特許第6115877号(P6115877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6115877
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】接続装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/28 20060101AFI20170410BHJP
   A61M 39/22 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   A61M1/28 120
   A61M39/22 100
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-513322(P2015-513322)
(86)(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公表番号】特表2015-517853(P2015-517853A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】IB2013054051
(87)【国際公開番号】WO2013175371
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2016年5月17日
(31)【優先権主張番号】RM2012A000239
(32)【優先日】2012年5月24日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514268671
【氏名又は名称】グロメリア セラピューティクス エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アーデュイニ,アーデュイノ
(72)【発明者】
【氏名】アリッザ,ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】セラソリ,パオロ
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−203448(JP,A)
【文献】 特開2000−5303(JP,A)
【文献】 特開平6−312014(JP,A)
【文献】 特表平9−509469(JP,A)
【文献】 特開平8−224300(JP,A)
【文献】 特許第3409324(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/28
A61M 39/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの管(5、6)の2つの端部を別の可撓性の管(7)に接続する接続装置(1)であって:
・可撓性の管(7)のY字形の分岐部(8)の2つのノズル状の末端部(9)を収容する閉容器(2);
・前記閉容器(2)に係合/離脱するようになっている取り外し可能な接続部材(3)であって、前記ノズル状の末端部(9)と連結/連結解除するように形状決めされている前記それぞれの管(5、6)の終端部分を収容し、前記容器(2)の遠位端部及び該接続部材(3)は、角柱状のジョイントを用いた誘導スキームに従って連結するように形状決めされている、取り外し可能な接続部材(3);
・前記閉容器(2)及び前記接続部材(3)の接続/分離時に前記接続部材(3)の突出隔壁(33)の接触によって開閉作動される、前記閉容器(2)の可動壁(29)を有するクロージャ;及び
・前記接続部材(3)内のそれぞれの開セクションを閉じるように前記管(5、6)の前記終端部分(10)に配置されている除去可能な引き裂きフィルム(37)を有するクロージャであって、前記閉容器(2)及び前記接続部材(3)の接続時に前記閉容器(2)の縁と該クロージャの肥厚した縁(38)との干渉により除去されるようになっている、クロージャ
を備え、前記閉容器(2)及び前記接続部材(3)の接続は、前記ノズル状の末端部(9)と、それぞれの管(5、6)の前記終端部分との係合及び離脱を決める、接続装置。
【請求項2】
接続装置(1)であって、前記閉容器(2)は2つのそれぞれの下側半体シェル(11)及び上側半体シェル(12)を含み、半体シェルのうちの一方にはスロット(15)が設けられており、スロット(15)には、ノブ(14)を形成するように形状決めされるロータ(13)が外方から挿入される、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記可撓性の管(7)及び前記Y字形の分岐部(8)の下流の関連する管は前記下側半体シェル(11)と一体的である、請求項1に記載の接続装置。
