特許第6115772号(P6115772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6115772
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】情報コードおよび情報コード読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/14 20060101AFI20170410BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20170410BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   G06K7/14 017
   G06K7/12
   G06K19/06 037
   G06K19/06 140
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-123641(P2013-123641)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2014-26643(P2014-26643A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2016年2月4日
(31)【優先権主張番号】特願2012-139006(P2012-139006)
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】森本 敏生
(72)【発明者】
【氏名】内田 実
【審査官】 梅沢 俊
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02458527(EP,A1)
【文献】 特開2004−309885(JP,A)
【文献】 特開2011−025503(JP,A)
【文献】 仏国特許発明第2682790(FR,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/14
G06K 7/12
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長帯の光と波長の異なる第2波長帯の光とのいずれか一方の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとがコード領域内に複数配列される情報コードであって、
複数の前記明色モジュールのうちの少なくとも一部は、前記第2波長帯の光を透過させ、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部により覆われ
当該情報コードをデコードすることで得られる情報には、前記コード領域を基準として前記被覆部の位置を特定するための位置特定情報が含まれることを特徴とする情報コード。
【請求項2】
前記コード領域内には、位置を特定するための位置検出領域が配置され、
前記被覆部は、前記位置検出領域を除くように配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項3】
前記被覆部は、前記位置検出領域よりも狭くなるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の情報コード。
【請求項4】
前記被覆部は、形状、模様や色彩を変化させた任意の図形から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報コード。
【請求項5】
前記位置特定情報は、所定の暗号化方式に基づいて暗号化されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報コード。
【請求項6】
前記被覆部の少なくとも一部は、前記コード領域の周囲のマージン領域に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報コード。
【請求項7】
当該情報コードをデコードすることで得られる情報には、前記コード領域に対して許容される前記被覆部の位置ずれ量が含まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報コード。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光の双方を照射可能な照明手段と、
前記情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された前記コード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読する解読手段と、
前記第1波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像と、前記第2波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像との差分を検出する差分検出手段と、
前記差分検出手段により検出された前記差分に基づいて前記被覆部の有無を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする情報コード読取装置
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
前記第1波長帯の光は可視光であり、
前記第2波長帯の光を照射可能な照明手段と、
前記情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された前記コード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読する解読手段と、
前記第1波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像と、前記第2波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像との差分を検出する差分検出手段と、
前記差分検出手段により検出された前記差分に基づいて前記被覆部の有無を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする情報コード読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コードおよび情報コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが様々な用途で使用されており、その使用目的も多様化しつつある。例えば、カメラ付き携帯電話やスマートフォンにて所定のアプリケーションを実行して情報コードを光学的に読み取ることで、その情報コードに応じた所定の情報を容易に取得する事ができる。これにより、情報コードを利用することで、ユーザに対して、食品のトレーサビリティ、ウェブサイトへの誘導や各種クーポン・チケットの発行などのサービスを容易に提供することができる。
【0003】
