特許第6116069号(P6116069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6116069
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】医療機器電極
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/04 20060101AFI20170410BHJP
   A61N 1/39 20060101ALI20170410BHJP
   A61B 5/0408 20060101ALI20170410BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20170410BHJP
   A61B 5/0492 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   A61N1/04
   A61N1/39
   A61B5/04 300J
【請求項の数】17
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-528431(P2014-528431)
(86)(22)【出願日】2012年8月15日
(65)【公表番号】特表2014-527865(P2014-527865A)
(43)【公表日】2014年10月23日
(86)【国際出願番号】US2012050926
(87)【国際公開番号】WO2013032710
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2015年8月11日
(31)【優先権主張番号】61/530,043
(32)【優先日】2011年9月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/558,905
(32)【優先日】2012年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504242032
【氏名又は名称】ゾール メディカル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Medical Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】エルガザウィ、ジアド エフ.
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン、ゲイリー エイ.
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2001/058522(WO,A1)
【文献】 特開平04−227229(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0040217(US,A1)
【文献】 特開2010−075701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/04 − A61N 1/05
A61B 5/04
A61B 5/0478 − A61B 5/0496
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリであって、
対象者を外部から除細動するための電極と、
前記電極アセンブリの中に含まれたカメラであり、前記カメラは前記対象者の胸部の少なくとも一部の画像を撮るように構成され、前記画像は前記対象者の胸部に対する前記電極アセンブリの位置を判断するのに十分な情報を有する、前記カメラと、
を備える電極アセンブリ
【請求項2】
前記対象者の胸部に貼り付けるために、前記電極アセンブリの前記位置に関連する前記画像情報に基づいて、該電極アセンブリが適切に位置決めされているかどうかを示す情報を提供するように構成されている1つまたは複数のインジケータをさらに備える、請求項1に記載の電極アセンブリ
【請求項3】
前記1つまたは複数のインジケータが、前記電極の正しい位置決めを示す情報を提供するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオードを備える、請求項2に記載の電極アセンブリ
【請求項4】
前記1つまたは複数のインジケータが、前記電極の正しい位置決めを示す情報を提供するように構成されているディスプレーを備える、請求項2または3に記載の電極アセンブリ
【請求項5】
前記電極の正しい位置決めを示す情報を提供するように構成されているスピーカをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項6】
前記1つまたは複数のインジケータが、
前記電極アセンブリが前記対象者の頭部に向けて移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第1の発光ダイオードと、
該電極アセンブリが該対象者の足に向けて移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第2の発光ダイオードと、
該電極アセンブリが左に移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第3の発光ダイオードと、
該電極アセンブリが右に移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第4の発光ダイオードと
を備える、請求項2から5のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項7】
前記カメラが、ビデオ画像情報を発生させるように構成されている、請求項2から6のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項8】
前記カメラが、画像情報を発生させるように構成されている、請求項2から6のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項9】
前記電極の第1の導電性のエレメントであって、電気的な除細動パルスを除細動デバイスから受け入れ、導電性のエレメント全体に該電気的な除細動パルスを広げるように構成されている、第1の導電性のエレメントと、
該第1の導電性のエレメントから分離しており、前記対象者の胸部との電気的接触を提供するように構成されている、該電極の第2の導電性のエレメントと、
該電極の該第1の導電性のエレメントに接続されている、該電極アセンブリの第1の導線と、
該電極の該第2の導電性のエレメントに接続されている、該電極アセンブリの第2の導線であって、該電極アセンブリの該第1および第2の導線が、出力を提供し、該出力から、該電極が該対象者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報を得ることが可能である、該電極の第2の導線と
をさらに備える、請求項2から8のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項10】
前記第1の導線が前記対象者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す前記情報が、インピーダンス情報を備える、請求項9に記載の電極アセンブリ
【請求項11】
前記第1の導線が前記対象者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す前記情報が、抵抗値の情報を備える、請求項9に記載の電極アセンブリ
【請求項12】
複数のECG電極をさらに備える、請求項2から11のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項13】
非導電性台紙層をさらに備える、請求項2から12のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項14】
