(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第一実施形態)
まず、本発明の第一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機1に適用している。
【0017】
(パチンコ機1の全体構成)
まず、パチンコ機1の全体構成を説明する。
図1は、パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すパチンコ機1は、矩形状の枠本体2と、枠本体2の前側に開閉可能に配設された前枠3と、前枠3の前側上部に開閉可能に配設された前扉4と、前扉4の下方に配設された受皿ユニット5と、受皿ユニット5の側方に配設された発射ハンドル6と、を備えている。
前枠3の前側には、遊技盤10(
図2参照)が配設さている。前扉4は、前枠3に配設された遊技盤10の正面側に配設された透明板4aと、透明板4aの周囲に配設された装飾部4bと、を有している。装飾部4bは、前方に向かって膨出する形状を有している。装飾部4bには、装飾部4bの内部に配設された音発生装置(スピーカ)12(
図3参照)が出力する音声を通過させるための複数の音抜孔4cが設けられている。
受皿ユニット5は、遊技球(貸球及び賞球)を受ける受皿5aと、受皿5aの前側に配設された入力ボタン5bと、を有している。入力ボタン5bは、遊技者による回転操作及び押し込み操作が可能となるように構成されている。入力ボタン5bは、回転操作及び押し込み操作に応じて、操作信号を演出制御装置300(
図3参照)に対して出力する。
【0018】
また、受皿ユニット5の上面には、貸出操作部7が配設されている。貸出操作部7は、球貸ボタン7aと、返却ボタン7bと、度数表示装置7cと、を有している。ここで、パチンコ機1は、プリペイドカードに記録されている情報の読出し及び更新を行うことが可能なCRユニット500(
図3参照)と通信可能に接続されている。そして、プリペイドカードがCRユニット500に挿入されると、CRユニット500に挿入されたプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が度数表示装置7cに表示される。また、プリペイドカードがCRユニット500に挿入されている状態で球貸ボタン7aが操作されると、所定数の遊技球(貸球)が受皿5aに払い出される。この際、払い出された遊技球の数に応じてプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が更新されて、更新された有価媒体の残存度数が度数表示装置7cに表示される。また、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードがCRユニット500に挿入されている状態で返却ボタン7bが操作されると、CRユニット500からプリペイドカードが返却される。
【0019】
(遊技盤10の構成)
次に、遊技盤10の構成を説明する。
図2は、本発明の第一実施形態に係るパチンコ機が備える遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
遊技盤10の正面には、遊技球の発射路20を構成する外レール21及び内レール22が設けられている。そして、遊技盤10の正面では、外レール21及び内レール22によって囲まれた領域が、発射路20を介して打ち出された遊技球が流下する遊技領域30となっている。遊技領域30には、打ち出された遊技球を後述する役物装置40、始動入賞口50等に誘導するように、複数の釘(図示せず)が配設されている。
遊技領域30の略中央部には、役物装置40が配設されている。役物装置40は、外周壁41と、外周壁41に設けられた入球口42と、入球口42の上方に配設された天井部材43と、入球口42と天井部材43との間に配設された開閉部材44と、開閉部材44の下方に配設された表示装置48と、を有している。
【0020】
外周壁41は、正面側から見て環状に形成されている。外周壁41の内側には、入球口42から入球した遊技球が流下する内側領域45が形成されている。内側領域45は、外周壁41によって遊技領域30に対して区画された領域となっている。
入球口42は、外周壁41の上部に設けられ、遊技領域30に打ち出された遊技球の入球が可能となっている。天井部材43は、正面側に向かって突出する柱状に形成され、外周壁41に対して離間した位置に配置されている。入球口42には、入球検知センサ102(
図3参照)が配設されている。入球検知センサ102は、入球口42に入球した遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置200(
図3参照)に対して出力する。主制御装置200は、入球検知センサ102からの検出信号の入力に応じて、賞球の払い出しに係る処理等を実行する。
開閉部材44は、一対の開閉片44aを有している。開閉部材44は、入球口42への遊技球の入球が不可能となる閉鎖状態と遊技球の入球が可能となる開放状態とに変位することが可能となっている。開閉部材44は、役物装置ソレノイド64(
図3参照)によって開閉される。
【0021】
内側領域45には、特定ゲート46と、特定ゲート46の下方に設けられた排出口47と、が設けられている。ここで、内側領域45には、特定ゲート46、排出口47等に遊技球を誘導するように、複数の釘(図示せず)が配設されている。
特定ゲート46は、常時、入球口42から入球した遊技球による通過が可能となるように形成されている。特定ゲート46には、特定検知センサ104(
図3参照)が配設されている。特定検知センサ104は、特定ゲート46を通過した遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置200に対して出力する。主制御装置200は、特定検知センサ104からの検出信号の入力に応じて、後述する大当たり遊技状態を生起させる。
排出口47は、内側領域45の最下方に設けられ、内側領域45を流下した遊技球を役物装置40の外部へ排出するための通路となっている。排出口47には、排出検知センサ103(
図3参照)が配設されている。排出検知センサ103は、排出口47から排出された遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置200に対して出力する。
演出表示装置48は、一対の表示部48aを有している。各表示部48aは、マトリクスLED等の可変表示装置によって構成されている。各表示部48aは、各種演出表示を行うことが可能となっている。
【0022】
役物装置40では、入球口42を介してのみ、内側領域45への遊技球の入球が可能となっている。また、役物装置40では、排出口47を介してのみ、内側領域45に入球した遊技球の排出が可能となっている。
役物装置40においては、後述する通常遊技状態では、開閉部材44が閉鎖状態とされる。これによって、各開閉片44aが外周壁41と天井部材43との間の空間を閉鎖して、入球口42への遊技球の入球が不可能となる。一方、役物装置40においては、後述する小当たり遊技及びラウンド遊技のうち一方が実行されている際には、開閉部材44が閉鎖状態から開放状態に変位される。これによって、各開閉片44aによる外周壁41と天井部材43との間の空間の閉鎖が解除されて、入球口42への遊技球の入球が可能となる。
入球口42から入球した遊技球は、内側領域45に誘導され、内側領域45を流下する。この際、入球口42から入球した遊技球は、入球検知センサ102により検出される。そして、内側領域45を流下する遊技球は、特定ゲート46を通過した後に、又は、特定ゲート46を通過することなく、排出口47から排出される。この際、特定ゲート46を通過した遊技球は、特定検知センサ104により検出され、排出口47から排出された遊技球は、排出検知センサ103により検出される。
【0023】
役物装置40の下方には、始動入賞口50が配設されている。始動入賞口50は、上向きに開口した入球口(いわゆる「ヘソ」)であり、常時、遊技球の入球が可能となっている。始動入賞口50内には、始動検知センサ101(
図3参照)が配設されている。始動検知センサ101は、始動入賞口50に入球した遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置200に対して出力する。主制御装置200は、始動検知センサ101からの検出信号の入力に応じて、後述する特別図柄抽選を実行する。
始動入賞口50の下方であって遊技領域30の最下方には、遊技球を回収するためのアウト口60が設けられている。アウト口60は、遊技領域30に打ち出された遊技球のうち、役物装置40、始動入賞口50等の入球部のいずれにも入球しなかった遊技球を排出する。
役物装置40の左方には、遊技状態表示装置70が配設されている。遊技状態表示装置70は、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成されている。遊技状態表示装置70は、特別図柄表示部71と、ラウンド数表示部72と、を有している。
特別図柄表示部71は、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特別図柄表示装置71は、特別図柄抽選が実行された場合に、特別図柄の変動表示を行った後に、当該特別図柄抽選の結果に対応する態様による特別図柄の停止表示を行う。
ラウンド数表示部72は、大当たり遊技状態を生起させることが決定された場合に、当該大当たり遊技状態において実行されるラウンド遊技の回数を表示する。
【0024】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図3は、本発明の第一実施形態に係るパチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パチンコ機1は、主制御装置200と、演出制御装置300と、払出制御装置400と、各制御装置200,300,400に電源(電力)を供給する電源装置600と、を備えている。
各制御装置200,300,400は、CPU(Central Processing Unit)と、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されているプログラムに基づく処理を進行するために使用される一時記憶領域となるRAM(Random Access Memory)と、を備えるマイクロコンピュータである。
【0025】
主制御装置200は、CPU210と、ROM220と、RAM230と、入力ポート240と、出力ポート250と、周波数発生回路260と、ハード乱数発生回路270と、を備える。
入力ポート240は、各検知センサ101〜104から入力された検出信号及び払出制御装置400から入力された制御コマンドのそれぞれを、CPU210に対して出力する。出力ポート250は、演出制御装置300及び払出制御装置400のそれぞれに対して制御コマンドを出力するとともに、遊技状態表示装置70及び役物装置ソレノイド64に対して制御信号を出力する。また、出力ポート250は、パチンコ機1の賞球の払い出しに関する情報やエラー信号をホールコンピュータ(図示せず)に対して出力する。
ROM220には、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータが格納されている。特に、ROM220には、遊技の進行に必要なデータとして、各種抽選を実行するための判定テーブル、演出制御装置300を制御するために必要な各種制御コマンドが格納されている。
【0026】
RAM230には、主制御装置200における入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタ等の各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等が一時的に記憶される。特に、RAM230は、始動検知センサ101からの検出信号の入力を契機として取得される始動情報を記憶する領域が設けられている。ここで、始動情報とは、各検出信号の入力を契機として取得された各種乱数値等の情報をいう。
周波数発生回路260は、クロック(同期信号)を発生させて、このクロックをCPU210及びハード乱数発生回路270のそれぞれに対して出力する。ハード乱数発生回路270は、特別図柄抽選の当たり乱数を発生させる。ハード乱数発生回路270は、周波数発生回路260から1クロックが入力されるごと(例えば、0.005[s]ごと)に、ループカウンタの値を所定の範囲内(例えば、0〜65535の範囲内)において1ずつ更新することによって、当たり乱数を発生させる。
【0027】
演出制御装置300は、主制御装置200から受信した制御コマンドに基づいて、演出表示装置48における演出画像の表示、ランプ11の点灯・点滅及び音発生装置12による音の出力のそれぞれを制御する。
演出制御装置300のROMには、演出の進行に係るプログラム、演出の進行に必要なデータが格納されている。演出制御装置300のRAMには、主制御装置200から受信した制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
演出制御装置300のCPUは、主制御装置200から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出を決定する。そして、決定した演出に係る演出プログラムにしたがって、画像データ、ランプ制御データ、音制御データを読み出して、読み出した制御データを画像表示装置20、ランプ21及び音発生装置22のそれぞれに対して出力する。
【0028】
払出制御装置400は、発射ハンドル6が備える発射ボリューム(図示せず)から入力された信号に基づいて、遊技球発射装置420による遊技球の発射動作を制御する。