上述のような情報コードを利用したサービスを提供する技術として、下記特許文献1に示す広告サービス装置が知られている。この広告サービス装置では、広告主のインターネット上におけるアドレス情報やこれを指定するためのインデックス情報をエンコーディングしたコードイメージが、広告のために各種の商品や景品、広告等に付加または印刷して提供される。そして、消費者が上述のように提供されたコードイメージを光学装置の使用により獲得すると、コードイメージのコード情報がデコーディングされて抽出されこのコード情報に含まれたアドレス情報またはインデックス情報が取得される。アドレス情報が取得された場合には、このアドレス情報を用いた処理を実施することにより、消費者は、広告主が提供するサービスの利用が可能となる。また、インデックス情報が取得された場合には、インターネット上の所定のサーバコンピュータに接続して当該インデックス情報に応じたアドレス情報を取得してこのアドレス情報等を用いた処理を実施することにより、消費者は、広告主が提供するサービスの利用が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−273441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、単に印刷媒体などに表示された情報コードは、コピー機などにより誰でも容易に複製することができる。そのため、例えば、情報コードを読み取ることで入退場を管理するゲートなどでは、その情報コードの真贋判定ができない限り、不正目的で複製された不正コードを検出できず、不正コードを利用した不正使用を防止できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、容易に真贋判定可能な情報コードおよび情報コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1波長帯の光と波長の異なる第2波長帯の光とのいずれか一方の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとがコード領域(20,20c)内に複数配列される情報コード(10,10a〜10f)であって、複数の前記明色モジュールのうちの少なくとも一部は、前記第2波長帯の光を透過させ、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部(11,11a〜11g)により覆われ、当該情報コードをデコードすることで得られる情報には、前記コード領域を基準として前記被覆部の位置を特定するための位置特定情報が含まれることを特徴とする。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置(40)であって、前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光の双方を照射可能な照明手段(43,44)と、前記情報コードを撮像する撮像手段(42)と、前記撮像手段により撮像された前記コード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読する解読手段(41)と、前記第1波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像と、前記第2波長帯の光が照射された状態で前記撮像手段により撮像された前記情報コードの画像との差分を検出する差分検出手段(41)と、前記差分検出手段により検出された前記差分に基づいて前記被覆部の有無を判定する判定手段(41)と、を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、コード領域内に複数配列される複数の明色モジュールのうちの少なくとも一部は、第2波長帯の光を透過させ、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部により覆われている。
【0010】
これにより、上記情報コードを、第1波長帯の光が照射された状態で撮像したコード画像(以下、第1コード画像という)と、第2波長帯の光が照射された状態で撮像したコード画像(以下、第2コード画像という)とでは、重ね合わせた画像に差分が生じることとなる。そこで、真贋判定するための情報コードとして上記被覆部を有する情報コードを採用することで、上述のような差分が検出される情報コードを、上記被覆部を有する正規の情報コードと判定することができる。一方、上述のような差分が検出されない情報コードを、上記正規の情報コードと異なる情報コードと判定することができる。
したがって、上記被覆部を有する情報コードに関して、容易に真贋判定することができる。
特に、当該情報コードをデコードすることで得られる情報には、コード領域を基準として被覆部の位置を特定するための位置特定情報が含まれる。これにより、デコード時に得られた位置特定情報から特定される位置に被覆部が配置されているか否かについて判定することで、単なる汚れ等で差分が検出されるだけでは正規の情報コードと判定されないので、真贋判定の精度を高めることができる。
【0011】
請求項2の発明では、被覆部は、位置を特定するための位置検出領域を除くように配置される。上記差分を検出するためには、第1コード画像と第2コード画像とを重ね合わせる必要がある。第1コード画像および第2コード画像にはそれぞれ位置検出領域が含まれているため、上記重ね合わせ時に、第1コード画像の位置検出領域と第2コード画像の位置検出領域とを一致させることで、重ね合わせ作業が容易になり、上記差分の検出処理を容易に実施することができる。
【0012】
請求項3の発明では、被覆部は、位置検出領域よりも狭くなるように配置される。これにより、コード領域において各暗色モジュールと被覆部とを区別しにくくなり、コード領域の一部が被覆部により覆われていることを秘匿しやすくすることができる。そうすると、上記情報コードを不正に複製等した者は、被覆部の存在に気づきにくくなるため、偽造が困難になるだけでなくそもそも被覆部に対する対策を着想することもないので、上記情報コードに関する真贋判定の精度を向上させることができる。
【0013】
請求項4の発明では、被覆部は、形状、模様や色彩を変化させた任意の図形から構成される。このような任意の図形から被覆部が構成されても、この被覆部に応じた画像の差分が検出される真贋判定用の情報コードとして採用できるので、容易に真贋判定できるだけでなく、デザイン性を向上させた情報コードを実現することができる。また、被覆部のデザインによっては、コード領域の各暗色モジュールと被覆部とが区別しにくくなる場合があり、この場合には、コード領域の一部が被覆部により覆われていることを秘匿しやすくすることができ、請求項3と同様の効果を奏する。
【0015】
請求項の発明では、位置特定情報は、所定の暗号化方式に基づいて暗号化される。このため、第三者では、位置特定情報の取得が極めて困難であり仮に被覆部の存在に気づいたとしても被覆部の正確な位置までは特定できないので、情報コードの偽造が確実に防止されて真贋判定の精度をさらに高めることができる。
【0016】
請求項の発明では、被覆部の少なくとも一部は、コード領域の周囲のマージン領域に配置されるため、被覆部の全てがコード領域内に配置される場合と比較して、被覆部を配置できる領域を増やすことができる。このように被覆部を配置できる領域を増やすことで被覆部の位置の特定を困難にして情報コードの偽造の防止を図ったとしても、位置特定情報に基づいて被覆部の位置を容易に特定できるので、真贋判定の精度をさらに高めることができる。
【0017】
請求項の発明では、当該情報コードをデコードすることで得られる情報には、コード領域に対して許容される被覆部の位置ずれ量(以下、許容ずれ量ともいう)が含まれる。情報コードの印刷時には、コード領域に対する被覆部がずれて印刷されてしまう場合がある。そこで、印刷精度にあわせて設定される許容ずれ量を含めて情報コード化することで、コード領域に対して被覆部がずれて印刷される場合であっても、そのずれ量が許容ずれ量以下であれば位置特定情報から特定される位置に被覆部が配置されていると判定することで、印刷ずれに起因する真贋判定での誤判定を防止することができる。
【0018】
請求項の発明では、第1波長帯の光が照射された状態で撮像手段により撮像された情報コードの画像である第1コード画像と、第2波長帯の光が照射された状態で撮像手段により撮像された情報コードの画像である第2コード画像との差分が、差分検出手段により検出される。そして、差分検出手段により検出された差分に基づいて被覆部の有無が判定手段により判定される。
【0019】
これにより、請求項1〜のいずれか一項に記載の情報コードが撮像手段により撮像される場合には、差分検出手段により検出された差分に基づいて被覆部が有ると判定されるため、当該撮像した情報コードを、上記被覆部を有する正規の情報コードと判定することができる。一方、不正に複製等された情報コードが撮像される場合には、上記差分が検出されずに被覆部が無いと判定されるため、当該撮像した情報コードを、上記正規の情報コードと異なる情報コードと判定することができる。