前記対象者の前記胸部と電気的接触をし、その表面のうちの他方において、第1の導電性のエレメントの露出された表面と電気的接触をするように構成されている導電性層をさらに備える、請求項2から13のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項15】
除細動デバイスとともに使用するためのセンサーであって、該センサーは、出力を提供し、該出力から、CPR胸部圧迫の深さについての情報を得ることが可能である、センサーをさらに備える、請求項2から14のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項16】
除細動デバイスとともに使用するためのセンサーであって、該センサーは、出力を提供し、該出力から、CPR胸部圧迫中の前記胸部に対する圧迫の深さについての情報を得ることが可能である、センサーをさらに備える、請求項2から14のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【請求項17】
除細動デバイスとともに使用するためのセンサーであって、該センサーは、出力を提供し、該出力から、CPR胸部圧迫の速度についての情報を得ることが可能である、センサーをさらに備える、請求項2から14のいずれか一項に記載の電極アセンブリ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
傷病者への電極の貼付をテストするための心臓の治療電極および技法が、本明細書で説明されている。
【背景技術】
【0002】
体外式除細動器は、1対の「ハンズフリー」の使い捨て電極を含むことが多く、それは、心臓事象を有する対象者の皮膚に付着される(すなわち、経皮的に使用される)本質的に可撓性のパッドである。ハンズフリーの電極は、除細動中に救助者によって保持されるパドルというよりも、対象者に付着されるタイプのものであり得る。ハンズフリーの使い捨て電極は、典型的に、非導電性台紙層と、金属(例えば、錫または銀)の薄いシート、または、基材の上に印刷された導電性インク(例えば、塩化銀)から形成された導電性層と、電流がジェルを通って対象者の身体へ流れるように導電性の層をカバーする、液体または固体の導電性のジェルとを含む。ジェルと電流が送達される対象者の身体との間の接触範囲は、本明細書では、「処置範囲」と称されている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】救急医療状況に対応するためのシステムの概略図。
図2A】組み立てられた電極パッケージの外部の概略図。
図2B】開けた後のパッケージの内容物の概略図。
図3】電極のうちの1つの概略図。
図4】対象者に取り付けた後の電極の概略図。
図5】対象者への電極の取り付けをテストするための工程のフローチャート。
図6】対象者への電極の取り付けをテストするための工程のフローチャート。
図7】電極の概略図。
図8A】対象者に取り付ける前の電極の概略図。
図8B】対象者に取り付ける前の電極の概略図。
図8C】対象者に取り付ける前の電極の概略図。
図9】対象者への電極の取り付け前に、救助者に位置決め情報を提供するための工程のフローチャート。
図10】位置決め情報を提供するための工程のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0004】
いくつかの態様では、電極は、対象者の胸部に対する電極の位置に関連する画像情報を発生させるように構成されているカメラを含む。
いくつかの態様では、方法は、電極の中のカメラから画像情報を受信する工程と、画像情報に基づいて電極の位置についての情報を決定する工程と、電極の位置決めに関連する表示を提供する工程とを含むことが可能である。
【0005】
いくつかの態様では、デバイスは、電子インターフェースを含むことが可能であり、電子インターフェースは、電極の中のカメラから画像情報を受信し、画像情報が、対象者の胸部に対する電極の位置についての情報を得ることが可能な情報を提供し、かつ、受信された画像情報に基づいて電極の位置決めについて救助者にフィードバックを提供するように配置されている。
【0006】
いくつかの態様では、デバイスが、除細動デバイスとともに使用するための第1の治療電極を含む。第1の治療電極が、第1の治療電極の第1の導電性エレメントを含み、第1の治療電極の第1の導電性エレメントは、除細動デバイスから電気的な除細動パルスを受
け入れ、導電性エレメント全体に電気的パルスを広げるように構成されており、第1の治療電極の第1の導電性エレメントから、電気的パルスが患者の胸部に送達され、第1の治療電極が、第1の治療電極の第2の導電性エレメントを含み、第1の治療電極の第2の導電性エレメントは、第1の導電性エレメントから分離しており、患者の胸部との電気的接触を提供するように構成されている。また、第1の治療電極は、第1の治療電極の第1の導電性エレメントに接続されている、第1の治療電極の第1の導線と、第1の治療電極の第2の導電性エレメントに接続されている、第1の治療電極の第2の導線とを含むことも可能であり、第1の治療電極の第1および第2の導線が、出力を提供し、出力から、第1の治療電極が患者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報を得ることが可能である。
【0007】
いくつかの追加的な態様では、方法が、第1の治療電極の第1の導電性エレメントと第2の導電性エレメントとの間のインピーダンスを決定する工程と、コンピューティング・デバイスによって、インピーダンスを閾値と比較し、第1の治療電極が患者の胸部に貼り付けられているかどうかを決定する工程とを含む。
【0008】
本発明の他の特徴および利点は、図面、詳細な説明、および特許請求の範囲から明らかになろう。
図1は、傷病者102の救急医療状況に対応するためのシステム100を示している。一般的に、システム100は救急状態の傷病者102に与えられる現場でのケアを監視するための様々な携帯用デバイスを含む。この例の救助者114は、タッチスクリーン・タブレット116の形式のコンピューティング・デバイスと情報のやりとりを行っており、タッチスクリーン・タブレット116は、グラフィック・ディスプレーを含み、グラフィック・ディスプレーによって、救助者114に情報を報告し、かつ、タッチスクリーン・タブレット116は、キーボードまたはタッチスクリーンなどのような入力メカニズムを有することが可能であり、それによって、救助者114は、システム100の中へデータを入力することが可能である。また、タブレット116は、3Gまたは4Gチップセットなどのような無線ネットワークと通信するための無線トランシーバを含むことも可能であり、3Gまたは4Gチップセットは、セルラー・データ・ネットワークにわたって、および、さらにインターネットを通して、長距離通信を可能にする。
【0009】
それとは別に、携帯用除細動器112が、展開された状態で示されており、傷病者102に接続されている。除細動を提供することに加えて、除細動器112は、様々なセンサーまたはセンサー・パッケージを介して、対象者監視装置としての機能を果たすことが可能である。例えば、ここで示されているように、除細動器112に接続されている電極108が、傷病者102に貼付されており、傷病者102に細動除去を行おうとするために、電気ショック・パルスが、電極に提供され得るようになっており、心電図(ECG)信号が、傷病者102から読み取られることが可能である。携帯用除細動器の使用のさらなる例は、例えば、2012年2月16日に出願された「Coordinated Resuscitation Perfusion Support」という発明の名称の13/398,280に説明されており、その内容は、本願明細書に援用する。除細動器は、除細動器に格納されている1組の構成にしたがって作動する。除細動器112は、加速度計アッセンブリ110を含むことが可能であり、加速度計アッセンブリ110は、CPR圧迫によって引き起こされる垂直方向の変位を特定し、測定された変位に基づいて救助者にフィードバックを提供するように構成されている。除細動器には、追加的に、呼吸バッグ(ventilation bag)104が設けられることが可能であり、呼吸バッグ104は、呼吸が傷病者に起こる速度を特定するために、空気フロー・センサー106を含む。除細動器112は、短距離無線データ接続を通してタブレット116と通信し、タブレット116に状態情報を提供することが可能であり、状態情報は、電極アッセンブリ108を通して受信する情報などのようなものであり、傷病者102に関するECG情
