(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザ端末は、前記作業を前記ユーザが中断したことを示す第3の入力を前記入力部から受信したことに応答して、前記作業を前記ユーザが中断したことを表す作業中断情報を生成し、前記特定された電子マニュアルに関連付けられた状態で前記作業中断情報を前記ネットワークを経由して前記サーバに送信し、前記作業を前記ユーザが再開したことを示す第4の入力を前記入力部から受信したことに応答して、前記作業を前記ユーザが再開したことを表す作業再開情報を生成し、前記特定された電子マニュアルに関連付けられた状態で前記作業再開情報を前記ネットワークを経由して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記作業中断情報と前記作業再開情報とを前記ユーザ端末から受信し、
前記作業ログデータは、前記作業開始情報と、前記作業終了情報と、前記作業中断情報と、前記作業再開情報とに基づいて生成される、請求項12に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0025】
1.ユーザに提供されるサービス
以下、ユーザ端末に表示される画面を参照してユーザに提供されるサービスを説明する。
【0026】
図1Aは、ユーザ端末に表示される画面100の一例を示す。ユーザ端末の画面100には、電子マニュアルが表示される。ここで、ユーザ端末の画面100に電子マニュアルをどのようにして表示するのかは問わないものとする。例えば、ビーコン送信機から送信されたビーコン信号を受信したことに応答してビーコン信号に対応する電子マニュアルをユーザ端末の画面100に表示するようにしてもよいし、ユーザによって選択された電子マニュアルをユーザ端末の画面100に表示するようにしてもよい。ユーザによる電子マニュアルの選択は、例えば、ユーザ端末の画面に表示される電子マニュアルを示すアイコンをユーザが選択することによって行われてもよいし、ユーザ端末の画面に表示される複数の電子マニュアルのリストの中から1つの電子マニュアルをユーザが選択することによって行われてもよい。
【0027】
図1Aに示される例では、ユーザ端末の画面100に「エアコンのフィルターの掃除」に関する電子マニュアルが表示されている。
図1Aに示される例では、ユーザ端末の画面100は、電子マニュアルのタイトルを表示するためのタイトル領域101と、電子マニュアルに関連付けられた動画を表示するための動画表示領域102と、電子マニュアルに記載された作業の少なくとも1つの作業ステップを表示するための作業ステップ表示領域103と、ユーザが作業を開始してからの経過時間を表示するための経過時間表示領域104と、ユーザが作業を開始するときにユーザによって操作される作業開始領域105とを含む。
【0028】
図1に示される例では、作業ステップ表示領域103は、5組の画像表示領域106および作業ステップ説明領域107を含む。画像表示領域106は、作業の各ステップを説明するための画像を表示するための領域である。画像は、例えば、作業の各ステップを代表するサムネイル画像である。作業ステップ説明領域107は、各作業ステップにおいてユーザが何をすべきか(例えば、各作業ステップにおいてユーザが作業する上で注意すべき点など)を表示するための領域である。
【0029】
なお、
図1Aに示される例では、作業ステップ表示領域103は、5組の画像領域106(106A〜106E)および作業ステップ説明領域107(107A〜107E)を含むが、作業ステップ表示領域103の構成はこれに限定されない。作業ステップ表示領域103は、1組以上の任意の数の組の画像領域106および作業ステップ説明領域107を含むことも可能である。
【0030】
例えば、ユーザ端末がタッチパネルディスプレイを有するスマートフォンである場合において、1組の画像領域106および作業ステップ説明領域107が作業ステップ表示領域103に表示されている場合に、ユーザが画面100を上下方向にスクロールする、または、左右方向にスワイプすることによって、次の作業ステップまたは前の作業ステップを作業ステップ表示領域103に表示するようにしてもよい。
【0031】
例えば、ユーザは、画面100内の動画表示領域102に対する操作を行うことによって、表示された電子マニュアルに関連付けられた動画を再生することが可能である。例えば、ユーザ端末がタッチパネルディスプレイを有している場合には、このような操作は、ユーザが動画再生領域102にタッチすることによって達成される。
【0032】
ユーザ端末の画面100は、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが開始したことを示す入力をユーザ端末に入力することが可能なように構成されている。例えば、ユーザは、画面100内の作業開始領域105に対する操作を行うことによって、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが開始したことを示す入力をユーザ端末に入力することが可能である。例えば、ユーザ端末がタッチパネルディスプレイを有している場合には、このような操作は、ユーザが作業開始領域105にタッチすることによって達成される。このような操作がなされた時刻(すなわち、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが開始した時刻)から経過した時間が経過時間表示領域104にリアルタイムに表示される。
【0033】
図1Bは、ユーザ端末に表示される画面110の一例を示す。ユーザ端末の画面110は、ユーザがユーザ端末の画面100内の作業開始領域105に対する操作を行った際にユーザ端末の画面100から遷移した画面である。
図1Bに示される例では、ユーザ端末の画面110は、作業開始領域105の代わりに、ユーザが作業を中断するときにユーザによって操作される作業中断領域111と、ユーザが作業を終了するときにユーザによって操作される作業終了領域112とを含む。
【0034】
ユーザ端末の画面110は、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが中断したことを示す入力をユーザ端末に入力することが可能なように構成されている。例えば、ユーザは、画面110内の作業中断領域111に対する操作を行うことによって、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが中断したことを示す入力をユーザ端末に入力することが可能である。例えば、ユーザ端末がタッチパネルディスプレイを有している場合には、このような操作は、ユーザが作業中断領域111にタッチすることによって達成される。このような操作がなされた時刻(すなわち、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが中断した時刻)までに経過した時間が経過時間表示領域304に表示される。
【0035】