したがって、上記被覆部を有する情報コードを用いて容易に真贋判定可能な情報コード読取装置を実現することができる。
【0020】
請求項の発明では、可視光が照射された状態で撮像手段により撮像された情報コードの画像である第1コード画像と、第2波長帯の光が照射された状態で撮像手段により撮像された情報コードの画像である第2コード画像との差分が、差分検出手段により検出される。そして、差分検出手段により検出された差分に基づいて被覆部の有無が判定手段により判定される。
【0021】
このようにしても、請求項に記載の情報コード読取装置と同様の作用効果を奏する。特に、第1波長帯の光は可視光であることから、外光を利用することで照明手段に第1波長帯の光を照射させる機能が不要となり、照明手段に求められる機能を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る情報コードを読み取る情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。
図2図2(A)は、第1実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図2(B)は、図2(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
図3】第1実施形態にて制御部により実施される真贋判定処理を例示するフローチャートである。
図4図2(A)に例示する第1コード画像と図2(B)に例示する第2コード画像との画像差分を説明する説明図である。
図5】第1実施形態の第1変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図である。
図6図6(A)は、第1実施形態の第2変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図6(B)は、図6(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
図7図6(A)に例示する第1コード画像と図6(B)に例示する第2コード画像との画像差分を説明する説明図である。
図8図8(A)は、第1実施形態の第3変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図8(B)は、図8(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
図9図8(A)に例示する第1コード画像と図8(B)に例示する第2コード画像との画像差分を説明する説明図である。
図10図10(A)は、第1実施形態の第4変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図10(B)は、図10(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
図11図10(A)に例示する第1コード画像と図10(B)に例示する第2コード画像との画像差分を説明する説明図である。
図12】第2実施形態にて制御部により実施される真贋判定処理を例示するフローチャートである。
図13図13(A)は、第3実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図13(B)は、図13(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
図14】第3実施形態にて制御部により実施される真贋判定処理を例示するフローチャートである。
図15】コード領域に対して被覆部が位置ずれした状態を例示する説明図である。
図16】第3実施形態の第1変形例にて制御部により実施される真贋判定処理を例示するフローチャートである。
図17図17(A)は、第3実施形態の第2変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図17(B)は、図17(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コードおよび情報コード読取装置を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る情報コード10を読み取る情報コード読取装置40の要部を概略的に例示するブロック図である。
図1に示す情報コード読取装置40は、読取対象Rに付された一次元コード(バーコード等)および二次元コード(QRコード、データマトリックスコード、マキシコード、Aztecコード等)等の一般的な情報コードや、本発明の特徴的構成を有する情報コード10を光学的に読み取り可能な構成となっている。以下では、これら情報コード10および情報コード読取装置40について詳述する。
【0024】
(情報コード読取装置)
図1に示す情報コード読取装置40は、読取対象Rに付された情報コードを撮像し、読み取る機能を有している。この情報コード読取装置40は、CPU等からなる制御部41、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部42、第1波長帯の光を照射可能な第1照明光源43、第2波長帯の光を照射可能な第2照明光源44、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶手段からなる記憶部45などを備えている。また、情報コード読取装置40には、液晶表示器などからなる表示部46や、各種操作キーなどからなる操作部47なども設けられている。
【0025】
撮像部42は、一対の第1照明光源43a,43bの間に配置されており、読取対象Rやこの読取対象Rに付された情報コードからの反射光を受光センサ42aの受光面に結像させ、情報コードの画像データを生成するように機能している。受光センサ42aは、読取対象Rに照射されて反射した反射光を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。また、結像レンズ42cは、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、受光センサ42aの受光面に情報コードのコード画像を結像するように機能している。光学系の受光センサ42aから出力される画像信号は、例えば記憶部45の画像データ蓄積領域に蓄積されるようになっている。なお、撮像部42は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」の一例に相当し得る。
【0026】
照明光源(照明光学系)を構成する第1照明光源43及び第2照明光源44は、例えば撮像部42(受光光学系)を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。一対の第1照明光源43a,43bは、例えば波長380nm〜750nmの可視光(以下、第1波長帯の光とも称する)を照射するLEDによって構成されている。また、対をなして配置される第2照明光源44a,44bは、波長750nm以上の赤外光(以下、第2波長帯の光とも称する)を照射するLEDによって構成されている。なお、本実施形態では、第2照明光源44の光源数が第1照明光源43の光源数よりも多くなっている。また、本実施形態における第1照明光源43および第2照明光源44は、特許請求の範囲に記載の「照明手段」の一例に相当し得る。
【0027】
記憶部45は、半導体メモリ装置であり、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。この記憶部45のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部41が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、各種処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源、受光センサ42a等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0028】