報を含む。また、除細動器112は、胸部圧迫に関する深さおよび速度の情報などのような、胸部圧迫の性能についての情報を送信することが可能である。
【0010】
図1に示されている除細動器112などのような除細動器は、2つの電極108を利用することが多く、2つの電極108は、一般に、ステルナム(sternum)電極およびアペックス(apex)電極と称される。電極108は、傷病者にショックを送達するように構成されたハンズフリー電極であることが可能である。ショックを送達するために、電流経路が、電極と傷病者との間に形成される。本明細書で説明されているシステムおよび方法は、電極108が傷病者102に適切に貼り付けられ、電極108と傷病者102との間にそのような電流経路を提供するかどうかを示す情報を提供する。電極108が適切に貼り付けられ、除細動器112と傷病者102との間に電流経路を形成するかどうかについての情報を救助者114に提供することは、除細動ショックの送達の前に、救助者114が、先手を打って、電極108を再取り付けするのを可能にするという利点を提供することが可能である。
【0011】
図2Aは、本発明の例示的な実施形態による、多芯導線20およびラベル12を備える、組み立てられた電極パッケージ10を示している。矢印ラベル18において、緩んだフラップ16を掴むことによって、および、上部フラップを剥ぎ取ることによって、パッケージが開けられる。フラップが引き離されると、解放式の周辺接着剤14が分離する。
【0012】
図2Bは、本発明の例示的な実施形態による、電極パッケージ10から取り外した後の、電極50aおよび50b、加速度計60、ならびに、スチレン・シート40の図を示している。パッケージが開けられる前に、スチレン・シート40は、折り畳み線51に沿って、閉じた本の形式に折り畳まれており、電極50aおよび50b、ならびに、加速度計60は、内部に面する本の表面に、剥がし得るように取り付けられている。パッケージを開けると、本が開かれ、電極および加速度計が、図2Bに示されているように、使用者に提示されるようになっている。
【0013】
ある実施形態では、電極50aおよび50bは、タブ42aおよび42bを使用してスチレン・シート40から剥がされ、対象者の胸部に貼付されるように設計されている。また、加速度計60は、シート40から剥がされ、CPR圧迫が与えられる胸骨の場所において、対象者の胸部の正面に貼付される。加速度計は、除細動器の中の電子部品と連動し、CPRの間の圧迫の深さを決定する。ECG電極(図示せず)は、電極50aまたは50b(それぞれが、電極の三角形形状のおおよそ角部に位置付けされている)のうちの1つの中に組み込まれている。ラベル45aおよび45bは、電極および加速度計を取り付けるための方法について使用者に指示する。それぞれの電極は、除細動器に接続するためのコネクター(図示せず)へ延在するワイヤ・リード線49aおよび49bを有している。加速度計からのリード線62、および、ECG電極(図示せず)からのリード線も、同じコネクター(図示せず)へ延在している。リード線のすべてが、1つの多芯リード線20(図1)の中で一緒に接合されている。
【0014】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、シート40から取り外された後の電極50aの上部表面を示している(例えば、対象者の皮膚の表面に取り付けられるように構成されている電極50aの側部)。電極50aは、2つの導電性の(例えば、金属製の)コンポーネント46aおよび48aを含む。コンポーネント46aは、除細動器から除細動パルスを受信し、導電性のエレメント全体に電気的パルスを広げるように構成されており、導電性のエレメントから、電気的パルスは、対象者の胸部へ送達される。コンポーネント48aは、テスト用接点であり、テスト用接点は、第1の治療電極が対象者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報を提供するように構成されており、情報は、2つのコンポーネント46aおよび48aの間のインピーダンスの測定によって得ることが可能で
ある。
【0015】
電極50aは、非導電性の部分を含み、非導電性の部分は、導電性のコンポーネント46aの一部分を包んでいる。非導電性部分の中に包まれていない導電性のコンポーネント46aのそれらの部分は、電極50aの上部表面(対象者の側)にあり、導電性のコンポーネント46aと対象者との間にある電解質(図示せず)を介して電流を対象者へ送達する。したがって、これらの部分は、本明細書で、「電流送達表面」と称することが可能である。
【0016】
導電性のコンポーネント46aは、処置範囲が、少なくとも15平方センチメートル(2.33平方インチ)であり、小児用電極として45平方センチメートル(6.98平方インチ)の2つの電極(ステルナム電極およびアペックス電極)に関係する併用(combined)処置範囲を備えるように構成されることが可能であり、また、処置範囲が、50平方センチメートル(7.75平方インチ)であり、少なくとも150平方センチメートル(23.25平方インチ)の2つの電極(ステルナム電極およびアペックス電極)に関係する併用処置範囲を備えるように構成されることが可能である。例えば、導電性のコンポーネントは、AAMI DF−80および国際仕様にしたがって構成されることが可能である。例えば、ある実施形態では、それぞれの小児用電極に関係する処置範囲は、22.5平方センチメートル(7.56平方インチ)であり、すべての他の電極に関して、電極当たり75平方センチメートル(11.63平方インチ)である。処置範囲の外側の範囲(それは、非導電性材料から構成される)は、電極の外側縁部への電流の水平方向の放電を防止し、かつ、接着リングの取り付けを可能にするのに十分な寸法であるべきであり、ヒドロゲルなどのような連結層が接着リングに取り付けられる。導電性のコンポーネント、処置範囲、および、複合構造体の例示的な寸法(長さおよび幅)は、例えば、2010年6月28日に出願された「Defibrillation Electrodes」という発明の名称の米国特許出願第12/825、143号明細書に説明されており、その内容は、本願明細書に援用する。
【0017】
上述のように、電極50aは、テスト用接点48aも含む。テスト用接点48aおよび48bは、サイズが標準的なECGモニタリング電極と同様であることが可能である。テスト用接点48aは、電極50aの上部表面(対象者の側)にあり、非導電性部分の中に包まれてはいない。したがって、電極50aを対象者に取り付けた後で、電極50aは、テスト用接点48aと対象者との間にある電解質(図示せず)を介して対象者に接触している。テスト用接点は、金属または別の導電性材料から形成され、電圧または電流を測定するために使用することが可能である。導線が、テスト用接点48aから延在している。
【0018】
電極50bの構造は、電極50aの構造と同様であり、したがって、別個の図は提供されない。
