(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値が、第1閾値以上であるときには、前記予め設定した駆動時間及び振動強度よりも前記駆動時間及び/又は前記振動強度を増やして前記供給装置を駆動し、
前記組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値が、第2閾値以下であるときには、前記予め設定した駆動時間及び振動強度よりも前記駆動時間及び/又は前記振動強度を減らして前記供給装置を駆動する、
請求項2に記載の組合せ秤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような組合せ秤では、被計量物が粘着性の高い被計量物である場合には、振動によって被計量物を分散フィーダに供給する供給装置である供給フィーダの搬送面に、被計量物が付着しやすい。被計量物の付着形成が進むと、供給フィーダから分散フィーダへ被計量物を十分に搬送できなくなり、組合せ秤としての計量精度及び計量速度の低下を招く。また、付着が激しいと、被計量物の搬送が停止してしまうことになる。
【0005】
このため、作業者が、供給フィーダを定期的に停止させて、供給フィーダを清掃しており、組合せ秤の稼働率が低下すると共に、作業者の負担が増えている。
【0006】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであって、粘着性の高い被計量物が、供給装置の搬送面へ付着してもそれを解除できるようにし、供給装置の清掃及びそれに伴う稼働率の低下を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0008】
(1)本発明の組合せ秤は、被計量物を周囲へ搬送する分散部に被計量物を供給する振動式の供給装置を備える組合せ秤であって、
前記分散部における被計量物の量を検出する検出部と、
前記検出部の検出出力に基づいて、前記供給装置の駆動を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、予め設定した駆動時間及び振動強度での前記供給装置の駆動では、前記検出部によって検出される被計量物の量が不足すると判定されるときには、前記駆動時間及び/又は前記振動強度を増やして前記供給装置を駆動する
ものであり、
前記制御部は、前記駆動時間及び/又は前記振動強度を増やした駆動を、所定回数行っても、前記検出部によって検出される被計量物の量が、不足すると判定されるときには、前記振動強度を最大にして前記供給装置を駆動することを特徴とする。
【0009】
検出部によって検出される被計量物の量が不足すると判定されるときとは、例えば、検出部によって検出される被計量物の量が所定量以下になっている、あるいは、検出部によって検出される被計量物の量が所定範囲を下回っていると判定されるときなどをいう。
【0010】
前記駆動時間及び/又は前記振動強度を増やす時間や振動強度は、予め設定できるのが好ましい。
最大の振幅強度は、被計量物の種類等に応じて、予め選択設定できるようにするのが好ましい。
【0011】
駆動時間及び/又は振動強度を増やした前記供給装置の駆動は、予め設定した回数行ってもよいし、前記検出部によって検出される被計量物の量が、所定量に達するまで行ってもよい。
【0012】
また、駆動時間及び/又は振動強度を増やした前記供給装置の駆動を、予め設定した複数回行う場合には、供給装置に付着した被計量物の付着が解除されたか否かを判定できる時間間隔を空けて行うのが好ましく、付着が解除されて前記検出部によって検出される被計量物の量が、所定量に達して不足しないと判定されたときには、予め設定した元の駆動時間及び振動強度で供給装置を駆動すればよい。
【0013】
本発明の組合せ秤によると、予め設定した駆動時間及び振動強度で供給装置を駆動しても、分散部の被計量物の量が所定量に達せず、被計量物の供給量が不足すると判定されるときには、粘着性の高い被計量物が、供給装置の搬送面に付着し始めて分散部に十分に供給されていないとして、駆動時間及び/又は振動強度を増やして駆動するので、供給装置の搬送力が強まって被計量物の付着を解除して、分散部へ円滑に被計量物を搬送することが可能となる。