制御部41は、情報コード読取装置40全体を制御可能なマイコン等によって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。なお、本実施形態では、制御部41は、読取処理を実行することで、撮像部42によって撮像された情報コードのコード画像から当該情報コードが占めるコード領域を抽出し、その抽出結果に基づいて当該情報コードを解読するように機能する。また、制御部41は、後述する真贋判定処理を実行することで、撮像部42によって撮像された情報コードのコード画像から当該情報コードの真贋を判定するように機能する。
【0029】
(情報コード)
図2(A)は、第1実施形態に係る情報コード10の一例を説明する説明図であり、図2(B)は、図2(A)の情報コード10から被覆部11を取り除いた状態を示す説明図である。
図2(A)に示すように、情報コード10は、明色モジュールおよび暗色モジュールが複数配列されてなるコード領域20と、このコード領域20のうちの一部を被覆する被覆部11とを備えている。図2(B)に示すように、コード領域20は、QRコードと同様に、正方形領域として構成される複数の明色モジュールおよび暗色モジュールがマトリックス状に配列されることで、当該コード領域20の全体が矩形領域として構成されている。
【0030】
具体的には、コード領域20は、QRコードと同様に、要求される必要な情報が含まれるように構成されるデータ領域21、3つの位置検出パターン22a〜22c、フォーマットコード23a〜23dなどから構成されている。各位置検出パターン22a〜22cは、撮像された画像データにおいて当該コード領域20の位置を特定するためのパターンであって、コード領域20の4つの頂点のうち、3つに配置されている。フォーマットコード23a〜23dは、位置検出パターン22a〜22cの近傍にそれぞれ配置されており、データ領域21についての存在領域、使用しているコード種類、モジュールサイズ、マスクパターン、誤り訂正率等の当該情報コード10を解読するためのフォーマット情報が特定可能に構成されている。このため、データ領域21の大部分が隠されるか、各位置検出パターン22a〜22cまたはフォーマットコード23a〜23dが隠されると、コード領域20が解読不能となる。
【0031】
このように構成されるコード領域20を構成する各モジュールのうち各明色モジュールは、可視光領域の第1波長帯の光またはこの第1波長帯と異なる第2波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示すように構成されている。また、各暗色モジュールは、第1波長帯の光または第2波長帯の光が照射されたときに、暗色の反射特性を示すように構成されている。具体的には、コード領域20を構成する各モジュールは、一般的に使用される通常のインクを塗布して構成されている。
【0032】
また、被覆部11は、コード領域20のうち位置検出パターン22a〜22cやフォーマットコード23a〜23dを除くデータ領域21の領域であって、コード領域20の境界をなす一方の縁部20aから対向する他方の縁部20bに至るまで、連続して被覆するように帯状に配置されている。この被覆部11は、上記第2波長帯の光が照射されたときにコード領域20を構成する各モジュールからの反射光を透過させ、上記第1波長帯の光の透過を妨げるようなインク、例えば、赤外線透過インク等の特殊インクを塗布して構成されている。このため、可視光が支配的である通常状態では、図2(A)に示すように、データ領域21の一部が被覆部11により隠されるように視認されることとなる。
【0033】
(真贋判定処理)
次に、上述のように構成される情報コード10を真贋判定用の正規の情報コードとして利用することで、情報コード読取装置40により読み取られた情報コードが正規の情報コードであるか否かを判定する真贋判定処理について、図3に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図3は、本実施形態にて制御部41により実施される真贋判定処理を例示するフローチャートである。図4は、図2(A)に例示する第1コード画像と図2(B)に例示する第2コード画像との画像差分を説明する説明図である。なお、図4では、説明の便宜上、各暗色モジュールであって画像差分がない領域を、画像差分がある領域よりも薄い状態で図示している。
【0034】
真贋判定対象となる情報コードが情報コード読取装置40の読取口(図示略)に対して所定の位置まで近付けられた状態で操作部47に対して所定の操作がなされると、制御部41により真贋判定処理が開始される。まず、ステップS101に示す第1照射処理がなされ、第1照明光源43により第1照明光が読取口を介して情報コードに照射される。次に、ステップS103に示す第1撮像処理がなされ、第1照明光が照射され第2照明光が照射されていない状態で、撮像部42により当該情報コードが第1コード画像として撮像される。
【0035】
続いて、ステップS105に示す位置検出パターン抽出処理がなされ、上述のように撮像された第1コード画像において、公知の検出方法にて位置検出パターン22a〜22cを検出するための処理がなされる。上記撮像処理にて撮像された情報コードが位置検出パターンを有しないコード等であるか情報コードでないものを撮像したことから、上記位置検出パターンの検出が失敗すると(S107でNo)、正規の情報コードの読み取りでないとして、本真贋判定処理が終了する。なお、上記位置検出パターン抽出処理では、QRコードを構成する位置検出パターン22a〜22cに限らず、他のコード種別の位置検出パターンも抽出してもよい。
【0036】
一方、上記位置検出パターン抽出処理により第1コード画像において位置検出パターン22a〜22cの検出が成功している場合には(S107でYes)、ステップS109に示す第2照射処理がなされる。この処理では、第2照明光源44により第2照明光が読取口を介して情報コードに照射される。次に、ステップS111に示す第2撮像処理がなされ、第2照明光が照射されている状態で、撮像部42により当該情報コードが第2コード画像として撮像される。
【0037】
次に、撮像された第2コード画像に基づいて、ステップS113に示すデコード処理がなされる。この処理では、第2コード画像に対して、そのコード種別について定められた公知の方法でデコードが実施される。なお、ステップS113に示すデコード処理を実施する制御部41は、特許請求の範囲に記載の「解読手段」の一例に相当し得る。
【0038】
上記デコード処理により、情報コードとして符号化された文字データ等が解読(デコード)されると(S115でYes)、ステップS117に示す差分検出処理がなされる。この処理では、第1撮像処理にて撮像された第1コード画像と第2撮像処理にて撮像された第2コード画像との差分が画像差分として検出される。具体的には、第1コード画像に含まれる位置検出パターン22a〜22cと第2コード画像に含まれる位置検出パターン22a〜22cとを一致させるように両コード画像を重ね合わせ、この重ね合わせた状態で色の異なる領域があればこの領域が画像差分として検出される。ここで、情報コード10を撮像したことから、図2(A)に示すように第1コード画像が撮像され、図2(B)に示すように第2コード画像が撮像されると、図4に例示するように、被覆部11により被覆されたコード領域20のうちの各明色モジュールに相当する領域が、画像差分として検出される。なお、ステップS117に示す差分検出処理を実施する制御部41は、特許請求の範囲に記載の「差分検出手段」の一例に相当し得る。
【0039】
