(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、特徴、長所をより分かりやすくするように、特に好ましい実施例を挙げ、添付図面に合わせて、以下のように詳しく説明する。
【実施例1】
【0017】
以下、複数の実施例を提供して、従来の技術問題を解決する。ただし、本発明の実施例で使用される輝度向上フィルムとしては、光耀科技公司(GHC Techonlogy Co., Ltd. )製の型番KL66‐215の輝度向上フィルムを採用する。また、本発明の実施例で使用される回折プレートの構造は、
図15に示すようなものである。本発明の実施例で使用される回折プレートは、それぞれ複数の光ゲート24を有する複数の光ゲート領域23を含む。ただし、光ゲート領域23の幅Wは116マイクロメートル(μm)〜118マイクロメートルの間にあり、光ゲート領域23の周期Tは124マイクロメートルであり、光ゲート24の周期Nは1マイクロメートルであり、光ゲート24の間の距離Mは6マイクロメートル〜8マイクロメートルの間にある。
【0018】
本発明の一実施例による表示装置100の構造を示す模式図である
図1を参照する。表示装置100は、ディスプレイ110と、回折プレート120と、を備える。ディスプレイ110は、TN液晶ディスプレイ、VA液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ又は映像を表示するための他のディスプレイであってよい。回折プレート120は、ディスプレイ110の出光面に配置され、ディスプレイ110が出射した光線を回折させることに用いられる格子(例えば、位相格子)が設けられたフィルムであってよい。また、本発明の他の実施例において、回折プレート120は、ディスプレイ110の液晶パネルと第1の偏光板との間に配置されてもよい。
【0019】
実施例において、光線の出射方向は、球座標系における天頂角θと方位角ψで表される。しかしながら、本発明の実施例において、球座標系のX‐Y平面は、0度、90度、180度及び−90度で定義される。この液晶ディスプレイ110の長辺を球座標系のX‐Y平面のX軸とし、ディスプレイ110の短辺をX‐Y平面のY軸とする。例えば、回折プレート120の表面をX‐Y平面とし、Z軸正方向が、回折プレート120から観察者の方向に延びるため、表示装置100の視野角は、(θ,ψ)で表されてよい。右視野角と左視野角を例とすれば、それぞれは、(α,0)と(β,180)で表されてよい。ただし、0度≦α、β≦90度である。それに類似して、上視野角と下視野角のそれぞれは、(γ,90)と(δ,−90)で表されてよい。ただし、0度≦γ、δ≦90度である。別の実施例において、ディスプレイ110の短辺を球座標系のX‐Y平面のX軸とし、ディスプレイ110の長辺をX‐Y平面のY軸とするように調整してもよい。
【0020】
また、本実施例における回折方向は、格子構造におけるピーク(トラフ)連結線の方向で定義される。例えば、格子構造におけるピーク(トラフ)連結線の方向が垂直方向である場合、つまり、山(谷)の延びる方向が垂直方向(即ち、X‐Y平面のY軸方向)である場合、その回折方向は、水平方向である。また、例えば、格子構造におけるピーク(トラフ)連結線の方向が水平方向である場合、つまり、山(谷)の延びる方向が水平方向(即ち、X‐Y平面のX軸方向)である場合、その回折方向は、垂直方向である。広く言えば、回折方向は、格子構造の山(谷)の延びる方向と垂直となる。
【0021】
ユーザーが側視野角でディスプレイ110を観察することを示す模式
図2aと、ユーザーが側視野角で表示装置100を観察することを示す模式
図2bとを同時に参照する。本実施例において、ディスプレイ110は、液晶ディスプレイである。ディスプレイ110の正視野角を仮にθ=0度とし、斜視野角の最大範囲を仮にθ=90度とすると、正視野角に対する映像品質の変化が発生するディスプレイ110の視野角範囲は、天頂角θが90〜10度である範囲にある。それは、ユーザーが10度を超えた側視野角でディスプレイ110を観察する場合、ディスプレイ110の映像には、コントラストの低下、グレースケール反転、ガンマ曲線変異、又は色かぶりなどの問題が見つけられることを表す。もちろん、正視野角の映像を比較の基準とすることに限らず、例えば、当初の設計において映像が最も好ましい角度を比較の基準としてよい。
【0022】
以下、左視野角30度の映像品質を改善することだけを例として説明する。
図2aを参照する。ユーザーが正視野角(視野角0度)で、ある特定の範囲(例えば、図式における車)を観察して取得した観察映像をI
1(正視野角映像I
1ともいう)とし、左視野角30度の側視野角で、上記特定の範囲を観察して取得した観察映像をI
2(側視野角映像I
2ともいう)とする。光源が液晶層を透過することによる位相遅延(phase retardation)が異なるため、正視野角映像I
1と側視野角映像I
2において、同じ位置にある画素の色相(hue)、彩度(saturation)又は輝度(brightness)が明らかに異なって、ディスプレイ110の視野角均一性の劣化を引き起こしてしまう。そのため、本実施例は、回折プレート120を利用して、正視野角映像I
1を構成する光線の一部を左視野角30度に回折させることによって、正視野角映像I
1の一部成分を利用して側視野角映像I
2を補償する。
【0023】
注意すべきなのは、本実施例において、正視野角映像I
1と側視野角映像I
2において、同じ位置にある画素の輝度の差が元の輝度(正視野角映像I
1の画素の輝度)の3%を超えた場合、明らかに異なると認定する。また、正視野角映像I
1と側視野角映像I
2とにおいて、同じ位置にある画素の色座標の差が(正視野角映像I
1の画素の輝度)0.001を超えた場合も、明らかに異なると認定する。しかしながら、本発明の他の実施例において、これらの閾値は、ユーザーの条件によって変更されてよい。なお。正視野角映像I
1と側視野角映像I
2のガンマ曲線のそれぞれに対応するガンマ値(gamma value)の差が0.1未満である場合、ガンマ曲線に変異が生じたと認定する。
【0024】
図2bに示すように、ユーザーが左視野角30度で表示装置100を観察する場合、観察した観察映像I
4(側視野角映像I
4ともいう)は、
図2aに示した側視野角映像I
2の回折されていない分量に、正視野角映像I
1から左視野角30度に回折された分量をプラスした結果に等しく、即ちI
4=JI
2+kI
1である。ただし、J、kは、1未満の正数である。それと同時に、正視野角映像I
1を構成する光線が側視野角に回折されたため、正視野角映像I
1は、輝度が小さい正視野角映像I
3に変換された。
【0025】
側視野角映像I
4にとって、正視野角映像I
1から側視野角に回折された分量(即ち、kI
1)が十分に強いため、側視野角の回折されていない映像JI
2の側視野角映像I
4に対する貢献が相対的に小さくなる場合、正視野角映像I
3と側視野角映像I
4との映像差異を減少させ、側視野角映像I
4の映像品質を向上させることができる。上記映像差異とは、映像I
3と映像I
4とにおいて、同じ位置にある2つの画素の色相、彩度及び輝度の差異を指し、映像差異が小さくなることは、表示装置の視野角均一性が向上したことを表すことに注意すべきである。
【0026】
本発明の実施例の提供した表示装置100は、好ましい視野角均一性を持っているが、暗状態の映像を表示する場合、表示装置100の表現効果は、好ましくない。表示装置100において、回折プレートが正視野角の映像を、側視野角に回折させて側視野角映像の欠陥を補うことができるが、側視野角映像が回折プレートを通過して正視野角に回折されて邪魔になることもある。このような現象は、表示装置100が暗状態の映像を表示する場合に比較的に明らかである。それは、普通の液晶ディスプレイの正視野角又は偏光板の吸収軸方向における光漏れがほぼゼロに等しく、偏光板の斜方向しか光漏れがないからであるが、表示装置100は、側視野角の回折のため、ユーザーに正視野角又は偏光板の吸収軸方向で光漏れ現象(即ち、暗状態の効果不良)を観察させる可能性がある。そのため、本発明の他の実施例は、表示装置100に対して改良を行うことで、好ましい暗状態効果のある液晶ディスプレイを提供する。
【0027】
注意すべきなのは、以下の実施例において、偏光板と、回折プレートと、輝度向上フィルムとの互いの間の対応関係(回折プレート及び偏光板が固定されて動かず、輝度向上フィルムだけを回旋させる)について検討して、好ましい暗状態効果のある液晶ディスプレイを提供する。そのため、下記実施例の実験データは、偏光板、回折プレート、輝度向上フィルム及び光源だけを利用して実験することで、取得したものである。しかしながら、当業者が理解すべきなのは、本実験がパネルの暗状態状況についての検討を重要視するが、ディスプレイの暗状態の光漏れが、殆ど交差式輝度向上フィルム(crossed polarizer)からの斜方向の暗状態の光漏れからなるため、実験から取得した実験データは、完備した構造を有する液晶ディスプレイに応用できるはずである。
