(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6115957
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
B60P 1/46 20060101AFI20170410BHJP
【FI】
B60P1/46 B
B60P1/46 G
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-236938(P2013-236938)
(22)【出願日】2013年11月15日
(65)【公開番号】特開2015-96374(P2015-96374A)
(43)【公開日】2015年5月21日
【審査請求日】2016年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松崎 良彦
【審査官】
川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−178711(JP,U)
【文献】
特開2013−132911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台に立設された一対の支柱と、当該支柱に沿って昇降するスライダと、前記スライダに支持されて当該スライダとともに昇降する荷受台とを備えた荷受台昇降装置であって、
前記荷受台の昇降駆動を操作する操作装置が、前記支柱に対して取り外し可能に取り付けられ、
前記支柱には、前記操作装置を収納する収納部が設けられており、
前記収納部は前記支柱内方に設けられている
ことを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記収納部は、箱本体部と蓋部とを含んでなり、
前記蓋部には窓部が設けられており、
前記操作装置の操作スイッチが前記窓部を介して外方に臨んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記一対の支柱の間にはクロスメンバが架設され、
当該クロスメンバ内には、前記スライダを昇降駆動する油圧シリンダ及び当該油圧シリンダに対する作動油を給排するパワーユニットが収納されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷台に立設された支柱に沿って昇降する荷受台を備えた荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の荷台に一対の支柱が立設され、その支柱に沿って荷受台が昇降する荷受台昇降装置がある。荷受台の昇降は、単に支柱に固定されたスイッチを作業者が操作することで行われる場合や、荷台下方の収納箱に収納された操作装置を作業者が操作することで行われる場合(特許文献1)がある。
【0003】
支柱に固定のスイッチは、主に支柱上部にスイッチが露出した状態で設けられている。このスイッチの場合、作業者は運転席で電源をオンにして支柱に近づくと、スイッチを押すだけで操作することができる。
【0004】
荷台下方の操作装置は、主に収納箱から取り外し可能な状態で収納されている。この操作装置は有線式や無線式のものがあり、いずれも作業者が手に持って操作し易い形状になっている。
【0005】
支柱に固定されたスイッチと荷台下方に設置された操作装置の両方が荷受台昇降装置に設けられていると、作業者は荷受台昇降装置の使用状況に合わせてスイッチ又は操作装置のいずれかを適宜使い分けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−322661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、コスト面を考慮すると、1つの荷受台昇降装置に対して上記スイッチ及び操作装置の両方を設置するよりも、いずれか一方のみを設置する方が好まれることも多い。
【0008】
支柱に固定されたスイッチのみとする場合、作業者は支柱に近付くと迅速に昇降操作を行うことができるが、作業者が操作できる立ち位置が限られるために車両後方に回り込んで操作すること等はできず、操作時の行動範囲が大きく制限されてしまう。
【0009】
一方、荷台下方の操作装置のみとする場合、収納箱の位置が比較的低いため、そのままでは作業者は作業状態を目視することが難しい。実用上、作業者は操作装置を収納箱から取り出して操作することが多い。この場合、作業者が操作する際の行動範囲の自由度は増すが、操作装置の取り出し及び収納作業が常に必要となって操作に必要な作業が煩雑になる。特に、有線式の操作装置の場合、長いコードを束ねて荷台下方に収納しなければならない。