また、本発明によると、供給装置の搬送面に粘着性の高い被計量物の付着形成が進み、駆動時間や振動強度を増やした駆動を所定回数行っても、付着形成が解除されないときには、供給装置の振動強度を最大の振動強度にすることで、供給装置の搬送面に付着した被計量物の付着状態を一気に解除することができる。
【0014】
(2)本発明の組合せ秤の他の実施態様では、前記分散部が、被計量物を周囲へ搬送する分散フィーダであり、前記分散フィーダの周囲にそれぞれ配設されて該分散フィーダからの被計量物を振動によってそれぞれ搬送する複数の直進フィーダと、各直進フィーダに対応して配置されると共に、前記各直進フィーダからの被計量物を保持し、保持した被計量物を下方へ供給する複数の供給ホッパと、各供給ホッパに対応して配置されると共に、各供給ホッパから供給される被計量物を保持し、該保持した被計量物の重量を計量する複数の計量ホッパとを備え、前記制御部は、前記計量ホッパで計量される被計量物の計量値に基づいて組合せ演算を行うものであり、前記検出部は、前記組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値に基づいて、前記分散フィーダにおける被計量物の量を間接的に検出する。
【0015】
供給装置から分散フィーダへ被計量物が安定して搬送され、分散フィーダ上の被計量物が不足していないときには、該分散フィーダから直進フィーダ、供給ホッパを介して各計量ホッパに被計量物が適量供給されるので、組合せ演算で選択される計量ホッパの数の平均値は、所定範囲となる。これに対して、被計量物が供給装置の搬送面に付着し、分散フィーダに被計量物が十分に搬送されず、分散フィーダ上の被計量物が不足するときには、該分散フィーダから直進フィーダ、供給ホッパを介して各計量ホッパに供給される被計量物の量が少なくなるので、組合せ演算で選択される計量ホッパの数の平均値は、所定範囲よりも大きくなる。すなわち、組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値によって、分散フィーダにおける被計量物の量を間接的に検出することができる。
【0016】
この実施態様によると、組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値に基づいて、供給装置から分散部へ供給される被計量物の供給量が不足すると判定されるときには、粘着性の高い被計量物が、供給装置の搬送面に付着し始めて分散部に十分に供給されていないとして、駆動時間及び/又は振動強度を増やして駆動し、被計量物の付着を解除して、分散部へ円滑に被計量物を搬送することが可能となる。
【0017】
(3)上記(2)の実施形態では、前記制御部は、前記組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値が、第1閾値以上であるときには、前記予め設定した駆動時間及び振動強度よりも前記駆動時間及び/又は前記振動強度を増やして前記供給装置を駆動し、前記組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値が、第2閾値以下であるときには、前記予め設定した駆動時間及び振動強度よりも前記駆動時間及び/又は前記振動強度を減らして前記供給装置を駆動する。
【0018】
上記のように、供給装置から分散フィーダへ被計量物が安定して供給され、分散フィーダ上の被計量物が不足していないときには、該分散フィーダから直進フィーダ、供給ホッパを介して各計量ホッパに被計量物が適量供給されるので、組合せ演算で選択される計量ホッパの数の平均値は、所定範囲となるので、第1閾値は、前記所定範囲の上限値を超える値とし、第2閾値は、前記所定範囲の下限値を下回る値とするのが好ましい。
【0019】
この実施態様によると、組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値が、第1閾値以上と大きいときには、粘着性の高い被計量物が、供給装置の搬送面に付着して分散フィーダに供給されず、分散フィーダの被計量物が不足しているために、各計量ホッパへ供給される被計量物が少な過ぎるとして、供給装置の駆動時間及び/又は振動強度を増やして駆動し、これによって、供給装置の搬送力が強まって被計量物の付着を解除して、分散フィーダへ円滑に被計量物を搬送することが可能となる。
【0020】