【実施例2】
【0028】
本発明の実施例による液晶ディスプレイ300の構造を示す模式図である
図3を参照する。液晶ディスプレイ300は、VA液晶ディスプレイであり、回折プレート310と、第1の偏光板320と、液晶パネル330と、第2の偏光板340と、第1の輝度向上フィルム350と、第2の輝度向上フィルム360と、バックライトモジュール370と、を備える。本実施例において、液晶パネル330は、液晶層332と、薄膜トランジスタ基板334と、カラーフィルタ336とからなるが、本発明の実施例は、これに限定されない。
【0029】
回折プレート310及び第1の偏光板320は、液晶パネル330の表面330aの上方に設けられ、第1の偏光板320は、回折プレート310と液晶パネル330との間にある。第2の偏光板340、第1の輝度向上フィルム350、第2の輝度向上フィルム360、バックライトモジュール370は、液晶パネル330の表面330bの下方に設けられ、表面330aは表面330bに対する反対側にある。また、本発明の実施例1に記載されたように、回折プレート310は、第1の偏光板320と液晶パネル330との間に設けられてもよい。
【0030】
第1の偏光板320は光線吸収軸方向322を有し、第2の偏光板340は光線吸収軸方向324を有する。光線吸収軸方向322と光線吸収軸方向324は、実質的に互いに垂直となる。第1の輝度向上フィルム350は集光方向352を有し、第2の輝度向上フィルム360は集光方向354を有する。集光方向352と集光方向354も、実質的に互いに垂直となる。
【0031】
本発明の実施例の輝度向上フィルムの構造を示す模式図である
図3aを参照する。輝度向上フィルムの集光方向は、輝度向上フィルム上のパターン構造の方向(即ち、山又は谷の延びる方向)で定義される。例えば、輝度向上フィルム上のパターン構造355の山(谷)の延びる方向が垂直方向(即ち、X‐Y平面のY軸方向)である場合、その集光方向は、水平方向(即ち、X‐Y平面のX軸方向)である。また、例えば、輝度向上フィルム上のパターン構造の山(谷)の延びる方向が水平方向(即ち、X‐Y平面のX軸方向)である場合、その集光方向は、垂直方向(即ち、X‐Y平面のY軸方向)である。これにより、本発明の実施例で定義された集光方向は、輝度向上フィルムのパターン構造の方向と垂直となることが判明した。また、本発明の他の実施例において、輝度向上フィルムは、2種以上のパターン構造を含んでよく、この場合、集光方向は、平均のパターン構造の方向で定義されることができる。例えば、輝度向上フィルムが85度及び95度方向のパターン構造を同時に含む場合、パターン構造の方向は平均で90度であるため、その集光方向は、180度と定義される。
【0032】
本発明の実施例の偏光板の吸収軸方向322及び吸収軸方向324と、回折プレート310の回折方向312と、第1の輝度向上フィルム350の集光方向352との関係を示す模式図である
図3bを参照する。x軸を基準座標軸とし、例えば、第1の偏光板320の吸収軸方向322は、0度と180度を表し、第2の偏光板340の吸収軸方向324は、90度と−90度を表す。本実施例において、回折方向312は45度であり、輝度向上フィルムの集光方向352と偏光板の吸収軸方向322との夾角は、変量θ
1である。
【0033】
本発明の実施例の液晶ディスプレイ300の各夾角θ
1で、正視角((θ,ψ)=(0,0))から見た暗状態輝度を示す
図3cを参照する。D
maxは、最大輝度値を表し、D
minは、最小輝度値を表し、その輝度差はΔDである。
図3cから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準(即ち、暗状態輝度の許容範囲が、D
min〜D
min+1/2*ΔDの間にある)とすると、θ
1が−75〜−20度の間又は5〜80度の間にある場合、液晶ディスプレイ300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、回折方向312と輝度向上フィルムの集光方向352との夾角(後者から前者を引き、即ち、集光方向の角度から回折方向の角度を引いて得られた差、例えば、θ
1が−75〜−20度の間又は5〜80度にある場合、回折方向312と輝度向上フィルムの集光方向352との夾角θ
1が−45度である)が−120〜−65度の間又は−40〜35度の間にある場合、液晶ディスプレイ300の暗状態表現が好ましい。
【0034】
また、1/4ΔDを暗状態標準(即ち、暗状態輝度の許容範囲が、D
min〜D
min+1/4*ΔDの間にある)とすると、θ
1が−60〜−20度の間又は15〜60度の間にある場合、液晶ディスプレイ300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向312と輝度向上フィルムの集光方向352との夾角は、−105〜−65度の間又は−30〜15度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準(即ち、暗状態輝度の許容範囲が、D
min〜D
min+1/8*ΔDの間にある)(つまり、暗状態輝度値がD
min〜D
min+1/8*ΔDである範囲のいずれも、暗状態輝度の許容範囲である)とすると、θ
1が−40〜−25度の間又は20〜55度の間にある場合、液晶ディスプレイ300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向312と輝度向上フィルムの集光方向352との夾角は、−85〜−70度の間又は−25〜10度の間にある。
【0035】
しかしながら、人の目から見れば、ユーザーに明確な暗状態の変化現象を発見させないためには、1/2ΔDを暗状態の輝度標準とすることでもう十分であるため、本実施例は、1/2ΔDを液晶ディスプレイの暗状態の輝度標準とする。
【0036】
また、本実施例において、集光方向352と吸収軸方向322との夾角の暗状態の光漏れに対する影響を考慮すると、θ
1がちょうど集光方向352と吸収軸方向322との夾角でもあるため、吸収軸方向322と集光方向352との夾角(集光方向の角度から吸収軸方向322の角度を引いて得られた差)が−75〜−20度の間又は5〜80度の間にある場合、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果が好ましい。
【0037】
注意すべきなのは、回折プレート310の回折方向が変わると、液晶ディスプレイの暗状態表現を好ましくすることのできる前記角度範囲も変わる。例えば、本発明の一実施例の液晶ディスプレイの偏光板の吸収軸方向322及び吸収軸方向324と、回折プレート310の回折方向312と、第1の輝度向上フィルムの集光方向352との関係を示す模式図である
図4aを参照する。そして回折方向312は0度である。回折プレート310の回折方向312が0度になる場合、液晶ディスプレイ300の各夾角θ
1で、正視角((θ,ψ)=(0,0))から見た暗状態輝度は、
図4bに示すようである。
【0038】
図4bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
1が−30〜25度の間又は55〜125度の間にある場合、液晶ディスプレイの暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向312と輝度向上フィルムの集光方向352との夾角は、−30〜25度の間又は55〜125度の間にある(回折方向が0度である)。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
1が−20〜10度の間にある場合、液晶ディスプレイの暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向312と輝度向上フィルムの集光方向352との夾角が−20〜10度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
1が−15〜0度の間にある場合、液晶ディスプレイの暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向312と輝度向上フィルムの集光方向352との夾角は、−15〜0度の間にある。
【0039】
また、回折方向312が0度であるこの実施例において、集光方向352と吸収軸方向322との夾角の暗状態の光漏れに対する影響を考慮すると、θ
1がちょうど集光方向352と吸収軸方向322との夾角でもあるため、吸収軸方向322と集光方向352との夾角(集光方向の角度から吸収軸方向322の角度を引いて得られた差)が−30〜25度の間又は55〜125度の間にある場合、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果が好ましい。
