記第2の動作例では、LD22、LED25への点灯パルスLD−ENBLを出力してから、マーカセンサ24からの検出パルスCWINDEXが点灯パルスLD−ENBLと同期したと判定した状態で即時LD22、LED25への電流設定をオンして電力の供給を開始するようにしたため、非常に短時間で投影を開始させることができる。
【0043】
なお上記実施形態では、LD22の発するB光を蛍光体ホイール23に照射することによりB光またはG光をマイクロミラー素子21に照射させるとともに、LED25の発するR光を直接マイクロミラー素子21に照射させるものとして、原色のR光、G光、及びB光を時分割でマイクロミラー素子21に照射させるものとして説明したが、本発明は半導体発光素子の種類や発光色、原色のみでの駆動等を限定するものではなく、例えば複数の半導体発光素子を同時に発光させて複数の原色の混色としての補色光を表示素子に照射するような駆動手法を採る投影装置にも同様に適用することが可能である。
【0044】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0045】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
半導体発光素子と、
上記半導体発光素子の発する光により、複数色の光を時分割で出射する回転ホイールと、
装置の起動時、上記半導体発光素子への電力の供給を停止した状態で、上記回転ホイールの回転と、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力とを開始した後、起動状況に関する所定の条件に基づいて上記半導体発光素子への電力の供給を開始させる制御部と
を備えることを特徴とする投影装置。
[請求項2]
上記制御部は、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力を開始してから、予め設定した時間が経過後に上記半導体発光素子への電力の供給を開始することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
[請求項3]
上記回転ホイールの回転位相を検出する検出部をさらに備え、
上記制御部は、上記回転ホイールの回転位相と上記点灯タイミングとの同期を判定した時点で上記半導体発光素子への電力の供給を開始する
ことを特徴とする請求項1記載の投影装置。
[請求項4]
半導体発光素子と、上記半導体発光素子の発する光により、複数色の光を時分割で出射する回転ホイールとを備えた装置での投影制御方法であって、
装置の起動時、上記半導体発光素子への電力の供給を停止した状態で、上記回転ホイールの回転と、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力とを開始した後、起動状況に関する所定の条件に基づいて上記半導体発光素子への電力の供給を開始させる制御工程を有することを特徴とする投影制御方法。
[請求項5]
半導体発光素子と、上記半導体発光素子の発する光により、複数色の光を時分割で出射する回転ホイールとを備えた装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、
装置の起動時、上記半導体発光素子への電力の供給を停止した状態で、上記回転ホイールの回転と、上記半導体発光素子への点灯タイミングを指示する信号の出力とを開始した後、起動状況に関する所定の条件に基づいて上記半導体発光素子への電力の供給を開始させる制御部として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0046】
10…プロジェクタ装置、
11,12…入力端子、
13…入力部、
14…メインマイコン、
15…サブマイコン、
16…電源キー、
17…冷却ファン、
18…光源部、
19,20…ドライバIC、
21…マイクロミラー素子、
22…(B光用)LD、
23…蛍光体ホイール、
24…マーカセンサ、
25…(R光用)LED、
26…投影レンズ系。
図1
図2
図3
図4
図5