また、組合せ演算によって選択される計量ホッパの数の平均値が、第2閾値以下と小さいときには、分散フィーダに供給される被計量物が多過ぎるために、各計量ホッパへ供給される被計量物が多過ぎるとして、供給装置の駆動時間及び/又は振動強度を減らして駆動し、分散フィーダへの被計量物の供給量を適量とすることができる。
【0024】
(
4)
本発明の他の実施態様では、前記分散部に被計量物が供給されないことを報知する報知部を備え、前記制御部は、前記振動強度を最大にした前記供給部の駆動を、所定回数行っても、前記検出部によって検出される被計量物の量が、不足すると判定されるときには、前記報知部を駆動して報知する。
【0025】
この実施態様によると、供給装置の振動強度を最大にして、所定回数駆動しても、供給装置の搬送面に付着した被計量物の付着状態を解除できない場合に、そのことを作業者に報知するので、作業者は、供給装置の清掃作業を行って被計量物の付着を解除することができる。
【0026】
(
5)本発明の組合せ秤の好ましい実施態様では、前記供給装置は、被計量物が溜められる溜めホッパの被計量物を前記分散部へ供給するものであり、前記溜めホッパ内の被計量物の量を検出する供給装置用検出部を備え、前記制御部は、前記供給装置用検出部の検出出力に基づいて、該溜めホッパ内の被計量物の量が所定量以下のときには、前記供給装置を駆動する制御を行わない。
【0027】
この実施態様によると、溜めホッパ内の被計量物の量が所定量以下では、供給装置を駆動しても分散部へ被計量物を供給することができないので、供給装置の無駄な駆動を行わないようにしている。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、供給装置の搬送面に粘着性の高い被計量物が付着して分散部へ被計量物を十分に搬送することができず、分散部における被計量物の量が不足していると判定されると、供給装置の駆動時間及び/又は振動強度を増やして駆動するので、供給装置の搬送力が強まって被計量物の付着が解除されて、分散部へ円滑に被計量物を搬送することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る組合せ秤の外観図である。この実施形態の組合せ秤1は、組合せ秤本体2の上部中央に、溜めホッパ3に溜められた被計量物を供給する振動式の供給装置としての供給フィーダ4を備えている。溜めホッパ3の下部には、被計量物の量を検出する、例えば、光電センサ等からなる供給フィーダ用検出センサ7が設けられている。
【0032】
組合せ秤本体2は、供給フィーダ4から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ8と、分散フィーダ8から送られてきた被計量物を振動によって複数の各供給ホッパ10に搬送する複数の直進フィーダ9と、各直進フィーダ9からの被計量物を一時的に保持する複数の供給ホッパ10と、各供給ホッパ10から被計量物がそれぞれ供給される複数の計量ホッパ11と、各計量ホッパ11からの被計量物を包装機5へ排出する集合シュート12とを備えている。
【0033】
各計量ホッパ11には、計量ホッパ11内の被計量物の重量を計測するロードセル等の図示しない重量センサが連結され、各重量センサ10による計量値は、後述の制御装置(図示せず)へ出力され、制御装置は、組合せ演算を行う。
【0034】
この実施形態では、供給フィーダ4から分散フィーダ8に供給される被計量物の量は、分散フィーダ8を支持している分散フィーダ用重量センサ(図示せず)によって計量され、その計量値が制御装置に与えられる。
【0035】
制御装置に対する設定操作は、操作設定表示部6によって行われ、この操作設定表示部6は、例えばタッチパネル等を用いて構成され、組合せ秤の操作及びその動作パラメータの設定等を行うと共に、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する。操作設定表示部6に近接して警報ライト6aが設けられており、この警報ライト6aによって、後述のように供給フィーダ4の搬送面に被計量物が強固に付着して付着が解除されないときには、その旨を報知する。
【0036】
供給フィーダ4は、振動によって溜めホッパ3内の被計量物を、分散フィーダ8へ供給するのであるが、粘着性の高い被計量物の場合には、供給フィーダ4の搬送面、すなわち、ステンレス製のトラフの表面に、被計量物が付着し、供給フィーダ4から分散フィーダ8へ所要量の被計量物を搬送できなくなり、組合せ秤としての計量精度及び計量速度の低下を招く。
