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特許6115903LED表示パネルおよび車載用LED表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6115903
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】LED表示パネルおよび車載用LED表示装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20170410BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20170410BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20170410BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20170410BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   H01L33/62
   H01L33/00 J
   H01L33/00 L
   G09F9/33
   G09F9/30 320
   G09F9/30 310
   B60R11/02 C
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-118050(P2016-118050)
(22)【出願日】2016年6月14日
【審査請求日】2016年9月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509147019
【氏名又は名称】住宅環境設備株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】牧野 克彦
【審査官】 田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−177147(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3203462(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0192951(US,A1)
【文献】 特開2013−168228(JP,A)
【文献】 特開2001−058540(JP,A)
【文献】 特開2007−148005(JP,A)
【文献】 特開2002−002396(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3051629(JP,U)
【文献】 国際公開第2006/137623(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/00−11/06
G09F 9/00−9/46
H01L 27/32
33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する第1透明基板と、
前記透明基板上にマトリクス状に配列された複数のLED素子と、
前記複数のLED素子を間に挟み前記第1透明基板と対向して設けられた可撓性を有する第2透明基板と、
前記各透明基板との間に設けられた複数のスペーサと、
を有し、
前記複数のLED素子は前記第1透明基板の長手方向に並列に配置された複数の表示モジュールに区分けされ、
前記各スペーサは、前記複数のLED素子間において、前記各透明基板の長手方向に延設されたリブ形状であり、
前記各スペーサは前記第2透明基板と一体に成形され、前記各スペーサの先端は接着剤により前記第1透明基板に接合され、
前記第2透明基板の外表面がパネル貼り付け面となっている、
LED表示パネル。
【請求項2】
前記第2透明基板の外表面にパネル取り付け用の磁気吸着部材または被磁気吸着部材が取り付けられている請求項1に記載のLED表示パネル。
【請求項3】
車両のリアガラスの内側に取り付けられる請求項1または請求項2に記載のLED表示パネルと、
前記LED表示パネルを駆動する駆動部と、
前記駆動部の駆動源となる電源部と、
前記LED表示パネルに表示される文字データを予め記憶し、記憶された文字データから選択された文字データに応じて前記駆動部に駆動信号を送る制御部と、
前記LED表示パネルに表示される文字データを選択して送信する送信部を備えたリモートコントロール部と、
前記リモートコントロール部にて選択された文字データの信号を受信し、前記制御部に文字データの選択信号を送信する受信部と、
