(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6115779
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】スイッチング基板
(51)【国際特許分類】
H03K 17/00 20060101AFI20170410BHJP
H03K 17/687 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
H03K17/00 A
H03K17/687 G
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-234818(P2013-234818)
(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公開番号】特開2015-95798(P2015-95798A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原口 章
(72)【発明者】
【氏名】橋倉 学
(72)【発明者】
【氏名】森岡 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】田原 秀哲
【審査官】
白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/127830(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/151508(US,A1)
【文献】
特開2006−060949(JP,A)
【文献】
特開2013−187488(JP,A)
【文献】
特開平10−126963(JP,A)
【文献】
特開2009−017705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00
H03K 17/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源と補助電源とを備える車両において、前記主電源と前記補助電源との間に配置されるスイッチング基板であって、
絶縁性材料からなる絶縁板と、前記絶縁板の一面に配される導体回路と、前記絶縁板の前記導体回路が設けられた面からその逆側の面まで貫通する複数の実装窓とを備える制御回路基板と、前記絶縁板の前記逆側の面に互いに間隔を空けて配置される入力バスバーおよび出力バスバーと、を備える回路構成体と、
前記回路構成体に実装され、ドレイン端子、ソース端子およびゲート端子を備える複数の半導体スイッチング素子と、を備え、
前記導体回路が、制御回路と、前記入力バスバーと前記出力バスバーとの間に配置される接続回路とを備え、
前記複数の実装窓のうち一部の実装窓は、内側に前記入力バスバーの一部が露出する第1実装窓であり、他の実装窓は、内側に前記出力バスバーの一部が露出する第2実装窓であり、
前記複数の半導体スイッチング素子のうち一部の半導体スイッチング素子は、前記第1実装窓の内側に配置され、前記ドレイン端子が前記入力バスバーの一部に接続され、前記ソース端子が前記接続回路に接続され、前記ゲート端子が前記制御回路に接続される第1半導体スイッチング素子であり、他の半導体スイッチング素子は、前記第2実装窓の内側に配置され、前記ドレイン端子が前記出力バスバーの一部に接続され、前記ソース端子が前記接続回路に接続され、前記ゲート端子が前記制御回路に接続される第2半導体スイッチング素子である、スイッチング基板。
【請求項2】
前記入力バスバーは、前記出力バスバー側の端縁に、前記出力バスバーに向かって突出する複数の第1凸部と、隣り合う2つの前記第1凸部の間に配置され、前記出力バスバーとは逆側に凹む第1凹部とを備え、
前記出力バスバーは、前記入力バスバー側の端縁に、前記入力バスバーに向かって突出する複数の第2凸部と、隣り合う2つの前記第2凸部の間に配置され、前記入力バスバーとは逆側に凹む第2凹部とを備えている、請求項1に記載のスイッチング基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃費向上や環境への配慮のため、メインバッテリの他に補助電源を搭載した自動車が開発されている。例えば、ブレーキ時の回生エネルギーを補助電源に蓄積しておき、走行時に電装品への電力供給に用いることで、オルタネータによる発電量を減らして燃費を向上させることができる。また、アイドリングストップの後のエンジン再始動時に、スタータに補助電源から電力供給することで、メインバッテリの電圧の瞬間的な降下による電装品の瞬断やメインバッテリの劣化を防ぐことができる。