【0037】
そこで、この実施形態では、供給フィーダ4から分散フィーダ8への被計量物の供給量が不足しているか否かを検出し、不足していると判定されるときには、供給フィーダ4の駆動時間及び振動強度(振幅強度)を、予め設定されている通常の駆動時間及び振動強度よりも増やして駆動する。これによって、供給フィーダ4の搬送面に付着している被計量物を搬送面から剥がして分散フィーダ8へ搬送する。
【0038】
通常よりも駆動時間及び振動強度を増やした供給フィーダ4の駆動を所定回行っても、供給フィーダ4から分散フィーダ8への被計量物の供給量の不足が検出されるときには、振動強度を最大の振動強度にして設定された駆動時間に亘って供給フィーダ4を駆動し、これを複数回連続して行う。
【0039】
これによって、供給フィーダ4の搬送面に付着形成された被計量物を、最大の振動強度で振動させて、一気に剥がして分散フィーダ8へ搬送するようにしている。
【0040】
この実施形態では、供給フィーダ4から分散フィーダ8へ供給される被計量物の量が不足しているか否かを、組合せ演算によって選択される計量ホッパ11の数の平均値に基づいて、次のように判定している。
【0041】
すなわち、組合せ秤において、組合せ精度を高めるためには、計量ホッパ11に適量の被計量物を投入して組合せ演算を行うことが重要である。計量ホッパ11の総数がn個の場合、nが奇数の時は目標組合せ重量を(n−1)/2、あるいは、(n+1)/2で割った重量値、nが偶数の時は目標組合せ重量をn/2で割った重量値、の被計量物を計量ホッパ11に投入するように制御すれば、有効な組合せの数が多くなって、組合せ精度は向上する。
【0042】
計量ホッパ11に投入される被計量物の量は、分散フィーダ8上の被計量物の量と、分散フィーダ8の振動強度及び駆動時間と、分散フィーダ8の周囲の直進フィーダ9の振動強度及び駆動時間とによって制御され、前記有効な組合せの数が多くなって、組合せ精度が向上するように制御される。
【0043】
したがって、被計量物が安定して供給ホッパ11に供給されている場合には、組合せ演算によって選択される計量ホッパの数は、計量ホッパ11の総数がn個の場合、nが奇数の時は(n−1)/2個、あるいは、(n+1)/2個を、nが偶数の時はn/2個を中心としてその前後の個数となる。
【0044】
例えば、計量ホッパ11の総数nが、10個とすると、組合せ演算によって、5個の計量ホッパ11が選択されるように制御され、この場合、組合せ演算によって選択される計量ホッパ11の数は、5個を中心として、所定範囲である4個、5個、6個が好ましい。組合せ演算で選択される計量ホッパ11の数が、例えば、7個以上と大きいときには、各計量ホッパ11へ供給される被計量物の量が少な過ぎ、逆に、選択される計量ホッパ11の数が、例えば、3個以下と小さいときには、各計量ホッパ11へ供給される被計量物の量が多過ぎることになる。
【0045】
この実施形態では、組合せ演算によって選択される計量ホッパ11の数の平均値を算出し、平均値が第1の閾値以上で大きいときには、分散フィーダ8に供給される被計量物が不足しているために、各計量ホッパ11へ供給される被計量物が少な過ぎるとして、上記のように、供給フィーダ4の駆動時間及び振動強度を、予め設定されている通常の駆動時間及び振動強度よりも増やして駆動する。
【0046】
逆に、組合せ演算によって選択される計量ホッパ11の数の平均値が第2閾値以下で小さいときには、分散フィーダ8に供給される被計量物が多過ぎるために、各計量ホッパ11へ供給される被計量物が多過ぎるとして、供給フィーダ4の駆動時間及び振動強度を、予め設定されている通常の駆動時間及び振動強度よりも減らして駆動するようにしている。
【0047】
図2は、この実施形態における組合せ秤の制御系統の概略構成を示すブロック図であり、
図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0048】
図2に示すように、制御装置22は、演算制御部としてのCPU部22aと、メモリ部22gと、計量ホッパ11の重量センサ20及び分散フィーダ用重量センサ21の検出出力が与えられるA/D変換回路部22dと、供給ホッパ10及び計量ホッパ11の排出用のゲートを駆動するゲート駆動回路部22cと、各フィーダ4,8,9の振動を制御する振動制御回路部22bと、包装機5に接続されたI/O回路部22fと、供給フィーダ4が搬送する溜めホッパ3内の被計量物の量を検出する供給フィーダ用検出センサ7の検出出力が与えられるI/O回路部22eとを備えている。