ユーザ端末の画面110は、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが終了したことを示す入力をユーザ端末に入力することが可能なように構成されている。例えば、ユーザは、画面110内の作業終了領域112に対する操作を行うことによって、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが終了したことを示す入力をユーザ端末に入力することが可能である。例えば、ユーザ端末がタッチパネルディスプレイを有している場合には、このような操作は、ユーザが作業終了領域112にタッチすることによって達成される。このような操作がなされた時刻(すなわち、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが終了した時刻)までに経過した時間が経過時間表示領域104に表示される。
【0036】
図1Cは、ユーザ端末に表示される画面120の一例を示す。ユーザ端末の画面120は、ユーザがユーザ端末の画面110内の作業中断領域111に対する操作を行った際にユーザ端末の画面110から遷移した画面である。
図1Cに示される例では、ユーザ端末の画面120は、作業中断領域111および作業終了領域112の代わりに、ユーザが作業を再開するときにユーザによって操作される作業再開領域121を含む。
【0037】
ユーザ端末の画面120は、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが再開したことを示す入力をユーザ端末に入力することが可能なように構成されている。例えば、ユーザは、画面120内の作業再開領域121に対する操作を行うことによって、表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが再開したことを示す入力をユーザ端末に入力することが可能である。例えば、ユーザ端末がタッチパネルディスプレイを有している場合には、このような操作は、ユーザが作業再開領域121にタッチすることによって達成される。表示された電子マニュアルに関連する作業をユーザが最初に開始した時刻から経過した時間が経過時間表示領域104にリアルタイムに表示される。
【0038】
なお、
図1A、
図1B、
図1Cを参照して上述した実施形態では、ユーザ端末に表示される画面の領域に対して作業の開始、終了、中断、再開という4つの操作を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザ端末に表示される画面の領域に対して作業の開始、終了という2つの操作のみを行うようにしてもよい。
【0039】
このように、ユーザは、作業の内容をユーザ端末の画面に表示された電子マニュアルで確認しながら、マニュアルベースで作業を進めることが可能である。これにより、ユーザは、何をどれくらいの時間をかけて行えばよいかを明確に理解することが可能である。さらに、ユーザは、電子マニュアルが表示された画面に対する操作を行うことによって作業を容易に記録することが可能である。これにより、ユーザが作業を記録するために要する手間を低減することが可能である。作業を記録するためにいちいちメモ帳等を取り出す必要がないからである。
【0040】
2.管理者に提供されるサービス
以下、サーバに接続された表示部に表示される画面を参照して管理者に提供されるサービスを説明する。
【0041】
図2は、サーバに接続された表示部に表示される画面200の一例を示す。
【0042】
図2に示される例では、表示部の画面200は、マニュアル情報表示領域201(201A、201B)と作業ログデータ表示領域202(202A〜202D)とを含む。マニュアル情報表示領域201(201A、201B)は、電子マニュアルの情報を表示するための領域である。電子マニュアルの情報は、例えば、ユーザの作業の内容の簡単な説明等を含む。作業ログデータ表示領域202(202A〜202D)は、ユーザの作業のログを示す作業ログデータを表示するための領域である。作業ログデータ表示領域202に表示される作業ログデータは、電子マニュアルに関連付けられている。
【0043】
管理者は、マニュアル別に複数のユーザに関連する作業を管理することも可能であるし、ユーザ別に複数の電子マニュアルに関連する作業を管理することも可能である。例えば、管理者は、「マニュアル」ボタン207を選択することにより、マニュアル別に複数のユーザに関連する作業ログデータを表示部に表示させることが可能である。これにより、管理者は、マニュアル別に複数のユーザに関連する作業の進捗状況を把握することが可能である。例えば、管理者は、「作業者」ボタン208を選択することにより、作業者(ユーザ)別に複数の電子マニュアルに関連する作業ログデータを表示部に表示させることが可能である。これにより、管理者は、ユーザ別に複数の電子マニュアルに関連する作業の進捗状況を把握することが可能である。
【0044】
なお、
図2に示される例では、すべての作業が画面200に表示されている。すべての作業には、未開始の作業が含まれていてもよいし含まれていなくてもよい。さらに、すべての作業の代わりに、作業中の作業のみが画面200に表示されるようにしてもよい。このような表示の切り替えは、例えば、「すべての作業」ボタンと「作業中のみ」ボタンとを択一的に選択することによって達成される。
【0045】
ここで、電子マニュアルに関連する作業が「作業中」であるか否かは、その電子マニュアルに関連する作業を開始したAさん、Bさん、Cさんのすべての人がその作業を終了したか否かを判定することによって判定することが可能である。例えば、その電子マニュアルに関連する作業を開始したAさん、Bさん、Cさんのうちの少なくとも1人がその作業をまだ終了していない場合には、電子マニュアルに関連する作業は「作業中」であると判定される。
【0046】
図2に示される例では、作業ログデータ表示領域202において、作業ログデータは、ユーザごとに棒グラフの形式で表示されている。棒グラフの長手方向が時間軸の方向である。棒グラフの左端部203(203A〜203D)は、ユーザの作業が開始した時刻を示す。棒グラフの右端部204(204A〜204D)は、ユーザの作業が終了した時刻を示す。棒グラフの中右端部205(205A、205B)は、ユーザの作業が中断した時刻を示す。棒グラフの中左端部206(206A、206B)は、ユーザの作業が再開した時刻を示す。マニュアル別に作業ログデータが表示されている場合において、複数のユーザが1つの電子マニュアルに関連する作業を行っている場合には、
図2に示されているように、各ユーザに関連する棒グラフが並列して表示される。これにより、管理者は、1つの電子マニュアルについて、各ユーザの作業の進捗状況を容易に比較することができる。なお、作業ログデータが表示される形式は、棒グラフの形式に限定されない。作業ログデータは、任意の形式(例えば、リストの形式)で表示されることも可能である。
【0047】
なお、画面200に表示される情報の量を制限することを目的として、キーワードに一致する作業ログデータのみを画面200に表示するようにしてもよいし、特定の範囲の日付および時刻に一致する作業ログデータのみを画面200に表示するようにしてもよい。
【0048】