具体的には、発射ボリュームは、発射ハンドル6が回転操作されると、この回転操作量に応じた信号を払出制御装置400に対して出力する。そして、払出制御装置400は、発射ボリュームから入力された信号に応じた強さで遊技球を遊技領域30に発射するように、遊技球発射装置420による遊技球の発射動作を制御する。
また、払出制御装置400は、主制御装置200から受信した制御コマンド及びCRユニット500から受信した球貸指示コマンドのそれぞれに基づいて、遊技球払出装置430による遊技球払出動作(遊技球を受皿5aに払い出す動作)を制御する。
具体的には、払出制御装置400は、主制御装置200から受信した制御コマンドに基づいて、遊技球(賞球)の払い出しに係る遊技球払出動作を制御する。また、球貸ボタン7aは、遊技者による操作に応じて、球貸操作信号を、接続基板410を経由してCRユニット500に対して送信する。CRユニット500は、球貸ボタン7aから球貸操作信号を受信すると、所定数の遊技球の払い出しを指示する制御コマンドを、接続基板410を経由して払出制御装置400に対して送信する。そして、払出制御装置400は、CRユニット500から受信した球貸指示コマンドに基づいて、遊技球(貸球)の払い出しに係る遊技球払出動作を制御する。
【0029】
(各種抽選について)
次に、パチンコ機1で実行される各種抽選について説明する。
図4は、各種抽選における当選確率及び当たりの種類を示す図である。
パチンコ機1では、始動入賞口50への遊技球の入球を契機として、特別図柄抽選及び大当たり振分け抽選が実行される。
特別図柄抽選は、小当たり遊技状態を生起させるか否かを決定するための抽選となっている。大当たり振分け抽選は、小当たり遊技状態が終了した後に生起される大当たり遊技状態の種類を決定するための抽選となっている。
特別図柄抽選に当選した場合には、小当たり遊技状態が生起させる。小当たり遊技状態では、役物装置40の開閉部材44が閉鎖状態から開放状態に変位される小当たり開放遊技が実行されて、役物装置40の入球口42への遊技球の入球が可能な状態となる。後述するように、本実施形態では、小当たり開放遊技は、1回の小当たり遊技からなる。しかしながら、小当たり開放遊技が複数回の小当たり遊技(例えば、0.5[s]の開放を2回行う)からなる構成としても構わない。
そして、小当たり開放遊技の実行中に入球口42から内側領域45に入球した遊技球が特定ゲート46を通過した場合には、大当たり遊技状態が生起される。この際、生起される大当たり遊技状態の種類は、大当たり振分け抽選に基づいて決定される。大当たり遊技状態では、役物装置40の開閉部材44が閉鎖状態から開放状態に変位される大当たり開放遊技(遊技者に有利な遊技)が実行されて、役物装置40の入球口42への遊技球の入球が可能な状態となる。本実施形態では、大当たり開放遊技は、複数回(5回、10回又は15回)のラウンド遊技からなる。
【0030】
図4(a)に示すように、本実施形態では、特別図柄抽選の当選確率は、100%(65536/65536)に設定されている。また、
図4(b)に示すように、特別図柄抽選に当選した場合に生起される小当たり遊技状態の種類として、「小当たり1」のみが設定されている。なお、特別図柄抽選において「はずれ」を設定しても構わず、また、特別図柄抽選に当選した場合に生起される小当たり遊技状態の種類として、小当たり遊技回数及び開放時間のうち少なくとも一方が異なる複数種類の小当たり遊技状態を設定しても構わない。
「小当たり1」に当選した場合には、小当たり遊技の回数が1回に設定され、各回の小当たり遊技における開閉部材44の開放時間が0.5[s]に設定される。各回の小当たり遊技における開閉部材44の開放は、開閉部材44が開放状態とされてから設定された開放時間が経過することにより終了する。
本実施形態では、小当たり遊技状態は、特別図柄表示部71において特別図柄(小当たり図柄)が停止表示されたことに応じて開始される。そして、小当たり遊技状態は、小当たり開放遊技が実行されている期間中において遊技球による特定ゲート46の通過が検出された場合には、当該小当たり開放遊技の終了に応じて終了し、小当たりウエイト期間中において遊技球による特定ゲート46の通過が検出された場合には、当該検出に応じて終了し、小当たり開放遊技が実行されている期間中及び小当たりウエイト期間中を通じて遊技球による特定ゲート46の通過が検出されなかった場合には、小当たりウエイト期間の終了に応じて終了する。小当たりウエイト期間とは、小当たり遊技状態における小当たり開放遊技の終了後から所定時間(小当たりウエイト時間)が経過するまでの期間をいう。
【0031】
図4(c)に示すように、本実施柄形態では、大当たり振分け抽選に基づいて決定される大当たり遊技状態の種類として、「大当たり1」、「大当たり2」及び「大当たり3」の3種類が設定されている。また、大当たり振分け抽選における各種類の大当たり遊技状態の当選確率は、「大当たり1」が60%、「大当たり2」が30%、「大当たり3」が10%となっている。
「大当たり1」に当選した場合には、ラウンド遊技の回数が5回に設定され、各回のラウンド遊技における開閉部材44の最長開放時間が30.0[s]に設定される。「大当たり2」に当選した場合には、ラウンド遊技の回数が10回に設定され、各回のラウンド遊技における開閉部材44の最長開放時間が30.0[s]に設定される。「大当たり3」に当選した場合には、ラウンド遊技の回数が15回に設定され、各回のラウンド遊技における開閉部材44の最長開放時間が30.0[s]に設定される。
各回のラウンド遊技における開閉部材44の開放は、開閉部材44が開放状態とされてから、設定された最長開放時間が経過するか、又は、役物装置40(入球口42)への遊技球の入球数が所定数(例えば、10個)に達することにより終了する。
本実施形態では、大当たり遊技状態は、遊技球による特定ゲート46の通過が検出されたことに応じて開始される。そして、大当たり遊技状態は、大当たりウエイト期間の経過に応じて終了する。ここで、大当たりウエイト期間とは、大当たり遊技状態における大当たり開放遊技(最終回のラウンド遊技)の終了後から所定時間(大当たりウエイト時間)が経過するまでの期間をいう。
【0032】
(制御コマンドについて)
次に、主制御装置200から演出制御装置300に対して送信される制御コマンドにつて説明する。
図5は、主制御装置から演出制御装置に対して送信される制御コマンドを説明する図である。
主制御装置200と演出制御装置200とは、シリアル通信用のハーネスを介して互いに接続されている。ここで、主制御装置200と演出制御装置300との間における通信は、主制御装置200から演出制御装置300への一方向のみで行われ、演出制御装置300から主制御装置200への通信は行われない。
主制御装置200から演出制御装置300に対して送信される各制御コマンドは、制御コマンドの種類を示す1バイトの先行データと、制御コマンドの内容を示す1バイトの後続データと、から構成されている。
そして、主制御装置200は、シリアル通信によって、先行データ及び後続データから構成される制御コマンドを演出制御装置300に対して送信する。演出制御装置300では、主制御装置200から制御コマンドを受信すると、シリアル通信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをRAMの所定領域に記憶する。
【0033】
図5に示すように、パチンコ機1では、主制御装置200から演出制御装置300に対して送信される制御コマンドとして、小当たり指定コマンド、オープニング指定コマンド、ラウンド遊技開始指定コマンド、ラウンド遊技終了指定コマンド、エンディング指定コマンド、排出完了指定コマンド、エラー指定コマンド等が設定されている。
小当たり指定コマンドは、小当たり演出の開始を指定するコマンドである。小当たり指定コマンドは、小当たり遊技状態の開始時に送信される。
オープニング指定コマンドは、オープニング演出の開始を指定するコマンドである。オープニング指定コマンドは、「大当たり1」に係るオープニング演出の開始(5ラウンド指定)、「大当たり2」に係るオープニング演出の開始(10ラウンド指定)又は「大当たり3」に係るオープニング演出の開始(15ラウンド指定)を指定する。オープニング指定コマンドは、大当たり遊技状態の開始時に送信される。
ラウンド遊技開始指定コマンドは、ラウンド遊技演出の開始を指定するコマンドである。ラウンド遊技開始指定コマンドは、ラウンド遊技の開始時に送信される。
【0034】
ラウンド遊技終了指定コマンドは、ラウンド遊技演出の終了を指定するコマンドである。ラウンド遊技終了指定コマンドは、ラウンド遊技の終了時に送信される。
エンディング指定コマンドは、エンディング演出の開始を指定するコマンドである。エンディング指定コマンドは、大当たり遊技状態における最終回のラウンド遊技の終了時に送信される。
排出完了指定コマンドは、遊技球の排出完了を指定するコマンドである。本実施形態では、遊技球の排出完了とは、小当たり遊技状態における小当たり遊技の開始から大当たり遊技状態における最終回のラウンド遊技の終了までの期間中において役物装置40の入球口42から入球した遊技球が、排出口47から排出されたことをいう。排出完了指定コマンドは、遊技球の排出完了の検出時に送信される。
エラー指定コマンドは、エラーの発生を指定するコマンドである。エラー指定コマンドは、エラーの発生の検出時に送信される。
【0035】
(主制御装置で実行される処理)
次に、主制御装置200で実行される処理を説明する。
図6は、主制御装置が実行するメインループ処理を示すフローチャートである。
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御装置200のハード乱数発生回路270は、周波数発生回路260から1クロックが入力されるごと(例えば、0.005sごと)に、ループカウンタの値を所定の範囲内(例えば、0〜65535の範囲内)において1ずつ更新するハード乱数更新処理を開始する。そして、ハード乱数更新処理によって、特別図柄抽選の当たり乱数が更新される。なお、ハード乱数更新処理は、
図6に示すメインループ処理と非同期で実行される。
【0036】
また、パチンコ機1に対して電源が投入されると、主制御装置200のCPU210は、所定の初期化処理を実行した後に、
図6に示すメインループ処理を繰り返し実行する。
メインループ処理は、CPU210により実行されると、まず、ステップS10に移行する。
ステップS10では、割込み禁止処理を実行して、ステップS11に移行する。割込み禁止処理では、他の処理の割込みを禁止する割込み禁止状態を設定する。これにより、割込み禁止状態が設定されている期間中には、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の実行が禁止される。
ステップS11では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップS12に移行する。初期値乱数更新処理では、初期値乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。初期値乱数とは、プログラム上で発生する乱数であるソフト乱数(図柄決定乱数)の初期値及び終了値を更新(変更)するための乱数である。
すなわち、ソフト乱数を発生させるループカウンタは、予め設定された初期値から終了値までの範囲内において更新される。そして、ループカウンタの初期値及び終了値は、ループカウンタの乱数値が終了値に達するごとに変更される。この際、ループカウンタに設定される初期値及び終了値は、初期値乱数に基づいて決定される。
【0037】
ステップS12では、制御コマンド解析処理を実行し、ステップS13に移行する。制御コマンド解析処理では、払出制御装置400から受信した制御コマンドの解析を行う。
ステップS13では、割込み許可処理を実行し、ステップS10に移行する。割込み許可処理では、割込み禁止状態を解除する。これにより、ステップS13に係る処理が実行されてからステップS10に係る処理が実行されるまでの期間中が、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の実行が許可された割込み許可期間となる。
【0038】
次に、CPU210が実行するシリアル通信受信割込み処理を説明する。
図7は、主制御装置が実行するシリアル通信受信割込み処理を示すフローチャートである。
CPU210は、メインループ処理に係る割込み許可期間中又はタイマ割込み処理に係る割込み許可期間中において、払出制御装置400から制御コマンドを受信した場合に、シリアル通信受信処理を実行する。なお、シリアル通信受信割込み処理は、多重割込みを禁止する処理となっている。
図7に示すように、シリアル通信受信処理は、CPU210により実行されると、まず、ステップS20に移行する。
ステップS20では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS21に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータA及びフラグレジスタF)の値をRAM230の退避領域に退避させる。
【0039】
ステップS21では、制御コマンドを受信するための受信バッファにデータが存在するか否かを判定し、受信バッファにデータが存在すると判定した場合(Yes)には、ステップS22に移行し、受信バッファにデータが存在しないと判定した場合(No)には、ステップS23に移行する。
ステップS22では、受信データ格納処理を実行し、ステップS23に移行する。受信データ格納処理では、受信バッファに存在するデータをRAM230の所定領域に格納する。
