特許第6116039号(P6116039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6116039
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】電池パックの収容構造、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170410BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20170410BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20170410BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   H01M2/10 H
   H05K5/02 G
   H04M1/02 C
   G06F1/16 312M
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-2360(P2017-2360)
(22)【出願日】2017年1月11日
(62)【分割の表示】特願2015-234471(P2015-234471)の分割
【原出願日】2015年12月1日
【審査請求日】2017年1月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】早樋 学
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−015579(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/057238(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/034488(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0233655(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
G06F 1/16
H04M 1/02
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックを収容する収容部を備えた電子機器における前記電池パックの収容構造であって、
前記電池パックを収容した前記収容部を覆う電池カバーを備え、
前記電池パックは、略四角形で平板状の形状であり、第1の側面に設けられた接続端子と、前記第1の側面と隣り合う第2の側面及び第3の側面に設けられた電池パック側面突起部とを有し、
前記収容部は、前記電池パックの下面に対応する底面と、前記第1の側面に対応する側面である第1の収容部側面に設けられた収容部接続端子と、前記第2の側面に対応する側面である第2の収容部側面と前記第3の側面に対応する側面である第3の収容部側面とにそれぞれ設けられた、前記電池パック側面突起部と係合可能な収容部側面突起部とを有し、
前記収容部側面突起部の上部には、前記第1の収容部側面と対向する第4の収容部側面に向かう方向で下方向に傾斜し、前記電池パックが前記収容部に収容される際に前記電池パック側面突起部が当接する傾斜部が設けられ、
前記電池パックは、前記電子機器における装着位置に位置する前に、前記電池パックの下面と収容部の底面とが対向し、かつ前記接続端子と前記収容部接続端子とが対向する状態で、前記収容部の底面に対して斜めに傾けて収容される際に、前記第2の側面及び前記第3の側面の電池パック側面突起部が前記傾斜部に当接すると、前記傾斜部に沿って滑落して、前記電池パックの接続端子と前記収容部接続端子とを接続可能な装着前位置に位置する、電池パックの収容構造。
【請求項2】
前記電池カバーは、前記第4の収容部側面に対応する縁部に電池パック押し部を有し、
前記電池パック押し部は、前記電池パックが前記装着前位置に位置しているとき、前記第4の収容部側面に対応する縁部に設けられたカバー側面突起部を前記第4の収容部側面に設けられた孔部に嵌合させた後、前記電池カバーを閉じる方向に回動させると、前記電池パックを前記収容部接続端子側に押して前記装着位置に位置させる、請求項1に記載の電池パックの収容構造。
【請求項3】
前記電池パックは、該電池パックの下面から突出する電池パック下面突起部を有し、前記収容部は、該収容部の底面に形成された、前記電池パック下面突起部と嵌合可能な収容部底面溝部を備え、
前記電池パック下面突起部と前記収容部底面溝部との嵌合によって、前記電池パックの接続端子と前記収容部接続端子との相対的な位置が規定され、
前記相対的な位置は、前記電池パックの接続端子と前記収容部接続端子とを接続する端子接続方向の位置である、請求項2に記載の電池パックの収容構造。
【請求項4】
前記電池パックは、前記電池パック下面突起部と前記収容部底面溝部との嵌合によって、前記収容部の底面に沿い、かつ前記電池パックの接続端子の接続方向と直角な方向の動きが規制される、請求項3に記載の電池パックの収容構造。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載の電池パックの収容構造を備える、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックの収容構造、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器には、動作するために必要な電力を確保するために収容部に電池パックを収容するものがある。
【0003】
特許文献1は、バッテリーフックを解除位置からロック位置へスライドさせて内蔵バッテリーの第3係止突起を押圧することにより、バッテリー端子をバッテリー収納部のコネクタに当接させるとともに、内蔵バッテリーをバッテリー収容部に固定する携帯機器における内蔵バッテリー保持構造を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−285431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の内蔵バッテリー保持構造は、ユーザがバッテリー収容部内において、バッテリーフックを解除位置からロック位置へスライドさせて内蔵バッテリーの第3係止突起を押圧する位置、すなわち、内蔵バッテリーが装着位置となる前の位置である装着前位置に内蔵バッテリーを最後まで手等で支えて位置させる必要がある。