このように、管理者は、作業ログを集計したり転記したりする必要がない。管理者の代わりに、サーバが作業ログを集計し、記録してくれるからである。サーバが作業ログを集計することにより、拠点や日付ごとの作業ログの集計を容易に行うことが可能である。さらに、管理者は、作業の進捗状況をリアルタイムで把握することが可能である。これにより、管理者は、作業の遅れやトラブルを早期に発見することが可能である。
【0049】
3.ユーザおよび管理者に提供されるサービスを実現するためのシステムの構成
図3は、電子マニュアルベースの作業ログ管理を行うためのシステム300の構成の一例を示す。
【0050】
図3に示される例では、システム300は、サーバ301と、インターネット302を経由してサーバ301と通信可能な複数のユーザ端末303と、データベース部304とを備えている。
【0051】
サーバ301は、データベース部304に接続されている。データベース部304には、例えば、ユーザ端末303に提供すべき電子マニュアルを特定するための電子マニュアルIDに関連付けられた状態で、電子マニュアルのデータおよび電子マニュアルに関連付けられた動画のデータや静止画のデータなどが格納されている。データベース部304は、サーバ301に内蔵されていてもよいし、サーバ301の外部に設けられていてもよい(例えば、データベース部304は、サーバ301の外付けハードディスク装置として構成されていてもよい)。サーバ301のデータ記憶部301cが、データベース部304の少なくとも一部を兼用する構成としてもよい。さらに、データベース部304は、電子マニュアルのデータと電子マニュアルに関連付けられた動画のデータや静止画のデータとの両方を格納しているとしたが、本発明は、これに限定されない。例えば、電子マニュアルのデータは、データベース部304に格納されており、電子マニュアルに関連付けられた動画のデータは、データベース部304とは別個のデータベース部またはストレージ部に格納されていてもよい。なお、データベース部304は、サーバ301に接続されていれば足り、無線接続であるか有線接続であるかを問わない。
【0052】
サーバ301は、電子マニュアル管理サービスを提供するシステム管理者が運営・管理する情報処理装置である。このサーバ301は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータであって、サーバとしての一般的なハードウェア構成を有している。すなわち、サーバ301は、NIC(Network Interface Card)等の通信部301a、CPU(Central Processing Unit)等の制御部301b、ハードディスク、メモリ等のデータ記憶部301c、キーボード、マウス等の入力部301dを有しており、サーバ301には、ディスプレイ等の表示部301eが接続されている。サーバ301のハードウェア構成はその機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。なお、表示部301eは、サーバ301に接続されていれば足り、無線接続であるか有線接続であるかを問わない。
【0053】
サーバ301にはオペレーションシステム(OS)等の基本プログラムの他、電子マニュアル管理サービスの提供に必要な各種ソフトウェアがインストールされている。サーバ301にインストールされるソフトウェアは、例えばデータベースサーバ、Webサーバ、FTPサーバ等にインストールされているソフトウェアである。サーバ301の制御部301bは、プログラム又はデータを処理することにより、サーバ301の動作を制御する。
【0054】
データ記憶部301cには、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。データ記憶部301cに格納されているプログラムは、例えば、ウェブサーバプログラムである。制御部301bは、データ記憶部301cに格納されているウェブサーバプログラムを読み出し、そのウェブサーバプログラムを実行する。これにより、サーバ301は、ウェブサーバとして機能することが可能になる。
【0055】
ユーザ端末303は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、スマートグラス、スマートウォッチ端末等の携帯無線端末であることが好ましく、携帯電話回線網や公衆無線LANを経由してデータ通信を行う無線通信部303a、CPU等の制御部303b、メモリ等のデータ記憶部303c、カーソルキー等の入力部303d、タッチパネルディスプレイ等の入力部兼表示部303e、GPS受信部303f等を有している。ただし、ユーザ端末303は携帯無線端末に限定されず、デスクトップPC、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0056】
ユーザ端末303にはOS等の基本プログラムの他、電子マニュアル提供サービスを受けるために必要なアプリケーションプログラム(クライアントアプリ)がインストールされている。あるいは、ユーザ端末303は、Webブラウザの組み込みプログラム又は追加プログラムを利用することができる。この場合、ユーザ端末303は、アプリケーションプログラムをインストールすることなくWebブラウザ上でサービスを利用することが可能である。
【0057】
データ記憶部303cには、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてデータ記憶部303cに格納するかは問わない。例えば、プログラムは、データ記憶部303cにプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット302などのネットワークを介してダウンロードされることによってデータ記憶部303cにインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してデータ記憶部303cにインストールされるようにしてもよい。データ記憶部303cに格納されているプログラムは、例えば、ウェブブラウザプログラムである。制御部303bは、データ記憶部303cに格納されているウェブブラウザプログラムを読み出し、そのウェブブラウザプログラムを実行する。これにより、ユーザ端末303をウェブブラウザとして機能させることが可能になる。
【0058】
4.ユーザ端末において実行される処理
図4は、電子マニュアルがユーザ端末303に表示された後に、ユーザ端末303において実行される処理の手順の一例を示す。この処理は、プログラムの形式で表現されている。このプログラムの各ステップは、ユーザ端末303のデータ記憶部303cに格納されている。このプログラムは、ユーザ端末303の制御部303bによって実行される。以下、
図4に示される処理の各ステップを説明する。
【0059】
ステップS401:電子マニュアルが特定される。電子マニュアルの特定は、例えば、ユーザ端末303に表示されている少なくとも1つの電子マニュアルの中からユーザが1つの電子マニュアルを選択することによって達成される。
【0060】