【0003】
メインバッテリと補助電源との間には、走行やアイドリングストップなどの車両の動作状態に対応して、電力の供給形態を切り替える機能を有するスイッチング基板が設置される場合がある。
【0004】
スイッチング基板として、従来、大電流に対応したメカニカルリレーを備える基板が用いられてきたが、小型化、高寿命化、静音化を目的として、メカニカルリレーの半導体スイッチング素子への置き換えが提案されている。半導体スイッチング素子としては、MOSFET(金属酸化膜型電界効果トランジスタ;Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などのパワー半導体を使用することが想定される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−146933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般に、MOSFETを用いたスイッチでは、pn接合による寄生ダイオードがソース−ドレイン間に生成される。したがって、ゲートをオフしてもソース側からドレイン側へこの寄生ダイオードを通じて電流が流れるため、ソース側からドレイン側への電流の流れを完全に遮断することができない。そこで、双方向の電流を遮断可能にするために、2つのMOSFETを、上記寄生ダイオードの向きが反対になるように直列に接続することがある。
【0007】
しかし、このような複雑な回路を設計しようとすると、スイッチング基板の構造が複雑となりがちであった。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、主電源と補助電源とを備える車両において、主電源と補助電源との間に配される簡易な構成のスイッチング基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、主電源と補助電源とを備える車両において、前記主電源と前記補助電源との間に配置されるスイッチング基板であって、絶縁性材料からなる絶縁板と、前記絶縁板の一面に配される導体回路と、前記絶縁板の前記導体回路が設けられた面からその逆側の面まで貫通する複数の実装窓とを備える制御回路基板と、前記絶縁板の前記逆側の面に互いに間隔を空けて配置される入力バスバーおよび出力バスバーと、を備える回路構成体と、前記回路構成体に実装され、ドレイン端子、ソース端子およびゲート端子を備える複数の半導体スイッチング素子と、を備え、前記導体回路が、制御回路と、前記入力バスバーと前記出力バスバーとの間に配置される接続回路とを備え、前記複数の実装窓のうち一部の実装窓は、内側に前記入力バスバーの一部が露出する第1実装窓であり、他の実装窓は、内側に前記出力バスバーの一部が露出する第2実装窓であり、前記複数の半導体スイッチング素子のうち一部の半導体スイッチング素子は、前記第1実装窓の内側に配置され、前記ドレイン端子が前記入力バスバーの一部に接続され、前記ソース端子が前記接続回路に接続され、前記ゲート端子が前記制御回路に接続される第1半導体スイッチング素子であり、他の半導体スイッチング素子は、前記第2実装窓の内側に配置され、前記ドレイン端子が前記出力バスバーの一部に接続され、前記ソース端子が前記接続回路に接続され、前記ゲート端子が前記制御回路に接続される第2半導体スイッチング素子である、スイッチング基板である。
【0010】
上記の構成によれば、主電源と補電源との間に配されるスイッチング基板に必要なバスバーや制御回路基板、半導体スイッチング素子をシンプルにレイアウトすることができ、簡易な構成のスイッチング基板を提供できる。
【0011】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
【0012】
前記入力バスバーは、前記出力バスバー側の端縁に、前記出力バスバーに向かって突出する複数の第1凸部と、隣り合う2つの前記第1凸部の間に配置され、前記出力バスバーとは逆側に凹む第1凹部とを備え、前記出力バスバーは、前記入力バスバー側の端縁に、前記入力バスバーに向かって突出する複数の第2凸部と、隣り合う2つの前記第2凸部の間に配置され、前記入力バスバーとは逆側に凹む第2凹部とを備えていてもよい。
【0013】
上記の態様によれば、スイッチング基板に予期しない大きな力が加えられた場合に、入力バスバーと出力バスバーとの隙間に沿って制御回路基板が折れてしまうことを回避できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、主電源と補助電源とを備える車両において、主電源と補助電源との間に配される簡易な構成のスイッチング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】実施形態のスイッチング基板をバスバー側から見た斜視図