【0006】
本発明の目的は、電池パックを収容する際、電池パックを最後まで手等で支えることなく装着前位置に位置させることができる電池パックの収容構造、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電池パックの収容構造は、電池パックを収容する収容部を備えた電子機器における前記電池パックの収容構造であって、前記電池パックを収容した前記収容部を覆う電池カバーを備え、前記電池パックは、略四角形で平板状の形状であり、第1の側面に設けられた接続端子と、前記第1の側面と隣り合う第2の側面及び第3の側面に設けられた電池パック側面突起部とを有し、前記収容部は、前記電池パックの下面に対応する底面と、前記第1の側面に対応する側面である第1の収容部側面に設けられた収容部接続端子と、前記第2の側面に対応する側面である第2の収容部側面と前記第3の側面に対応する側面である第3の収容部側面とにそれぞれ設けられた、前記電池パック側面突起部と係合可能な収容部側面突起部とを有し、前記収容部側面突起部の上部には、前記第1の収容部側面と対向する第4の収容部側面に向かう方向で下方向に傾斜し、前記電池パックが前記収容部に収容される際に前記電池パック側面突起部が当接する傾斜部が設けられ、前記電池パックは、前記電子機器における装着位置に位置する前に、前記電池パックの下面と収容部の底面とが対向し、かつ前記接続端子と前記収容部接続端子とが対向する状態で、前記収容部の底面に対して斜めに傾けて収容される際に、前記第2の側面及び前記第3の側面の電池パック側面突起部が前記傾斜部に当接すると、前記傾斜部に沿って滑落して、前記電池パックの接続端子と前記収容部接続端子とを接続可能な装着前位置に位置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電池パックを収容する際、電池パックを最後まで手等で支えることなく装着前位置に位置させることができる電池パックの収容構造、および電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、本発明に係る電池パックの収容構造を有する電子機器の一例を表面側から見た斜視図である。(b)は、本発明に係る電池パックの収容構造を示す電子機器の一例を裏面側から見た斜視図である。
図2】(a)は、本発明の第1実施形態に係る電池パックの上面、および3つの側面の構造を示す図である。(b)は、第1実施形態に係る電池パックの下面の構造を示す図である。
図3】第1実施形態に係る電子機器の電池パックの収容部の構造を示す斜視図である。
図4】(a)は、傾斜部を設けていない収容部側面突起部を示す斜視図である。(b)は、傾斜部が設けられた収容部側面突起部を示す斜視図である。
図5図3に示した電子機器に、図2に示した電池パックを収容した様子を示す図である。
図6】(a)は、第1実施形態に係る電子機器の電池カバーの上面、および4つの側面の構造を示す図である。(b)は、第1実施形態に係る電池カバーの構造を示す斜視図である。
図7】第1実施形態の電池パック接続端子と収容部接続端子の関係を示す図であり、理解し易くするために、電池パック側についてはその下面側を上に向けて示している。
図8】電池パックを収容部に収容する方法を説明するための図である。
図9】(a)は、電池パックが収容部に収容される際の電池パック接続端子と収容部接続端子の位置関係の一例を示す図である。(b)は、電池パックが収容部に収容される際の電池パック接続端子と収容部接続端子の位置関係を、(a)とは異なる例について示す図である。(c)は、電池パックが収容部に収容される際の電池パック側面突起部と傾斜部の位置関係を示す図である。(d)は、電池パックが収容部に収容される際の電池パック側面突起部と傾斜部の位置関係を示す図である。(e)は、電池パックが収容部に収容される際の電池パック側面突起部と傾斜部の位置関係を示す図である。
図10】電池パックが装着前位置に位置している様子を示す斜視図である。
図11】電池パックが装着前位置に位置している様子を示す上面図である。
図12図11に示したa‐a’線の断面図である。
図13】電池カバーを電子機器に取り付ける方法を説明するための図である。
図14】電池カバーに設けられる、本発明に係る電池パック押し部の一例を示す斜視図である。
図15】電池パック側面突起部と収容部側面突起部の位置関係を示す図である。
図16】電池パック側面突起部、収容部側面突起部、およびカバー下面突起部が係合している様子を示す図である。
図17】電子機器に電池カバーを取り付けた様子を示す図である。
図18】第2実施形態に係る電池パックを下面から見た図である。
図19】第2実施形態に係る電子機器の収容部の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同様な内容については繰り返し説明することによる煩雑を避けるために、適宜説明を省略する。
【0011】
[1.第1実施形態]
図1図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る電池パック10と、電子機器100の収容部110と、電池カバー200の構造について説明する。
【0012】
図1(a)、および図1(b)は、本発明に係る電池パックの収容構造を備える電子機器100の一例を示す図である。図1(a)は電子機器100を表面側から見た斜視図を示し、図1(b)は電子機器100を裏面側から見た斜視図を示している。
【0013】
図1(a)に示すように、電子機器100は、例えば、タッチパネル付きディスプレイ101を備えた電子機器である。図1(b)に示すように、電子機器100は、裏面側には電池パックを収容する収容部を備え、収容部は電池カバー200で覆われている。なお、本発明に係る電池パックの収容構造は、上述したようなタッチパネル付きディスプレイ101を備えた電子機器100に限定されず、種々の電子機器に適用することができる。
