特許第6116270号(P6116270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • 6116270-セキュリティ・ボルト装置 図000002
  • 6116270-セキュリティ・ボルト装置 図000003
  • 6116270-セキュリティ・ボルト装置 図000004
  • 6116270-セキュリティ・ボルト装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6116270
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】セキュリティ・ボルト装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 41/00 20060101AFI20170410BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   F16B41/00 P
   F16B35/00 Y
   F16B35/00 T
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-19284(P2013-19284)
(22)【出願日】2013年2月4日
(65)【公開番号】特開2014-149063(P2014-149063A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】株式会社日立物流
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 充仁
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−038915(JP,U)
【文献】 特開2005−351468(JP,A)
【文献】 特開2007−155113(JP,A)
【文献】 特開2003−246282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00−43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルト頭と大径ねじ部と小径ねじ部を有し前記大径ねじ部と小径ねじ部のねじ巻き方向が互いに逆方向であるボルトと、
前記ボルトに螺合する小径の第1のナットおよび大径の第2のナットと、
前記第2のナットの外周形状とほぼ同一形状の一方の孔と、前記第2のナットの外周形状の最大径と同様の径を有する円孔の他方の孔が貫通するように形成され、これら2つの孔が中間部に形成された止め輪用溝を介して接続されて前記ボルトが貫通される回転防止金具と、
前記止め輪用溝に収納可能で前記第2のナットの脱落を防止する止め輪と、
前記回転防止金具の端面に接して配置され前記ボルトが貫通して前記小径ねじ部が突出する特殊台座を備え、
前記ボルトと前記第2のナットの間に被締結物を挟んで締結した状態で、前記回転防止金具の前記一方の孔に嵌合した前記第2のナットの近傍の前記止め輪用溝に前記止め輪が取付けられ、前記小径ねじ部に前記第1のナットが螺合されることを特徴とするセキュリティ・ボルト装置。
【請求項2】
前記ボルト頭はJIS規格またはそれに相当する各国規格の六角ボルトまたは六角穴付きボルトの形状であり、前記ボルト頭を被締結物の外面側に、その他の部材を被締結物の内面側に配置したことを特徴とする請求項1に記載のセキュリティ・ボルト装置。
【請求項3】
搬送車両の荷台に設けられた密閉室を前記荷台に固定するセキュリティ・ボルト装置であって、
ボルト頭と大径ねじ部と小径ねじ部を有し前記大径ねじ部と小径ねじ部のねじ巻き方向が互いに逆方向であるボルトと、
前記ボルトに螺合する小径の第1のナットおよび大径の第2のナットと、
前記第2のナットの外周形状とほぼ同一形状の一方の孔と、前記第2のナットの外周形状の最大径と同様の径を有する円孔の他方の孔が貫通するように形成され、これら2つの孔が中間部に形成された止め輪用溝を介して接続されて前記ボルトが貫通される回転防止金具と、
前記止め輪用溝に収納可能で前記第2のナットの脱落を防止する止め輪と、
前記回転防止金具の端面に接して配置され前記ボルトが貫通して前記小径ねじ部が突出する特殊台座を備え、
