(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、
図1〜
図5を参照して、この発明を腕時計に適用した第1実施形態について説明する。
この腕時計は、
図1および
図2に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、本体ケース2と第1外装ケース3と第2外装ケース4とによって構成されている。本体ケース2は、硬質の合成樹脂からなり、その内部に補強用の金属部材2aが埋め込められた構成になっている。
【0011】
第1外装ケース3は、
図1〜
図3に示すように、軟質の合成樹脂からなり、本体ケース2の外周に、これを覆って取り付けられるように構成されている。第2外装ケース4は、軟質の合成樹脂からなり、本体ケース2の上部外周および第1外装ケース3の上部外周に、これらを覆って取り付けられるように構成されている。
【0012】
腕時計ケース1の上部開口部、つまり本体ケース2の上部開口部には、
図2に示すように、時計ガラス5がパッキン5aを介して取り付けられている。この場合、時計ガラス5の上面における外周縁は、第2外装ケース4によって覆われている。また、この腕時計ケース1の下部、つまり本体ケース2の下部には、裏蓋6が防水リング6aを介して取り付けられている。
【0013】
この腕時計ケース1の内部、つまり本体ケース2の内部には、
図2に示すように、時計モジュール7が配置されている。時計モジュール7は、指針を駆動するための時計ムーブメントや、時刻などの情報を電気光学的に表示する表示パネルなど、時計機能に必要な各種の部品(いずれも図示せず)を備えている。
【0014】
この場合、時計モジュール7と時計ガラス5との間には、
図2に示すように、リング状の見切り部材8が設けられている。この見切り部材8は、その上面が外周側から内周側に向けて傾斜する傾斜面に形成され、この傾斜面に時字(図示せず)が円周方向に沿って等間隔で設けられた構成になっている。また、この見切り部材8と時計モジュール7との間には、その上方を指針が運針する第1文字板9と第2文字板10とが上下に重なった状態で配置されている。
【0015】
ところで、腕時計ケース1の12時側と6時側との各側部には、
図1に示すように、バンド取付部11がそれぞれ外部に突出して設けられている。また、この腕時計ケース1の3時側の側部には、スイッチ装置12が設けられており、この腕時計ケース1の2時側、4時側、8時側、および10時側の各側部には、押釦スイッチ13がそれぞれ設けられている。
【0016】
スイッチ装置12は、
図2および
図3に示すように、腕時計ケース1の本体ケース2に設けられた貫通孔14に嵌め込まれた筒状部材15と、この筒状部材15にスライド可能に挿入されて腕時計ケース1の外部に突出する操作部材16と、を備えている。この場合、貫通孔14は、本体ケース2の内部側に小径孔部14aが形成され、外部側に大径孔部14bが形成された構成になっている。
【0017】
この大径孔部14bの外端部には、
図2および
図3に示すように、座ぐり部14cが形成されている。この場合、貫通孔の大径孔部14bは、その軸方向の長さが小径孔部14aの軸方向の長さよりも長く、かつ座ぐり部14cの軸方向の長さよりも長く形成されている。
【0018】
筒状部材15は、
図2〜
図4に示すように、本体ケース2の貫通孔14内に配置される第1筒部17と、本体ケース2の外部に配置されて第1外装ケース3から腕時計ケース1の外部に突出する第2筒部18と、を有し、これらが金属や硬質の合成樹脂で一体に形成されている。第1筒部17は、本体ケース2の貫通孔14の小径孔部14aに挿入する小径筒部17aと、本体ケース2の貫通孔14の大径孔部14bに挿入する大径筒部17bと、を有している。
【0019】
この場合、小径筒部17aは、
図2に示すように、その軸方向の長さが貫通孔14の小径孔部14aの軸方向の長さよりも長く形成され、その内端部が本体ケース2内に突出するように構成されている。また、本体ケース2内に突出する小径筒部17aの内端部には、Eリングなどの抜止め部材19が取り付けられている。これにより、小径筒部17aは、抜止め部材19が本体ケース2の内周面に当接することにより、筒状部材15が本体ケース2の外部に抜け出さないように構成されている。
【0020】
また、大径筒部17bは、
図2に示すように、その軸方向の長さが貫通孔14の大径孔部14bの軸方向の長さと同じ長さに形成されている。これにより、大径筒部17bは、貫通孔14の大径孔部14b内に嵌着するように構成されている。また、この大径筒部17bの外周面には、貫通孔14の大径孔部14bの内周面に圧接する複数の防水パッキン20がそれぞれ環状に設けられている。この大径筒部17bと小径筒部17aとの内部には、軸挿入孔17cが軸方向に貫通して設けられている。
【0021】
一方、第2筒部18は、
図2および
図3に示すように、その外径が貫通孔14の座ぐり部14cの内径とほぼ同じ大きさで、第2筒部18の内径が貫通孔14の大径孔部14bよりも大きく形成されている。この第2筒部18は、その軸方向の長さが第1筒部17の軸方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。
【0022】
これにより、第2筒部18は、
図2〜