ステップS402:ユーザが作業を開始したことを示す入力が入力部303dから受信されたか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS403に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS402に戻る。
【0061】
ステップS403:特定された電子マニュアルに関連する作業をユーザが開始したことを示す作業開始情報が生成される。ここで、作業開始情報は、例えば、作業開始というイベントが発生したことを示す作業開始IDと、作業を開始したユーザを識別するユーザIDと、特定された電子マニュアルを識別するための電子マニュアルIDとを含む。
【0062】
ステップS404:特定された電子マニュアルに関連付けられた状態で作業開始情報がサーバ301に送信される。特定された電子マニュアルがどのような態様で作業開始情報に関連付けられているかは問わない。例えば、特定された電子マニュアルを識別するための電子マニュアルIDを作業開始情報の一部に組み込んだ形式で作業開始情報をサーバ301に送信するようにしてもよい。あるいは、作業開始情報とは別個の電子マニュアルIDを作業開始情報と同時にサーバ301に送信するようにしてもよい。特定された電子マニュアルと作業開始情報とを関連付けるタイミングもまた限定されない。特定された電子マニュアルと作業開始情報とを関連付けるタイミングは、作業開始情報が生成された後であり、かつ、作業開始情報が送信されるよりも前である任意のタイミングであり得る。
【0063】
ステップS405:ユーザが作業を終了したことを示す入力が入力部303dから受信されたか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS406に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS408に進む。
【0064】
ステップS406:特定された電子マニュアルに関連する作業をユーザが終了したことを示す作業終了情報が生成される。ここで、作業終了情報は、例えば、作業終了というイベントが発生したことを示す作業終了IDと、作業を終了したユーザを識別するユーザIDと、特定された電子マニュアルを識別するための電子マニュアルIDとを含む。
【0065】
ステップS407:特定された電子マニュアルに関連付けられた状態で作業終了情報がサーバ301に送信される。ここで、特定された電子マニュアルがどのような態様で作業終了情報に関連付けられているか、そのような関連付けのタイミングがいつかは問わない。作業開始情報と同様である。
【0066】
ステップS408:ユーザが作業を中断したことを示す入力が入力部303dから受信されたか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS409に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS405に戻る。
【0067】
ステップS409:特定された電子マニュアルに関連する作業をユーザが中断したことを示す作業中断情報が生成される。ここで、作業中断情報は、例えば、作業中断というイベントが発生したことを示す作業中断IDと、作業を中断したユーザを識別するユーザIDと、特定された電子マニュアルを識別するための電子マニュアルIDとを含む。
【0068】
ステップS410:特定された電子マニュアルに関連付けられた状態で作業中断情報がサーバ301に送信される。ここで、特定された電子マニュアルがどのような態様で作業中断情報に関連付けられているか、そのような関連付けのタイミングがいつかは問わない。作業開始情報と同様である。
【0069】
ステップS411:ユーザが作業を再開したことを示す入力が入力部303dから受信されたか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS412に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS411に戻る。
【0070】
ステップS412:特定された電子マニュアルに関連する作業をユーザが再開したことを示す作業中断情報が生成される。ここで、作業再開情報は、例えば、作業再開というイベントが発生したことを示す作業再開IDと、作業を再開したユーザを識別するユーザIDと、特定された電子マニュアルを識別するための電子マニュアルIDとを含む。
【0071】
ステップS413:特定された電子マニュアルに関連付けられた状態で作業再開情報がサーバ301に送信される。ここで、特定された電子マニュアルがどのような態様で作業再開情報に関連付けられているか、そのような関連付けのタイミングがいつかは問わない。作業開始情報と同様である。ステップS413の後、処理はステップS405に戻る。
【0072】
なお、作業開始情報、作業中断情報、作業再開情報、作業終了情報のそれぞれを送信するタイミングは、作業開始情報、作業中断情報、作業再開情報、作業終了情報のそれぞれが生成された直後であるとは限らない。作業開始情報、作業中断情報、作業再開情報、作業終了情報のそれぞれを送信するタイミングは、作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報のそれぞれが生成されたタイミングに依存するとは限らないからである。例えば、作業開始情報、作業中断情報、作業再開情報、作業終了情報がそれぞれ生成された後に、作業開始情報、作業中断情報、作業再開情報、作業終了情報をまとめて同一のタイミングでサーバ301に送信するようにしてもよい。
【0073】
なお、上述したステップS404では、作業開始情報をサーバ301に送信するとしたが、作業開始情報をサーバ301に直接的に送信してもよいし、間接的に送信してもよい。例えば、作業開始情報をサーバ301とは別のサーバに送信し、その別のサーバがサーバ301に送信することによって、作業開始情報をサーバ301に送信するようにしてもよい。作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報の送信についても同様である。
【0074】
図1Aに示される例では、ユーザが画面100の作業開始領域105を操作することにより、作業開始情報が生成される。
【0075】
図1Bに示される例では、ユーザが画面110の作業中断領域111を操作することにより、作業中断情報が生成され、ユーザが画面110の作業終了領域112を操作することにより、作業終了情報が生成される。
【0076】
図1Cに示される例では、ユーザが画面120の作業再開領域121を操作することにより、作業再開情報が生成される。
【0077】
なお、作業開始情報および作業終了情報は、電子マニュアルに関連する作業を単位として生成されてもよいが、電子マニュアルに関連する作業が複数の作業ステップに分割されている場合には、作業ステップ単位で生成されてもよい。作業中断情報および作業再開情報についても同様である。
【0078】
