【実施例】
【0040】
種々のサンプルのガラス粉末混合物を、原料粉末を溶融することによって、例えば、これらを約1550〜1700℃の温度の電気オーブンまたはSheffield炉内のPt−Rh坩堝に1〜3時間置くことによって調製した。ガラス溶融物を恒久的に撹拌し、適切なガラス均質性を確保した。溶融後、ガラスを水中で急冷し、0.1〜10mのガラス状粒子を形成した。サンプルのガラスフリットの組成を表2に示す。
【表2】
【0041】
示差走査熱量測定(DSC)測定を、Netzsch(Netzsch GmbH,Selb,Germany)DSC 404C装置を用いて約20および5℃/分の加熱速度でPt−Rh坩堝において室温から1350℃まで実施し(加熱速度は各図において正確に記されている)、各サンプルの測定を、ベースライン取得およびサファイア校正のランに先立って行った。ガラスフリットの焼結挙動を、アルゴン雰囲気および5gの負荷の適用下で室温から1100℃まで5℃/分で加熱してSetaram(SETARAM,Inc.,Newark,CA)SETSYS熱機械分析計(TMA)によって研究した。ベースライン補正をこれら測定に適用した。ガラス粉末サンプルを1400kgの負荷下で7×1×0.8cmのスチール製ダイを用いてコールドプレスして棒材を形成し、その後、これを、800、850、900、950、1000、1050および1100℃(5℃/分の加熱および冷却速度)において2時間の恒温からなる種々の熱処理に付した。
【0042】
DSCによる熱分析は、ガラス転移温度(T
g)、ガラス結晶化反応開始温度(T
x、および結晶相の溶融温度または系において起こる任意の吸熱過程(T
m)の決定を可能にする。系A〜Fについてのこれらの点の温度値を各サンプルについてのΔ(T
x−T
g)およびHruebyパラメータ(K
gl)値と一緒に以下の表3に列挙する。
【表3】
【0043】
上記3段階焼成プロセスを用いてガラス系A〜Cのガラスから得たガラスセラミックにおいて熱膨張測定を行った。系A〜CについてのCTE値を表5および表6にまとめる。
【表4】
【0044】
表2〜4に示す値から、ガラス系Bは、最大のΔ(T
x−T
g)およびK
gl値のうちの1つを有しながらも、最高のCTEを有するため、シーリング用途に最も望ましいと思われる。ガラス系Bは、それゆえ、良好な焼結性を依然として維持しながら、基板のCTE値を、例えば12〜12.5の範囲のCTEを有するSOFCにさらに一致させ易い。
【0045】
表3に示すDSC熱分析値を、異なる出発ガラス粉末粒径を有する系Bの3つの異なる配合について以下の表5に列挙する。
【表5】
【0046】
ガラス系Bのさらに綿密な実験は、種々の温度および加熱時間における、上記第3加熱工程の際のサンプル特性の変化を示す。以下の表6は、まず、(2段階焼成プロセスのみを用いて)本明細書に記載の3段階プロセスを用いずに作製したガラス系Bの特性を示す。次いで、種々の加熱パラメータにおいて第3加熱工程(段階3)を用いて作製したガラスBの特性を示す。この表は、それぞれ異なる加熱プロファイルについての、最終CTE値(ppm/℃)、CTE測定の標準偏差(STDEV)、および残存ガラスの百分率を示す。表6に示すように、温度が上昇し、かつ/または加熱時間が増加すると、サンプル材料におけるサンボルナイトを基準にした結晶相の量が増加するため、同時に残存ガラスの百分率が減少しながら、CTEの増加をもたらす。
【表6】
【0047】
図3は、系Bの組成についての、加熱過程とCTEとの関係のグラフ表示である。グラフは、4つの異なる温度/時間プロファイルについての最終加熱工程後のCTE値を示す。中実の色棒(各対の左側)に示されているサンプルについて、サンプルを、
図3に示されている、850℃で2時間加熱する最初の加熱段階、続いての最終加熱段階を有する2段階焼成プロセスを用いて処理した。ハッシュ状の棒(各対の右側)に示されているサンプルについて、サンプルを、
図3に示されている、850℃で2時間加熱する最初の加熱段階、960℃で2時間加熱する第2段階、続いての最終加熱段階を有する3段階焼成プロセスを用いて処理した。
図3に示すように、3段階焼成プロセスにより、焼成サンプルについて有意により高いCTE値が得られた。最終加熱工程(またはより早い加熱工程)に用いる温度は、サンプル材料、厚さ、ならびに所望の最終CTEおよび結晶フラクションに応じて調整される必要がある場合がある。
【0048】
図4は、LSM基板と、2段階プロセスを用いて焼成された上記系Bの組成物(「STD」としてx軸上に示される)および異なる3段階加熱プロファイルを用いて焼成された組成物Bとの間の熱応力のグラフを示す。