【0010】
本発明は、これらの点を鑑みてなされており、荷受台昇降装置の使用状況に合わせ、荷受台昇降に関する操作効率の向上を実現する荷受台昇降装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、上記課題を解決するために以下の手段を用いる。
【0012】
車両の荷台に立設された一対の支柱と、当該支柱に沿って昇降するスライダと、前記スライダに支持されて当該スライダとともに昇降する荷受台とを備えた荷受台昇降装置を対象とする。この荷受台昇降装置において、荷受台の昇降駆動を操作する操作装置が、支柱に対して取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
取り外し可能な操作装置が支柱に設けられていることで、従来の固定式のスイッチでは得られない「作業者の立ち位置の自由度向上」効果を得ることができる。さらに、従来の荷台下方に設置された操作装置とは異なり、作業者が操作状況を目視し易く、支柱から取り外さずに使用すれば、操作装置の取り外し作業又は収納作業を行う必要が無い。
この支柱には、前記操作装置を収納する収納部が設けられており、収納部は前記支柱内方に設けられている構成としても良い。
【0014】
そして、この収納部は、箱本体部と蓋部とを含んでなる構成も可能である。蓋部には窓部が設けられており、操作装置の操作スイッチが前記窓部を介して外方に臨んでいる構成とすることで、収納部に操作装置を収納したままでも簡単に作業者が操作装置を操作し易い。
【0015】
また、一対の支柱の間にはクロスメンバが架設され、当該クロスメンバ内には、前記スライダを昇降駆動する油圧シリンダ及び当該油圧シリンダに対する作動油を給排するパワーユニットが収納されている構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、操作装置が支柱に対して取り外し可能に設けられているので、荷受台昇降装置の使用状況に合わせ、適宜、操作効率の良い手段を選択することができる。例えば、荷受台昇降装置から所定距離だけ離れた位置や、車両の後方側に回った位置で操作したい場合には、作業者は支柱から操作装置を取り外すことで操作すれば良い。また、操作装置の迅速性を求める場合には、操作装置を取り外すことなく支柱に取り付けられた状態のままで操作することができる。この場合、支柱に対する操作装置の取り外し及び収納の作業を行う必要が無いので利便性が向上する。
【0017】
そして、本発明に係る操作装置1つによって、支柱から取り外し可能な操作装置及び支柱に固定されたスイッチの両機能を兼用できるので、無用に操作装置又はスイッチの数を増えることを防止でき、コスト面でも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(a)は本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置の模式側面図、(b)は同装置の荷受台を外した状態の模式後面図、(c)は同装置の荷受台を外した状態の模式平面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置の使用状態を示す模式側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置の車両架装前の状態を示す模式側面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置の荷受台起立状態を示す模試側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一例として、車両後方に架装された荷受台昇降装置100について、図面を用いて説明する。
【0020】
図1(a)は荷受台昇降装置100の側面図を示している。荷受台昇降装置100は、支柱1と、その支柱1に沿って鉛直方向に昇降(矢印A1)する荷受台2と、荷受台2の昇降操作が可能で支柱1に対して取り外し可能な操作装置Rとを備えている。なお、支柱1は車両の荷台後方において左右一対で設けられており、図中の左側が車両前方側、図中の右側が車両後方側となっている。
【0021】