このように画像差分が検出されることからステップS119に示す判定処理にてYesと判定されると、ステップS121に示す第1報知処理がなされる。この処理では、撮像した情報コードは被覆部11を有する正規の情報コードである旨が表示部46の液晶表示器に表示等されることで報知される。続いて、ステップS123に示すデータ出力処理がなされ、上記デコード処理により取得された文字データ等が通信インタフェース48を介して外部機器等の上位システムに出力されて、本真贋判定処理が終了する。なお、ステップS119に示す判定処理を実施する制御部41は、特許請求の範囲に記載の「判定手段」の一例に相当し得る。
【0040】
一方、被覆部11を有しない通常の情報コードを撮像しておりデコードが成功していると、第1撮像処理にて撮像された第1コード画像と第2撮像処理にて撮像された第2コード画像とが同じ撮像状態であり画像差分が検出されないため(S119でNo)、ステップS125に示す第2報知処理がなされる。この処理では、撮像した情報コードは正規の情報コードと異なる情報コードである旨が表示部46の液晶表示器に表示等されることで報知される。続いて、ステップS117に示すデータ出力処理がなされて、上記デコード処理により取得された文字データ等が通信インタフェース48を介して外部機器等の上位システムに出力されて、本真贋判定処理が終了する。
【0041】
また、撮像された第2コード画像に基づくデコード処理が失敗すると(S115でNo)、ステップS127に示す第3報知処理がなされる。この処理では、上記第2報知処理と同様に、撮像した情報コードは正規の情報コードと異なる情報コードである旨が表示部46の液晶表示器に表示等されることで報知される。そして、上記データ出力処理がなされることなく、本真贋判定処理が終了する。
【0042】
このように、本真贋判定処理では、被覆部11を有する情報コード10の撮像であれば、正規の情報コードであると判定(報知)され、デコードが失敗した情報コードの撮像、または、画像差分が検出されない情報コードの撮像であれば、正規の情報コードでないと判定(報知)される。
【0043】
ところで、情報コード10を不正目的で複製しようとしても、被覆部11がコード領域20と異なる上記特殊インクで塗布されない限り、情報コード10を正確に複製することができない。すなわち、情報コード10を単にコピー機でコピーした不正コードでは、可視光が支配的である通常状態では同じように視認されても、第2照明光を照射して撮像した第2コード画像では、デコードすることができないか(S115でNo)、デコードできても画像差分を検出することができない(S119でNo)。
【0044】
そうすると、情報コード読取装置40を、入退場を管理するゲートなどに採用するとともに、情報コード10を、入退場時に読み取られる情報コードに採用することで、不正目的で複製された情報コード(不正コード)をゲートの情報コード読取装置40にかざしても、正規の情報コードでないと判定(報知)することができる。
【0045】
なお、情報コード10および情報コード読取装置40を、上述したように不正目的で複製された情報コードの使用が危惧される入退場管理ゲートに採用することに限らず、不正目的で複製された情報コードの使用が危惧されるシステム、例えば、情報管理システム等に採用してもよい。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード10では、コード領域20内に複数配列される複数の明色モジュールのうちの一部は、第2波長帯の光を透過させ、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す被覆部11により覆われている。
【0047】
これにより、情報コード10を、第1波長帯の光が照射された状態で撮像した第1コード画像と、第2波長帯の光が照射された状態で撮像した第2コード画像とでは、重ね合わせた画像に差分が生じることとなるので、真贋判定するための情報コードとして被覆部11を有する情報コード10を採用することで、上述のような差分が検出される情報コードを、上記被覆部11を有する正規の情報コードと判定することができる。一方、上述のような差分が検出されない情報コードを、上記正規の情報コードと異なる情報コードと判定することができる。
したがって、上記被覆部11を有する情報コード10に関して、容易に真贋判定することができる。
【0048】
そして、本実施形態に係る情報コード読取装置40では、第1波長帯の光が照射された状態で撮像部42により撮像された第1コード画像と、第2波長帯の光が照射された状態で撮像部42により撮像された第2コード画像との差分が、ステップS117に示す差分検出処理により検出される。そして、差分検出処理により検出された画像差分に基づいて被覆部11の有無が判定される。
【0049】
これにより、上述のように構成される情報コード10が撮像部42により撮像される場合には、検出された画像差分に基づいて被覆部11が有ると判定されるため、当該撮像した情報コード10を、上記被覆部11を有する正規の情報コードと判定することができる。一方、不正に複製等された情報コードが撮像される場合には、上記画像差分が検出されずに被覆部11が無いと判定されるため、当該撮像した情報コードを、上記正規の情報コードと異なる情報コードと判定することができる。
したがって、上記被覆部11を有する情報コード10を用いて容易に真贋判定可能な情報コード読取装置40を実現することができる。
【0050】
特に、被覆部11は、位置を特定するための位置検出パターン22a〜22cを除くように配置されているため、第1コード画像と第2コード画像との重ね合わせ時に、第1コード画像の位置検出パターン22a〜22cと第2コード画像の位置検出パターン22a〜22cとを一致させることで、重ね合わせ作業が容易になり、上記差分の検出処理を容易に実施することができる。
【0051】
なお、上記真贋判定処理では、情報コードの読み取りに関するステップS113,S115,S123,S127を排除して、真贋判定に関する処理に特化してもよい。
【0052】
次に、本実施形態の第1変形例に係る情報コード10aについて、図5を用いて詳細に説明する。図5は、第1実施形態の第1変形例に係る情報コード10aの一例を説明する説明図である。なお、図5では、被覆部11aと同じ暗色である各暗色モジュールを、説明の便宜上、被覆部11aよりも薄い状態で図示している。
上述した被覆部11は、コード領域20のうち明色モジュールを含む領域であればどこに配置されてもよい。第1コード画像と第2コード画像との重ね合わせ時に、被覆部11により被覆された明色モジュールの領域が上記画像差分として検出されるからである。
【0053】
特に、被覆部11を、コード領域20のうち目立たない領域、例えば、位置検出パターン22a〜22cよりも狭くなるように配置することで、コード領域20において各暗色モジュールと被覆部11とを区別しにくくなり、コード領域20の一部が被覆部11により覆われていることを秘匿しやすくすることができる。そうすると、上記情報コード10を不正に複製等した者は、被覆部11の存在に気づきにくくなるため、偽造が困難になるだけでなくそもそも被覆部11に対する対策を着想することもないので、上記情報コード10に関する真贋判定の精度を向上させることができる。
【0054】
例えば、図5に例示するように、本実施形態の第1変形例に係る情報コード10aとして、コード領域20を構成する複数のブロックのうちの1つを被覆部11aにより被覆することで、コード領域20において各暗色モジュールと被覆部11aとを区別しにくくなり、コード領域20の一部が被覆部11aにより覆われていることを秘匿しやすくすることができる。なお、コード領域20を構成する各ブロックは、図5にて一点鎖線で囲まれる領域からわかるように、主に8つの明色モジュールおよび暗色モジュールが4行2列のマトリックス状に配列されて構成されるが、これに限らず、モジュール数やブロック構成はこれ以外であってもよい。
【0055】