【
図8】実施形態のスイッチング装置の回路構成を示す図
【
図9】実施形態の回路構成体の製造方法の一例を示す図
【
図10】変形例のスイッチング基板をバスバー側から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を、
図1〜
図9を参照しつつ説明する。
本実施形態のスイッチング装置1は、メインバッテリ90(主電源に該当)と補助バッテリ91(補助電源に該当)とを備える車両において、メインバッテリ90および補助バッテリ91からの電装品92への電力供給の切り替えを行うものである。
図8に示すように、メインバッテリ90と補助バッテリ91とは直列に配され、電装品92に電力を供給する。スイッチング装置1は、メインバッテリ90と補助バッテリ91との間に、メインバッテリ90および補助バッテリ91に対して直列に配置されている。
【0017】
図1および
図2に示すように、スイッチング装置1は、スイッチング基板10と、このスイッチング基板10を収容するケーシング80とを備える。スイッチング基板10は、回路構成体11と、この回路構成体11に搭載される6つの半導体スイッチング素子60A、60Bとを備える。回路構成体11は、制御回路基板20と、この制御回路基板20に接着層53を介して重なる2枚のバスバー30、40および隔離板50とを備えている。
【0018】
制御回路基板20は、ガラス基材またはガラス不織布基材からなる絶縁板21の一面側に、導電性材料からなる導体回路22を備えるプリント基板である。制御回路基板20の一端部には、制御回路基板20を外部の制御装置(図示せず)と接続するためのコネクタ23が配置されている。
【0019】
図4に示すように、制御回路基板20は、半導体スイッチング素子60A、60Bの搭載のための6つの実装窓24A、24Bを有している。実装窓24A、24Bは、制御回路基板20において導体回路22が配されている面から、その逆側の面まで貫通する矩形の開口部であって、その開口の大きさは、半導体スイッチング素子60A、60Bの外形よりも一回り大きい。6つの実装窓24A、24Bのうち3つの実装窓(第1実装窓24A)は、1列に並んで一組の第1実装窓群25Aを構成している。6つの実装窓24A、24Bのうち残り3つの実装窓(第2実装窓24B)は、1列に並んで一組の第2実装窓群25Bを構成している。二組の実装窓群25A、25Bは、互いに間隔を空けて、並列して配置されている。
【0020】
導体回路22は、制御回路22Bと接続回路22Aとで構成される。制御回路22Bは、所定のパターンを有しており、その一端は各実装窓24A、24Bの近傍に配置され、他端は、詳細に図示しないが、コネクタ23に備えられる端子に接続されている。接続回路22Aは、制御回路基板20上において、二組の実装窓群25A、25Bの間の領域に、制御回路22Bに対して間隔を空けて配置されている。
【0021】
2枚のバスバー30、40のうち1枚は入力バスバー30であり、もう1枚は出力バスバー40である。
図3に示すように、入力バスバー30は、導電性材料(本実施形態では銅または銅合金)により形成された矩形の厚板である。入力バスバー30は、ボルト挿通孔31を備えている。ボルト挿通孔31は、入力バスバー30の一方の板面から他方の板面まで貫通する貫通孔である。出力バスバー40も、入力バスバー30と同様に、導電性材料(本実施形態では銅または銅合金)により形成された矩形の厚板であって、ボルト挿通孔41を備えている。
【0022】
入力バスバー30と出力バスバー40とは、制御回路基板20において制御回路22Bが形成された面とは逆側の面に配置されている。入力バスバー30と出力バスバー40とは、互いに間隔を空けて、互いに相手側と対向する端面32A、42Aが平行になるように配置されている。つまり、入力バスバー30と出力バスバー40との間には、入力バスバー30の端面32Aと、出力バスバー40の端面42Aと、絶縁板21において制御回路22Bが配されている側とは逆側の面とで定義される溝26が存在している。
【0023】
入力バスバー30および出力バスバー40は、一部の領域が制御回路基板20と重なっており、ボルト挿通孔31、41が配置された領域は制御回路基板20から外れている。各第1実装窓24Aの内側には、入力バスバー30の一部が露出している。各第2実装窓24Bの内側には、出力バスバー40の一部が露出している。