前記ボルトと前記第2のナットの間に前記密閉室と前記荷台を挟んで前記密閉室を前記荷台に締結した状態で、前記回転防止金具の前記一方の孔に嵌合した前記第2のナットの近傍の前記止め輪用溝に前記止め輪が取付けられ、前記小径ねじ部に前記第1のナットが螺合されることを特徴とするセキュリティ・ボルト装置。
【請求項4】
前記ボルト頭はJIS規格またはそれに相当する各国規格の六角ボルトまたは六角穴付きボルトの形状であり、前記ボルト頭を前記荷台の外側に、その他の部材を前記密閉室の内側に配置したことを特徴とする請求項3に記載のセキュリティ・ボルト装置。
【請求項5】
前記密閉室は鋼板の被覆部材で構成されており、前記密閉室を前記荷台に締結した後は、前記密閉室に入ることなく前記ボルト頭を左右いずれの方向に回動しても前記密閉室と前記荷台の締結力が増すことを特徴とする請求項4に記載のセキュリティ・ボルト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を固定するボルトに係り、特に物品の盗難を防止する際に好適なセキュリティ・ボルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の盗難防止用のボルトの例が、特許文献1ないし3に記載されている。特許文献1では、六角ボルトや六角ナット等の六角柱状の締結具を用いる場合に適用される盗難防止用ボルトキャップが記載されている。この公報に記載のボルトキャップは、ねじ締めされた六角柱状の締結具を、スパナやレンチ等の一般的な回動工具で取り外すことを不能にするものであり、六角ボルトの頭部またはねじ締めされた六角ナット等の周囲を覆うように、円筒状のインナーキャップが設けられている。
【0003】
そして、インナーキャップの周囲を覆うとともに、インナーキャップに対して分離不能かつ回動自在に円筒状のアウターキャップが設けられている。さらに、インナーキャップの内周であってインナーキャップの引抜方向かつ内向に、複数の爪状の抜脱防止片が設けられており、この抜脱防止片はインナーキャップの円筒中心軸に対して回転対称状であって且つ等間隔に八個形成されている。
【0004】
従来の盗難防止用のボルトの他の例が、特許文献2に記載されている。この公報では、自動販売機本体を据付け場所からそっくり盗み出す手口に対して高い防盗性が確保できるように、据付け固定装置の構造を改良している。すなわち、自動販売機の基台の四隅に支脚を配し、四脚とその内側に並置して据付け基礎にアンカーボルトを植えつけ、アンカーボルトとの間に固定金具を架け渡し、アンカーボルトのナットを基台に開口した穴を通して機内側から工具を使って締結するようにしている。そして、ナットを包囲するようにアンカーボルトにカップ状のナットカバーを嵌挿し、このナットカバーをナットで共締めしている。これにより、ナットカバーが邪魔をして側方からナットを直接回すことかできなくなり、簡単な部品(ナットカバー)を追加するだけで、据付け場所から自動販売機本体をそのまま盗み出すような盗難手口に対して高い防盗性を確保している。
【0005】
従来の盗難防止用装置のさらに他の例が、特許文献3に記載されている。この公報に記載の盗難防止機能を付与するボルトロック装置では、特殊形状とされていないボルトを使用するために、ボルトロック装置は、ボルト軸部の先端側からボルトに被せられるカバー部材と、ボルト頭部と被締結部材との間に介在させられるワッシャーと、ボルトを回動させる専用回動具とを備えている。カバー部材は、ボルト頭部を周方向から覆う円筒部およびボルト軸部に挿通される貫通孔を有する底壁からなる。ワッシャーは、その外径がカバー部材の底壁の貫通孔の径よりも小さく、その厚みがカバー部材の底壁の厚みよりも大きくなっている。専用回動具は、ボルト頭部外周に嵌め合わせ可能な内周面およびカバー部材の円筒部の内周に嵌め合わせ可能な外周面を有する係合部を先端に有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−309235号公報
【特許文献2】特開2003−151022号公報
【特許文献3】実用新案登録第3123977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載のものは、ボルトの頭部を覆うインナーキャップがこのボルト頭部の側面に係止する複数の爪を有しており、アウターキャップがインナーキャップを覆っているので、通常の工具ではボルトを緩めることができない、という利点を有している。しかしながら、ボルトの取り外しには特殊工具を必要とし、何らかの理由でボルトを取り外したいという緊急の要求には応えることが困難である。