ステップS23では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS20で退避しておいたレジスタの値を復帰させ、割込みを許可する。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0040】
次に、CPUが実行するタイマ割込み処理を説明する。
図8は、主制御装置が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
周波数発生回路260は、所定周期(例えば、4.0[ms])ごとに、割込み要求信号を発生させる。そして、CPU210は、メインループ処理に係る割込み許可期間中において、割込み要求信号の発生に応じて、タイマ割込み処理を実行する。なお、タイマ割込み処理は、多重割込みを許可する処理となっている。
図8に示すように、タイマ割込み処理は、CPU210により実行されると、まず、ステップS30に移行する。
ステップS30では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS31に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していた全てのレジスタの値をRAM230の退避領域に退避させ、割込みを許可する。
ステップS31では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップS32に移行する。ステップS31の初期値乱数更新処理は、ステップS11の初期値乱数更新処理と同一の処理となっている。
【0041】
ステップS32では、ソフト乱数更新処理を実行し、ステップS33に移行する。ソフト乱数更新処理では、ソフト乱数のうち図柄決定乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。
ステップS33では、スイッチチェック処理を実行し、ステップS34に移行する。スイッチチェック処理では、入力ポート240における各検知センサ101〜104からの検出信号の入力の有無をチェックする。そして、いずれかの検知センサ101〜104からの検出信号の入力を検出した場合には、該検出を示す情報をRAM230の所定領域に記憶する。
ステップS34では、特別図柄抽選に係る各種乱数を記憶する特図乱数記憶処理を実行し、ステップS35に移行する。特図乱数記憶処理については、後述する。
ステップS35では、特別図柄抽選の抽選結果を報知する特図変動処理を実行し、ステップS36に移行する。特図変動処理については、後述する。
ステップS36では、小当たり遊技状態を生起させる小当たり遊技処理を実行し、ステップS37に移行する。小当たり遊技処理については、後述する。
ステップS37では、大当たり遊技状態を生起させる大当たり遊技処理を実行し、ステップS38に移行する。大当たり遊技処理については、後述する。
【0042】
ステップS38では、賞球の払い出し動作を実行する賞球払出処理を実行し、ステップS39に移行する。賞球払出処理では、ステップS33の処理結果に基づいて、各検知センサ101,102からの検出信号の入力の有無を判定する。そして、各検知センサ101,102からの検出信号の入力があった場合には、賞球数指定コマンドをポート出力要求バッファに記憶する。
本実施形態では、始動検知センサ101から検出信号の入力があった場合には、「3個」の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、入球検知センサ102から検出信号の入力があった場合には、「15個」の賞球数を指定する賞球数指定コマンドをポート出力要求バッファに記憶する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、賞球数指定コマンドが払出制御装置400に対して送信される。
【0043】
ステップS39では、制御コマンドを送信する処理であるポート出力処理を実行し、ステップS40に移行する。ポート出力処理では、ポート出力要求バッファに記憶されている各種制御コマンドが、演出制御装置300又は払出制御装置400に対して送信される。また、ポート出力処理では、制御信号が、遊技状態表示装置70、役物装置ソレノイド64等に対して出力される。
ステップS40では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS30で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0044】
次に、ステップS34の特図乱数記憶処理を説明する。
図9は、特図乱数記憶処理を示すフローチャートである。
特図乱数記憶処理は、ステップS34において実行されると、
図9に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、ステップS33の処理結果に基づいて、始動検知センサ101からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS101に移行し、入力を検出しないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS101では、特別図柄の報知表示中であるか否かを判定し、特別図柄の報知表示中でないと判定した場合(No)には、ステップS102に移行し、特別図柄の報知表示中であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、特別図柄の報知表示中とは、特別図柄表示部71において、特別図柄の変動表示又は停止表示が行われている期間中をいう。
【0045】
ステップS102では、乱数記憶処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。乱数記憶処理では、特別図柄抽選に係る当たり乱数、大当たり振分け抽選に係る図柄決定乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した各種乱数(乱数値)を、始動情報として、RAM230の始動情報記憶領域に記憶する。
ここで、本実施形態では、始動情報を保留することができない構成となっている。しかしながら、始動情報を所定最大数まで保留することができる構成としても構わない。具体的には、特別図柄の報知表示中に始動検知センサ101からの検出信号の入力を検出した場合には、当該検出に応じて取得した始動情報を保留情報として所定最大数まで記憶する。そして、特別図柄の報知表示の終了後(小当たり遊技状態の生起中及び大当たり遊技状態の生起中を除く)、保留情報が記憶されている場合には、当該保留情報に基づく特別図柄の報知表示を開始する。
【0046】
次に、ステップS35の特図変動処理を説明する。
図10は、特図変動処理を示すフローチャートである。
特図変動処理は、ステップS35において実行されると、
図10に示すように、まず、ステップS110に移行する。
ステップS110では、小当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、小当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合(No)には、ステップS111に移行し、小当たり遊技状態の生起中であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、小当たり遊技状態の生起中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている小当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
ステップS111では、大当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、大当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合(No)には、ステップS112に移行し、大当たり遊技状態の生起中であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、大当たり遊技状態の生起中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている大当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
ステップS112では、特別図柄の報知表示中であるか否かを判定し、特別図柄の報知表示中でないと判定した場合(No)には、ステップS113に移行し、特別図柄の報知表示中であると判定した場合(Yes)には、ステップS118に移行する。
【0047】
ステップS113では、RAM230の始動情報記憶領域において始動情報が記憶されているか否かを判定し、始動情報が記憶されていると判定した場合(Yes)には、ステップS114に移行し、始動情報が記憶されていないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS114では、小当たり判定処理を実行し、ステップS115に移行する。小当たり判定処理では、RAM230の始動情報記憶領域に記憶されている始動情報に含まれる当たり乱数を読み出して、この当たり乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定(小当たり判定)する。
ここで、ROM220には、当たり乱数と当たり値との対応が登録された特別図柄抽選テーブルが格納されている。本実施形態では、特別図柄抽選の当選確率が100%となるように、特別図柄抽選テーブルにおいて当たり値が登録されている。そして、当たり乱数及び特別図柄抽選テーブルに基づいて、当たり乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定する。
【0048】
ステップS115では、停止図柄設定処理を実行し、ステップS116に移行する。停止図柄設定処理では、ステップS114の処理結果に基づいて、停止表示させる特別図柄の態様(停止図柄)を設定する。
具体的には、ステップS114において特別図柄抽選に当選したと判定された場合には、停止図柄として、「小当たり図柄」を設定する。一方、特別図柄抽選に落選したと判定された場合には、停止図柄として、「はずれ図柄」を決定する。本実施形態では、特別図柄抽選の当選確率が100%に設定されているため、停止図柄設定処理では、停止図柄として、「小当たり図柄」が設定される。
また、停止図柄設定処理では、遊技球による特定ゲート46の通過が検出された場合に生起させる大当たり遊技状態の種類(「大当たり1」、「大当たり2」又は「大当たり3」)を設定する。
具体的には、ステップS114において特別図柄抽選に当選したと判定された場合には、この判定に係る始動情報に含まれる図柄決定乱数を読み出して、読み出した図柄決定乱数に基づいて、遊技球による特定ゲート46の通過が検出された場合に生起させる大当たり遊技状態の種類を決定する。
ここで、ROM220には、図柄決定乱数と大当たり遊技状態の種類との対応が登録された大当たり種別決定テーブルが格納されている。そして、図柄決定乱数及び大当たり種別決定テーブルに基づいて、大当たり遊技状態の種類を決定する。
そして、決定された大当たり遊技状態の種類に対応する大当たり種別フラグを、RAM230の所定領域に記憶する。
ステップS116では、変動時間設定処理を実行し、ステップS117に移行する。変動時間設定処理では、特別図柄の変動時間を設定する。変動時間設定処理では、所定の変動時間を、特図変動時間タイマに設定する。本実施形態では、所定の変動時間として、0.5[s]が設定されている。
【0049】
ステップS117では、報知表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。報知表示開始処理では、特別図柄表示部71において、特別図柄の変動表示を開始するとともに、設定した特図変動時間タイマによる変動時間の計測を開始する。
ステップS118では、特図変動時間タイマに基づいて、ステップS117で設定した特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、設定した特別図柄の変動時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS119に移行し、設定した特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS119では、報知表示終了処理を実行し、ステップS120に移行する。報知表示終了処理では、特別図柄表示部71において、ステップS115で設定された停止図柄による特別図柄の停止表示を行う。なお、特別図柄の停止表示は、予め設定されている所定時間行われる。
ステップS120では、ステップS119で停止表示された停止図柄が「小当たり図柄」であるか否かを判定し、「小当たり図柄」であると判定した場合(Yes)には、ステップS121に移行し、「小当たり図柄」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0050】
ステップS121では、小当たり遊技状態開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。小当たり遊技状態開始処理では、小当たり遊技状態フラグを、RAM230の所定領域に設定(記憶)する。また、小当たり遊技回数(本実施形態では、1[回])を、小当たり遊技カウンタに設定する。さらに、小当たり遊技における開閉部材44の開放時間(本実施形態では、0.5[s])を、小当たり遊技タイマに設定する。そして、役物装置40の開閉部材44の開放を開始するとともに、設定した小当たり遊技タイマによる開閉部材44の開放時間の計測を開始する。