を有する車載用LED表示装置。
【請求項4】
前記制御部は所定時間後に前記駆動部に非駆動信号を送りLED素子の駆動を自動的に停止させる請求項3に記載の車載用LED表示装置。
【請求項5】
前記駆動部の電源部はシガーライタソケット部から供給される請求項3または請求項4に記載の車載用LED表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLED素子(発光ダイオード素子)が基板上にマトリックス状に配列されLED素子の点滅制御により文字や図形等を表示するLED表示パネルおよび車載用LED表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、LED素子を使用して文字等を表示するLED表示パネルが広く知られている。
このLED表示パネルを設置する場合は、複数のLED素子がマトリックス状に配列された基板に枠体を取り付け、この枠体をネジ等により、所定の設置場所に取り付ける方法が一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のLED表示パネルの取り付け構造では、ネジ等の取り付け手段を用いて、設置場所にLED表示パネルを取り付けるために、設置場所にネジ等の取り付け穴が形成され、設置場所を損傷させることになる。
また、LED表示パネルの設置が不要になり、その設置場所からLED表示パネルを取り外す場合、その設置場所にネジ等の取り付け穴が残り、設置場所の外観を損傷させることになる。
【0004】
特に、LED表示パネルに表示される文字を後方の車両に知らせるためにLED表示パネルを車内の後方部分にある棚に設置する場合、その設置場所は上方にリアガラスがあるために、その設置スペースが制限され、LED表示パネルの取り付けが煩雑となる。また、上記棚にネジ等の取り付け穴を形成することになり、車両の美観を損なう恐れがある。
【0005】
さらに、近年、自家用車においては、車内の後方に棚のないハッチバックスタイルの車両も多く、車内にLED表示パネルを設置することが難しかった。
【0006】
本発明は上述した従来の課題に鑑みてなされたものであり、車両のリアガラスのように設置場所が湾曲面である部分にも簡単に取り付けることができ、設置場所に損傷を与えることがないLED表示パネルおよび車載用LED表示パネル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した従来の課題を解決し、上述した目的を達成するため、本発明のLED表示パネルは、可撓性を有する第1透明基板と、前記透明基板上にマトリクス状に配列された複数のLED素子と、前記複数のLED素子を間に挟み前記第1透明基板と対向して設けられた可撓性を有する第2透明基板と、前記各透明基板との間に設けられた複数のスペーサとを有し、前記複数のLED素子は前記第1透明基板の長手方向に並列に配置された複数の表示モジュールに区分けされ、前記各スペーサは、前記複数のLED素子間において、前記各透明基板の長手方向に延設されたリブ形状であり、前記各スペーサは前記第2透明基板と一体に成形され、前記各スペーサの先端は接着剤により前記第1透明基板に接合され、前記第2透明基板の外表面がパネル貼り付け面となっていることを特徴とする。
この構成によれば、複数のLED素子は第1透明基板上に配列されているので、一般の基板と比較して、LED表示パネルに表示される文字を明るく表示することができる。また、第2透明基板も透明な樹脂により形成されているので、LED表示パネルをリアガラスに貼り付けた状態でもLED表示パネルに表示される文字を後方車両から確実に確認することができる。
また、LED表示パネルは可撓性を有する2枚の透明基板を貼り合わせるとともに、各透明基板間にスペーサを設けた構成である。したがって、LED表示パネルが貼り付けられる面が湾曲した面であったとき、LED表示パネルを貼り付けられる面の湾曲形状に合わせ湾曲させても、LED表示パネルの貼り付け面が波を打つように凹凸が生じることはなく、貼り付けられる面に隙間なく確実に貼り付けることができる。
また、各LED素子は各透明基板間の空間部分に配置されるので、LED素子の放熱効果も得ることができる。
また、表示モジュール毎に1個ずつ文字を表示することができ、LED表示パネルの配線が簡単なものとなる。
また、各スペーサを第1透明基板上の所定位置に簡単かつ確実に取り付けることができる。
また、各透明基板間にリブ形状のスペーサを設けることにより、LED表示パネルの強度は保たれている。
また、LED素子が配置されている第1透明基板には損傷を与えることはなく、LED素子の配置にズレが生じることはない。