一対の支柱1には車幅方向を長手方向とするクロスメンバ3が架設されており、クロスメンバ3の内方にはその長手方向を軸方向とする油圧シリンダ4が設けられている。クロスメンバ3及び支柱1のそれぞれの内方で張設されたワイヤWを介して、油圧シリンダ4のロッド先端と、支柱1内で上下移動可能なスライダ5とが接続されており、油圧シリンダ4の伸縮力がワイヤWを介してスライダ5に伝播されることで、スライダ5が昇降する構成となっている。このスライダ5は、車両後方側端部が支柱1の後面から突出しており、この突出部5aにおいて荷受台2が回動自在に支持されている。したがって、油圧シリンダ4の伸縮に伴って荷受台2が支柱1に沿って昇降する。
【0022】
本実施形態では、
図1(b)の後面図のとおり、油圧シリンダ4を伸縮させるために作動油の給排制御を行うパワーユニットPUは、クロスメンバ3内に収納されている。なお、当図では説明の便宜上、パワーユニットPUの一部を構成する電動モータMのみを図示し、滑車の位置を明示するためにパワーユニットPUの他の構成部材及びワイヤWの図示は省略されている。
【0023】
クロスメンバ3は、車両前後方向に延びたシャシフレームSF上に固設されており、図示のとおり、左右のシャシフレームSFよりも外側(図中左側及び右側)領域における部分が、左右のシャシフレームSFで挟まれた領域上の部分よりも厚み(鉛直方向の高さ)が大きい。クロスメンバ3の内方において、油圧シリンダ4は上部に配置され、パワーユニットPUは上記のシャシフレームSFよりも外側領域(以下、外側拡大部)3L、3Rで車両左側(図中左側)となる部分3Lに配置されている。つまり、油圧シリンダ4とパワーユニットPUは、クロスメンバ3内で上下に並んだ状態で配置されている。
【0024】
パワーユニットPUは電動モータMの他にも、図示はしていないが、油圧ポンプ、タンク、バルブユニット等を備えている。電動モータMで油圧ポンプを駆動させ、バルブユニットによって作動油の方向や流量を制御しつつタンクの作動油を油圧シリンダ4に対して供給する。油圧シリンダ4からの戻り油はタンクに戻る。
ワイヤWは、左側のスライダ2に止着される左スライダ用ワイヤと、右側のスライダ2に止着される右スライダ用ワイヤとの2種類が設けられている。
【0025】
左スライダ用ワイヤは、一端がスライダ5に止着された状態で、左側の支柱1の上部に固定された滑車C21で折り返され、クロスメンバ3の内方でかつ油圧シリンダ4の前方側(
図1(c))に固定された左外側滑車C11でクロスメンバ3内に挿通される。そして、クロスメンバ3の内方で左外側滑車C11よりも内側に固定された左内側滑車C41を介して、油圧シリンダ4のロッド先端に取り付けられた移動滑車C3に掛け回される。この移動滑車C3は、クロスメンバ3の長手方向に移動可能となるように取り付けられている。移動滑車C3で左側に折り返された左スライダ用ワイヤは、他端が固定端B1に固定された状態となる。固定端B1はブラケットBを介してクロスメンバ3に固定されている。
【0026】
右スライダ用ワイヤは、同様に一端がスライダに止着された状態で、右側の支柱1上部に固定の滑車(不図示)と、クロスメンバ3の内方でかつ油圧シリンダ4の前方側(図中奥側)に固定の右外側滑車C12と、クロスメンバ3の内方で右外側滑車C12よりも内側に固定された右内側滑車C42とを介してクロスメンバ3内方に挿通される。さらに、左内側滑車C41と、左外側滑車C11とに順に掛け回されて右側に折り返される。そして、移動滑車C3に掛けられた後に固定端B2に固定されている。
【0027】
移動滑車C3以外の滑車はそれぞれ回転軸が水平方向となるように設けられ、移動滑車C3は回転軸が鉛直方向となるように設けられている。なお、両ワイヤが掛けられる左外側滑車C11、左内側滑車C41、及び移動滑車C3は、いずれも2列の滑車が隣り合わせに組み合わされてなるユニット体である。左スライダ用ワイヤは、左外側滑車C11及び左内側滑車C41のそれぞれ車両前側の滑車に掛け回され、移動滑車の下側の滑車に掛け回されている。また、右スライダ用ワイヤは、左外側滑車C11及び左内側滑車C41のそれぞれ車両後側の滑車に掛け回され、移動滑車の上側の滑車に掛け回されている。
【0028】
以上のようにワイヤWが張設されることで、油圧シリンダ4が伸長すると移動滑車C3が点線で示す右側に移動し、油圧シリンダ4が収縮すると移動滑車C3が実線で示す左側に移動する。この移動滑車C3の移動によってワイヤWの繰り出しが行われ、荷受台2の昇降が行われる。