図4に示すように、第3の加熱プロファイル(1050℃で4時間)により、約−1MPaの熱応力による圧縮下でシールが生じる。
【0049】
本発明の好ましい実施形態はまた、従来技術のシールと比較してかなり低減された残存ガラス百分率も示す。より低い残存ガラス百分率は、時間とともにより安定であるシールを生じるという点で望ましい。例えば、
図7は、SOFC作動条件において6000時間超で2つの異なる3工程加熱サイクルによってシールされた系Bについての長期熱安定性を示す。
図5は、サンプルを850℃で2時間加熱し、続いて960℃で2時間の最終加熱段階を行う2工程の最終加熱段階を用いて作製した従来技術のシールを示すSEM顕微鏡写真である。
図5に示したサンプルを作製するのに用いたシーラント材および最終加熱プロセスにより、21%の残存ガラスを有するシールが得られた。対照的に、
図6は、系Bの組成(上記)、ならびに850℃で2時間の最初の焼結加熱工程、960℃で2時間の中間結晶化加熱工程、および1050℃で2時間の最終結晶化加熱工程からなる最終加熱プロファイルを用いて作製した本発明によるシールを示す。
図6に示したサンプルを作製するのに用いたシーラント材および最終加熱プロセスにより、わずか2%の残存ガラスを有するシールが得られた。表6に示すように、3段階加熱サイクルにおいて1050℃の最終加熱工程をさらに2時間延長することにより(合計4時間)、1%未満の残存ガラス相を有するシールが得られた。
【0050】
漏れ速度試験
上記ガラス系Bから得られたガラスセラミックディスクにおいて、ヘリウム漏れ速度試験を実施した。ディスクは直径1インチ(2.54cm)であり、これを、ワックスシールで周囲をシールした容器に置いた。容器の内側からディスクの一方の端部に真空を適用し、ディスクの反対側にヘリウムを供給し、ディスクの面積に正規化した。漏れ試験を室温で実施した。ヘリウムに関する漏れ試験結果は、5.6×10
−10mbarL/Scm
2であった。換算すると8.8×10
−9sccsであり、これは、3.3×10
−9sccsの水素漏れ速度に相当する。
【0051】
項
項1:イオン輸送デバイス要素であって:
a)基板と;
b)基板表面の少なくとも一部をコーティングするシーリング要素において、ケイ酸バリウム相(Ba
5Si
8O
21およびBa3Si5O13)、ヘキサセルシアン相(h−BaO.Al
2O
3.2SiO
2またはh−BAS
2)およびサンボルナイト相(BaO.2SiO
2またはBS
2)、ならびに残存ガラス相を含み、約10体積%未満、約6体積%未満、約2体積%未満、または約1体積%未満の残存ガラス相、および約11〜12.8ppm/℃の熱膨張係数を有する、上記シーリング要素と
を含む、上記イオン輸送デバイス要素。
【0052】
項2:イオン輸送デバイス要素であって:
a)基板と;
基板表面の少なくとも一部をコーティングするシーリング要素において:
i)残存ガラス相と;
ii)ケイ酸バリウム相および/またはヘキサセルシアン相と;
iii)サンボルナイト相と
を含み、約10体積%未満、約6体積%未満、約2体積%未満、または約1体積%未満の残存ガラス相、および約11〜12.8ppm/℃の熱膨張係数を有する、上記シーリング要素と
を含む、上記イオン輸送デバイス要素。
【0053】
項3:SiO
2:BaOのモル比が、約1:1〜約4:1、約1.5:1および約2.5:1、または約2:1である、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0054】
項4:SiO
2:Al
2O
3のモル比が、約3:1〜約7:1または約4:1〜6:1である、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0055】
項5:存在するSiO
2の量が、約60.0モル%〜約65.0モル%の範囲にある、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0056】
項6:存在するAl
2O
3の量が、約4.0モル%〜約10モル%の範囲にある、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0057】
項7:室温で約1ミクロン〜約500ミクロンの範囲にある厚さを有する、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0058】
項8:室温で約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲にある厚さを有する、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0059】