【0013】
好適には、本発明は、前記LED表示パネルにおいて、前記第2透明基板の外表面にパネル取り付け用の磁気吸着部材または被磁気吸着部材が取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、LED素子が配置されている第1透明基板に負荷を与えることなく、パネルを簡単に着脱自在に取り付け、または取り外すことができる。
【0014】
本発明の車両用LED表示装置は、前記LED表示パネルと、前記LED表示パネルを駆動する駆動部と、前記駆動部の駆動源となる電源部と、前記LED表示パネルに表示される文字データを予め記憶し、記憶された文字データから選択された文字データに応じて前記駆動部に駆動信号を送る制御部と、前記LED表示パネルに表示される文字データを選択して送信する送信部を備えたリモートコントロール部と、前記リモートコントロール部にて選択された文字データの信号を受信し、前記制御部に文字データの選択信号を送信する受信部を有することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、LED表示パネルを車内のリアガラスに貼り付け、後方の車両に各種文字によりサインを送ることができ、運転の安全性を考慮したものとなる。
【0016】
好適には、本発明は、前記車両用LED表示装置において、前記制御部は所定時間後に前記駆動部に非駆動信号を送りLED素子の駆動を自動的に停止させることを特徴とする。
この構成によれば、LED表示パネルへの文字の表示が必要なタイミングのみLED表示パネルを駆動することができ、節電に寄与することができる。
【0017】
好適には、本発明は、前記車両用LED表示装置において、前記駆動部の電源部はシガーライタソケット部から供給されることを特徴とする。
この構成によれば、専用のバッテリーを備えなくてもよく、車載用LED表示装置を車両に簡単に搭載することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、車両のリアガラスのように設置場所が湾曲面である部分にも簡単に取り付けることができ、設置場所に損傷を与えることがないLED表示パネルおよび車載用LED表示パネル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る車両用LED表示装置の概略を示すブロック図である。
図2】車載用LED表示装置のリモコンを示す平面図である。
図3】LED表示パネルの表示モジュールの要部拡大平面図である。
図4図3のA−A線断面図である。
図5図4におけるLED素子の取り付け部分の拡大断面図である。
図6】LED表示パネルを車両のリアガラスの内側に取り付けた状態を示す図である。
図7】LED表示パネルの変形例を示す拡大斜視図であり、パネルを車外側から見た図である。
図8図7のLED表示パネルが取り付けられる車両のリアガラスの斜視図であり、リアガラスを車内側から見た図である。
図9図7のLED表示パネルと車両のリアガラスの内側との取り付け部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る車載用LED表示パネル装置について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両用LED表示装置の概略を示すブロック図である。図2は、車載用LED表示装置のリモートコントローラ部の概略を示すブロック図である。図3は、第1表示モジュールのLED表示パネルの要部拡大平面図であり、LED素子の配線構造を示す図である。図4は、図3のA−A線断面図である。図5は、図4におけるLED素子の取り付け部分の拡大断面図である。図6は、LED表示パネルを車両のリアガラスの内側に取り付けた状態を示す正面図であり、車両の後方より見たLED表示パネルの取り付け状態を示す図である。
【0021】
(車載用LED表示装置)
図1および2に示すように、車載用LED表示パネル装置1は、LED表示パネル2と、LED表示パネル2を駆動する駆動部3と、駆動部3の駆動源となる電源部4と、LED表示パネル2に表示される文字データを予め記憶し、記憶された文字データから選択された文字データに応じて駆動部3に駆動信号を送る制御部5と、LED表示パネル2に表示される文字データを選択して送信する送信部6を備えたリモートコントロール部7と、リモートコントロール部7にて選択された文字データの信号を受信し、制御部5に文字データの選択信号を送信する受信部8を有している。
【0022】