【0029】
操作装置Rは、パワーユニットPUを駆動して油圧シリンダ4に対する作動油の給排を制御することができる。この操作装置Rは、左側の支柱1に収納されている(
図1(a)参照)。
図2で示すように、操作装置RはパワーユニットPUに接続される電気コードRcを備えた有線型であり、作業者が手で握って持つことのできる形状を有している。荷受台昇降装置100を使用しない場合、支柱1に設けられた箱状の収納部6に電気コートRcとともに収納されている。例えば、支柱1から少し離れた位置に作業者が立ち、荷受台昇降装置100全体を目視しながら荷受台2の昇降作動を操作する際には、収納部6から操作装置Rを取り出して操作する。収納部6には、操作装置Rの収納空間を形成する箱本体部6aと蓋部となるカバー7とが設けられており、下部ヒンジ71を中心にしてカバー7を下側に回動させて展開し、箱本体部6aから操作装置Rを取り出す。カバー7には切り欠かれてなる窓部7aが設けられており、操作装置7が箱本体部6aに収納されてカバー7が閉じられた際に、窓部7aを介して操作装置7の表面に設けられた操作スイッチRu、Rdが支柱1の外方を臨む状態となる。この収納状態となることで、作業者が支柱1近傍で電気コードRcを引き出すことなく、操作装置Rを操作することもできる。つまり、作業者は操作装置Rを手で持つことなく、操作装置Rが支柱1に取り付けられたままの状態で、迅速に荷受台2の昇降操作を行うことができる。また、電気コードRcを引き出すことがないので、荷受台昇降装置100の使用終了後に電気コードRcを収納部6に収納する作業も不要となり、次の作業に迅速に取り掛かることができる。なお、カバー7が閉じられた状態で操作スイッチRu、Rdを押し難い場合には、カバー7を展開して開けた状態にして、操作装置Rは収納部6に収納されたままで操作することも可能である。
【0030】
荷受台2の昇降操作は上記の操作装置Rだけで行われる。本実施形態では、荷台下方に操作装置を設けていないので、当該荷台下方の領域Sを空き領域にすることもできるし、他の装置を取り付けることもできる。特に、本実施形態に係る荷受台昇降装置100のように、クロスメンバ3の内方に油圧シリンダ4だけでなくパワーユニットPUも収納されている場合、パワーユニットPUを荷台下方に取り付けている荷受台昇降装置と比較すると、上記領域Sは、単に操作装置RだけでなくパワーユニットPUも備わっていないので、その活用空間が大きくなるため好ましい。
【0031】
さらに、操作装置Rが支柱1に収納された構成とすることで、荷受台昇降装置100の架装効率も向上する。支柱1、クロスメンバ3、荷受台2、油圧シリンダ4、及びパワーユニットPU等を別々に車両に架装するのではなく、これらを単一のユニット体として架装する際、操作装置Rが支柱1に収納されているので、操作装置Rも単一のユニット体に含めることができる。そのため、操作装置Rが上記のユニット体に含まれておらず荷台下方などに取り付ける構成と比較して、車両に架装する前の段階でパワーユニットPUに対する操作装置Rの電気接続を行うことができる。つまり、「車両下方に潜り込んで荷受台昇降装置の外部から電気配線を取り回して接続する」煩雑な作業を省略できる。特に、パワーユニットPUをクロスメンバ3の内方に収納している本実施形態においては、パワーユニットPUの電気配線を予め上記単一のユニット体として接続作業を行うことができることに加え、操作装置Rの接続作業も予め実施できるため大きな効果がある。
【0032】
次に、支柱1における操作装置Rの取付位置について
図4を用いて説明する。
図4(a)は本実施形態に係る支柱1を示しており、
図4(b)は他の実施形態に係る支柱10を示している。
【0033】
図4(a)に示すとおり、操作装置Rは支柱1の上部で、滑車C21の下側となる位置に設けられている。この滑車C21は外径がL2の大きさとなっており、操作装置R、収納部6及びカバー7等はその外径よりも小さな幅になっている。この幅とすることで、ワイヤWと干渉することが回避されている。また、支柱1の上部に操作装置Rが設けられていることで、作業者が立ったまま操作装置Rを取り出しやすい。また、支柱1に取り付けたまま操作する場合でも、作業者の視線に近い位置に操作装置Rがあるので操作し易い。
【0034】