作業ステップ単位で、作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報を生成することにより、電子マニュアルに関連する作業よりも細分化された作業ステップ単位でユーザの作業を細分化して管理することが可能になる。さらに、1つの作業ステップが複数の作業サブステップに分割されている場合には、作業サブステップ単位で、作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報を生成するようにしてもよい。これにより、作業ステップよりも細分化された作業サブステップ単位でユーザの作業をさらに細分化して管理することが可能になる。
【0079】
なお、
図4に示される例では、作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報は、それぞれ、ユーザが作業を開始、終了、中断、再開した時刻を示す時刻情報を含んでいないが、時刻情報を含むようにしてもよい。この場合には、通信の障害等の理由により時刻情報をサーバ301に即座に送信することができないときでも、後の時刻に送信することにより、正確な時刻情報をサーバ301に送信することが可能である。
【0080】
5.サーバにおいて実行される処理
図5は、サーバ301において実行される処理の手順の一例を示す。この処理は、プログラムの形式で表現されている。このプログラムの各ステップは、サーバ301のデータ記憶部301cに格納されている。このプログラムは、サーバ301の制御部301bによって実行される。以下、
図5に示される処理の各ステップを説明する。
【0081】
ステップS501:ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業開始情報を受信したか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS502に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS501に戻る。
【0082】
ステップS502:作業開始情報を受信したことに応答して、作業開始情報に基づいて、作業ログデータが生成される。例えば、作業開始情報の内容が反映されるように作業ログデータが生成される。このようにして生成された作業ログデータは、データベース部304に格納される。ここで、作業ログデータは、ユーザが行った作業のログを示す。
【0083】
ステップS503:ステップS502において生成された作業ログデータが表示部301eに表示される。
【0084】
ステップS504:ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業終了情報を受信したか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS505に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS507に進む。
【0085】
ステップS505:作業終了情報を受信したことに応答して、作業終了情報に基づいて、作業ログデータが更新される。例えば、データベース部304から作業ログデータが読み出され、作業終了情報の内容が反映されるように作業ログデータが更新される。このようにして更新された作業ログデータは、データベース部304に格納される。
【0086】
ステップS506:ステップS505において更新された作業ログデータが表示部301eに表示される。
【0087】
ステップS507:ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業中断情報を受信したか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS508に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS504に戻る。
【0088】
ステップS508:作業中断情報を受信したことに応答して、作業中断情報に基づいて、作業ログデータが更新される。例えば、データベース部304から作業ログデータが読み出され、作業中断情報の内容が反映されるように作業ログデータが更新される。このようにして更新された作業ログデータは、データベース部304に格納される。
【0089】
ステップS509:ステップS508において更新された作業ログデータが表示部301eに表示される。
【0090】
ステップS510:ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業再開情報を受信したか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS511に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS510に戻る。
【0091】
ステップS511:作業再開情報を受信したことに応答して、作業再開情報に基づいて、作業ログデータが更新される。例えば、データベース部304から作業ログデータが読み出され、作業再開情報の内容が反映されるように作業ログデータが更新される。このようにして更新された作業ログデータは、データベース部304に格納される。
【0092】
ステップS512:ステップS511において更新された作業ログデータが表示部301eに表示される。ステップS512の後、処理はステップS504に戻る。
【0093】
なお、作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報の受信と、作業ログデータの生成または更新と、作業ログデータの表示とを即座に行うことが好ましい。これにより、管理者は、ユーザの作業の進捗状況などをリアルタイムに把握または管理することが可能である。
【0094】
ただし、作業ログデータの生成または更新と、作業ログデータの表示とは、任意のタイミングで行うことが可能である。例えば、作業終了情報を受信するまでは作業ログデータを生成せず、作業終了情報を受信した後に、作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報に基づいて作業ログデータを生成し、次いで、その作業ログデータを表示部301eに表示するようにしてもよい。
【0095】
なお、作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報が、それぞれ、ユーザが作業を開始、終了、中断、再開した時刻を示す時刻情報を含んでいない場合には、サーバ側でそれらの時刻情報を生成するようにすればよい。このような時刻情報は、例えば、作業開始情報や作業再開情報の受信に応答してサーバ側のタイマーを作動させ、作業開始情報や作業再開情報の受信に応答してサーバ側のタイマーを停止させることによって生成することが可能である。このようにして生成された時刻情報に基づいて作業ログデータを生成または更新することが可能である。あるいは、作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報が、それぞれ、ユーザが作業を開始、終了、中断、再開した時刻を示す時刻情報を含んでいる場合には、それらの時刻情報に基づいて作業ログデータを生成または更新するようにすればよい。