【0049】
演算制御部としてのCPU部22aは、各部を制御すると共に、組合せ演算を行う。メモリ部22gは、組合せ秤の動作プログラム及び設定される動作パラメータ等を記憶しており、CPU部22aに対する演算などの作業領域となる。
【0050】
A/D変換回路部22dは、分散フィーダ8上の被計量物の重量を検出する上述の分散フィーダ用重量センサ21及び各計量ホッパ11の被計量物の重量を検出する各重量センサ20からのアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU部22aへ出力する。また、CPU部22aには、I/O回路部22eを介して溜めホッパ3内の被計量物の量を検出する供給フィーダ用検出センサ7からの検出出力が与えられる。
【0051】
ゲート駆動回路部22cは、CPU部22aからの制御信号に基づいて、供給ホッパ10及び計量ホッパ11の排出用のゲートの開閉を制御する。振動制御回路部22bは、CPU部22aからの制御信号に基づいて、供給フィーダ4、分散フィーダ8及び各直進フィーダ9のそれぞれの振動動作を制御する。また、CPU部22aは、操作設定表示部6と相互に通信できるように接続されている。
【0052】
制御装置22は、CPU部22aがメモリ部22gに記憶されている動作プログラムを実行することにより、供給フィーダ4及び組合せ秤全体の動作を制御する。
【0053】
組合せ秤では、上述のような動作を行うための多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は作業者が操作設定表示部6を用いて行い、設定された動作パラメータの値はCPU部22aへ送られ、メモリ部22gに記憶される。動作パラメータには、組合せ演算における目標値である目標組合せ重量及びそれに対する許容範囲、各フィーダ4,8の振動強度(振動振幅)や駆動時間(1回の振動継続時間)、及び、上述の不足検出の回数や最大の振動強度等がある。
【0054】
図3は、この実施形態の組合せ秤の全体の処理動作を説明するためのフローチャートであり、このフローチャートを参照して、制御部22による制御動作を、
図5の操作設定表示部6の設定画面と共に説明する。
【0055】
フローチャートの説明に先立ち操作設定表示部6の設定画面を説明する。
【0056】
この設定画面には、供給フィーダ4に対する設定画面であり、「供給量不足検出回数」、「供給量不足検出時間」、「最大振動強度」、「最大振動強度での駆動時間」、「最大振動強度での駆動回数」、および「累積加算回数」の6つの設定項目がある。
【0057】
以下、フローチャートの該当するステップで各設定項目について、説明する。
【0058】
図3に示すように、先ず、制御装置9は、分散フィーダ用重量センサ21等の検出出力に基づいて、後述のように供給フィーダ4の駆動を制御して、分散フィーダ8上への被計量物の供給を制御する供給フィーダ制御を行う(ステップs1)。
【0059】
次に、分散フィーダ8の駆動を制御して分散フィーダ8上の被計量物を周囲へ分散させて直進フィーダ9へ被計量物を供給する分散フィーダ制御を行う(ステップs2)。
【0060】
次に、直進フィーダ9の駆動を制御して、空の供給ホッパ10に対応する直進フィーダ9を駆動して直進フィーダ9上の被計量物を当該空の供給ホッパ10に供給する直進フィーダ制御を行う(ステップs3)。
【0061】
次に、供給ホッパ制御に移り(ステップs4)、空の計量ホッパ11に対応する供給ホッパ10の排出用のゲートを開放して、被計量物を当該空の計量ホッパ11へ供給し、ステップs5へ移る。
【0062】
ステップs5では、計量ホッパ11に被計量物が供給されると、対応する重量センサ20によって、前記計量ホッパ11に供給された被計量物の重量を計量し、計量値を制御装置22へ取込む計量制御を行う。
【0063】