電源部4は車内に備えられている図示しないシガーライタソケット部に差し込まれ、車載用LED表示装置1はDC12Vによって駆動される。したがって、専用のバッテリーを備えなくてもよく、車載用LED表示装置1を車両に簡単に搭載することができる。
【0023】
制御部5には、予めLED表示パネル2に表示する複数の文字のデータがパソコン等の入力手段を用いて入力されている。本実施形態においては、5種類の文字データが事前に入力されている。第1文字データは「ありがとう」であり、第2文字データは「サンキュー」であり、第3文字データは「お先にどうぞ」であり、第4文字データは「バックします」であり、第5文字データは「前方混雑」である。
【0024】
また、図2に示すように、LED表示パネル2に表示される文字を選択して受信部8に送信する遠隔操作器であるリモートコントローラ部(以下、リモコンという)7の送信部6は、ケース7Aに組み込まれている。ケース7Aには送信部6から送信される文字データの種類を選択するスイッチ9と、送信部6の駆動源となる電池10が収納されている。
【0025】
スイッチ9は、第1スイッチ部9A、第2スイッチ部9B、第3スイッチ部9C、第4スイッチ部9Dおよび第5スイッチ部9Eから構成されている。第1スイッチ部9Aは第1文字データである「ありがとう」を選択するスイッチ部であり、第2スイッチ部9Bは第2文字データである「サンキュー」を選択するスイッチ部であり、第3スイッチ部9Cは第3文字データである「お先にどうぞ」を選択するスイッチであり、第4スイッチ部9Dは第4文字データである「バックします」を選択するスイッチ部であり、第5スイッチ部9Eは第5文字データである「前方混雑」を選択するスイッチ部である。
【0026】
例えば、第1スイッチ部9Aを選択すると、第1文字データである「ありがとう」の文字データの信号が送信部6から受信部8に送信される。第1文字データの信号を受信部8で受信すると、制御部5は予め記憶されている文字データの中から第1文字データを選択して、駆動部5に選択信号を送る。そして、駆動部5は第1文字データに対応してLED表示パネル2を駆動し、図6に示すように、LED表示パネル2には「ありがとう」の文字が表示される。なお、制御部5は文字データを選択する信号を受信したあと、5秒後に駆動部5への駆動信号を自動的に停止する構成となっている。したがって、第1スイッチ部9Aを押して、LED表示パネル2に「ありがとう」の文字が表示されると、5秒後にその文字の表示が消える構成となっており、LED表示パネル2への文字の表示が必要なタイミングのみLED表示パネル2を駆動することができ、節電に寄与している。
【0027】
なお、第2文字データ、第3文字データ、第4文字データおよび第5文字データも上述した第1文字データの場合と同じように、制御部5にて予め記憶された文字データの中から選択され、各文字データに対応した文字がLED表示パネル2に表示される。
【0028】
(LED表示パネル)
図3〜5に示すように、LED表示パネル2は、可撓性を有する第1透明基板11と、第1透明基板11上にマトリクス状に配列された複数のLED素子12と、複数のLED素子12を間に挟み前記第1透明基板11と対向して設けられた可撓性を有する第2透明基板13と、各透明基板11、13との間に設けられた複数のスペーサ14とを備えている。
【0029】
第1透明基板11は、樹脂によりにより形成されている。
図1に示すように、第1透明基板11上には複数のLED素子12がマトリクス状に配列された6個の表示モジュール2A、2B、2C、2D、2E、2Fが配置されている。
【0030】
第1表示モジュール2A、第2表示モジュール2B、第3表示モジュール2C、第4表示モジュール2D、第5表示モジュール2E、および第6表示モジュール6Fは第1透明基板11の長手方向(図1中横方向)に並列に配置されている。
【0031】
各表示モジュール12A、12B、12C、12D、12E、12Fは16×16ドット単色(緑色)で構成されており、1文字サイズは96×96mmとなっている。したがって、LED表示パネル2には長手方向に6個の文字が表示される構成となっている。
【0032】
例えば、LED表示パネル2に第1文字データである「ありがとう」を表示する場合、第1表示モジュール9Aには文字「あ」が表示され、第2表示モジュール9Bには文字「り」が表示され、第3表示モジュール9Cには文字「が」が表示され、そして第4表示モジュール9Dには文字「と」が表示され、第5表示モジュール9Eには文字「う」が表示される。
【0033】
なお、第2文字データの「サンキュー」、第3文字データの「お先にどうぞ」、第4文字データの「バックします」、そして第5文字データの「前方混雑」も、上述した第1文字データの「ありがとう」と同じようにLED表示パネル2に表示される。
