(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中央処理手段は、前記携帯情報端末から受信した前記位置の情報及び前記位置を測位した時刻の情報を所定の期間に蓄積し、該蓄積した位置の情報及び時刻の情報に基づいて前記行動パターン情報を設定する請求項1に記載の住宅内エネルギー機器制御システム。
前記中央処理手段は、前記携帯情報端末から受信した位置及び時刻の情報が前記行動パターン情報に合致するか否かを判定し、合致する場合は前記携帯情報端末に対して前記通知を送信しない請求項1又は2に記載の住宅内エネルギー機器制御システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、居住者が在宅している場合での住宅内の電力の使用状況に基づいて電気機器の運転制御をするものであり、居住者が外出している場合での電気機器の運転制御を考慮していないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、居住者が外出している場合に当該居住者の行動に基づいて住宅内の電気機器、ガス機器等の運転制御を行う住宅内エネルギー機器制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、住宅内の人の有無
及び前記住宅内の温度及び湿度を検知するセンサと、予め定められたスケジュールで前記住宅内のエネルギー機器を制御すると共に前記センサの検知結果
である前記住宅の人の有無の情報と前記住宅内の温度及び湿度の情報とを送信可能な制御手段と、電波信号を受信することにより位置を測位可能であって該位置の情報及び該位置を測位した時刻の情報を送信可能な携帯情報端末と、前記制御手段が送信した前記センサの検知結果を受信し、所定の時刻に該検知結果が前記住宅は無人であることを示している場合には前記携帯情報端末から受信した位置及び時刻の情報が前記携帯情報端末を所持した者の標準的な行動を示す行動パターン情報に合致するか否かを判定し、合致しない場合は前記携帯情報端末に対して前記住宅内のエネルギー機器を前記予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を送信する
と共に、前記制御手段から受信した温度及び湿度の情報が所定の範囲内にある場合は、前記通知を前記携帯情報端末に送信しない中央処理手段と、を備え
、前記制御手段は、前記通知に対する前記携帯情報端末からの応答としての制御の可否に基づいて前記住宅内のエネルギー機器を制御し、前記中央処理手段が前記通知を前記携帯情報端末に送信しない場合には、前記予め定められたスケジュールで前記住宅内のエネルギー機器を制御する住宅内エネルギー機器制御システム。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、測位した携帯情報端末の位置が、居住者の行動パターンに合致するか否かを判定し、合致しない場合は住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を送信することができ
、住宅内が適温かつ適湿の場合は、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を行わないようにできる。また、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知をしないときは、住宅内のエネルギー機器は予め定められたスケジュールで制御される。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記中央処理手段は、前記携帯情報端末から受信した前記位置の情報及び前記位置を測位した時刻の情報を所定の期間に蓄積し、該蓄積した位置の情報及び時刻の情報に基づいて前記行動パターン情報を設定する。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、蓄積した携帯情報端末の測位のデータに基づいて居住者の行動パターンを設定することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記中央処理手段は、前記携帯情報端末から受信した位置及び時刻の情報が前記行動パターン情報に合致するか否かを判定し、合致する場合は前記携帯情報端末に対して前記通知を送信しない。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、測位した携帯情報端末の位置が、居住者の行動パターンに合致する場合は、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を行わない。