図4に示すように、本体ケース2側に位置する内端部が貫通孔14の座ぐり部14c内に配置された状態で、外端部が本体ケース2から第1外装ケース3の外部に突出するように構成されている。この場合、第2筒部18は、その内径が筒状部材15の大径筒部17bの外径よりも大きく形成されている。
【0023】
このため、第2筒部18は、
図2および
図3に示すように、本体ケース2側に位置する第2筒部18の内端部と第1筒部17の大径筒部17bの外端部とが連結部21によって連結された構成になっている。これにより、第2筒部18は、本体ケース2側に位置する内端部が貫通孔14の座ぐり部14c内に配置された際に、連結部21の外面が座ぐり部14cの内面に当接するように構成されている。
【0024】
これにより、筒状部材15は、
図2および
図3に示すように、第1筒部17の大径筒部17bが本体ケース2の貫通孔14の大径孔部14bに嵌着された状態で、第1筒部17の小径筒部17aの内端部に取り付けられた抜止め部材19が本体ケース2の内周面に当接し、かつ第2筒部18の連結部21の外面が貫通孔14の座ぐり部14cの内面に当接して配置されることにより、本体ケース2の貫通孔14内にその軸方向にガタツクことなく取り付けられるように構成されている。
【0025】
一方、操作部材16は、
図2および
図3に示すように、本体ケース2の貫通孔14に嵌め込まれた筒状部材15の第1筒部17の軸挿入孔17cにスライド可能に挿入される軸部22と、この軸部22の外端部に設けられて筒状部材15の第2筒部18内にスライド可能に配置される頭部23と、を有している。
【0026】
軸部22は、
図2および
図3に示すように、その外径が第1筒部17の軸挿入孔17cの内径とほぼ同じ大きさで、軸方向の長さが第1筒部17の軸方向の長さよりも長く形成されている。これにより、軸部22は、第1筒部17の軸挿入孔17cに挿入された際に、その内端部が本体ケース2の内部に突出し、外端部が筒状部材15の第2筒部18内に突出するように構成されている。
【0027】
この場合、本体ケース2の内部に突出した軸部22の内端部には、
図2および
図3に示すように、Eリングなどの抜止め部材24が取り付けられている。これにより、軸部22は、抜止め部材24が本体ケース2内に突出した第1筒部17の小径筒部17aの内端部に当接することにより、本体ケース2の外部に抜け出さないように構成されている。
【0028】
また、この軸部22は、
図2および
図3に示すように、その内端部が本体ケース2内の時計モジュール7に設けられたスイッチ接点部7aに接離可能に対応するように構成されている。これにより、軸部22は、頭部23の押圧操作に応じて内端部が本体ケース2内に突出してスイッチ接点部7aを押圧することにより、スイッチ接点部7aをスイッチ動作させるように構成されている。
【0029】
さらに、軸部22の外周には、
図2および
図3に示すように、複数の防水リング25が環状に設けられている。これら複数の防水リング25は、第1筒部17の軸挿入孔17cの内周面に摺動可能に圧接し、この状態で軸部22のスライド動作に伴って第1筒部17の軸挿入孔17cの内周面に沿って摺動するように構成されている。
【0030】
また、筒状部材15の第2筒部18内に突出した軸部22の外端部には、
図2および
図3に示すように、頭部23が一体に設けられている。この頭部23は、全体がほぼ円筒状に形成され、筒状部材15の第2筒部18内にスライド可能に配置されるように構成されている。すなわち、この頭部23は、その外径が筒状部材15の第2筒部18の内径と同じ大きさで、頭部23の内径が第1筒部17の大径筒部17bの外径と同じか、それよりも少し大きく形成されている。
【0031】
また、この頭部23は、
図2および
図3に示すように、その軸方向の長さが筒状部材15の第2筒部18の軸方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。これにより、頭部23は、軸部22の抜止め部材24が第1筒部17の小径筒部17aの内端部に当接した際に、頭部23の内端面が第2筒部18の連結部21から離れ、頭部23の外端部が筒状部材15の第2筒部18から腕時計ケース1の外部に突出した状態で、筒状部材15の第2筒部18内にその軸方向に沿ってスライド可能に配置されるように構成されている。
【0032】
この場合、頭部23の外周面には、
図2および
図3に示すように、複数の防水部材26が環状に設けられている。これら複数の防水部材26は、それぞれリング状に形成され、筒状部材15の第2筒部18の内周面に摺動可能に圧接し、この状態で頭部23のスライド動作に伴って筒状部材15の第2筒部18の内周面に沿って摺動するように構成されている。
【0033】
また、この頭部23内には、
図2に示すように、コイルばね27が軸部22の外周に沿って配置されている。すなわち、このコイルばね27は、その一端部が筒状部材15の大径筒部17bの外端部に弾接し、他端部が頭部23の内端面に弾接し、この状態で頭部23を本体ケース2の外部に向けて押し出す方向に付勢するように構成されている。
【0034】
ところで、このスイッチ装置12は、
図2〜
図5に示すように、筒状部材15の連結部21に設けられた複数の通気孔28、および本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の隙間Sを通して、第2筒部18内の空気と腕時計ケース1の外部の空気とを通気させる通気路30を備えている。複数の通気孔28は、第1筒部17と第2筒部18との境界部に設けられた連結部21に第2筒部18の内外に貫通して設けられている。