【請求項4】
前記半体シェル(11、12)は、前記可撓性の管(7)の前記ノズル状の末端部(9)を軸方向及び径方向にロックするように形状決めされたプロファイル(26、27)を含む、請求項1又は2に記載の接続装置。
【請求項5】
前記半体シェルは、前記容器(2)の遠位端部接続部において、2つの分離された領域(B、C)を形成するように形状決めされており、分離された領域(B、C)のうちの一方は、前記可撓性の管(7)の前記ノズル状の末端部(9)を収容し、分離された領域(B、C)のうちの他方は、前記取り外し可能な接続部材(3)の形状決めされた隔壁(33)を受け入れるのに好適である、請求項1又は2に記載の接続装置。
【請求項6】
前記閉容器(2)は、前記半体シェル(11、12)の好適な孔に挿入されるピン(30)によってそれぞれヒンジ回転されるとともに、閉位置に戻りばね部材がそれぞれ設けられている可動壁(29)を含む、請求項1又は2に記載の接続装置。
【請求項7】
前記形状決めされた隔壁(33)は、接続/分離中に、前記可動壁(29)を開閉するように接触により作動するものとして働く、請求項6に記載の接続装置。
【請求項8】
前記取り外し可能な接続部材(3)は、前記ノズル状の末端部(9)との液密な連結のために好適に形状決めされる前記管(5、6)の前記終端部分(10)を含む、請求項1に記載の接続装置。
【請求項9】
前記閉容器(2)の終端部分及び前記取り外し可能な接続部材(3)は、
・外部環境から隔離される閉容積部をその内部に形成するように該閉容器(2)及び該接続部材(3)を接続すること;
・前記可動壁(29)を開くこと;及び
・前記除去可能な引き裂きフィルム(37)を除去すること、
・前記可撓性の管(7)の前記ノズル状の末端部(9)と2つの管(5、6)の前記終端部分(10)とを接続すること
を順に行うのに好適な方法で、角柱状のジョイントを用いて誘導スキームに従って連結されるように形状決めされている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項10】
締結システムが、前記閉容器(2)及び前記取り外し可能な接続部材(3)の接続時に該閉容器(2)及び該取り外し可能な接続部材(3)を一体的にする、請求項1に記載の接続装置。
【請求項11】
接続装置(1)であって、前記閉容器(2)は、前記ロータ(13)を回転にのみ制限する、前記下側半体シェル(11)及び前記上側半体シェル(12)に得られる座部を含み、回転は、ユーザが前記ノブ(14)によって行うことができる、請求項1又は2に記載の接続装置。
【請求項12】
前記閉容器(2)は、前記ロータ(13)を一定のピッチで一方向に回転させるシステムを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ノブ(14)が設けられている前記ロータ(13)の位置は、前記閉容器(2)の外側に配置されている段階的な目盛り(19)によって示される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記閉容器(2)は、前記ロータ(13)と前記下側シェル(11)との間の関連する角度位置に応じて前記可撓性の管(7)の前記Y字形の分岐部(8)の下流の管を締めるか又は締めないように形状決めされている、前記下側半体シェル(11)と前記ロータ(13)との間でそれぞれ位置合わせされる、前記管を着座して保つように形状決めされている、前記下側半体シェル(11)にある隔壁(22)、及び前記ロータ(13)にある隔壁(23)によって構成される、前記可撓性の管(7)の前記Y字形の分岐部(8)の下流の前記管の交互の閉塞システムを含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項15】
腹膜透析治療用の使い捨てキットであって、請求項1〜14のいずれか一項に記載の接続装置(1)、好適な透析液を収容する袋、空の袋、及び、C.a.p.d.タイプの透析用の関連する接続管を含む、使い捨てキット。
【請求項16】
腹膜透析治療用の使い捨てキットであって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の接続装置(1)、及び、A.p.d.タイプの透析用の関連する接続管又は圧送装置を含む、使い捨てキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、それぞれの管の1つ又は複数の端部を別の管の端部に接続する接続装置という目的を有する。
【0002】