項9:室温で約20ミクロン〜約100ミクロンの範囲にある厚さを有する、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0060】
項10:ガラス結晶化温度とガラス転移温度との間の差が、約5℃/分の加熱速度で約200℃〜約300℃の範囲、約5℃/分の加熱速度で約190℃と約250℃との間、または約5℃/分の加熱速度で約200℃未満である、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0061】
項11:ガラス安定度値(Kgl)が、0.4と0.6との間の範囲、0.5と0.7との間の範囲、0.4超、0.5超、または0.6超である、上記項のいずれかに記載のシーリング要素。
【0062】
項12:イオン輸送デバイスが固体酸化物燃料電池である、上記項のいずれか。
【0063】
項13:イオン輸送デバイスが酸素輸送膜デバイスである、上記項のいずれか。
【0064】
項14:固体酸化物燃料電池であって:
a)複数のサブセルにおいて、それぞれが:
i)酸素ガス源と流体連通しているカソードと;
ii)燃料ガス源と流体連通しているアノードと;
iii)カソードとアノードとの間の固体電解質と
を含む、上記サブセルと;
b)複数のサブセルの外側表面に適用され、カソード、アノード、および電解質間の気密シールを形成して燃料ガスを酸素ガスから分離するシールコーティングにおいて、ケイ酸バリウム相(Ba5Si8O21およびBa3Si5O13)、ヘキサセルシアン相(h−BaO.Al
2O
3.2SiO
2またはh−BAS2)およびサンボルナイト相(BaO.2SiO
2またはBS2)、ならびに残存ガラス相を含み、シーリング要素が10体積%未満の残存ガラス相および約10.5〜12.8または11〜12.2ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有している、上記シールコーティングと
を含む、上記固体酸化物燃料電池。
【0065】
項15:約11ppm/℃、または約12.0〜12.5ppm/℃のCTEを有する、項14に記載の固体酸化物燃料電池。
【0066】
項16:シールコーティングが、固体酸化物燃料電池のCTEより約2ppm/℃以内だけ小さい、固体酸化物燃料電池のCTEより約1ppm/℃以内だけ大きい、または1ppm/℃未満以内の固体酸化物燃料電池のCTEであるCTEを有する、項15に記載の固体酸化物燃料電池。
【0067】
項17:シールコーティングをイオン輸送デバイスに適用する方法であって:
a)ケイ酸バリウム相(Ba5Si8O21およびBa3Si5O13)、ヘキサセルシアン相(BaAl2SiO8)、サンボルナイト相(BaSi2O5)、ならびに残存ガラス相を加熱時に形成するガラス組成物を形成する工程と;
b)ガラス組成物を粉砕して、約500nmと約10μmとの間の範囲の平均粒径(d50)を有するガラス粉末を生成する工程と;
c)ガラス粉末をバインダおよび液体と混合してスラリーを形成する工程と;
d)イオン輸送デバイスの表面の少なくとも一部をスラリーでコーティングする工程と;
e)10体積%未満の残存ガラス相および約10.5〜約12.8ppm/℃、または約11〜約12.2ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する結晶構造を有するイオン輸送デバイスにシールコーティングを形成する工程と
を含む、上記方法。
【0068】
項18:結晶構造を有するイオン輸送デバイスにシールコーティングを形成することが、コーティングされたイオン輸送デバイスを焼結させること、およびコーティングされたイオン輸送デバイスを加熱して、結晶構造を有するシールコーティングを形成することを含む、項17に記載の方法。
【0069】
項19:コーティングされたイオン輸送デバイスを焼結させることが、コーティングされたイオン輸送デバイスを、約800℃と約900℃との間の範囲の温度で約2から4時間までの間の範囲の時間にわたって焼結させることを含む、項17に記載の方法。
【0070】
項20:コーティングされたイオン輸送デバイスを加熱して、結晶構造を有するシールコーティングを形成することが、コーティングされたイオン輸送デバイスを、約2〜6時間の時間で約900℃〜約1000℃の温度に加熱することを含む、項17に記載の方法。
【0071】
項21:コーティングされたイオン輸送デバイスを、約2〜8時間の時間で約1000℃〜約1100℃の温度に加熱して、CTEおよびL−サンボルナイト対H−サンボルナイト比を増加させ、シールコーティング内の残りのガラスの体積%を低減させることをさらに含む、項20に記載の方法。
【0072】