【0096】
以下、
図2を再び参照して、サーバ301の処理によってサーバ301の表示部301eに表示される棒グラフがどのように変化するかを具体的に説明する。
【0097】
まず、作業の中断が行われなかった場合について説明する。ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業開始情報が受信されると、制御部301bは、棒グラフの左端部203(203B、203D)を生成し、棒グラフを左端部203(203B、203D)から時間軸に沿って延伸させることを開始する。その後、ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業終了情報が受信されると、制御部301bは、棒グラフを延伸させることを止める。これにより、棒グラフの右端部204(204B、204D)が画定される。その結果、作業ログデータである棒グラフ202(202B、202D)が完成される。
【0098】
次に、作業の中断が行われた場合について説明する。ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業開始情報が受信されると、制御部301bは、棒グラフの左端部203(203A、203C)を生成し、棒グラフを左端部203(203A、203C)から時間軸に沿って延伸させることを開始する。その後、ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業中断情報が受信されると、制御部301bは、中右端部205(205A、205B)を生成し、棒グラフの表示態様を変更し(例えば、棒グラフの色を薄くする、または、変更するなど)、棒グラフを延伸させることを続行する。その後、ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業再開情報が受信されると、制御部301bは、中左端部206(206A、206B)を生成し、棒グラフの表示態様を変更前の表示態様に戻し、棒グラフを延伸させることを続行する。その後、ユーザ端末303からインターネット302を経由して作業終了情報が受信されると、制御部301bは、棒グラフを延伸させることを止める。これにより、棒グラフの右端部204(204A、204C)が画定される。その結果、作業ログデータである棒グラフ202(202A、202C)が完成する。
【0099】
なお、電子マニュアルに関連する作業に費やされる標準的な時間を表す標準作業時間情報が、その電子マニュアルに関連付けられた状態で予め設定されていてもよい。この場合、制御部301bは、ユーザが作業を行った時間を表す合計作業時間情報と標準作業時間情報とを比較する。その比較の結果、合計作業時間が標準作業時間を超過している場合には、制御部301bは、合計作業時間が標準作業時間を超過していることが強調されるように、表示された棒グラフの表示態様を変更するようにしてもよい。例えば、表示された棒グラフを赤色でハイライトするようにしてもよい。
【0100】
上述した実施形態において、管理者は、サーバ301の表示部301eに表示される作業ログデータを閲覧することによりユーザの作業を管理しているが、本発明は、これに限定されない。管理者は、ユーザ端末303と同様の構成を有する管理者端末(例えば、携帯無線端末)を持っている場合には、その管理者端末は、インターネット302を経由してサーバ301に接続することによって、サーバ301の表示部301eに表示されるものを管理者端末の表示部に表示させるようにしてもよい。これにより、管理者端末を用いてユーザの作業を管理することが可能である。特に、管理者端末が携帯無線端末である場合には、管理者は、その携帯無線端末を用いてサーバ301にリモートアクセスすることによって、移動中であってもユーザの作業の進捗状況を把握または管理することが可能である。
【0101】
以下、ビルの機械設備の定期点検を行う実施形態について説明する。
【0102】
この実施形態において、例えば、ビルの機械設備の定期点検を行う際、機械設備Aの近くにビーコン送信機aが設置され、機械設備Bの付近にビーコン送信機bが設置され、機械設備Cの近くにビーコン送信機cが設置されている場合、定期点検を行なおうとするユーザが機械設備Aに近づいてビーコン送信機aのビーコン受信エリア内に進入したとき、ユーザ端末303がビーコン送信機aからのビーコン信号をキャッチする。このビーコン信号が機械設備Aの電子マニュアルaと関連付けられていることにより、機械設備Aに近づいたユーザ端末303に対して機械設備Aの点検のための電子マニュアルaを提供することができる。電子マニュアルaがユーザ端末303に提供されると、ユーザ端末303の表示部301eに電子マニュアルaが表示され、上述したように機械設備Aの点検作業を開始、終了、中断、再開したことを示す情報を送信すると、管理者は、それらの情報に基づいて生成された作業ログデータを見て、機械設備Aの点検作業についてユーザがいつからいつまで作業を行ったかを把握または管理することができる。次に、ユーザが機械設備Bに近づいてビーコン送信機bのビーコン受信エリア内に進入したとき、ユーザ端末303がビーコン送信機bからのビーコン信号をキャッチする。このビーコン信号が機械設備Bの電子マニュアルbと関連付けられていることにより、機械設備Bに近づいたユーザ端末303に対して機械設備Bの点検のための電子マニュアルbを提供することができる。電子マニュアルbがユーザ端末303に提供されると、ユーザ端末303の表示部301eに電子マニュアルbが表示され、上述したように機械設備Bの点検作業を開始、終了、中断、再開したことを示す情報を送信すると、管理者は、それらの情報に基づいて生成された作業ログデータを見て、機械設備Bの点検作業についてユーザがいつからいつまで作業を行ったかを把握または管理することができる。次に、ユーザが機械設備Cに近づいてビーコン送信機cのビーコン受信エリア内に進入したとき、ユーザ端末303がビーコン送信機cからのビーコン信号をキャッチする。このビーコン信号が機械設備Cの電子マニュアルcと関連付けられていることにより、機械設備Cに近づいたユーザ端末303に対して機械設備Cの点検のための電子マニュアルcを提供することができる。電子マニュアルcがユーザ端末303に提供されると、ユーザ端末303の表示部301eに電子マニュアルcが表示され、上述したように機械設備Cの点検作業を開始、終了、中断、再開したことを示す情報を送信すると、管理者は、それらの情報に基づいて生成された作業ログデータを見て、機械設備Cの点検作業についてユーザがいつからいつまで作業を行ったかを把握または管理することができる。このように、定期点検を行うユーザは、機械設備A→機械設備B→機械設備Cの予め定められた経路を進むだけで、受動的に定期点検の整備マニュアルを入手することが可能であり、ユーザが機械設備の各情報(すなわち、ユーザが点検作業を開始、終了、中断、再開したことを示す情報)をサーバ301に送信することにより、管理者は、それぞれの機械設備の点検作業の進捗状況を随時把握または管理することができる。
【0103】