【0035】
また、本体ケース2の外面と筒状部材15の外面とは、表面加工によって微細な凹凸が設けられている。すなわち、この表面加工は、ヘアライン加工や梨地加工であり、本体ケース2の外面と筒状部材15の外面とに微細なラインや微細な凹凸を形成する。これにより、本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間には、
図5に示すように、表面加工による微細な凹凸によって空気が流通する僅かな隙間Sが形成されている。
【0036】
これにより、通気路30は、
図2および
図5に示すように、操作部材16の頭部23が本体ケース2内に向けて押し込まれる際に、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気が、連結部21の複数の通気孔28から本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sに送り込まれ、この送り込まれた空気が、本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sを通して腕時計ケース1の外部に排出されるように構成されている。
【0037】
また、この通気路30は、
図2および
図5に示すように、操作部材16の頭部23がコイルばね27のばね力によって本体ケース2の外部に向けて押し出される際に、腕時計ケース1の外部の空気が、本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sに送り込まれ、この僅かな隙間Sを通って連結部21の複数の通気孔28に送られ、これら複数の通気孔28から筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内に送り込まれるように構成されている。
【0038】
次に、このような腕時計におけるスイッチ装置12の作用について説明する。
このスイッチ装置12は、通常の状態で、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23との内部に配置されたコイルばね27のばね力によって、頭部23が腕時計ケース1の外部に向けて押し出されている。
【0039】
この状態では、本体ケース2の内部に突出している操作部材16の軸部22における内端部に設けられた抜止め部材24が、本体ケース2内に突出した第1筒部17の小径筒部17aの内端部に当接し、この状態で操作部材16の頭部23の内端部が筒状部材15の第2筒部18の連結部21から離れた状態で、頭部23の外端部が第2筒部18から腕時計ケース1の外部に突出している。
【0040】
これにより、操作部材16の軸部22の内端部が、時計モジュール7に設けられたスイッチ接点部7aから離れ、スイッチ接点部7aがオフ状態になっている。この状態で、操作部材16の頭部23をコイルばね27のばね力に抗して押圧操作すると、操作部材16の軸部22が筒状部材15の第1筒部17の軸挿入孔17c内を本体ケース2内に向けてスライドする。
【0041】
このときには、軸部22の外周面に設けられた複数の防水リング25が第1筒部17の軸挿入孔17cの内周面に圧接した状態で摺動する。同様に、頭部23の外周面に設けられた複数の防水部材26が筒状部材15の第2筒部18の内周面に圧接した状態で摺動する。このため、防水部材26によって頭部23の外周面と第2筒部18の内周面との間から第2筒部18内に、腕時計ケース1の外部の水や泥などの異物が、浸入することがなく、第2筒部18内の防水性および気密性が図られる。
【0042】
また、このときには、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気が、本体ケース2側に向けてスライドする頭部23のスライドに応じて徐々に圧縮されて空気圧が高くなる。この圧縮された空気は、通気路30を通して腕時計ケース1の外部に排出される。
【0043】
すなわち、圧縮された空気は、連結部21の複数の通気孔28から本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sに送り込まれ、この送り込まれた空気は、本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sを通して、腕時計ケース1の外部に排出される。このため、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気圧は、頭部23がスライド動作しても、腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保たれる。
【0044】
これにより、操作部材16の頭部23を押圧操作した際に、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気が圧縮されても、操作部材16を円滑にかつ良好にスライドさせることができる。このときには、操作部材16のスライドに伴って軸部22の内端部が本体ケース2内に押し込まれ、この軸部22の内端部によって時計モジュール7のスイッチ接点部7aが押されてオン動作する。
【0045】