また、支柱1が鉛直方向を長手方向とする形状であり、支柱1の内方においてワイヤWとの干渉を回避するスペースも鉛直方向が長手方向となることから、上記操作装置R等も鉛直方向を長手方向とする形状であれば、スペースが狭小であっても収納し易い。さらに、鉛直方向を長手方向とする操作装置Rとすれば、片手で操作装置Rを握りながらそのまま指で操作スイッチRu、Rdを押すことができる。また、ワイヤWとの干渉を回避できる位置に操作装置Rを取り付けていることで、支柱1に操作装置Rや収納部6が設けられていても、支柱1のメンテナンス孔(不図示)等からワイヤWの緩み等の調節も簡易に行うこともできる。
【0035】
また、本実施形態のようにクロスメンバ3の内方にパワーユニットPUが収納された構成が、パワーユニットPUが収納されていないクロスメンバ3の構成よりも車両前後方向の長さが大きくなる場合には、支柱1の車両前後方向の長さL1も大きくなるので、滑車C21の外径を大きくすることができる。滑車C21の外径を大きく設定した場合、上下に折り返されてなるワイヤWの間の距離が大きくなり、さらに操作装置Rが設置し易くなるため好ましい。特に、滑車C21の外径が大きくなると、ワイヤWの耐久性も向上する。これらの効果は、クロスメンバ3の車両前後方向の長さが大きな構成であるほど大きくなる。一方、図示するようにワイヤWで挟まれた位置が操作装置Rの取付位置なので、支柱1に操作装置Rが設置されていても、支柱1の長さL1は維持できる。よって、荷受台昇降装置100の大型化を防止できる。
【0036】
操作装置Rの取付位置に関して、
図4(b)のような別の実施形態の構成とすることもできる。当図に係る荷受台昇降装置101は、荷受台2の昇降距離が
図4(a)に係る形態より約2倍となる構成を有している。当該装置101では、油圧シリンダ41の伸縮ストロークが上記の荷受台昇降装置100よりも約2倍になる構成を有しており、左外側滑車は4列の滑車が隣り合うように組み合わされてなる。つまり、油圧シリンダ41の伸縮ストロークの増長に伴って、荷受台昇降装置100の場合と比べてワイヤ長さも大きくなり、左スライダ用ワイヤが掛け回される左外側滑車C101を構成する滑車の数が
図4(a)と比較すると増えている。当該構成により、クロスメンバ31は車両前後方向のうち、車両前方側に向かって拡張される。その結果、クロスメンバ31の内方において、ワイヤW11で挟まれてなる領域S11でなく、車両前方側の領域S12に操作装置Rを取り付けることが可能となる。なお、
図4(b)のようなクロスメンバ31の構成であっても、滑車C21の外径を拡大し、ワイヤW11で挟まれてなる領域S11を大きくし、当該領域S11に操作装置Rを取り付けた構成としても構わない。
【0037】
以上のように、支柱1に対して取り出し可能な操作装置Rを設けているだけで、電気コートRcを引き出して作業者が操作装置Rを手に持って操作すること、又は支柱1から操作装置Rを取り出さずに操作することのいずれも可能となり、両操作に対応するために2個以上の操作装置R等を設ける必要がない。つまり、荷受台昇降装置100には1個の操作装置Rだけで両操作を兼用できるので、1個の操作装置Rのコストだけに抑制することができる。勿論、適宜、操作装置Rに加えて他の操作装置等を設置しても構わない。さらには、左側の支柱1だけでなく右側の支柱1に操作装置Rを設置しても構わない。そして、上述のとおり、単一のユニット体とすることで架装工数の低減効果も生じ、製造コストの低減に大きく貢献する。
また、操作装置Rに関しては、有線型のものとして説明したが、無線型のものでも同等の効果を得ることができる。
【0038】
さらに、クロスメンバ3の内方にパワーユニットPUや油圧シリンダ4を収納した構成としたが、パワーユニットPUや油圧シリンダ4がクロスメンバ3の内方以外に設けられていても構わない。また、クロスメンバ3は、シャシフレームSFの外側領域で厚みが大きくなる構成としたが、車両幅方向で一定の厚みとしても良い。
【0039】
その他、収納部6は支柱1の内方に設けられているが、車両幅の拡大を抑制できる構成であれば、支柱1の外方、例えば支柱1の外壁に別に収納部を設けても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、支柱に沿って昇降する荷受台を備えた全ての荷受台昇降装置に対して有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 支柱
2 荷受台
3 クロスメンバ
4 油圧シリンダ
5 スライダ
6 収納部
6a 箱本体部
7 カバー(蓋部)
R 操作装置
Ru、Rd 操作スイッチ
PU パワーユニット
100 荷受台昇降装置