項22:コーティングされたイオン輸送デバイスを約2〜8時間の時間で約1000℃〜約1100℃の温度に加熱することで、60〜90%、75〜90%、75%超または85%超のサンボルナイト濃度を有するコーティングを生じさせる、項20に記載の方法。
【0073】
項23:シールコーティングをイオン輸送デバイスに適用する方法であって:
ケイ酸バリウム相、ヘキサセルシアン相、サンボルナイト相、および残存ガラス相を形成するガラス組成物を形成する工程と;
ガラス組成物を粉砕してガラス粉末を生成する工程と;
ガラス粉末をバインダおよび液体と混合してスラリーを形成する工程と;
イオン輸送デバイスの表面の少なくとも一部をスラリーでコーティングする工程と;
イオン輸送デバイスに
(i)ガラス転移温度を超えるがシーリング材料のガラス結晶化開始温度未満である最初の加熱工程において、コーティングされたイオン輸送デバイスを焼結させること;
(ii)コーティングされたイオン輸送デバイスを、ガラス結晶化開始温度を超えるが、シール材の溶融が起こらない、シーリング材料の融点よりも十分に離れた低い第1結晶化温度まで加熱することにより、シールコーティングを結晶化すること;および
(iii)第1結晶化温度を超えてシーリング材料の溶融温度よりも僅かに低い最終結晶化温度まで、コーティングされたイオン輸送デバイスを加熱することによって、シールコーティングの結晶化を完了すること
によって、シールコーティングを形成する工程と
を含む、上記方法。
【0074】
項24:コーティングされたイオン輸送デバイスを焼結させることが、コーティングされたイオン輸送デバイスを焼結させること、およびコーティングされたイオン輸送デバイスを加熱して、結晶構造を有するシールコーティングを形成することを含む、項23に記載の方法。
【0075】
項25:コーティングされたイオン輸送デバイスを焼結させることが、コーティングされたイオン輸送デバイスを、約800℃と約900℃との間の範囲の温度で約2〜4時間の範囲の時間にわたって焼結させることを含む、項23〜24のいずれかに記載の方法。
【0076】
項26:コーティングされたイオン輸送デバイスを第1結晶化温度まで加熱することが、約2〜6時間の時間で約900℃〜約1000℃の温度に加熱することを含む、項23〜25のいずれかに記載の方法。
【0077】
項27:コーティングされたイオン輸送デバイスを最終結晶化温度まで加熱することが、約2〜8時間の時間で約1000℃〜約1100℃の温度に加熱して、CTEおよびL−サンボルナイト対H−サンボルナイト比を増加させ、シールコーティング内の残りのガラスの体積%を低減させることを含む、項23〜26のいずれかに記載の方法。
【0078】
項28:コーティングされたイオン輸送デバイスを、約2〜8時間の時間で約1000℃〜約1100℃の温度に加熱することで、60〜90%、75〜90%、75%超または85%超のサンボルナイト濃度を有するコーティングを生じさせる、項23〜27のいずれかに記載の方法。
【0079】
項29:コーティングされたイオン輸送デバイスを最終結晶化温度まで加熱することによって、シールコーティングの結晶化を完了する工程の前に、1つ以上の追加の結晶化加熱工程をさらに含む、項23〜28のいずれかに記載の方法。
【0080】
項30:イオン輸送デバイスが固体酸化物燃料電池である、項17〜29のいずれかに記載の方法。
【0081】
項31:イオン輸送デバイスが酸素輸送膜デバイスである、項17〜29のいずれかに記載の方法。
【0082】
本発明のシール構造および方法を固体酸化物燃料電池に関して以下に記載するが、同じまたは同様のシール構造および方法が、支持フレームにセラミックシートをシールする必要性が存在する他の用途に用いられ得ることが理解されるべきである。本明細書に記載のシール材および方法はまた、高CTE(例えば、約10ppm/℃超)を有する2つの構造、材料または基板間で結合を形成するためにも用いられ得る。例えば、本発明によるガラスシール層は、SOFCスタックと、ガスを当該スタックに送達するマニホールドとの間の結合を形成するのに用いられ得る。本発明によるガラスシール材はまた、電気化学システムにおける可能性のある用途、構造用途などでのセラミック、金属、金属−セラミックスの結合を含めた、非SOFC用途で種々の高CTE材料を結合するのにも用いられ得る。いくつかの非SOFC用途では、本発明によるガラスシール材によって付与されるシールが、非気密シールであってよい。
【0083】
本発明は、広範な利用可能性を有しており、記載されているように、上記例において示した多くの利益を提供することができる。実施形態は、具体的な用途に応じて大幅に変動するが、あらゆる実施形態が、本発明によって達成可能である全ての利点を提供し、全ての目的を満足するというものではない。明細書全体または実施例において先に記載したアクティビティの全てが必要であるわけではないこと、ならびに具体的なアクティビティの一部が必要でない場合があること、および1つ以上のさらなるアクティビティが上記に加えて実施され得ることに注意されたい。また、さらには、アクティビティが記載されている順序は、必ずしも、これらが実施される順序ではない。