【0017】
請求項
4の発明は、請求項1〜
3のいずれか1項に記載の発明において、前記中央処理手段は、前記所定の時刻を前記行動パターン情報又は前記制御手段に予め定められたスケジュールに基づいて決定する。
【0018】
請求項
4に記載の発明によれば、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を行うか否かを判定するタイミングを居住者の行動パターン又は予め定められたスケジュールに基づいて決定できる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、測位した携帯情報端末の位置が、居住者の行動パターンに合致するか否かを判定し、合致しない場合は住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を送信することにより、居住者が外出している場合に当該居住者の行動に基づいて住宅内のエネルギー機器の運転制御を行うことができるという効果を有する。
また、住宅内が適温かつ適湿の場合は、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を行わないことにより、居住者は当該通知を受ける煩わしさを回避できる。また、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知をしないときは、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御することにより、住宅内のエネルギー機器を予定通りに作動させることができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、蓄積した携帯情報端末の測位のデータに基づいて居住者の行動パターンを設定することにより、外出している居住者の行動が通常のものか否かを判定することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、測位した携帯情報端末の位置が、居住者の行動パターンに合致する場合は、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を行わないことにより、居住者は当該通知を受ける煩わしさを回避できる。
【0024】
請求項
4に記載の発明によれば、住宅内のエネルギー機器を予め定められたスケジュールで制御するか否かを問う通知を行うか否かを判定するタイミングを居住者の行動パターン又は予め定められたスケジュールに基づいて決定することにより、当該通知を適切なタイミングで送信できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る住宅内エネルギー機器制御システムの一例を示す概略図である。
図1において、住宅10はエアコン20、電気錠22、床暖房24及びセンサ26がLAN(Local Area Network)等の通信回線を介して制御装置であるHEMS(Home Energy Management System)30に接続されている。
【0027】
エアコン20は住宅10の室温及び湿度を、床暖房24は住宅10の床面の温度を各々HEMS30の制御に基づいて調整する装置である。電気錠22は、電気的に施錠及び解錠をする機構が組み込まれ、HEMS30の制御によって施錠及び解錠が可能な装置である。センサ26は、住宅10内の室温、湿度及び人の存否を検知する装置であって、例えば、温度センサ、湿度センサ及び人感センサで構成される。
【0028】
温度センサは一例としてサーミスタを用いて室温を検知するセンサである。湿度センサは感湿体として多孔質のセラミックス又は吸湿性の高分子膜を備え室内空気で吸湿した感湿体の導電性の変化に基づいて室内の湿度を検知するセンサである。人感センサは、赤外線、超音波又は可視光によって人の所在を検知するセンサである。本実施の形態では、人体が発する赤外線を感知するセンサ又は発信した超音波が何かに遮られたことにより人の所在を検知するセンサを主に用いるものとする。
【0029】
本実施の形態では、HEMS30は終端装置28を介してクラウドサーバ60に接続されている。HEMS30は、センサ26の検知結果をクラウドサーバ60に送信する。また、HEMS30は、エアコン20及び床暖房24の制御の設定の情報をクラウドサーバ60に送信する。制御の設定とは、具体的には、エアコン20がオンまたはオフになる時刻及びオンになったときの温度の設定、床暖房24がオンまたはオフになる時刻及びオンになったときの温度の設定である。