【0014】
図2(a)は、電池パック10を上面側から見た図、および3方向の側面側から見た図を示し、図2(b)は、電池パック10を下面側から見た図を示している。以下、図2(a)において、電池パック10の横方向をx方向、縦方向をy方向、厚み方向をz方向と定義する。言い換えれば、電池パック10において電気的接続のための複数の電池パック接続端子13が設けられた側面に直交する方向をx方向、x方向に直角な方向をy方向、x方向及びy方向に直角な方向をz方向と定義する。また、図2(a)に示した矢印の方向を+方向と定義し、矢印と反対の方向を−方向と定義する。付言すると、+x方向が、電池パック接続端子13を持つ側面から離れる方向であり、+z方向が、電池パック10の下面から上面に向かう方向である。
【0015】
(1−1.電池パックの構造)
図2(a)、および図2(b)を参照すると、電池パック10は、一部に凹凸はあるが、略四角形の平板状の形状である。電池パック10は、4つの電池パック側面突起部11a〜11dと、4つの電池パック下面突起部12a〜12dと、複数の電池パック接続端子13と、電池パック爪部14と、電池パック端子位置決め部15と、を備える。電池パック接続端子13は、後述する収容部110に設けられる収容部接続端子113を受け入れることのできる受け部で実現される。
【0016】
電池パック側面突起部11aと電池パック側面突起部11bは、x方向に対応する2つの側面のうちの一方の側面に設けられており、+y方向に突出したL字形の形状を有する突起部である。
【0017】
電池パック側面突起部11cと電池パック側面突起部11dは、x方向に対応する2つの側面のうちの他方の側面に設けられており、−y方向に突出したL字形の形状を有する突起部である。電池パック側面突起部11cは、電池パック側面突起部11aとは反対側の位置に、x方向において同じ位置となるように設けられており、電池パック側面突起部11dは、電池パック側面突起部11bとは反対側の位置に、x方向において同じ位置となるように設けられている。
【0018】
電池パック下面突起部12a〜12dは、電池パック10の下面に−z方向に突出するように設けられており、垂直方向(短手方向)の断面が四角形の突起部である。断面が四角形の突起部としては、例えば、x方向を長手方向、y方向を短手方向とする直方体とすることができる。また、電池パック下面突起部12aと電池パック下面突起部12bは長手方向がx方向に平行になるようにy方向に並んで設けられている。同様に、電池パック下面突起部12cと電池パック下面突起部12dは長手方向がx方向に平行になるようにy方向に並んで設けられている。さらに、電池パック下面突起部12aと電池パック下面突起部12cは短手方向がy方向に平行になるように、また、y方向における位置が同一となるように、x方向に並んで設けられている。同様に、電池パック下面突起部12bと電池パック下面突起部12dは短手方向がy方向に平行になるように、また、y方向における位置が同一となるように、x方向に並んで設けられている。なお、電池パック下面突起部の数や形状は、特に限定されない。例えば、電池パック下面突起部は、垂直方向の断面が三角形や半円形の突起部であってもよい。
なお、電池パック10の側面に設けられる突起部の数や形状は、特に上記の例に限定されない。電池パック下面突起部12aと電池パック下面突起部12c、および、電池パック下面突起部12bと電池パック下面突起部12dを、それぞれ連続するものとしてもよい。また、2列の電池パック下面突起部を設けるのではなく、1列の電池パック下面突起部を設けるようにしてもよい。
【0019】
各電池パック接続端子13は、y方向に対応する2つの側面のうちの一方の側面に形成された受け部に設けられた端子(ソケット)である。電池パック10は、複数の電池パック接続端子13を介して電子機器100に電力を供給する。
【0020】
電池パック爪部14は、電池パック接続端子13が設けられている側面と同一の側面のコーナーに近い位置に設けられている。ユーザは、電池パック爪部14に指等を掛け、+x方向に力を加えることで、収容部接続端子113(図3参照)から電池パック接続端子13を外して電池パック10を電子機器100の収容部110から取り出すことができる。
【0021】
電池パック端子位置決め部15は、電池パック接続端子13に隣接して設けられており、凹状の受け部構造を有する位置決め部である。後述するが、電子機器100の収容部110は電池パック端子位置決め部15と対応する位置に収容部端子位置決め部を有する。この収容部端子位置決め部と、電池パック端子位置決め部15とを嵌合することにより、電池パック接続端子13と、電子機器100の収容部が備える収容部接続端子とを支障なく接続することができる。
【0022】
(1−2.電子機器の収容部の構造)
次に、図3を参照して、電子機器100の収容部110の構造について説明する。
【0023】
図3を参照すると、収容部110は、4つの収容部側面突起部111a〜111d(111c、111dは図示せず)と、4つの収容部底面溝部112a〜112dと、複数の収容部接続端子113と、収容部端子位置決め部115と、2つの固定具116a、116bと、端子保護部117と、を備える。
【0024】
収容部側面突起部111aと収容部側面突起部111bは、x方向に対応する2つの収容部側壁(側面)のうちの一方の側壁に設けられており、壁面から−y方向に突出した逆L字形の突起部である。収容部側面突起部111aと収容部側面突起部111bは、電池パック10を収容部110に収容した際に、それぞれ、電池パック側面突起部11aと電池パック側面突起部11bに係合することのできる位置に設けられ、かつ互いに係合可能な構造を有している。例えば、電池パック側面突起部11aと収容部側面突起部111aとについて言えば、図16に示されるように、収容部側面突起部111aの逆L字形の立ち上がり部からの張り出し部の下側にできたスペースに、電池パック側面突起部11aのL字形の先端部が入り込む構造となっている。また、詳しくは後述するが、収容部側面突起部111a、および収容部側面突起部111bはそれらの上部に傾斜部を備えている。
【0025】