次に、本実施形態の第2変形例に係る情報コード10bについて、図6および図7を用いて詳細に説明する。図6(A)は、第1実施形態の第2変形例に係る情報コード10bの一例を説明する説明図であり、図6(B)は、図6(A)の情報コード10bから被覆部11bを取り除いた状態を示す説明図である。図7は、図6(A)に例示する第1コード画像と図6(B)に例示する第2コード画像との画像差分を説明する説明図である。なお、図7では、説明の便宜上、各暗色モジュールであって画像差分がない領域を、画像差分がある領域よりも薄い状態で図示している。
【0056】
本実施形態の第2変形例に係る情報コード10bとして、被覆部11に代えてデザインを考慮した被覆部11bを採用してもよい。被覆部11bは、例えば、図6(A),(B)に例示するように、使用環境に応じたデザインが施された任意の図形として、例えば星形状に形成されている。
【0057】
このような任意の図形から被覆部11bが構成されても、この被覆部11bに応じた画像の差分が図7に例示するように検出されるため、当該情報コード10bを真贋判定用の情報コードとして採用でき、容易に真贋判定できるだけでなく、デザイン性を向上させた情報コードを実現することができる。なお、被覆部11bは、星形状に形成されることに限らず、使用環境に応じてその形状、模様や色彩を変化させた任意のデザインが施された任意の図形として形成されることでも、上記効果を奏する。
【0058】
また、被覆部11bのデザインによっては、コード領域20の各暗色モジュールと被覆部11bとが区別しにくくなる場合があり、この場合には、コード領域20の一部が被覆部11bにより覆われていることを秘匿しやすくすることができ、上記第1変形例と同様の効果を奏する。
【0059】
次に、本実施形態の第3変形例に係る情報コード10cについて、図8および図9を用いて詳細に説明する。図8(A)は、第1実施形態の第3変形例に係る情報コード10cの一例を説明する説明図であり、図8(B)は、図8(A)の情報コード10cから被覆部11cを取り除いた状態を示す説明図である。図9は、図8(A)に例示する第1コード画像と図8(B)に例示する第2コード画像との画像差分を説明する説明図である。なお、図9では、説明の便宜上、各暗色モジュールであって画像差分がない領域を、画像差分がある領域よりも薄い状態で図示している。
【0060】
本実施形態の第3変形例に係る情報コード10cとして、上述したコード領域20および被覆部11に代えて、一次元コードのように明色モジュール(スペース)と暗色モジュール(バー)が一方向に配列されてなるコード領域20cと、このコード領域20cのうちの一部を被覆する被覆部11cとを採用してもよい。被覆部11cは、例えば、図8(A),(B)に例示するように、コード領域20cを構成する各モジュールのうち上端部分を被覆するように配置されている。
【0061】
このようにコード領域20cが一次元コードのように構成されても、コード領域20cの上端部を被覆する被覆部11cに応じた画像の差分が図9に例示するように検出されるため、当該情報コード10cを真贋判定用の情報コードとして採用でき、容易に真贋判定できる。なお、コード領域20cが一次元コードとして構成される場合には、上記真贋判定におけるステップS105に示す処理では、コード領域20cの両端を構成するスタートキャラクタ24aおよびストップキャラクタ24bを、位置検出領域として抽出することができる。
【0062】
特に、スタートキャラクタ24aおよびストップキャラクタ24bを位置検出領域として機能させることで、第1コード画像と第2コード画像との重ね合わせ時に、第1コード画像の両キャラクタ24a,24bと第2コード画像の両キャラクタ24a,24bとを一致させることで、重ね合わせ作業が容易になり、上記差分の検出処理を容易に実施することができる。
【0063】
なお、被覆部11cは、コード領域20cの上端部を被覆するように配置されることに限らず、コード領域20cの中央部を被覆するように配置されてもよいし、コード領域20cの下端部を被覆するように配置されてもよい。このように、被覆部11cをコード領域20cに対して配置することで、第2波長帯の光が照射されない第1コード画像であっても、一次元コードとして符号化された文字データ等を解読(デコード)することができる。
【0064】
次に、本実施形態の第4変形例に係る情報コード10dについて、図10および図11を用いて詳細に説明する。図10(A)は、第1実施形態の第4変形例に係る情報コード10dの一例を説明する説明図であり、図10(B)は、図10(A)の情報コード10dから被覆部11dを取り除いた状態を示す説明図である。図11は、図10(A)に例示する第1コード画像と図10(B)に例示する第2コード画像との画像差分を説明する説明図である。なお、図11では、説明の便宜上、各暗色モジュールであって画像差分がない領域を、画像差分がある領域よりも薄い状態で図示している。
【0065】
本実施形態の第4変形例に係る情報コード10dとして、被覆部11cに代えてデザインを考慮した被覆部11dを採用してもよい。被覆部11dは、例えば、図10(A),(B)に例示するように、使用環境に応じたデザインが施された任意の図形として、例えば星形状に形成されている。
【0066】
このような任意の図形から被覆部11dが構成されても、この被覆部11dに応じた画像の差分が図11に例示するように検出されるため、当該情報コード10dを真贋判定用の情報コードとして採用でき、容易に真贋判定できるだけでなく、デザイン性を向上させた情報コードを実現することができる。なお、被覆部11dは、星形状に形成されることに限らず、使用環境に応じてその形状、模様や色彩を変化させた任意のデザインが施された任意の図形として形成されることでも、上記効果を奏する。
【0067】
また、被覆部11dのデザインによっては、例えば、暗色モジュール(バー)の一形態と同じ形状の被覆部を採用することで、コード領域20cの各暗色モジュールと被覆部11dとが区別しにくくなる場合があり、この場合には、コード領域20cの一部が被覆部11dにより覆われていることを秘匿しやすくすることができ、上記第1変形例と同様の効果を奏する。
【0068】
[第2実施形態]
次に、本第2実施形態に係る情報コードおよび情報コード読取装置について、図12を参照して説明する。図12は、第2実施形態にて制御部41により実施される真贋判定処理を例示するフローチャートである。
本第2実施形態では、真贋判定処理にて第1照明光と第2照明光とが照射される順番を変更する点が、上記第1実施形態に係る情報コード読取装置と主に異なる。したがって、第1実施形態の情報コード読取装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0069】
以下、本第2実施形態に係る情報コード読取装置40の制御部41により実施される真贋判定処理について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
制御部41により真贋判定処理が開始されると、まず、図12のステップS109に示す第2照射処理がなされて、第2照明光源44により第2照明光が読取口を介して情報コードに照射される。次に、ステップS111に示す第2撮像処理がなされ、第2照明光が情報コードに照射されている状態で、撮像部42により当該情報コードが第2コード画像として撮像される。この撮像された第2コード画像に基づいて、ステップS113に示すデコード処理がなされる。ここで、デコードが失敗すると(S115でNo)、正規の情報コードの読み取りでないとして、本真贋判定処理が終了する。
【0070】
一方、上記デコードが成功すると(S115でYes)、ステップS101に示す第1照射処理がなされ、第1照明光源43により第1照明光が読取口を介して同じ情報コードに照射される。次に、ステップS103に示す第1撮像処理がなされ、第1照明光が照射され第2照明光が照射されていない状態で、撮像部42により当該情報コードが第1コード画像として撮像される。
【0071】