【0030】
クラウドサーバ60は、携帯電話機又はスマートフォン等の携帯情報端末70と通信可能である。携帯情報端末70はGPS(Global positioning system)衛星80からの電波を受信することによって携帯情報端末70の位置を把握し、把握した位置の情報を当該位置を把握した年月日時に対応付けてクラウドサーバ60に送信する。
【0031】
また、クラウドサーバ60は、携帯情報端末70から送信された位置と時刻とを関連付けた情報を蓄積し、蓄積した携帯情報端末70の位置と時刻とを関連付けた情報に基づいて、携帯情報端末70を所持した居住者の標準的な行動を示す行動パターン情報を設定する。さらにクラウドサーバ60は、エアコン20又は床暖房24をオンにする時刻が近づいた場合、エアコン20又は床暖房24をオンにすることを携帯情報端末70に通知する。
【0032】
ただし、クラウドサーバ60は、携帯情報端末70から受信した位置と時刻とを関連付けた情報が、設定した行動パターン情報と一致する場合には、前述のエアコン20又は床暖房24をオンにすることを携帯情報端末70に通知しない。居住者の行動パターンが通常通りであれば、HEMS30での設定どおりにエアコン20又は床暖房24制御すればよく、居住者への通知を要しないためである。
【0033】
また、本実施の形態では、携帯情報端末70からクラウドサーバ60を介してHEMS30にエアコン20又は床暖房24のオン又はオフが可能であり、携帯情報端末70からクラウドサーバ60を介してHEMS30に電気錠22の施錠又は解錠をさせることが可能であるとする。
【0034】
図2は、本実施の形態に係る住宅内エネルギー機器制御システムにおけるHEMSの概略構成の一例を示すブロック図である。HEMS30A〜30Iは、コンピュータを含んで構成されており、例えばHEMS30Aは
図2に示すように、CPU36、ROM38、RAM40、及び入出力ポート42を備えて、これらがアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス44を介して互いに接続されている。
【0035】
入出力ポート42には、エアコン20、電気錠22、床暖房24、センサ26及び終端装置28が接続されている。なお、表示部46及び操作部48は一体で構成され、操作部48は、表示部46に設けられたタッチパネルを適用することができる。
【0036】
メモリ50には、エアコン20、電気錠22、床暖房24及びセンサ26を制御するためのプログラム並び終端装置28を介してクラウドサーバ60と通信するためのプログラム等が記憶されている。HEMS30Aは、メモリ50に記憶されたプログラムをRAM40等に展開してCPU36で実行することにより、各電気機器の制御及びクラウドサーバ60との通信を行うようになっている。
【0037】
続いて、本実施の形態に係る住宅内エネルギー機器制御システムの制御について説明する。
図3は、本実施の形態に係る住宅内エネルギー機器制御システムにおける携帯情報端末70への通知の処理のフローチャートの一例である。
【0038】
まず、ステップ300では所定の時刻か否かが判定される。所定の時刻は、HEMS30に予め設定されたスケジュールに従ってエアコン20又は床暖房24をオンにするか否かを判断する時刻のことである。一例として本実施の形態では、予め定められたスケジュールにおいて電気機器をオンする時刻の15〜20分前であるとする。
【0039】
また、本実施の形態では、携帯情報端末70の位置及び時間の情報の蓄積に基づいて行動パターン情報を設定するので、行動パターン情報に基づいて所定の時刻を決定してもよい。例えば、行動パターン情報における帰宅時間の1時間ほど前を所定の時刻とすることが考えられる。
【0040】
ステップ302では、HEMS30から住宅10の人感センサの検知結果の情報を受信し、ステップ304では受信した情報に基づいて、住宅10が無人か否かを判定する。ステップ304での判定が肯定判定の場合は、手順をステップ306へ移行させ、否定判定の場合は手順をステップ
310へ移行させる。
【0041】
ステップ306では、HEMS30から住宅10の室内の温度及び湿度の情報を受信し、ステップ308で室内が適温かつ適湿であるか否かを判定する。本実施の形態では、適温とは18〜20℃、適湿とは50〜80%の所定の範囲をいうものとする。
【0042】
ステップ308で肯定判定の場合は、ステップ310において電気機器をオンにするか否かを問う通知を携帯情報端末70に送信
せずに処理を終了する。
本実施の形態では携帯情報端末70を所持している居住者は、送信された