【0040】
本発明の他の実施例において、回折プレート310に、例えば、第1の回折方向及び第2の回折方向などの2つの回折方向を同時に持たせてもよく、第1の回折方向と第1の偏光板の吸収軸方向322との夾角、及び第2の回折方向と第1の偏光板の吸収軸方向322との夾角は、それぞれ45度と0度であり、これにより、液晶ディスプレイの視野角の均一度をより好ましくする。この場合、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果を改善するように、吸収軸方向322と集光方向352との夾角を−30〜−20度の間又は55〜80度の間にしてよい。また、回折方向と吸収軸方向との夾角が45度と−45度である場合、ディスプレイの暗状態の分布傾向は類似であり、0度と90度の場合も類似であるため、任意の2つの組み合わせさえあれば、何れも適用できることを類推することができる。
【実施例3】
【0041】
本発明の実施例による液晶ディスプレイ500の構造を示す模式図である
図5を参照する。液晶ディスプレイ500は、TN液晶ディスプレイであり、回折プレート510と、第1の偏光板520と、液晶パネル530と、第2の偏光板540と、第1の輝度向上フィルム550と、第2の輝度向上フィルム560と、バックライトモジュール570と、を備える。本実施例において、液晶パネル530は、液晶層532と、薄膜トランジスタ基板534と、カラーフィルタ536とからなるが、本発明の実施例は、これに限定されない。
【0042】
回折プレート510及び第1の偏光板520は、液晶パネル530の表面530aの上方に設けられ、第1の偏光板520は、回折プレート510と液晶パネル530との間にある。第2の偏光板540、第1の輝度向上フィルム550、第2の輝度向上フィルム560、バックライトモジュール570は、液晶パネル530の表面530bの下方に設けられ、表面530aは表面530bに対する反対側にある。また、本発明の実施例1に記載されたように、回折プレート510は、第1の偏光板520と液晶パネル530との間に設けられてもよい。
【0043】
第1の偏光板520は光線吸収軸方向522を有し、第2の偏光板540は光線吸収軸方向524を有する。光線吸収軸方向522と光線吸収軸方向524は、実質的に互いに垂直となる。第1の輝度向上フィルム550は集光方向552を有し、第2の輝度向上フィルム560は集光方向554を有する。集光方向552と集光方向554も、実質的に互いに垂直となる。
【0044】
本発明の実施例の偏光板の吸収軸方向522及び吸収軸方向524と、回折プレート510の回折方向512と、輝度向上フィルムの集光方向552との関係を示す模式図である
図5aを参照する。x軸を基準座標軸とし、偏光板の吸収軸方向522は45度であり、偏光板の吸収軸方向524は135度であり、回折方向512は45度である。本実施例において、輝度向上フィルムの集光方向552とx軸との夾角は、変量θ
2である。
【0045】
本発明の実施例の液晶ディスプレイ500の各夾角θ
2で、正視角((θ,ψ)=(0,0))から見た暗状態輝度を示す
図5bを参照する。
図5bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
2が−65〜−15度の間又は0〜70度の間にある場合、液晶ディスプレイ500の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向512と輝度向上フィルムの集光方向552との夾角は、−110〜−60度の間又は−45〜25度の間にある。
【0046】
また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
2が−50〜−25度の間又は20〜60度の間にある場合、液晶ディスプレイ500の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向512と輝度向上フィルムの集光方向552との夾角は、−95〜−70度の間又は−25〜15度の間にある。
【0047】
しかしながら、人の目から見れば、ユーザーに明確な暗状態の変化現象を発見させないためには、1/2ΔDを暗状態の輝度標準とすることでもう十分であるため、本実施例は、1/2ΔDを液晶ディスプレイの暗状態の輝度標準とする。
【0048】
また、本実施例において、集光方向552と吸収軸方向522との夾角の暗状態の光漏れに対する影響を考慮すると、
図5bから分かるように、吸収軸方向522と集光方向552との夾角が−110〜−60度の間又は−45〜25度の間にある(1/2ΔDを暗状態の輝度標準とする)場合、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果が好ましい。
【0049】
注意すべきなのは、回折プレート510の回折方向が変わると、液晶ディスプレイの暗状態表現を好ましくすることのできる前記角度範囲も変わる。例えば、本発明の一実施例による液晶ディスプレイの偏光板の吸収軸方向522及び吸収軸方向524と、回折プレート510の回折方向512と、第1の輝度向上フィルムの集光方向552との関係を示す模式図である
図6aを参照する。そして回折方向512は、0度である。回折プレート510の回折方向512が0度になる場合、液晶ディスプレイの各夾角θ
2で、正視角((θ,ψ)=(0,0))から見た暗状態輝度は、
図6bに示すようである。
【0050】
図6bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
2が−30〜20度の間又は55〜130度の間にある場合、液晶ディスプレイ300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向512と輝度向上フィルムの集光方向552との夾角は、−30〜20度の間又は55〜130度の間にある(回折方向が0度である)。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
2が−25〜10度の間にある場合、液晶ディスプレイの暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向512と輝度向上フィルムの集光方向552との夾角は、−25〜10度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
2が70〜115度の間にある場合、液晶ディスプレイの暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向512と輝度向上フィルムの集光方向552との夾角は、70〜115度の間にある。
【0051】
また、回折方向512が0度であるこの実施例において、集光方向552と吸収軸方向522との夾角の暗状態の光漏れに対する影響を考慮すると、
図6bから分かるように、吸収軸方向522と集光方向552との夾角が−75〜−25度の間又は10〜85度の間にある(1/2ΔDを暗状態の輝度標準とする)場合、液晶ディスプレイ500の暗状態の表示効果が好ましい。
【0052】
本発明の他の実施例において、回折プレート510に、例えば、第1の回折方向及び第2の回折方向などの2つの回折方向を持たせてもよく、第1の回折方向と第1の偏光板の吸収軸方向522との夾角(new)、及び第2の回折方向と第1の偏光板の吸収軸方向522との夾角は、それぞれ45度及び0度であり、これにより、液晶ディスプレイの視野角の均一度をより好ましくする。この場合、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果を改善するように、吸収軸方向522と集光方向552との夾角を−75〜−60度の間又は10〜25度の間にしてよい。また、回折方向と吸収軸方向との夾角が45度と−45度である場合、ディスプレイの暗状態の分布傾向は類似であり、0度と90度の場合も類似であるため、任意の2つの組み合わせさえあれば、何れも適用できることを類推することができる。
【0053】
本発明の実施例2と実施例3から分かるように、本発明の実施例は、輝度向上フィルムの集光方向と回折プレートの回折方向との角度関係という設計を提供して、別々にVA液晶ディスプレイ及びTN液晶ディスプレイについて、正視野角から観察した暗状態の光漏れ現象を改善する。しかしながら、液晶ディスプレイの種類(VA又はTN)又は回折プレートの回折方向(0又は45度)が限られない場合、回折プレートの回折方向と輝度向上フィルムの集光方向との夾角は、前記好ましい角度範囲の積集合であり、即ち、−110〜−65度及び−30〜20度の間にあってよい。例えば、回折プレートの回折方向と輝度向上フィルムの集光方向とは、実質的に互いに垂直(夾角が約90度)又は実質的に互いに平行(夾角が約0度)に設けられてよい。また、回折プレートが2つの回折方向を有する(例えば、2つの回折方向と第1の偏光板の吸収軸方向との夾角がそれぞれ45/−45度及び0/90度である)如何なる液晶ディスプレイについて言えば、第1の偏光板の吸収軸方向と第1の輝度向上フィルムの集光方向との夾角角度は、−30度〜−20度、−75度〜−60度、55度〜80度又は10度〜25度からなる角度範囲から選択される1つであってよい。