【0008】
また、特許文献2に記載の固定装置は自販機の据付部に用いられるもので、据付ボルトに係止するナットを覆うように構成された凹状のナットカバーをナットとともにボックスレンチで締めるようにしたことで、通常のスパナではナットを取り外せないようにしている。しかしこの構成では、ボックスレンチを使用すればナットの取り外しが可能であり、構成は簡単であるがセキュリティの点で十分ではない。
【0009】
さらに、特許文献3に記載のボルトロック装置では、ボルトの頭部を周方向から覆う凹状のカバー部材をボルトとともに締め付けるようにし、このカバー部材とボルト頭部間に嵌合する特殊形状のボックススパナを用いてボルト締結し、セキュリティを確保している。この公報に記載のボルトロック装置は、ボルトの取り付けおよび取り外しに特殊形状のスパナが必要であること、および密閉室の外部から盗難等の目的でボルトロック装置へアクセスするのを防止することについての考慮がないこと、等の不具合がある。
【0010】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、トラック等に搭載される物品や倉庫等に保管される物品の盗難防止を図ることにある。本発明の他の目的は、上記物品をトラックや倉庫等に固定する物品締結用のセキュリティ・ボルト装置の盗難防止能力を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の特徴は、セキュリティ・ボルト装置が、ボルト頭と大径ねじ部と小径ねじ部を有し前記大径ねじ部と小径ねじ部のねじ巻き方向が互いに逆方向であるボルトと、
前記ボルトに螺合する小径の第1のナットおよび大径の第2のナットと、
前記第2のナットの外周形状とほぼ同一形状の一方の孔と、前記第2のナットの外周形状の最大径と同様の径を有する円孔の他方の孔が貫通するように形成され、これら2つの孔が中間部に形成された止め輪用溝を介して接続されて前記ボルトが貫通される回転防止金具と、
前記止め輪用溝に収納可能で前記第2のナットの脱落を防止する止め輪と、
前記回転防止金具の端面に接して配置され前記ボルトが貫通して前記小径ねじ部が突出する特殊台座を備え、
前記ボルトと前記第2のナットの間に被締結物を挟んで締結した状態で、前記回転防止金具の前記一方の孔に嵌合した前記第2のナットの近傍の前記止め輪用溝に前記止め輪が取付けられ、前記小径ねじ部に前記第1のナットが螺合されることにある。
【0012】
そしてこの特徴において、前記ボルト頭はJIS規格の六角ボルトまたは六角穴付きボルトの形状であり、前記ボルト頭を被締結物の外面側に、その他の部材を被締結物の内面側に配置するのがよい。
【0013】
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、搬送車両の荷台に設けられた密閉室を前記荷台に固定するセキュリティ・ボルト装置であって、
ボルト頭と大径ねじ部と小径ねじ部を有し前記大径ねじ部と小径ねじ部のねじ巻き方向が互いに逆方向であるボルトと、
前記ボルトに螺合する小径の第1のナットおよび大径の第2のナットと、
前記第2のナットの外周形状とほぼ同一形状の一方の孔と、前記第2のナットの外周形状の最大径と同様の径を有する円孔の他方の孔が貫通するように形成され、これら2つの孔が中間部に形成された止め輪用溝を介して接続されて前記ボルトが貫通される回転防止金具と、
前記止め輪用溝に収納可能で前記第2のナットの脱落を防止する止め輪と、
前記回転防止金具の端面に接して配置され前記ボルトが貫通して前記小径ねじ部が突出する特殊台座を備え、
前記ボルトと前記第2のナットの間に前記密閉室と前記荷台を挟んで前記密閉室を前記荷台に締結した状態で、前記回転防止金具の前記一方の孔に嵌合した前記第2のナットの近傍の前記止め輪用溝に前記止め輪が取付けられ、前記小径ねじ部に前記第1のナットが螺合されることにある。
【0014】