電気機器をオンにするか否かを問う通知に例えば「Yes」と応答することでエアコン20等の電気機器をオンにさせ、「No」と応答することにより電気機器をオンにさせないことができる。本実施の形態では、クラウドサーバ60は、携帯情報端末70から「Yes」の応答があった場合にはエアコン20等の電気機器をオンにさせ、携帯情報端末70から「No」の応答があった場合にはエアコン20等の電気機器をオンにしないようにHEMS30を制御する。
【0043】
ステップ308で否定判定の場合は、ステップ312で携帯情報端末70から現在位置と当該現在位置における時刻とを関連付けた情報を受信する。ステップ314では、所定時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ316で再び携帯情報端末70から現在位置と当該現在位置における時刻とを関連付けた情報を受信する。
【0044】
ステップ318では、ステップ312とステップ316とで受信した携帯情報端末の位置及び時間の情報が
図4に示す行動パターン情報と一致するか否かを判定する。
図4は、本実施の形態に係る住宅内エネルギー機器制御システムにおける行動パターン情報の一例を示す図である。
【0045】
図4は、一例として平日の行動パターンを示している。
図4において、位置は緯度経度の数値であり、場所は緯度経度に対応する施設の名称又は地名である。時間は、携帯情報端末を所持した居住者が対応する位置にいたときの時刻である。居住者の行動パターンは時間通り正確なものではないので、
図4で時間は、「7:59〜8:21」というようにある程度の範囲をもたせている。位置についても、施設等の場所の広さ及びGPSによる測位の誤差を考慮して、
図4では、「北緯35度42分9〜13秒」というように、所定の範囲を設定している。
【0046】
ステップ318では、まず、ステップ312で受信した携帯情報端末70の位置及び時間が含まれる行を
図4の記載事項から検索する。例えば、ステップ312で受信した携帯情報端末70の現在位置が北緯35度41分14秒、東経139度42分55秒であれば
図4では「勤務先最寄バス停」に該当する。さらに受信した時間が17:13だった場合は、
図4の8行目の帰宅時間帯での「勤務先最寄バス停」の行の記載事項に受信した位置及び時間が含まれる。
【0047】
ステップ312で受信した位置及び時間の情報が
図4に記載の行のいずれかに含まれる場合は、ステップ316で受信した位置及び時間の情報がステップ312で受信した位置及び時間の情報が含まれる
図4の行よりも時系列で後の行に含まれるか否かを判定する。
【0048】
例えば、ステップ316で受信した位置及び時間の情報が北緯35度41分20秒、東経139度42分2秒、17:25だった場合は、帰宅時間帯の「勤務先最寄駅」となる。ステップ312で受信した位置及び時間が前述のように帰宅時間帯の「勤務先最寄バス停」に該当するのであれば、ステップ316で受信した位置及び時間は
図4において時系列的にステップ312で受信した位置及び時間よりも後のものとなる。
【0049】
本実施の形態では、間を置いて受信した携帯情報端末70の位置及び時間の情報が
図4に示した行動パターン情報に各々含まれ、かつ各々の位置及び時間が時系列的にも
図4の記載に合致するか否かを判定する。かかる判定が肯定的な場合に、携帯情報端末70を所持した居住者の行動は
図4に記載の行動パターン情報に合致していると判定する。
【0050】
携帯情報端末70の位置及び時間を1回だけ受信しただけでは、携帯情報端末70を所持した居住者がどこに向かっているのか判断できないが、所定の時間後に携帯情報端末70の位置及び時間を再度受信することにより居住者の行き先が推定できる。
【0051】
なお、ステップ314における所定の時間は、一例として10分程度とする。10分以外にも5分又は15分等、所定の時間は居住者の移動速度に応じて適宜変更してよい。
【0052】
ステップ318で肯定判定の場合は、携帯情報端末70を所持した居住者は通常通りに帰宅すると思われるので、ステップ320において携帯情報端末70に住宅10のエアコン20等の電気機器をオンにするか否かを問う通知は行わない。
【0053】
ステップ318で否定判定の場合は、携帯情報端末70を所持した居住者は通常通りに帰宅しない可能性があるので、ステップ310において携帯情報端末70に住宅10のエアコン20等の電気機器をオンにするか否かを問う通知を行う。
【0054】