【実施例4】
【0054】
本発明の実施例による液晶ディスプレイ700の構造を示す模式図である
図7を参照する。液晶ディスプレイ700は、VA液晶ディスプレイであり、回折プレート710と、第1の偏光板720と、液晶パネル730と、第2の偏光板740と、第1の輝度向上フィルム750と、第2の輝度向上フィルム760と、バックライトモジュール770と、を備える。本実施例において、液晶パネル730は、液晶層732と、薄膜トランジスタ基板734と、カラーフィルタ736とからなるが、本発明の実施例は、これに限定されない。
【0055】
回折プレート710及び第1の偏光板720は、液晶パネル730の表面730aの上方に設けられ、第1の偏光板720は、回折プレート710と液晶パネル730との間にある。第2の偏光板740、第1の輝度向上フィルム750、第2の輝度向上フィルム760、バックライトモジュール770は、液晶パネル730の表面730bの下方に設けられ、表面730aは表面730bに対する反対側にある。また、本発明の実施例1に記載されたように、回折プレート710は、第1の偏光板720と液晶パネル730との間に設けられてもよい。
【0056】
第1の偏光板720は光線吸収軸方向722を有し、第2の偏光板740は光線吸収軸方向724を有する。光線吸収軸方向722と光線吸収軸方向724は、実質的に互いに垂直となる。第1の輝度向上フィルム750は集光方向752を有し、第2の輝度向上フィルム760は集光方向754を有する。集光方向752と集光方向754も、実質的に互いに垂直となる。
【0057】
本発明の実施例の偏光板の吸収軸方向722及び吸収軸方向724と、回折プレート710の回折方向712と、第1の輝度向上フィルム750の集光方向752との関係を示す模式図である
図7aを参照する。x軸を基準座標軸とする。例えば、第1の偏光板720の吸収軸方向722は、0度と180度を表し、第2の偏光板740の吸収軸方向724は、90度と−90度を表す。本実施例において、回折方向712は45度であり、輝度向上フィルムの集光方向752と偏光板の吸収軸方向722との夾角は、変量θ
3である。
【0058】
本発明の実施例の液晶ディスプレイ700の各夾角θ
3での、第1の偏光板の吸収軸方向722から観察した暗状態輝度を示す
図7bを参照する。即ち、
図7bは、観察者が天頂角45度と方位角0度から観察した暗状態輝度、及び天頂角45度と方位角270度から観察した暗状態輝度を示す。本実施例において、偏光板の吸収軸方向における暗状態の光漏れの変化を検討する。よく使われる側視野角の範囲は、天頂角が約30〜60度であり、その平均値を取って、天頂角45度を観測の基準とする。
【0059】
まず、観察者が天頂角(θ)45度と方位角0度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図7bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
3が15〜45度の間又は−5〜−90度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、回折方向712と輝度向上フィルムの集光方向752との夾角が−30〜0度の間又は−50〜−135度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
3が20〜35度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向712と輝度向上フィルムの集光方向752との夾角は、−25〜−10度の間にある。
【0060】
次に、観察者が天頂角45度と方位角270度(−90度)から観察した暗状態輝度を考慮する。
図7bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
3が−5〜−60度の間又は40〜80度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、回折方向712と輝度向上フィルムの集光方向752との夾角が−50〜−105度の間又は−5〜35度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましい。
【0061】
しかしながら、人の目から見れば、ユーザーに明確な暗状態の変化現象を発見させないためには、1/2ΔDを暗状態の輝度標準とすることでもう十分であるため、本実施例は、1/2ΔDを液晶ディスプレイの暗状態の輝度標準とする。
【0062】
また、本実施例において、集光方向752と吸収軸方向722との夾角の暗状態の光漏れに対する影響を考慮すると、θ
3がちょうど集光方向752と吸収軸方向722との夾角でもあるため、吸収軸方向722と集光方向752との夾角が15〜45度の間又は−5〜−90度の間にある場合(天頂角45度及び方位角0度での観察者に対して)、もしくは−5〜−60度の間又は40〜80度の間にある場合(天頂角45度及び方位角270度での観察者に対して)、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果が好ましい。
【0063】
注意すべきなのは、回折プレート710の回折方向が変わると、液晶ディスプレイの暗状態表現を好ましくすることのできる前記角度範囲も変わる。例えば、本発明の一実施例の液晶ディスプレイの偏光板の吸収軸方向722及び吸収軸方向724と、回折プレート710の回折方向712と、第1の輝度向上フィルムの集光方向752との関係を示す模式図である
図8aを参照する。そして回折方向712は、0度である。回折プレート710の回折方向712が0度になる場合、液晶ディスプレイ700の各夾角θ
3での暗状態輝度は、
図8bに示すようである。
【0064】
まず、観察者が天頂角(θ)45度と方位角0度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図8bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
3が65〜125度の間又は−40〜20度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、回折方向712と輝度向上フィルムの集光方向752との夾角が65〜125度の間又は−40〜20度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
3が−25〜5度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向712と輝度向上フィルムの集光方向752との夾角は、−25〜5度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
3が75〜105度及び−10〜0度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向712と輝度向上フィルムの集光方向752との夾角は、75〜105度又は−10〜0度の間にある。
【0065】
次に、観察者が天頂角45度と方位角270(−90度)度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図8bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
3が70〜125度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、回折方向712と輝度向上フィルムの集光方向752との夾角が70〜125度の間にある場合、液晶ディスプレイ700の暗状態表現が好ましい。
【0066】
また、回折方向712が0度であるこの実施例において、集光方向752と吸収軸方向722との夾角の暗状態の光漏れに対する影響を考慮すると、θ
3がちょうど集光方向752と吸収軸方向722との夾角でもあるため、吸収軸方向722と集光方向752との夾角が−40〜20度の間又は65〜125度の間にある場合(天頂角45度及び方位角0度での観察者に対して)、もしくは70〜125度の間にある場合(天頂角45度及び方位角270度の観察者に対して)、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果が好ましい。
【0067】