また、小当たり遊技状態開始処理では、入球数カウンタによる役物装置40の入球口42に入球した遊技球の数のカウントを開始するとともに、排出数カウンタによる役物装置40の排出口47から排出された遊技球の数のカウントを開始する。具体的には、入球検知センサ102からの検出信号の入力を検出した場合には、入球数カウンタの値をカウントアップする。一方、排出検知センサ103からの検出信号の入力を検出した場合には、排出数カウンタの値をカウントアップする。
【0051】
ここで、入球数カウンタによる役物装置40の入球口42に入球した遊技球の数のカウントは、少なくとも、大当たり遊技状態における大当たり開放遊技(最終回のラウンド遊技)が終了するまで継続する。これにより、入球数カウンタは、小当たり遊技状態(小当たり開放遊技)の開始から大当たり開放遊技(最終回のラウンド遊技)の終了までの期間中における役物装置40への遊技球の入球数を積算する。一方、排出数カウンタによる役物装置40の排出口47から排出された遊技球の数のカウントは、少なくとも、後述するステップS161に係る判定時(大当たりウエイト期間の終了時)まで継続する。これにより、排出数カウンタは、小当たり遊技状態(小当たり開放遊技)の開始から大当たりウエイト時間の終了時までの期間中における役物装置40から排出された遊技球の数を積算する。
【0052】
なお、入球数カウンタ及び排出数カウンタを一のカウンタにより構成しても構わない。具体的には、入球口42に入球した遊技球の数及び排出口47から排出された遊技球の数のそれぞれをカウントする入排出数カウンタを設ける。そして、入球検知センサ102からの検出信号の入力を検出した場合には、入排出数カウンタの値をカウントアップする。一方、排出検知センサ103からの検出信号の入力を検出した場合には、入排出数カウンタの値をカウントダウンする。
さらに、小当たり遊技状態開始処理では、小当たり指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、小当たり指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、小当たり指定コマンドを受信した場合には、所定の小当たり演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、所定の小当たり演出として、ランプ11及び音発生装置12による演出を実行する。
【0053】
次に、ステップS36の小当たり遊技処理を説明する。
図11は、小当たり遊技処理を示すフローチャートである。
小当たり遊技処理は、ステップS36において実行されると、
図11に示すように、まず、ステップS130に移行する。
ステップS130では、小当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、小当たり遊技状態の生起中であると判定した場合(Yes)には、ステップS131に移行し、小当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、小当たり遊技状態の生起中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている小当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
ステップS131では、ステップS33の処理結果に基づいて、特定検知センサ104からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS132に移行し、入力を検出しないと判定した場合(No)には、ステップS133に移行する。
【0054】
ステップS132では、特定検知フラグ設定処理を実行し、ステップS133に移行する。特定検知フラグ設定処理では、特定検知フラグを、RAM230の所定領域に記憶する。
ステップS133では、小当たりウエイト期間中であるか否かを判定し、小当たりウエイト期間中でないと判定した場合(No)には、ステップS134に移行し、小当たりウエイト期間中であると判定した場合(Yes)には、ステップS142に移行する。
ここで、小当たりウエイト期間中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている小当たりウエイト期間フラグに基づいて判定する。
ステップS134では、役物装置40の開閉部材44の開放中(小当たり遊技中)であるか否かを判定し、開閉部材44の開放中であると判定した場合(Yes)には、ステップS135に移行し、開閉部材44の開放中でないと判定した場合(No)には、ステップS137に移行する。
【0055】
ステップS135では、役物装置40の開放部材44の閉鎖条件(小当たり遊技の終了条件)を満たすか否かを判定し、開閉部材44の閉鎖条件を満たすと判定した場合(Yes)には、ステップS136に移行し、開閉部材44の閉鎖条件を満たさないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、小当たり遊技タイマに設定された開放時間が経過した場合に、開放部材44の閉鎖条件を満たすと判定する。
ステップS136では、小当たり遊技終了処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。小当たり遊技終了処理では、役物装置40の開閉部材44を閉鎖して、小当たり遊技タイマの値をリセットする。また、小当たり遊技カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たに小当たり遊技カウンタに設定する。
【0056】
ステップS137では、小当たり開放遊技を終了するか否かを判定し、小当たり開放遊技を終了しないと判定した場合(No)には、ステップS138に移行し、小当たり開放遊技を終了すると判定(Yes)した場合には、ステップS139に移行する。
ここで、小当たり遊技カウンタに設定されている値が「0」となった場合に、小当たり開放遊技を終了すると判定する。なお、本実施形態では、小当たり開放遊技は、1回の小当たり遊技からなる。したがって、ステップS137に係る判定では、必ず、小当たり開放遊技を終了すると判定され、小当たり開放遊技を終了しないと判定されることはない。
ステップS138では、小当たり遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。小当たり遊技開始処理では、小当たり遊技における開閉部材44の開放時間(本実施形態では、0.5[s])を、小当たり遊技タイマに設定する。そして、役物装置40の開閉部材44の開放を開始するとともに、設定した小当たり遊技タイマによる開閉部材44の開放時間の計測を開始する。
【0057】
ステップS139では、RAM230の所定領域において特定検知フラグが設定されているか否かを判定し、特定検知フラグが設定されていないと判定した場合(No)には、ステップS140に移行し、特定検知フラグが設定されていると判定した場合(Yes)には、ステップS141に移行する。
ステップS140では、小当たりウエイト期間開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。小当たりウエイト期間開始処理では、小当たりウエイト期間フラグを、RAM230の所定領域に記憶する。また、小当たりウエイト時間(本実施形態では、30.0[s])を小当たりウエイト時間タイマに設定し、設定した小当たりウエイト時間タイマによる小当たりウエイト時間の計測を開始する。
ここで、小当たり開放遊技の終了後からRAM230の所定領域に設定されている小当たりウエイト期間フラグが解除されるまでの期間が、小当たりウエイト期間となる。
【0058】
ステップS141では、大当たり遊技状態開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。大当たり遊技状態開始処理では、大当たり遊技状態フラグ及びオープニング期間フラグのそれぞれをRAM230の所定領域に設定するとともに、RAM230の所定領域に設定されている小当たり遊技状態フラグ及び特定検知フラグのそれぞれを解除(消去)する。
また、大当たり遊技状態開始処理では、オープニング時間(本実施形態では、5.0[s])をオープニング時間タイマに設定し、設定したオープニング時間タイマによるオープニング時間の計測を開始する。ここで、小当たり遊技状態の終了後からRAM230の所定領域に設定されているオープニング期間フラグが解除されるまでの期間が、オープニング期間となる。
さらに、大当たり遊技開始処理では、ステップS115において設定した大当たり種別フラグに基づいて、生起させる大当たり遊技状態の種類(「大当たり1」、「大当たり2」又は「大当たり3」)を確認する。そして、確認した大当たり遊技状態の種類に対応するオープニング指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、オープニング指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、オープニング指定コマンドを受信した場合には、所定のオープニング演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、オープニング演出として、生起される大当たり遊技状態に係るラウンド遊技回数(5[回]、10[回]又は15[回])を、役物装置40の演出表示装置40に表示するとともに、ランプ11及び音発生装置12による演出を実行する。
【0059】
ステップS142では、RAM230の所定領域において特定検知フラグが設定されているか否かを判定し、特定検知フラグが設定されていないと判定した場合(No)には、ステップS143に移行し、特定検知フラグが設定されていると判定した場合(Yes)には、ステップS141に移行する。
ステップS143では、小当たりウエイト時間タイマに設定された小当たりウエイト時間が経過したか否かを判定し、小当たりウエイト時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS144に移行し、小当たりウエイト時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS144では、役物装置40における遊技球の排出が完了したか否かを判定し、遊技球の排出が完了したと判定した場合(Yes)には、ステップS145に移行し、遊技球の排出が完了していないと判定した場合(No)には、ステップS146に移行する。
具体的には、入球数カウンタの値と排出数カウンタの値とが一致しているか否かを判定し、一致している場合には、遊技球の排出が完了したと判定し、一致していない場合(排出数カウンタの値が入球数カウンタの値より小さい場合)には、遊技球の排出が完了していないと判定する。
【0060】
ステップS145では、小当たり遊技状態終了処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。小当たり遊技状態終了処理では、RAM230の所定領域に設定されている小当たり遊技状態フラグ及び小当たりウエイト期間フラグのそれぞれを解除(消去)する。また、入球数カウンタの値及び排出数カウンタの値のそれぞれをリセットする。
さらに、小当たり遊技状態終了処理では、排出完了指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、排出完了指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
ステップS146では、エラー処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。エラー処理では、エラー指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、エラー指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、エラー指定コマンドを受信した場合には、所定のエラー報知を実行する。具体的には、演出制御装置300は、所定のエラー報知として、ランプ11及び音発生装置12によりエラーの発生を報知する。
ここで、エラー処理が実行される場合には、RAM230の所定領域に設定されている小当たりウエイト期間フラグが解除されない。これにより、エラーが発生した場合には、小当たりウエイト期間で遊技が停止することになる。この際、本実施形態では、パチンコ機1に設けられているRAMクリアボタン(図示せず)が操作された場合に、RAM230の所定領域に設定されている各種フラグが解除される。
【0061】
次に、ステップS37の大当たり遊技処理を説明する。
図12は、本発明の第一実施形態に係るパチンコ機における大当たり遊技処理を示すフローチャートである。
大当たり遊技処理は、ステップS37において実行されると、
図12に示すように、まず、ステップS150に移行する。
ステップS150では、大当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、大当たり遊技状態の生起中であると判定した場合(Yes)には、ステップS151に移行し、大当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、大当たり遊技状態の生起中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている大当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
【0062】