次に、計量ホッパ11に供給されている被計量物の重量に基づいて、組合せ演算を行い、被計量物の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、目標組合せ重量に等しいか、あるいは、目標組合せ重量よりも重く、かつ、目標組合せ重量に近い所定重量の計量ホッパ11の組合せである最適組合せの選択を行う(ステップs6)。その後、包装機5からの排出要求信号の入力があるか否かを判断し(ステップs7)、排出要求信号の入力があると、組合せ演算で選択された最適組合せの計量ホッパ11の排出用のゲートを開放して、被計量物を排出する計量ホッパ制御を行う(ステップs8)。
【0064】
次に、供給フィーダ制御のための処理を行なう。
【0065】
すなわち、ステップs9では、供給フィーダ用検出センサ7の検出出力がONであるか否か、すなわち、溜めホッパ3内に供給フィーダ4によって搬送する被計量物が、所定量以上溜まっているか否かを判断し、ONであるときには、溜めホッパ3内には、所定量以上の被計量物が溜まっているので、ステップs10に移る。ステップs9でONでないときには、溜めホッパ3内の被計量物が少ない旨の警報処理等を行なってステップs1へ戻り、この場合は、溜めホッパ3内に供給すべき被計量物がないので、供給フィーダ4の駆動は行わない。
【0066】
ステップs10では、前記組合せ演算で選択された計量ホッパ11の数を、累積加算し、ステップs11では、計量ホッパ11の数の累積加算回数に「1」を加算する。
【0067】
ステップs12では、累積加算回数が、所定数に達した否かを判断する。この所定数は、
図5の設定画面の「累積加算回数」に対応し、この例では、5回となっている。
【0068】
ステップs12で、累積加算回数が所定数に達したときには、ステップs13に移り、所定数に満たないとステップs1へ戻る。ステップs13では、累積加算値/累積加算回数の演算を行い、組合せ演算で選択された計量ホッパ11の数の平均値を算出する。
【0069】
ステップs14では、前記累積加算値と、前記累積加算回数とを「0」にリセットする。
【0070】
ステップs15では、前記平均値が大きいか否かを判断し、ステップs21では、前記平均値が小さいか否かを判断する。
【0071】
組合せ演算によって選択される計量ホッパ11の数は、上述のように、計量ホッパ11の総数を、例えば、10個とすると、組合せ演算によって、5個の計量ホッパ11が選択されるように制御され、この場合、組合せ演算によって選択される計量ホッパ11の数は、5個を中心として、4個、5個、6個が好ましく、選択される計量ホッパ11の数が、第1閾値である、例えば7個以上では、大きく、逆に、選択される計量ホッパ11の数が、第2閾値である、例えば、3個以下では、小さいと判断する。
【0072】
ステップs15では、以上のようにして、選択された計量ホッパの数の平均値が大きいか否かを判断し、大きいと判断すると、ステップs16に移る。平均値が大きいとは、供給フィーダ4の搬送面に被計量物が付着して、該供給フィーダ4から分散フィーダ8へ供給される被計量物の量が減少し、計量ホッパ11に供給される被計量物の重量が少なく不足するので、ステップs16では、供給フィーダ4を駆動する駆動時間の設定を、通常の設定よりも増加させ、ステップs17に移る。ステップs17では、供給フィーダ4の振動強度の設定を、通常の設定よりも増加させて、ステップs18に移る。なお、ステップs16又はステップs17の一方を省略してもよい。
【0073】
ステップs18では、供給量不足検出回数に「1」を加算し、供給量不足検出回数が所定値に達したか否か、すなわち、
図5の前記操作設定表示部6の設定画面の「供給量不足検出回数」、この例では5回に達したか否かを判断する(ステップs19)。ステップs19で供給量不足検出回数が所定値に達したと判断すると、通常よりも駆動時間及び振動強度を増やして供給フィーダ4を駆動しても、供給量の不足が解消していないとして、「最大振動強度駆動フラグ」を「ON」にする(ステップs20)。
【0074】
一方、ステップs15で、前記平均値が大きくないと判断したときには、ステップs21に移り、前記平均値が小さいか否かを判断する。ステップs21で、前記平均値が小さいと判断すると、ステップs22に移り、小さくないと判断すると、ステップs1へ戻る。
【0075】
平均値が小さいとは、供給フィーダ4から分散フィーダ8へ供給される被計量物の量が多く、計量ホッパ11に供給される被計量物の重量が多いので、 ステップs22では、供給フィーダ4の駆動時間の設定を、通常の設定よりも減少させ、ステップs23では、供給フィーダ4の振動強度の設定を、通常よりも減少させ、ステップs24では、供給量不足検出回数を「0」にリセットする。