収容部側面突起部111cと収容部側面突起部111dは、図示されていないが、収容部110のx方向に対応する2つの収容部の側壁のうちの他方の側壁に設けられており、壁面から+y方向に突出した逆L字形の突起部である。x方向において、収容部側面突起部111cは収容部側面突起部111aと同じ位置に、収容部側面突起部111dは収容部側面突起部111bと同じ位置に設けられている。(図11参照)また、収容部側面突起部111cと収容部側面突起部111dは、電池パック10を収容部110に収容した際に、それぞれ、電池パック側面突起部11cと電池パック側面突起部11dに係合することのできる位置に設けられ、かつ互いに係合可能な構造を有している。また、収容部側面突起部111c、および収容部側面突起部111dは、収容部側面突起部111a、および収容部側面突起部111bと同様に傾斜部を備えている。なお、収容部110の側面に設けられる突起部の数は、特に限定されない。また、その形状についても特に限定されず、形状は、電池パックの側面に設けられた突起部と係合可能な形状であればよい。
【0026】
次に、図4(a)、および図4(b)を参照して、収容部側面突起部111a〜111dの構造について詳細に説明する。図4(a)、および図4(b)は、収容部側面突起部111aの拡大図を示している。
【0027】
図4(a)は、上部に後述する傾斜部を設けていない収容部側面突起部111aを示している。図4(a)に示すように、収容部側面突起部111aの上部は平面であり、かつ収容部110の底面に対して平行な構造を有している。図示していないが、収容部側面突起部111b〜111dは、収容部側面突起部111aと同様の構造を有している。なお、図4(a)は、収容部側面突起部111a〜111dの構造を理解し易くするためだけに示すもので、本発明に係る収容部側面突起部111a〜111dの上部には、後述する傾斜部が設けられている。
【0028】
図4(b)は、本発明に係る収容部突起部111aを示している。図4(b)に示すように、収容部側面突起部111aの上部、特に逆L字形の立ち上がり部からの張り出し部には、その延在方向(+x方向)に沿って下るように傾斜している傾斜部121aが設けられている。
【0029】
傾斜部121aは、収容部接続端子113が設けられている側壁と対向する側壁に向かって傾斜している。後述するが、電池パック収容構造は、傾斜部121aを備えることで、電池パック10を、電池パック接続端子13と収容部接続端子113が接続される装着位置の前の位置(以下、装着前位置)に容易に位置させることができる。また、傾斜部121aは、2つのリブ131a、およびリブ132aによって収容部110の側壁に接続され、支持されている。なお、図4(b)は、収容部側面突起部111aのみを示しているが、収容部側面突起部111b〜111dの上部には、傾斜部121aと同様の構造を有する傾斜部121b〜121dが、それぞれ設けられ、それぞれ2つのリブ(131b〜131d、132b〜132d)によって収容部110の側壁に接続され、支持されている。(図11参照)
【0030】
図3に戻ると、収容部底面溝部112a〜112dは、収容部110の底面に形成された溝である。収容部底面溝部112a〜112dは、電池パック10を収容部110に収容した際に、それぞれ、電池パック下面突起部12a〜12dが嵌合する位置に形成され、かつ互いに嵌合可能な構造を有している。収容部底面溝部112a〜112dは、電池パック10を収容部110に載置した時(図11参照)に、それぞれ、電池パック下面突起部12a〜12dと嵌合するように設けられている。また、収容部底面溝部112a〜112dは、電池パック下面突起部12a〜12dとの嵌合状態を維持したまま電池パック10を−x方向にスライドさせて、電池パック接続端子13と収容部接続端子113とを接続した状態にした時(図5参照)も嵌合状態を保つように設けられている。収容部底面溝部112a〜112dの深さは、電池パック下面突起部12a〜12dの高さよりも深くなるように設けられている。収容部110の収容部底面溝部112a〜112dと、電池パック下面突起部12a〜12dとの嵌合によって、電池パック10と収容部110との相対的な位置決めを行い、電池パック10の電池パック接続端子13と収容部110の収容部接続端子113との位置が相対的にずれてしまうことを防止する。
【0031】
各収容部接続端子113は、y方向に対応する2つの収容部側壁(側面)のうちの一方の側壁に設けられた接続片(あるいはピン)から構成されており、電池パック接続端子13と接続可能な構造を有している。
【0032】
収容部端子位置決め部115は、複数の収容部接続端子113に隣接して設けられた突起部であり、電池パック端子位置決め部15(図2(b))の凹状の受け部と嵌合可能な構造を有している。収容部端子位置決め部115と電池パック端子位置決め部15とを嵌合することで電池パック10の電池パック接続端子13と、収容部110の収容部接続端子113とを、支障なく接続することができる。
【0033】
固定具116aと固定具116bは、収容部110のy方向に対応する2つの縁のうちの一方の縁(ここでは、収容部接続端子113が設けられた縁と同じ縁)に沿って電子機器100の表面上に並べて設けられた回動可能な板部材である。ここでは、固定具116a、116bは、円板の外周の一部に板面に平行に突出する突出部116a−1、116b−1を設けると共に上面に直径にわたるツマミを設けたものである。
【0034】
ここで、図5を参照して、固定具116aと固定具116bについて説明する。図5を参照すると、電子機器100の収容部110に電池パック10を収容した様子が示されている。具体的には、図5に示す電子機器100は、電池パック接続端子13と、収容部接続端子113が接続された電池パック10の装着位置を示している。図17に示すように、収容部110に電池カバー200を装着した状態にてツマミの方向をy方向と平行の向きにして突出部116a−1、116b−1が電池カバー200の上に位置するようにする。このようにすることで電子機器100の収容部110に対し電池カバー200を固定することができる。また、各固定具のツマミの方向をx方向と平行の向きにして突出部116a−1、116b−1が電池カバー200から離れるようにする。このようにすることで電子機器100の収容部110に対し電池カバー200を取り付けたり、取り外したりすることができる。なお、上記の固定具116aと固定具116bの形状は一例にすぎず、特に限定されない。