一方、スイッチ接点部7aが押されてオン動作した後は、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23との内部に配置されたコイルばね27のばね力によって、頭部23が腕時計ケース1の外部に向けて押し出される。このときにも、操作部材16の軸部22が、筒状部材15の第1筒部17の軸挿入孔17c内を、腕時計ケース1の外部に向けてスライドする。このときには、軸部22の外周面に設けられた複数の防水リング25が第1筒部17の軸挿入孔17cの内周面に圧接した状態で摺動する。
【0046】
また、このときにも、頭部23の外周面に設けられた複数の防水部材26が筒状部材15の第2筒部18の内周面に圧接した状態で摺動する。これにより、防水部材26によって頭部23の外周面と第2筒部18の内周面との間から第2筒部18内に、腕時計ケース1の外部の水や泥などの異物が浸入することがなく、第2筒部18内の防水性および気密性が図られる。
【0047】
このときには、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気が、腕時計ケース1の外部に向けてスライドする頭部23のスライドに応じて徐々に膨張して、空気圧が下がる。このように空気圧が徐々に下がる際には、腕時計ケース1の外部の空気が通気路30を通して筒状部材15の第2筒部18に送り込まれる。
【0048】
すなわち、腕時計ケース1の外部の空気が、本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sに送り込まれ、この僅かな隙間Sを通って連結部21の複数の通気孔28に送られ、これら複数の通気孔28から筒状部材15の第2筒部18内に送り込まれる。これにより、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気圧は、頭部23がスライド動作しても、腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保たれる。
【0049】
このため、コイルばね27のばね力によって操作部材16が元の位置に戻る際に、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気が膨張して空気圧が下っても、操作部材16を円滑にかつ良好にスライドさせることができる。このときには、操作部材16のスライドに伴って軸部22の内端部が時計モジュール7のスイッチ接点部7aから離れ、スイッチ接点部7aがオフ状態になる。
【0050】
このように、この腕時計のスイッチ装置12によれば、本体ケース2の貫通孔14内に配置される第1筒部17、および本体ケース2の外部に配置される第2筒部18を有する筒状部材15と、第1筒部17に挿入された軸部22、および第2筒部18内に配置された頭部23を有する操作部材16と、第2筒部18の内周面と頭部23の外周面との間に設けられた防水部材26と、筒状部材15の連結部21に設けられた通気孔28および筒状部材15の外面と本体ケース2の外面との間の隙間Sを通して、第2筒部18内の空気と本体ケース2の外部の空気とを通気させる通気路30と、を備えているので、防水性を確保し、かつ操作性の向上を図ることができる。
【0051】
すなわち、この腕時計のスイッチ装置12では、防水部材26によって筒状部材15の第2筒部18の内周面と操作部材16の頭部23の外周面との間の防水性および気密性を確保することができる共に、通気路30によって第2筒部18内の空気と本体ケース2の外部の空気とを通気させることができるので、頭部23と第2筒部18とで囲われた第2筒部18内の空気圧を腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保つことができ、このため防水部材26によって防水性および気密性を確保しても、操作部材16の操作性を向上させることができる。
【0052】
この場合、空気が流れる箇所に位置する筒状部材15の外面、つまり筒状部材15の連結部21および第2筒部18の各外面と、これに対応する本体ケース2の外面とは、表面加工によって微細な凹凸が設けられていることにより、この微細な凹凸によって筒状部材15の外面と本体ケース2の外面との間に僅かな隙間Sを形成することができる。このため、この僅かな隙間Sを通して空気を通気させることができる。
【0053】
この場合、筒状部材15の外面と本体ケース2の外面との間の隙間Sは、表面加工による微細な凹凸によって僅かな隙間に形成されているので、空気を通すことができても
、泥などの異物を通すことがないので
、防塵性を確保することができる。
【0054】
これにより、このスイッチ装置12では、操作部材16の頭部23を押圧操作する際に、第2筒部18内の空気が頭部23によって圧縮されても、この圧縮された空気を、連結部21の複数の通気孔28から本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sに送り込み、この僅かな隙間Sを通して腕時計ケース1の外部に排出することができる。
【0055】
このため、このスイッチ装置12では、操作部材16の頭部23を押圧操作する際に、頭部23がスライド動作しても、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気圧を、腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保つことができるので、操作部材16を円滑にかつ良好にスライドさせることができる。
【0056】