ステップS151では、オープニング期間中であるか否かを判定し、オープニング期間中であると判定した場合(Yes)には、ステップS152に移行し、オープニング期間中でないと判定した場合(No)には、ステップS154に移行する。
ここで、オープニング期間中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されているオープニング期間フラグに基づいて判定する。
ステップS152では、オープニング時間タイマに設定されたオープニング時間が経過したか否かを判定し、オープニング時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS153に移行し、オープニング時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0063】
ステップS153では、大当たり開放遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。大当たり開放遊技開始処理では、まず、ステップS115において設定した大当たり種別フラグに基づいて、生起させる大当たり遊技状態の種類(「大当たり1」、「大当たり2」又は「大当たり3」)を確認する。そして、確認した大当たり遊技状態の種類に対応するラウンド遊技回数(5[回]、10[回]又は15[回])を、ラウンド遊技カウンタに設定する。また、ラウンド遊技における開閉部材44の最長開放時間(本実施形態では、30.0[s])を、ラウンド遊技タイマに設定する。そして、開閉部材44の開放を開始するとともに、設定したラウンド遊技タイマによる開閉部材44の開放時間の計測を開始する。さらに、入賞数カウンタによる役物装置40への遊技球の入球数のカウントを開始する。
また、大当たり開放遊技開始処理では、RAM230の所定領域に記載されているオープニング期間フラグを消去する。
さらに、大当たり開放遊技開始処理では、ラウンド遊技開始指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、ラウンド遊技開始指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、ラウンド遊技開始指定コマンドを受信した場合には、所定のラウンド遊技演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、所定のラウンド遊技演出として、演出表示装置48、ランプ11及び音発生装置12による演出を実行する。
【0064】
ステップS154では、大当たりウエイト期間中であるか否かを判定し、大当たりウエイト期間中でないと判定した場合(No)には、ステップS155に移行し、大当たりウエイト期間中であると判定した場合(Yes)には、ステップS163に移行する。
ここで、大当たりウエイト期間中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている大当たりウエイト期間フラグに基づいて判定する。
ステップS155では、役物装置40の開閉部材44の開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定し、開閉部材44の開放中であると判定した場合(Yes)には、ステップS156に移行し、開閉部材44の開放中でないと判定した場合(No)には、ステップS160に移行する。
ステップS156では、役物装置40の開放部材44の閉鎖条件(ラウンド遊技の終了条件)を満たすか否かを判定し、開閉部材44の閉鎖条件を満たさないと判定した場合(No)には、ステップS157に移行し、開閉部材44の閉鎖条件を満たすと判定した場合(Yes)には、ステップS159に移行する。
ここで、ラウンド遊技タイマに設定された開放時間が経過したこと及び賞球数カウンタのカウント値が所定数(本実施形態では、10[球])に達したことのうち一方の条件が満たされた場合に、開放部材44の閉鎖条件を満たすと判定する。
【0065】
ステップS157では、入球数と排出数との差が所定値を超えたか否かを判定し、入球数と排出数との差が所定値を超えたと判定した場合(Yes)には、ステップS158に移行し、入球数と排出数との差が所定値を超えていないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
具体的には、入球数カウンタの値と排出数カウンタの値との差を算出して、当該差の値が所定値(本実施形態では、10[球])を超えたか否かを判定する。本実施形態では、入球数カウンタの値から排出数カウンタの値を減算した値が所定値を超えた場合に、後述するステップS158のエラー処理を実行する。しかしながら、排出数カウンタの値から入球数カウンタの値を減算した値が所定値を超えた場合に、ステップS158のエラー処理を実行する構成としても構わず、また、入球数カウンタの値から排出数カウンタの値を減算した値が所定値を超えたこと及び排出数カウンタの値から入球数カウンタの値を減算した値が所定値を超えたことのうち少なくとも一方が満たされた場合に、ステップS158のエラー処理を実行する構成としても構わない。
【0066】
ステップS158では、エラー処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ステップS158のエラー処理は、ステップS146のエラー処理と同様の処理となっている。
ステップS159では、ラウンド遊技終了処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。ラウンド遊技終了処理では、役物装置40の開閉部材44を閉鎖して、ラウンド遊技タイマの値及び入賞数カウンタの値のそれぞれをリセットする。また、ラウンド遊技カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たにラウンド遊技カウンタに設定する。
また、ラウンド遊技終了処理では、ラウンド遊技終了指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、ラウンド遊技終了指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、ラウンド遊技終了指定コマンドを受信した場合には、実行中のラウンド遊技演出を終了する。
【0067】
ステップS160では、大当たり開放遊技を終了するか否かを判定し、大当たり開放遊技を終了しないと判定した場合(No)には、ステップS161に移行し、大当たり開放遊技を終了すると判定(Yes)した場合には、ステップS162に移行する。
ここで、大当たり遊技カウンタに設定されている値が「0」となった場合に、大当たり開放遊技を終了すると判定する。
ステップS161では、ラウンド遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。ラウンド遊技開始処理では、ラウンド遊技における開閉部材44の最長開放時間(本実施形態では、30.0[s])を、ラウンド遊技タイマに設定する。そして、開閉部材44の開放を開始するとともに、設定したラウンド遊技タイマによる開閉部材44の開放時間の計測を開始する。さらに、入賞数カウンタによる役物装置40への遊技球の入球数のカウントを開始する。
また、ラウンド遊技開始処理では、ラウンド遊技開始指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、ラウンド遊技開始指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、ラウンド遊技開始指定コマンドを受信した場合には、所定のラウンド遊技演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、所定のラウンド遊技演出として、演出表示装置48、ランプ11及び音発生装置12による演出を実行する。
【0068】
ステップS162では、大当たりウエイト期間開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。大当たりウエイト期間開始処理では、大当たりウエイト期間フラグを、RAM230の所定領域に記憶する。また、大当たりウエイト時間(本実施形態では、30.0[s])を大当たりウエイト時間タイマに設定し、設定した大当たりウエイト時間タイマによる大当たりウエイト時間の計測を開始する。
ここで、大当たり開放遊技の終了後からRAM230の所定領域に設定されている大当たりウエイト期間フラグが解除されるまでの期間が、大当たりウエイト期間となる。
また、大当たりウエイト期間開始処理では、エンディング指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、エンディング指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、エンディング指定コマンドを受信した場合には、所定のエンディング演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、所定のエンディング演出として、演出表示装置48、ランプ11及び音発生装置12による演出を実行する。
【0069】
ステップS163では、大当たりウエイト時間タイマに設定された大当たりウエイト時間が経過したか否かを判定し、大当たりウエイト時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS164に移行し、大当たりウエイト時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS164では、役物装置40における遊技球の排出が完了したか否かを判定し、遊技球の排出が完了したと判定した場合(Yes)には、ステップS165に移行し、遊技球の排出が完了していないと判定した場合(No)には、ステップS166に移行する。
具体的には、入球数カウンタの値と排出数カウンタの値とが一致しているか否かを判定し、一致している場合には、遊技球の排出が完了したと判定し、一致していない場合(排出数カウンタの値が入球数カウンタの値より小さい場合)には、遊技球の排出が完了していないと判定する。
ステップS165では、大当たり遊技状態終了処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。大当たり遊技状態終了処理では、RAM230の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグ、大当たり種別フラグ及び大当たりウエイト期間フラグのそれぞれを解除(消去)する。また、入球数カウンタの値及び排出数カウンタの値のそれぞれをリセットする。
また、大当たり遊技状態終了処理では、排出完了指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、排出完了指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
【0070】
ステップS166では、エラー処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ステップS166のエラー処理は、ステップS146のエラー処理と同様の処理となっている。ここで、ステップS166のエラー処理が実行される場合には、RAM230の所定領域に設定されている大当たりウエイト期間フラグが解除されない。これにより、エラーが発生した場合には、大当たりウエイト期間で遊技が停止することになる。この際、本実施形態では、パチンコ機1に設けられているRAMクリアボタン(図示せず)が操作された場合に、RAM230の所定領域に設定されている各種フラグが解除される。
【0071】
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
パチンコ機1では、遊技状態として、通常遊技状態、小当たり遊技状態及び大当たり遊技状態を有している。
通常遊技状態は、小当たり遊技状態及び大当たり遊技状態のいずれも生起されてない遊技状態となっている。通常遊技状態では、役物装置40の開閉部材44が閉鎖状態とされている。これによって、通常遊技状態では、役物装置40(入球口42)への遊技球の入球が不可能となっている。
パチンコ機1では、遊技球発射装置420によって発射された遊技球は、発射路20を介して、遊技領域30に打ち出され、遊技領域30を下方に向かって流下する。
通常遊技状態において、遊技領域30を流下する遊技球が始動入賞口50に入球すると、特別図柄抽選及び大当たり振分け抽選が実行され、特別図柄表示部71において特別図柄の変動表示が行われる。ここで、小当たり遊技状態及び大当たり遊技状態のうち一方が生起されている期間中には、特別図柄抽選が実行されることはない。
【0072】
そして、特別図柄抽選に当選した場合には、特別図柄表示部71において「小当たり図柄」が停止表示された後に、小当たり遊技状態が生起される。ここで、本実施形態では、特別図柄抽選の当選確率が100%に設定されているため、始動入賞口50への遊技球の入球があった場合(特別図柄抽選が実行された場合)には、必ず、小当たり遊技状態が生起される。
小当たり遊技状態では、役物装置40の開閉部材44が開放状態とされる小当たり開放遊技が実行される。本実施形態では、小当たり開放遊技は、1回の小当たり遊技からなる。そして、小当たり遊技は、役物装置40の開閉部材44が0.5[s]開放状態とされる遊技となっている。これによって、小当たり開放遊技(小当たり遊技)が実行されている期間中には、役物装置40(入球口42)への遊技球の入球が可能となる。
小当たり遊技状態が開始されると、まず、小当たり開放遊技が開始される。そして、小当たり開放遊技が実行されている期間中において、役物装置40に入球した遊技球による特定ゲート40の通過があった場合には、当該小当たり開放遊技の終了に応じて、大当たり遊技状態が生起される。