【0035】
端子保護部117は、複数の収容部接続端子113の上方を覆う、ひさし状の構造を有しており、収容部110の開放時、何かが当たって収容部接続端子113が破損等しないように保護する。
【0036】
(1−3.電池カバーの構造)
次に、図6を参照して、電池カバー200の構造について説明する。
【0037】
図6を参照すると、電池カバー200は、4つのカバー下面突起部211a〜211dと、3つのカバー側面突起部212a〜212cと、2つのカバー側面段部213a、213bと、を備える。
【0038】
カバー下面突起部211aとカバー下面突起部211bは、x方向に対応する2つの側面のうちの一方の側面の縁に沿って電池カバー200の下面に設けられており、−z方向に突出した突起部である。カバー下面突起部211aは、電池パック側面突起部11aにz方向から係合することのできる構造を有し、かつ係合することのできる位置に設けられている。同様に、カバー下面突起部211bは、電池パック側面突起部11bにz方向から係合することのできる構造を有し、かつ係合することのできる位置に設けられている。
【0039】
カバー下面突起部211cとカバー下面突起部211dは、x方向に対応する2つの側面のうちの他方の側面の縁に沿って電池カバー200の下面に設けられており、−z方向に突出した突起部である。カバー下面突起部211cは、電池パック側面突起部11cにz方向から係合することのできる構造を有し、かつ係合することのできる位置に設けられている。同様に、カバー下面突起部211dは、電池パック側面突起部11dにz方向から係合することのできる構造を有し、かつ係合することのできる位置に設けられている。なお、電池カバー200の下面に設けられる突起部の数や形状は、特に限定されない。
【0040】
カバー側面突起部212a〜212cは、y方向に対応する2つの側面のうちの一方の側面に設けられており、x方向に突出した突起部である。電池カバー200は、カバー側面突起部212a〜212cを、電子機器100の収容部110におけるy方向に対応する側壁(側面)であって、複数の収容部接続端子113とは反対側の側壁(側面)に設けられた孔部(図示省略)に差し込むことで位置決めすることができる。詳しくは後述するが、カバー側面突起部212a〜212cには、それぞれ、電池パック押し部(図13に1個だけ221aで示す)が設けられている。カバー側面突起部212a〜212cに設けられた電池パック押し部は、電池カバー200を電子機器100に装着した際に、電池パック10を押す。その結果、電池パック10は、装着前位置から装着位置へ移動する。すなわち、カバー側面突起部212a〜212cに電池パック押し部を設けることによって、電池カバー200を装着するだけで、電池パック10の位置を装着前位置から装着位置へシフトさせることができる。
【0041】
カバー側面段部213aとカバー側面段部213bは、y方向に対応する2つの側面のうちの他方の側面の縁に沿って電池カバー200の側面に設けられた段部である。電池カバー200を収容部110にセットした状態で固定具116a、116bのツマミを回動させることで突出部116a−1、116b−1をカバー側面段部213a、213b上に置くことができる。こうすることにより、電池カバー200は、カバー側面段部213aとカバー側面段部213bが、それぞれ、固定具116aと固定具116bとで押さえられ、電子機器100に固定される。
【0042】
(1−4.電池パックの収容方法)
次に、図7図8図9、および図10を参照して、電池パック10を電子機器100の収容部110に収容する方法について説明する。図7は、第1実施形態に係る電池パック10の下面の構造を示す図である。なお、図7は、電池パック10側の電池パック接続端子13と収容部110側の収容部接続端子113との関係を理解し易くするために、電池パック10の下面を上に向けて示している。電池パック10を収容部110に収容する際には、電池パック10はその下面を下側に向けて収容されることは言うまでも無い。
【0043】
図8は、電池パック10を収容部110に収容する方法を説明するための斜視図である。図8に示すように、電池パック10を収容部110に収容するために、ユーザは、まず手(図示していない)等で保持しながら、電池パック10の電池パック端子位置決め部15と収容部端子位置決め部115とが合致するように、電池パック10を端子保護部117の下に斜めに差し入れる。
【0044】
次に、図9(a)〜図9(e)を参照して、電池パック10を装着前位置に位置させる方法について説明する。
【0045】
図9(a)は、電池パック10を収容部110に収容する際の、電池パック接続端子13と、収容部接続端子113の位置関係を示す図である。すなわち、図8の状態における電池パック接続端子13と、収容部接続端子113の位置関係を示す図である。図9(a)は、電池パック接続端子13を収容部接続端子113に深く差し入れたときの位置関係を示す図である。図9(b)は、電池パック10の電池パック端子位置決め部15と収容部端子位置決め部115とが合致しているが、電池パック接続端子13を収容部接続端子113に差し入れていないときの位置関係を示す図である。図8の状態は、図9(a)に示す状態であってもよいし、図9(b)に示す状態であってもよい。また、図9(a)に示す状態と図9(b)に示す状態の中間の状態であってもよい。
【0046】
図9(c)は、図8の状態から、ユーザが電池パック10から手を離し、電池パック10が自重によって落下していって、電池パック側面突起部11aと傾斜部121aとが当接する様子を示している。なお、図示していないが、この時、電池パック側面突起部11bも、傾斜部121bと当接する。また、この時点では、電池パック10は斜めの状態であるので、電池パック側面突起部11c、11dと傾斜部121c、121dとは当接しない。電池パック10が水平の状態となると、電池パック側面突起部11c、11dも、傾斜部121c、121dと当接するようになる。