また、このスイッチ装置12では、操作部材16が腕時計ケース1の外部に向けて押し出される際に、第2筒部18内の空気が頭部23のスライド動作に伴って膨張して空気圧が下っても、腕時計ケース1の外部の空気を本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sに取り込み、この僅かな隙間Sを通って連結部21の複数の通気孔28から第2筒部18内に送り込むことができる。
【0057】
このため、このスイッチ装置12では、操作部材16が腕時計ケース1の外部に向けて押し出される際に、頭部23がスライド動作しても、筒状部材15の第2筒部18と操作部材16の頭部23とで囲われた領域である第2筒部18内の空気圧を、腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保つことができるので、操作部材16を円滑にかつ良好にスライドさせることができる。
【0058】
また、このスイッチ装置12では、本体ケース2の内部側に位置する筒状部材15の第1筒部17の内端部が本体ケース2の内部に突出し、この突出した部分に抜止め部材19が取り付けられているので、この抜止め部材19を本体ケース2の内周面に当接させることができる。これにより、筒状部材15が本体ケース2の貫通孔14から本体ケース2の外部に抜け出すのを阻止することができるので、筒状部材15を本体ケース2の貫通孔14に確実に取り付けることができる。
【0059】
この場合、筒状部材15の第1筒部17の外周面と本体ケース2の貫通孔14の内周面との間には、防水パッキン20が設けられていることにより、この防水パッキン20によって第1筒部17の外周面と本体ケース2の貫通孔14の内周面との間の防水性および気密性を確保することができ、これにより第1筒部17の外周面と本体ケース2の貫通孔14の内周面との間から本体ケース2内に水や空気が浸入するのを確実に防ぐことができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、
図6および
図7を参照して、この発明を腕時計に適用した第2実施形態について説明する。なお、
図1〜
図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、
図6に示すように、スイッチ装置40が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
【0061】
このスイッチ装置40は、
図6に示すように、腕時計ケース1の本体ケース2に設けられた貫通孔41に嵌め込まれた筒状部材42と、この筒状部材42にスライド可能に挿入されて腕時計ケース1の外部に突出する操作部材43と、を備えている。この場合、貫通孔41は、本体ケース2の内部側に位置する小径孔部41aと、本体ケース2の外部側に位置する大径孔部41bとを有している。小径孔部41aは、その軸方向の長さが大径孔部41bの軸方向の長さよりも長く形成されている。
【0062】
また、筒状部材42は、
図6に示すように、貫通孔41の大径孔部41bに配置される小径の第1筒部44と、本体ケース2の外面から第1外装ケース3の外部に突出する大径の第2筒部45とを有している。第1筒部44は、防水パッキン46を介して貫通孔41の大径孔部41bに圧入によって嵌め込まれるように構成されている。
【0063】
すなわち、この第1筒部44は、
図6に示すように、その外径が貫通孔41の大径孔部41bの内径よりも小さく形成され、かつ軸方向の長さが大径孔部41bの軸方向の長さと同じ長さに形成されている。また、この第1筒部44は、その内径が貫通孔41の小径孔部41aの内径とほぼ同じ大きさに形成されている。これにより、第1筒部44は、その外周に防水パッキン46が配置され、この状態で大径孔部41b内に圧入によって嵌着されて固定されている。
【0064】
第2筒部45は、第1実施形態と同様、その外径が貫通孔41の大径孔部41bの内径よりも大きく、かつ内径も貫通孔41の大径孔部41bの内径よりも大きく形成されている。この第2筒部45は、その軸方向の長さが第1筒部44の軸方向の長さよりも長く形成されている。これにより、第2筒部45は、本体ケース2側に位置する内端面が本体ケース2の外面に接近した状態で、外端部が第1外装ケース3の外部に突出するように構成されている。
【0065】
この場合、第2筒部45は、
図6に示すように、本体ケース2側に位置する内端部と第1筒部44の外端部とが連結部47によって連結された構成になっている。これにより、筒状部材42は、第1筒部44が貫通孔41の大径孔部41bに防水パッキン46を介して嵌着された際に、第2筒部45の連結部47が大径孔部41bの内面に接近した状態で、外端部が第1外装ケース3の外部に突出するように構成されている。
【0066】
一方、操作部材43は、
図6に示すように、本体ケース2の貫通孔41に取り付けられた筒状部材42の第1筒部44の内部と貫通孔41の小径孔部41a内とにスライド可能に挿入される軸部48と、この軸部48の外端部に設けられて筒状部材42の第2筒部45内にスライド可能に配置される頭部49と、を有している。
【0067】
軸部48は、
図6に示すように、その内端部が本体ケース2の内部に突出し、外端部が筒状部材42の第2筒部45内に突出するように構成されている。この場合、本体ケース2の内部に突出した軸部48の内端部には、第1実施形態と同様、Eリングなどの抜止め部材24が取り付けられている。これにより、軸部48は、抜止め部材24が本体ケース2内の内周面に当接することにより、本体ケース2の外部に抜け出さないように構成されている。