【0024】
隔離板50は、制御回路基板20において、入力バスバー30および出力バスバー40が配置された面と同じ面に配置されている。隔離板50は、溝26の内部に配置される隔離部51と、隔離部51の両端にそれぞれ配置される2つのフレーム部52とを備えている。隔離部51は、細長い長方形の板であり、入力バスバー30と出力バスバー40との間に配置されている。2つのフレーム部52は、隔離板50の両端から、隔離板50と垂直に延びる部分であって、入力バスバー30および出力バスバー40を挟んで配置されている。
【0025】
上記のように構成された回路構成体11を形成する方法は、例えば以下のようである(
図9参照)。
まず、バスバー30、40および隔離板50と絶縁板21とを、接着層53の基材であるプリプレグ54を挟んで重ねる。次に、バスバー30、40および隔離板50と絶縁板21とプリプレグ54との積層体を熱プレスし、プリプレグ54を硬化させてバスバー30、40および隔離板50と絶縁板21とを接着する。なお、プリプレグ54を構成する樹脂は、熱プレスによって流動し、その一部が隔離板50と入力バスバー30との隙間、および、隔離板50と出力バスバー40との隙間に入り込んで硬化する。この後、絶縁板21にドリルによる機械加工を施して実装窓24A、24Bを形成し、絶縁板21の表面に導体回路22を形成すればよい。
【0026】
半導体スイッチング素子60A、60Bは、パワーMOSFETであって、ハウジング61と、このハウジング61に設けられたドレイン端子62、ソース端子63およびゲート端子64を備えている。ドレイン端子62はハウジング61の下面に配置されている。また、ソース端子63およびゲート端子64は、ハウジング61の側面から突出している。
【0027】
6つの半導体スイッチング素子60A、60Bのうち3つの半導体スイッチング素子(第1半導体スイッチング素子60A)は、一組の第1素子群65Aを構成している。6つの半導体スイッチング素子60A、60Bのうち残り3つの半導体スイッチング素子(第2半導体スイッチング素子60B)は、一組の第2素子群65Bを構成している。
【0028】
図4に示すように、第1半導体スイッチング素子60Aは、それぞれ、第1実装窓24Aの内側に配置されている。そして、第1実装窓24Aの内側に露出している入力バスバー30の一部にドレイン端子62が接続され、制御回路基板20上の接続回路22Aにソース端子63が、制御回路22Bにゲート端子64が、それぞれ接続されている。同様に、第2半導体スイッチング素子60Bは、それぞれ、第2実装窓24Bの内側に配置されている。そして、第2実装窓24Bの内側に露出している出力バスバー40の一部にドレイン端子62が接続され、制御回路基板20上の接続回路22Aにソース端子63が、制御回路22Bにゲート端子64がそれぞれ接続されている。接続は、例えばはんだHにより行うことができる。
【0029】
このように配置されることによって、並列に接続された3つの半導体スイッチング素子60A、60Bが1組とされ、2組の半導体スイッチング素子60A、60Bが直列に接続される。2組の半導体スイッチング素子60A、60Bは、互いに背中合わせ(back to back)に配置されている。
【0030】
複数の半導体スイッチング素子60A、60Bを1組とするのは、大電流に対応するためである。つまり、複数の半導体スイッチング素子60A、60Bを並列に接続することによって、電源回路に流すことのできる電流の総量を大きくできる。
【0031】
2組の半導体スイッチング素子60A、60Bを背中合わせに配置するのは、以下の理由による。
【0032】
一般に、MOSFETを用いたスイッチでは、pn接合による寄生ダイオードがソース−ドレイン間に生成される。したがって、ゲートをオフしてもソース側からドレイン側へこの寄生ダイオードを通じて電流が流れるため、ソース側からドレイン側への信号をオフすることができない。このため、メインバッテリ90よりも補助バッテリ91の電圧が高くなった時(アイドリングストップ時など)に、スイッチがオフになっているにもかかわらず、寄生ダイオードを通って電流が補助バッテリ91からメインバッテリ90に流れ込んでしまうことがある。2組のMOSFETを、上記寄生ダイオードの向きが反対になるように直列に接続することによって、双方向の電流を遮断することが可能となる。
【0033】