作動時に、図4に示されているように、導電性のコンポーネント46aとテスト用接点48aとの間で測定されるインピーダンスは、(例えば、図4に示されているようなノード「a」および「b」の間のインピーダンスを測定することによって、)電極50aが対象者に十分に取り付けられているかどうかを決定するために使用されることが可能である。より具体的には、電極50aが対象者に十分に取り付けられていない(例えば、対象者の皮膚に接触していない)ときには、導電性のコンポーネント46aとテスト用接点48aとの間のインピーダンスは、電極50aが対象者に十分に取り付けられているときよりも、かなり高くなることとなる。例えば、10キロオームよりも大きいインピーダンスは、電極が対象者に十分に取り付けられていないということを示している可能性がある。より具体的には、電極が適当に取り付けられていないときには、対象者の身体を通る電流経路は存在しない。むしろ、空気および/または非導電性材料が、2つの電極を分離している可能性があり、結果として高いインピーダンス(例えば、10キロオームよりも大きい
)を生じさせる。
【0019】
いくつかの例では、10キロオームよりも小さいインピーダンスが、導電性のコンポーネント46aとテスト用接点48aとの間で測定された場合、システムは、電極が対象者に取り付けられているということを決定することが可能である。例えば、導電性のコンポーネント46aとテスト用接点48aとの間での1キロオームから10キロオームのインピーダンス測定値は、対象者への電極の適正な取り付けを示している可能性がある。したがって、導電性のコンポーネント46aとテスト用接点48aとの間のインピーダンスを測定することによって、システムは、電極50aが正しく取り付けられているかどうかを決定することが可能であり、かつ、電極の取り付けに関して、使用者へフィードバックを提供することが可能である(例えば、使用者が電極を正しく取り付けており、対象者の処置を継続することができるかどうか、または、対象者に電極を正しく固定するために、救助者が、さらなる行動をとる必要があるかどうか)。
【0020】
同様に、インピーダンスは、導電性のコンポーネント46bと電極50bのテスト用接点48bとの間(例えば、ノード「c」および「d」の間)で測定されることが可能であり、電極50bが対象者に十分に取り付けられているかどうかを決定し、適当なフィードバックが救助者に提供されることが可能である。
【0021】
いくつかの例では、対象者への電極50aおよび50bのそれぞれの取り付けをテストすることに加えて、2つの電極の間の電流フローもテストすることが可能である。例えば、両方の電極の取り付けの後で、インピーダンスが、電極50aおよび50bの導電性のコンポーネント46aおよび46bの間(例えば、ノード「a」および「c」の間)で測定されることが可能である。測定されたインピーダンス値に基づいて、システムは、電極と対象者との間に適正な接触が存在するかどうかを決定することが可能である。例えば、導電性のコンポーネント46aまたは46bの小さい部分だけが対象者の皮膚に接触している(例えば、電極は、対象者の皮膚の上にさらに押し付けられる必要がある)場合には、2つの導電性のコンポーネント46aおよび46bの間の抵抗値は、より大きくなることとなる。例えば、導電性のコンポーネント46aおよび46bの間での300オームよりも小さいインピーダンスの測定値は、対象者への電極の適正な取り付けを示している可能性がある。より高いインピーダンスが測定された(かつ、導電性のコンポーネントとテスト用電極との間の測定値に基づいて、両方の電極が、対象者に貼付されたということを、システムが決定した)場合には、システムは、対象者の皮膚とのより良好な接触を形成させるために、電極を平らにし、または、よりしっかりと電極の上を押すように、救助者に指示することが可能である。
【0022】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、対象者への電極の取り付けをテストするための、および、電極の取り付けに関して救助者へフィードバックを提供するための工程100のフローチャートである。電極が除細動デバイスに取り付けられた後、除細動デバイスは、タイマーを初期化し(502)、救助者に、第1の電極を貼付して押し付けるように指示する(504)。例えば、除細動デバイスは、台紙からの電極の適正な取り外し、および、傷病者への取り付けに関して、音声のおよび/または視覚的な指示を救助者に提供することが可能である。いくつかの特定の例では、除細動デバイスは、ユーザ・インターフェースを含むことが可能であり、ユーザ・インターフェースは、どのように電極を台紙から取り外すべきか、および、対象者のどこに電極を貼付するべきかについての、アニメーションまたは短いビデオクリップを示すビデオを表示することが可能である。
【0023】
工程は、除細動電流を送達するために使用される電極の導電性のコンポーネントとテスト電極との間のインピーダンスを測定する(506)。測定値に基づいて、除細動デバイスは、インピーダンスが、事前に設定した閾値よりも小さいかどうか、例えば、10キロ
オームよりも小さいかどうかを決定する(508)。
【0024】
インピーダンスが事前に設定したインピーダンス閾値よりも小さくない場合には(例えば、事前に設定したインピーダンスが、インピーダンス閾値よりも大きい場合には)、システムは、電極が対象者に正しく貼り付けられていないということを決定し、経過時間(t)が閾値よりも大きいかどうかを決定する(509)。例示的なタイミング閾値は、5秒から10秒の間であることが可能であり、さらなる指示で救助者を中断させる前に電極を取り付けるための十分な時間を救助者に許容する。時間が閾値よりも大きくない場合には、システムは、インピーダンスを測定すること(506)に戻り、電極を取り付けるための追加的な時間を救助者に許容する。時間が閾値よりも大きい場合には、システムは、タイマーをリセットし(510)、電極の貼付に関して救助者に指示を提供する。
【0025】
決定508の結果として、インピーダンスがインピーダンス閾値よりも小さい場合には、システムは、救助者に、第2の電極(512)を貼付して押し付けることを指示する。例えば、除細動デバイスは、上述のように、台紙からの電極の適正な取り外し、および、傷病者への取り付けに関して、音声のおよび/または視覚的な指示を使用者に提供することが可能である。除細動デバイスは、除細動電流を送達するために使用される第2の電極の導電性のコンポーネントとテスト電極との間のインピーダンスを測定する(514)。測定値に基づいて、除細動デバイスは、インピーダンスが事前に設定した閾値よりも小さいかどうか、例えば、10キロオームよりも小さいかどうかを決定する(518)。インピーダンスがインピーダンス閾値よりも小さくない場合には(例えば、インピーダンスがインピーダンス閾値よりも大きい場合には)、システムは、第2の電極が対象者に正しく貼り付けられていないということを決定し、経過時間(t)がタイミング閾値よりも大きいかどうかを決定する(519)。時間が閾値よりも大きくない場合には、システムは、インピーダンスを測定すること(514)に戻り、電極を取り付けるための追加的な時間を救助者に許容する。時間が閾値よりも大きい場合には、システムは、タイマーをリセットし(516)、電極の貼付に関して救助者に指示を提供する(512)。
【0026】
決定518の結果として、インピーダンスがインピーダンス閾値よりも小さい場合には、システムは、第1および第2の電極の2つの除細動電極の間のインピーダンスを測定し(520)、インピーダンスが第2の閾値(例えば、電極間の閾値)よりも小さいかどうかを決定する。例えば、閾値は、約250オームから約300オームであることが可能である。測定されたインピーダンスが閾値よりも大きい場合には、システムは、傷病者の皮膚との良好な接触が形成されることを確実にするために、電極の両方を押し付けるように救助者に指示し(524)、インピーダンスを測定すること(520)に戻る。測定されたインピーダンスが閾値よりも小さくない場合には、システムは、救助者へフィードバックを提供し、電極が上手く貼付されたということを救助者に知らせる(526)。