【0076】
図4は、
図3のステップs1の供給フィーダ制御の詳細を示すフローチャートであり、
図3及び
図4は、タスクを切替えて処理する、いわゆる、マルチタスク処理である。
【0077】
ステップs101では、「最大振動強度駆動中フラグ」が「ON」であるか否かを判断する。ここで、
図3のステップs20の「最大振動強度駆動フラグ」と区別するため、その名称に「中」を含めている。「最大振動強度駆動中フラグ」が「ON」であると、供給フィーダ4が最大振動強度で振動中であることを示す。
【0078】
ステップs101で、「最大振動強度駆動中フラグ」が「ON」でないときには、ステップs108に移る。
【0079】
ステップs108では、「最大振動強度駆動フラグ」が「ON」しているか否かを判断する。
図3のフローチャートのステップs19で「供給量不足検出回数」が5回に達し、ステップs20で「最大振動強度駆動フラグ」を「ON」にしていると、ステップs108はステップs109に移るが、ステップs20で「最大振動強度駆動フラグ」を「ON」にしていないと、ステップs108からステップs115に移る。
【0080】
ステップs115では、「供給フィーダ駆動中フラグ」が「ON」しているか否かを判断する。「供給フィーダ駆動中フラグ」は、供給フィーダ4を駆動中であることを示すフラグであり、この「供給フィーダ駆動中フラグ」が、「ON」にしていないと、ステップs115からステップs120に移る。
【0081】
ステップs120では、分散フィーダ8上の被計量物の量が下限値以下か否かを判断する。この判断には、分散フィーダ用重量センサ21の検出出力に基づいて行う。分散フィーダ8上の被計量物の量が下限値以下であるときには、ステップs121に移り、「供給フィーダ駆動中フラグ」を「ON」にし、ステップs122で駆動時間計測タイマをセットして駆動時間の計測を開始し、ステップs123で供給フィーダ4の振動強度をセットし、ステップs124で供給フィーダ4をその振動強度で駆動する。この供給フィーダ4の振動強度及び駆動時間は、予め設定されている通常の振動強度及び駆動時間、あるいは、
図3のステップs16,S17で設定された振動強度及び駆動時間、あるいは、
図3のステップs22,23で設定された振動強度及び駆動時間のいずれかである。
【0082】
上記ステップs101において、「最大振動強度駆動中フラグ」が「ON」でなければ、ステップs108に移り、ステップs108で「最大振動強度駆動フラグ」が「ON」であるか否かを判定するが、
図3のステップs20で「最大振動強度駆動フラグ」を「ON」にしていないと、NOと判断し、ステップs115に移る。
【0083】
ステップs115では、ステップs121で「供給フィーダ駆動中フラグ」を「ON」にしていると、YESと判断して、ステップs116に移る。ステップs116では、駆動時間計測タイマがタイムアップしたか否かを判断する。ステップs117で駆動時間計測タイマがタイムアップしたと判断すると、ステップs118に移り、ステップs118で、供給フィーダ4の振動を停止し、ステップs119では「供給フィーダ駆動中フラグ」を「OFF」にする。
【0084】
ステップs101において、「最大振動強度駆動中フラグ」が「ON」でなければ、ステップs108に移り、ステップs108で「最大振動強度駆動フラグ」が「ON」であるか否かを判断するが、
図3のステップs20で「最大振動強度駆動フラグ」を「ON」にしていると、YESと判断し、ステップs109に移る。
【0085】
ステップs109では、「最大振動強度駆動中フラグ」を「ON」にし、ステップs110では、最大振動強度での駆動回数を「0」にリセットする。
【0086】
ステップs111では、「最大振動強度駆動フラグ」を「OFF」にし、ステップs112に移る。ステップs112では、供給フィーダ4の振動強度を最大振動強度にセットし、ステップs113で駆動時間計測タイマをセットし、ステップs114で供給フィーダ4を「ON」にして供給フィーダ4を最大振動強度で駆動する。ステップs112の最大振動強度は、
図5の設定画面の「最大振動強度」に対応し、この例では、「99」である。また、ステップs113の駆動時間計測タイマのタイムアップ時間は、