続いて、ステップS117に示す差分検出処理がなされ、第2撮像処理にて撮像された第2コード画像と第1撮像処理にて撮像された第1コード画像との差分が画像差分として検出される。そして、被覆部11を有する情報コード10を撮像したことから図4に例示するように画像差分が検出されると(S119でYes)、上述した第1報知処理がなされる(S121)。一方、被覆部11を有しない通常の情報コードを撮像しておりデコードが成功していると画像差分が検出されないため(S119でNo)、上述した第2報知処理がなされる(S125)。
【0072】
以上説明したように、真贋判定処理にて第1照明光と第2照明光とが照射される順番を変更しても、情報コード10を、第2波長帯の光が照射された状態で撮像した第2コード画像と、第1波長帯の光が照射された状態で撮像した第1コード画像とでは、重ね合わせた画像に差分が生じることとなる。このため、上記第1実施形態と同様に、真贋判定するための情報コードとして被覆部11を有する情報コード10を採用することで、上述のような差分が検出される情報コードを、上記被覆部11を有する正規の情報コードと判定することができる。
【0073】
なお、真贋判定処理にて第1照明光と第2照明光とが照射される順番を変更する構成は、上記第1実施形態における各変形例にも適用することができる。
【0074】
[第3実施形態]
次に、本第3実施形態に係る情報コードおよび情報コード読取装置について、図13および図14を参照して説明する。図13(A)は、第3実施形態に係る情報コード10eの一例を説明する説明図であり、図13(B)は、図13(A)の情報コード10eから被覆部11eを取り除いた状態を示す説明図である。図14は、第3実施形態にて制御部41により実施される真贋判定処理を例示するフローチャートである。
【0075】
本第3実施形態では、情報コード10eに含まれる被覆部11eの位置を特定するための位置特定情報を利用して真贋判定処理を実施する点が、上記第2実施形態に係る情報コードと主に異なる。したがって、第2実施形態の情報コードと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
まず、本実施形態に係る情報コード10eについて、図13(A),(B)を用いて説明する。
図13(A),(B)に示すように、本実施形態に係る情報コード10eは、36行36列に配列される明色モジュールおよび暗色モジュールから構成されるコード領域20のうち、k行l列(k:0〜36,l:17〜23)のモジュールが被覆部11eにより被覆されている。そして、コード領域20を基準として被覆部11eの位置(被覆部11eによる被覆範囲)を特定するための情報(以下、位置特定情報ともいう)、具体的には、上述したk:0〜36,l:17〜23に関する情報がデコード結果に含まれるように、情報コード10eが生成される。
【0077】
次に、本実施形態に係る情報コード読取装置40の制御部41により実施される真贋判定処理について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
制御部41により真贋判定処理が開始されると、図14のステップS109以降の処理が上記第2実施形態と同様になされる。そして、情報コード10eを撮像したことからステップS113に示すデコード処理にて、符号化された文字データ等とともに上記位置特定情報が解読(デコード)されると(S115でYes)、ステップS101以降の処理がなされて、差分が抽出される(S119でYes)。
【0078】
続いて、ステップS120に示す判定処理にて、上述のように抽出された差分が被覆部11に相当するものか否かについて判定される。ここで、図13に例示する情報コード10eを撮像している場合には、図13(B)に例示するような第2コード画像と図13(A)に例示するような第1コード画像とが撮像されるため、被覆部11eにより被覆される各モジュールのうち明色モジュールの部分が上記差分として抽出される。そうすると、情報コード10eを撮像することで抽出された差分は、上記位置特定情報から推定される被覆部11eの被覆範囲に全て含まれることとなる。
【0079】
ここで、抽出された差分が、被覆部11eの被覆範囲に全て含まれていることから被覆部11eに相当すると判定されると(S120でYes)、ステップS121に示す第1報知処理がなされ、撮像した情報コードは被覆部11eを有する正規の情報コードである旨が表示部46の液晶表示器に表示等されることで報知される。
【0080】
一方、上記特殊インクに相当するインクの汚れなどの単なる汚れ等が差分として抽出されている場合(S119でYes)、この汚れ等が位置特定情報から推定される被覆部11eの被覆範囲から一部でもはみ出していると、抽出された差分は被覆部11eに相当しないと判定される(S120でNo)。この場合には、ステップS125に示す第2報知処理がなされ、撮像した情報コードは正規の情報コードと異なる情報コードである旨が表示部46の液晶表示器に表示等されることで報知される。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード10eおよび情報コード読取装置40では、情報コード10eをデコードすることで得られる情報には、コード領域20を基準として被覆部11eの位置を特定するための位置特定情報が含まれる。これにより、抽出された差分が被覆部11eに相当するか否か、すなわち、デコード時に得られた位置特定情報から特定される位置に被覆部11eが配置されているか否かについて判定することで、単なる汚れ等で差分が検出されるだけでは正規の情報コードと判定されないので、真贋判定の精度を高めることができる。
【0082】
また、コード領域20を覆うように配置される被覆部は、1つであることに限らず、2以上配置されてもよい。この場合には、各被覆部に関する位置特定情報がデコード結果に含まれるように、情報コードを生成することができる。
【0083】
なお、ステップS120に示す判定処理では、抽出された差分が被覆部11eの被覆範囲に全て含まれている場合にYesと判定されることに限らず、差分から想定される被覆部11eの被覆範囲が位置特定情報から推定される被覆部11eの被覆範囲に一致する場合にYesと判定されてもよい。これにより、上記特殊インクに相当する小さなインクの汚れ等が偶然に被覆部11eの被覆範囲に全て含まれてしまう場合であっても、上記汚れ等に起因する差分から想定される被覆部11eの被覆範囲が位置特定情報から推定される被覆部11eの被覆範囲に一致する可能性は非常に低いため、誤判定が確実に抑制されて、真贋判定の精度をさらに高めることができる。
【0084】
また、ステップS120に示す判定処理では、コード領域20に対して許容される被覆部11eの位置ずれ量(以下、許容ずれ量ともいう)が考慮されて判定されてもよい。コード領域20を構成する各モジュールと被覆部11eとが別工程で印刷される場合など、情報コード10eの印刷時に、図15に例示するように、被覆部11eが本来印刷されるべき位置の被覆部からずれて印刷されてしまう場合がある。この場合、被覆部11eが位置特定情報から推定される位置の被覆部(推定被覆部12ともいう)からずれて印刷されることとなり、この印刷ずれに起因して真贋判定において誤判定が生じる可能性がある。なお、図15は、コード領域20に対して被覆部11eが位置ずれした状態を例示する説明図であり、位置ずれして印刷された被覆部11eを実線にて示し、推定被覆部12を二点鎖線にて示す。また、図15では、便宜上、データ領域21における一部のモジュールの図示を省略している。
【0085】
そこで、印刷精度にあわせて上述した許容ずれ量を設定することで、コード領域20に対して被覆部11eがずれて印刷される場合であっても、そのずれ量が許容ずれ量以下であれば位置特定情報から特定される位置に被覆部11eが配置されていると判定することで、印刷ずれに起因する真贋判定での誤判定を防止することができる。
【0086】
なお、ステップS120における許容ずれ量を考慮した判定処理とは、例えば、推定被覆部12を上記許容ずれ量に応じてコード領域20に対して二次元的に相対移動させたときに、相対移動後の推定被覆部12の被覆範囲が差分から想定される被覆部11eの被覆範囲に一致するか否かについて判定する処理である。
【0087】