本発明の他の実施例において、回折プレート710に、2つの回折方向(例えば、0度と45度)を同時に持たせてもよく、これにより、液晶ディスプレイの視野角の均一度をより好ましくする。この場合、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果を改善するように、吸収軸方向722と集光方向752との夾角を−5〜−40度の間又は70〜80度の間にしてよい。また、回折方向と吸収軸方向との夾角が45度と−45度である場合、ディスプレイの暗状態の分布傾向は類似であり、0度と90度の場合も類似であるため、任意の2つの組み合わせさえあれば、何れも適用できることを類推することができる。
【実施例5】
【0068】
本発明の実施例による液晶ディスプレイ900の構造を示す模式図である
図9を参照する。液晶ディスプレイ900は、TN液晶ディスプレイであり、回折プレート910と、第1の偏光板920と、液晶パネル930と、第2の偏光板940と、第1の輝度向上フィルム950と、第2の輝度向上フィルム960と、バックライトモジュール970と、を備える。本実施例において、液晶パネル930は、液晶層932と、薄膜トランジスタ基板934と、カラーフィルタ936とからなるが、本発明の実施例は、これに限定されない。
【0069】
回折プレート910及び第1の偏光板920は、液晶パネル930の表面930aの上方に設けられ、第1の偏光板920は、回折プレート910と液晶パネル930との間にある。第2の偏光板940、第1の輝度向上フィルム950、第2の輝度向上フィルム960、バックライトモジュール970は、液晶パネル930の表面930bの下方に設けられ、表面930aは表面930bに対する反対側にある。また、本発明の実施例1に記載されたように、回折プレート910は、第1の偏光板920と液晶パネル930との間に設けられてもよい。
【0070】
第1の偏光板920は光線吸収軸方向922を有し、第2の偏光板940は光線吸収軸方向924を有する。光線吸収軸方向922と光線吸収軸方向924は、実質的に互いに垂直となる。第1の輝度向上フィルム950は集光方向952を有し、第2の輝度向上フィルム960は集光方向954を有する。集光方向952と集光方向954も、実質的に互いに垂直となる。
【0071】
本発明の実施例の偏光板の吸収軸方向922及び吸収軸方向924と、回折プレート910の回折方向912と、輝度向上フィルムの集光方向952との関係を示す模式図である
図9aを参照する。x軸を基準座標軸とし、偏光板の吸収軸方向922は45度であり、偏光板の吸収軸方向924は135度であり、回折方向912は45度である。本実施例において、輝度向上フィルムの集光方向952とx軸との夾角は、変量θ
4である。
【0072】
本発明の実施例の液晶ディスプレイ900の各夾角θ
4での、第1の偏光板の吸収軸方向922から観察した暗状態輝度を示す
図9bを参照する。即ち、
図9bは、観察者が天頂角45度と方位角45度から観察した暗状態輝度、及び天頂角45度と方位角−45度から観察した暗状態輝度を示す。本実施例において、偏光板の吸収軸方向における暗状態の光漏れの変化を検討する。
【0073】
まず、観察者が天頂角45度と方位角45度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図9bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
4が−15〜−70度の間又は15〜60度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向912と輝度向上フィルムの集光方向952との夾角は、−60〜−115度の間又は−30〜15度の間にある。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
4が−25〜−60度の間又は35〜50度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向912と輝度向上フィルムの集光方向952との夾角は、−70〜−105度又は−10〜5度の間にある。
【0074】
次に、観察者が天頂角45度と方位角315(−45度)度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図9bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
4が−20〜−65度の間又は15〜80度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、回折方向912と輝度向上フィルムの集光方向952との夾角が−110〜−65度の間又は−30〜35度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましい。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
4が−55〜−40度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向912と輝度向上フィルムの集光方向952との夾角は、−100〜−85度の間にある。
【0075】
しかしながら、人の目から見れば、ユーザーに明確な暗状態の変化現象を発見させないためには、1/2ΔDを暗状態の輝度標準とすることでもう十分であるため、本実施例は、1/2ΔDを液晶ディスプレイの暗状態の輝度標準とする。
【0076】
また、本実施例において、集光方向952と吸収軸方向922との夾角の暗状態の光漏れに対する影響を考慮すると、θ
4がちょうど集光方向952と吸収軸方向922との夾角でもあるため、吸収軸方向922と集光方向952との夾角が−115〜−60度の間又は−30〜15度の間にある場合(天頂角45度及び方位角45度での観察者に対して)、もしくは−110〜65度の間又は−30〜35度の間にある場合(天頂角45度及び方位角315度での観察者に対して)、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果が好ましい。
【0077】
注意すべきなのは、回折プレート910の回折方向が変わると、液晶ディスプレイの暗状態表現を好ましくすることのできる前記角度範囲も変わる。例えば、本発明の一実施例の液晶ディスプレイの偏光板の吸収軸方向922及び吸収軸方向924と、回折プレート910の回折方向912と、第1の輝度向上フィルムの集光方向952の関係を示す模式図である
図10aを参照する。そして回折方向912は、0度である。回折プレート910の回折方向912が0度になる場合、液晶ディスプレイ700の各夾角θ
4での暗状態輝度は、
図10bに示すようである。
【0078】
まず、観察者が天頂角(θ)45度と方位角45度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図10bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
4が15〜−50度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、回折方向912と輝度向上フィルムの集光方向952との夾角が15〜−50度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
4が0〜−40度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向912と輝度向上フィルムの集光方向952との夾角は、0〜−40度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
4が−5〜−30度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、回折方向912と輝度向上フィルムの集光方向952との夾角は、−5〜−30度の間にある。
【0079】
次に、観察者が天頂角45度と方位角315(−45度)度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図10bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
4が80〜130度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、回折方向912と輝度向上フィルムの集光方向952との夾角が80〜130度の間にある場合、液晶ディスプレイ900の暗状態表現が好ましい。
【0080】
また、回折方向912が0度であるこの実施例において、集光方向952と吸収軸方向922との夾角の暗状態の光漏れに対する影響を考慮すると、θ
4がちょうど集光方向952と吸収軸方向922との夾角でもあるため、吸収軸方向922と集光方向952との夾角が−95度〜−30度の間又は65度〜−125度の間にある場合(天頂角45度及び方位角45度での観察者に対して)、もしくは35度〜85度の間にある場合(天頂角45度及び方位角315度での観察者に対して)、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果が好ましい。