【0047】
図9(d)は、図9(c)の後の状態を示している。図9(d)に示すように、電池パック側面突起部11aは、傾斜部121aに当接しているので、また、電池パック側面突起部11bは、傾斜部121bに当接しているので、電池パック10は、傾斜部121aと傾斜部121bに沿って滑り移動する。その結果、電池パック10は、収容部接続端子113が設けられている側壁とは逆方向へ移動する。
【0048】
図9(e)は、図9(d)に示す状態において、電池パック10が更に移動した状態を示している。図9(e)に示すように、電池パック10は、電池パック側面突起部11aが傾斜部121aに沿って更に滑り、また、電池パック側面突起部11bが傾斜部121bに沿って更に滑り、傾斜部121a、121bから滑り落ちて装着前位置に位置する。電池パック10が装着前位置に位置すると、電池パック下面突起部12a〜12dは、それぞれ、収容部底面溝部112a〜112dと嵌合する。これにより、電池パック10は、y方向の動きが規制されると共に、収容部110中に位置決めされる。すなわち、本実施形態では、電池パック10は、電池パック下面突起部12a〜12dを位置決めに使用し、収容部110に収容する。
【0049】
図10、および図11は、電池パック10が装着前位置に位置している電子機器100を示す図である。具体的には、図10は、電池パック10が装着前位置に位置している時の斜視図であり、図11は、電池パック10が装着前位置に位置している時の上面図である。図10、および図11に示すように、電池パック10が装着前位置に位置している時には、電池パック接続端子13と収容部接続端子113は接続されていない。図10、および図11に示す状態において、電池パック10を−x方向に押し込むことによって、電池パック10を装着位置に位置させることができる。後述するが、本発明においては、電池カバー200のカバー側面突起部212a〜212cに電池パック押し部が設けられていることによって、電池パック10が装着前位置に位置している時に電池カバー200を取り付けると、電池パック10を装着位置にシフトさせることができる。
【0050】
図12は、図11において、第1実施形態の電池パックを収容した場合のa−a’線の断面図である。
図12を参照して、本発明の電池パック10の位置決めの効果について具体的に説明する。電池パック下面突起部12aと電池パック下面突起部12bとの間の寸法をA、その寸法公差を±Bとし、収容部底面溝部112aと収容部底面溝部112bとの間の寸法をC、その寸法公差を±Dとする。この場合、最大で(A+B)-(C-D)の寸法差に起因する隙間が生じる。本発明において、大型の電池パック10であっても、電池パック下面突起部(12a,12b)を位置決めに利用して電池パック10を収容部110に収容することで、寸法差に起因するy方向の隙間を小さくすることができる。その結果、電池パック端子位置決め部15と、収容部端子位置決め部115の相対的な位置ずれが抑えられ、電池パック10を収容部110に収容することができる。なお、図示していないが、電池パック下面突起部12cと電池パック下面突起部12dが、それぞれ、収容部底面溝部112cと収容部底面溝部112dに嵌合することによっても、電池パック端子位置決め部15と収容部端子位置決め部115の相対的な位置ずれを抑えることができる。
【0051】
次に、位置決めされた状態を保ちつつ電池パック10を−x方向に動かすことで、複数の電池パック接続端子13と複数の収容部接続端子113を接続すると共に、電池パック側面突起部11a〜11dを、それぞれ、収容部側面突起部111a〜111dに係合させる。具体的には、電子機器100に電池カバー200を取り付けることによって、電池パック10を−x方向に動かし、電池パック側面突起部11a〜11dを、それぞれ、収容部側面突起部111a〜111dに係合させることができる。
【0052】
図13(a)、および図13(b)は、電池カバー200を電子機器100に取り付ける方法を説明するための図である。具体的には、図13(a)は電池カバー200を電子機器100に取り付ける前の状態の断面図を示し、図13(b)は電池カバー200を電子機器100に取り付けた後の状態の断面図を示している。図13(a)、および図13(b)は、図11のb−b’線に沿った断面図の一部である。電池パック10は外形の一部のみを示し、収容部110と電池カバー200は一部のみを示している。図13(a)、および図13(b)を参照すると、電池カバー200は、収容部110における側面のうちの収容部接続端子113が設けられている側面と対向する側面に対応する縁に、カバー側面突起部212aと、電池パック押し部221aを備える。特に、電池パック押し部221aはカバー側面突起部212aの反対側、すなわち−x方向に突出している。図示していないが、同様に、電池パック押し部221bがカバー側面突起部212bの反対側に設けられ、電池パック押し部221cがカバー側面突起部212cの反対側に設けられている。
【0053】
図13(a)に示すように、電池カバー200を電子機器100に取り付けるためには、まずカバー側面突起部212aを収容部110の側壁に設けられた孔部に差し込む。この時、図示していないが、カバー側面突起部212b、および212cについても同様に収容部110の側壁に設けられた孔部に差し込む。カバー側面突起部212a、212b、および212cを孔部に差し込むことによって、カバー側面突起部212a、212b、および212cが電池パック10と接触し、その後、電池パック押し部221a、221b、および221cが電池パック10と接触するので、電池パック10は電池パック押し部221a、221b、および221cで押されて装着位置の方へ僅かに移動する。
【0054】