【0027】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、対象者への除細動電極の取り付けをテストするための、および、電極の取り付けに関して救助者へフィードバックを提供するための工程650のフローチャートである。図5に関連して説明されている例とは対照的に、図6の工程は、詳細ではない指示を救助者へ提供し、救急隊員などのような経験豊富な救助者にとって有益であり得る。電極が除細動デバイスに取り付けられた後で、除細動デバイスは、救助者に、第1および第2の両方の電極を貼付して押し付けるように指示する(654)。第1および第2の電極の除細動パッド同士の間のインピーダンスの測定値に基づいて、除細動デバイスは、インピーダンスが事前に設定した閾値よりも小さいかどうか、例えば、300オームよりも小さいかどうかを決定する(656)。インピーダンスが閾値よりも小さい場合には、システムは、使用者に電極の貼付が上手くいったことを知らせる(658)。インピーダンスが閾値よりも小さくない場合には、システムは、第1の電極の除細動パッドと第1の電極のテスト電極との間のインピーダンスの測定値に基づいて
、インピーダンスが第2の異なる閾値よりも小さいかどうかを決定する(660)。インピーダンスが閾値よりも大きい場合には、システムは、救助者に、第1の電極を貼付して押し付けるように指示し(662)、決定656へ戻る。インピーダンスが閾値よりも小さい場合には、システムは、第2の電極の除細動パッドと第2の電極のテスト電極との間のインピーダンスの測定値に基づいて、インピーダンスが第2の閾値よりも小さいかどうか決定する(664)。インピーダンスが閾値よりも大きい場合には、システムは、救助者に、第2の電極を貼付して押し付けるように指示し(666)、決定656へ戻る。インピーダンスが閾値よりも小さい場合には、システムは、両方の電極が対象者に貼付されたが、対象者の皮膚との適切な接触がなされていないということを決定し、システムは、救助者に、両方の電極を押すか、または平らにするように指示し(668)、決定656へ戻る。
【0028】
図7は、本発明の例示的な実施形態にしたがって、救助者が傷病者の上に電極200を位置決めするのを支援するように構成されている電極200を示している。非専門の救助者などのような救助者は、傷病者の上への除細動電極の設置について確信がない可能性がある。間違った電極の設置は、傷病者に送達される電気ショックの有効性を低減させる可能性がある。いくつかの例では、電極が正しく位置決めされているかどうかについての救助者の不安は、結果として、(例えば、指示マニュアルの中に示されている設置に関連して)救助者が電極の設置を確かめるために追加的な時間を費やすことになり得、そのことは、CPRの実施の遅れ、および/または、除細動ショックの送達の遅れを結果として生じる可能性がある。CPRの実施および/または除細動ショックの送達のいかなる遅れも、処置の有効性を低減させる可能性がある。そのため、電極200は、電極200を傷病者に位置決めおよび貼り付けする工程の途中に救助者がいる間、電極の設置についてのガイダンスを救助者に提供するためのコンポーネントを含む。
【0029】
より具体的には、電極200は、静止画像用デジタル・カメラまたはビデオ・カメラなどのようなカメラ202を含む。カメラ202は、画像情報(例えば、所定の時間間隔で撮られた静止画像、または、ビデオ・データ)をキャプチャし、電子インターフェースを介して、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスに画像情報を提供する。プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、除細動デバイスの中に含まれていることが可能であり、有線接続によって、または無線で、カメラに通信可能に連結されることが可能であり、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスが、カメラ202から画像情報を受信できるようになっている。受信した画像情報に基づいて、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、傷病者の身体に対する電極200の場所を決定し、電極200を貼付する前に、(例えば、所望の場所に対するxオフセット値およびyオフセット値を決定することによって、)救助者が電極を再位置決めすべきかどうかを決定する。プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、電極の位置、または、電極が移動させられるべき所望の方向についての情報を、電極200の上の複数の位置決めインジケータ204a、204b、204c、204d、および206に提供し、電極200は、電極が傷病者に対して正しい場所にあるかどうかについて救助者にフィードバックを提供するように構成されている。例えば、位置決めインジケータ204a、204b、204c、204d、および206は、1つまたは複数の発光ダイオードを含むことが可能である。インジケータ204a、204b、204c、204dは、救助者が電極を移動させるべき方向を表示するために点灯されることが可能であり、電極206は、電極200が正しく位置決めされており、傷病者に貼り付けられるべきであるときを表示するために点灯されることが可能である。例えば、電極200は、電極が対象者の頭部に向けて移動させられるべきであるということを示す情報を提供するための、治療電極の上部表面の上部部分の上に位置決めされている電極204a(例えば、LED)と、電極が対象者の足に向けて移動させられるべきであるということを示す情報を提供するための、治療電極の上部表面の底部部分の上に位置決めされている電極204c(例えば、LED)と、
電極が左に移動させられるべきであるということを示す情報を提供するための、治療電極の上部表面の左側部分の上に位置決めされている電極204d(例えば、LED)と、電極が右に移動させられるべきであるということを示す情報を提供するための、治療電極の上部表面の右側部分の上に位置決めされている電極204b(例えば、LED)とを含む。
【0030】
作動時に、図8A図8Cに示されているように、本発明の例示的な実施形態にしたがって、インジケータは、電極200の設置に際して救助者をガイドする。例えば、図8A図8Cでは、電極にとっての所望の場所は、点線の円201によって表示されている。電極200の中に含まれているカメラ202が、傷病者の画像を受信し、プロセッサーまたは他のコンピューティング・デバイスが、画像に基づいて、傷病者の胸部に対する電極の場所を決定する。プロセッサーまたは他のコンピューティング・デバイスは、決定された場所を所望の場所(例えば、場所201)と比較し、電極が正しく位置決めされているかどうかを決定する。電極が正しく位置決めされていない場合には、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、電極の上の適当なインジケータを点灯させる。例えば、図8Aに示されているように、救助者が、所望の電極の場所201の下方および右に電極200を有しており、したがって、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスが、電極200に信号を送信し、インジケータ204aおよび204dを点灯させ、電極200が現在の場所から左および上方へ移動させられるべきであるということを表示する。図8Bに示されているように、救助者は、電極を上方へ移動させたが、電極は、依然として所望の場所の右にあり、したがって、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、インジケータ204dを点灯させ、電極が左に移動させられるべきであるということを表示する。救助者が適当な垂直方向の位置へ電極を上方に移動させたので、インジケータ204aは、もはや点灯されない。図8Cに示されているように、救助者は、電極を左に移動させ、電極が適当に位置決めされており、したがって、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、インジケータ206を点灯させ、電極が正しく位置決めされており、傷病者に貼り付けられるべきであるということを表示する。
【0031】