【0081】
本発明の他の実施例において、回折プレート910に、2つの回折方向(例えば、0度と45度)を同時に持たせてもよく、これにより、液晶ディスプレイの視野角の均一度をより好ましくする。この場合、液晶ディスプレイの暗状態の表示効果を改善するように、吸収軸方向922と集光方向952との夾角を−95〜−65度の間にしてよい。また、回折方向と吸収軸方向との夾角が45度と−45度である場合、ディスプレイの暗状態の分布傾向は類似であり、0度と90度の場合も類似であるため、任意の2つの組み合わせさえあれば、何れも適用できることを類推することができる。
【0082】
本発明の実施例4と実施例5から分かるように、本発明の実施例は、輝度向上フィルムの集光方向と回折プレートの回折方向との角度関係の設計を提供して、別々にVA液晶ディスプレイ及びTN液晶ディスプレイについて、偏光板の吸収軸方向の暗状態の光漏れ現象を改善する。しかしながら、液晶ディスプレイの種類(VA又はTN)又は回折プレートの回折方向(0又は45度)が限られない場合、回折プレートの回折方向と輝度向上フィルムの集光方向との夾角は、前記好ましい角度範囲の積集合であり、即ち、115〜60度及び−30〜15度の間にあってよい。例えば、回折プレートの回折方向と輝度向上フィルムの集光方向とは、実質的に垂直(約90度)又は実質的に平行(約0度)に設けられてよい。また、回折プレートが2つの回折方向を有する(例えば、2つの回折方向と第1の偏光板の吸収軸方向との夾角がそれぞれ45度及び0度である)如何なる液晶ディスプレイについて言えば、第1の偏光板の吸収軸方向と第1の輝度向上フィルムの集光方向との夾角角度は、自由に40度〜−5度、70度〜80度又は−95度〜−65度からなる角度範囲から選択される1つであってよい。
【実施例6】
【0083】
本発明の実施例による液晶ディスプレイ1100の構造を示す模式図である
図11を参照する。液晶ディスプレイ1100は、VA液晶ディスプレイであり、回折プレート1110と、第1の偏光板1120と、液晶パネル1130と、第2の偏光板1140と、第1の輝度向上フィルム1150と、第2の輝度向上フィルム1160と、バックライトモジュール1170と、を備える。本実施例において、液晶パネル1130は、液晶層1132と、薄膜トランジスタ基板1134と、カラーフィルタ1136とからなるが、本発明の実施例は、これに限定されない。
【0084】
回折プレート1110及び第1の偏光板1120は、液晶パネル1130の表面1130aの上方に設けられ、第1の偏光板1120は、回折プレート1110と液晶パネル1130との間にある。第2の偏光板1140、第1の輝度向上フィルム1150、第2の輝度向上フィルム1160、バックライトモジュール1170は、液晶パネル1130の表面1130bの下方に設けられ、表面1130aは表面1130bに対する反対側にある。また、本発明の実施例1に記載されたように、回折プレート1110は、第1の偏光板1120と液晶パネル1130との間に設けられてもよい。
【0085】
第1の偏光板1120は光線吸収軸方向1122を有し、第2の偏光板1140は光線吸収軸方向1124を有する。光線吸収軸方向1122と光線吸収軸方向1124は、実質的に互いに垂直となる。第1の輝度向上フィルム1150は集光方向1152を有し、第2の輝度向上フィルム1160は集光方向1154を有する。集光方向1152と集光方向1154も、実質的に互いに垂直となる。
【0086】
本発明の実施例の偏光板の吸収軸方向1122及び吸収軸方向1124と、回折プレート1110の回折方向1112と、第1の輝度向上フィルム1150集光方向1152との関係を示す模式図である
図11aを参照する。x軸を基準座標軸とし、例えば、第1の偏光板1120の吸収軸方向1122は、0度と180度を表し、第2の偏光板1140の吸収軸方向1124は、90と−90度を表す。本実施例において、回折方向1112は45度であり、輝度向上フィルムの集光方向1152と偏光板の吸収軸方向1122との夾角は、変量θ
5である。
【0087】
本発明の実施例の液晶ディスプレイ1100の各夾角θ
5での、偏光板の吸収軸方向±45度の視野角から観察した暗状態輝度を示す
図11bを参照する。即ち、
図11bは、観察者が天頂角45度と方位角45度から観察した暗状態輝度、及び天頂角45度と方位角315度から観察した暗状態輝度を示す。本実施例において、偏光板の吸収軸方向におけない暗状態の光漏れの変化を検討する。
【0088】
まず、観察者が天頂角(θ)45度と方位角45度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図11bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が−25〜115度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角が−25〜115度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が0〜80度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角は、0〜80度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が15〜75度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角は、15〜75度の間にある。
【0089】
次に、観察者が天頂角45度と方位角315(−45度)度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図11bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が65〜205度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角が65〜−205度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が100〜175度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角は、100〜175度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が115〜170度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角は、115〜170度の間にある。
【0090】
しかしながら、人の目から見れば、ユーザーに明確な暗状態の変化現象を発見させないためには、1/2ΔDを暗状態の輝度標準とすることでもう十分であるため、本実施例は、1/2ΔDを液晶ディスプレイの暗状態の輝度標準とする。
【0091】
また、液晶ディスプレイ1100について言えば、回折プレート1110の回折方向1112が45度である場合、天頂角45度と方位角45度での観察者、及び天頂角45度と方位角315度での観察者の暗状態効果に対する要求を同時に満たすには、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角を、−25〜25度の間又は65〜115度の間となるように設計する。その理由としては、65度〜205度の間における輝度変化と−115度〜25度の間における輝度変化は、同じ(境目としての180度を除き、左右両辺の輝度曲線が同じ)であるため、−115度〜25度の範囲と−25度〜115度の範囲の積集合を求めると、−25〜25度の間又は65〜115度の間の範囲を得ることができる。
【0092】
注意すべきなのは、回折プレート1110の回折方向が変わると、液晶ディスプレイの暗状態表現を好ましくすることのできる前記角度範囲も変わる。例えば、本発明の一実施例の液晶ディスプレイの偏光板の吸収軸方向1122及び吸収軸方向1124と、回折プレート1110の回折方向1112と、第1の輝度向上フィルムの集光方向1152との関係を示す模式図である
図12aを参照する。そして回折方向1112は、0度である。回折プレート1110の回折方向1112が0度になる場合、液晶ディスプレイ1100の各夾角θ
5での暗状態輝度は、
図12bに示すようである。
【0093】
まず、観察者が天頂角(θ)45度と方位角45度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図12bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が−25〜120度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角が−25〜120度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が10〜115度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角は、10〜115度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が15〜85度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角は、15〜85度の間にある。