【0068】
また、この軸部48の内端部は、
図6に示すように、本体ケース2内の時計モジュール7に設けられたスイッチ接点部7aに接離可能に対応している。この場合にも、軸部48の外周には、第1実施形態と同様、複数の防水リング25が環状に設けられている。さらに、この軸部48の外端部には、頭部49が一体に設けられている。
【0069】
頭部49は、
図6に示すように、全体がほぼ円板状に形成され、筒状部材42の第2筒部45内にスライド可能に配置されるように構成されている。すなわち、この頭部49は、その外径が第2筒部45の内径と同じ大きさで、その軸方向の長さが筒状部材42の第2筒部45の軸方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。
【0070】
これにより、頭部49は、
図6に示すように、軸部48の抜止め部材24が本体ケース2の内周面に当接した際に、頭部49の内端面が第2筒部45の連結部47から離れ、頭部49の外端部が筒状部材42の第2筒部45から腕時計ケース1の外部に突出した状態で、筒状部材42の第2筒部45内にその軸方向に沿ってスライド可能に配置されている。
【0071】
この場合にも、頭部49の外周面には、
図6に示すように、防水部材50が環状に設けられている。この防水部材50は、第1実施形態と同様、それぞれリング状に形成され、筒状部材42の第2筒部45の内周面に摺動可能に圧接し、この状態で頭部49のスライド動作に伴って筒状部材42の第2筒部45の内周面に沿って摺動するように構成されている。
【0072】
また、この頭部49の内部側には、
図6に示すように、コイルばね51が軸部48の外周に沿って配置されている。すなわち、このコイルばね51は、その一端部が筒状部材42の第1筒部44の外端部に弾接し、他端部が頭部49の内端面に弾接し、この状態で頭部49を本体ケース2の外部に向けて押し出す方向に付勢するように構成されている。
【0073】
ところで、このスイッチ装置40は、
図6および
図7に示すように、筒状部材42の連結部47に設けられた複数の通気孔52、および本体ケース2の外面と筒状部材42の外面との間に設けられた通気フィルタ53を通して、第2筒部45内の空気と腕時計ケース1の外部の空気とを通気させる通気路54を備えている。
【0074】
複数の通気孔52は、第1実施形態と同様、第1筒部44と第2筒部45との境界部に設けられた連結部47に第2筒部45の内外に貫通して設けられている。通気フィルタ53は、
空気や水などの気体と液体を通過し、泥などの異物を通過させない構成になっている。この通気フィルタ53は、
図7に示すように、筒状部材42の外面、つまり第2筒部45の連結部47の外面とこれに対応する本体ケース2の外面との間に設けられている。
【0075】
これにより、通気路54は、
図6および
図7に示すように、操作部材43の頭部49が本体ケース2内に向けて押し込まれる際に、筒状部材42の第2筒部45と操作部材43の頭部49とで囲われた領域である第2筒部45内の空気が、連結部47の複数の通気孔52から本体ケース2の外面と筒状部材42の外面との間の通気フィルタ53に送り込まれ、この送り込まれた空気が、通気フィルタ53を通して腕時計ケース1の外部に排出されるように構成されている。
【0076】
また、この通気路54は、
図6および
図7に示すように、操作部材43の頭部49が本体ケース2の外部に向けて押し出される際に、腕時計ケース1の外部の空気が、本体ケース2の外面と筒状部材42の外面との間の通気フィルタ53に送り込まれ、この通気フィルタ53を通って連結部47の複数の通気孔52に送られ、これら複数の通気孔52から第2筒部45と頭部49とで囲われた領域である第2筒部45内に送り込まれるように構成されている。
【0077】
また、本体ケース2の下部には、
図6および
図7に示すように、補助通気孔55が設けられている。この補助通気孔55は、その一端部である内端部が通気フィルタ53に対面し、他端部である外端部が裏蓋6の外周面に対面した状態で、本体ケース2の下部に設けられている。
【0078】
この補助通気孔55は、
図6および
図7に示すように、第2筒部45内の空気が通気孔52から通気フィルタ53を通して腕時計ケース1の外部に排出される際に、一部の空気を裏蓋6の外周面側に導いて、裏蓋6の外周面側から腕時計ケース1の外部に排出するように構成されている。
【0079】
また、この補助通気孔55は、
図6および
図7に示すように、腕時計ケース1の外部の空気を通気フィルタ53に取り込む際に、一部の空気を裏蓋6の外周面側からも取り込み、この取り込んだ空気を通気フィルタ53に送り込み、この送り込まれた空気を通気孔52から第2筒部45内に送り込むように構成されている。
【0080】
このような腕時計のスイッチ装置40によれば、第2筒部45の内周面と頭部49の外周面との間に設けられた防水部材50と、筒状部材42の連結部47に設けられた通気孔52および筒状部材42の外面と本体ケース2の外面との間に設けられた通気フィルタ53を通して、第2筒部45内の空気と本体ケース2の外部の空気とを通気させる通気路54と、を備えているので、第1実施形態と同様、防水性を確保し、かつ操作性の向上を図ることができる。
【0081】