ここで、上記許容ずれ量は、情報コード読取装置40の記憶部45に予め記憶されてもよいし、情報コード10eをデコードすることで得られる情報(デコード結果)に含まれてもよい。特に、上述のようにデコード結果に許容ずれ量を含めることで、その情報コードがどのように印刷されるかに応じて許容ずれ量を設定することで、印刷精度にあわせて許容ずれ量を容易に設定することができる。
【0088】
なお、上述したデコード結果に含まれる位置特定情報を利用して抽出された差分が被覆部に相当するものか否かについて判定する構成は、他の実施形態およびその変形例に適用することができる。
【0089】
図16は、第3実施形態の第1変形例にて制御部41により実施される真贋判定処理を例示するフローチャートである。
上記第3実施形態の第1変形例として、位置特定情報は、所定の復号鍵を有しない第三者が読み取れないように、所定の暗号化方式に基づいて暗号化されてもよい。これにより、第三者では、位置特定情報の取得が極めて困難であり仮に被覆部の存在に気づいたとしても被覆部の正確な位置までは特定できないので、情報コードの偽造が確実に防止されて真贋判定の精度をさらに高めることができる。
【0090】
位置特定情報が暗号化された情報コードとして、例えば、公開領域と復号鍵を用いて復号可能に暗号化された情報が記録される非公開領域とを有するように構成される一部非公開コードを採用することができる。
【0091】
以下、情報コード10eとして一部非公開コードを採用する場合での真贋判定処理について、図16に示すフローチャートを参照して説明する。
図16のステップS113に示す処理にてデコードが成功すると(S115でYes)、ステップS116に示す判定処理にて、デコード結果から位置特定情報を取得しているか否かについて判定される。
【0092】
ここで、正当な権限者による読み取りであり記憶部45に所定の復号鍵が記憶されていることから非公開領域に記憶される位置特定情報が取得されると(S116でYes)、ステップS101以降の処理がなされる。
【0093】
一方、復号鍵を有しない情報コード読取装置による読み取りであることから非公開領域に記憶される位置特定情報が取得されない場合、または、非公開領域がない通常の情報コードの読み取りであることから位置特定情報が取得されない場合には、ステップS116にてNoと判定される。この場合には、ステップS125に示す第2報知処理がなされ、撮像した情報コードは正規の情報コードと異なる情報コードである旨が表示部46の液晶表示器に表示等されることで報知される。
【0094】
このように、非公開領域に位置特定情報を記録することで、復号鍵を有しない情報コード読取装置では、公開領域に記録された情報しか読み取ることができず、他に情報が記録されていることさえ認識できないため、位置特定情報の秘匿性を高めることができる。その結果、情報コードの偽造が確実に防止されて真贋判定の精度をさらに高めることができる。
【0095】
なお、上述した位置特定情報を所定の暗号化方式に基づいて暗号化する構成は、他の実施形態およびその変形例に適用することができる。
【0096】
図17(A)は、第3実施形態の第2変形例に係る情報コード10fの一例を説明する説明図であり、図17(B)は、図17(A)の情報コード10fから被覆部11f,11gを取り除いた状態を示す説明図である。
第3実施形態の第2変形例に係る情報コードとして、被覆部の少なくとも一部は、コード領域20の周囲のマージン領域13に配置されてもよい。マージン領域13は、コード領域20の方形状の境界を明確にするためのものであり、所定幅の明色モジュールに相当するものである。
【0097】
具体的には、図17(A),(B)に例示するように、被覆部が第1被覆部11fおよび第2被覆部11gで構成され、第1被覆部11fにてコード領域20の一部が覆われ、第2被覆部11gにてマージン領域13の一部が覆われて情報コード10fが形成される。この場合、第1被覆部11fの位置を特定する情報と、第2被覆部11gの位置を特定する情報とが位置特定情報としてデコード結果に含まれるように、情報コード10fが生成される。
【0098】
ここで、36行36列に配列されるコード領域20のうち、k1行l1列(k1:0〜36,l1:17〜23)のモジュールが、第1被覆部11fにより被覆されている。また、マージン領域13のうち、コード領域20を基準にk2行l2列(k2=−2,l2:0〜36)のモジュールに相当する領域が、第2被覆部11gにより被覆されている。そして、コード領域20を基準として第1被覆部11fおよび第2被覆部11gを特定する位置特定情報(k1:0〜36,l1:17〜23やk2=−2,l2:0〜36に関する情報)がデコード結果に含まれることとなる。
【0099】
これにより、被覆部の全てがコード領域20内に配置される場合と比較して、被覆部を配置できる領域をマージン領域13まで増やすことができる。このように被覆部を配置できる領域を増やすことで被覆部の位置の特定を困難にして情報コードの偽造の防止を図ったとしても、位置特定情報に基づいて被覆部の位置を容易に特定できるので、真贋判定の精度をさらに高めることができる。特に、被覆部がコード領域20内に配置される場合には明色モジュールの部分でしか差分が生じないが、マージン領域13内に配置される場合には全ての領域で差分を生じさせることができるため、より大きな面積の差分を容易に確保することができる。また、マージン領域にも被覆部を配置できるため、被覆部のデザイン性を向上させることができる。
【0100】
なお、コード領域20を覆うように配置される被覆部は、1つであることに限らず、2以上配置されてもよい。また、マージン領域13を覆うように配置される被覆部は、1つであることに限らず、2以上配置されてもよい。また、1または2以上の被覆部がマージン領域13のみに配置されてもよい。この場合には、各被覆部に関する位置特定情報がデコード結果に含まれるように、情報コードを生成することができる。
【0101】
なお、上述した被覆部の少なくとも一部をマージン領域13に配置する構成は、他の実施形態およびその変形例に適用することができる。
【0102】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)第2波長帯の光として波長750nm以上の波長帯の赤外光を採用することに限らず、例えば、第2波長帯の光として波長380nm以下の波長帯の紫外光を採用してもよい。この場合、各被覆部11,11a〜11fは、上記紫外光が照射されたときにコード領域20を構成する各モジュールからの反射光を透過させるように構成することができる。また、第1波長帯の光として波長380nm〜750nmの可視光を採用することに限らず、第2波長帯の光と異なる波長帯の光であって各被覆部11,11a〜11fを透過不能な波長帯の光を採用してもよい。
【0103】
(2)情報コード読取装置40は、第1波長帯の光が可視光であることを前提に、第1照明光源43を廃止してもよい。すなわち、情報コード読取装置40は、照明手段として、第2波長帯の光を照射する第2照明光源44のみを有するように構成される。このように、第1波長帯の光は可視光であることから、外光を利用することで照明手段に第1波長帯の光を照射させる機能が不要となり、照明手段に求められる機能を削減することができる。
【0104】
(3)位置特定情報は、上述したk行l列のように、被覆されるモジュールに相当する位置を示す情報であることに限らず、例えば、コード領域20を基準として被覆部の位置を示す位置座標に関する情報であってもよい。
【符号の説明】
【0105】
10,10a〜10f…情報コード
11,11a〜11g…被覆部
20,20c…コード領域
22a〜22c…位置検出パターン(位置検出領域)
40…情報コード読取装置
41…制御部(解読手段,差分検出手段,判定手段)
42…撮像部(撮像手段)
43…第1照明光源(照明手段)
44…第2照明光源(照明手段)
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