そしてこの特徴において、前記ボルト頭はJIS規格の六角ボルトまたは六角穴付きボルトの形状であり、前記ボルト頭を前記荷台の外側に、その他の部材を前記密閉室の内側に配置するのがよく、前記密閉室は鋼板の被覆部材で構成されており、前記密閉室を前記荷台に締結した後は、前記密閉室に入ることなく前記ボルト頭を左右いずれの方向に回動しても前記密閉室と前記荷台の締結力が増すことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、物品をトラックや倉庫等に固定する物品締結用のセキュリティ・ボルト装置において、外部にはボルト頭だけを露出させ、しかもこのボルト頭を左右いずれの方向に回転させても、セキュリティ・ボルト装置の締結力が強まるようにしたので、盗難防止能力が向上する。これにより、トラック等に搭載される物品や倉庫等に保管される物品の盗難防止能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るセキュリティ・ボルト装置を用いて物品を車載した例の斜視図及び断面図である。
図2図1に示したセキュリティ・ボルト装置の分解斜視図である。
図3図2に示したセキュリティ・ボルト装置の縦断面図である。
図4図2に示したセキュリティ・ボルト装置の各部材の正面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るセキュリティ・ボルト装置と、このセキュリティ・ボルト装置を適用した物品のセキュリティ保管装置の一実施例を、図面を用いて説明する。図1は、本発明に係るセキュリティ・ボルト装置100を、セキュリティ保管装置200に使用した例であり、図1(a)はその斜視図、図1(b)はその縦断面図である。
【0018】
図1は、輸送用トラックの荷台を示した図であるが、物品のセキュリティ保管装置200は輸送用トラックの荷台に限らず、物品管理倉庫等も含まれる。同一のトラックには、複数の物品11が、物品11の収容位置25に収容可能になっている。
【0019】
物品11は輸送中においてもセキュリティが要求されるもので、例えば化学薬品や放射性物質等である。そのため、荷台40の物品収容位置25を取り囲んで、鋼鉄製のカバー(被覆物)20で厳重に4個の側面及び上面を囲っている。カバー20の一面には、カバー20の内部に形成される物品収容空間32に作業者がアクセスできるように、ドア21が設けられている。ドア21には、ドアノブ22と鍵穴23が形成されており、鍵穴にかぎを挿入して解錠してからドア21をヒンジ24部で回動させて、作業者の入室を可能にする。なお、この図1では鍵穴としているが、セキュリティをより高めるためには、ディジタル式の施錠装置等も併用または単用可能である。鋼鉄製のカバー20のベース部30は、詳細を後述するように、物品収容空間32側にボルト締結部を有するセキュリティ・ボルト装置100により、荷台40に固定されている。
【0020】
図2ないし図4を用いて、セキュリティ・ボルト装置100の詳細を説明する。図2は、セキュリティ・ボルト装置100の一実施例の分解斜視図、図3は、図2に示したセキュリティ・ボルト装置100の縦断面図である。図4は、図2、3に示したセキュリティ・ボルト装置100の主要部の正面図及び側面図であり、図4(a)は特殊台座120の正面断面図及び左右側面図、図4(b)は回転防止金具140の正面断面図及び左右両側面図、図4(c)は特殊ボルト170の正面図である。
【0021】
セキュリティ・ボルト装置100は、特殊ボルト170を使用する点が最大の特徴である。図4(c)に示すように、特殊ボルト170はJIS規格のボルト頭171を有しており、大径部172に形成されるねじと小径部174に形成されるねじ間を遷移部173で接続する構成となっている。そして、大径部172に形成されるねじの方向と小径部174に形成されるねじの方向が逆方向になっている。本実施例では大径部172のねじを右ねじ、小径部174のねじを左ねじとしているが、この組み合わせは逆であってもよい
被覆物30と輸送用トラックの荷台40を締結するために、被覆物30には特殊ボルト170が貫通する孔41が、被覆物30には孔31が形成されている。座金160を介して特殊ボルト170を各孔41、31に貫通させ、右ねじのナット150で被覆物のベース部30と荷台40とを締結する。ここで大径部172のねじに螺合するナット150もJISで規格されたねじである。この締結状態は、通常の締結状態である。
【0022】
ここで本発明では、ボルト頭171の側から特殊ボルト170を回動させてナット150を緩ませるのを防止するため、ナットの回り止め機能を付加している。この機能は、主として特殊台座120とこの特殊台座120が嵌合する回転防止器具140で達成される。
【0023】