本発明はまた、生体内、特にヒトの身体内におけるカテーテルの使用であって、当該カテーテル、及びカテーテルに接続されている管を通して、生体内への流体の導入及び生体からの流体の除去を行うための、カテーテルの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
特定の適用例は、腹膜透析治療を行うためにヒトの身体に挿入されるカテーテルに接続されることによって構成される。
【0004】
既知の装置は、交換流体と外部環境との接触を確実に防止するものではなく、すなわち、結果としてユーザによる使用が難しい。
【0005】
腹膜透析に関して、第1の場合に、外部からの流体汚染、更には病原因子による汚染が生じる可能性があり、これは危険な腹膜炎を伴い、一方で第2の場合には、認知、及びモータの知識が限られている場合が多いユーザが、使用時に間違いを犯し、透析治療自体を台無しにする可能性がある。さらに、複雑な使用法により、上記対象者においてそのような治療を採用することが妨げられる可能性がある。
【0006】
特許文献1は、それぞれの管の2つの端部を第3の可撓性の管につなぐ接続装置を記載している。接続装置は、可撓性の管のY字形の分岐部の2つのノズル状の末端部を受け入れるケーシング、並びに、当該ケーシングに係合及び離脱されなければならない接続部材を含み、接続部材は、ノズル状の末端部の連結及び連結解除を行うように形状決めされたそれぞれの管の終端部分を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/260699号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の基礎となる技術的課題は、既知の技術に関して上述した欠点をなくすことを可能にする接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのような課題は、添付の請求項1に記載の接続装置によって解決される。
【0010】
本発明による装置の主な利点は、病原因子からの可能性のある汚染を防止すること、及び、接続手順を、行うのに容易なものにすることによって、外部環境に対して保護する。
【0011】
さらに、腹膜透析における用途に関して、本発明による装置は、使い捨て部分の構造的な複雑さを大幅に低減する。
【0012】
本明細書において、本発明を、添付の図面を参照して限定するためではなく例として提供される、本発明の好ましい実施形態の例に従って説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による接続装置の実施形態の例の斜視図である。
図2図1の接続装置の部分的なセットの斜視図である。
図3図1の接続装置の構成要素の斜視図である。
図4図1の接続装置の分解斜視図である。
図5図1の接続装置の縦断面斜視図である。
図6図1の接続装置の部分断面斜視図である。
図7図1の接続装置の部分縦断面詳細斜視図である。
図8図1の接続装置の構成要素の斜視図である。
図9図1の接続装置の部分的なセットの斜視図である。
図10図1の接続装置の構成要素の斜視部分図である。
図11図1の接続装置の構成要素の斜視図である。
図12図1の接続装置の断面斜視部分図である。
図13図1の接続装置の構成要素の縦断面斜視図である。
図14図1の接続装置の構成要素の装置の断面部分図である。
図15】3つの後続の動作位置にある、図1の接続装置の断面斜視部分図である。
図16】3つの後続の動作位置にある、図1の接続装置の付加的な断面部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照すると、接続装置が全体的に1で示されている。
【0015】
接続装置は、閉容器2によって構成され、閉容器2は、第1の可撓性の管7を受け入れるとともに、当該容器2内に第1の可撓性の管7の好適なY字形の分岐部8を含む円形のディスクのように概ね形状決めされ、分岐部8は、上記管を、容器2の円形の側壁の形状を辿ることによって半円状に配置される2つの管セクションに分け(図4)、各管セクションは、それ自身の遠位端部に、端部ノズルを形成するそれぞれの剛性の末端部9を有する。
【0016】
装置1は、容器2における第1の管7の入口の反対側において、2つのそれぞれの第2の管5及び第3の管6の終端筒状部分10を包囲する取り外し可能な接続部材3を有する。
【0017】
上記終端筒状部分10は、上記ノズル状の末端部9との液密な連結のために円錐台状に形状決めされる。
【0018】
上記装置1は、それぞれ下側シェル11及び上側シェル12である2つの半体シェル、並びに、ユーザが作動することができるとともに半体シェル12の円形の開口15の内部に位置決めされる突出ノブ14に当接する、上側半体シェル12の平面的な上壁を構成するロータ13によって構成される。