【0073】
また、小当たり開放遊技が開始されると、役物装置40に入球した遊技球の数(入球数)及び役物装置40から排出された遊技球の数(排出数)のそれぞれの計数が開始される。そして、開始された入球数及び排出数のそれぞれの計数は、その後に大当たり遊技状態が生起される場合には、当該大当たり遊技状態の開始後においても(後述する排出完了判定まで)継続される。
一方、役物装置40に入球した遊技球による特定ゲート40の通過が検出されることなく、小当たり開放遊技が終了した場合には、小当たりウエイト期間が開始される。そして、小当たりウエイト期間中において、役物装置40に入球した遊技球による特定ゲート40の通過が検出された場合には、当該検出に応じて、大当たり遊技状態が生起される。
【0074】
一方、役物装置40に入球した遊技球による特定ゲート40の通過が検出されることなく、小当たり開放遊技及び小当たりウエイト期間が終了した場合には、役物装置40における遊技球の排出が完了したか否かの判定(以下、「排出完了判定」とする)が実行される。
そして、排出完了判定に基づいて、排出が完了していると判定された場合(入球数と排出数とが一致していると判定された場合)には、小当たり遊技状態が終了して、通常遊技状態に移行する。一方、排出完了判定に基づいて、排出が完了していないと判定された場合(入球数と排出数とが一致していないと判定された場合)には、所定のエラー報知が実行される。これにより、役物装置40における球詰まりの発生を検出することが可能となる。そして、この場合には、小当たりウエイト期間で遊技が停止して、通常遊技状態に移行することはない。
【0075】
大当たり遊技状態では、役物装置40の開閉部材44が開放状態とされる大当たり開放遊技が実行される。本実施形態では、大当たり開放遊技は、所定回数の大当たり遊技からなる。ここで、所定回数は、大当たり振分け抽選に基づいて決定された大当たり遊技状態の種類に対応する回数(5[回]、10[回]又は15[回])となる。そして、大当たり遊技は、役物装置40の開閉部材44が30.0[s]開放状態とされる遊技となっている。これによって、大当たり開放遊技(大当たり遊技)が実行されている期間中には、役物装置40(入球口42)への遊技球の入球が可能となり、入球数に応じた数の賞球を獲得することが可能となる。
大当たり遊技状態が開始されると、まず、オープニング期間が開始され、当該オープニング期間が終了した後に、大当たり開放遊技が開始される。ここで、大当たり開放遊技が実行されている期間中においては、入球数と排出数との差が所定値を超えたか否かの判定(以下、「排出不良判定」とする)が実行される。そして、排出不良判定に基づいて、入球数と排出数との差が所定値を超えたと判定された場合には、所定のエラー報知が実行される。これにより、役物装置40における球詰まりの発生、遊技によることなく役物装置40内に遊技球を置く不正行為等を検出することが可能となる。
【0076】
そして、大当たり開放遊技が終了されると、大当たりウエイト期間が開始され、当該大当たりウエイト期間の終了時に、排出完了判定が実行される。
そして、排出完了判定に基づいて、排出が完了していると判定された場合には、大当たり遊技状態が終了して、通常遊技状態に移行する。一方、排出完了判定に基づいて、排出が完了していないと判定された場合には、所定のエラー報知が実行される。これにより、役物装置40における球詰まりの発生を検出することが可能となる。そして、この場合には、大当たりウエイト期間で遊技が停止して、通常遊技状態に移行することはない。すなわち、大当たり遊技状態の開始後、排出完了判定に基づいて入球数と排出数とが一致したと判定されたこを条件として、当該大当たり遊技状態が終了される。
【0077】
(パチンコ機1の作用)
次に、パチンコ機1の作用について説明する。
パチンコ機1では、小当たり開放遊技の開始に応じて、役物装置40の入球口42に入球した遊技球の数(入球数)の計数が開始されるとともに、排出口47から排出された遊技球の数(排出数)の計数が開始される。そして、所定時機において、入球数と排出数とが一致しているか否かを判定する排出完了判定が実行され、排出完了判定に基づいて入球数と排出数とが一致していないと判定された場合には、所定のエラー報知が実行される。
これにより、役物装置40において球詰まりが発生した場合には、所定のエラー報知が実行されるため、この所定のエラー報知に基づいて、役物装置40における球詰まりの発生を検出することが可能となる。
【0078】
特に、パチンコ機1では、大当たり遊技状態を生起させることが決定された場合には、排出完了判定の実行に関わらず、大当たり遊技状態が開始される。これにより、小当たり開放遊技の実行により開放状態とされた役物装置40の入球口42から入球した遊技球による特定ゲート46の通過が検出された場合には、排出完了判定の実行(特に、排出完了判定に基づいて排出が完了していると判定されること)を待つことなく、大当たり遊技状態を開始することができる。したがって、遊技球による特定ゲート46の通過を検出した後、大当たり遊技状態を迅速に開始することができ、遊技の進行の円滑性を向上することが可能となる。具体的には、遊技球による特定ゲート46の通過に応じて、大当たり遊技状態に係るオープニング演出を迅速に開始することができ、遊技の進行の円滑性を向上することが可能となる。
また、パチンコ機1では、大当たり遊技状態が生起される場合には、排出完了判定が、大当たり遊技状態の開始時より後に実行される。そして、排出数の計数が、小当たり開放遊技の開始に応じて開始され、少なくとも排出完了判定が実行されるまで継続される。これにより、大当たり遊技状態の開始時より後の時機において、役物装置40における球詰まりの発生を適切に検出することが可能となる。
【0079】
また、パチンコ機1では、大当たり遊技状態が生起される場合には、排出完了判定が、大当たり遊技状態に係る大当たり開放遊技(最終回のラウンド遊技)の終了時から所定時間(大当たりウエイト時間)が経過したときに実行される。これにより、役物装置40において球詰まりが発生した場合には、大当たり遊技状態に係る大当たり開放遊技の終了後において所定のエラー報知が実行される。したがって、遊技者に有利な大当たり遊技が実行されている期間中に所定のエラー報知が実行されることがなく、所定のエラー報知による大当たり開放遊技の阻害を防止することが可能となる。
また、パチンコ機1では、大当たり遊技状態が生起されている期間中には、特別図柄抽選が実行されず、小当たり遊技状態が生起されることがない。また、排出完了判定が、大当たり遊技状態が生起されている期間中に実行され、排出完了判定に基づいて入球数と排出数とが一致していないと判定された場合には、当該大当たり遊技状態が終了されない。これにより、役物装置40において球詰まりが発生した場合には、生起されている大当たり遊技状態が終了されず、その後、始動入賞口50への遊技球の入球が検出されても特別図柄抽選が実行されることがなく、小当たり遊技状態が生起されることがない。したがって、役物装置40において球詰まりが発生している状態で遊技が進行することを防止することが可能となる。
【0080】
また、パチンコ機1では、排出不良判定に基づいて入球数と排出数との差が所定値に達した場合に、所定のエラー報知が実行される。これにより、役物装置40における球詰まりの発生を早期に検出することが可能となる。
さらに、パチンコ機1では、役物装置40によって、小当たり遊技状態に係る小当たり開放遊技及び大当たり遊技状態に係る大当たり開放遊技の両方が実行される。これにより、構成の複雑化を抑制しつつ遊技性を向上することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、役物装置における球詰まりの発生を適切に検出しつつ、遊技の進行の円滑性を向上することが可能となる。
【0081】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機100に適用している。
ここで、本発明の第二実施形態に係るパチンコ機100の基本構成は、本発明の第一実施形態に係るパチンコ機1の基本構成と同一となっている。したがって、以下の説明においては、パチンコ機100の構成のうちパチンコ機1の構成と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
パチンコ機100では、主に、遊技盤面11の遊技領域30において大入賞装置80が配設されており、小当たり遊技状態に係る小当たり開放遊技が役物装置40により実行され、大当たり遊技状態における大当たり開放遊技が大入賞装置80により実行される点が、パチンコ機1の構成と異なっている。
【0082】
(遊技盤11の構成)
次に、遊技盤11の構成を説明する。
図13は、本発明の第二実施形態に係るパチンコ機が備える遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
遊技盤11の基本構成は、遊技盤10の基本構成と同一となっている。具体的には、
図13に示すように、遊技盤11の遊技領域30の略中央部には、役物装置40が配設されている。また、役物装置40の下方には、始動入賞口50が配設されている。
特に、始動入賞口50の下方には、大入賞装置80が配設されている。大入賞装置80は、大入賞装置80は、入球口81と、入球口81を塞ぐことが可能となるように配設された開閉部材82と、を有している。
【0083】
入球口81は、遊技領域30に打ち出された遊技球の入球が可能となっている。入球口81には、大入賞検知センサ105(
図14参照)が配設されている。大入賞検知センサ105は、入球口81に入球した遊技球の検出に応じて、検出信号を主制御装置200に対して出力する。主制御装置200は、大入賞検知センサ105からの検出信号の入力に応じて、賞球の払い出しに係る処理を実行する。
開閉部材82は、平板状に形成され、入球口81への遊技球の入球を不可能にする閉鎖状態と遊技球の入球を可能にする開放状態とに変位することが可能となっている。開閉部材82は、大入賞装置ソレノイド65(
図14参照)によって開閉される。
大入賞装置80においては、通常遊技状態では、開閉部材82が閉鎖状態とされ、入球口81への遊技球の入球が不可能となる。一方、大入賞装置80においては、ラウンド遊技が実行されると、開閉部材82が閉鎖状態から開放状態に変位され、入球口81への遊技球の入球が可能となる。
【0084】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機100における制御系の構成を説明する。
図14は、本発明の第二実施形態に係るパチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
パチンコ機100の制御系の基本構成は、パチンコ機1の制御系の基本構成と同一となっている。具体的には、
図14に示すように、パチンコ機100は、主制御装置200と、演出制御装置300と、払出制御装置400と、各制御装置200,300,400に電源(電力)を供給する電源装置600と、を備えている。
特に、入力ポート240は、大入賞検知センサ105から入力された検出信号を、CPU210に対して出力する。また、出力ポート250は、大入賞装置ソレノイド65に対して制御信号を出力する。
【0085】
(各種抽選について)
次に、パチンコ機100で実行される各種抽選について説明する。
パチンコ機100では、パチンコ機1と同様に、始動入賞口50への遊技球の入球を契機として、特別図柄抽選及び大当たり振分け抽選が実行される。
特別図柄抽選に当選した場合には、小当たり遊技状態が生起させる。小当たり遊技状態では、役物装置40の開閉部材44が閉鎖状態に変位される小当たり開放遊技が実行されて、役物装置40の入球口42への遊技球の入球が可能な状態となる。
そして、小当たり開放遊技の実行中に役物装置40に入球した遊技球が特定ゲート46を通過した場合には、大当たり遊技状態が生起される。この際、生起される大当たり遊技状態の種類は、大当たり振分け抽選に基づいて決定される。
大当たり遊技状態では、大入賞装置80の開閉部材82が閉鎖状態に変位される大当たり開放遊技(遊技者に有利な遊技)が実行されて、大入賞装置80の入球口81への遊技球の入球が可能な状態となる。本実施形態では、大当たり開放遊技は、複数回(5回、10回又は15回)のラウンド遊技からなる。
【0086】
(主制御装置で実行される処理)
次に、主制御装置200で実行される処理を説明する。
パチンコ機100では、
図8に示すタイマ割込み処理のうち、ステップS33、ステップS37、ステップS38及びステップS39に係る処理の内容が、パチンコ機1と異なっている。
ステップS33のスイッチチェック処理では、入力ポート240における各検知センサ101〜105からの検出信号の入力の有無をチェックする。そして、いずれかの検知センサ101〜105からの検出信号の入力を検出した場合には、該検出を示す情報をRAM230の所定領域に記憶する。
【0087】
ステップS38の賞球払出処理では、ステップS33の処理結果に基づいて、各検知センサ101,102,105からの検出信号の入力の有無を判定する。そして、各検知センサ101,102,105からの検出信号の入力があった場合には、賞球数指定コマンドをポート出力要求バッファに記憶する。
本実施形態では、始動検知センサ101から検出信号の入力があった場合には、「3個」の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、入球検知センサ102から検出信号の入力があった場合には、「10個」の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、大入賞検知センサ105から検出信号の入力があった場合には、「15個」の賞球数を指定する賞球数指定コマンドをポート出力要求バッファに記憶する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、賞球数指定コマンドが払出制御装置400に対して送信される。