図4(a)に示すように、特殊台座120は外形が正方形の部材であり、その中央部に段付孔が形成されている。段付孔のなかで小径の孔は、特殊ボルト170の小径部174が貫通する孔121である。一方、段付孔のなかで大径の孔122は、特殊ボルト170の大径部172の端部から小径部174の端部までを収容可能なように、大径部172に対応する空孔(ボルト孔)となっている。
【0024】
特殊台座120の孔122が形成された側と、回転防止金具140が接している。つまり特殊台座120は、外形が異なる2つの孔を有する部材とみなされ、特殊台座120の上面125側には小径のナット110が当接するための平面が、特殊台座120の下面126側には特殊金具140に対向する面が形成される。
【0025】
特殊金具140は正方形の柱状であり、中央部に異形穴が貫通するように形成されている。一方の孔142は、特殊ボルト170に螺合するナット150の外径形状に応じた孔であり、正六角形状をしている。他方の孔141は六角形状孔142の最大径と同様の径を有する円孔である。また孔141、142の間に、ナット150の脱落を防止するC型止め輪130を収容可能なC型止め輪用溝145が形成されている。これら2個の孔141、142は、特殊金具140の軸方向中間部でC型止め輪用溝145を介して接続している。特殊金具140の円孔141が形成された側の表面(上面)は、特殊台座120に対向する面であり、六角形孔142が形成された側の表面(下面)は、被覆物のベース部30の表面に当接する。
【0026】
被覆物のベース部30とトラックの荷台40とを特殊ボルト170とナット150とを用いて締結したら、被覆物20内に形成される空間32側から、順に回転防止金具140、ばね座金130、特殊台座120を特殊ボルト170に貫挿する。そして、ナット110を用いて、特殊ボルトの小径部174に形成されたねじと螺合する。ここで、ナット110は特殊ボルトの小径部172のねじに螺合する左ねじではあるが、その外形形状はJISで規格されたナットの外形と同一である。
【0027】
このようにセキュリティ・ボルト装置100を構成したので、被覆物20とトラックの荷台40との締結および特殊台座120と回転防止金具140の固定保持のためのナット150、110の回動には、JIS規格のスパナを用いることができ、特殊工具を必要としない。また、一旦逆ねじであるナット110を締結した後では、特殊ボルト170のボルト頭171側を左右いずれの方向に回動しても、ナット150またはナット110が螺合側に回動するので締結力が増すだけとなる。
【0028】
これにより、トラックの外側からの被覆物20の取り外しを防止できる。また、被覆物20は鋼板製であるから、内部に不法にアクセスするためにはドア21の施錠部23を破壊するしかなく、施錠部を補強することで不正なアクセスを完全に防止できる。したがって、被覆物内に保持されるセキュリティ部材の盗難を防止できる。
【0029】
なお本発明においては、セキュリティ・ボルト装置に被締結部材である被覆物及び荷台は含まない。つまり、セキュリティ・ボルト装置では、互いに異なる向きのねじが同一ボルトに形成されていて、このボルトに螺合する一方のねじの回転を抑制する回転防止金具および特殊台座を有することが本発明の主たる特徴である。
【0030】
上記実施例ではボルト及びナットをJIS規格に応じた形状としているが、本セキュリティ・ボルト装置を輸出する場合には、各国の規格に応じた形状とすることにより、特殊工具の使用を排除できる。また、上記実施例で用いている特殊台座は、特殊ボルトが大径ねじ部と小径ねじ部を有することにより、小径ねじでの締結力が低下するのを防止するためのものであるから、遷移部よりも長い軸長を必要とする。
【符号の説明】
【0031】
11…搬送物、20…被覆物(鋼鉄製カバー)、21…ドア、22…ドアノブ、23…鍵穴、24…ヒンジ、25…収容位置、30…被覆物のベース部、32…収容空間、40…固定物(車両の荷台)、100…セキュリティ・ボルト装置、110…左ねじナット、120…特殊台座、121…小径孔、122…大径穴、124…周縁部、125…上面、126…下面、130…C型止め輪、140…回転防止金具、141…穴部、142…ナット嵌合部、143…上面、144…下面、145…C型止め輪用溝、150…(右ねじ)ナット、160…平座金、170…特殊ボルト、171…六角ボルト頭部、172…右ねじ部(大径部)、173…遷移部、174…左ねじ部(小径部)、200…セキュリティ保管装置。
図1
図2
図3
図4