すなわち、この第2実施形態のスイッチ装置40においても、防水部材50によって筒状部材42の第2筒部45の内周面と操作部材43の頭部49の外周面との間の防水性および気密性を確保することができる共に、通気路54によって第2筒部45内の空気と本体ケース2の外部の空気とを通気させることができるので、頭部49と第2筒部45とで囲われた領域である第2筒部45内の空気圧を腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保つことができ、このため防水部材50によって防水性および気密性を確保しても、操作部材43の操作性を向上させることができる。
【0082】
この場合、空気が流れる箇所に位置する筒状部材42の外面、つまり筒状部材42の連結部47の外面とこれに対応する本体ケース2の外面との間には、空気が流通する通気フィルタ53が設けられていることにより、この通気フィルタ53によって空気を通気させることができ
、泥などの異物を通すことがないので
、防塵性を確保することができる。
【0083】
これにより、このスイッチ装置40では、操作部材43の頭部49を押圧操作する際に、第2筒部45内の空気が頭部49によって圧縮されても、この圧縮された空気を、連結部47の複数の通気孔52から本体ケース2の外面と筒状部材42の外面との間の通気フィルタ53に送り込み、この通気フィルタ53を通して腕時計ケース1の外部に排出することができる。
【0084】
このため、このスイッチ装置40においても、第1実施形態と同様、操作部材43の頭部49を押圧操作する際に、頭部49がスライド動作しても、筒状部材42の第2筒部45と操作部材43の頭部49とで囲われた領域である第2筒部45内の空気圧を、腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保つことができるので、操作部材43を円滑にかつ良好にスライドさせることができる。
【0085】
また、このスイッチ装置40では、操作部材43が腕時計ケース1の外部に向けて押し出される際に、第2筒部45内の空気が頭部49のスライド動作に伴って膨張して空気圧が下っても、腕時計ケース1の外部の空気を本体ケース2の外面と筒状部材42の外面との間の通気フィルタ53に取り込み、この通気フィルタ53を通って連結部47の複数の通気孔52から第2筒部45内に送り込むことができる。
【0086】
このため、このスイッチ装置40においても、第1実施形態と同様、操作部材43が腕時計ケース1の外部に向けて押し出される際に、頭部49がスライド動作しても、筒状部材42の第2筒部45と操作部材43の頭部49とで囲われた領域内である第2筒部45内の空気圧を、腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保つことができるので、操作部材43を円滑にかつ良好にスライドさせることができる。
【0087】
また、このスイッチ装置40では、筒状部材42の第2筒部45内に仮に水などの液体が浸入しても、その浸入した水などの液体を通気フィルタ53の毛細管現象によって腕時計ケース1の外部に排出することができる。このため、筒状部材42の第2筒部45内に水などの液体が溜まることがないので、防錆効果があるほか、操作部材43の操作性を確保することができ、これにより操作部材43を良好にかつ円滑に操作させることができる。
【0088】
さらに、このスイッチ装置40では、本体ケース2の下部に、一端部である内端部が通気フィルタ53に対面し、他端部である外端部が裏蓋6の外周面に対面する補助通気孔55が設けられているので、この補助通気孔55を通して第2筒部45内の空気の一部を腕時計ケース1の外部に排出でき、また腕時計ケース1の外部の空気の一部を第2筒部45内に送り込むことができ、これにより第2筒部45内の空気圧を腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じに保ち、操作部材43の操作性の向上を図ることができる。
【0089】
すなわち、このスイッチ装置40では、操作部材43の頭部49を押圧操作して、第2筒部45内の空気を、連結部47の複数の通気孔52から本体ケース2の外面と筒状部材42の外面との間の通気フィルタ53に送り込み、この通気フィルタ53を通して腕時計ケース1の外部に排出する際に、一部の空気を裏蓋6の外周面側に導いて、裏蓋6の外周面側から腕時計ケース1の外部に排出することができる。
【0090】
このため、このスイッチ装置40では、操作部材43の頭部49を押圧操作する際に、第2筒部45内の空気を、第1実施形態の場合よりも、速やかに排出することができるので、頭部49がスライド動作しても、筒状部材42の第2筒部45と操作部材43の頭部49とで囲われた領域である第2筒部45内の空気圧を、速やかに腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じ状態にすることができるので、より一層、操作部材43を円滑にかつ良好にスライドさせることができる。
【0091】
また、このスイッチ装置40では、操作部材43が腕時計ケース1の外部に向けて押し出されて、腕時計ケース1の外部の空気を本体ケース2の外面と筒状部材42の外面との間の通気フィルタ53に取り込み、この通気フィルタ53を通って連結部47の複数の通気孔52から第2筒部45内に送り込む際に、一部の空気を裏蓋6の外周面側から取り込み、この取り込んだ空気を通気孔52から第2筒部45内に送り込むことができる。