ステップS39のポート出力処理では、ポート出力要求バッファに記憶されている各種制御コマンドが、演出制御装置300又は払出制御装置400に対して送信される。また、ポート出力処理では、制御信号が、遊技状態表示装置70、役物装置ソレノイド64、大入賞装置ソレノイド65等に対して出力される。
【0088】
次に、ステップS37の大当たり遊技処理を説明する。
図15は、本発明の第二実施形態に係るパチンコ機における大当たり遊技処理を示すフローチャートである。
大当たり遊技処理は、ステップS37において実行されると、
図15に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、大当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、大当たり遊技状態の生起中であると判定した場合(Yes)には、ステップS201に移行し、大当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、大当たり遊技状態の生起中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている大当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
【0089】
ステップS201では、役物装置40における遊技球の排出が完了したか否かを判定し、遊技球の排出が完了したと判定した場合(Yes)には、ステップS202に移行し、遊技球の排出が完了していないと判定した場合(No)には、ステップS203に移行する。
具体的には、入球数カウンタの値と排出数カウンタの値とが一致しているか否かを判定し、一致している場合には、遊技球の排出が完了したと判定し、一致していない場合(排出数カウンタの値が入球数カウンタの値より小さい場合)には、遊技球の排出が完了していないと判定する。
ここで、本実施形態では、入球数カウンタによる役物装置40の入球口42に入球した遊技球の数のカウントは、小当たり開放遊技(小当たり遊技)の開始により開始され、少なくとも、小当たり開放遊技が終了するまで継続する。これにより、入球数カウンタは、小当たり開放遊技の開始から当該小当たり開放遊技の終了までの期間中における役物装置40への遊技球の入球数を積算する。一方、排出数カウンタによる役物装置40の排出口47から排出された遊技球の数のカウントは、小当たり開放遊技の開始により開始され、ステップS201に係る判定により遊技球の排出が完了していると判定されるまで継続する。これにより、排出数カウンタは、最長で、小当たり開放遊技の開始から大当たりウエイト時間の終了時までの期間中における役物装置40からの遊技球の排出数を積算する。
【0090】
ステップS202では、排出完了設定処理を実行し、ステップS203に移行する。排出完了設定処理では、排出完了フラグを、RAM230の所定領域に記憶する。
また、排出完了設定処理では、排出完了指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、排出完了指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
ステップS203では、オープニング期間中であるか否かを判定し、オープニング期間中であると判定した場合(Yes)には、ステップS204に移行し、オープニング期間中でないと判定した場合(No)には、ステップS206に移行する。
ここで、オープニング期間中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されているオープニング期間フラグに基づいて判定する。
ステップS204では、オープニング時間タイマに設定されたオープニング時間が経過したか否かを判定し、オープニング時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS205に移行し、オープニング時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0091】
ステップS205では、大当たり開放遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。大当たり開放遊技開始処理では、まず、ステップS115において設定した大当たり種別フラグに基づいて、生起させる大当たり遊技状態の種類(「大当たり1」、「大当たり2」又は「大当たり3」)を確認する。そして、確認した大当たり遊技状態の種類に対応するラウンド遊技回数(5[回]、10[回]又は15[回])を、ラウンド遊技カウンタに設定する。また、ラウンド遊技における大入賞装置80の開閉部材82の最長開放時間(本実施形態では、30.0[s])を、ラウンド遊技タイマに設定する。そして、開閉部材82の開放を開始するとともに、設定したラウンド遊技タイマによる開閉部材82の開放時間の計測を開始する。さらに、入賞数カウンタによる大入賞装置80(入球口81)への遊技球の入球数のカウントを開始する。
また、大当たり開放遊技開始処理では、RAM230の所定領域に記載されているオープニング期間フラグを消去する。
さらに、大当たり開放遊技開始処理では、ラウンド遊技開始指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、ラウンド遊技開始指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、ラウンド遊技開始指定コマンドを受信した場合には、所定のラウンド遊技演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、所定のラウンド遊技演出として、演出表示装置48、ランプ11及び音発生装置12による演出を実行する。
【0092】
ステップS206では、大当たりウエイト期間中であるか否かを判定し、大当たりウエイト期間中でないと判定した場合(No)には、ステップS207に移行し、大当たりウエイト期間中であると判定した場合(Yes)には、ステップS215に移行する。
ここで、大当たりウエイト期間中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている大当たりウエイト期間フラグに基づいて判定する。
ステップS207では、大入賞装置80の開閉部材82の開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定し、開閉部材82の開放中であると判定した場合(Yes)には、ステップS208に移行し、開閉部材82の開放中でないと判定した場合(No)には、ステップS212に移行する。
ステップS208では、大入賞装置80の開放部材82の閉鎖条件(ラウンド遊技の終了条件)を満たすか否かを判定し、開閉部材82の閉鎖条件を満たさないと判定した場合(No)には、ステップS209に移行し、開閉部材82の閉鎖条件を満たすと判定した場合(Yes)には、ステップS211に移行する。
ここで、ラウンド遊技タイマに設定された開放時間が経過したこと及び賞球数カウンタのカウント値が所定数(本実施形態では、10[球])に達したことのうち一方の条件が満たされた場合に、開放部材82の閉鎖条件を満たすと判定する。
【0093】
ステップS209では、入球数と排出数との差が所定値を超えたか否かを判定し、入球数と排出数との差が所定値を超えたと判定した場合(Yes)には、ステップS210に移行し、入球数と排出数との差が所定値を超えていないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
具体的には、入球数カウンタの値と排出数カウンタの値との差を算出して、当該差の値が所定値(本実施形態では、10[球])を超えたか否かを判定する。本実施形態では、排出数カウンタの値から入球数カウンタの値を減算した値が所定値を超えた場合に、後述するステップS210のエラー処理を実行する。しかしながら、入球数カウンタの値から排出数カウンタの値を減算した値が所定値を超えた場合に、ステップS210のエラー処理を実行する構成としても構わず、また、入球数カウンタの値から排出数カウンタの値を減算した値が所定値を超えたこと及び排出数カウンタの値から入球数カウンタの値を減算した値が所定値を超えたことのうち少なくとも一方が満たされた場合に、ステップS210のエラー処理を実行する構成としても構わない。
【0094】
ステップS210では、エラー処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ステップS210のエラー処理は、ステップS146のエラー処理と同様の処理となっている。
ステップS211では、ラウンド遊技終了処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。ラウンド遊技終了処理では、大入賞装置80の開閉部材82を閉鎖して、ラウンド遊技タイマの値及び入賞数カウンタの値のそれぞれをリセットする。また、ラウンド遊技カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たにラウンド遊技カウンタに設定する。
また、ラウンド遊技終了処理では、ラウンド遊技終了指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、ラウンド遊技終了指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、ラウンド遊技終了指定コマンドを受信した場合には、実行中のラウンド遊技演出を終了する。
【0095】
ステップS212では、大当たり開放遊技を終了するか否かを判定し、大当たり開放遊技を終了しないと判定した場合(No)には、ステップS213に移行し、大当たり開放遊技を終了すると判定(Yes)した場合には、ステップS214に移行する。
ここで、大当たり遊技カウンタに設定されている値が「0」となった場合に、大当たり開放遊技を終了すると判定する。
ステップS213では、ラウンド遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。ラウンド遊技開始処理では、ラウンド遊技における大入賞装置80の開閉部材82の最長開放時間(本実施形態では、30.0[s])を、ラウンド遊技タイマに設定する。そして、開閉部材82の開放を開始するとともに、設定したラウンド遊技タイマによる開閉部材82の開放時間の計測を開始する。さらに、入賞数カウンタによる大入賞装置80への遊技球の入球数のカウントを開始する。
また、ラウンド遊技開始処理では、ラウンド遊技開始指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、ラウンド遊技開始指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、ラウンド遊技開始指定コマンドを受信した場合には、所定のラウンド遊技演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、所定のラウンド遊技演出として、演出表示装置48、ランプ11及び音発生装置12による演出を実行する。
【0096】
ステップS214では、大当たりウエイト期間開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。大当たりウエイト期間開始処理では、大当たりウエイト期間フラグを、RAM230の所定領域に記憶する。また、大当たりウエイト時間(本実施形態では、30.0[s])を大当たりウエイト時間タイマに設定し、設定した大当たりウエイト時間タイマによる大当たりウエイト時間の計測を開始する。
ここで、大当たり開放遊技の終了後からRAM230の所定領域に設定されている大当たりウエイト期間フラグが解除されるまでの期間が、大当たりウエイト期間となる。
また、大当たりウエイト期間開始処理では、エンディング指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS39のポート出力処理において、エンディング指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
そして、演出制御装置300は、エンディング指定コマンドを受信した場合には、所定のエンディング演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、所定のエンディング演出として、演出表示装置48、ランプ11及び音発生装置12による演出を実行する。
【0097】
ステップS215では、大当たりウエイト時間タイマに設定された大当たりウエイト時間が経過したか否かを判定し、大当たりウエイト時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS216に移行し、大当たりウエイト時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS216では、役物装置40における遊技球の排出が完了したか否かを判定し、遊技球の排出が完了したと判定した場合(Yes)には、ステップS217に移行し、遊技球の排出が完了していないと判定した場合(No)には、ステップS218に移行する。
具体的には、RAM230の所定領域において排出完了フラグが設定されている場合には、遊技球の排出が完了したと判定し、排出完了フラグが設定されていない場合には、遊技球の排出が完了していないと判定する。なお、入球数カウンタの値と排出数カウンタの値とが一致しているか否かに基づいて、遊技球の排出が完了しているか否かを判定しても構わない。