次いで、図13(b)に示すように、電池カバー200は、カバー側面突起部212a、212b、および212cを孔部に差し込んだ状態で、カバー側面突起部212a、212b、および212cを支点として閉じる方向に回動させて、電池パック10を覆うように装着する。その結果、電池パック押し部221a、221b、および221cは電池パック10を押すので、電池パック10が装着位置まで移動し、電池パック接続端子13と収容部接続端子113とが接続された状態となる。この時、電池パック下面突起部12a〜12dは、それぞれ、収容部底面溝部112a〜112dに沿って移動するので、電池パック端子位置決め部15と収容部端子位置決め部115の相対的な位置ずれを抑制することができる。また、電池カバー200を装着することによって、電池パック側面突起部11a〜11d、収容部側面突起部111a〜111d、および電池カバー側面突起部211a〜211dが、それぞれ、係合する。(図16参照)
【0055】
図14は、電池パック押し部221a、221b、および221cの構造の一例を示す図である。電池パック押し部221a、221b、および221cは同一形状であるので、1つのみ図示する。図14に示すように、電池パック押し部221a、221b、および221cは、収容部接続端子113が設けられている側面と対向する収容部110の側面に対応する電池カバー200の側面であってカバー側面突起部212a、212b、および212cが設けられている面とは反対側の面に設けられている。また、電池パック押し部221a、221b、および221cは、円を4等分した断面の形状を有している。このような電池パック押し部221a、221b、および221cは、電池パック10を押す際に接触する面が曲面で滑らかなので、電池パック10を傷つけること無く装着位置まで動かすことができる。なお、図14に示した電池パック押し部221a、221b、および221cの形状は、例示であり、電池パック押し部221a、221b、および221cの形状を限定するものではない。電池パック押し部221a、221b、および221cは、電池パック10を装着前位置から装着位置へ動かすことのできる形状であればよい。
【0056】
図15(a)、および図15(b)は、電池パック10を電子機器100の上方に対置させ、電池パック接続端子13と収容部接続端子113の位置関係、および電池パック側面突起部11a〜11dと収容部側面突起部111a〜111dの位置関係を示す図である。電子機器100については収容部110の断面図を示す。具体的には、図15(a)は、電池パック10が装着前位置にある時の電池パック接続端子13と収容部接続端子113の位置関係、および電池パック側面突起部11a〜11dと収容部側面突起部111a〜111dの位置関係を示している。図15(b)は、電池パック10が電池カバー200を取り付けたことによって装着位置に移動した時の電池パック接続端子13と収容部接続端子113の位置関係、および電池パック側面突起部11a〜11dと収容部側面突起部111a〜111dの位置関係を示している。図15(a)、および図15(b)に示すように、装着前位置において、電池パック接続端子13と収容部接続端子113は接続されていないが、電池パック10が装着位置に移動することで電池パック接続端子13と収容部接続端子113とが接続される。また、図15(b)に示すように、前述した図9(a)の状態であっても、電池パック側面突起部11a〜11dは、傾斜部121a〜121dの+x方向に沿って下るように傾斜している箇所に当接するので、電池パック10は傾斜部121a〜121dに沿って滑落し、装着前位置に位置する。
【0057】
図16は、前述した図13(b)の状態、すなわち、電池カバー200が装着されて電池パック10が装着位置にある状態において、電池パック側面突起部11a、収容部側面突起部111a、カバー下面突起部211aが係合している様子を示した図である。具体的に説明すると、まず電池パック側面突起部11aは、L字形状の先端部が、収容部側面突起部111aにおける逆L字形状の立ち上がり部からの張り出し部の下側にできたスペースに入り込んで、収容部側面突起部111aと係合する。次に、電池カバー200で、電池パック10を収容した収容部110が覆われることにより、電池カバー200に設けられたカバー下面突起部211aは、電池パック側面突起部11a、および収容部側面突起部111aに対して上方から係合する。
図16の状態となるまでを改めて説明する。まず、電池パック10を収容部110内に手で支持して差し入れた後、手を離して装着前位置とする。次に、電池カバー200を装着する。最後に、固定具116aと固定具116bのツマミの向きをy方向に平行にする。以上で、電池パック10の電子機器100への装着が完了する。図17は、電池カバー200が取り付けられた電子機器100を示している。
【0058】
続いて、図16を参照して、電池パック収容構造が、収容部110に収容された電池パック10を、動かないように保持する構造であることについて説明する。
【0059】
最初に、電池パック10のx方向の動きを規制する構造であることについて説明する。
【0060】
図16を参照すると、電池パック側面突起部11aは、前述したように、L字形状の先端部が収容部側面突起部111aにおける逆L字形状の立ち上がり部からの張り出し部の下側にできたスペースに入り込んでいるため、収容部側面突起部111aが電池パック側面突起部11aの−x方向の動きを規制している。また、電池パック側面突起部11aは、z方向からカバー下面突起部211aが係合しているため、+x方向の動きが規制されている。すなわち、電池パック側面突起部11aは、収容部側面突起部111aとカバー下面突起部211aによってx方向の動きが規制されている。これは、電池パック側面突起部11b〜11dについても同様である。したがって、電池パック10は、x方向の動きが規制されている。
【0061】
次に、z方向の動きを規制する構造であることについて説明する。
【0062】
電池パック側面突起部11aは、前述したように、L字形状の先端部が収容部側面突起部111aにおける逆L字形状の立ち上がり部からの張り出し部の下側にできたスペースに入り込んでいるため、収容部側面突起部111aは、電池パック側面突起部11aのz方向の動きを規制している。このことは、電池パック側面突起部11b〜11dについても同様である。したがって、電池パック10は、z方向の動きが規制されている。
【0063】
上記の状態において、y方向の動きは、収容部110の収容部底面溝部112a〜112dと、電池パック下面突起部12a〜12dとの嵌合によって規制されている。