以上のように、本実施の形態によれば、居住者が外出している場合に当該居住者の行動に基づいて住宅内の電気機器の運転制御を行うことが可能となる。なお、本実施の形態では、一例として電気機器の制御について説明したが、本実施の形態に係る住宅内エネルギー機器制御システムは、電気機器と、ガス給湯器及びガスエアコン等のガス機器とを含めたエネルギー機器の制御が可能である。
【0055】
続いて本実施の形態における行動パターン情報の設定について説明する。
図5は、本実施の形態に係る住宅内エネルギー機器制御システムにおける行動パターン情報を設定するフローの一例を示す図である。本実施の形態では、クラウドサーバ60は、
図3のステップ312、316とは別に携帯情報端末70から位置と時間の情報を所定の期間取得して記憶手段に蓄積し、蓄積した情報に基づいて行動パターン情報を設定する。所定の期間は任意の長さであるが、平日に勤務し週末に休養をとることが一般的であることから、一例として、少なくとも1週間、より多くのサンプルを得るためには2週間であることが好ましい。
【0056】
まず、ステップ500では、蓄積された位置の情報から所定回数以上記録されている地点を抽出する。例えば、蓄積された情報が2週間分の場合は、5回以上記録されている地点を抽出する。なお、ステップ500での位置の情報は、緯度経度の秒までは完全に一致することはないと思われるので、5〜10秒程度のブレは許容する。
【0057】
ステップ502では、ステップ500で同一地点として抽出した地点に対応付けられている時刻の平均値を算出し、ステップ504では時刻の平均値を中心とした所定の範囲のサンプルを抽出する。所定の範囲は、一例として、平均値を中心とした70%程度であるとする。平均値から大きく外れたサンプルを除外することにより、居住者の日常的な行動パターンを抽出することが可能となる。
【0058】
ステップ506では、ステップ504で抽出したサンプルから最も早い時刻と最も遅い時刻を特定して、当該地点に対応する時刻の範囲を設定する。
【0059】
ステップ508では、各地点を各々に対応する時刻の範囲と共にまとめ、
図4に示したような行動パターン情報を作成して処理を終了する。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態では、クラウドサーバ60は携帯情報端末70から受信した位置及び時間の情報を蓄積し、蓄積した情報に基づいて居住者の行動パターン情報を設定できる。本実施の形態では、システムの運用を継続することにより、より多くの位置及び時間の情報を蓄積できるので、情報が蓄積されるに従って、適宜、行動パターン情報を更新することができる。
【0061】
または、新たに蓄積された位置及び時間の情報に基づいて行動パターン情報を更新するようにしてもよい。例えば、最新の2週間分の位置及び時間の情報に基づいて行動パターン情報を更新するようにしてもよい。
【0062】
図6は、本実施の形態に係る住宅内エネルギー機器制御システムにおける携帯情報端末70の現在位置の測位の一例を示す図である。ステップ600では、GPS衛星からの信号を受信できるか否かを判定する。ステップ600で肯定判定の場合は、ステップ602でGPSによる現在位置の測位を行って処理を終了する。
【0063】
ステップ600で否定判定の場合、例えば、GPS衛星からの電波が届かない建物の中等に携帯情報端末70を所持している居住者がいる場合は、ステップ604で、GPSによるこれまでの測位のデータから最新のもの、すなわち最後にGPSによって測位したデータを抽出する、
【0064】
ステップ606では、携帯情報端末70が備えるジャイロセンサの検知結果に基づいて、携帯情報端末70の移動方向を検知する。本実施の形態に係る携帯情報端末70は、移動方向を検知可能なジャイロセンサと加速度を検知する加速度センサを備えているものとする。
【0065】
ステップ608では、加速度センサで検知し携帯情報端末70の記憶手段に記憶しておいた最後にGPS測位を行った時点からの加速度を抽出する。さらにステップ610では、抽出した加速度を積分することにより移動速度を算出し、さらに移動速度を積分することにより移動距離を算出する。
【0066】
ステップ612では、ステップ606で検知した移動方向と、ステップ610で算出した移動距離とから携帯情報端末70の位置を算出して処理を終了する。
【0067】
本実施の形態では、GPSによる測位を原則とするが、携帯情報端末の基地局又はWi−Fi等の無線通信によるアクセスポイント等から測位に係る情報を得て現在位置の測位を行ってもよい。また、GPS等による測位が困難な場合でも、携帯情報端末70のジャイロセンサ及び加速度センサの検知結果に基づいて、携帯情報端末70の現在位置を推定することができる。