図9は、電極の中のカメラから受信した画像情報に基づいて、電極位置決めフィードバックを救助者に提供するための工程のフローチャートである。プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、カメラを初期化する(220)。例えば、カメラは、パッケージから電極が取り外されると、または、除細動デバイスに電極が接続されると、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスによって自動的に初期化されることが可能である。代替的に、救助者は、ボタンを押すか、または、そうでなければ、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスにカメラを初期化させる入力を提供することが可能である。プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスが、カメラから画像情報を受信する(222)。画像情報は、(例えば、1秒毎、2秒毎などのような設定時間間隔で画像を撮ることによって)低速度撮影の様式でキャプチャされた一連の画像などのような静止画像を含むことが可能である。いくつかの他の例では、画像情報は、ビデオ情報を含むことが可能である。プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、電極と傷病者との間の分離距離を決定し(224)、分離距離が閾値距離内にあるかどうかを決定する(226)。分離距離が閾値距離よりも大きい場合には、工程は、新たに受信された画像情報に基づいて、電極と傷病者との間の分離距離を決定すること(224)へ戻る。いくつかの例では、フィードバックが、救助者に提供され、傷病者の胸部の上に電極を位置決めするように救助者を促すことが可能である。分離距離が閾値距離内にある場合には、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、傷病者の胸部に対する電極の場所を決定し(228)、電極が貼付のために位置決めされているかどうかを決定する(230)。例えば、プロセッサーは、画像比較技法を使用し、222において受信された画像を1つまたは複数の前もって格納されている対象者の胸部の画像と比較することが可能である。
【0032】
例えば、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、画像比較技法を使用し、2つの画像をxおよびy並進距離と整合させ、電極が移動させられるべき方向を提供することが可能である。別の例では、画像解析が使用され、(例えば、傷病者の乳首、肩、へそなどに対する場所を決定することによって、)傷病者の胸部に対する電極の場所を決定することが可能である。次いで、xおよびy並進距離は、電極の現在の場所、および、電極の所望の場所に基づいて決定されることが可能である(例えば、所望の位置からのx−並進およびy−並進が決定される)。
【0033】
図10は、電極の中のカメラから受信された画像情報に基づいて、電極位置決めフィードバックを救助者に提供するための工程のフローチャートである。プロセッサーが、電極の中のカメラから現況の画像情報を受信する(250)。プロセッサーが、現況の画像の上に電極の場所の表示を提供する(252)。プロセッサーは、現況の画像情報を比較可能なフォーマットへ変換する(254)。除細動器の中に位置付けされている変換モジュールは、変換を提供するように構成されることが可能である。例えば、現況の画像、および、前もって格納されている画像は、重要な特徴の抽出アルゴリズムに基づくフォーマットなどのような、比較の目的のための1つまたは複数のフォーマットへ変換されることが可能である。重要な特徴は、対象者の乳首、肩、へそ、胸骨などのような、画像の特定の特徴である。画像内のそれらの場所を含む、画像内の重要な特徴は、当分野で知られている重要な特徴の抽出技法およびアルゴリズムを使用することによって、抽出されることが可能である。ある実施形態では、現況の画像、および、前もって格納されている画像は、重要な特徴の抽出の前に拡大縮小されることが可能である。前もって格納されている画像は、除細動器内のローカル・データベースに存在することが可能であるか、または、ネットワークなどのような通信チャンネルを介してアクセス可能である。プロセッサーは、現況の変換された画像の上の電極設置と、前もって格納されている画像(周囲の重要な特徴を含む)のうちの少なくとも1つの上の適正な電極設置とを比較し(256)、もしあれば、比較に基づいてX−Y変位を決定する(258)。決定に基づいて、処理デバイスは、電極の正しい位置決めを示すフィードバックを提供することが可能である(260)。
【0034】
電極が、貼付のために正しく位置決めされている(例えば、電極が正しい場所にある)場合には、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスが、電極が正しい位置にあるということを示すフィードバックを提供する(234)。例えば、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、LEDに信号を送信し、LEDを点灯させ、正しい位置決めを表示することが可能である。別の例では、音声信号が再生され、正しい位置決めを表示することが可能である。電極が、貼付のために正しく位置決めされていない(例えば、電極が正しい場所にない)場合には、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、電極が移動させられるべき方向を示すフィードバックを提供する(232)。例えば、プロセッサーまたはコンピューティング・デバイスは、電極の上の1つまたは複数のLEDに信号を送信し、(1つまたは複数の)LEDを点灯させ、電極が移動させられるべき方向を表示することが可能である。別の例では、音声信号が再生され、電極が移動させられるべき方向を表示することが可能である。
【0035】
上述の例では、位置決め情報は、1組のLEDによって救助者に提供されたが、他のデバイス/方法が、情報を提供するために使用されることが可能である。例えば、除細動器の上の、または、別のデバイスの上のディスプレーは、電極の現在の場所および所望の場所の表示を有する画像を提供することが可能であり、救助者が、ディスプレーを見て、電極を移動させて、現在の場所を所望の場所に整合させるようになっている。別の例では、除細動器または電極の上の監視装置またはスクリーンは、救助者が電極を移動させるべき方向を示す矢印などのような画像を表示することが可能である。別の例では、音声のフィードバックが、除細動器または別のデバイスの上のスピーカによって提供されることが可
能である。例えば、音声のフィードバックは、「電極を傷病者の頭部に向けて移動させてください」、または、「電極を左に移動させてください」などのようなガイダンスを含むことが可能である。別の例では、電極は、異なるLEDの構成を含み、使用者にガイダンスを提供することが可能である。例えば、電極は、追加的なLEDを含み、小さい量だけ、または、より大きい距離だけ、電極が移動させられるべきであるかどうかの表示を提供することが可能である。
【0036】
いくつかの実装形態では、電極が、カメラおよびフィードバック・デバイスの両方を含み、(例えば、本明細書で説明されているように、)使用者が電極を正しく位置決めするのを助けることが可能であり、かつ、電極が、インピーダンスを測定するための複数の導電性のコンポーネントを含み、(例えば、本明細書で説明されているように、)救助者に、電極が適切に貼り付けられ、除細動器と傷病者との間に電流経路を形成させているかどうかについての情報を提供することが可能である。
【0037】
いくつかの態様では、電極は、対象者の胸部に対する電極の位置に関連する画像情報を発生させるように構成されているカメラを含む。
実施形態は、以下のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0038】