【0034】
図3に示すように、第1透明基板11上には、第1表示モジュール9Aを構成する複数のLED素子12を接続する複数のプラス極配線15がLED表示パネル2の短手方向(図1中縦方向)に平行に配置されている。また、第1透明基板11上には、各LED素子12を接続する複数のマイナス極配線16がLED表示パネル2の長手方向(図1中横方向)に平行に配置されている。
【0035】
各プラス極配線15において、各マイナス極配線16が交差する部分はゼロオーム抵抗(ジャンパーチップ)17を介して接続されている。
第2表示モジュール9B、第3表示モジュール9C、第4モジュール9D、第5モジュール9E、そして第6表示モジュール9Fも上述した第1表示モジュール9Aと同様に、プラス極配線15およびマイナス極配線16が施されている。
【0036】
各LED素子12を間に挟み第1透明基板11と対向するように設けられた第2透明基板13は、樹脂により形成されている。第2透明基板13の第1透明基板11の対向面には、各プラス配線15の間に配置するようにリブ形状のスペーサ14が第2透明基板13の長手方向に延設されている。各スペーサ14は第2透明基板13と一体成形されている。
各スペーサ18は、各表示モジュール9A、9B、9C、9D、9E、9Fに跨り、LED表示パネル2の長手方向の全長に亘って配置されている。
【0038】
各スペーサ14の先端は第1透明基板11に突き当てられ、第1透明基板11に接着剤20により接合されている。各スペーサ14において、マイナス極配線16に重なる部分は、先端がマイナス極配線16に重ねられマイナス極配線16を第1透明基板11に押し付ける構成となっている。
【0039】
第2透明基板13の外表面13AはLED表示パネル2の貼り付け面となっており、図6に示すように、LED表示パネル2は車両のリアガラス30の内側に貼り付けられる。
【0040】
このように、本実施形態に係る車載用LED表示パネル1によれば、車両のリアガラス30の内側にLED表示パネル1を貼り付けることができ、LED表示パネル2に表示される文字によって、後方の車両に対して、安全運転を促すサインを送ることができる。
【0041】
LED表示パネル2は、第2透明基板13の外表面13Aを接着剤によりリアガラス30の内側に貼り付けられるので、LED素子12が配置されている第1透明基板11には損傷を与えることはなく、LED素子12の配置にズレが生じることはない。
【0042】
本実施形態において、複数のLED素子12は第1透明基板11上に配列されているので、一般的なプリント基板と比較して、LED表示パネル2に表示される文字を明るく表示することができる。また、第2透明基板13も透明な樹脂により形成されているので、LED表示パネル2をリアガラス30に貼り付けた状態でもLED表示パネル2に表示される文字を後方車両から確実に確認することができる。
【0043】
また、LED表示パネル2は可撓性を有する2枚の透明基板11、13を対向させるとともに、各透明基板11、13間に設けたスペーサ14を介して重ね合わせた構成である。
したがって、LED表示パネル2が貼り付けられる面が例えばリアガラス30の内側のように湾曲した面であったとき、LED表示パネル2をリアガラス30の内側の湾曲形状に合わせ湾曲させても、LED表示パネル2の貼り付け面が波を打つように凹凸が生じることはなく、リアガラス30の内側に隙間なく確実に貼り付けることができる。
【0044】
また、各透明基板11、13間にリブ形状のスペーサ14を設けることにより、LED表示パネル2の強度は保たれている。
【0045】
また、各LED素子12は各透明基板11、13間の空間部分に配置されるので、LED素子12の放熱効果も得ることができる。
【0046】
また、各LED素子12はスペーサ14によって各透明基板11、13の間に配置される構成となり、各LED素子12に負荷が与えられるようなことはない。
【0047】
また、LED素子12が第1透明基板11上で浮き上がるようなことがあっても、そのLED素子12を各透明基板11、13間で保持することができるので、そのLED素子12が第1透明基板11から外れ、脱落することを防ぐことができる。
【0048】
なお、本実施形態にいては、リブ形状のスペーサ14を第2透明基板13の長手方向に延設したものであるが、本発明は各LED素子12をそれぞれ囲むような格子形状のスペーサであっても良い。
【0049】