図5の設定画面の「最大振動強度での駆動時間」に対応し、この例では、「1500msec」である。
【0087】
ステップs109で「最大振動強度駆動中フラグ」を「ON」にしていると、ステップs101では、「最大振動強度駆動中フラグ」が「ON」であると判断してステップs102に移る。
【0088】
ステップs102では、駆動時間計測タイマのタイムアップ時間を減じ、ステップs103に移る。ステップs103では、駆動時間計測タイマがタイムアップしたか否かを判断し、ステップs103でタイムアップしたと判断すると、ステップs104では、供給フィーダ4の駆動を停止し、ステップs105に移る。
【0089】
ステップs105では、供給フィーダ4の最大振動強度での駆動回数に、「1」を加算し、ステップS106に移る。
【0090】
ステップs106では、最大振動強度での駆動回数が所定値になったか否かを判断する。この所定値は、
図5の設定画面の「最大振動強度での駆動回数」に対応し、この例では、「3」回である。ステップs106で、最大振動強度での駆動回数が所定値になっていると判断すると、ステップs107に移り、ステップs107では、「最大振動強度駆動中フラグ」を「OFF」にする。また、ステップs106で、最大振動強度での駆動回数が所定値になっていないと判定すると、ステップs112に移り、ステップs112では、供給フィーダ4の振動強度を最大振動強度にセットし、ステップs113で駆動時間計測タイマをセットし、ステップs114で供給フィーダ4を「ON」にして供給フィーダ4を最大振動強度で駆動する。
【0091】
以上のように、組合せ演算によって選択される計量ホッパ11の数の平均値に基づいて、供給フィーダ4から分散フィーダ8への被計量物の供給量が不足していると判定されると、粘着性の高い被計量物が供給フィーダ4の搬送面に付着しているとして、供給フィーダ4の駆動時間及び振動強度を通常よりも増やして駆動するので、被計量物の付着を解除して分散フィーダ8へ被計量物を供給することができる。
【0092】
また、供給フィーダ4の駆動時間及び振動強度を通常よりも増やした駆動を行っても、供給量の不足が所定回数繰り返されるときには、供給フィーダ4の搬送面への被計量物の付着形成が進んでいるとして、最大の振動強度で供給フィーダ4を所定回数駆動するので、供給フィーダ4に付着している被計量物を強制的に剥がして分散フィーダ8へ被計量物を供給することができる。
【0093】
しかも、供給フィーダ4に付着している被計量物を剥がすために最大の振動強度で、供給フィーダ4を所定回数駆動するようにしているが、これは、制御装置22による駆動制御の追加、いわゆる、制御ソフトウェアの追加によって実現できるものである。これに対して、供給フィーダ4に付着した被計量物を剥がすために、例えば、供給フィーダ4のトラフを叩いて強制的な振動を与えるハンマー装置、あるいは、供給フィーダ4を左右に揺するように振動させる振動装置などの別途の装置を新たに設置することも考えられるが、かかる別途の装置を設置すると、コストアップとなる。本発明では、別途の装置を設置することなく、制御ソフトウェアの追加のみで実現することができる。
【0094】
更に、供給量不足検出回数、最大振動強度、その駆動時間等を設定することができるので、被計量物の付着のし易さなどに応じて適切な値を選択することができる。
【0095】
上述の実施形態では、
図5の設定画面の「供給量不足検出時間」は用いなかったけれども、本発明の他の実施形態として、上述の「供給量不足検出回数」に代えて、「供給量不足検出時間」を用いてもよい。
【0096】
上述の実施形態では、組合せ演算で選択される計量ホッパの数の平均値に基づいて、分散フィーダ8への被計量物の供給量が不足しているか否か判定したけれども、本発明の他の実施形態として、分散フィーダ用重量センサ21によって、分散フィーダ8上の被計量物の供給量を検出してもよいし、例えば、超音波センサや光電センサ等によって、分散フィーダ上の被計量物の厚み(層厚)や量を検出してもよい。
【0097】
この場合、分散フィーダ8上の被計量物が所定量以下になったときに、供給フィーダ4を、通常の駆動時間及び振動強度で駆動しても、分散フィーダ8上の被計量物が、所要量にならないときには、上述の実施形態と同様に、駆動時間及び振動強度を増やして駆動し、それでも、前記所要量にならないときは、最大の振動強度で供給フィーダ4を駆動すればよい。