また、電極が、対象者の胸部に貼り付けるために、電極の位置に関連する画像情報に基づいて、電極が適切に位置決めされているかどうかを示す情報を提供するように構成されている1つまたは複数のインジケータをさらに含むことも可能である。
【0039】
1つまたは複数のインジケータが、電極の正しい位置決めを示す情報を提供するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオードを含むことが可能である。
1つまたは複数のインジケータが、電極の正しい位置決めを示す情報を提供するように構成されているディスプレーを含むことが可能である。
【0040】
また、電極が、電極の正しい位置決めを示す情報を提供するように構成されているスピーカを含むことも可能である。
1つまたは複数のインジケータが、電極が対象者の頭部に向けて移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第1の発光ダイオードと、電極が対象者の足に向けて移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第2の発光ダイオードと、電極が左に移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第3の発光ダイオードと、電極が右に移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第4の発光ダイオードとを含むことが可能である。
【0041】
カメラが、ビデオ画像情報を発生させるように構成されることが可能である。
カメラが、画像情報を発生させるように構成されることが可能である。
電極が、除細動デバイスから電気的な除細動パルスを受け入れ、導電性のエレメント全体に電気的パルスを拡散するように構成されている、電極の第1の導電性のエレメントであって、導電性のエレメントから電気的パルスが対象者の胸部に送達される、電極の第1の導電性のエレメントと、第1の導電性のエレメントから分離しており、対象者の胸部との電気的接触を提供するように構成されている、電極の第2の導電性のエレメントと、電極の第1の導電性のエレメントに接続されている、電極の第1の導線と、電極の第2の導電性のエレメントに接続されている、電極の第2の導線であって、電極の第1および第2の導線が、出力を提供し、出力から、電極が対象者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報を得ることが可能である、電極の第2の導線とをさらに含むことが可能である。
【0042】
第1の電極が対象者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報が、インピーダンス情報を含むことが可能である。
第1の電極が対象者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報が、抵抗値の情報を含むことが可能である。
【0043】
また、電極が、複数のECG電極を含むことも可能である。
また、電極が、非導電性台紙層を含むことも可能である。
また、電極が、対象者の胸部と電気的接触をし、その表面のうちの他方において、第1の導電性のエレメントの露出された表面と電気的接触をするように構成されている導電性層を含むことも可能である。
【0044】
また、電極が、除細動デバイスとともに使用するためのセンサーであって、センサーは、出力を提供し、出力から、CPR胸部圧迫の深さについての情報を得ることが可能である、センサーを含むことも可能である。
【0045】
また、除細動デバイスとともに使用するためのセンサーであって、センサーは、出力を提供し、出力から、CPR胸部圧迫中の胸部に対する圧迫の深さについての情報を得ることが可能である、センサーを含むことも可能である。
【0046】
また、電極が、除細動デバイスとともに使用するためのセンサーであって、センサーは、出力を提供し、出力から、CPR胸部圧迫の速度についての情報を得ることが可能である、センサーを含むことも可能である。
【0047】
いくつかの態様では、方法は、電極の中のカメラから画像情報を受信する工程と、画像情報に基づいて電極の位置についての情報を決定する工程と、電極の位置決めに関連する表示を提供する工程とを含むことが可能である。
【0048】
実施形態は、以下のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
電極の位置決めについての情報を決定する工程が、所望の位置からのx−並進およびy−並進を決定する工程を含むことが可能である。
【0049】
電極の位置決めについての情報を決定する工程が、傷病者の胸部への貼付のために電極が適切に位置決めされているかどうかを決定する工程を含むことが可能である。
画像情報が、静止画像であることが可能である。
【0050】
画像情報が、ビデオであることが可能である。
電極の位置について救助者にフィードバックを提供する工程が、電極の上の1つまたは複数の発光ダイオードを点灯させるために信号を送信する工程を含むことが可能である。
【0051】
電極の位置について救助者にフィードバックを提供する工程が、ディスプレー・デバイスに位置に関係する情報を表示させるための信号を送信する工程を含むことが可能である。
【0052】
電極の位置について救助者にフィードバックを提供する工程が、音声の出力を発生させる工程を含むことが可能である。
また、方法は、第1の電極の第1の導電性のエレメントと第2の導電性のエレメントとの間のインピーダンスを決定する工程と、コンピューティング・デバイスによって、インピーダンスを閾値と比較し、第1の電極が対象者の胸部に貼り付けられているかどうかを決定する工程とを含むことも可能である。
【0053】
また、方法が、第1の電極が対象者の胸部に貼り付けられていないということを決定すると、電極の貼付に関して救助者に指示を提供する工程を含むことも可能である。
インピーダンスを決定する工程が、電極の第1の導電性のエレメントと第2の導電性のエレメントとの間に電圧を印加する工程と、印加された電圧によって生じる、電極の第1の導電性のエレメントと第2の導電性のエレメントとの間の電流を測定する工程とを含むことが可能である。
【0054】
いくつかの態様では、電極の中のカメラから画像情報を受信し、画像情報が、対象者の胸部に対する電極の位置についての情報を得ることが可能な情報を提供し、かつ、受信された画像情報に基づいて電極の位置決めについて救助者にフィードバックを提供するように配置されている電子インターフェースを、デバイスが含むことが可能である。
【0055】
デバイスが、受信された画像情報に基づいて、電極の位置を決定するようにさらに構成されることが可能である。
傷病者の胸部への貼付のために電極が適切に位置決めされているときに、電極の中のインジケータに信号を送信し、インジケータを点灯させることによって、電子インターフェースが、救助者にフィードバックを提供するように構成されることが可能である。
【0056】
電極の中の1つまたは複数のインジケータに信号を送信し、インジケータを点灯させ、電極が移動させられるべき方向を示すことによって、電子インターフェースが、救助者にフィードバックを提供するように構成されることが可能である。
【0057】
ディスプレー・デバイスに信号を送信し、電極が移動させられるべき方向をディスプレー・デバイスに示させることによって、電子インターフェースが、救助者にフィードバックを提供するように構成されることが可能である。
【0058】
1つまたは複数のインジケータが、電極が対象者の頭部に向けて移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第1の発光ダイオードと、電極が対象者の足に向けて移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第2の発光ダイオードと、電極が左に移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第3の発光ダイオードと、電極が右に移動させられるべきであるということを示す情報を提供するように構成されている第4の発光ダイオードとを含むことが可能である。