【0019】
上記半体シェル11及び12は、閉ケーシング2を形成するように組み立て中に一体的にされる。
【0020】
上記ロータ13は、球状のキャップ16のように形状決めされるその下側部分と、下側半体シェル11に配置されるピン17との接触、及び、上記開口15の縁の下側部分と、当該ロータ13の上側部分との接触によって、並びに、その縁18によって着座して保たれ、これによって、容器2に垂直な軸Aに対する回転のみを可能にする。
【0021】
ロータ13の作動は、装置のユーザにより、指で上記ノブ14を把持して回転させることによって行われる。
【0022】
ロータ13は、本明細書において示される例では、ロータ13を、半体シェル11、12に対して一方向に、また一定の回転角度ピッチで回転させるように、下側半体シェル11の底部に形成されているそれぞれの第2の歯付きプロファイル21と協働するようになっている複数の小さい歯を有する、容器2の内方に面する、適切に形状決めされるとともにロータ13の内面に配置される第1の歯付きプロファイル20によって実現される、その戻りを防止する機構のおかげで、1つの方向に回転することができる。
【0023】
回転角運動は、好ましくはその可能な触覚を目立たせるために、段階I−II−IIIで示されるタイプの、上側半体シェル12の外側に形成される段階的な目盛り19によってユーザに更に知らされる。
【0024】
装置1は、下側半体シェル11とロータ13との間で位置合わせされるとともに下側半体シェル11及びロータ13にそれぞれ配置される隔壁22及び23によって構成される、管9の閉塞システムを含む。
【0025】
上記隔壁のうちの第1の隔壁22は、上記剛性の末端部9において下側半体シェル11の底部から鉛直に突出し、対応する末端部9を座部に保つようになっている2つの凹部24をそれぞれ形成するように形状決めされ、一方で、第2の隔壁23は、容器2の内部に向かってロータの外側縁から垂直に突出することによって湾曲し、斜角のプロファイル25を有する窪みが設けられている。
【0026】
その結果、ユーザがノブ14によって行うロータ13の回転中に、ノズル状の末端部9は、それぞれの末端部9をそれらの位置にしっかりと保持する第1の隔壁22とは対照的に、窪み25がそれぞれの末端部9のうちの一方にあるときを除いて、第2の隔壁23によって締められる。したがって、末端部9はこのように、結果として、その壁を筒状形状に戻すその可撓性の管セクションの弾性回復のおかげで交互に開く。
【0027】
ノズル状の末端部9は、半体シェル11及び12に対称に存在する、フォーク状に形状決めされる対向するプロファイル26及び27間の確実な接続、並びに、上記ノズル状の末端部9のそれぞれの径方向の肥厚部28によって、2つの半体シェル11及び12内で軸方向及び径方向に更にロックされる。
【0028】
第1の可撓性の管7、及びY字形の分岐部8の下流の関連する管路は、例えば糊付けによって下側半体シェル11と一体的にされる。
【0029】
装置1の遠位端部は、2つの別個の領域に分けられ:第1の領域Bはノズル状の末端部9を含み、第1の領域から隔離された第2の領域Cは、その内部に、接続部材3の、尖点のように形状決めされる突出隔壁33を受け入れるようになっている。
【0030】
装置1の上記末端遠位端部は、ピン30、並びに、半体シェル11及び12に得られる好適な孔31によって適所に保持される2つの可動壁29によって閉じられる。
【0031】
上記壁29の閉位置は、ピン30に固定される2つのねじりばねによって保証される(図面には示さず)。
【0032】
上記壁29は、ピン30の周りで装置1の内部に向かって回転することによって、2つのノズル状の末端部9の外側からアクセス可能にすることにより装置1の遠位端部を開く。そのような回転は、閉容器2及び取り外し可能な接続部材3が接続されるときに、図15及び図16に示されているシーケンスP1、P2、P3に従って、尖点のような隔壁33及び可動壁29が接触することによって生じる。
【0033】
装置1の遠位端部は、角柱状のジョイントを用いた誘導スキームに従って接続部材3に連結されるように形状決めされ;そのような接続はロックシステムによって安定し、ロックシステムは、この例では、接続部材3の外側縁に得られるねじ山36に噛み合う雌ねじ35が設けられている回転リングナット34によって構成される。
【0034】
接続部材3の終端筒状部分10の開口セクションは、肥厚部38で終端する縁を形成するように折り曲げられている除去可能な引き裂きフィルム37によってそれぞれ保護される。
【0035】