なお、上述した実施形態では、その機械設備の点検のための電子マニュアルは、ユーザが機械設備に近づくと提供されるとしたが、本発明は、これに限定されない。電子マニュアルは、任意のタイミングでユーザ端末303へ提供される。例えば、ユーザが出勤時に(例えば、ビーコン送信機を出勤ゲートに設置することにより、ユーザがその出勤ゲートを通過したときに)その日の作業に必要なマニュアルが提供されてもよいし、ユーザが所定の経路を進む間に必要なマニュアルが提供されてもよい。
【0104】
さらに、上述した実施形態では、機械設備ごとに異なる電子マニュアルが提供されるとしているが、本発明は、これに限定されない。例えば、ユーザが機械設備Aに近づくと、機械設備A〜機械設備Cの点検に必要な1つの電子マニュアルが提供されてもよい。
【0105】
一実施形態において、機械設備A→機械設備B→機械設備Cの順に経路が予め定められているにもかかわらず、ユーザが機械設備A→機械設備Cのように進み、ユーザ端末303がビーコン送信機aからのビーコン信号をキャッチした後にビーコン送信機cからのビーコン信号をキャッチすると、点検の経路が異なっていることを示す警告がユーザ端末303の表示部303eに表示される。
【0106】
図6は、サーバ301が表示部301eに警告を表示するかどうかを決定する処理の手順の一例を示す。この処理は、プログラムの形式で表現されている。このプログラムの各ステップは、ユーザ端末303のデータ記憶部303cに格納されている。このプログラムは、ユーザ端末303の制御部303bによって実行される。以下、
図6に示される処理の各ステップを説明する。
【0107】
ここで、
図6に示される例では、ユーザが定期点検で進むべき正規の経路として、機械設備A→機械設備B→機械設備Cの順に進む経路が予め定められているものとする。
【0108】
ステップS601:ビーコン送信機aからのビーコン信号を受信したか否かが判定される。この判定の結果が「Yes」である場合には、処理はステップS602に進み、この判定の結果が「No」である場合には、処理はステップS604に進む。
【0109】
ステップS602:ビーコン送信機bからのビーコン信号を受信したか否かが判定される。この判定の結果が「Yes」である場合には、処理はステップS603に進み、この判定の結果が「No」である場合には、処理はステップS604に進む。
【0110】
ステップS603:ビーコン送信機cからのビーコン信号を受信したか否かが判定される。この判定の結果が「Yes」である場合には、処理は終了(正常終了)し、この判定の結果が「No」である場合には、処理はステップS604に進む。
【0111】
ステップS604:実際の経路が正規の経路から外れている旨の警告が表示部303eに表示される。
【0112】
なお、機械設備A→機械設備B→機械設備Cの順に経路が予め定められているにもかかわらず、ユーザがその経路から外れて進み続けた場合には、定期点検の経路が外れていることを示す警告をサーバ301の表示部301eに表示するようにしてもよい。例えば、定期点検の経路が外れていることは、サーバ301に予め登録されたビーコン送信機の位置情報とユーザ端末303のGPS位置情報とを比較することによって検出することが可能である。
【0113】
上述した実施形態において、警告がサーバ301の表示部301eに表示されるとしたが、それと同時に同一の警告がユーザ端末303の表示部303eに表示されるようにしてもよい。
【0114】
警告が表示される態様としては、例えば、警告の内容が記載されている警告表示画面がポップアップ表示されてもよい。さらに、点検の経路が異なっていることを警告するために警告を表示するとしたが、本発明はこれに限定されない。点検の経路が異なっていることを警告するために、他の様々な手段が適用されてもよい。例えば、音声等により警告を行ってもよい。
【0115】
上述した実施形態において、位置情報としてGPS位置情報を用いているが、本発明において位置情報はGPS位置情報に限定されず、例えば、3G及び4G(LTE)の移動体通信、Wi−Fi(登録商標)などのネットワーク接続から取得した位置情報を用いてもよい。
【0116】
上述した実施形態において、ビーコン送信機によって送信されるビーコン信号を用いる例を説明したが、本発明は、これに限定されない。ビーコン信号の代わりに任意の他のタイプの信号を用いることも可能である。さらに、ビーコン信号を用いた無線情報伝達技術の代わりに、任意の無線情報伝達技術(例えば、RFタグ、二次元コード等)を用いることも可能である。
【0117】
6.システムの他の構成
図7は、電子マニュアルベースの作業ログ管理を行うためのシステムの他の構成の一例を示す。
【0118】
図7に示される例では、システム700は、サーバ301と、インターネット302を経由してサーバ301と通信可能な複数のセンサ装置703と、データベース部304とを備えている。
図7において、
図3に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0119】
センサ装置703は、サーバ301と通信可能なように構成された通信部703aと、センサ装置703の動作を制御する制御部703bと、データ記憶部703cと、ユーザを検知するように構成された検知部703dとを備えている。例えば、検知部703dは、センサ装置703から所定の範囲内のユーザを検知するように構成されている。このような検知は、例えば、RFIDを内蔵したバッジをユーザに携帯させることにして、検知部703dとそのバッジとの通信を介して検知部703dがユーザを識別するためのユーザIDを検出することによって達成される。さらに、検知部703dは、そのユーザがセンサ703から所定の範囲外に離れたことを検知するように構成されていてもよい。
【0120】
データ記憶部703cには、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてデータ記憶部703cに格納するかは問わない。例えば、プログラムは、データ記憶部703cにプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット302などのネットワークを介してダウンロードされることによってデータ記憶部703cにインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してデータ記憶部703cにインストールされるようにしてもよい。
【0121】
制御部703bは、データ記憶部703cに格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、そのプログラムに従って動作する装置としてセンサ装置703を機能させることが可能である。
【0122】
図8は、センサ装置703において実行される処理の手順の一例を示す。この処理は、プログラムの形式で表現されている。このプログラムの各ステップは、センサ装置703のデータ記憶部703cに格納されている。このプログラムは、センサ装置703の制御部703bによって実行される。以下、
図8に示される処理の各ステップを説明する。
【0123】