入力バスバー30には、メインバッテリ90につながるハーネス70Aと接続された締結端子71Aが、ボルト挿通孔31に挿通された電源端子72A(スタッドボルト)と、この電源端子72Aの先端に締め付けられたナット73Aとによって固定される。また、出力バスバー40には、補助バッテリ91につながるハーネス70Bと接続された締結端子71Bが、ボルト挿通孔41に挿通された電源端子72B(スタッドボルト)と、この電源端子72Bの先端に締め付けられたナット73Bとによって固定される。
【0034】
ケーシング80は、ケース81と覆い板82とを備えている。ケース81は、スイッチング基板10の外形よりも一回り大きい外形を有するトレイ状のケースである。ケース81は、スイッチング基板10の制御回路基板20が配置された面を全面にわたって覆っている。覆い板82は、制御回路基板20の外形と等しい外形を有する矩形状の板である。覆い板82は、スイッチング基板10において、制御回路基板20が配置された領域の裏側に重ねられている。ケース81と覆い板82とはいずれも合成樹脂により形成されている。
【0035】
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、メインバッテリ90と補助バッテリ91との間に配されるスイッチング基板10に必要なバスバー30、40、制御回路基板20、および半導体スイッチング素子60A、60Bをシンプルにレイアウトすることができ、簡易な構成のスイッチング基板10を提供できる。
【0036】
<変形例>
本発明の変形例を、
図10を参照しつつ説明する。本変形例のスイッチング基板101は、入力バスバー110が第1凸部111Aと第1凹部111Bとを有し、出力バスバー120が第2凸部121Aと第2凹部121Bとを有している点を除き、実施形態と同様の構成である。スイッチング基板101において、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
入力バスバー110は、出力バスバー120側の端縁111に、出力バスバー120に向かって突出する複数の第1凸部111Aを有している。複数の第1凸部111Aは、一定のピッチで設けられている。隣り合う2つの第1凸部111A、111A間の領域は、出力バスバー120とは逆側に凹む第1凹部111Bとなっている。
【0038】
出力バスバー120は、入力バスバー110側の端縁121に、入力バスバー110に向かって突出する複数の第2凸部121Aを有している。複数の第2凸部121Aは、一定のピッチで設けられている。隣り合う2つの第2凸部121A、121A間の領域は、入力バスバー110とは逆側に凹む第2凹部121Bとなっている。
【0039】
複数の第1凸部111Aと複数の第2凸部121Aとは、互い違いに配置されている。複数の第1凸部111Aのそれぞれは、第2凹部121Bと向い合せに配置され、突出端が第2凹部121B内に位置している。複数の第2凸部121Aのそれぞれは、第1凹部111Bと向い合せに配置され、突出端が第1凹部111B内に位置している。
【0040】
上記の構成によれば、スイッチング基板101に予期しない大きな力が加えられた場合に、入力バスバー110と出力バスバー120との隙間に沿って制御回路基板20が折れてしまうことを回避できる。
【0041】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、溝26の内部に隔離板50の隔離部51が配置される例を示したが、例えば、制御回路基板20とバスバー30、40とを接着した後に、溝26に熱硬化性樹脂を流し込んで硬化させることにより、溝26を埋めても構わない。
【0042】
(2)上記実施形態では、補助電源は補助バッテリ91であったが、補助電源としては、例えば、二次電池、電気二重層キャパシタなどの蓄電装置を使用できる。
【0043】
(3)上記実施形態では、実装窓24A、24Bおよび半導体スイッチング素子60A、60Bは3つが1組とされていたが、1組を構成する半導体スイッチング素子の数は2つまたは4つ以上であっても構わない。同様に、1組を構成する実装窓の数は2つまたは4つ以上であっても構わない。
【符号の説明】
【0044】
10、101…スイッチング基板
11…回路構成体
20…制御回路基板
21…絶縁板
22…導体回路
22A…制御回路
22B…接続回路
24A…第1実装窓
24B…第2実装窓
30、110…入力バスバー
40、120…出力バスバー
60A…第1半導体スイッチング素子
60B…第2半導体スイッチング素子
62…ドレイン端子
63…ソース端子
64…ゲート端子
90…メインバッテリ(主電源)
91…サブバッテリ(補助電源)
111…端縁
111A…第1凸部
111B…第1凹部
121…端縁
121A…第2凸部
121B…第2凹部