【0059】
カメラが、電極の中のビデオ・カメラであることが可能である。
カメラが、電極の中の静止画像カメラであることが可能である。
また、デバイスが、所望の位置からのx−並進およびy−並進を決定することによって、電極の位置決めについての情報を決定するように構成されているプロセッサーを含むことも可能である。
【0060】
また、デバイスが、電極が傷病者の胸部への貼付のために適切に位置決めされているかどうかを決定するように構成されているプロセッサーを含むことも可能である。
画像情報が、静止画像であることが可能である。
【0061】
画像情報が、ビデオ入力であることが可能である。
また、デバイスが、電極の位置決めについて救助者にフィードバックを提供するように構成されているスピーカを含むことも可能である。
【0062】
また、電極の第1の導電性のエレメントと第2の導電性のエレメントとの間のインピーダンスを決定し、かつ、インピーダンスを閾値と比較し、第1の電極が対象者の胸部に貼
り付けられているかどうかを決定するように構成されているプロセッサーを、デバイスが含むことも可能である。
【0063】
いくつかの態様では、デバイスが、除細動デバイスとともに使用するための第1の治療電極を含む。第1の治療電極が、第1の治療電極の第1の金属製エレメントを含み、第1の治療電極の第1の金属製エレメントは、除細動デバイスから電気的な除細動パルスを受け入れ、金属製エレメント全体に電気的パルスを広げるように構成されており、第1の治療電極の第1の金属製エレメントから、電気的パルスが患者の胸部に送達され、第1の治療電極が、第1の治療電極の第2の金属製エレメントを含み、第1の治療電極の第2の金属製エレメントは、第1の金属製エレメントから分離しており、患者の胸部との電気的接触を提供するように構成されている。また、第1の治療電極は、第1の治療電極の第1の金属製エレメントに接続されている、第1の治療電極の第1の導線と、第1の治療電極の第2の金属製エレメントに接続されている、第1の治療電極の第2の導線とを含むことも可能であり、第1の治療電極の第1および第2の導線が、出力を提供し、出力から、第1の治療電極が患者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報を得ることが可能である。
【0064】
実施形態は、以下のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
第1の治療電極が患者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報が、インピーダンス測定値を含むことが可能である。
【0065】
第1の治療電極が患者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報が、抵抗値の測定値を含むことが可能である。
デバイスが、第2の治療電極をさらに含み、第2の治療電極が、第2の治療電極の第1の金属製エレメントを含み、第2の治療電極の第1の金属製エレメントが、除細動デバイスから電気的な除細動パルスを受け入れ、金属製エレメント全体に電気的パルスを広げるように構成されており、第1の金属製エレメントから、電気的パルスが患者の胸部に送達され、第2の治療電極が、第2の治療電極の第2の金属製エレメントを含み、第2の治療電極の第2の金属製エレメントが、第1の金属製エレメントから分離しており、患者の胸部との電気的接触を提供するように構成されている。また、第2の治療電極が、第2の治療電極の第1の金属製エレメントに接続されている、第2の治療電極の第1の導線と、第2の治療電極の第2の金属製エレメントに接続されている、第2の治療電極の第2の導線とを含むことも可能であり、第1の治療電極の第1および第2の導線が、出力を提供し、出力から、第1の治療電極が患者の胸部に貼り付けられているかどうかを示す情報を得ることが可能である。
【0066】
また、第1の治療電極が、複数のECG電極を含むことも可能である。
また、第1の治療電極が、非導電性台紙層を含むことも可能である。
また、第1の治療電極が、導電性層を含むことも可能であり、導電性層が、患者の胸部と電気的接触をし、その表面のうちの他方において、第1の金属製エレメントの露出された表面と電気的接触をするように構成されている。
【0067】
導電性層が、導電性粘性液体、電解質、固体導電性ジェル、およびヒドロゲルからなる群から選択される導電性層を含むことが可能である。
金属製エレメントが、ステンレス鋼から作製されることが可能である。
【0068】
第1および第2の金属製エレメントが、可撓性の非導電性エレメントによって包まれていることが可能である。
また、電極が、患者の胸部に付着するように構成されている第1および第2の金属製の接点の範囲の外側に、第1の周辺接着剤領域を含むことも可能である。
【0069】
また、デバイスが、除細動デバイスとともに使用するためのセンサーを含むことも可能であり、センサーは、出力を提供し、出力から、CPR胸部圧迫の深さについての情報を得ることが可能である。
【0070】
センサーが、加速度計であることが可能である。
また、デバイスが、除細動デバイスとともに使用するためのセンサーをさらに含むことも可能であり、センサーは、出力を提供し、出力から、CPR胸部圧迫中の胸部に対する圧迫の深さについての情報を得ることが可能である。
【0071】
また、デバイスが、除細動デバイスとともに使用するためのセンサーをさらに含むことも可能であり、センサーは、出力を提供し、出力から、CPR胸部圧迫の速度についての情報を得ることが可能である。
【0072】
いくつかの追加的な態様では、方法は、第1の治療電極の第1の金属製エレメントと第2の金属製エレメントとの間のインピーダンスを決定する工程と、コンピューティング・デバイスによって、インピーダンスを閾値と比較し、第1の治療電極が患者の胸部に貼り付けられているかどうかを決定する工程とを含む。
【0073】
実施形態は、以下のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
また、方法が、第2の治療電極の第1の金属製エレメントと第2の金属製エレメントとの間のインピーダンスを決定する工程と、コンピューティング・デバイスによって、インピーダンスを閾値と比較し、第2の治療電極が患者の胸部に貼り付けられているかどうかを決定する工程とを含むことも可能である。
【0074】
また、方法が、第1の治療電極の第1の金属製エレメントと第2の治療電極の第1の金属製エレメントとの間のインピーダンスを決定する工程と、コンピューティング・デバイスによって、決定されたインピーダンスを第2の閾値と比較し、第1および第2の治療電極が患者の胸部に適切に貼り付けられているかどうかを決定する工程とを含むことも可能である。
【0075】
第1の閾値が、約1キロオームから10キロオームの間であることが可能であり、第2の閾値が、約250オームから300オームの間であることが可能である。
また、方法が、第1の治療電極が患者の胸部に貼り付けられていないということを決定すると、治療電極の貼付に関して救助者に指示を提供する工程を含むことも可能である。
【0076】
第1の閾値が、約10キロオームであることが可能である。
インピーダンスを決定する工程が、第1の治療電極の第1の金属製エレメントと第2の金属製エレメントとの間に電圧を印加する工程と、印加された電圧によって生じる、第1の治療電極の第1の金属製エレメントと第2の金属製エレメントとの間の電流を測定する工程とを含むことが可能である。
【0077】
上述されているもの以外に、本発明の多くの他の実装形態が、本発明内にあり、本発明は、以下の請求項によって規定されている。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10