ステップS801:検知部703dがユーザを検知したことに応答して、ユーザが作業を開始したことを示す作業開始情報が生成される。ここで、作業開始情報は、例えば、作業開始というイベントが発生したことを示す作業開始IDと、検知部703dによって検知されたユーザを識別するユーザIDとを含む。
【0124】
ステップS802:センサ装置703に関連付けられた状態で作業開始情報がサーバ301に送信される。
【0125】
センサ装置703がどのような態様で作業開始情報に関連付けられているかは問わない。例えば、センサ装置703を識別するためのセンサ装置IDを作業開始情報の一部に組み込んだ形式で作業開始情報をサーバ301に送信するようにしてもよい。あるいは、作業開始情報とは別個のセンサ装置IDを作業開始情報と同時にサーバ301に送信するようにしてもよい。センサ装置と作業開始情報とを関連付けるタイミングもまた限定されない。センサ装置と作業開始情報とを関連付けるタイミングは、作業開始情報が生成された後であり、かつ、作業開始情報が送信されるよりも前である任意のタイミングであり得る。なお、センサ装置と電子マニュアルとが予め関連付けられているものとする。このような関連付けは、例えば、サーバ301側のデータベース部304に格納され得る。
【0126】
ステップS803:ユーザがセンサ装置703から所定の範囲外に離れたことを検知部703dが検知したことに応答して、ユーザが作業を終了したことを示す作業終了情報が生成される。ここで、作業終了情報は、例えば、作業終了というイベントが発生したことを示す作業終了IDと、検知部703dによって検知されたユーザを識別するユーザIDとを含む。
【0127】
ステップS804:センサ装置703に関連付けられた状態で作業終了情報がサーバ301に送信される。ここで、センサ装置がどのような態様で作業終了情報に関連付けられているか、そのような関連付けのタイミングがいつかは問わない。作業開始情報と同様である。
【0128】
なお、
図8に示される例では、上述したステップS803、S804において、作業終了情報が生成され送信される例を説明したが、本発明は、これに限定されない。作業終了情報が生成され送信される代わりに、作業中断情報が生成され送信されるようにしてもよい。ユーザがセンサ装置703から所定の範囲外に離れたことを検知部703dが検知した場合に、作業終了情報が生成され送信されるのか、作業中断情報が生成され送信されるのかはプログラムの設計に応じて予め決定されているものとする。作業再開情報についても同様である。
【0129】
なお、上述したステップS802では、作業開始情報をサーバ301に送信するとしたが、作業開始情報をサーバ301に直接的に送信してもよいし、間接的に送信してもよい。例えば、作業開始情報をサーバ301とは別のサーバに送信し、その別のサーバがサーバ301に送信することによって、作業開始情報をサーバ301に送信するようにしてもよい。作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報の送信についても同様である。
【0130】
図9は、サーバ301において実行される処理の手順の一例を示す。この処理は、プログラムの形式で表現されている。このプログラムの各ステップは、サーバ301のデータ記憶部301cに格納されている。このプログラムは、サーバ301の制御部301bによって実行される。以下、
図9に示される処理の各ステップを説明する。
【0131】
ステップS901:センサ装置703からインターネット302を経由して作業開始情報を受信したか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS902に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS901に戻る。
【0132】
ステップS902:作業開始情報を受信したことに応答して、作業開始情報に基づいて、作業ログデータが生成される。例えば、作業開始情報の内容が反映されるように作業ログデータが生成される。このようにして生成された作業ログデータは、データベース部304に格納される。ここで、作業ログデータは、ユーザが行った作業のログを示す。
【0133】
ステップS903:ステップS902において生成された作業ログデータが表示部301eに表示される。
【0134】
なお、制御部301bは、センサ装置703に関連付けられた電子マニュアルをユーザ端末303の表示部303eに表示させるようにサーバ301の動作を制御するようにしてもよい。これにより、ユーザは、センサ装置703に関連付けられた電子マニュアルをユーザ端末303を用いて閲覧することが可能になる。
【0135】
ステップS904:センサ装置703からインターネット302を経由して作業終了情報を受信したか否かが判定される。この判定結果が「Yes」である場合には、処理はステップS905に進み、この判定結果が「No」である場合には、処理はステップS904に戻る。
【0136】
ステップS905:作業終了情報を受信したことに応答して、作業終了情報に基づいて、作業ログデータが更新される。例えば、データベース部304から作業ログデータが読み出され、作業終了情報の内容が反映されるように作業ログデータが更新される。このようにして更新された作業ログデータは、データベース部304に格納される。
【0137】
ステップS906:ステップS905において更新された作業ログデータが表示部301eに表示される。
【0138】
なお、作業中断情報を受信した場合の処理、作業再開情報を受信した場合の処理は、上述した処理と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0139】
また、作業ログデータをどのように表示するかについては、
図5を参照して上述した説明と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0140】
なお、上述した実施形態において、ユーザ端末303またはセンサ装置703がインターネット302を経由してサーバ301と接続される場合を説明したが、本発明は、これに限定されない。ユーザ端末303またはセンサ装置703とサーバ301とは、任意のタイプのネットワークによって接続されてもよい。
【0141】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
電子マニュアルベースの作業ログ管理を行うためのプログラム、サーバおよびシステムを提供する。電子マニュアルベースの作業ログ管理を行うシステム300は、サーバ301と、インターネット302を経由してサーバ301と通信可能な複数のユーザ端末303とを備えている。ユーザ端末303は、電子マニュアルに関連付けられた作業開始情報、作業終了情報、作業中断情報、作業再開情報をインターネット302を経由してサーバ301に送信し、サーバ301は、それらを受信すると、それらに基づいて、ユーザの作業のログを示す作業ログデータを生成し、サーバ301の表示部301eに表示する。それにより、管理者は、電子マニュアルに関連付けてユーザの作業の進捗状況等を管理することができる。