【0092】
このため、このスイッチ装置40では、操作部材43が腕時計ケース1の外部に向けて押し出される際に、腕時計ケース1の外部の空気を、第1実施形態の場合よりも、速やかに第2筒部45内に送り込むことができるので、頭部49がスライド動作しても、筒状部材42の第2筒部45と操作部材43の頭部49とで囲われた領域である第2筒部45内の空気圧を、速やかに腕時計ケース1の外部の気圧とほぼ同じ状態にすることができるので、より一層、操作部材43を円滑にかつ良好にスライドさせることができる。
【0093】
さらに、このスイッチ装置40では、筒状部材42の第1筒部44が、その外周面と本体ケース2の貫通孔41の内周面との間に防水パッキン46を介して圧入により貫通孔41に嵌着されて固定されているので、第1実施形態の筒状部材15よりも、少ない部品点数で、簡単にかつ容易に取り付けることができる。
【0094】
すなわち、筒状部材42は、第1筒部44の外周面と本体ケース2の貫通孔41の大径孔部41bの内周面との間に防水パッキン46を配置し、この状態で第1筒部44を貫通孔41の大径孔部41bに圧入により嵌着するだけで、簡単にかつ確実に取り付けることができる。
【0095】
なお、上述した第2実施形態では、筒状部材42の第1筒部44を貫通孔41の大径孔部41bに防水パッキン46を介して圧入によって嵌着させた構成である場合について述べたが、これに限らず、第1実施形態と同じ構成であっても良い。また、通気フィルタ53は、第1実施形態における本体ケース2の外面と筒状部材15の外面との間の僅かな隙間Sに配置した構成であっても良い。
【0096】
また、上述した第2実施形態では、本体ケース2の下部に補助通気孔55を設けた場合について述べたが、必ずしも補助通気孔55を設ける必要はない。
【0097】
また、上述した第1、第2の各実施形態およびその各変形例のスイッチ装置の構成は、腕時計に設けられた各押釦スイッチ13を含む全てのスイッチに適用しても良く、一部のスイッチに適用しても良い。
【0098】
さらに、上述した第1、第2の各実施形態およびその各変形例では、腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、必ずしも時計に限らず、例えば携帯電話機や携帯情報端末機などの電子機器にも広く適用することができる。
【0099】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0100】
(付記)
請求項1に記載の発明は、貫通孔を有するケースと、前記ケースの前記貫通孔内に配置される小径の第1筒部、および前記ケースの外部に配置される大径の第2筒部を有する筒状部材と、前記第1筒部内にスライド可能に挿入された軸部、および前記第2筒部内にスライド可能に配置された頭部を有する操作部材と、前記第2筒部の内周面と前記頭部の外周面との間に設けられた防水部材と、前記筒状部材に設けられた通気孔および前記筒状部材の外面と前記ケースの外面との間を通して、前記第2筒部内の空気と前記ケースの外部の空気とを通気させる通気路と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0101】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ装置において、前記空気が流れる箇所に位置する前記筒状部材の外面と前記ケースの外面とは、表面加工によって微細な凹凸が設けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0102】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のスイッチ装置において、前記空気が流れる箇所に位置する前記筒状部材の外面と前記ケースの外面との間には、空気が流通する通気フィルタが設けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0103】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記筒状部材の前記第1筒部は、前記ケースの内部側に位置する内端部が前記ケースの内部に突出し、この突出した部分に抜止め部材が取り付けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0104】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記筒状部材の前記第1筒部の外周面と前記ケースの前記貫通孔の内周面との間には、防水パッキンが設けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0105】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記筒状部材の前記第1筒部は、その外周面と前記ケースの前記貫通孔の内周面との間に防水パッキンを介して圧入により前記貫通孔に嵌着されて固定されていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0106】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載されたスイッチ装置を備えていることを特徴とする時計である。