【0098】
ステップS217では、大当たり遊技状態終了処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。大当たり遊技状態終了処理では、RAM230の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグ、大当たり種別フラグ、大当たりウエイト期間フラグ及び排出完了フラグのそれぞれを解除(消去)する。また、入球数カウンタの値及び排出数カウンタの値のそれぞれをリセットする。
ステップS218では、エラー処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ステップS218のエラー処理は、ステップS146のエラー処理と同様の処理となっている。ここで、ステップS218のエラー処理が実行される場合には、RAM230の所定領域に設定されている大当たりウエイト期間フラグが解除されない。これにより、エラーが発生した場合には、大当たりウエイト期間で遊技が停止することになる。この際、本実施形態では、パチンコ機1に設けられているRAMクリアボタン(図示せず)が操作された場合に、RAM230の所定領域に設定されている各種フラグが解除される。
【0099】
(パチンコ機100の動作)
次に、パチンコ機100の動作を説明する。
パチンコ機100では、遊技状態として、通常遊技状態、小当たり遊技状態及び大当たり遊技状態を有している。
通常遊技状態は、小当たり遊技状態及び大当たり遊技状態のいずれも生起されてない遊技状態となっている。通常遊技状態では、役物装置40の開閉部材44が閉鎖状態とされているとともに、大入賞装置80の開閉部材82が閉鎖状態とされている。これによって、通常遊技状態では、役物装置40(入球口42)及び大入賞装置80(入球口81)のそれぞれへの遊技球の入球が不可能となっている。
パチンコ機100では、遊技球発射装置420によって発射された遊技球は、発射路20を介して、遊技領域30に打ち出され、遊技領域30を下方に向かって流下する。
【0100】
通常遊技状態において、遊技領域30を流下する遊技球が始動入賞口50に入球すると、特別図柄抽選及び大当たり振分け抽選が実行され、特別図柄表示部71において特別図柄の変動表示が行われる。ここで、小当たり遊技状態及び大当たり遊技状態のうち一方が生起されている期間中には、特別図柄抽選が実行されることはない。
そして、特別図柄抽選に当選した場合には、特別図柄表示部71において「小当たり図柄」が停止表示された後に、小当たり遊技状態が生起される。ここで、本実施形態では、特別図柄抽選の当選確率が100%に設定されているため、始動入賞口50への遊技球の入球があった場合には、必ず、小当たり遊技状態が生起される。
小当たり遊技状態では、役物装置40の開閉部材44が開放状態とされる小当たり開放遊技が実行される。本実施形態では、小当たり開放遊技は、1回の小当たり遊技からなる。そして、小当たり遊技は、役物装置40の開閉部材44が0.5[s]開放状態とされる遊技となっている。これによって、小当たり開放遊技(小当たり遊技)が実行されている期間中には、役物装置40(入球口42)への遊技球の入球が可能となる。
【0101】
小当たり遊技状態が開始されると、まず、小当たり開放遊技が開始される。そして、小当たり開放遊技が実行されている期間中において、役物装置40に入球した遊技球による特定ゲート40の通過があった場合には、当該小当たり開放遊技の終了に応じて、大当たり遊技状態が生起される。
また、小当たり開放遊技が開始されると、役物装置40に入球した遊技球の数(入球数)及び役物装置40から排出された遊技球の数(排出数)のそれぞれの計数が開始される。そして、開始された入球数の計数は、少なくとも、当該小当たり開放遊技が終了するまで継続される。また、開始された排出数の計数は、その後に大当たり遊技状態が生起される場合には、当該大当たり遊技状態の開始後においても(後述する排出完了判定に基づいて排出完了が判定されるまで)継続される。
【0102】
一方、役物装置40に入球した遊技球による特定ゲート40の通過が検出されることなく、小当たり開放遊技が終了した場合には、小当たりウエイト期間が開始される。そして、小当たりウエイト期間中において、役物装置40に入球した遊技球による特定ゲート40の通過が検出された場合には、当該検出に応じて、大当たり遊技状態が生起される。
一方、役物装置40に入球した遊技球による特定ゲート40の通過が検出されることなく、小当たり開放遊技及び小当たりウエイト期間が終了した場合には、役物装置40における遊技球の排出が完了したか否かの判定(以下、「排出完了判定」とする)が実行される。
そして、排出完了判定に基づいて、排出が完了していると判定された場合(入球数と排出数とが一致していると判定された場合)には、小当たり遊技状態が終了して、通常遊技状態に移行する。一方、排出完了判定に基づいて、排出が完了していないと判定された場合(入球数と排出数とが一致していないと判定された場合)には、所定のエラー報知が実行される。これにより、役物装置40における球詰まりの発生を検出することが可能となる。そして、この場合には、小当たりウエイト期間で遊技が停止して、通常遊技状態に移行することはない。
【0103】
大当たり遊技状態では、大入賞装置80の開閉部材82が開放状態とされる大当たり開放遊技が実行される。本実施形態では、大当たり開放遊技は、所定回数の大当たり遊技からなる。ここで、所定回数は、大当たり振分け抽選に基づいて決定された大当たり遊技状態の種類に対応する回数(5[回]、10[回]又は15[回])となる。そして、大当たり遊技は、大入賞装置80の開閉部材82が30.0[s]開放状態とされる遊技となっている。これによって、大当たり開放遊技(大当たり遊技)が実行されている期間中には、大入賞装置80(入球口81)への遊技球の入球が可能となり、入球数に応じた数の賞球を獲得することが可能となる。
大当たり遊技状態が開始されると、まず、オープニング期間が開始され、当該オープニング期間が終了した後に、大当たり開放遊技が開始される。ここで、大当たり開放遊技が実行されている期間中においては、入球数と排出数との差が所定値を超えたか否かの判定(以下、「排出不良判定」とする)が実行される。そして、排出不良判定に基づいて、入球数と排出数との差が所定値を超えたと判定された場合には、所定のエラー報知が実行される。これにより、遊技によることなく役物装置40内に遊技球を置く不正行為等を検出することが可能となる。
【0104】
そして、大当たり開放遊技が終了されると、大当たりウエイト期間が開始され、当該大当たりウエイト期間の終了時に、排出完了判定が実行される。
そして、排出完了判定に基づいて、排出が完了していると判定された場合には、大当たり遊技状態が終了して、通常遊技状態に移行する。一方、排出完了判定に基づいて、排出が完了していないと判定された場合には、所定のエラー報知が実行される。これにより、役物装置40における球詰まりの発生を検出することが可能となる。そして、この場合には、大当たりウエイト期間で遊技が停止して、通常遊技状態に移行することはない。すなわち、大当たり遊技状態の開始後、排出完了判定に基づいて入球数と排出数とが一致したと判定されたこを条件として、当該大当たり遊技状態が終了される。
【0105】
(パチンコ機100の作用)
次に、パチンコ機100の作用について説明する。
パチンコ機100では、小当たり開放遊技の開始に応じて、役物装置40の入球口42に入球した遊技球の数(入球数)の計数が開始されるとともに、排出口47から排出された遊技球の数(排出数)の計数が開始される。そして、所定時機において、入球数と排出数とが一致しているか否かを判定する排出完了判定が実行され、排出完了判定に基づいて入球数と排出数とが一致していないと判定された場合には、所定のエラー報知が実行される。
これにより、役物装置40において球詰まりが発生した場合には、所定のエラー報知が実行されるため、この所定のエラー報知に基づいて、役物装置40における球詰まりの発生を検出することが可能となる。
【0106】
特に、パチンコ機100では、大当たり遊技状態を生起させることが決定された場合には、排出完了判定の実行に関わらず、大当たり遊技状態が開始される。これにより、小当たり開放遊技の実行により開放状態とされた役物装置40の入球口42から入球した遊技球による特定ゲート46の通過が検出された場合には、排出完了判定の実行(特に、排出完了判定に基づいて排出が完了していると判定されること)を待つことなく、大当たり遊技状態を開始することができる。したがって、遊技球による特定ゲート46の通過を検出した後、大当たり遊技状態を迅速に開始することができ、遊技の進行の円滑性を向上することが可能となる。具体的には、遊技球による特定ゲート46の通過に応じて、大当たり遊技状態に係るオープニング演出を迅速に開始することができ、遊技の進行の円滑性を向上することが可能となる。
また、パチンコ機100では、大当たり遊技状態が生起される場合には、排出完了判定が、大当たり遊技状態の開始時より後に実行される。そして、排出数の計数が、小当たり開放遊技の開始に応じて開始され、少なくとも排出完了判定が実行されるまで継続される。これにより、大当たり遊技状態の開始時より後の時機において、役物装置40における球詰まりの発生を適切に検出することが可能となる。
【0107】
また、パチンコ機100では、大当たり遊技状態が生起される場合には、排出完了判定が、大当たり遊技状態に係る大当たり開放遊技(最終回のラウンド遊技)の終了時から所定時間(大当たりウエイト時間)が経過したときに実行される。これにより、役物装置40において球詰まりが発生した場合には、大当たり遊技状態に係る大当たり開放遊技の終了後において所定のエラー報知が実行される。したがって、遊技者に有利な大当たり遊技が実行されている期間中に所定のエラー報知が実行されることがなく、所定のエラー報知による大当たり開放遊技の阻害を防止することが可能となる。
また、パチンコ機100では、大当たり遊技状態が生起されている期間中には、特別図柄抽選が実行されず、小当たり遊技状態が生起されることがない。また、排出完了判定が、大当たり遊技状態が生起されている期間中に実行される。そして、排出完了判定に基づいて入球数と排出数とが一致していないと判定された場合には、当該大当たり遊技状態が終了されない。これにより、役物装置40において球詰まりが発生した場合には、生起されている大当たり遊技状態が終了されず、その後、始動入賞口50への遊技球の入球が検出されても特別図柄抽選が実行されることがなく、小当たり遊技状態が生起されることがない。したがって、役物装置40において球詰まりが発生している状態で遊技が進行することを防止することが可能となる。
【0108】
また、パチンコ機100では、排出不良判定に基づいて入球数と排出数との差が所定値に達した場合に、所定のエラー報知が実行される。これにより、遊技によることなく役物装置40内に遊技球を置く不正行為等を検出することが可能となる。
さらに、パチンコ機100では、役物装置40によって、小当たり遊技状態に係る小当たり開放遊技が実行され、大入賞装置80によって、大当たり遊技状態に係る大当たり開放遊技が実行される。これにより、遊技状態に応じて入球を目指す装置を変更することができ、遊技性を向上することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、役物装置における球詰まりの発生を適切に検出しつつ、遊技の進行の円滑性を向上することが可能となる。
【0109】
(変形例)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記各実施形態では、排出完了判定を、大当たり遊技状態における大当たりウエイト期間中(大当たりウエイト期間の終了時)に実行している。しかしながら、上記各実施形態では、排出完了判定を、大当たり遊技状態の終了後(例えば、大当たり遊技状態の終了時から所定時間の経過時)に実行しても構わない。また、上記第二実施形態では、排出完了判定を、オープニング期間中又は大当たり開放遊技が実行されている期間中に実行し、排出完了判定に基づいて遊技球の排出が完了していないと判定された場合に、エラー処理を実行する構成としても構わない。
また、上記各実施形態では、特別図柄抽選(当たり乱数の取得及び小当たり判定)を実行し、特別図柄抽選に当選した場合に、小当たり遊技状態を生起させる。しかしながら、上記各実施形態では、特別図柄抽選を実行しない構成としても構わない。この場合には、始動入賞口50への遊技球の入球に応じて、特別図柄抽選を実行せずに、大当たり振分け抽選(図柄決定乱数の取得及び大当たり遊技状態の種類の判定)を実行して、小当たり遊技状態を生起させる。そして、小当たり遊技状態の生起中に遊技球による特定ゲート46の通過が検出された場合には、大当たり振分け抽選に基づいて決定された種類の大当たり遊技状態を生起させる。これによって、始動入賞口50への遊技球の入球に応じて、小当たり遊技状態を生起させることができる。
さらに、上記各実施形態では、役物装置40が特定ゲート46を備え、遊技球による特定ゲート46の通過の検出に応じて、大当たり遊技状態が生起される構成となっている。しかしながら、上記各実施形態では、役物装置40が、特定ゲート46に替えて、特定入球口を備える構成としても構わない。この場合には、特定入球口への遊技球の入球の検出に応じて、大当たり遊技状態が生起される。また、排出数カウンタは、排出口47から排出される遊技球及び特定入球口に入球した遊技球の数を計数する。
また、上記各実施形態においては、本発明をパチンコ機1,100に適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。