【0084】
上記明細書において、具体的な実施形態を参照して概念を記載している。しかし、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載されている発明の範囲から逸脱することなく、種々の修飾および変更がなされ得ることを認識する。しがたって、明細書および図は、制限的な意味よりもむしろ例示的であるとみなされるべきであり、全てのかかる修飾が、本発明の範囲内に含まれることが意図される。当業者は、明細書を読んだ後に、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載されているある一定の特徴が、明確さのために、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことを認識する。反対に、単一の実施形態の文脈において記載されている種々の特徴が、簡潔さのために、別個にまたは任意のサブ組み合わせにおいて提供されてもよい。さらに、範囲で記述されている値への言及は、当該範囲内の各値およびあらゆる値を含む。
【0085】
本明細書において用いられているとき、用語「シール」、「シーラント」および「シーリング」は、本明細書に記載の本発明の実施形態による硬化または非硬化材料およびこれらの等価物を称するのに互換的に用いられる。本明細書において用いられているとき、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはこれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図される。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもこれらの特徴のみに限定されないが、かかるプロセス、方法、物品または装置に関して明確に列挙されていないまたはこれらに固有の他の特徴を含んでいてよい。さらに、反対であることが明確に記述されていない限り、「または(or)」は、包括的な−または、および排他的な−または、を称する。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真(または存在する)およびBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)およびBが真(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真(または存在する)。また、「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成成分を記載するのに利用される。このことは、単に便宜上行われ、本発明の範囲の一般の意味を付与するためのものである。この記載は、1または少なくとも1を含むと読まれるべきであり、他のことを意味することが明確でない限り、複数も含んでいる。
【0086】
課題に対しての利益、他の利点、および解決手段を具体的な実施形態に関連して先に記載している。しかし、課題に対しての利益、他の利点、解決手段、および任意の利益、利点または解決手段を生じさせるまたはより明白にすることができる任意の特徴は、任意または全ての特許請求の範囲の厳密な、所要のまたは必須の特徴とであると解釈されてはならない。
【0087】
本発明およびその利点を詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の精神および範囲から逸脱することなく本明細書に記載の実施形態について種々の変更、置換および改変がなされ得ることが理解されるべきである。また、本出願の範囲は、本明細書に記載の事項、手段、方法および工程のプロセス、機械、製造、組成の特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者が、本発明の開示から容易に認識するように、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施し、または実質的に同じ結果を達成する、現在存在するまたは後に開発される事項、手段、方法または工程のプロセス、機械、製造、組成は、本発明に従って利用されてよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、事項、手段、方法または工程のプロセス、機械、製造、組成を含むことが意図される。