【0064】
したがって、電池パック10は、x方向、y方向、およびz方向の動きが規制されているため、衝撃等によって電池パック10が収容部110内で動いてしまうことがなく、電池パック接続端子13や収容部接続端子113が破損してしまうことを防止することができる。なお、関連技術では、クッション等の保護部材を利用して収容部内での電池パックの動きを規制することが行われている。しかしながら、保護部材は、時間が経つにつれて保持力が低下してしまうため、長期間にわたって使用すると電池パックに設けられた複数の接続端子と収容部に設けられた複数の接続端子の接続が切断する恐れがあった。一方、本実施形態は、電池パック10と収容部110に設けた各突起部を係合することで電池パック10のx方向、y方向、およびz方向の動きを規制している。したがって、本発明には、関連技術が利用しているような保護部材は不要となる。電池パック10と収容部110に設けた各突起部は、保護部材のように時間が経つにつれて保持力が低下してしまうことがないため、本発明は長期間にわたって使用可能となりコストの観点からも優れている。
【0065】
[2.第2実施形態]
次に、図18、および図19を参照して、本発明の第2実施形態による電池パック10A、電子機器100A、および収容部110Aの構造について説明する。第2実施形態は、電池パック10Aが電池パック下面突起部を有していない点、および電子機器100Aの収容部110Aが収容部底面溝部を有していない点で第1実施形態と相違するが、他の点は同一である。
【0066】
図18は、第2実施形態に係る電池パック10Aを下面から見た図である。図18に示すように、電池パック10Aの下面には、第1実施形態の電池パック10とは異なり、電池パック下面突起部12a〜12dが設けられていないので、電池パック10Aの下面は平坦面である。
【0067】
図19は、第2実施形態に係る電子機器100Aを示す斜視図である。図19に示すように、電子機器100Aの収容部110Aの底面には、第1実施形態の収容部110とは異なり収容部底面溝部112a〜112dが設けられていないので、収容部110の底面は平坦面である。
【0068】
すなわち、第2実施形態においては、電池パック下面突起部12a〜12d、および収容部底面溝部112a〜112dを利用して、電池パック端子位置決め部15と収容部端子位置決め部115の相対的な位置ずれを抑制することはしない。
【0069】
代わりに、第2実施形態においては、電池パック10Aの電池パック側面突起部が設けられている側面と、電池パック10Aが収容部110Aに収容されるときに、電池パック10Aの電池パック側面突起部が設けられている側面に対向する収容部110Aの収容部側面突起部111a〜111dの壁面を用いる。これによって、電池パック端子位置決め部15と収容部端子位置決め部115の相対的な位置ずれを抑制するとともに、電池パック10Aが収容部110Aに収容されたときのy方向の動きを規制する。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明を、複数の実施形態を参照して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、請求項に記載された本発明の精神や範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、電力供給源としての着脱自在な電池パックを備える携帯型の電子機器全般に良好に採用できる。
【符号の説明】
【0071】
10、10A・・・電池パック
11a、11b、11c、11d・・・電池パック側面突起部
12a、12b、12c、12d・・・電池パック下面突起部
13・・・電池パック接続端子
14・・・電池パック爪部
15・・・電池パック端子位置決め部
100、100A・・・電子機器
101・・・タッチパネル付きディスプレイ
110、110A・・・収容部
111a、111b、111c、111d・・・収容部側面突起部
112a、112b、112c、112d・・・収容部底面溝部
113・・・収容部接続端子
115・・・収容部端子位置決め部
116a、116b・・・固定具
117・・・端子保護部
121a、121b、121c、121d・・・傾斜部
131a、131b、131c、131d・・・リブ
132a、132b、132c、132d・・・リブ
200・・・電池カバー
211a、211b、211c、211d・・・カバー下面突起部
212a、212b、212c・・・カバー側面突起部
213a、213b・・・カバー側面段部
221a、221b、221c・・・電池パック押し部
【要約】
【課題】電池パックを収容する際、電池パックを最後まで手等で支えることなく装着前位置に位置させること。
【解決手段】電池パックの収容構造は、電池パックを収容する収容部を備えた電子機器における電池パックの収容構造であって、電池パックを収容した収容部を覆う電池カバーを備え、電池パックは、略四角形で平板状の形状であり、第1の側面に設けられた接続端子と、第1の側面と隣り合う第2の側面及び第3の側面に設けられた電池パック側面突起部とを有し、収容部は、電池パックの下面に対応する底面と、第1の側面に対応する側面である第1の収容部側面に設けられた収容部接続端子と、第2の側面に対応する側面である第2の収容部側面と第3の側面に対応する側面である第3の収容部側面とにそれぞれ設けられた、電池パック側面突起部と係合可能な収容部側面突起部とを有し、収容部側面突起部の上部には、第1の収容部側面と対向する第4の収容部側面に向かう方向で下方向に傾斜し、電池パックが収容部に収容される際に電池パック側面突起部が当接する傾斜部が設けられ、電池パックは、電子機器における装着位置に位置する前に、電池パックの下面と収容部の底面とが対向し、かつ接続端子と収容部接続端子とが対向する状態で、収容部の底面に対して斜めに傾けて収容される際に、第2の側面及び第3の側面の電池パック側面突起部が傾斜部に当接すると、傾斜部に沿って滑落して、電池パックの接続端子と収容部接続端子とを接続可能な装着前位置に位置する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19