このように本実施形態に係るLED表示パネル2によれば、LED表示パネル1が貼り付けられる面が湾曲している車両のリアガラス30の内側31にも簡単かつ確実に取り付けることができる。したがって、車内の後方において設置スペースが制限されているような場所においても、LED表示パネル2を車内の後方側に設置することができる。
【0050】
また、LED表示パネル2はリアガラス30の内側31の湾曲形状に合わせて湾曲させ、第2透明基板13の外表面13Aを接着剤によりリアガラス30の内側31に貼り付けることができる。したがって、各種の車両のリアガラスに貼り付けが可能なLED表示パネルを提供することができ、また、リアガラス30の貼り付け場所にも限定されず、リアガラス30の内側のコーナ部30A側にも取り付けることができる。
【0051】
なお、本実施形態のLED表示パネル2においては、LED表示パネル2を車内のリアガラス30の内側31に貼り付ける場合を例として説明したが、本発明はLED表示パネル2の文字をガラス越しに表示する各種装置に適用することができる。
【0052】
(LED表示パネルの変形例)
図7〜9に示すように、LED表示パネル40において、第2透明基板41の外表面41Aの上側及び下側にはフレーム42、42がそれぞれ全長に亘って設けられている。第2透明基板41の外表面41Aに取り付けられた各枠体42の表面にはパネル取り付け用の磁気吸着部材である複数の磁石43が両面接着片44を介して各フレーム42、42の長手方向に等間隔をおいて取り付けられている。なお、各フレーム42、42は可撓性を有する材料で形成されており、LED表示パネル40全体の可撓性は確保されている。
リアガラス30の内側31においてLED表示パネル40が取り付けられる部分には、各磁石43によって吸着される被磁気吸着部材である複数の鉄片45が両面接着片46を介して取り付けられている。
【0053】
なお、リアガラス30の内側に貼り付けられる両面接着片46の色が黒色のものを使用すれば、LED表示パネル40を取り外したとき、リアガラス30に両面接着片46が貼られていることがリアガラス30の後方から分かりづらくなり、リアガラス30の外観に影響を与えることはない。
【0054】
この構成によれば、LED表示パネル40をリアガラス30の内側31に取り付けるとき、磁石43の磁気吸引力を利用して、LED表示パネル40をリアガラス30の内側31に取り付けることができる。また、LED表示パネル40をリアガラス30から取外す場合、磁石43の磁気吸引力に抗する力だけでLED表示パネル40を取り外すことができる。したがって、LED表示パネル40のリアガラス30の内側31への取り付け、または取り外し作業を簡単に行うことができる。また、LED表示パネル40は磁石43の磁気吸引力を利用してリアガラス30の内側31に取り付けられるので、LE表示パネル40をリアガラス30から取り外すときには第2透明基板41に負荷を与えることなく簡単に取り外すことができる。
【0055】
なお、本発明はLED表示パネル40において、フレーム42、42の表面にパネル取り付け用の被磁気吸着部材である鉄片45を取り付けたものであってもよい。この場合、LED表示パネル40が取り付けられる車両のリアガラス30の内側31には磁気吸着部材である磁石43が取り付けられていることが必要である。
【0056】
本発明は、LED表示パネル2に表示される情報は文字に限定されず、画像等の各種情報を表示することができる。
【0057】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、湾曲している取り付け部分に取り付けられるLED表示パネルに適用される。
【符号の説明】
【0059】
1・・・・・車載用LED表示装置
2、40・・LED表示パネル
3・・・・・駆動部
4・・・・・電源部
5・・・・・制御部
6・・・・・送信部
7・・・・・リモコン
8・・・・・受信部
11・・・・第1透明基板
12・・・・LED素子
13、41・第2透明基板
14・・・・スペーサ
30・・・・リアガラス
43・・・・磁石
45・・・・鉄片

【要約】
【課題】 車両のリアガラスのように設置場所が湾曲面である部分にも簡単に取り付けることができ、設置場所に損傷を与えることがないLED表示パネルおよび車載用LED表示パネル装置を提供する。
【解決手段】 LED表示パネル2は、可撓性を有する第1透明基板11と、第1透明基板11上にマトリクス状に配列された複数のLED素子12と、複数のLED素子12を間に挟み前記第1透明基板11と対向して設けられた可撓性を有する第2透明基板13と、各透明基板11、13との間に設けられた複数のスペーサ14とを備えている。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9