【0094】
次に、観察者が天頂角45度と方位角315(−45度)度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図12bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が70〜210度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角が70〜210度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が70〜175度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角が70〜175度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
5が100〜165度の間にある場合、液晶ディスプレイ1100の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角は、100〜165度の間にある。
【0095】
また、液晶ディスプレイ1100について言えば、回折プレート1110の回折方向1112が0度である場合、天頂角45度と方位角45度での観察者、及び天頂角45度と方位角315度での観察者の暗状態効果に対する要求を同時に満たすには、集光方向1152と吸収軸方向1122との夾角を、−25〜20度の間又は70〜120度の間となるように設計する。また、回折方向と吸収軸方向との夾角が45度と−45度である場合、ディスプレイの暗状態の分布傾向は類似であり、0度と90度の場合も類似であるため、任意の2つの組み合わせさえあれば、何れも適用できることを類推することができる。
【0096】
本実施例に記載したものをまとめると、液晶ディスプレイ1100について言えば、各視野角での観察者を満たすには、液晶ディスプレイ1100の輝度向上フィルムの集光方向1152と偏光板の吸収軸方向1122との夾角を、−25〜20度の間又は70〜115度の間となるように設計する。
【実施例7】
【0097】
本発明の実施例による液晶ディスプレイ1300の構造を示す模式図である
図13を参照する。液晶ディスプレイ1300は、TN液晶ディスプレイであり、回折プレート1310と、第1の偏光板1320と、液晶パネル1330と、第2の偏光板1340と、第1の輝度向上フィルム1350と、第2の輝度向上フィルム1360と、バックライトモジュール1370と、を備える。本実施例において、液晶面1330は、液晶層1332と、薄膜トランジスタ基板1334と、カラーフィルタ1336とからなるが、本発明の実施例は、これに限定されない。
【0098】
回折プレート1310及び第1の偏光板1320は、液晶パネル1330の表面1330aの上方に設けられ、第1の偏光板1320は、回折プレート1310と液晶パネル1330との間にある。第2の偏光板1340、第1の輝度向上フィルム1350、第2の輝度向上フィルム1360及びバックライトモジュール1370は、液晶パネル1330の表面1330bの下方に設けられ、表面1330aは表面1330bに対する反対側にある。また、本発明の実施例1に記載されたように、回折プレート1310は、第1の偏光板1320と液晶パネル1330との間に設けられてもよい。
【0099】
第1の偏光板1320は光線吸収軸方向1322を有し、第2の偏光板1340は光線吸収軸方向1324を有する。光線吸収軸方向1322と光線吸収軸方向1324は、実質的に互いに垂直となる。第1の輝度向上フィルム1350は集光方向1352を有し、第2の輝度向上フィルム1360は集光方向1354を有する。集光方向1352と集光方向1354も、実質的に互いに垂直となる。
【0100】
本発明の実施例の偏光板の吸収軸方向1322及び吸収軸方向1324と、回折プレート1310の回折方向1312と、輝度向上フィルムの集光方向1352との関係を示す模式図である
図13aを参照する。x軸を基準座標軸とし、偏光板の吸収軸方向1322は45度であり、偏光板の吸収軸方向1324は135度であり、回折方向1312は45度である。本実施例において、輝度向上フィルムの集光方向1352とx軸との夾角は、変量θ
6である。
【0101】
本発明の実施例の液晶ディスプレイ1300の各夾角θ
6での、偏光板の吸収軸方向±45度の視野角から観察した暗状態輝度を示す
図13bを参照する。即ち、
図13bは、観察者が天頂角45度と方位角0度から観察した暗状態輝度、及び天頂角45度と方位角270度から観察した暗状態輝度を示す。本実施例において、偏光板の吸収軸方向におけない暗状態の光漏れの変化を検討する。
【0102】
まず、観察者が天頂角(θ)45度と方位角0度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図13bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が−70〜75度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角が−115〜30度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が40〜−70度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角は、−5〜−115度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が35〜−40度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角は、−10〜−85度の間にある。
【0103】
次に、観察者が天頂角45度と方位角270度(−90度)から観察した暗状態輝度を考慮する。
図13bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が25〜160度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角が−20〜115度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が55〜135度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角は、10〜90度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が60〜125度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角は、15〜80度の間にある。
【0104】
しかしながら、人の目から見れば、ユーザーに明確な暗状態の変化現象を発見させないためには、1/2ΔDを暗状態の輝度標準とすることでもう十分であるため、本実施例は、1/2ΔDを液晶ディスプレイの暗状態の輝度標準とする。
【0105】
また、液晶ディスプレイ1300について言えば、回折プレート1310の回折方向1312が45度である場合、天頂角45度と方位角0度での観察者、及び天頂角45度と方位角270度での観察者の暗状態効果に対する要求を同時に満たすには、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角を、−115〜−25度の間又は−20〜15度の間となるように設計する。
【0106】
注意すべきなのは、回折プレート1310の回折方向が変わると、液晶ディスプレイの暗状態表現を好ましくすることのできる前記角度範囲も変わる。例えば、本発明の一実施例の液晶ディスプレイの偏光板の吸収軸方向1322及び吸収軸方向1324と、回折プレート1310の回折方向1312と、第1の輝度向上フィルムの集光方向1352との関係を示す模式図である
図14aを参照する。そして回折方向1312は、0度である。回折プレート1310の回折方向1312が0度になる場合、液晶ディスプレイ1300の各夾角θ
6での暗状態輝度は、
図14bに示すようである。
【0107】