接続部材3を閉容器2に挿入すると、そのような肥厚部38は上側半体シェル12の縁と接触し、これによって肥厚部38が引きずられ、したがって、それぞれ第2の管5及び第3の管6のシーケンスP1、P2、P3に従って、上記フィルム37を引きずり、結果として、終端筒状部分10の開口から漸進的に開くことによって分離し、第2の管5及び第3の管6はその後、第1の管7のノズル状の末端部9にのみ接続される。
【0036】
したがって、取り外し可能な接続部材3は再使用可能ではないタイプであり、したがって使い捨てとして分類することができる。
【0037】
腹膜透析治療の場合に関して、本明細書において示される例における本発明の装置の目的は、C.a.p.d.(持続的携帯型腹膜透析)と呼ばれる治療における使用に好適である。
【0038】
そのような治療は、好適な固定されたカテーテルによって、外側の袋からの重力により透析流体を腹膜腔内に注入することによって行われる。透析流体は、血液からの水及び老廃物を、腹膜を通して透析液体と交換することを可能にするように、数時間にわたって患者の腹部に留まる。治療の終わりに、流体は好適な空の袋に排出される。
【0039】
特に、この例では、第1の管7は患者の腹膜に接続され、第2の管5及び第3の管6は、腹膜液で満杯の袋、すなわち上記装填袋、及び、透析液体を排出する空の袋にそれぞれ接続される。そのような治療は、1日に数回繰り返される。
【0040】
1回の治療と他の治療との間の、使用されていない間隔の間には、装置1は、上側半体シェル12に存在する段階的な目盛りにおいてIで示される初期形態にある。
【0041】
ノズル状の末端部9で終端する、第1の管7のY字形の分岐部8の下流の管はともに、閉容器2内の閉塞システムによって閉じられ;壁29が第1の管7のノズル状の末端部9を保護する。
【0042】
閉容器2の遠位端部に取り外し可能な接続部材3を挿入することによって、領域C内において、プロファイル33が可動壁29と接触し、外部環境に対して隔離される領域B内において可動壁29が開くことを制御する。
【0043】
その後、除去可能な引き裂きフィルム37の肥厚部38が、上側半体シェル12の縁と干渉によって接触し、それによって、肥厚部38は、2つの管5、6の終端筒状部分10を取り外すまでフィルム37を引きはがすことによって引きずられる。
【0044】
その後の段階では、取り外し可能な部材3を閉容器2の終端部分とともに挿入し続けることによって、第1の管7のノズル状の末端部9と第2の管5及び第3の管6の終端筒状部分10との間の流体密の接続が生じ、袋と腹膜との間の透析流体の交換が可能となる。
【0045】
閉容器2と取り外し可能な接続部材3との間の接続は、ユーザによって、リングナット34を回転させることによって行われ、その雌ねじは、取り外し可能な接続部材3の外側のねじ山36に係合して配置される。
【0046】
ユーザは、段階的な目盛り19に関してIIで示されている角度位置までノブ14を回転させ、装填袋に接続されているノズル状の末端部9のうちの第1の末端部のみを開き;ユーザは、透析液を腹膜に向かって流すことによって、第2の管5に配置されている好適な(図示されていない)破断コーンを破る。
【0047】
後続の段階では、ユーザは、段階的な目盛り19に関して位置IIIまでノブを再び回転させる。この構成では、末端部9のうちの第2の末端部のみが結果として開き、腹膜からの透析液が、場合によっては同様に特定の破断コーンが設けられている第3の管6を通って排出袋まで流れることを可能にする。
【0048】
透析治療の終わりにおいて、段階的な目盛り19に関してIで示されている位置までノブ14によってロータ13を更に回転させ、その後、閉容器2から取り外し可能な接続部材3を分離することによって、初期形態の状態に戻る。
【0049】
その後、ここまで記載したサイクルを、新たな取り外し可能な接続装置3を用いることによって繰り返すことができる。
【0050】
本発明において記載したような接続装置は、A.p.d.(自動腹膜透析)と呼ばれる腹膜透析治療に好適な構成で、当業者によって実現することができ、この場合、透析流体の注入及び除去は、好適なサイクラマシンによって行われる。
【0051】
上述の接続装置に対して、当業者は、付加的かつ不測の必要性を満たすために、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の保護範囲内に全て入る、幾つかの付加的な変更形態及び変形形態を導入することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
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