まず、観察者が天頂角(θ)45度と方位角0度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図14bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が−70〜75度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角が−115〜30度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が−70〜35度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角は、−115〜−10度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が−40〜20度間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角は、−85〜−25度の間にある。
【0108】
次に、観察者が天頂角45度と方位角315度から観察した暗状態輝度を考慮する。
図14bから分かるように、1/2ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が25〜160度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。即ち、偏光板の吸収軸方向が固定されて動かず、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角が−20〜−115度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましい。また、1/4ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が55〜135度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角は、10〜90度の間にある。また、1/8ΔDを暗状態標準とすると、θ
6が60〜125度の間にある場合、液晶ディスプレイ1300の暗状態表現が好ましいことが発見できる。この時、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角は、15〜80度の間にある。
【0109】
また、液晶ディスプレイ1300について言えば、回折プレート1310の回折方向1312が0度である場合、天頂角45度と方位角0度での観察者、及び頂角45度と方位角270度での観察者の暗状態効果に対する要求を同時に満たすには、集光方向1352と吸収軸方向1322との夾角を、−115〜−65度の間又は−20〜30度の間となるように設計する。また、回折方向と吸収軸方向との夾角が45度と−45度である場合、ディスプレイの暗状態の分布傾向は類似であり、0度と90度の場合も類似であるため、任意の2つの組み合わせさえあれば、何れも適用できることを類推することができる。
【0110】
本実施例に記載したものをまとめると、液晶ディスプレイ1300について言えば、各視野角での観察者を満たすには、液晶ディスプレイ1300の輝度向上フィルムの集光方向1352と偏光板の吸収軸方向1322との夾角を、−115〜−25度の間又は−20〜15度の間となるように設計する。
【0111】
本発明の実施例6と実施例7から分かるように、本発明の実施例は、輝度向上フィルムの集光方向と回折プレートの回折方向との角度関係の設計を提供して、別々にVA液晶ディスプレイ及びTN液晶ディスプレイについて、偏光板の吸収軸方向±45度での暗状態の光漏れ現象を改善する。しかしながら、液晶ディスプレイの種類(VA又はTN)又は回折プレートの回折方向(0又は45度)が限られない場合、回折プレートの回折方向と輝度向上フィルムの集光方向との夾角は、前記好ましい角度範囲の積集合であり、即ち、−20〜15度の間及び70〜115度の間にあってよい。
本発明の実施例によると、この液晶ディスプレイは、液晶表示パネルと、回折プレートと、第1の偏光板と、第2の偏光板と、第1の輝度向上フィルムと、第2の輝度向上フィルムと、を備える。液晶表示パネルは、液晶層を含む。回折プレートは、液晶表示パネル上の第1の表面に設けられ、少なくとも1つの回折方向を有する。第1の偏光板は、液晶表示パネルと回折プレートとの間に設けられ、第1の吸収軸を有する。第2の偏光板は、第1の表面に対する反対側にある液晶表示パネルの第2の表面に設けられ、第1の吸収軸と実質的に互いに垂直となる第2の吸収軸を有する。第1の輝度向上フィルム(Brightness Enhancement Film;BEF)は、第1の集光方向を有し、液晶表示パネルとの間に第2の偏光板が設けられている。第2の輝度向上フィルムは、第1の集光方向と実質的に互いに垂直となる第2の集光方向を有し、第2の偏光板との間に第1の輝度向上フィルムが設けられている。回折方向と第1の集光方向とは、実質的に互いに平行又は垂直となる。
本発明の一実施例によると、この液晶ディスプレイは、液晶表示パネルと、回折プレートと、第1の偏光板と、第2の偏光板と、第1の輝度向上フィルムと、第2の輝度向上フィルムと、を備える。液晶表示パネルは、液晶層を含む。回折プレートは、液晶表示パネル上の第1の表面に設けられ、少なくとも1つの回折方向を有する。第1の偏光板は、液晶表示パネルと回折プレートとの間に設けられ、第1の吸収軸を有する。第2の偏光板は、第1の表面に対する反対側にある液晶表示パネルの第2の表面に設けられ、第1の吸収軸と実質的に互いに垂直となる第2の吸収軸を有する。第1の輝度向上フィルムは、第1の集光方向を有し、液晶表示パネルとの間に第2の偏光板が設けられている。第2の輝度向上フィルムは、第1の集光方向と実質的に互いに垂直となる第2の集光方向を有し、第2の偏光板との間に第1の輝度向上フィルムが設けられている。第1の回折方向と第1の集光方向が挟む角度は、−110度〜−65度又は−30度〜20度の範囲内にある。
本発明の一実施例によると、この液晶ディスプレイは、液晶表示パネルと、回折プレートと、第1の偏光板と、第2の偏光板と、第1の輝度向上フィルムと、第2の輝度向上フィルムと、を備える。液晶表示パネルは、液晶層を含む。回折プレートは、液晶表示パネル上の第1の表面に設けられ、少なくとも1つの回折方向を有する。第1の偏光板は、液晶表示パネルと回折プレートとの間に設けられ、第1の吸収軸を有する。第2の偏光板は、第1の表面に対する反対側にある液晶表示パネルの第2の表面に設けられ、第1の吸収軸と実質的に互いに垂直となる第2の吸収軸を有する。第1の輝度向上フィルムは、第1の集光方向を有し、液晶表示パネルとの間に第2の偏光板が設けられている。第2の輝度向上フィルムは、第1の集光方向と実質的に互いに垂直となる第2の集光方向を有し、第2の偏光板との間に第1の輝度向上フィルムが設けられている。第1の回折方向と第1の集光方向が挟む角度は、−115度〜−60度又は−30度〜15度の範囲内にある。
本発明の一実施例によると、この液晶ディスプレイは、液晶表示パネルと、回折プレートと、第1の偏光板と、第2の偏光板と、第1の輝度向上フィルムと、第2の輝度向上フィルムと、を備える。液晶表示パネルは、液晶層を含む。回折プレートは、液晶表示パネル上の第1の表面に設けられ、少なくとも1つの回折方向を有する。第1の偏光板は、液晶表示パネルと回折プレートとの間に設けられ、第1の吸収軸を有する。第2の偏光板は、第1の表面に対する反対側にある液晶表示パネルの第2の表面に設けられ、第1の吸収軸と実質的に互いに垂直となる第2の吸収軸を有する。第1の輝度向上フィルムは、第1の集光方向を有し、液晶表示パネルとの間に第2の偏光板が設けられている。第2の輝度向上フィルムは、第1の集光方向と実質的に互いに垂直となる第2の集光方向を有し、第2の偏光板との間に第1の輝度向上フィルムが設けられている。第1の吸収軸と第1の集光方向とは、実質的に互いに平行又は垂直となる。
本発明の一実施例によると、この液晶ディスプレイは、液晶表示パネルと、回折プレートと、第1の偏光板と、第2の偏光板と、第1の輝度向上フィルムと、第2の輝度向上フィルムと、を備える。液晶表示パネルは、液晶層を含む。回折プレートは、液晶表示パネル上の第1の表面に設けられ、少なくとも1つの回折方向を有する。第1の偏光板は、液晶表示パネルと回折プレートとの間に設けられ、第1の吸収軸を有する。第2の偏光板は、第1の表面に対する反対側にある液晶表示パネルの第2の表面に設けられ、第1の吸収軸と実質的に互いに垂直となる第2の吸収軸を有する。第1の輝度向上フィルムは、第1の集光方向を有し、液晶表示パネルとの間に第2の偏光板が設けられている。第2の輝度向上フィルムは、第1の集光方向と実質的に互いに垂直となる第2の集光方向を有し、第2の偏光板との間に第1の輝度向上フィルムが設けられている。第1の吸収軸方向と第1の集光方向が挟む角度は、−25度〜20度、70度〜115度、−115度〜−25度及び−20度〜15度の範囲内にある。
【0112】
本発明は、複数の実施例によって、上記のように開示されたが、それは本発明を限定するものではなく、本発明の技術分野において、当業者なら誰でも、本発明の精神と範囲から逸脱しない範囲内で、多種の変更や修飾を加えることができるため、本発明の保護範囲は、後の請求の範囲に規定されたものに準ずる。